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('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです
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避難所の皆様、初めまして。このスレッドは元々vipに投下していたのですが、設定ミスや誤変換を修正するために
こちらで改正版を投下させていただくことに決めました。
各まとめ様には大変ご迷惑をお掛けする事になりましたがよろしくお願いします。
また今回の東日本大震災で被災された全ての方々に、心から御見舞い申し上げます。
今回、改訂ということでまとめ様に影響があるため、早めに投下させてもらいますが
2話までの投下が終わりましたら、次話の投下はしばらく自粛させていただきます。
----俺の財布から飛び立った番いの鶴が少しでも皆様のお役に立ちますように----
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vipに総合が無かったので避難所に代理をお願いしてきました。
スレがたてば、こちらにもurlを貼らせて貰います。
>>268 自分です、本当に遅れてすいませんでした
>>265 仰るとおりです、無責任な投下予告は金輪際しません
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代理していただきました
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1304436260/
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昨日の最後に今日の9時から再開ってあったけど、どこかでやってる?
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心配になるし作者としても心苦しいだろうし投下予告はやめといた方がいいんじゃ・・・
続き待ってるよ
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なんかあったんかね?
結局こなかったし
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流石に待つのも限界なんで今日は寝る
明日は来てくれると良いな
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投下予告が確実でないならできればこっちでやってほしいな
VIPでやるとリアルタイム遭遇でないと落ちるし、まとめはすぐに反映されない
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今日こそ来てくれると信じてる 作者さん…頑張ってください…
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作者失踪疑惑
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ネットできなくなったんかな?
来るっていってから一週間か?
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こりゃ…もう来ないんじゃないか…?
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待ってるぞー!
心配(´・ω・`)
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まだか
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せめて報告しろよ…みんな心配してるんだからさ…
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この作者には失望した 投下予告なんか二度とすんなks
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最近の若いモンは忍耐力が無いから駄目だな
黙ってじっくり待つ事も出来んとは…
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まだか
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作者死亡説が現実味おびてきたな
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こなくなったタイミングがなぁ…
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ギコとパーティ組んだ話の途中で消えちゃったよね(つд`)
あらしに負けちゃったのかな…。
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あらしなんていた?
リアルタイムで見てたけど居なかったと思うんだが・・・
単純にネット環境ない所にいると予想
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報告が遅れて本当に申し訳ありません。
>>1です。
PCが熱暴走の為、ポックリと逝ってしまい投下が遅れてしまっています。
携帯でこちらに報告しなければ、とも思っていたのですが『二度も予告して投下しなかった』という罪悪感に耐えられず、ズルズルと先延ばしにしていました。
しかし、消えてしまった4話をもう一度書き直してみると、どうしても投下したいという思いが湧いてきて、恥を忍んで戻って参りました。
先の失敗もありますので、具体的には言いませんが
近日中に投下させて頂きます。
失礼しました。
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>>292
おお!続き期待してたんだ!
wktkしながら待ってる!
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待ってるよ
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凄く期待してる
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予告スルーされたって俺は気にせず待つぞ
行方不明よりよっぽどマシだ
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よかったよかった
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ktkr!!!(・∀・)
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やたあああああああああああああ
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くぃたあああああああ
待ってる
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よかっったああああ!!
このSS見てMHP3始めたんだ
まだアシラ狩るのもびくびくだけど面白いよ!
>>1ありがとう
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ζ(゚ー゚*ζ
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スレが……立てれない……だとorz
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※注意
・元ネタ有り
・モンスターや装備についての独自解釈満載
・登場人物をAAに無理矢理変更している場合があります
まとめ
即席ブーン様 http://eksr.blog115.fc2.com/blog-category-20.html
フェレット速報様 http://xn--hckwcp3c2c5ce5k.com/
かぎまとめ様 http://hookey.blog106.fc2.com/blog-entry-2217.html
避難所 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/37256/1300286882/
※漏れがある可能性小
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●('A`) ドクオ=ウェイツー
人間
26歳 【称号:ドンドルマの英雄】
HR:6
所属猟団:無所属
使用武器:コウリュウノツガイ(双剣)
防具:ナルガXシリーズ
現在地:ユクモ村
●(,,゚Д゚) ギコ=ストッドウッド
人間
26歳 【称号:???】
HR:5
所属猟団:荒鷲団
使用武器:???(大剣)
防具:???シリーズ
現在地:???
●ζ(゚ー゚*ζ デレ=ツンデレート
人間
21歳 【称号:無し】
HR:4
所属猟団:ユクモギルド
使用武器:フロギィリボルバーⅢ(弓)
防具:マギュルSシリーズ
現在地:ユクモ村
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●( ^ω^) ブーン=ホライゾン
人間
19歳 【称号:無し】
HR:1
所属猟団:無所属
使用武器:デッドリボルバー(鎚)
防具:アロイシリーズ
現在地:ユクモ村
●ξ゚⊿゚)ξ ツン=ツンデレート
人間
19歳 【称号:無し】
HR:1
所属猟団:無所属
使用武器:ジャギットファイア
防具:ジャギィシリーズ
現在地:ユクモ村
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●(*゚∀゚) ツー
獣人族(アイルー)
?歳 【称号:???】
使用武器:【旗本】ネコ合戦旗(剣斧)
兜:旗本ネコ【陣笠】覇
鎧:旗本ネコ【胴当て】覇
現在地:ユクモ村
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大老殿を“伏魔殿”とはよく言った物だね。 私は職業柄、何度も出入りしているが
あそこに居るのは、“朽ちた生者”と“生ける死者”だけだよ。
―――ナイトリーダー 騎士長 フォックス―――
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この世界には3つの勢力が存在する。今回の話を始めるに当たって、これについて触れさせて欲しい。
まず一つ、ギルドマスターを中心としたユクモに住まう村人を守護する存在。
【狩人派】
二つ目、ユクモの村人に信仰されている“唄”。その担い手【歌姫】を中心とした存在。
【聖歌派】
そして三つ目、その歌姫を護るためだけに組織された存在。
【騎士派】
こう並べてみると、【聖歌派】と【騎士派】は同一勢力の様に思えるかもしれないが、それは誤解だ。
それを説明するには、まず【狩人派】と【騎士派】の不和について話をしなければならないだろう。
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狩人は槍であり、騎士は盾。それはどうやっても交わることの出来ない相反する存在。
故に【狩人派】と【騎士派】は仲が悪い。仕える者がそれぞれ違うのだから当然と言えば当然だ。
これらの勢力に共通して言えるのは、結局村人の支えによって形を保っていられるという事だ。
狩人達は、村人達に衣食住を提供してもらう代わりに身の安全を保証している。
聖歌派は、村人達に信仰してもらう代わりに、唄という心の安らぎを提供している。
騎士派は、歌姫に身分を保証してもらう代わりに、歌姫の守護を司っている。
歌姫は、村人に支えられているのだから【騎士派】は村人に支えられているのと同義だ。しかし ここにワンクッションを挟む事により、その意味合いは限りなく不明瞭になってしまっている。
ここで最初の疑問に戻る。
「自分達が村人を守っているのだ」と自負する【狩人派】。「身分の低い狩人」を笑う【騎士派】。 傭兵と貴族の様な物である。
【聖歌派】は、そんな二つの勢力の緩衝材として存在しているのだ。
これらの三勢力が、歪にバランスを取って存在するユクモの地。
そこに突如乱入して来た新たな勢力。いや、勢力というには小さすぎる存在かもしれない。しかし、個人と片付けられるほど容易い存在でもない。
ドンドルマの狩人は、この混沌を如何様な光を以て照らすのか。
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('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです
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よーし支援だ
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狩りを終えて十数日。ドクオの元にギギネブラの素材が届いた。
幾つかの部位に仕分けされて送られたそれは、勿論全て狩人の手に入るわけではない。
ある程度はギルドが受け取り、それが収入源となる。 ギルドの運営も金無しでは行えないのだ。考えてもみてほしい。管理エリアに生存する全てのモンスターの頭数を管理し、バランス調整を人の手だけで行うのだから、それなりの金が必要となるのは必然だ。
ギルドから受け取った素材の全てを、ドクオはギルドが管理するアイテムボックスに預けた。ドンドルマからわざわざ運んできた幾つかの武器。新しい武器が必要だとは思えなかったから。
ドクオがユクモに着て数ヶ月の時が経った。顔見知りとなった人もかなり増えていた。
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ミセ*゚ー゚)リ「お疲れ様でした!ドクオさん!」
('A`)「お疲れ様」
ギルドの受付嬢、ミセリ。
ζ(゚ー゚*ζ「あっ、ドクオさん。また狩りの予定があったら仰ってくださいね! 私もご一緒しますから!」
('A`)「あいよー」
弓使い、デレ=ツンデレート。
ξ゚⊿゚)ξ「あら、ドクオ。ちょっと顔貸しなさい。私に料理を教えるの。拒否権は無いわ」
(;'A`)「えっ、いや……なんか馴れ馴れしいな」
ライトボウガンを使う、デレの妹。ツン=ツンデレート。
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そして、何よりもドクオの傍に居たのが
(*^ω^)<ドクオー!!
('A`)「ん」
ゴツン
( ^ω(メ)<イタイオ…… うるせー、豚野郎ニャー>(゚∀゚*)
やはりオトモアイルー、ツーであった。朝起きればドクオに会いに行き、朝食を一緒に頂いて、それから四六時中ドクオの後ろを付いて歩く。夕方には一緒に湯浴みをし、晩御飯を一緒に食べてドクオが眠ると帰っていく。
もう誰がどう見ても、主人とオトモだった。
そしてもう一人。ドクオと劇的に距離を詰めた者がいる。
( ^ω^)「ツー様、流石にボクでも顔面モロは痛いお」
('A`)「ブーン、もう来たのか」
(*^ω^)「おっ!今日もよろしく頼むおっ!」
ハンマー使い、ブーン=ホライゾンである。
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ブーンは、狩りから帰ってずっとドクオの元に通い、指導を受けていた。
ドクオ自身、ハンマーを使った事はないが、凄腕のハンマー使いは幾人も見てきた。
以前、デレに教えを乞われて断った事もあったが、それは剣士とガンナーの違いによるところが原因だ。
剣士としての立ち回りなら、ドクオとしても教えることが出来るが、ガンナーとなると難しかった。
『太刀や双剣は自分の手足として考えられる事が多い』
『だが、ハンマーや大剣は違う』
『それは自分の身体の一部ではなく、確かに自分とは別に存在する物だ』
『だから、それを自分の中に受け入れるには何年もの鍛練が必要になる』
('A`)「意識するのは、自分の得物が通る道筋だ。柄の部分が通る道、槌が通る道、その全てを覚えろ」
言われながら、ブーンはひたすらにハンマーを振るった。何百、何千、何万回と。
そうしてブーンの手のマメが十数回潰れた時、一つの変化が起こった。
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(;^ω^)「おっ?」
デッドリボルバーの重みが消えたのだ。
確かに持っているのだが、全く腕に負担を感じない。
('A`)「……ブーン、気を抜くな。その分、振りが早くなりすぎている。 感覚が無くなった今だからこそ、力を入れて握れ」
( ^ω^)「分かったお」
ブーンには十分素養があった。それはドクオも先のクルペッコとの戦いで気付いていた。 しかし、余りにも足りなかった経験。それが才能の開花を邪魔していた。
それともう一つ。引っ掛かる事があるのだ。
しかしこれをどうブーンに伝えたものか、それを悩んでいた。
突如飛来した鉄の塊。ドクオはヒョイっと、身を屈めてそれを躱した。
('A`)「……ブーン、ここまでにしておこう」
(;^ω^)「おっ?まだまだ余裕だお!なんだか全然ハンマーが重く感じないんだおっ!」
まだまだやり足りない、と不満気なブーン。
(*-∀-)=3「はー、そりゃそうだニャー。お前、今何も持ってないニャー」
( ^ω^)「……はい?」
気付けばブーンの手からハンマーがすっぽ抜けていた。
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('A`)「……人がいなくて良かったな」
( ^ω^)「お……?」
(;^ω^)「おおぉぉおお!!!! 二人とも怪我はないかお!?」
重さにして軽く100kgを越える鉄塊が、すっ飛んでいったのだ。巻き込まれれば骨の一本や二本では済まない。
('A`)「大丈夫だ、心配するな」
(*-∀-)「あんなヒョロ玉、目を瞑ってても避けられるニャー」
周りに人が居なかったのが幸いだった。
いつもなら、この広場は子供達の活気溢れた声で満たされているのだが 最近少しばかり様子が違っている。
ユクモの祭りが中止になったのだ。
ユクモの祭りが、天候等により延期される事は今までにもあったが、中止、言葉を替えれば無期限延期となったのは初めてだ。
この異常事態には、村人だけでなく、狩人も驚く。ユクモの祭りは偉大な先人達を偲ぶ、大切な祭りだ。それが中止になる程の事態、気にしてしまうのも当然の事だった。
しかし、その声もギルドマスターの「秘密じゃーい」の一言で無かった事にされている。
思うところは多々あれど、アラマキが一言言っただけで、その話題を蒸し返そうとする者は居ない。
それ程にギルドマスターというのは隔絶された存在であり、人々から信頼されているのだ。
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(;^ω^)「ドクオはどう思うかお?今回のユクモ祭りの中止」
滴る汗を拭いながらブーンは、ドクオに心に秘めていた疑問を尋ねた。
('A`)「今までで初めてらしいな。ミセリさんから聞いたよ。 うーん、ユクモの祭りについては、知らない所が多いから正確な答えは出せないが、やはりモンスターが関係してるだろうな。1週間程前なら、あの積乱雲の為に天候が不安定という理由も考えられたがな」
ユクモの村に迫ったあの積乱雲は、ユクモを逸れ、背後に聳えるユクモ山の頂に停滞していた。
(‘_L’)「面白い話をしてらっしゃいますね」
('A`)「ん……」
(*^ω^)「おっ!フィレンクトさんっ!久しぶりだお!!」
二人に話し掛けた男。黒髪で高身長。しかし線は細く、狩人のような隆々とした筋肉もない。
男の背後にどっさりと置かれた大量の荷物を見るに、行商人か何か。
(‘_L’)「ドクオさん、ですね。初めまして、私はこの町で行商人をしております、フィレンクトと申します。以後お見知りおきを」
スッ、と差し出された手。ドクオは少し躊躇しつつもそれを握り返した。
('A`)「……ドクオだ。こちらこそ宜しく頼む」
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きたか?!きたのか?1
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(‘_L’)「ふふっ、どうして自分の名前を知っているのか、という顔をしていますね。 貴方の名前は随分有名ですよ。なにせ、この村唯一のHR6の狩人。それも、HR1から5を全て飛び越しのHR6ですからね」
それは初耳だった。 確かに自分はHR6だと伝えられたが、唯一とは聞いていない。先日、腕相撲を行ったギコと名乗るあの男も、狩人として極上の雰囲気を醸し出していた。
('A`)「……アイツもHR6じゃないのか」
(‘_L’)「だから私達行商人の間では貴方はかなり有名なんですよ」
('A`)「なるほどな」
( ^ω^)「フィレンクトさんは、今日この村に着いたんですかお?」
(‘_L’)「そうですよ、ブーン君。その後の狩りはどうですか?」
ブーンとフィレンクトは、知り合いのようだ。ブーンが「フィレンクトさん」と呼ぶ言葉に確かな暖かみが含まれている。
(*^ω^)「おっ!聞いてくださいおっ!!ツンと二人でクルペッコを討伐したんですおっ!! それが認められてHR2になりましたおっ!!!」
(‘_L’)「おぉ! そうですか!これで一歩御父上に近付きましたね」
ブーンは、この間のクルペッコ討伐が評価されHR2に昇級していた。
先の戦闘を思い出すと、確かに危なっかしい所は多々あった。普通ならば昇級も見送られるはずだった。
大きかったのは、ギルド直属の狩人。ギルドナイトであるデレの口添えと、ツーの口利きだ。
('A`)「それで、何か用かな?」
(‘_L’)「えぇ、一つドクオさんに依頼したい事がございまして」
やはりクエストの依頼か、とドクオはやっと納得した。行商人と狩人は持ちつ持たれつの関係。狩人が行商人の行く道の安全を確保し、行商人が狩人に必要な道具を提供する。
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('A`)「良いだろう、その依頼受けよう」
(;‘_L’)「そんな二つ返事で良いんですか? まだ内容も報酬も話していませんが」
('A`)「構わないよ。元々この村で狩人をやるのなら行商人との関係は良好でなきゃならないしな。
それに“理由”は貴方の後ろにいるソレだろ?」
ドクオが指差した先には、一人の少女が眠っていた。
すやすやと安らかな寝息を立てて
ユクモの樫木を薄く裂いて織られた籠のなかで。
*( ーー)*zzz
(‘_L’)「……お見通しでしたか」
('A`)「そりゃな。ただでも行商人の行く道は険しく危険だ。それを子連れで行くなんてな。 狩人の護衛も居たほうが良い、って所だろ」
(;^ω^)「おっ、フィレンクトさん。仕入れを延期には出来ないんですかおっ!?」
子連れで、凶悪なモンスターが潜む道を荷車を引いて進むなんて、堪らずブーンは口を挟んだ。
(‘_L’)「……残念ながらそれは出来ません。あの不気味な雲と、ユクモの祭りが中止になった事を訝しがって他の行商人達は仕入れに行こうとしません。
今、私が道の安全を皆に示さなければ、この村の流通は立ち行かなくなってしまいます」
( ^ω^)「そんな……せめて誰かに預けるとか……」
ふふ、とフィレンクトは自嘲し答えた。
(‘_L’)「元々私達行商人は根なし草。頼るツテもなければ、信頼出来る人も居ません。 それにこの子は、私の手で育てると決めているのですよ」
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('A`)「騙し騙される行商人独特の考え方だな」
( ^ω^)「……そんな」
(‘_L’)「そうかもしれませんね。でも私は、この考えを曲げるつもりはありません」
如何に安く仕入れ、如何に高く売り込むか。それが行商人の腕の見せ所である。 その過程で嘘が交じる事など日常茶飯事。
勿論、感謝される仕事なのだ。
東で塩が足りないと聞けば、西で塩を買い売りに行く。その道が険しくとも、関係ない。
狩人に誇りがあるように、行商人にも誇りがあるのだ。
何時如何なる時でも、需要があればそこに向かう。どんな危険が伴おうとも、自分を呼ぶ声があれば、それだけでそこに向かう価値がある。
(‘_L’)「………」
この男も、その一人。誇り高き商売人だ。
('A`)「安心しろ。俺が貴方達の旅の無事を保証する」
それならば
背に差していた金銀の双剣を引き抜き、刃を下に向け両の手で重ね握った。
誇り高い男にはそれ相応の対応をせねばならない。
今までにも、こういう男を見たことがあった。
自分の利だけでなく、公共の利益の為に死ねる男。
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巨大な壁に突き当たった時、皆はどうする? よく観察してみる?登れないか試してみる?
僕?僕は、とりあえず全力でぶん殴るよ
大き過ぎる壁も、意外と薄っぺらい物さ
―――Spear The Gungnir ショボン=ライコネン―――
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('A`)「依頼の受注を届けに来た」
ミセ*゚ー゚)リ「あっ、ドクオさん!先日は、美味しいご飯の差し入れをありがとうございました! 今日はギルドのクエストの受注ですか?」
('A`)「いや、個人からの依頼だ。依頼主は行商人のフィレンクト。北にあるサルシドという村までの護衛だ」
ミセリは、ドクオの言葉をすらすらとクエスト報告書に書き込んでいく。
ミセ*゚ー゚)リ「あっ、ドクオさん。ご一緒する狩人さんは居ますか?」
('A`)「いや。ブーンにはまだ早いだろうし、ギルドナイトのデレを、ギルドの依頼以外に連れていく事も出来ないだろ」
ミセ*゚ー゚)リ「分かりました。一人……っと」
ちょっと待ってくれ、とそこで一声掛かった。
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(,,゚Д゚)「オレも参加するぞ」
ミセ;*゚ー゚)リ「えっ、ギコさんも参加するんですか?でも、ただの行商人の護衛ですよ?」
(,,゚Д゚)「良いんだ、じじいからも許可は貰ってる。オレも行くぞ!! ドクオも構わないか?」
('A`)「俺は構わないが、良いのか?」
HR5のギコとHR6のドクオが、このユクモから離れるとなると万が一の事態が起こった時の防備に不安が残る。
(,,゚Д゚)「へっ、大丈夫だ。ユクモの狩人はそんな柔じゃない。俺が居なくとも十分村人を守るだけの力がある」
('A`)「そうか。それなら俺個人としては問題無い。後は依頼主の了承を貰うだけだ」
(,,゚Д゚)「おう!!フィレンクトだったな!早速行ってくるぞゴルァ!!!」
そう言うと、ギコは背中に担いだ自分の身の丈以上の大剣の重さも感じさせぬ身のこなしで、風のように去っていった。
('A`)「全く、せっかちな奴だなー」
ミセ*゚ー゚)リ「でも、あの不気味な積乱雲。それにユクモの祭りの中止。それを考えれば、現有戦力の中でも最高の力を持つ二人を出すのも納得できる事かと」
ミセリの一言に、ドクオの眉が少し動いた。
('A`)「……ほぉ」
ミセ;*゚ー゚)リ「あっ!いや、そういう考え方も有るだろうな、と思いまして……」
ミセリが言う、最もな意見を聞きドクオは一つ、息を吐いた。
面白そうに。
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*(‘‘)*「くろかみ♪ なーがい髪をのばしてー♪ ほーそい手足はもやしのよう♪ 背にはふたつの刀がひとつー♪ リオの名を持つ金と銀ー♪」
少女の澄んだ歌声が響く。見上げると青空も澄み切り、ぷかぷかと浮かぶ雲はゆったりと西から東へと流れている。
砂利道をガタガタと揺られながら、ガーグァが引く荷車に四人の人影があった。 三人の男と一人の少女。
*(‘‘)*「こーわい顔のライオンさん♪ 金のたてがみなびかせてー♪ 背には大きな剣がひとつー♪ ギラギラ瞳を光らせてー 狩人さんはせっかちさん♪」
少女の歌に、ドクオはククッと笑った。
(,,゚Д゚)「……俺の事か、こわい顔って」
('A`)「子供は正直で良いなー」
テメェ、ゴルァと掴み掛かるギコを軽くあしらうドクオ。 そんな二人に挟まれた少女は、いつもとは違う日常に顔を輝かせている。
*(‘‘)*「みんなで旅するのは楽しいねー」
('A`)「そうだなー、ヘリカル。なっ、ギコ」
(;,,゚Д゚)「おっ、おう!!楽しいぞゴルァ!!」
『こら、ヘリカル。あまり狩人さん達を困らしてはいけないよ』
ガーグァを操っていたフィレンクトから声がかかり、少女は一旦歌うのをやめる。
*(‘‘)*「はーい、お父さん」
子供が作り出す、特有の柔らかな空気。誰しもが持っており、誰しもが大人となる過程で失う物。
それをドクオは確かに暖かいと感じた。
そしてギコも。
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('A`)「……良いな、子供は」
(,,゚Д゚)「そうだな」
ギコが少女の頭を撫でると、少女はくすぐったそうに、気持ち良さそうに、目を瞑った。
('A`)「そういえば、俺とお前は同い年なんだってな」
(,,゚Д゚)「おう、そうらしいな。その年で“G”とは恐れ入るぞ」
('A`)「いや、ギコは猟長として色々な事に時間を割いてきたからだろう。俺はただひたすらに狩りをするだけの生き方をしてきたからな」
【猟団】というのは、同じ主義思想を持つ者同士が集まって作られる組織。ドンドルマにあった有名な猟団を挙げるならば【空王の終】などがある。
これは、空の王者と呼ばれるとある飛竜を専門的に狩る猟団である。
(,,゚Д゚)「俺の猟団は、ただ自身の向上を目指す者が集まっているだけだ。 条件もHRによる制限も無い。まぁ、ただの酒飲み友達の様なもんだ」
実直な男、それがドクオのギコに対する最初の印象。そしてそれは間違っていなかった。
それに加えて、謙虚さ。
上に立つ者の自覚を持ちながらも、個人としての尊敬を忘れない姿勢。
こうして落ち着いて、彼と話す事は少なかったドクオだったが
やはり、その印象は間違っていなかったのだと再認識する。
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('A`)「ユクモにはHR6の狩人は居ないと聞いていたんだが」
ここで、ドクオはユクモに来て不思議に思っていた事を尋ねる。
(,,゚Д゚)「……それには、色んな原因があるんだ。 ドンドルマではどうやってG級になる?」
('A`)「……これと言って試験のような物は無いな。俺の場合、Gの名を持つ飛竜を狩っていたら、自然とそう言われるようになった」
そうか、とギコは腕を組む。
(,,゚Д゚)「ユクモに所属する狩人の数は多くない。だからこそ、俺たちはちゃんと示されたルールによって昇級してきた。先日、ベーンさんの倅がクルペッコを討伐してHR2に上がったのも、クルペッコがギルドの指定する昇級モンスターだったからだ」
(,,゚Д゚)「そういう風にして、HR1〜5までの試験には指定されたモンスターを倒す、という決まりがあった。 しかし問題はHR6だ。狩人の数が少ないユクモではHR6を持つ狩人は元々二人しか居なかった」
('A`)「一人は、ブーンの親父さんかな?」
その通りだ、とギコは驚いた様子で目を見開いた。
(,,゚Д゚)「1人はブーンの親父さんであるベーンさん。そしてもう一人は、この村の英雄であるロマネスクさんだ」
('A`)「ふむ」
ここでドクオがブーンの父親がHR6だと言い当てられたのは、いくつかの理由がある。
ギコの『ベーンさん』と呼ぶ言葉に確かな尊敬の念を感じたこと。ブーンの持っていたデッドリボルバーが醸していた雰囲気。そして毎年誕生日にはリオレウスの素材を貰ったといっていたブーン。
特に三つ目。そう易々とリオレウスを狩ることの出来る者は多く居ない。やはりHR6に準ずる何者か、だとドクオは内心星を付けていた。
(,,゚Д゚)「その二人に認められる事がHR6になる為の条件だった」
なるほど、ここまででドクオがユクモの現状を理解するには十分。
HR6が自分以外に存在しない理由は、そういう事だったのか。
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(,,゚Д゚)「その二人が居なくなっちまったからだよ。ユクモにHR6が生まれなくなったのは」
そして、ドクオはここでもう一つ合点のいった事がある。
いきなり現れた俺を、HR6にしたギルドマスターの意図。
そして急に狩りに同行すると買って出たギコ。
つまりは、ドクオに見極めろと言うのだ。
Gを戴く者として。
ギコがHR6に相応しいか、否かを。
全く、けったいな押し付け方をするものだ、とドクオは内心溜め息を吐いた。
('A`)「概ねの事情は分かったよ」
(,,゚Д゚)「……すまねぇな。ユクモに来たばかりのお前さんにこんな事を押し付けて。
しかしロマネスクさんが死に、ベーンさんが旅立った今、ユクモに新しい風をもたらす事が出来るのは、お前さんだけだと、うちのじじいも判断したんだ」
('A`)「べつにGだからといって、この村に何か貢献をしたわけでもない。そんな俺がこんな大事なことを決めていいモンなのかね」
ははは、とギコは笑った。
(,,゚Д゚)「よそ者にそんな事を頼まなきゃならないくらい事態は切迫してるのさ」
優しくヘリカルの頭を撫でながら自嘲気味に呟く。
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('A`)「切迫……ねぇ。 そういえばもう一つ気になっていたことがあるんだ」
(,,゚Д゚)「おう! なんだ!」
('A`)「ツーの事なんだが、何故村の人たちはツー様と呼ぶんだ?」
これも気になっていた事の一つであった。 確かにアオアシラとの戦闘で見せた人を護る気概。ギギネブラ戦で見せた仕事の速さ、尊敬を受けるだけのものはあると思う。
しかしそれでも“様”は言いすぎだと、思っていた。
(,,゚Д゚)「なんだ、ツー様から聞いてないのか?」
('A`)「なにも聞いてないな」
ふぅむ、と腕を組み少し考えるギコ。
(,,゚Д゚)「ツー様はな、亡くなったロマネスクさんのオトモだったんだよ」
('A`)「ほう」
村を救った英雄、ロマネスク。
その命と引き換えに。
(,,゚Д゚)「あれは俺が十二の頃だ。ユクモの四方を囲むように三頭のディアブロスが住処を作った。元々ディアブロスは肉食ではないが、その獰猛な性格と攻撃性故に第一種危険モンスターとして扱われていたが
それが三頭同時に現れたんだ。 ギルドも気が付かなかった訳じゃないんだろう。それはそうさ。調査に向かった狩人達、その全てから連絡が途絶えれば嫌でも気づくだろうからな」
その時の俺は、絵に書いたようなクソガキでな。なにかお祭りのように感じたよ。いつもは毅然と振舞っている大人達が、慌てふためいているのを見て、どこかしらの非日常性を感じてたんだ。
でも、ユクモの近くにあった幾つかの集落が壊滅したと聞いて、そんなお祭り気分もぶっ飛んだよ。
親しくしてもらっていた者もその中には居た。
そんな人たちの、原形を留めない位にグチャグチャにされた死体を見れば、どんなクソガキだって事態の深刻さに気が付いた。
もうユクモは終わりだ、なんていう自暴自棄な終末論者と。狩人ならば何とか出来るという無責任な希望的観測をする者しか居なかった。
でも、あの人だけは違っていた。
-
こんな絶望的な状況の中で、ただ前だけを見ていた。
多分、ロマネスクさん自身も分かっていたんだと思う。誰よりも。
この討伐で自分が命を落とすことを。
そして、ロマネスクさんは討伐に向かった。
('A`)「それで死んだのか」
(,, Д )「……あぁ、死んださ。 でも犬死じゃねぇ!!! あの人は三頭のディアブロスを全て狩り、死んだ!!! 村を救って死んだんだ!!!!
だから絶対犬死じゃねぇんだ!!!!!!」
響き渡るギコの怒声。余りの声量に、辺りの葉っぱがざわついた。
('A`)「そうだな、確かにロマネスクという人は死は犬死ではなかったようだ」
(,,゚Д゚)「……お前に何がわかるんだゴルァ」
('A`)「わかるさ、俺にも。お前はその死を踏み越えて、今狩人をしてるんだ」
(,,゚Д゚)「……」
('A`)「その人が、お前を強くしてくれたんだ。だから、その人の死は無駄じゃないさ」
-
沈黙。しかし息苦しく緊張感を持ったそれではなく、優しくその空間が一枚の絵になったような、やわらかな空気。
(,,゚Д゚)「……そうか」
('A`)「あぁ。そうだとも」
-
次の日、生憎の雨。しかし雨雲は厚くなく足も速かった。
四人は、といってもヘリカルはすやすやと眠っているので三人だが、荷車を押して再び道を進んでいる。
ヘリカルが喋らなくなってしまって、とんと三人の間の会話の声は途絶えた。
('A`)「……」
そんな中ここで一つ、ドクオが気になっていたことを質問する。
('A`)「……失礼だがご主人。ヘリカルと貴方は親子なのか?親子にしては歳が離れすぎていると思うのだが」
(,,゚Д゚)「……ドクオ、あまり詮索するもんじゃねーぞ」
(‘_L’)「ふふっ、気になりますか?」
確かにドクオの言う通りだった。籠ですやすやと寝息を立てている少女は四、五歳。
フィレンクトの歳は四十過ぎ位か。
確かにこの子の年の親だとすれば、少し歳が高い。
('A`)「気になる、というかな。こうやって寝食を共にし、一時とはいえ、命を共に賭けているんだ。 だからこそ、秘密を作りたくない。勿論、俺に質問があるならば誠心誠意答えさせて貰う」
フィレンクトは『なるほど』っと、口元に拵えた髭を撫でながら笑った。
(‘_L’)「お察しの通り、私はこの子の本当の親ではありません。この子は拾い子ですよ。親をモンスターに食われた可哀想な子です」
('A`)「……いや、可哀想という理由だけではないはずだ。商人は余計な荷物を背負わない。人であれ物であれ、な。それが手の掛かる子供となれば尚更だ。 ご主人は、この子に一体どんな負い目がある?」
ゆらゆらと揺らめき始めた炎。雨は、やはりにわか雨だったのか、しとしとと降ってすぐ止んだ。しかし、頬を打つ様な風が出てきた。
(‘_L’)「はぁ、全てお見通しですか。流石聞きしに及ぶGですね。 つまらない、ありきたりな話ですが、お話しましょう。 ……あれは三年前です。私を贔屓にしてくれていた村があったのですがね。そこが7m以上の体躯を持つアオアシラに襲撃されるという事件がありました」
(,,゚Д゚)「三年前といやぁ、アプトノスの大移動があった年だぞ!」
アプトノスの大移動、耳にした事がある言葉。デレの祖母が亡くなる切っ掛けとなった事件。
-
(‘_L’)「あの年の狩場は荒れに荒れていました。ギコさんならばご存知だとは思いますが」
(,,゚Д゚)「……確かに、あの年は何から何までおかしくなってたぞ! アプトノスの所為で地形まで変わっちまった所もあったし、異様に飛竜の数が減っちまってたぞ!」
アプトノスは、この世界で組み上げられた生態系のピラミッドの中で最下層に所属する草食種だ。
しかし、その固体数は他を圧倒する。
元来の大人しい性質故に、取り上げられる事は少ないが 一つ、特筆される事柄がある。
それは、群れを形成する事である。
ここで一つ、皆も疑問に思っているであろう事を説明しておく。
ジャギィやフロギィ達も、確かに群れを形成する。しかし、アプトノスの群れとジャギィの群れでは、全く異なる意味を持つ。
ジャギィは、お互いの都合の為に群れを成す。
狩りを効率よく行うためであったり、集団で暮らす事により天敵である飛竜種や牙獣種に対抗する為であったり。
謂わば、共同体。
同じ共通の目的を持つ集団なだけで、仲間ではないのだ。
しかし、アプトノスは違う。
助け合い、時に幼体を護るために飛竜にでも向かっていく。
謂わば、家族である。
-
その群れが、何十万頭という固まりが何百キロの距離を移動すれば、木々は薙ぎ倒され、生い茂っていた草は踏み潰される。
(‘_L’)「火事場泥棒、とは言いませんが。あの時、私は出来る限りのハチミツを集めていたんです。いつもハチミツが密集していた場所を根城にしていた小型の鳥竜種や青熊獣が、アプトノスの大移動によって住みかを替えざろうを得なかった。 それを利用して、私は出来る限りのハチミツを集めました」
('A`)「……」
(,,゚Д゚)「……」
それが引き金。食料であるハチミツを失ったアオアシラがどうなるのか。それを予想できなかった商売人フィレンクトの失態。
(‘_L’)「飢えたアオアシラは、山から一番近い村を襲いました。そこで犠牲になった六人。私が殺した六人と言っても良いでしょう。 その被害者の娘ですよ。ヘリカルは」
('A`)「……なるほど」
(‘_L’)「自分の仕事が村を、人の生活を支えているという自覚がありました。 人の命に関わる仕事だという事も。けれど、こんな形で人の命を奪うなんて行商を始めて二十五年、想像すらしていませんでした」
『だから私が、この子を護るのは義務なんですよ』
大きな、本当に大きな手がヘリカルの桜色した頬を撫でる。
-
(,,゚Д゚)「お前さんはどう思う」
夜も更け、月も山の向こうに姿を消した。
護衛の任を預かる二人は、同時に寝る事をしない。
今は、ドクオが警戒をしている。
寝袋に入りながら、ギコは問い掛けた。
('A`)「フィレンクトさんの事か?」
正直なところ、ドクオもフィレンクトの事は計りかねていた。 先程のエピソードを聞くかぎり、利益至上主義のようにも感じる。 だがヘリカルを見つめる、あの瞳を見てしまえばそれが間違ってるようにも思えた。
(,,゚Д゚)「……あぁ。こう言っちゃなんだがフィレンクトさんは一概に悪いとは言えない。 俺達狩人にだって予見する事が出来たはずだ。俺が有志を募って狩場周辺の警護をする事だって出来たんだぞゴルァ!!」
確かにギコの言う事は正論だ。
しかし、〜〜たら、〜〜ればの机上の空論に過ぎない。
何処までも真っ直ぐに、折れる事を知らない、この狩人は、それでも許せなかったのだろう。
しかし、だからこそドクオはこれを否定した。
('A`)「……ギコの言いたい事は分かる。だが割り切らなければならない時は、割り切る。 俺達の力は、確かに村人から見れば絶大なのかもしれない。だが、それでも人間だ。出来る事には限りがあるし、いくら命を削った所で、それではたかがしれている」
(#,,゚Д゚)「分かってるぞっ!!そんなの分かってるに決まってんだろーがゴルァ!!!!」
いつの間にかギコは、寝袋を這い出し外に出てきていた。
(,,-Д-)「それでも俺は諦めたくないんだぞゴルァ……」
挺身の英雄、ロマネスクに憧れ狩人になったギコに育まれた清廉な心意気。
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('A`)「いつかのその心が、お前を殺すとしてもか?」
(,,゚Д゚)「あぁ。もしそうなったとしても、俺は笑顔で死ねる。 その理想を抱いたまま逝けるなら、俺は笑って死ぬ」
ドクオは素直に悲しい、と思った。だが同時に美しいとも。
一人の命を救うために死ぬのなら、長く生きもっと多くの命を救った方がパフォーマンスは良い。 確かに数字の上ではそうだ。
しかしそれが正解か、と聞かれれば。
('A`)「なら、強くなるしかないな。どんな敵と戦っても負けないように強くなるしかない。 その志を決して忘れるな。それがお前を強くしてくれる」
(,,゚Д゚)「おう!! ドクオ!俺は強くなるぞゴルァ!!!」
あぁ、お前はきっと強くなるよ。ドクオは、そう呟いて荷車の中に戻って行った。
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>>337 3−2です 間違えました
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ぶっはw 4−2です
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勃起不全のおっさんがハメ撮り公開してるw
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次の日、四人は再び日が完全に顔を出す前に動き出した。
早朝にも関わらず、ヘリカルもテキパキと積み荷を数える手伝いをしている。
*(‘‘)*「おとーさんはえらいんだ♪お日さまよりも早起きで♪お月さまより夜更かしさん♪」
昨日の雨のおかげか、いくらか気温は下がっていた。しかし、妙に空気が絡みつく。湿度が高いためか、ヘリカルを除く大人三人の口数は少ない。
いや、気候以上にもう一つ理由があった。
('A`)「……騒がしいな」
草食獣達の声が、昨日とは比べものにならない位多いのだ。
(,,゚Д゚)「あぁ、準備はしておいた方が良さそうだ」
ギコもこれを的確に感じ取っていた。背に担いでいた【大剣】ジークムントを手に取り、剣先を足で固定し万遍なく研ぎ始める。
草食獣の移動は、一部例外を除き、天敵が現れた時にのみ行われる。
天敵、つまり飛竜だ。
('A`)「フィレンクトさん、積み荷の内容を聞いていいか?」
(‘_L’)「良いですが、様々ですよ。一番多いのは、ユクモの祭りが中止になり余ってしまった“光虫”でしょうか。他にも、アオキノコや、不死虫等もあれば、素材玉等もあります。 しかし、今回の一番の目的は出荷ではなく入荷です。ギルドから大量の“カクサンデメキン”を依頼されたのです」
カクサンデメキン、という言葉にドクオの眉が釣り上がった。
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('A`)「それは……穏やかじゃないな」
カクサンデメキンとは、絶命時に爆散する極めて取り扱いの難しい魚である。 その性質故に生きたまま運ぶ事が絶対条件であり、もし大量のカクサンデメキンを運んでいる途中に一匹でも死んでしまえば、見るも無残なカクサンデメキンの連鎖爆発が起こる。
その使い道は一つ。
('A`)「大樽爆弾Gか……」
(‘_L’)「えぇ、恐らくは。しかし余りに大量の発注だったため、私としても戸惑っています。ギルドは戦争でも始める気なのでしょうかね」
フィレンクトは冗談のように言ったが、これをドクオは否定しなかった。
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(,,゚Д゚)「!!」
不意に地響きが聞こえた。方向は北東。嫌でも気が付く。なにせ木々が薙ぎ倒されながら此方に向かって来ているのだから。
ドス、ドスという継続的な足音。距離にして一キロ。真っ先に悲鳴を上げたのはヘリカルだ。
速い、いや大きいのだ。その一歩の幅が大きいからこそ速い。
足音の大きさ、向かってくる早さからして15mいや、20m級だ。
紛れもなく飛竜、それも成体の。
('A`)「皆荷台に捕まれ!弾き飛ばされるぞ!!」
目の前に差し迫った巨大な竜。フィレンクトとヘリカルは息を呑む。 ドクオは茫然自失して動けなくなったヘリカルを素早く、そして強く抱え込んだ。
次いで衝撃。
数百キロはあるガーグァが、葉っぱのように荷台の更に後方に飛ばされてきた。 荷台はへこみ、半分以上の荷物が地面に散乱してしまった。
厳重な鉄の箱に入れられた物以外は全てひしゃげてしまっている。
('A`)「ギコ、無事か!?」
(,,゚Д゚)「あっ、あぁ。俺は問題ねぇ。ヘリカルは?」
ヘリカルは、突然の飛竜の出現と地面に投げ出された衝撃を受け気絶してしまっていた。
しかし、ぱっと見て外傷は無い。
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『うぅ……ぐぅ……』
問題はもう一人、ガーグァを操っていたフィレンクト。苦しそうな呻き声をあげ、半壊した荷台の前部に挟まれている。
すぐさま狩人二人は己の得物を構え、荷台の前に踊り出た。
(,,゚Д゚)「コイツは……最悪だぞ」
('A`)「……」
二人の前に立ちはだかったのは、飛竜。それも飛竜の中の火竜。
曰く 【天空の覇者】
曰く 【飛竜の王】
曰く 【炎からの使い】
【火竜】リオレウス
深紅を纏う、その身体。
何物をも寄せ付けぬ、その翼。
犯し悶えさせる、その毒爪。
威風堂堂、翼を広げるその姿は正に天空の覇者。 どんな生物であろうとも、その姿を見れば、身を潜め通り過ぎるのを待つという。
吟遊詩人に唄われたその生物が、今にも四人に飛びかからんと迫った。
-
狩人達と長きに渡って戦ってきた飛竜。その中でも火竜、そして雌火竜との戦いの歴史は長い。
狩人が、一番理解している飛竜と言っても良い。
だが言い換えれば
狩人の事を一番理解している飛竜、とも言える。
―――【空王の終】 猟長ペニサス=ランクルス―――
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この威圧感。この迫力。正真正銘、飛竜のそれ。
チリチリと焼け付くようなプレッシャー、目の前の竜が息を吐き出す度に身体を焦がすような熱を感じる。
('A`)「……」
引き抜いた双剣は油断無く正眼に構えた。
この状況、【火竜】リオレウスが一吹きするだけで一変する。それ程までに、この飛竜は強大。
かなり不味い状況だ。手負いのフィレンクトに、ヘリカル。荷物が多すぎる。
('A`)「……ギコ、フィレンクトさんの状態はどうだ?」
ヘリカルに怪我は無い。だがガーグァを運転席で操っていたフィレンクトは、直撃しないまでも、その衝撃を身体に受けてしまったはずだ。
(,,゚Д゚)「……足をやられてるぞ! 折れてはいないが走れそうにはねぇ!!」
(メ‘_L’)「……お二人とも、私を置いていって下さい」
見ればフィレンクトの太股から踝にかけて、全体が赤く腫れている。今は、まだ大した怪我には見えないが半日も経てばドス黒く変色するだろう。
目から、耳から、次々と入ってくる情報を迅速に組み上げ消化していく。
('A`)「一旦退くぞ」
選択したのは、逃げだ。この場合は仕方がない。何かを護りながら戦うというやり方は、狩人の領分ではないのだから。
-
(,,゚Д゚)「そうした方が良さそうだな」
('A`)「ヘリカルを頼む。俺はフィレンクトさんを連れていく。 まずは、二人の安全を確保したい」
(メ‘_L’)「無理です!私は走れません!!」
(,,゚Д゚)「もう少し行ったところに、小さな洞窟がある。そこまで走るぞ!」
二人は徹底的にフィレンクトの意見を無視する。 確かに彼の言う事は正しい。手負いの者を庇いながら逃げ切れる程、リオレウスは易くない。
だが、その尺度に狩人を当てはめるのは間違いだ。
ギコの抱える大剣、それだけで100キロ以上の重量がある。 それを背負いながら50mを6秒足らずで走る狩人に、子供一人は大した障害ではない。
(,,゚Д゚)「少し我慢してくれよ、ヘリカル」
胸当てを少し緩め、そこにヘリカルを納める。
('A`)「走れ!!」
(;‘_L’)「ぐぅ……」
斯くして狩人と飛竜の鬼ごっこが始まった。
ここでリオレウスという飛竜について、もう少し詳しく述べておこう。
まずここで知っていてもらいたいのは、飛竜という種の事だ。 何故、彼らが飛竜たり得るのか。
それは読んで字の如く、飛べるからである。
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飛竜にもいくつかの種類が存在するが、その全てが飛行可能だ。
その手段は、翼であったり、跳躍であったりと様々だが。 彼等は空を支配する。
空を飛ぶ事のメリットは、もうクルペッコとの戦闘の時に示しておいたので、詳しくは割愛するが
最大の利点は【自分のタイミングで戦闘を切り上げられる】という事にある。
これにより、飛竜は一撃離脱、電光石火の術を学んだ。
リオレウスは、その最上だ。彼らは空を自由に飛び回り、獲物の一瞬の隙を見逃さずに仕留める。
まさに空の王。上空に滞空し、放たれる尖爪の一撃は生きとし生ける物を死へと誘う。
普通の飛竜にこんな事は出来ない。
これは、飛ぶ事により特化したリオの名を冠する二種の飛竜のみに許された必殺の技である。
そして、もう一つのメリット。
それは純粋な速さだ。
-
(;'A`)「………チッ」
(;,,゚Д゚)「やべぇ、もう来やがったぞゴルァ!」
その速さに抗う術を持たぬ人間は、ただただ祈るのみ。
【どうか自分を狙うな】と。
仲間が食われようて構わない。
だから来るな。
自分に尖爪。
醜いと思うかもしれない。だがこれは真実。圧倒的な飛竜の体躯を目の当たりにして、自己犠牲の精神を働かせる者など存在しない。
('A`)「散開ッ!!」
(,,゚Д゚)「おうよ!」
しかし、これらの前提は全て力無き獲物に当てはめられる事。
狩人とは獲物に非ず。狩人とは“狩る者”。
バラバラに走りだした二人は、それぞれ木立の陰に入りリオレウスの視界から消える事に成功する。
('A`)「……」
(メ‘_L’)「……私の事は、置いていってくれても良かったのですよ」
フィレンクトは、先程から思い詰めたようにうなだれていた。
確かに客観的に見てフィレンクトは荷物以外の何物でもない。それはフィレンクト自身が一番適切に理解している。
例え狩人であろうとも、いや狩人だからこそ人一人という荷物は重い。
('A`)「それでも俺達は、やらねばならない」
-
(メ‘_L’)「……」
('A`)「例え、この道が困難であろうと、険しくあろうと、俺達は往く」
それが狩人。人間を守り、飛竜を貫く槍なのだ。
('A`)「フィレンクトさん。脚は痛むか?」
(‘_L’)「……生まれてこの方、こんなに痛いのは初めてです」
('A`)「少し無理をする。傷が広がるかもしれない。痛ければ声を出しても構わん。ただ、俺の首から絶対に手を離すな」
(;‘_L’)「何故そこまでするのです!? 私は……私を置いていけば、皆さんが助かる可能性は、かなり上昇するはずです!」
フィレンクトには理解が出来ない。そんな簡単な事を、何故この狩人は分かってくれない。
天秤に賭けるまでもない。私の命と、三人の無事。同じ質量の物が一つと三つ。言うまでもなく、後者が優先されるべきだ。
('A`)「命に質量なんて存在しない」
(‘_L’)「!!」
思考が口から漏れてしまっていた。
('A`)「今と同じ言葉、ヘリカルにも言えるか?」
(;‘_L’)「………」
それに、と区切ってドクオさんはこちらを真っ直ぐ見据えて言い切った。
-
('A`)「“G”の狩場に敗北は無い」
-
言うやいなや狩人は飛び出した。速度は最速、先程までのスピードはローギア。発進ギアだったとでも言うようなスピード。
前方から向う風の音が轟々と耳を擘く。フィレンクトは、あまりの圧力に思わず手を離しそうになる。
目も開けられない。
猛進、そして蛇行。
リオレウスもこれには目を回した。
それでも、純粋なスピードではリオレウスがやや勝っている。 少しずつ獲物に近づき鋭く爪で薙ぐが、その瞬間に奇妙に動くのだ。
右に左に、リオレウスが目を向けた方とは必ず逆に、獲物は逃げていた。
それを見ていたギコも動き出す。目指す洞窟は、もうすぐそこだ。
ドクオに気を取られている今、辿り着く事は容易い。 ギコは一気に駆けた。今ばかりは、胸に抱いたヘリカルを気に掛ける余裕はない。
彼が命を賭したのだ。自分にも救わねばならない命がある。
(,,゚Д゚)「なんて速さだぞ、ゴルァ……」
あの速さ、そして動き。まさに疾風迅雷。
疾く風、まさに雷の迅。
ドクオは、みるみる内に目的地だった洞窟を通り越していった。
これは陽動、より安全にヘリカルを逃がすためにドクオが敢行した捨て身。
(,,゚Д゚)「あんにゃろう……それはオレの仕事だぞゴルァ!!」
洞窟に飛び込む。すぐさまヘリカルを出来るだけ奥の入り組んだ場所に寝かせて外に飛びだした。
-
('A`)(……ギコは洞窟に入れたか)
ドクオは一気に脚を停止した。
一瞬の間。そして吹き抜けた轟風。
リオレウスは、いきなり視界から消えた獲物に困惑する。
だがリオレウスは飛竜。そんな誤魔化しが通じるのは一瞬だけ。
すぐさまリオレウスは、後ろに反転する。
('A`)「……流石は空の王。これくらいでは撒かれてくれないか」
もうすぐ手が届く、リオレウスも必死だった。
あの素早く動く鼠を捕えるのは至難の業。
リオレウスの本能は、それを正しく理解していた。
だが逃げられれば追う、というのもまた本能。
リオレウスは笑っていた。今はこの鬼ごっこが楽しいのだ。
しかし、楽しい時間はこれで終わりだ。
リオレウスは、体内のある器官に指令を送る。
リオレウスの翼に付随する、もう一つの武器。
リオレウスを火竜たらしめる、その武器。
ドクオも、的確にその動作をキャッチする。
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('A`)「チッ……あともう少しだっていうのに」
背後からジリジリと伝わる異常な熱量が、それを文字通り肌で感じさせる。
火球ブレス。リオが吐き出すその息は、生きとし生ける物の命を刈り取る死神の鎌。
('A`)「!! ギコ!!構えろ!!!!」
(,,゚Д゚)「任せろゴルァ!!!」
確かに捉えた背中、文句なく命中。
あの忌々しい鼠が、王たる自分の息吹きを食らって生きられるはずがない。
しかし、それを阻む者がいた。
(,,゚Д゚)「ゴルァアアア!!!!!」
ギコの構えた大剣は、王のブレスを全て受け止め雲散させた。
ドクオは、間一髪で洞窟の中に滑り込んでいた。
('A`)「ギコもとりあえず中に入れ。対策を練るぞ」
(,,゚Д゚)「おう!!」
リオレウスは、何度か前脚で洞窟に逃げ込んだ鼠を引き摺り出そうとするが、入口が小さすぎて上手く入らない。
数十分、それをずっと繰り返すが やはり届かないと悟ると、翼を広げ上空へと去っていった。
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一方、洞窟の中ではフィレンクトの手当てが行われている。
軽く見ただけで、打ち身、打撲、裂傷を負っている。 幸いにもリオレウスの爪で裂かれた訳ではなく、破壊された荷車の廃材で脚を切っていただけだった。
('A`)「動脈は切れていない。静脈ならば薬草を磨り潰して塗り込み、綺麗な布で圧迫すれば問題ない」
(‘_L’)「……すいません、お手数をかけます」
('A`)「気にするな」
(,,゚Д゚)「………」
テキパキと進められるドクオの応急処置を見ながら、ギコはどこか腑に落ちなかった。
昨夜ギコと話していたドクオなら、三人の無事の為にフィレンクトを置いてくるかもしれない、と内心思っていた。
そして先程見た、あのスピード。
あの人外の速度は、人を担ぎながら出来る物ではない。
あれは、フィレンクトを担ぎながら行っていたのだろうか。
まさか。しかし、それしか考えられない。
それにギコの疑問は、“速さ”だけではなかった。あの動き。 リオレウスの行動を、さも後ろに眼が付いているかの如く全て見切っていた。
(,,゚Д゚)「……ドクオ、さっきのアレはどうやったんだ?」
('A`)「ん、アレとはさっきの走り方の事か?」
(,,゚Д゚)「おう、リオレウスの動きを全て躱したあの走り方だぞ」
('A`)「それ程難しい事じゃない。 ある程度の速さで走れれば誰にでも出来る事さ」
(,,゚Д゚)「……馬鹿言っちゃいけねぇぞ。 あんな奇妙な動き、見た事がねぇ」
('A`)「……ふむ。まぁ口で説明するのは難しい。実戦で教えよう。 俺自身、友から教えられたやり方なんでな、上手く説明できるか分からんが」
ドクオは、そう言うと洞窟の外に出た。
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洞窟の上空をゆっくりと旋回するリオレウスを見やる。
見逃してくれる気はなさそうだ。
('A`)「全く……ままならないな……」
狩人と飛竜の舞曲が始まろうとしている。
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薄暗い洞窟の中、地べたに寝かされていたフィレンクトを交えて話し合いが行われていた。
('A`)「まず、今の状況を整理しよう」
(,,゚Д゚)「リオレウスは、この洞窟の上をずっと旋回してるぞ。 間違いなくオレ達がまだここに潜んでいると確信しているはずだ」
(‘_L’)「そんな……しかし、モンスターがそんな知恵を働かせる事が出来るのでしょうか?」
('A`)「いや、普通は有り得ない。ただ相手は長年の狩人の好敵手、リオレウスなんだ。分かっていてもおかしくはない」
(,,゚Д゚)「オレが思うに、現状採れる策は三つあると思うぞ」
('A`)「……ほぅ、言ってみてくれ」
ギコの策、というより勝利条件の三つ。
まず一つ目、ここから自分達二人で外に行きリオレウスを討伐する事。
討伐出来ないまでも、奴の翼さえなんとか出来ればそれで問題ない。
そして二つ目、助けが来るのを待つ事。
フィレンクトの出血が止まった今、慌てて外に飛びだす理由は無い。
じっくりと、機を待って脱出出来ればするし 厳しいならばギルドからの応援を待つ。
('A`)「二つ目は却下だな。 フィレンクトさんの足は軽傷だが、傷口から細菌が入っていれば深刻だ。 それに、ヘリカルをずっとこの暗い穴蔵に閉じ込めておくのも衛生上良くない」
(,,゚Д゚)「あぁ、分かってるぞ」
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そして三つ目。
('A`)「三つ目は? それが本命なんだろ?」
ギコはドクオの見透かした言葉に、驚き眼を見開くが平静を装い三つ目を明かす。
(,,゚Д゚)「オレが陽動してリオレウスを引き付ける。 その間にドクオが二人を連れて村まで逃げる。幸い当初の目的地までは、そこまで距離は無い」
ドクオは溜息を吐いた。やはりか、と。
ドクオは、数日しか話していないギコの心の奥底。
本質を正しく理解していた。
つまりは“死にたがり”なのだ。
自己犠牲の固まり。自分を全く顧みない。
それでは駄目なのだ。ギコは分かっていない。
ユクモの狩人達にとって、如何にギコが代えがたい存在であるのかを。
自分が居なくなった後のことを、全く考えていないのだ。
しかし、同時に感嘆もしていた。
この状況で、努めて冷静にドクオと同じ三つの策を出した事に。
生憎と、三つ目の策は少しばかりドクオと違っているが。
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(,,゚Д゚)「オレとしては三つ目が良いと思うぞ。ドクオに陽動をやってもらった方が、良いんだろうけどな……。
だがユクモに来て間もないドクオに、こんな危険な役割は任せられない」
だから、オレがやる。
ギコは最後にそう区切った。
飛竜相手に単独の陽動なんて正気の沙汰ではない。
ドクオが行った陽動は、“帰る場所”ありきの行動。 しかし、今回のは逃げ場のないデスマッチ。
三人が無事にリオレウスの縄張りを抜けるまで、引き付ける。自分自身が隠れる事は許されない。
陽動となる者を見失ってしまえば、逃げていた本命の方にリオレウスが食い付くかもしれないからだ。
(,,゚Д゚)「ドクオ、お前はそれで良いか?」
('A`)「……そうだな。恐らく三つ目が一番勝算が高いだろう」
ギコは、ドクオの言葉にどこかホッとしたような息を吐いた。
('A`)「だが、三つ目は採らない」
驚愕、ギコの表情にありありと溢れる驚き。
(#,,゚Д゚)「なんでだゴルァ! 一番被害の少ないのは、間違いなく陽動だぞ!!!」
('A`)「あぁ、お前の言ってる事は正しく理解してるつもりだ。 確かにそれが一番無難だと思う」
(,,゚Д゚)「だったらなんでだゴルァ!!」
('A`)「簡単な事だ、お前は前提が間違っている。“誰かを犠牲”とする考えは捨てろ。そして犠牲になろうとするな」
薄暗い洞窟の中、三歩先にいる物の輪郭ですらはっきりと把握出来ない。
ただ、そんな暗闇の中でドクオの存在感だけが際立った。
フィレンクトは、ただ息を呑む。
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('A`)「俺達全員が生きる、という事を前提に考えれば採る方法は見えるだろ」
(,,゚Д゚)「!? お前、リオレウスを討伐するつもりなのかゴルァ!!」
これにフィレンクトは、さらに衝撃を受けた。
あのリオレウスを討伐する?
思い出しただけで震えが止まらない。
あの巨大な存在を前に、人間の小ささをまざまざと見せ付けられた。
(;‘_L’)「わっ……わたしは……」
自分が外に出て出来る事など、何もない。
きっと戦うのならば、この二人だけだろう。
それでもこの震え、恐怖。
実際に戦う事になるかもしれない二人はどれ程の恐怖を感じているのだろうか。想像すら出来ない。
('A`)「その通りだ」
(,,゚Д゚)「無茶苦茶だぞゴルァ!! 飛竜種の成体を相手に二人で挑むなんて馬鹿げてるぞ!!」
('A`)「やってやれない事はないさ」
洞窟に響く怒声。
自分を犠牲に三人の安全を高めようとするギコ。
あくまで全員で助かろうとするドクオ。
-
しかし、フィレンクトはここで言い様の無い違和感を感じる。自分はドクオやギコの本質を理解しているわけではない。
だが漠然と『ドクオはきっと無用な荷物は切り捨てるのだろうな』と考えていたのだ。何故かと理由を尋ねられても答えられない。
ドクオの冷徹そうに見える切れ長の目が、落ち着いた雰囲気がそう思わせたのかもしれない。
だから今の状況は意外である。
この二人の争い、客観的に見れば間違いなくギコの主張に理がある。
一人が死んで三人が確実に助かるのならば、間違いなくその方法を採るべきだ。 しかしドクオは認めない。
('A`)「ギコ、お前は自分が犠牲になれば三人が助かると思ってるんだろ」
(,,゚Д゚)「……少なくともオレら二人が、飛び出して討伐する可能性よりは高いだろうな」
フィレンクトには、二人の口論に割り込む隙を見つけられなかった。
どちらが正しいのかなんて、分からないのだから。
(,,゚Д゚)「別に死にたいわけじゃねぇ。 ただオレとお前が両方ともくたばっちまったらフィレンクトさんとヘリカルを、誰が安全に導くんだ」
(‘_L’)「………」
ギコの言葉に、フィレンクトはハンマーで殴られたような衝撃を受けた。
そうなんだ。私とヘリカルはこの上ない荷物、重荷。
担げば潰され、この二人の命すら脅かす。
-
(‘_L’)「……わたしは 」
この二人のぶつかり合いに、私が口を挟む事は許されない。
('A`)「いいや、ギコ。お前は怖いんだ。自分の知らない所で仲間が傷つくのが」
(,,゚Д゚)「!!」
('A`)「それなら自分が傷つく方法を選ぶ、ってとこだろう。 全く、困ったもんだ」
ドクオのこの意見は、殆んど勘から出たものだ。 昨夜のギコが話した英雄ロマネスクの話。
少なくとも、ギコはロマネスクの事を敬愛している。 それは、別段長く付き合っていなくても分かる。
そこからロマネスクの考えに、ギコが感化されていると予測しての突っ込みだった。
(,,゚Д゚)「……お前に何がわかる。死にに行ったロマネスクさんを見送る事しか出来なかったオレの気持ちが分かるのかゴルァ!?」
ギコは怖がりだ。自分が傷つくのは怖い。だが仲間を護れないのは、もっと怖いのだ。
だからこそギコは、死にたがる。
仲間を護り朽ち果てるのが、唯一その恐怖から逃げる道なのだから。
('A`)「分かるさ。そんな奴は何人も見てきた。ドンドルマの先達は、そうやって俺達に“狩人のなんたるか”を教えてきた。 だから俺は逃げなかった。もう誰も失う事のないようにと、強くなろうと決めた」
(,,゚Д゚)「……」
('A`)「それに陽動は俺も考えていた事だ。だがお前の立てた作戦とは違う。 俺が陽動すれば、生存率はグッと上がっただろう」
ギコは、その言葉に拳を強く握り耐えた。
-
オレはまだまだ弱い。ドクオに陽動をして貰えれば成功率は高くなる。
でも、それじゃオレが護れない。
いや、オレも護られてしまってる。
(,, Д )「エゴだって、そう、言いてぇのか?」
('A`)「あぁ。だが決して醜い物じゃない」
(,,゚Д゚)「……」
無言で睨み合う二人、ギコだってわからず屋ではない。ドクオの意見を聞いて、図星を付かれた部分が少なからずあるとも思った。
だが、それでも簡単に変えられぬ。曲げられぬのが“信念”。
しかし、そんな二人を取り成すように小さな声が聞えてきた。
『……お父さん、どこ?』
(‘_L’)「ヘリカル!? ここにいるよ!!」
小さな、小さな声。
狩人達二人が護ろうとしている者から、聞こえた声だった。
*(‘‘)*「おとーさん!!」
洞窟の奥から飛び出してきたヘリカルは、ギュっと強くフィレンクトに飛び付いた。
*( ; ;)*「ヘリカルね、恐かった。起きたら、おとーさんが居なかったから……」
(‘_L’)「……すまないね、ヘリカル。もう大丈夫だよ」
それに応えて、フィレンクトも義娘を強く強く抱き締めた。
-
『……えるのか』
('A`)「なんだ?」
(#,,゚Д゚)「テメェの決断、この小さな命に賭けて誓えんのかゴルァ!?」
洞窟の中、一杯に響き渡るギコの叫び。
壁にぶつかり合い、反響し、その叫びはどこまでもこだました。
しかし、だからこそ。
その後に発せられた言葉は、凪ぎの水面の様に静かで力強かった。
('A`)「誓おう」
この小さな命。村に身命を賭した男の命。全てを護ろう。
('A`)「狩人の名に於いて」
そして、これからのユクモを担う若い狩人の命も。
最後にドクオはギコに聞こえないよう、心の中で付け足した。
-
(,,゚Д゚)「勝算はあるんだろうな」
('A`)「無論だ」
狩る、そう決めたなら話は早かった。先程までの対立は無かったかのように。
(,,゚Д゚)「どうやってリオレウスを攻略する。聞かせてくれ」
('A`)「考えはあるんだ。だが、確認したい事が幾つかある。 フィレンクトさん、貴方にも」
(‘_L’)「……えぇ、分かりました」
まずは、地形の確認。周辺にある大樹や泥濘。知りすぎて困るという事はない。 加えて近辺の村への道。
('A`)「なるほど。最初に考えた案でいけそうだ」
(,,゚Д゚)「どうやるつもりだ?」
ギコの疑問に、ドクオはニヤリと笑って答えた。
('A`)「奴から翼を奪い取る」
-
*(‘‘)*「おにーちゃん達、戦うの?」
これから起こるであろう生死を賭けた戦い。
ヘリカル自身、幼いながらも今この洞窟に溢れている緊張感を精一杯感じ取っていた。
(,,゚Д゚)「………」
少女の不安を、ギコに汲み取る余裕は無かった。
これから戦う【火竜】リオレウス。それも十二分に成長した成体。
二人という少人数で、成体を相手にするのはユクモ随一のギコであっても初めての経験だった。
('A`)「大丈夫だよ、ヘリカル。すぐに終わらせて帰ってくる」
*(‘‘)*「……ほんと?」
少女の不安気な瞳。
モンスターによって家族を殺された少女。
再び、その危機に直面する。 ヘリカルが感じている不安は筆舌し難い物であるだろう。
('A`)「ヘリカルも、ヘリカルの大切な家族も。俺達が護る。
なぁ、ギコ」
(,,゚Д゚)「!! ……おう。だからそんな顔するんじゃねーぞゴルァ」
ゴツゴツとした手で、ギコはヘリカルの頭を不器用に撫でた。
*( ー ー)*「……うん」
(‘_L’)「すいません、貴方達に全てを押し付けてしまって」
('A`)「気にするな。俺達はそれが仕事だ。 フィレンクトさんにはフィレンクトさんの。
父親としての仕事があるだろう」
(‘_L’)「……はい」
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背に携えていた双剣、【コウリュウノツガイ】を引き抜く。
('A`)「ギコ、準備は良いか?」
それに呼応して、ギコも自身の大剣【ジークムント】を掲げた。
(,,゚Д゚)「任せろ」
狩りを前に、余計な雑念は不要。
必要なのは明確な覚悟。
生きて帰る。勝利するという決意だけ。
『おにーちゃん!これ持っていって!!』
('A`)「!?」
その時、ドクオの胸に湧いた懐かしい気持ち。
混じり気の無い黒でありながらどこか透き通った髪。
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川 ゚ -゚)『そんな不安そうな顔をするな、私は帰ってくるよ。お前の元に』
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