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【怖い話】夏休み!怖い話募集!!!
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:
不思議な名無しさん
:2019/08/16(金) 03:35:14 ID:/MFAF1TM0
不動産屋として賃貸物件を仲介するにあたっては、その家の間取りや設備関係を把握する必要があるので初回の現地確認は結構手間がかかる。広い家らしいので二人で行く方がいい。
先輩と俺はその家のオーナー宅へ訪問して挨拶をし、鍵を借りてその家を見に行った。
その家は確かに広く、造りも良いと感じた。最初から貸家にしようとして建てた家ではないのは確かだと思った。建てた人の思い入れというか、こだわりを持ってお金をかけて作った家という感じだった。
ただ梅雨時だからだとは思うが、異様に濃い湿気が充満していた。庭木も手入れされておらず、葉が生い茂って太陽の光を遮っており、全体に影のある印象だった。
先輩は
「確かに広さと立地はいいけど、今まで希望を聞いて探してた家の感じとは違うなぁ。敷地内の駐車場も必須だって行ってたのに、ここは駐車場ないし。お客さん本当にここでいいのかな。なかなか家見つかんなくて焦って妥協してるんじゃないのかな」
とお客さんのことを心配していた。
修繕工事が必要なところをチェックしながら室内を見ていき、残るは件の屋根裏部屋だけだ。
二階の廊下の一番奥の突き当たりに襖の開き戸(ドア)があり、そこを開けると屋根裏部屋へ上がる階段があった。
ちょっと階段を隠している感じが余計に気持ち悪いなと思った。
俺は階段の下から真っ暗な屋根裏を覗きつつ、ゴキブリやネズミの出現を恐れて階段を上るのを躊躇していたけど、先輩は俺の横をすり抜けて、実家の自分の部屋に入るかのように軽快に階段を上り真っ暗闇の中に消えていった。
俺はその後を追ってビビリながら階段を上り屋根裏に入った。
屋根裏部屋は結構広く6帖くらいの広さがあり、天井は屋根に合わせて斜めになってて、一番高いところでは大人でも立ち上がる事が出来る高さがあった。ただ窓もないし照明も小さな電灯が一つあるだけで全体的に暗く、物置としてしか使えなさそうだった。
「へえ、屋根裏結構広いねぇ。ていうか絵なんてないんだけど」
不気味な雰囲気の部屋の中で、先輩が雰囲気に合わない明るいテンションで話しかけてくる。
確かにお客さんに言われたような絵はなかった。そのかわり部屋の壁に、何か黒い布が掛けられていた。暗くて携帯のライトで照らしながら見ているような状態だったので、それが男性用の黒い和服であることが分かるまで少し時間がかかった。
お客さんはこの和服を人の絵と勘違いした?
ちょっと考えづらいけど、他にそれらしいものもないし、他の部屋にも絵なんてなかった。
先輩と、きっとこの和服を絵と勘違いしたんだろうと結論付けて、俺たちは現地確認を終えて家を出た。
釈然としない部分もあるけど、着物であればオーナーに処分して貰えばすむ話なので、壁に絵が描いてあるより対処は楽だ。
オーナーのところに鍵を返しに戻り、その時に和服のことをオーナーに伝えた。
オーナーは
「え?和服?そんなの残ってた?
悪いね、忙しくてろくに中を見てないんだよね。今度確認しとくよ。ちゃんと処分しとくから、〇〇さんに伝えといて」
というわけで屋根裏の件は解決、面倒事が一つ減ってよかった、なんて先輩と俺は話しながら事務所に帰った。
事務所に戻り、先輩はお客さんに電話で現地確認の報告と、屋根裏の件について話しをした。
お客さんは、和服を絵と勘違いしていたのではと伝えられ、最初は納得してなかったが、その他に絵らしきものもなかったと聞かされて、
じゃあ自分の勘違いだったのかも、そもそもどんな絵だったか記憶も曖昧。とか、ぼんやりしたことを言い出して、とりあえず絵の件はもう良しという流れになってた。
それで、家賃や修繕工事について、先輩とお客さんとオーナーで、一度現地で打ち合わせをしようということになった。
俺はもう行かないつもりだったが、修繕工事については俺の方が先輩よりも知識があったので同席して欲しいと先輩に頼まれて、結局再度その家に行くことになった。
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