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【怖い話】夏休み!怖い話募集!!!

52不思議な名無しさん:2019/08/16(金) 03:35:38 ID:/MFAF1TM0
後日、その家に先輩と俺、
お客さん(貸家を探して先輩に連絡してきた顧客)と
オーナー(その家の持ち主)
の4人が集まった。

どこを直すとか、庭の木は切った方がいいとかあれこれ打ち合わせをしているなかで、
俺はオーナーに、
「前回お話させてもらった和服の件は、もう対応して頂いてますか?」
と問いかけたところ、
オーナーからは
「そうそう、それも話したかったんだけど、言われてた和服ってさ、どこにあるの?探したけど見つからないんだよね。」
という返答。

「屋根裏部屋にありませんでしたか?」
と言っても、オーナーは困った顔をするだけで、
「ちょっと今教えてよ。どこにあったの?」
と俺に案内を促してきた。

俺はまたあの屋根裏部屋に行くのは嫌だなと思ったけど仕方がないので、
「こっちですよ」
と2階の廊下の奥へ進んで行った。


そして2階の廊下の突き当たりまで来た。そこで俺は絶句してしまった。
お客さんも一緒に付いて来てて同じくフリーズしてた。

前回来たときには有った屋根裏部屋に続く階段の入り口の開き戸がなくなってた。

開き戸があったはずの場所はただの白い壁になってた。

俺とお客さんはしばらく固まったあと、
「あれ?え?あれー?」て感じて混乱気味に階段を探し回った。変な汗が頭からダラダラ流れてきてた。

後から来た先輩だけが平然と、開き戸があったはずの場所の白い壁に手を当てて、軽く叩いたりしてた。

オーナーが
「この家、屋根裏部屋なんかないんだよね。あんたらも〇〇さんも、どこの部屋を屋根裏と勘違いしたんかね」
と問いかけてきたが、俺は頭が混乱していて生返事することしか出来なかった。

たいそうこの家を気に入っていたお客さんもそこからは無口になって、早く打ち合わせを切り上げようとしていた。
多分お客さんも、あの屋根裏部屋に入ったんだと思う。

家の外に出て屋根裏部屋の入り口にあたる場所を見てみたが、2階の廊下の突き当たりのその先は外だった。
つまり、階段が通るスペースはない。

扉が壁に早変わりするカラクリ屋敷ではないことが分かったので、
引き続き修繕工事の話を進めようとしてる空気の読めない先輩に早々に打ち合わせを切り上げるよう促した。
お客さんも同じ考えだったようで、
「実はこの後用事があって時間があまりないから、あとは〇〇さん(先輩のこと)を通して連絡します」
とかそんなことを言って打ち合わせはすぐにお開きになり、俺と先輩とそのお客さんはそそくさとその家から退散したのだった。

次の日、お客さんから連絡があり、あの家に住むのはやめると申し出があった。オーナーに上手く伝えて欲しいと。

先輩は契約にならなかったことを悔しがっていたけど、俺はこれであの家に関わらなくて済むのでホッとしていた。
あの家は絶対無理でしょ、お客さん住むの止めて正解ですよ、と先輩に言ったら、
「確かにねぇ。屋根裏の入り口無くなってたもんねぇ」と、
天然の先輩もその時は流石に事の異常性を認めているようだった。

先輩は続けて
「でも屋根裏部屋の入り口は壁になっちゃってたけど、壁の向こうに階段はあると思うんだよね」
と言い出したので、

「いや、俺外に出て階段がある場所を確認しましたけど、あの壁の向こうはもう外でしたよ。つまり階段が通る場所がないんですよ。あそこに階段はないです。」
俺もあの屋根裏部屋に入ったのに否定するのも矛盾してるけど、客観的に屋根裏部屋の存在を否定して、あの屋根裏部屋との関わりもなかったことにしたい気持ちだった。

「でもね、あのとき私があの壁に近づいて壁をちょっと叩いてみたらさぁ、聞こえたんだよね。

壁の向こうから誰かが階段を降りてくる足音が」


怖がる様子は一切なく、ただ真顔で話す先輩にうすら寒いものを感じて鳥肌が立った。
やっぱりこの人が引き寄せたんだろうなと思った。


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