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ウィトゲンシュタイン『哲学探究』読書会

280ムラタ:2025/07/14(月) 16:34:04
永井均氏の用語が出てきたので、ふと家にあった永井氏が私的言語について書いた文章を読んでみたのですが、ごく単純に、私的言語の定義を誤解しておられるだけのようでした。

『哲学の密かな戦い』(p.266,267)において、彼は以下のように主張しています。
私的言語「E」の意味は原理的に誰にでも理解できる。なぜなら「特定の人に繰り返し起こる、彼だけが識別できる、独特の体験の名前E」という説明は誰にでもその意味が理解出来るからだ。そしてその意味が理解できるのだから、当然他人は、理解したその意味に基づいて、その語の誤用をたしなめることができる、と。

しかし、これは私的言語の定義を誤解していると言わざるを得ないでしょう。なぜなら、私的言語は定義上、他人とそのような理解・合意の可能性が完全に閉め出されているものだからです。私的言語「E」は定義上誰にも理解できないものなので、私的言語「E」が「誰にでも理解できる」と言うことは定義として禁止された行為です。

もちろん「特定の人に繰り返し起こる、彼だけが識別できる、独特の体験の名前E」という私的言語「E」の説明は私的言語「E」というものがあると仮定して、それを公共言語でイラストレイトしたものなので、当然、他人にも理解が可能です。しかしそれは本来ないものをあるものとして公共的な言語で表現したものであって、それを理解できることと私的言語「E」が理解できるということは全然別の話なのですが、永井氏はこれを混同してしまっているようです。


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