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聖典引用 板
1960
:
goro
:2013/01/20(日) 16:21:34 ID:nCo1DokU
>>1959
の続き
雨は幸い小降りとなったが、身を切るような寒い北西風は相変わらず吹きまくっている。私は二時少し前、陛下の防水マントを持った野口(明)侍従と二人で、玉座のところに先着して、陛下の御到着をお待ちした。正二時、陛下は二重橋正門から自動車で式場に御到着御下車、野口侍従は直ちに陛下のお後からマントをお掛けした。陛下はお手ずからマントのホックをかけながら、二、三歩砂地を踏んで、四段ばかりの階段を玉座にお上りになったが、台上にお立ちになるや否や、どういう訳か、またマントを後ろにお脱ぎ捨てになってしまった。階段の下には、ちょうど奈良(武次)侍従武官長がおられたので、落ちてきたマントをお受けはしたが、ここで重ねて武官長台に登って陛下にマントをお勧めするという訳にはいかなかった。というのは、壇上にお立ちになると同時に、君が代の軍楽、全員捧げ銃、式場は一瞬にして厳粛なる空気に包まれてしまったのである。
それから一時間と二十分、私たちは玉座の後方にいたが、寒さが身にしみて胴ぶるいが止まらない。足をやたらに踏んで、かろうじて堪えていたが、陛下は高い台の上に御起立、さぞ、お寒かったろうに御前を通過する各集団の敬礼に、挙手の礼を賜る外は微動だになさらない。
陛下が皇居にお帰りになってから後で、夕刻、私は陛下に、なぜ、あのときマントをおぬぎすて遊ばされたか、お尋ねしたところ「皆が着ておらぬから」との御言葉であった。もし、雨天ならば、参加者一同には雨具を着用させ、御自身もマントをお召しになるおつもりであったのに、玉座の階段をお上がりになる瞬間、一同が雨具を脱いでいることが、お目にとまり、それならば自分も、と台の上からマントをお脱ぎ捨てになったのであろう。玉座の天幕が撤去されたときけば、青年たちは雨具を脱いでしまう。青年たちが雨具をつけていない姿をごらんになれば、こんどは陛下がマントを捨てておしまいになる。これは皆、寒い雨風の中で、次から次へと起こった出来事であった。何という心あたたかい上下の感応であろう。私が、陛下の、国民と共に同艱共苦の御覚悟を如実に見せていただいたような気がしたのは、この時である。
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