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【怖い話】夏休み!怖い話募集!!!

169コロネコ:2019/09/20(金) 23:21:31 ID:???0
長いので分けます。

祖母がまだ十代前半の頃
地元の集落では
一年に一度、ある風習が行われていたそうだ。
それは、ある年代の少女二人が選ばれて、村外れの海岸にある小屋で一晩明かすというものだった。
ある年、その二人に祖母と祖母の三つ下の妹が選ばれることになった。
夕刻、二人にはまず酒が入った盃を手渡され、それを飲み干すように促された。
祖母は問題なく飲み干したが、まだ幼さが残る妹はなかなか飲むことができずにいた。
愚図る妹に埒が明かないと思ってか、周りの大人が

「お姉ちゃんが代わりに呑んであげぇ」

と助け船をだし、祖母が代わりに酒を飲み干した。

そして二人は小屋まで先導され、小屋の中央に座るよう命じられた。
小屋は六畳くらいの広さで窓の一つもなく、今にも崩れそうなぼろぼろの木造で、あるものといえば真ん中に敷いてある呉座くらいなものだった。
二人がその呉座の上に座ると、外に居た大人達が唯一の出入口である引き戸に釘を打ち付け始めた。
そして最後に声を掛けてきた

「明日の朝迎えにくるから、それまで誰も入れちゃならんで」

そう言って複数の足音が遠ざかっていった。
祖母は "誰も入れるなと言っても、誰も入れないじゃないか" と思いつつも、なにか得体の知れない恐怖を感じざるを得なかった。
ただ今にも泣き出しそうな妹をさらに不安にさせてしまってはならないと、必死に気丈に振る舞い、励まし続けていた。

どれくらい時間がたったのだろうか
うっすら見えていた屋内も、今ではほとんど視界にとらえることができない。
時折壁の板と板の隙間からビューと流れる風の音に怯えながら、二人はただひたすら時が過ぎるのを待ち続けていた。
ポツポツと屋根に当たる音
雨が降り始めた。


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