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【資料】神秘主義の系譜【探索】

197名無しさん:2013/07/22(月) 23:20:00
>>196



[近代の神道]  明治政府は,強力な統一国家を建設していくために,宗教的な支えが必要であると考えたが,旧時代の象徴のように思われた仏教に依拠するわけにはいかず,神道が注目されることになった。排仏運動が進められ,神仏分離が推し進められる中で,国家の祭祀と結びついた神道が浮かび上がってきた。他方,西欧諸国との交渉が深まる中で,キリスト教の解禁と,信教の自由への配慮が必要となり,大日本帝国憲法の第28条で,限定付きではあるが,信教の自由が認められることになった。そこで,国家の祭祀,皇室の儀礼と結びついた神道は宗教を超えるものとされ,官幣社,国幣社,別格官幣社に列せられる神社は国家の機関となり,神官は官吏となった。国家直属の神社を頂点として,府県社,町村社,郷社などの社格が定められ,祭神も《日本書紀》以下の正統的な神典に記載されている神々に改められた。他方,国家と結びついた神道(国家神道)と別に,信教の自由の次元での諸宗教は,神道,仏教,キリスト教に大別され,宗教としての神道は教派として活動を許可された。したがって神道ということばは,教派神道をさすものとして用いられ,国家と結びついた神道は,大教,本教,惟神道などのことばで示された。

 1945年,敗戦の年に,GHQ は国家と結びついた神道の廃止と信教の自由の実現を命ずる指令を発した。この文書は〈神道指令〉(国教分離指令)と呼ばれ,戦後の宗教行政の中で大きな役割を果たした。神社は宗教法人となり,現在その多くは連合して神社本庁という組織を作っている。他方,神道系とされる天理教,金光教,大本教などの新宗教も,伝統的な神々の信仰を受けついで活発な宗教活動を展開している。神社は,明治以来数十年の特殊な時代が終わった後,伝統的な信仰の中心として人々の参詣を集め,結婚,受験,交通安全などの祈願を行う場となっているが,教派神道の系譜を引く神道系諸教団に比して,教説や教団の組織を持たないものが多く,祭りを支えていた地域社会の秩序が,近代化の中で解体していく中で,新たな対応を迫られている。他方,神道的な儀礼が,宗教行為に属するか,民俗的な習俗であるかをめぐっては,国民の間からつぎつぎに問題が提起され,裁判で係争中のものも少なくないが,神道をいかなるものと考えるかについて,広く国民の支持を得るには,なお多くの曲折が予想される。⇒神‖神道美術‖神仏習合‖民間信仰                 大隅 和雄

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