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作り話なんだけど異世界にいった時の話を聞いてほしい

1丸三角死角:2014/03/18(火) 14:31:35
色々な異世界に関する書き込みを見てて、あー俺もそういえば俺も行ったことあるなーって思い込もうとしたんだけど、俺嘘つくのとかマジ無理なタイプだし、嘘ついちゃった時にはもう罪悪感でいっぱいで夜も眠れない日が続いてしまうようなナイーブ加減だから、本当のことを言って書き込もうと思ったのね。だって、餅つきは新年の始まり、嘘つきは泥棒の始まりってよく言うでしょ。餅はついても嘘はつくなって、これ日本古来の諺だよね。ここで俺は疑問をもつわけだけど、そんじゃ尻もちはどうなんだって。そりゃまぁ尻もちは仕方ないわな、バランス感覚がないだけやもん。せやけど俺に助言してくれた人はいっつも他人の肩だけは持つなって言っててんやん。せやから俺はいっつもモチのろんや!って言ってた。

7不思議な名無しさん:2014/03/18(火) 15:00:25
いいぞいいぞ

8丸三角死角:2014/03/18(火) 15:02:03
>>4
私もあなたのこと嫌いじゃないよ

9丸三角死角:2014/03/18(火) 15:15:04
なんか韻踏んでたら疲れちゃったんだけど、続けるね。それからずっと博物館の中をぐるぐるまわってたの。メリーゴーランドみたいに。そしたら、落書きにしてはすごく素敵なやつがあったの。私金ピカのやつ以外は基本流してたんだけど、なんかこれにはすごく引きつけられたの。初めてジャスティンを見た時と同じような衝撃が私の心臓に走って、身体が熱くなるのが分かった。多分、変な物質を脳が出したんじゃないかな。カルボキシヘモグロビンみたいなやつー!それから私は恐る恐る近づいたの。そしたら何かすっごく懐かしくて、涙が出てきちゃったの。隣にジャスティンもいたんだけど、私が泣いてるのに気づいてなかった。痴呆だから別にいいんだけど、なんだかだんだん眠たくなってきた。これ書いてたらなんだか今も眠たくなってきちゃった。

10丸三角死角:2014/03/18(火) 15:28:06
うとうとしてたらそのまま倒れちゃって、気がついたら変な公園に横たわってた。わー、これが異世界ってやつかー!って思ったんだけど、横にジャスティンいたから異世界じゃないって思って、何でいるの?って聞いたの。そしたらジャスティンは急に倒れたから貧血かと思って公園に連れてきたんだって!涙流してるのは気づかないのに、倒れたらやっと気づくんだーって。なんだかすっごく悲しくなっちゃって、私また泣いたの。普段は泣いたりしないからドライアイでアイボン毎日使ってたんだけど、この日だけは使わなかった。私はジャスティンに言ったんだ。「水くらい買ってきてよ!」って。そしたらジャスティン、アイボンを指さして「それ水だろ?」だって。ほんとありえなーいって思って、公園から走って逃げた。あっちなみに、アイボンはあんまり目に良くないらしいよー知らないけどねー。

11丸三角死角:2014/03/18(火) 15:29:52
疲れちゃった。

12丸三角死角:2014/03/18(火) 15:49:17
走ってたら、後ろからジャスティンが追いかけてくるのが分かった。私は振り切って、ホテルに帰った。エジプトってすっごく暑いの。地面からモヤモヤが出るくらい。走って帰ったから汗ダクで、部屋に入るとすぐシャワーを浴びた。最初はいつもと同じようにカーリーレイジェプセンの歌とかー、シャインダウンの歌とかルルルーって感じで歌ってたんだけど、なんだか変な感じに気づいたの。ママとジョンに会ってない!ってちょっと怖かった。だって二人はこの時間もう帰ってるはずだもん。異国だし、なんか嫌な予感がしたの。その時!シャワールームの扉があいた。

13丸三角死角:2014/03/18(火) 15:55:50
私はちょうどその時カーテンをしてシャワーを浴びてたんだけど、扉が開いたのは分かった。ガチャって。わーこわ〜いってなって、すごいパニックでママだったらいいのにって思ったけどシルエットが男の人で、もう倒れそうだったの。そのシルエットはカーテンに手をかけて、めくったの。ジャスティンだった。ジャスティン、泣いてた。私も泣いてた。二人で泣いた。なんかよく分からない一日だった。

14丸三角死角:2014/03/18(火) 16:10:04
もう疲れきっちゃって、気がついたら朝だったの。ママもジョンも帰ってたから良かった〜ってなって、タジン鍋をいっぱい食べた。だって、エジプトの砂漠で足が引っこ抜けなくて帰れなかったら大変だもんね。出国審査に支障が出るもん。ちなみにこの日がエジプトにいれる最後の日だった。次の朝エジプトバイバイって感じだったから、最後の日の前の日かな、まぁどっちでもいっか。それで、この日は皆で別行動しよう!ってママが言ったのね。だから皆いーよーって言って、ホテルから出た。私はジャスティンと一緒だった、というか勝手についてきたんだけどね。ジャスティンは今日は何処にいく?って言ってきたから、私はうーんって悩んだ。もうエジプトに来ることはないかもしれない!だから私は未来の自分と交信してみることにしたの。未来の私ならエジプトの何処に行きたい?って。そしたら未来の私は「スフィンクス」って応えた気がした。うーん。一瞬考えてジャスティンに行った。「ブラブラしたい!」って。本当は目的が別にあったんだけどね。

15丸三角死角:2014/03/18(火) 16:18:00
私はもう一度この目であの博物館の落書きを見たかった。だけどそれだけじゃ物足りないから、ジャスティンにお願いしたの、何か買ってー私買い物がしたい何か買ってーって。そしたらジャスティン優しいから色々買ってくれたの!変な服とか、変な文字が打てる携帯とか。変な文字が打てるーって大笑いしてたら店員がにらめつけてきたから、にらめっこしたの。楽しかったなぁ。いっぱい買って、いっぱい遊んで、最後にあの博物館の前についた。夕焼けに染まった博物館の壁の色は、やっぱり変な色だった。

16丸三角死角:2014/03/18(火) 16:29:23
前回までの私。私はエジプトにいた。父親の仕事のせいで私の皮膚は黄砂まみれである。私の隣にはジャスティン。相棒だ。片時も手放せない。現代で言うスマートフォンといったところであろう。私はタジン鍋漬けの生活を送っていた。漬けるといえば香の物しか知らなかった私にとってはそれなりに充実したエジプトライフだった。そんなある日、私はカイロにある博物館である絵を見つける。何故か引き寄せられる心。私は次の日またその絵を見に行くことになる。私が奇妙な体験をすることになるのはこれからのことである。

17丸三角死角:2014/03/18(火) 16:37:24
あれ、頑張ってまとめたら>>16で収まっちゃった。まぁいいや。それから私は、またその絵を見に行ったんだけど、無いの!確かにたくさん物が置いてあってどこにあるか分かんなるとこともあるけど、ジャスティンも覚えてたから本当だと思う。二人で必死に探してみたんだけど、どこにも無くって、すごく落ち込んだ。そしてそのまま見つけられずに、母国に帰った。これが5年前のこと。母国に帰ってからの私、別人みたいだった。なんだか元気がなくなって、ちょっとした時にあの絵のことばかり考えてた。

18丸三角死角:2014/03/18(火) 16:38:37
あ、昼寝の時間だったんだ

19不思議な名無しさん:2014/03/18(火) 17:20:41
起きろ!
ジャスティンとの出会いも知りたいなー

20不思議な名無しさん:2014/03/18(火) 17:51:12
アイボンやめて目薬おすすめ。

21不思議な名無しさん:2014/03/18(火) 18:39:10
これはきっと流行る

続き期待

22不思議な名無しさん:2014/03/18(火) 19:42:41
おっさん早く!

23丸三角死角:2014/03/18(火) 20:32:15
はぁーいっぱい寝たぞー!それじゃあ続きを書くね。あれからどれだけ経ってもあの絵のことが忘れられなかったの。多分、この頃はジャスティンのことよりもあの絵のことを考えていたし。ジャスティンがギャグを言っても鼻で笑ってた。まぁいつも鼻で笑ってたんだけど、特に鼻先でせせら笑ってた。母親が子供をせせらかすようにね。イオンに行っても、マクドナルドに行っても、ケンタッ○ーに行ってもこの見たい衝動は抑えらんなかった。私は頑張って耐えた。そして去年!ついにエジプトに行けることになったの!

24丸三角死角:2014/03/18(火) 20:33:43
>>19
まずは本編を書くから待っててね。

25不思議な名無しさん:2014/03/18(火) 20:34:36
頑張れ!!

26丸三角死角:2014/03/18(火) 20:42:44
恥の多い人生を送ってきた。三年ぶりかな、四年ぶりかな?やっとこのモヤモヤを晴らす時がきたの。といっても、あまりに長い時間が過ぎてしまったから、次見つけられるか分からない。でもやってみなきゃ!私は荷物を敷き詰めたトランクとジャスティンを持ってエジプトへ飛び立った。もちろんANAだよ。エジプトに行くと決まった時から私は楽しくて楽しくてたまらなかった。いつもと違ってジャスティンの話が面白く感じたの、ほんと意外〜。飛行機の中でもなんだかとっても愉快で、音楽を聴きながら雑誌を逆さまに呼んでたの。それに、トイレでずっと踊ってた。

27不思議な名無しさん:2014/03/18(火) 20:57:58
私の頭の中ではDJが「今夜フロアを支配するのは誰だ!?」って皆を煽ってた。私は「今夜このフロアを支配するのは私よ!」って叫んで、ひたすら体をツイスト。そしたら誰かが扉を叩いたんだけど無視してたのね。すると「あんた何してんのよ!何ゴソゴソしてんのよ!早く出てきなさいよ!ちょっとあんた聞いてんの!早く出てきなさいよね!何十分いるつもりよ!早く出てきなさいよね!」みたいなことを荒んだ声のおばちゃんに言われたから、体をより一層体をひねらせた。そしたらケビンアテンダント呼ばれて、這いずり出された。それからケビンにずっと監視されてた。まじ軟禁状態なんですけどーありえないんですけどーって、ツイートした時には2件リツイートがきた。オーストラリアと岐阜からだった。踊り終わって汗ダクで自分の席に帰ったらジャスティンに「何してたの?」って。こういう時だけ興味示さないでほしいーって思って、知らないって言ったの。それからケビンに毛布を頼んで羽織った。プロだから体を冷やすのだけは絶対に避けたいからねー。

28丸三角死角:2014/03/18(火) 21:41:59
皆ありがとーう
ちょっと休憩

29不思議な名無しさん:2014/03/18(火) 22:25:12
のんびり自分のペースでいいよー

30不思議な名無しさん:2014/03/18(火) 23:31:28
何これ
意味わかんない






だけどクセになる!
Don't think! Feel!!

31丸三角死角:2014/03/19(水) 00:15:17
バイトの合間に書くよ!
あと>>2の最初のとこ、モロッコじゃなくてエジプトね。

32丸三角死角:2014/03/19(水) 00:29:59
ジャスティンは一瞬、ヒューグランドが時々見せるような懐疑的な顔をして「薬やってんのか?」とか言ってきた。この時は流石の私も怒ったの。もう激おこpunpun Punch-and-Judy丸。「それはお前だろ?」ってラッパーが使うようなはしたない言い回しで言ってしまった。この時だけは反省してすぐごめんなさいしたんだけどね。しばらくして機内食が届いた。私とジャスティンは遂に来たーやったー!って感じ。魚と、野菜とお肉を食べた。食べてたら横からジョロジョロ鳴ってたからなんだろー?って思って横見たらジャスティンが自分の水筒に機内の水を入れてた。ほんとありえなーい何してるのー?って言ったら、「エジプトって暑いし」だって。アイボンの時もそうだけどどんだけ水買いたくないのー?って言いたくなったよ。

33丸三角死角:2014/03/19(水) 00:57:39
ジャスティンは利き水が出来るらしいのね。アルカリ性か酸性か鉱水か何を当てるのかさっぱりなんだけど、そんな彼にとって水質はとっても重要な問題だったの。私には理解できないからジャスティンと私はまさに水と油ってやつだなぁー。まぁ私もコーラが出してる変な味のついた水くらいなら分かるんだけどなぁ!まずいもん。それからは、そうだなぁ、特に面白いことも無くなってきちゃったから、座席の前にある袋でコックさんみたいにして二人で写真とったり、私はヘッドホンして、その袋を膨らましてジャスティンの耳の横で破裂させたり、特に何もしてないかな。

34不思議な名無しさん:2014/03/19(水) 15:10:09
スレタイで作り話と言ってる時点でもうね


































がんばれ

35丸三角死角:2014/03/19(水) 15:16:59
さんきゅーがんばるよー

36丸三角死角:2014/03/19(水) 15:17:34
着陸する1時間くらい前かな?ほとんどの人が窓を閉めた暗い機内で、私は眠気に襲われたの。ちゃんと寝たのにすっごく眠たくて、私は気を失っちゃった。気がつくと真っ白な部屋で倒れてた。自分の腕を見ると、色白の肌が黒く見えた。それほど明るい部屋だったの。それから見渡してみると、なんと、目の前に女の子が寝そべってて、何かを描いていた。私はなんだか貧血の時みたいに気分が悪くて、もう最悪ーここどこーって感じだったんだけど暇だったからその子に話しかけてみることにしたの。「ねーこんなことろで何してるのー?」女の子はピクリともしなかった。私はその時思ったね、わーこれがガン無視ってやつかーって。

37丸三角死角:2014/03/19(水) 15:43:47
別に無視されるのはいいの。だって、横断歩道をビートルズみたく歩いても通行人は知らんぷりだし、誰からもビートルズみたいだねなんて言われたことないんだもん。だから慣れっこだった。でも、一つ気がかりだったのはその子が震えていたこと!寒いのかなー?私は近づいてもう一度話しかけてみよーっとって思って話しかけたの。「大丈夫ー?」って。そしたらその子、急にこっちを向いたの。私、わっ!って驚いたんだ。で、女の子はね、私に向かって「欲しい欲しい欲しい欲しい」って言ったの。すごく早口で。

38不思議な名無しさん:2014/03/19(水) 15:55:24
こわっ
やっと異世界に行ったのか?

39丸三角死角:2014/03/19(水) 18:23:50
怖かったなぁ。その子、6歳くらいかな?6歳11ヶ月かな?分かんない。髪は黒色で、エキゾチックな顔でとっても可愛かった。でも、何でか分からないけど頬骨が剥き出しになってた。私は必死に「何が欲しいの?なんでもあげるよ!」って言った。その子は小さく呟いた。何て言ったのかは定かじゃないんだけど私には「あなた」って聞こえた。ほんと怖くて、やめてーって心で祈ったの。そこで目が覚めた。実は私、飛行機の中にいたの。ジャスティンが顔を覗きこんで、ずっと私の名前を呼んでたのね。「カシカ、カシカ!」って。あっ、言い忘れてたかも知れないけど私の名前はマルサンカクシカクじゃなくってマルスリーカシカって読むんだよ、よく間違われるの。まぁその話は真横においておこう。それで、その私の名前を必死に叫ぶジャスティンの顔を見たら鼻の穴が広がってて笑っちゃったの。この鼻の穴、東京ドーム何個分なのか誰か測って教えてよーって感じ。あとで聞いたら私がうなされてたから心配して起こしたんだって。それに汗かいてたかたから勝手にふいたんだって。下世話に言う余計なお世話だよーって思ったね。一応御世話様でしたとは言っておいたんだけどね。まぁでもただの夢だったんだーよかったーって思ったよ。

40不思議な名無しさん:2014/03/19(水) 19:27:41
正直ワロタww

続けてくれw

41不思議な名無しさん:2014/03/19(水) 19:43:48
マルちゃん名前間違えて読んでたよゴメンね

42不思議な名無しさん:2014/03/19(水) 20:37:33
異世界キタワァ(n‘∀‘)η

43丸三角死角:2014/03/19(水) 23:23:29
>>41
許してあげるよー。

44丸三角死角:2014/03/19(水) 23:24:31
それはただの悪夢だった、女の子が描いてた絵がどこかで見たことある絵だったってことを除いてはね!そう、その絵っていうのが、博物館で見た絵とそっくりだったの!二人の女性が向き合ってて、片方の女性が手を伸ばしてる。でも何だか悲しげだった。二人の間には建物にも見える幾何学的なシンボルがあった。私は混乱したよ。えー何でだろー?って。このことをジャスティンに話したら「頬骨フェチか、趣味悪いな」とか訳わかんないこと言ってた。もうこの人には相談しないようにしようと思ったよ。まぁ、ただの夢だから気にしないようにしよう!って決めたの。そのあと、着陸するまでジャスティンはアルプスの水について語ってて、その水について「どうおもーう?」とか聞いてきたから、えーなにー話しかけないでーって思って、無視したの。

45丸三角死角:2014/03/19(水) 23:45:40
私&ジャスティンinエジプト!!この回は天使と悪魔が再びエジプトに舞い降りた時のお話だよー。もう二人してイェーイって感じ!飛行機から降りる前に、最初に空港から出た方がエジプトを占領する権利を得るのね!って言って競争する約束したの。私はズルが嫌いだから、正々堂々戦う気マンマンだったんだー。でもジャスティンは足が速いから、ハンデとしてジャスティンの荷物を怖そうな人の座席の下に隠しておいたの。結局私が勝って、エジプトは私のものになったの。それでジャスティンは数十分後に空港から出てきた、泣きながらね。ジャスティンは「負けたんが悔しいんじゃなくてズルしたのが許せないんだああああ」って。私はおもしろーいって大笑いしちゃったよー。空港の荷物を流すベルトコンベアでFull of laughter!!!って感じでFull of shitなジャスティンが流されていくのが安易に想像できたんだー。

46丸三角死角:2014/03/20(木) 01:15:39
初日は遊園地に行ったの。コーヒーカップに乗ったり、ジェットコースターに乗ったり、すっごく楽しかったんだー。ジャスティンは飛び回ってた。まるでフライングヒューマノイドだねって言ったら喜んでたの、ほんと変な人ーって感じ。その日は遊園地だけで一日が終わってしまった。ホテルでは前来た時と同じくフライングヒューマノイドと同室だった。私はいつも通りフライングヒューマノイドを三点ユニットバスの便器に座らせて見張りをさせて、シャワーを浴びるの。その日もそうだった。でもね、シャワーを浴びていると声がしたの!「欲しい...欲しい...」って。私は、あの夢の女の子だ、って思って震えた。それでカーテンをめくってジャスティンを呼んだのね。ジャスティン寝てた。こういう時の彼、本当に使えないの!もう開いた口が塞がらなかったよー。

47丸三角死角:2014/03/20(木) 01:37:27
それから一週間くらい、色んなところに行ったの。その中で、今でも一番思い出に残ってるのはやっぱしピラミッドを見に行った時のことかなぁ。ジャスティンが砂漠の真ん中で服を脱ぎ始めたの。私は「ねぇー何してるのー?」って聞いたのね。そしたらジャスティンは"This is Extreme Sunburn!!"って叫んだの、おっきな声で。私は「エ ク ス リ ー ム 日 焼 け!?」って感じで初めて彼の言葉に興味を示したの。だって絶対流行ると思う!だからツイッターで画像付きでツイートしたの。リツイートは2件だった。オーストラリアと岐阜からだった。

48丸三角死角:2014/03/20(木) 02:21:44
前回までのエクストリーム日焼け。ホテルに帰ったジャスティン。彼の肌は真っ赤である。まるで下水管にこびりついた垢のようだ。そして彼はまた、カシカにこびりつく垢でもあるのだ。そんな垢抜けない彼の炎症を収めるべく、カシカは彼に乳液を塗る。しかしこれは、ただ乳液を塗っているだけなのではない。エクストリーム乳液だ。カシカはホテルのロビーで彼の体に乳液を塗っているのだ。観衆から絶え間ない視線が注がれる。しかしこれもまた、彼にとっては快感なのであろう。彼のおじいさんがくれた初めての液体、それは乳液で彼は四歳だった。その感触は優しくクリーミーでこんな素晴らしい乳液もらえる彼は、きっと特別な存在なのだと感じた。将来は彼もおじいさん。孫にあげるのはもちろん乳液。なぜならその子もまた特別な存在だから。

49丸三角死角:2014/03/20(木) 03:26:59
実はこの間も私は苦しんでいたの。シャワーを浴びたあとの髪を乾かす時にドライヤーの音に混じって「欲しい...」声が聞こえたり、鏡に映る自分の顔が頬骨の剥き出た状態で見えたり、寝ている時も夢であの子が出てきたり。それにホテルにいる時だけじゃなくマクドナルドでバンズを中心に食べてる時も、あの子が私の脳に直接喋りかけてきた。ほんと大変だったなぁ。このことをジャスティンに言うと、君の美貌が羨ましいんじゃないかって。否定はしない。そうだねー!って言っておいたんだ。

50不思議な名無しさん:2014/03/20(木) 07:39:27
カシカのスペックプリーズ

51丸三角死角:2014/03/20(木) 15:24:00
>>50
スペックって見た目のこと?

52丸三角死角:2014/03/20(木) 15:24:47
で、ついに博物館に行く時がきたの。私は緊張の面持ちで博物館へ向かった。だって、あの現象がこれで収まるか悪化するか分からなかったから。それじゃあ、その日のコーデを紹介するよ!私は上は白のシャツに下は黒のショートスカート、靴は黒のブーティだった。そして片手には青のクラッチバッグ、もう片方にはホテルのバイキングで得たホットケーキを持ってた。ホットケーキで抜け感を表現してみたの!まっ、お腹がすくから持っていただけなんだけど、ジャスティンには抜け過ぎって言われちゃったよ。そんなジャスティンはというと、黒のTシャツに裁縫した方がいいよっていうくらいのダメージジーンズ、白のスニーカーっていういたってシンプルな格好だったの。お互いお揃いのレイバンのサングラスをかけて、片方ずつイヤホンをつけて歩いてた。その時聴いてたのは、確かBleeding RainbowのPink Ruffとか、Sleigh BellsのRiot Rhythmとかだったと思うよ。

53丸三角死角:2014/03/20(木) 15:52:52
それでRiotousな二人はついに変な塗り壁の博物館の前に立ったの!私が彼の手をそっと握った時、彼はこう言った。「心配するな」そんな彼の手には私が食べたホットケーキのカスがしっかりとついたの。私は言った。「幸せは分かち合うものだよね?」彼はそうだねって頷いた。でも本当は、ジャスティンが分かち合った幸せっていうのは接触で感じられる愛情のことじゃなくって、油のベタベタのことだったの。ジャスティン馬鹿だから気づいていなくって、多分手を握ったことを言ってるんだと思ってて「僕は幸せだよ」とか言ってて、全然気付いてないーとか思って笑いを堪えるのに必死だったよ。

54丸三角死角:2014/03/20(木) 16:43:02
入館する時、私はジャスティンのおかげですっかり綺麗になった右手で入場券を受け取ったの。でもジャスティンはベトベトな左手で受け取った。「吾輩はレフティーである、名前はジャスティン」って雰囲気を醸し出しながら。でもこの子猫は飼い殺されていることに気づいていないの。私にはそんな彼が可哀想に見えたから、言ってあげたんだよ「汚いから手洗ってきなよー」って。そしたら彼は「吾輩はこれで読心術を心得ている」って言って私の綺麗な右手を汚れた左手で握ってきたの。もう本当ベトベトで、ありなくて、私は「意味わかないし何やってるのー?」って感じ。その時点で彼の言ってることを理解するのはロゼッタストーンを解読するよりも難しかったんだ。でも彼は続けたの。「読心術だよ、僕には君のしていることが愛情表現の裏返しだって分かる、だからすごく幸せなんだ」否定はできなかった、確かにそうかもな〜って。

55丸三角死角:2014/03/20(木) 16:52:48
それからジャスティンは急に私の手をとって「こっち!」って言って走り出したの。私は「痛い痛い!」って叫んで、ブーティで挫きながら連れていかれた。その時やっと、ブライダルカーの空き缶の気持ちが分かったよ。空き缶も大変だな〜って感じ。で、博物館のある場所で止まって、息を切らしながら顔をあげると、そこにはなんと、前は盗難されたかもって思ってた絵があったの!ジャスティンが幸せを感じた時に勘が鋭くなることは皆も知ってるよね?だから簡単に見つけちゃったの!彼がゴールデンレトリーバーならすごく優秀だからまさにジャーキーあげてるところだったね!

56不思議な名無しさん:2014/03/20(木) 17:30:21
>>51
そうだよ
後年齢とか…教えたく無い事は言わなくていいよ

57丸三角死角:2014/03/20(木) 18:16:27
>>56
一応最初にかいたけど、ピチピチの大学生だよ。
見た目とかはジャスティンとの出会いの話の時に書くつもり!

58丸三角死角:2014/03/20(木) 18:54:58
ジャスティンの頭をよしよしって撫でたら彼、ハァハァってハスキングをし始めの。私も流石に引いたよー。それから「ボール投げてくれ、ご主人様!」って言ったから無視して絵を眺めた。やっぱり何だか懐かしいの。何て例えたらいいんだろう!なんか、小さい頃に使ってたブランケットの匂いを嗅ぐと心が温かくなる感じ!私、小声で「心がポカポカする」って呟いたの。そしたらジャスティンは「俺はシコシコする」って言った。私、いきなりのことで「!?」って感じで言葉にならなくって、慌てふためいたの。エジプトでこの人何するつもりなんだろうって思って目見開いて横見たら、何か噛んでた。そっちのシコシコするか!そっか!歯ごたえのする方か!いや、やっぱりそっちもこっちもないや!...私は自分を恥じたよ。それで、聞いたの。「何食べてるの?」って。そしたら彼は「わかんない」って言ったの。私ここでまた「!?」って感じで口の中の物を急いで吐かせたの。それで問い詰めたの!「これは何?」って。そしたら「さっき拾った」って言ったのね。もー私疲れちゃって、手に吐かせたものを彼の口に押し込んで絵に集中することにしたんだよ。

59丸三角死角:2014/03/20(木) 19:05:37
でもね、なんか遠くの方からずっと視線を感じるの。ジャスティンも気づいてた。だから私は横目で見てた。ジャスティンは視野が狭いから正面を向いて睨めつけてた。私はその時思ったね、あー、これがガン見ってやつかー!って。するとその人が私たちの方にゆっくり向かってくるの!二人してどうしよう、こわ〜い!って感じだよ。それで、私たちの正面で止まった。全身を黒い布で覆った、目の綺麗な女の人だったの。その人は「こんにちは」って言ってきた。若そうな声だったから、きっと20代前半だよ!だって20代後半にはない声の艶があったもん!

60丸三角死角:2014/03/20(木) 19:22:24
私は一瞬怪しげな顔をしてから、こんにちはって返事したの。ジャスティンはまだ睨み続けてる。そしてその女の人は言ったの。「この絵は特別よ」私はすぐに思ったのね。この人、この絵について何か知ってるかも!って。でも私基本疑り深い性格だし小さい頃から母親に知らない人の言うことは聞かないように言われてたし例えそれが優しそうな人でもダメって言われてたしその変はちゃんと理解して育ったいい子だったから、すぐには信用できなかった。でもその女の人の次の「ついてきたら秘密を教える」っていう釣り針にまんまと引っかかってしまったの、まるでブルーギルのように。

61丸三角死角:2014/03/20(木) 20:22:21
三人はある建物の前についたの。年季が入ってて一階しかない古ぼけた汚い建物だったんだ。素人目から見ても築1000年は経ってたよ。そして謎の女の人に導かれて、門をくぐったの。部屋の中ではいくつもの蝋燭が光を灯していて、電気はないのに暗くなかったの、まぁ変な黒色のカーテンみたいなので部屋を覆ってたから薄暗いくらいだったかな。で、女の人は律儀に紅茶まで出してくれたの。中東の味がしたよ。それからしばらくして、女の人が話した。
「女の人は私の名前はレイラシラフ。レイラが名前、シラフはお酒を飲んでいないってことよ。私は頭がおかしくてあなたたちをここに連れてきたんじゃない。ちゃんとした理由があるの。」
確かこのへんだったかな、ここでレイラがスカーフを脱いだの。そのレイラっていう人、すっごく綺麗だったの!いわゆる中東美人ってやつ !眉毛が真っ黒で、鼻筋が通ってて、頬が痩せてた。それで黒色の髪が青色の瞳をより一層際立たせるの!

62丸三角死角:2014/03/20(木) 20:36:03
レイラは立て続けに質問してきたの。「あの絵に興味があるみたいだけど?」とか「あの絵の良さがわかる?」とか。私はいっぱい質問されても一気に答えられないから、戸惑った。
「良さっていうかなんていうか...」
吹っ切れたようにレイラは言った。
「そう、じゃあ説明してあげる。絵には描いた者の魂が宿るっていうでしょ。でもあの絵はちょっと違うみたい。普通は人が絵を造るけど、これは絵が人を造っているの」
私は思ったよ。どういうことー?って。
「つまり、この絵はもともと人だったのよ。あなたへの想いが強かった故人。」
私は誰なんだろうって思ったんだけど、レイラがあまりにもペラペラ喋るから、とりあえず心にしまっておくことにしたの。

63丸三角死角:2014/03/20(木) 21:22:39
「何故あなたたちはあの場にいたの?」
私はすっかりこの人を信用していた。だから正直に話したの。
「数年前に見て、すごく不思議な絵だなって思って。帰ってからずっと、また見たくて。それに声が聞こえたし、呼ばれた気がしたの...」
レイラは二度頷いた。
「なるほどね、実はあなたと絵が最初に出会った時、心が繋がったの。だから安易にあなたの心に侵入することができた。声の正体はそれよ」
ここで私は聞いたの。「何でそんなこと分かるの?」って。そしたらレイラは笑顔を見せた。
「これでも私は占い師なのよ」
私はだからか〜!と思った。
「あの絵はあなたのことをずっと探していたの」とレイラが言った。
私は意味が分からなかった。だって私を探す必要が思い当たらなかったから。

64丸三角死角:2014/03/20(木) 21:38:42
あまりに理不尽だから、私怒ったの。もう激おこpunpun Punch-and-Judy丸。
「何故私のことを探すの?私が何か悪いことしたの!?確かに、スーパーマーケットで本読んでた時に立ち読みやめなさいって母親に怒られたから寝そべって読んだり、お箸やスプーンを使わずにご飯を食べてた時に摘み食いやめなさいって言われたから手を使わずに口だけで食べたり、悪いこといっぱいしたけどそれが原因なの?」
レイラは即答した。
「いいえ」
「じゃあ何で?...それに心に侵入できるなら簡単に私の居場所が分かるはずだよね?」
「ええ、居場所は分かる。でも絵に姿を変えてしまった今、直接会にいくことは不可能だった。」

65丸三角死角:2014/03/20(木) 21:51:47
レイラはさらに続けた。
「だから間接的に探しに行ったのよ。盗人に呪いをかけて、絵を盗ませ、人の手を渡り歩くことを決めた」
私は妙に納得したの。そして急に、今まで黙りこくっていたジャスティンが首をつっこんだ。
「そうですか、だからあの時は見つからなかったのか!」
中東人のレイラは中東の味がする紅茶を自分の中東にある家で、そっと口にした。
「そうね、博物館で窃盗されたといわれているものの中で、その物が望んで窃盗されることはそんなに珍しいことじゃないわ...でもそれじゃ、あなたを探し出すのはほぼ不可能、確率が低すぎる。絵も途中でそのことに気がついたのね。だから呪いを解いて自ら博物館に戻ってきたの」

66丸三角死角:2014/03/20(木) 22:00:45
そろそろ私は核心をつくことにしたの。大きな声で、はきはきと言った。
「ところであの絵の正体は一体誰なの!?」
レイラは三人の中心にあった机の上においてある本に右手を置き、目をつむった。そして言ったの。
「あなたの前世の赤ちゃんよ。精神がとても幼いように感じるわ、恐らくまだ胎児ね。恨んでるんじゃなくて、その子...あなたから産まれたくって仕方がなかったみたい」
へぇ、私の子供になりたいなんて見る目があるなぁ、と思って微笑んだ。でも同時に悲しみもこみ上げてきて、すぐに緩んだ顔の筋肉を引き締めたの。

67丸三角死角:2014/03/20(木) 22:19:17
私はなんとなく悟った。
「っていうことは、死んでしまったの?」
レイラはとても言いづらそうだった。
「ええ、そうよ。あなたはとても悲しんだ。でもその子はもっと悲しんだ、あなたの子供になりたかったから。でもなれなかった。その無念があの絵を産んだのよ。あの絵に描かれた二人の人間はあなたとその子を象徴しているの。手を伸ばしている方が生まれてくるはずだった胎児ね。そして間に描かれている模様はピラミッド、つまりお墓」
レイラは続けた。
「この出来事は何千年も前のこの土地での出来事で、古代にまで遡る。ずっと探し、今やっと出会うことができたの。でもどうしようもないわ。一度天国へ行かなければ、人間に転生することはできない。あなたの子供になることもできない。あなたにできることは何もないの。だからもうこのことは忘れて、この土地から離れた方がいいわ」

68丸三角死角:2014/03/20(木) 22:34:00
私は戸惑った。こんな話を聞いて、すっかり忘れてこの土地を離れることなんて絶対にできない。
「そんなの可哀想だよ、悲しみを和らげてあげたい!」
「だめ、深入りしない方がいい。絵に引きずりこまれる可能性だってあるのよ、危険すぎる」
私は無言で、目に涙をためて、震えながらひたすらレイラのことを見続けた。しばらくして、レイラが口を開いた。
「...でもあなたが本当にそれを望むのであれば、この花を持って話しかけてみることね」
「...これは?」
「この土地の言葉でセシェン。ロータスのことよ。これはとても神聖な花なの」
私はその白色の花を優しく持ち上げた。とても美しかった。

69丸三角死角:2014/03/20(木) 22:36:20
私は戸惑った。こんな話を聞いて、すっかり忘れてこの土地を離れることなんて絶対にできない。
「そんなの可哀想だよ、悲しみを和らげてあげたい!」
「だめ、深入りしない方がいい。絵に引きずりこまれる可能性だってあるのよ、危険すぎる」
私は無言で、目に涙をためて、震えながらひたすらレイラのことを見続けた。しばらくして、レイラが口を開いた。
「...でもあなたが本当にそれを望むのであれば、この花を持って話しかけてみることね」
「...これは?」
「この土地の言葉でセシェン。ロータスのことよ。これはとても神聖な花なの」
私はその白色の花を優しく持ち上げた。とても美しかった。

70丸三角死角:2014/03/20(木) 22:50:17
レイラは「私と彼には何もできない。苦しい戦いになるかもしれない、本当にできるの?」と言い、最後に念をおした。
「だって、私の赤ちゃんなんでしょ?何かやってあげないと可哀想だだもん!このまま見捨てちゃったら、ずっと私のことを探し続けるんでしょ?そんなの絶対にダメだよ!」
私はそう言って、ロータスを片手に立ち上がり建物から勢いよく飛び出た。でも私は建物の門で立ち止まったの。もう、日が暮れていた。
「あ...博物館、もう閉まっちゃったかな...」
後ろからジャスティンに抱きしめられた。
「大丈夫、明日会えるよ。だから今日は泊まらせてもらおう」
私は小さく頷いた。

71丸三角死角:2014/03/20(木) 23:10:52
その日の夜も私の前世の赤ちゃんの夢を見た。「どこ、どこ...」って私のことを探し回ってた。やっぱり私がなんとかしないと。
翌朝、良い香りで目が覚めた。レイラがスープをいれてくれていたのだ。朝日が空気の澄んだエジプトの街を照らし、まるで街全体が黄金の光を放っているようだった。中東の香りに素晴らしい景色。とても爽快な朝。うまくいかないかもしれないという心配もあったが、助けになれるかもしれないという充実感の方がまさっていた。

72丸三角死角:2014/03/20(木) 23:24:45
支度を済ませて三人で博物館へ向かう。入場券を受け取り、あの絵のある所へ。よかった、まだあった。三人で絵の前に並んだ。そしてレイラが口を開いた。
「私たちはここでお役御免。あとはあなたがやるのよ」
ジャスティンも続いた。
「大丈夫、君は一人じゃない」
私は「ありがとう」と言い、一歩前に踏み出した。そして絵を見て一度息を深く吸い込み、話しかけた。
「この花、あなたのために持ってきたのよ。あなたが私の赤ちゃんだったって本当?私のことを探していたって本当?...でももう大丈夫、私ここにいるから」

73丸三角死角:2014/03/21(金) 00:21:37
そう言うと、私は急に激しい吐き気を感じて倒れこんだ。瞼を強く閉じ、頭を両手でおさえた。あまりの気分の悪さに嗚咽した。
どれくらい経っただろうか。この時の苦痛は数時間に感じた。しかしある時、その苦痛がすっと消えた。私は強烈な眩しさを感じながらも瞼を緩めて目を開けた。そこは、まさに夢で見た場所であった。真っ白の部屋に目の前には小さな女の子。でも、あの時よりもはるかに現実味が増している。私はこれが夢ではないことを確信した。多分、絵の中に入ったのだ。

74丸三角死角:2014/03/21(金) 00:38:35
女の子がすすり泣く声が聞こえる。私は「大丈夫?」と声をかけた。すると女の子は所々つまりながら言った。
「会いたかったよ。カシカ...っていうのね、お母さん」
私は一瞬驚いたが、この子は私の心に侵入したのだ、名前を知っていてもおかしくはない。
「そうよ、あなたの名前は何て言うの?」
「まだ無いの...」
すすり泣く声は大きくなり聞き取りにくくなったが、必死に耳をすました。
「...ねぇ、一緒にお家に帰ろう?」

75丸三角死角:2014/03/21(金) 00:46:25
私は胸が痛くなった。こんな純粋そうな子を突き放さなければいけないのだ。
「ごめんね、それはできないの。だって、だって...あなたはもう死んでるの」
「死んでる...?」
「そう、あなたはもうこの世にいてはいけないの!」
女の子は震え始めた。
「そんな...ひどい...」
「ひどいよ!何でそういうこと言うの!」
そう言って女の子は大粒の涙を流した。同時に、水が部屋から湧き出てきた。
「本当にごめんね、お願いだから泣かないで!」
それでも水は収まるどころか、どんどん満ちていく。

76不思議な名無しさん:2014/03/21(金) 00:49:17
見てるよー

77丸三角死角:2014/03/21(金) 00:59:54
>>76
よかった。

78丸三角死角:2014/03/21(金) 01:00:38
「お願い...!!」
私は混乱した。どうすればいいんだろう。でもこのまま何もしなかったらと二人とも溺れてしまう。私は女の子の方へ向かって、膝の高さになった水の中を強引に進んだ。そして、女の子を抱きかかえた。
「ごめんね...あ、そうだ、この花。見て、この花、あなたのために持ってきたんだよ。綺麗でしょ?」
女の子が小さく頷いたのを確認してから、私は続けた。
「...苦しかったね。でももう大丈夫だよ。私がついてるから...もう大丈夫」
その時、女の子の口が動いた。声は聞こえなかったが、「ありがとう」って言ったのが私には分かった。

79丸三角死角:2014/03/21(金) 01:10:43
すると水位が一気にあがり、二人は水に包まれた。私は女の子を離さないようにしっかり抱きしめた。そして、その子の感情が一気に伝わってきた。とても悲しい気持ち。でも今度ははっきりと、脳に直接的に聞こえた。「大好きだよ」って。
ー気がついたら道に倒れこんでいた。全身が痛む。それでもゆっくりと体を起こす。ここはどこだろう?目の前には女の子が着ていた真っ白の服と、私が持ってきたロータスの花が落ちていた。私はそれらを拾い上げ、辺りを見渡した。

80丸三角死角:2014/03/21(金) 01:31:06
両端は木々が連なっている。正面は奥に行くほど空が暗くなっており、背面の空は奥に行くほど明るくなっている。私はこの状況を理解するのに時間がかかった。しかし、恐らく、どちらかに歩いてここから脱出しろということなのだろう。私は悩んだ。明るい方は現実世界に、暗い方は非現実世界に繋がっているのではないだろうか?もしそうなら、振り返って明るい方に進むべきだろう。でも、何故か気が進まなかった。怖くても、あの子のために、暗い方へ進まなくてはいけないと思った。あの子はもっと暗い世界に閉じ込められていたのだ、それに比べれば大したことはない」

81丸三角死角:2014/03/21(金) 01:31:58
両端は木々が連なっている。正面は奥に行くほど空が暗くなっており、背面の空は奥に行くほど明るくなっている。私はこの状況を理解するのに時間がかかった。しかし、恐らく、どちらかに歩いてここから脱出しろということなのだろう。私は悩んだ。明るい方は現実世界に、暗い方は非現実世界に繋がっているのではないだろうか?もしそうなら、振り返って明るい方に進むべきだろう。でも、何故か気が進まなかった。怖くても、あの子のために、暗い方へ進まなくてはいけないと思った。あの子はもっと暗い世界に閉じ込められていたのだ、それに比べれば大したことはない。

82丸三角死角:2014/03/21(金) 01:49:01
私は暗闇の広がる方へつま先を向け、歩き出した。歩いても歩いても、両端の景色は変わらなかった。ただ、歩けば歩くほどに空の色は変化していった。真っ暗で空虚な空間に吸い込まれていく。恐れがないわけではない。しかし、あの女の子のために、絵の前で待つ恋人のために歩き続けた。休憩してる暇なんてない。空腹を感じている暇なんてない。何があろうと、立ち止まりたくはない。何日歩き続けたのだろうか。見当もつかない。そしてロータスの花は、見る見る元気を無くしていった。彼女と私の精神を結ぶ束が、日増しに緩んでいく気がした。

83丸三角死角:2014/03/21(金) 02:01:21
日に日に暗くなる世界に自分を失いそうになる。自分の出す呼吸の音さえ、今では煩わしい。しかしそれを抑える術はない。身体中からは血が滲み出る。肉体的にも、精神的にも追い込まれた。立ち止まって反対方向に進んだり、途中で死にたくなって殺してくれと乞うこともあった。しかしそのたびにレイラの言葉を、ジャスティンの言葉を、そして自分の赤ちゃんになるはずだった女の子の顔を思い出して、更なる暗闇へと進み続けた。

84丸三角死角:2014/03/21(金) 02:03:24
クライマックスだけど一旦休憩挟むよー。

85不思議な名無しさん:2014/03/21(金) 11:14:18
クライマックスきたか
ちゃんと見てるから書き上げてくれ

86不思議な名無しさん:2014/03/21(金) 15:22:45
頑張りすぎワロタw

87丸三角死角:2014/03/21(金) 18:40:00
>>85
最後まで見ないと怒るからね!

88丸三角死角:2014/03/21(金) 18:41:23
>>86
過労死する...

89丸三角死角:2014/03/21(金) 18:43:17
歩き始めて何日も経ったある日、ようやく前方に何かが姿を現した。私は感動のあまり、埃で黒くなった自分の顔の皮膚を洗うかのように涙を流した。何かが見える、人工的な何かだ。正体はすぐに分かった。お墓だ。それもおびただしい量のお墓。私は考えた。ここは現実世界の墓地なのだろうか?それとも天国...?私には分からなかったが、私は導かれるように墓地に立ち入った。何かが私のことを呼んでる気がする。そう感じた瞬間、私は墓地の中を無心で走っていた。

90丸三角死角:2014/03/21(金) 19:09:53
「あなたのお墓...なんだか虚しいね。何でだろう?」
理由は薄々気づいていた。
「そうだよね、名前がないから...」
そう言って私は立ち上がり、近くの石を拾い女の子の墓石に再び近づいた。
「だったら作ればいいんだよ」
私は墓石に手をかけ、拾った石で墓石を掘り始めた。五分もしないうちに、それは完成した。
「できた!あなたの名前は...アナ」
墓石にはAnaという三文字がはっきりと刻み込まれていた。すると、今まで感じたことがなかった風が勢い吹き、よく私を包みこんだ。さらに枯れていた花の生気は瞬く間に蘇り、元の鮮やかな白色に戻っていく。そして墓石に刻んだ文字から微かに光が放出されているのに気がついた。やがてその微かな光は大きな光輝に変わり空間を覆い、漆黒の空に光明をもたらした。私はそれをただ座り込んで呆然と見ていた。

91丸三角死角:2014/03/21(金) 19:12:15
間違えたあああ!
>>90は無しで。

92丸三角死角:2014/03/21(金) 19:13:28
気がつくとあるお墓の前にいた。でもこのお墓、違和感がある。何かが足りない。そうだ、名前だ。不思議なことに、他の墓石には名前が刻まれているのにこのお墓には無い。これってひょっとして...?私は数秒静止した後で表情をやわらげ「あの子が私をここへ導いたのね」と呟き、墓石の前に座りこんだ。そして、右手に持っていた彼女の服を墓石の前に置いた。
「この服、可愛いね」
次に左手で握っていた花を置いた。そして私は悲しげに語りかけた。
「ごめんね、急いで届けにきたんだけど、枯れちゃった」
私は一度大きなため息をついて、続けて言った。

93丸三角死角:2014/03/21(金) 19:14:24
「あなたのお墓...なんだか虚しいね。何でだろう?」
理由は薄々気づいていた。
「そうだよね、名前がないから...」
そう言って私は立ち上がり、近くの石を拾い女の子の墓石に再び近づいた。
「だったら作ればいいんだよ」
私は墓石に手をかけ、拾った石で墓石を掘り始めた。五分もしないうちに、それは完成した。
「できた!あなたの名前は...アナ」
墓石にはAnaという三文字がはっきりと刻み込まれていた。すると、今まで感じたことがなかった風が勢い吹き、よく私を包みこんだ。さらに枯れていた花の生気は瞬く間に蘇り、元の鮮やかな白色に戻っていく。そして墓石に刻んだ文字から微かに光が放出されているのに気がついた。やがてその微かな光は大きな光輝に変わり空間を覆い、漆黒の空に光明をもたらした。私はそれをただ座り込んで呆然と見ていた。

94丸三角死角:2014/03/21(金) 19:17:17
>>93も間違えたああああ
飛ばして読んでね〜

95丸三角死角:2014/03/21(金) 19:18:38
「あなたのお墓...なんだか虚しいね。何でだろう?」
理由は薄々気づいていた。
「そうだよね、名前がないから...」
そう言って私は立ち上がり、近くの石を拾い女の子の墓石に再び近づいた。
「だったら作ればいいんだよ」
私は墓石に手をかけ、拾った石で墓石を掘り始めた。五分もしないうちに、それは完成した。
「できた!あなたの名前は...アナ」
墓石にはAnaという三文字がはっきりと刻み込まれていた。すると、今まで感じたことがなかった風が勢い吹き、私を包みこんだ。さらに枯れていた花の生気は瞬く間に蘇り、元の鮮やかな白色に戻っていく。そして墓石に刻んだ文字から微かに光が放出されているのに気がついた。やがてその微かな光は大きな光輝に変わり空間を覆い、漆黒の空に光明をもたらした。私はそれをただ座り込んで呆然と見ていた。

96不思議な名無しさん:2014/03/21(金) 19:39:11
どうした?疲れてるみたいね
無理しないで

97丸三角死角:2014/03/21(金) 20:05:46
>>96
ありがとー、でも書くよ!

98丸三角死角:2014/03/21(金) 20:06:33
空を見上げる私の爛々と輝いた瞳には、散りばめられた光の粉の中で楽しそうに踊っているアナの姿があった。私は言った。
「アナ、愛してるよ」
アナの顔にもう傷はなく、頭の上に光輪があるのが私にははっきりと見えた。私たちは既に心で通じ合い、声を発せずとも相手の言っていることが聞き取れるようになっていた。「ずっとこうして遊べたらなぁ」とアナが言ったのが伝わった。私は「でも行かなきゃ、そうでしょ?」と心の中で言った。私は確信していた。アナは分かってくれる。いい子だから、きっと分かってくれる。私は続けた。
「約束する。私たちはまた会える。あなたはまた私の元に産まれるのよ。日が暮れるまで遊んで、泥まみれの服でご飯を食べて、そのままベッドで二人寄り添って寝るの。そしてお父さんに怒られて...。絶対にまた会える」

99丸三角死角:2014/03/21(金) 23:57:01
アナが応えた。
「本当?」
「嘘じゃない。あなた次第でいつでも生まれ変われるの」
「うん...じゃあどうすればいいの?」
「天国に行くのよ」
「どうやって?...分かった、あの階段をのぼればいいのね?」
私は見渡してみたが階段らしきものは見当たらなかった。おそらくアナにしか見えていないのだろうと察して、言った。
「そうよ」
アナは「綺麗な階段...」と言い、階段をのぼっているらしかった。そして「また会おうね」と言った。悲しくなんてない。少し離れ離れになるだけだ。

100丸三角死角:2014/03/21(金) 23:58:09
私はアナの声が聞き取りづらくなっていくのに気がついて「絶対に戻ってきてね」と急いで言った。
「お腹空いたなぁ...ママのご飯、早く食べたいなぁ...」
これが私の聞いたアナの最後の言葉だった。辺りは閑散としている。虫の鳴き声すら聞こえないこの場所で、私は一人立ちすくんでいる。悲しくもあり嬉しくもある。説明のできない感情が涙として溢れ出し、頬をつたう。
「愛してる...」
私のことをこんなに必要としてくれる存在があること、全然知らなかった。もし元いた世界に戻れたら、愛してる人に正直に自分の気持ちを伝えよう。私はそう決意を固め、来た道を帰った。

101丸三角死角:2014/03/21(金) 23:59:27
来た道を帰るのは案外容易かった。進むほどに精神的に安定したため、最初いた場所に戻るまでの道のりはとても短く感じた。あとはひたすら歩けばいいだけだ。元の世界に戻れる確証はなかったが、信じて進んだ。歩くにつれて私を取り巻く世界はどんどん明るくなっていく。途中からは眩しさのあまり肘で目を隠して歩くほどであった。私は足の痛みが限界に感じたある時、立ち止まった。そして肘をおろし、瞼をゆっくりと開けた。眩しさは消えていた。私の正面にはピラミッドがそびえ立っている。あの絵に描かれていたものとそっくりだ。ここは何処だろう。何故ここに到着したんだろう。状況を把握できない私はひとまず民家を探して救いを求めることにした。

102丸三角死角:2014/03/22(土) 00:01:02
ピラミッドから数十分歩いたところにそれはあった。一軒の民家だ。喉の渇いた私は走って民家のドアに駆け寄り、三度強くノックした。しばらくして家主の男性が厳かな顔で出てきた。そんな近寄りにくい雰囲気も、私には愛おしく思った。こちらは藁にもすがる思いなのだ。私は事情を説明し、水をもらい、ここはどこなのか聞いた。彼によるとここはギザらしい。カイロからは二十キロ離れている。私が何故ここに着いたのか謎だったが、ここ最近謎だらけだったため格別気にはしなかった。私はその男性に頼んで警察に連絡してもらい、しばらくして私のいる民家に訪ねてきた警官に保護された。同時にジャスティンとレイラにも連絡してもらった。

103丸三角死角:2014/03/22(土) 00:01:57
警察署で三人は落ちあうことになった。あれから何日経ったのだろう。私は疑問に思ってカレンダーを眺めた。あれから五日が経っていた。体感ではもっと長く感じる。普段は気にもしなかった時間の経過。五日間存在が消えるだけで、自分がいない間の状況の変化にこんなにも不安になるものなのか。ジャスティンはこのことを私の両親にどう説明したのだろう。様々なことが気になった。私は早く皆に会いたくていてもたってもいられず、警察署の前まで出た。約十分後、パトカーに乗ったジャスティンとレイラの姿が見えた。私はその時、嬉しさのあまり涙をこぼした。この瞬間をずっと待ちわびていた。私は停車したパトカーに勢いよく駆け寄った。ジャスティンもその様子を見て急いでドアを開け、すぐに私の元へ走った。二人は警官が見守る中、激しく抱き合い長いキスをした。やっと彼に触ることができた。私はひたすら愛してると言い続けた。彼は私の変わり様に驚いた様子だったが、しばらくして僕も愛してるよ、と言った。私は彼の肩の力がふっと抜けたのが分かった。

104丸三角死角:2014/03/22(土) 00:04:30
こうして私のエジプト旅行は幕を閉じた。レイラ曰く、私がピラミッドに着いた本当の理由は分からないらしい。でも彼女の推測によると、ピラミッドは不朽不滅の象徴であり、アナと私の永久的な家族の絆があそこに導いたんじゃないかって...。
これは去年のことのお話。実はこの話には後日談があって、エジプトから帰ってすぐ私の妊娠が発覚したの。もちろん父親はジャスティン ビール。私たちはアナじゃないかってとても興奮したの。だからこう名付けることにした、アナ ビール。

105丸三角死角:2014/03/22(土) 00:05:20
I did it...

106丸三角死角:2014/03/22(土) 00:08:17
エジプト編終了だよ。
需要があるなら、おまけとして短めのジャスティンとの出会いを書こうと思うんだけどどうだろう?


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