したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

テーマ前書き集

1同人α総務:2014/06/12(木) 13:27:48
第2号「想」
第2号「想」  2005/2

          

はじめに

さて、第2号の名称の「想」に決めた経緯を曲がりなりにも理屈をつけて説明しなければ
なりません。私は常日頃、宇宙の果てはあるのかないのか?無から有は生まれるか?はた
して無限の世界はこの世に存在するのかしないのか?などの眠れない問題に悩まされて来
ました。しかしもうそろそろ独断と偏見をものともせずに自分のなかでそれらの難題に決
着をつけなければならないと考えました。
いま現在我々が生きている世界は有限の世界と認識していて、石や花や実数などは手に取
って確かめることができます。しかし実態のない無限の世界を「想念の世界」とみなせば、
各の頭の中には神や虚数や妄想などあらゆるものが存在することが可能であるし、宇宙の
果てと思われている130億光年のかなたまで瞬時に出かけることも出来るのです。
そして、我々は「想念の世界」の神々や多くの先人の思想から実人生に大いに影響を受け
るとともに、この世の美しい花や自然やすばらしい人の生き方に感動して、ふたたび音楽
や絵、詩や小説などの「想念の世界」へフィードバックして行きます。そしてその世界へ
積極的に働きかけることで、かつて北君が巻頭言で書いたように「これから僕たちは人生
を深く生きることなる」のことば通り、残された時間を想念の世界を通して自己表現に努
めたいと思います。そういう訳で今回は題名を想念の一字をとって「想」とした次第であ
ります。
                                 古賀和彦

2編集部:2014/06/12(木) 13:33:13
第7号「生きる」
第7号「生きる」  2006/5

          

「生きる」特集 前書きに変えて

 先だって、次のような文面をそえて、会員同人諸君に厚かましくもアンケートをお願
いした。

 「オモテ面の『生きる』と題したカードは、今回編集担当の北が、恥ずかしながら(文
学は己の恥を世間にさらす、とも世に言われています)、己のそれをまとめたものです。
 北は若い時から『生は、生きてみなければわからない』との持論でした。このほど六
十歳を超え、生きてみたその自分の生を、それではとあれこれ検討し、まとめてみたわけ
です。こうやって事書きに単純化してみたり、若いときからの日記を読み返したら、カー
ドに表した『生きる』とはまた違った、生の新たな相も見えました。思わぬ副産物に、面
白いものだなと思った次第です。
 北のこのカードを一覧して、同人諸君は何を思ったでしょうか。これを或る友人に見
せたところ、一瞥後『ジコチュー』と言い放ちました。『ではそういう自分は』と問いか
けると、『学者を夢見たがあきらめ』云々と、自分の『生きる』を簡潔に述べてくれまし
た。
 担当者の特権で、わがままを言います。同人の皆さん、お願いです、北のこの『生き
る』を忌憚なく批判して下さい。カードになにくれとなく書き込んで下さい。そして御自
分の『生きる』をもしよければ教えて下さい、僕の私の『生きる』はこれだと。人の数だ
け『生きる』があること、それがまた楽しみになります。北の『生きる』を位置付けると
ともに、その楽しみも味わいたいと思って、右お願いする次第です。以下、お願いをまと
めます。
―記―
 ?北の『生きる』を検討・批判して下さい。遠慮のないご意見を下さい
 ?(できるなら)自分の『生きる』『自分はこう生きた』を簡単な箇条書きでもけっこ
うですから教えて下さい。」


アンケート
 1.(肉体面)=(生物としての)生命を保つ。
    ・バランスよく食べる。
    ・危ない所には近寄らない。
    ・ちりも積もれば山となる。

 2.(精神面)
          ………原理的には………
  ・充実して生きること。
    前提=生にはしたい事がある。
     「生命」とはしたい事が心に溢れること。(=好きな事)
     「力」とは、したい事へ向かって駆動させる力のこと。
     「自由」とはしたい事ができること。(天真爛漫、自然児)
     「生命」「力」「自由」が十全に働く事を「充実して生きる」という。
   とりもなおさず、いきいき生きること。
   自由であるために、
     憂い・悩み・心配・煩いごとなどを持たぬこと。
     人に束縛されないこと。
   ・(心の状態)快適であること。

         ………具体的には………、
   ・したいことをする(原則)。
   ・好きなことをする(志)。
     創る。
      文学する。
       生を知る、探る、味わう。
        本を読む。
     快楽を味わう。
      五感で味わう。
      なにをする。

 3.(空 間)
   ・したい事がある自分を「捨てる」ことはできない。むしろ、
   生が人間に与えてくれるものを全ていただく。
     生を味わう。
     五感をフルに活用する。
   ・人に束縛されない。

 4.(時 間) 長寿を図る。

 5.(範 囲) 生命を宇宙の中でとらえる。

 幸いにも快く迎えられ返事は皆さんから返ってきたが、その中身はというとやはりと
いうか、三者三様。北の生き方を位置付けようと試みたが、そんなものを拙い言葉で提示
するより、皆さんの応えそのままを提示したほうが断然おもしろいことに気が付いた。以
下、御覧あって皆さんも同じ思いに駆られることと思う。

神野 佐嘉江

3編集部:2014/06/12(木) 13:55:40
第13号「楽」
第13号「楽」  2007/11

          


13は、佛教では智慧を授ける虚空蔵菩薩にご縁の、おめでたい数です。
「しか言う御主も十分おめでたい。」とは、本人も十分解っております。
と言うのも、今回の同人αと担当の長岡曉生は13に深い縁が有るのです。

今回の αの累積号数は、13号
現在の αのメンバーは、13名
私事ですが、長岡曉生の
佐賀高校の卒業年次は、 13期
1年生の時のクラスは、 13組
2年生の時のクラスは、 13組
3年生の時のクラスは、 13組
絵担当の三男の生日は、 13日(8月)です。
最後の符合は、三男が教えて呉れました。

さて、α13号の題名を決める必要があります。
今年、平成19年のαの題名の流れは、次の通りです。
10号:[美]→11号:[選択]→12号:[出会い]→13号:[未定]
13号は、この題名の流れを男女の出会いと見立てて「楽」と致します。

○楽の意味
  楽には、一字で五つの意味があり、それぞれで読みが異なります。
  楽(ガク) は、奏でる。 楽人は、楽器の演奏家
  楽(ラク) は、楽しむ。 楽観は、楽しみ遊ぶこと
  楽(らく) は、容易に。 容易を、らくにと言うのは日本だけの用法
  楽(ゴウ) は、愛でる。 楽聖は、清酒を愛でること
  楽(ギョウ)は、ねがう。 信楽は、人を信じ求めること

白川静博士によると、楽は鈴の象形文字で本来の意味は楽器を奏でる事です。
奉仕された楽奏を、神が聞いて楽しんだ事から、楽しむの意味が派生しました。
この楽しむから、日本語での[仕事をらくにする]という用法が生まれました。
因みに、仕事を楽しむという精神構造は、日本人特有のものらしいですね。

あなたは、どの楽を選びますか。

長岡曉生

………………………………………………………………………………………………
「楽」から絵を描き起こすに当たって、らくな状態で穏やかに、
というニュアンスを込めて描きました。
ラクダと猿については動物名の中で「楽」と関連するものを選びました。
 「ラクダ」は音からの連想
 「猿」は猿楽からの連想
というわけです。よろしく。

小柳景義(かげよし)
………………………………………………………………………………………………

4編集部:2014/06/12(木) 13:59:11
第22号「空を飛んでみたい」
第22号「空を飛んでみたい」  2010/2

          

前書き

 小さな頃から、空を自由に飛ぶ鳥を見て憧れていた。
雀じゃだめ。カラスでもだめ、大きな翼を広げ、自由自在に方向を変え、滑降、上昇をく
りかえす大きな鳥。
何度も飛ぶ夢をみてきた。
面倒なこと、私誰々病、死ぬことがわからない病、生きることがわからない病、から自由
になり、な〜んにも考えず風に身を任せ、のびのびと空を飛びたい、そんな気持ちからだ
ったと思う。
 昔昔ダビンチは飛ぶ機械を設計した。鳥の飛ぶ仕組みを精緻な目、科学の目で観察し取
り組んだのだろうが、きっと彼も空を飛びたかったのだと思う。その視線の先は宇宙だっ
たのかもしれない。
覚醒剤でも一瞬飛べた気分になるのだろうが、私はやっぱり気持ちいい地球の空気を吸
って、風と遊びたい。今でも飛びたいと思っている。

 表紙の絵は今から遠い昔に描いたもの。ピエロシリーズは途切れることなくなぜか続い
ている。何かに紛れて失くしたもの、くしゃくしゃに丸めて捨てたもの、海外赴任中の置
き忘れもたくさんある。手元にある中で、このピエロが一番気に入っている。
判読不明かと思い、絵の横に書き付けた箇所を改めて載せることで前書きの終わりとす
る。

*******************
ダビンチの
鳥の模型を
そっくりそのまま
拝借して空を飛ぶ
− − − − 。
新宿の空を飛ぶ
ピエロはこの
翼を作るため
20年間の
出演料を
全部使い果たした。
*******************

5編集部:2014/06/12(木) 14:29:48
第16号「揺らぎ」
第16号「揺らぎ」  2008/8

          

まえがき

 私は以前、別の同人誌に「狭間シリーズ」の文章を十編ほど書いたことがあった。趣味
と道楽の狭間で、本音と建前の狭間で、晴と褻の狭間で、光と影の狭間で、都市と田舎の
狭間で、男と女の狭間で、パラノイアとスキゾフレニーの狭間で、モダンとポストモダン
の狭間で、など人生の岐路に戸惑ってたちすくむ己の心情を綴ったものだ。
 そして一方を決断したその時、捨て去ったものに微かな思いを残した。去りゆくもの、
滅び行くものに憐憫の情を覚えることは人間の証のような気がしてならない。だから拝金
主義者や権力主義者などの効率よく物事を決断し、疑いもなく自ら選んだ道を突き進む人
を私はあまり好きではないし、信用もしない。人が岐路に立って自分の行く道を決めかね
て、戸惑い揺らぎながら迷っている姿に、私は人間としての共感を抱くのである。

 「揺らぎ」とは機械的な正確無比の時の刻みではなく、一定した流れの中に生じる微か
な乱れのことをいうのである。
この宇宙の森羅万象,すべてに「揺らぎ」があるという。それが心臓の脈拍の揺らぎであ
り、うち寄せる波,風,潮の満ち引きの揺らぎであり、モーツァルトなどの名曲の中の旋
律の揺らぎであり、人との会話においても時には予期しない返答だったりするような揺ら
ぎである。揺らぎが創り出す変化は、私達が過ごす日常の殆どが褻の時間のなかで、人生
とは面白いと感じさせる何かを創り出す力があるようだ。

 この世の中に絶対的に基準となるものは有りはしない。時間や空間や思想や理論におい
ても同様で、いまこの一瞬の自覚した己の存在だけが真実であることを除いて、すべて虚
であり、想念の中の出来事である。だから、どこかの殺虫剤会社の「そんなものが効くの
か」という男の疑問に答えて、藤原紀香が「その疑い深い目が好き」と艶っぽく宣うコマ
ーシャルがある。この、権威や定説や既成の価値観に対して「揺らぎ」や「疑い」を抱く
精神が好きだ。
                             古賀 和彦

6編集部:2014/06/12(木) 15:08:54
第23号 「てふの夢」
第23号 「てふの夢」 2010/5

        


ももとせの花にやどりて過しきてこの世はてふの夢にぞ有りける(大江匡房・一一五二年
頃)

 「てふの夢」の出所はもとより『荘子』。「昔(さき)に、荘周夢に胡蝶と爲(な)る。栩
栩(くく)然として胡蝶なり。自ら喩(たの)しみて志に適へるかなと。周なるを知らざるな
り。俄然として覺むれば則ち蘧(きよ)蘧(きよ)然として周なり。知らず、周の夢に胡蝶と
爲れるか、胡蝶の夢に周と爲れるかを」。ここから「てふの夢」は、ひいては、人生のは
かなさに譬えられる。僕は若い頃より「今ここ」の充実を心がけてきた。とくに僕を夢中
にしたものに、ドストエフスキー、ベケット、現代詩、短歌、俳句、漢詩、ジャズ、チェ
ロ、オペラ、民謡、書道、白川静、絵画、宇宙、地球、生命ほか数十を数える。しかし今
ではそれらの起こす感興は大抵は淡い。いずれも「夢」のようだ。淡々とした毎日で、生
きる意欲そのものが衰えてきていることを感ずる。いつ死んでもいい。若い頃には考えな
かったことだ。自戒を込めて言うが、富岡鉄斎に倣い享年九十まで尻上がり調子に潑剌と
した作品を。この青年の誓いはどこへ行ったか。ところで、僕の手許には寄せ書きされた
日の丸の旗がある。戦死した父のものだ。十年ほど前、戦地沖縄で取得したとして、アメ
リカのある篤志家から還ってきた。「祈武運長久 為北傳吉君」のもと、五十ほどの名が
連なる。旗には特段の汚れもある。汚水か。しかしはっと思った。違う! 血痕だ、父の!
 この日章旗は七十年前の日本帝国の夢だった。そして三十五歳で絶寿した父の人生の夢
もそこに重なっている。旗を前にして悄然と「生きる」を思う。

神野 佐嘉江


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板