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聖典引用 板

1969goro:2013/01/24(木) 20:06:11 ID:nCo1DokU
 >>1964の続き

 この光景を、思いがけなくも、私が拝した次第であった。ああ、これこそ、ほんとうの日本の姿、と私は思った。何とか連絡をとって、いま、陛下は艦上から、あなたがたのお見送りのともしびに対して、ご挨拶をしておいでになりますよ、と知らせたい気持ちで胸一杯の私は、その方法がないのに、もだえ苦しんだ。。無線で打電しようかとも思ったが、いま、あの山の上で、かがり火をたいている人たちの耳に、到底、今夜のうちに届くとは思われない。

フト、そのとき、一案を思いついた私は、すぐさま艦長室へ走った。艦長に事情を話して、艦の探照灯を全部つけて貰うことを頼んだところ、艦長も感激して、すぐつけましょう、という。私はお願いしますの一語を残して、また、すぐ後甲板に引き返したところ、そのときは、もう六ケの探照灯の光芒が皎々と、左は大隅半島、右は薩摩半島の空や山や海岸一帯を、くまなく撫でまわしていた。
はるかに、ワッ、とあがる両岸の歓声を想像しながら、私はほんとに嬉しかった。

海上、聖夜の讃

 月もなく星も稀な夜空の元、黙々と鹿児島湾を南下する軍艦榛名の薄暗き後甲板は、人なく声なく、ただ一人、陛下のおん挙手の尊影を仰ぐ。
御会釈を賜る者は、そも誰か。肉眼にこれを求めて之を得ず、わずかに望遠鏡のレンズのうちに、薩摩半島沿岸一帯、はるかに見ゆる奉送のともし火、盛んなるかな、山々には、かがり火、岸辺には、ちょうちんの群れ、延々として果てしなくつづく。

さらば陛下、いざさらば、
  おんすこやかにおかえりませ。

ありがとう、
 皆も元気でね。

げに闇をも貫くは、真心の通い路。海波遠くへだてて、君民無言の、わかれのかたらい。
ああ、誰か、邦家万古の伝統を想わざる。時はこれ、昭和六年十一月十九日。


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