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×KY探偵×
27
:
寿
:2012/09/29(土) 10:14:47 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅶ
28
:
寿
:2012/09/29(土) 10:36:47 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
またも四葉は、刑事の目をかいくぐり、サッと七瀬たちと合流した。忍者の方がむいているだろう。
「…!……どうしたの四葉ちゃん?」
突然現れた、四葉に驚きながらも七星はそう聞いた。
「…特にどうって訳じゃないんだけど、照明消したり付けたりするのって意外と簡単だね」
薄笑いを浮かべながら、言う四葉に七瀬は「そう?」と返した。
「私昔から機械音痴だから、未だに操作もできないんだ。それに比べたら、光里ちゃんはすぐに照明の付け方とか覚えたし、ヤッパリスゴイよ……」
七瀬は表情を暗くした。どう考えても、光里のことが頭に浮かんだのだろう。
「…光里は、根は優しいし、真面目な奴だけどそれを表にあんま出さないから誤解されるんだよ…」
七瀬の隣に、璃央はつく。光里はそういう人間なんだ。と四葉は改めて考えた。
「でも、光里が怪我したなら、今度の劇、七瀬に、役、変わるんじゃない?」
璃央がそう言ったので、七星は「私、光里ちゃんの代わりなんてできないよ…」と胸に手を当てながら呟いた。
「何より、光里ちゃんはこれが最後だったし……」
「「…えっ?」」
七瀬のとっさの言葉に、四葉と璃央は声を重ねる。しかし、七瀬の言葉は聞こえるか聞こえないかのギリギリのところだったので、全部は聞こえなかった。
「ううん。なんでもない…」
作り笑いを浮かべる七星は今にも泣きそうな顔だった。
29
:
寿
:2012/09/29(土) 10:40:34 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅷ
30
:
寿
:2012/09/29(土) 10:54:43 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
四葉は七星をつれ体育館裏に向かった。
「どうしたの?こんなところに…」
月明かりが一番差し込むところで、四葉は足を止めた。
「うン。さっきの話なんだけど、光里ちゃんって何かあるの?」
『何より、光里ちゃんはこれが最後だったし……』という話だ。
七星は四葉からそう言われた時、何かを飲み込んだような顔になった。
「実はね、光里ちゃん今月で―――――」
四葉は、七星の言葉に全てを分かったような顔になった。
31
:
寿
:2012/09/29(土) 10:55:26 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅸ
32
:
寿
:2012/09/29(土) 11:17:18 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
午後8時。普通の高校生なら、とっくに家で夕御飯を済ませている時間。新道高校では、刑事数名と、七星等、そして、光里が体育館のステージ前にいた。四葉を前にして。
「どういう事だい、MIS(みす)霧谷。僕たちをこんなところに集めて〜」
そう言ったのは、あのオチャラケ刑事、近藤大助(こんどう だいすけ)と名乗る刑事だった。
「私分かったんですよ〜。この『事故』の原因。って、言うか真相!」
『事故』と言い張るその意味は何なのか。皆は四葉を見つめる。
「まぁ、これってただ単に錆びた鎖が照明の重さに耐え切れなくて落下したっていう、不運な事故なんですよ!」
四葉がものすごいオチャラケな喋り方をするので、皆はいろんな意味で呆気にとられる。
「…事故、ねぇ。だったら何だっていうの?そんなので、怪我人の私を呼び出したわけ?!意味分かんない!私は帰るわよ!!」
「ワザとなんだよね…」
絹衣の肩を借りて立っていた光里が不貞腐れながら後ろに振り返った時、四葉はそう言い捨てた。
「光里ちゃん…わざと照明で怪我したんだよね…」
光里はステージに座る四葉を驚いた目で直視した。
「……今から話すことは、私の勝手な妄想だから信じても信じなくても……良いよ?」
33
:
寿
:2012/09/29(土) 11:18:11 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅹ
34
:
寿
:2012/09/29(土) 17:00:42 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「……さっき、聞いたんだけど、光里ちゃんと七星ちゃんって昔から仲良かったんだね。小中高と同じクラスで、家も近所!昔はよくパジャマパティーしてたんでしょ?」
さっきの真面目さは、一気に裏返り、いつものヒョウキな四葉へと戻った。
「…だから何よ……」
「光里ちゃんにとって、七星ちゃんは、たった一人の良き理解者だった…だよね?」
ニコッと笑う四葉の顔を見て、光里は言葉を飲み込む。
ここまで笑顔で光里を押すことはそうそう出来ない。
「ソンれが動機!」
ビスッと人差し指で光里を指した四葉は、トンッとステージの下に降りる。
「光里ちゃんにとって七星ちゃんは、妹てきな存在。そんな存在であるからこそ、自分が『転校』することになった時、気が弱く、自分で物が言えない七星ちゃんを一人にするわけにはいかなかった…」
『転校』という言葉に四葉以外の者は全員、口を少し開く。
「転校って…、光里、そんな話…」
「光里ちゃんは、今月で転校する予定だったのだよ、璃央ちゃん!だから次の劇が最後の劇…。七星ちゃん本人、主役が光里ちゃんである事に、何の不満もなかった。でも、光里ちゃんは違かッたんだよな〜…」
四葉と光里の顔を見比べる皆。
「…ちょっと、タンマ。私は自分で役になりたいって言ったのよ。それに、一体どう言う意図で死ぬギリギリを体験しなきゃいけないのよ…」
「元々、証明が落ちてくるとは、思わなかったんじゃない?ただ単に少しグラついてくれれば良かった。そうすれば『こんな怖いステージで、劇なんてできない!』とでも言っておけば役から降りれたもん」
皆は首をかしげる様な気持ちになった。役を降りる?どういう意味なのだ?
「…役から降りる?どう言う意味ですか?」
皆が一番聞きたかった事を聞いたのは、七星。
「……七星ちゃんを、1歩だけ、前に進ませるためだよ…」
その言葉に光里はピクリと肩を震わせた。
「光里ちゃん…一体どう言う……」
七星は、戸惑いながら光里に近付き、ソッと肩に手を置く。
「………あとは、直接聞いたほうが良いと思うよ?」
体育館に四葉の優しい声が響いた。
35
:
寿
:2012/09/29(土) 17:02:39 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× XⅠ
36
:
寿
:2012/09/29(土) 17:17:42 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
今月中に隣町に引っ越す予定の光里。それを七星にしか打ち明けることができなかった。
だが、自分がここで役から降りれば七星は確実に今後の役には入ろうとしない。
それが光里には嫌で嫌で仕方なかった。だから何よりここで自分が七星の背中を押して、今後の役に自分から挑めるようにしてほしかった。と言う。
それを聞いた七星は泣きじゃくり、それにつられ光里も大粒の涙を長時間流した。
その光景は体育館のステージの様な光景を思わせないようなものだった。
37
:
寿
:2012/09/29(土) 17:18:53 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× ⅩⅡ
38
:
寿
:2012/09/29(土) 17:36:52 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
あれから1ヶ月が経ち、光里は隣町の高校に転校し、劇の役は七星となった。
そしてあの出来事から七星は自分で物を言えるようになり、自分がなりたい役には積極的に取り組む様になった。
「それにしても、すごいね四葉。何で、光里の真意分かったの?」
「…ん、あぁ、あれ。ちょっとおかしいなって思ったんだ…」
ある日の休み時間、体育館で劇の練習をする七星を見ながら璃央は四葉に聞いた。そして「へん…?」と小さく聞き返す。
「うん。だって、ワザワザ機械音痴の七星ちゃんに照明を消してとは頼まないかなって思って、そんなの自分で行けば良いだけじゃん。少なくとも、あんな簡単に付けたり消したりできる照明もまともに扱えない、七星ちゃんに任せはしないと思ったんだ…」
なんともシックリくる説明に璃央は「ほぉ〜…」と簡単に返した。
四葉は一人、ステージの上で笑いながら演技を続ける七星に口パクで「ガンバレ」と声援を送ったのだった。
39
:
寿
:2012/09/29(土) 17:38:02 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第2話×
×KY少女はよくある展開で、空気が読めない×
40
:
ピーチ
:2012/09/29(土) 17:47:37 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
寿さん>>
四葉ちゃん…何か大胆だネww
光里ちゃんは案外良い子だった!
41
:
寿
:2012/09/29(土) 21:00:59 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
コレこそ、ゴッタ返しです(テヘペロッ!
最後まで、被害者の真意も加害者の真意も分かんないのが面白いんですよね〜
すぁ〜て、次の話はどんなごった返しにしようかにゃ〜(=×▽×=)
42
:
寿
:2012/09/29(土) 21:16:50 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
3連休を一日後に控えた金曜日。四葉は一人、新道高校の2階を歩き回っていた。片手に、3枚の券の様な物を握って。
「…あッ、アオバくーん!」
四葉は2階の、曲がり角を曲がった時、数人の女子に囲まれた青葉が目に見えた。昼飯時なので、昼食のお誘いにでも来た者達だろう。
「………悪い、俺アイツと昼飯食う約束してるから…」
四葉に気付いた青葉は囲んでいた女子たちを避けて、四葉の方に歩いて行った。
それを不服に思ったのであろう、女子たちは、四葉を見て愚弄の言葉を吐き散らした。だがそんな物KYの四葉には、全く理解できないものだ。
「……そんじゃ行くか、霧谷…」
「…なんか、彼氏と彼女みたいだね!」
その言葉はこの学校で最も言ってはいけないフレーズだった。いや、言う場所が悪かった。
後ろにものすごいオーラを放っている女子たちを無視して、四葉と青葉は屋上へと向かった。
43
:
寿
:2012/09/29(土) 21:17:28 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第2話× Ⅱ
44
:
ピーチ
:2012/09/29(土) 22:06:47 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
寿さん>>
四葉ちゃーん!?
少しは空気読めるようになろうよー!?
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