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スタッカート!
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ただ、エスカデ編をはじめとして、ストーリーが「哲学的」に傾き過ぎている感じもある。
セリフ回しが観念的で奥が深い。
だけじゃないと思う、「哲学的」と呼ばれるのは。
それは生活に根差していない感覚、文化を背景にしていない感覚、言葉が上っ面をなぞっているような、同人的という形容すれすれを走っている。
本作で、勿体ないと思うのは、歴史が設定され、詰められているのに、そこに生活や文化、社会が匂ってこない点だ。
宝石泥棒でボイド警部ってキャラが出てくるのだけど、他の警察組織の一員も警察の小道具も牢屋も描写されない。どころか、警察署そのものや警察組織そのものすら、全く出てこない。
じゃあ、なんだ、って言うとファンタジーと言うパレットに、警察が全く馴染んでいないし、その背景が浮かんでこない。単体の要素として浮いちゃっている。
こういうのは他にも、魔法学校があって、魔法を学ぶ生徒たちが出てくるのだけど、彼らって社会に出てなんになるんだろう、「兵士として就職? 魔楽器を売る?」とか考えるのだけど、作中では全くふれられない。
食事シーンは皆無で、果樹園から野菜が取れるのだけど、イルカキュウリなんてイルカのグラフィックの野菜が出来て、でも食べるところは出てこないし、想像しにくい。
そういう風に、設定として登場するのだけど、それが社会や文化として位置づけられない、全体に馴染まない感じがする。
それは多分、ゲームの作り方そのものの矛盾にあって。
まず設定資料とか作ってそれを元にスタッフたちが作品を広げるのだろうけど、こうした先に挙げたものは、ゲーム進行には必要のないもので、だから余り考えられないでほうっていかれてしまった。
作品全体に流れる文化が、共有されないまま、設定やキャラクタが独り歩きして、思考して、セリフをつぶやく。
だから観念的で、哲学的なものになる。
これは本作の限界というよりゲームの限界で、特に当時の胎動期のゲームの限界で。
こういう文化や生活を、ファンタジーという題材で、表現した作品って数えるほどなくて。
それは「ドラゴンクエスト7」や「クロノトリガー」や「ゼルダの伝説ブレスオブワイルド」みたいな、とんでもない傑作の域ですよね。
でも、聖剣も世界観の表現では、表面部分で素晴らしいグラフィックと音楽で十二分に外堀を埋めていて。
それでプレイヤーの世界の介入のさせ方も、幅や間口を取った自主性を尊重したフリーシナリオで。
だから、そこが実現していれば、素晴らしいマスターピースになった気がする。
本作の目指して欲しかった到達点は「哲学的」なんてもんじゃなく、「詩的」な感じだった。です。
その詰めの甘さのようなものは、エンディングの流れにもあって。
最後にクローズアップされる要素が、物語全体にバランスよく配置されていないのもあって、どうも納得できない。
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