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「付き合ってあげますよ、あなたの茶番劇に」
1
:
セッション
:2012/03/31(土) 11:03:24 HOST:wb005proxy01.ezweb.ne.jp
セッションです。
今回は、恋愛ものに挑戦してみようと参上しました。
コメントとかアドバイスがあるとやる気出ます。
こうなったらいいなぁとかの希望とかあると、参考にして作品に反映しちゃうかもです。
できれば私はチキンなので、手厳しい批判とかは控えめにしていただけたらなぁとか思ってます。
タイトルは台詞です。
誰の台詞かは自ずと分かると思います。
―登場人物―
榛葉 桜(はしば さくら)
16才(高2)
大人しく、よく流される。自分に自信がなく、卑下しがち。恋愛に関しては奥手かもしれない。
柏原 陽菜(かしわら ひな)
16才(高2)
明るくポジティブ思考。桜の友達。桜のことを「さくちゃん」と呼んでいる。桜を振り回す原因の一人。
藤堂 雅也(とうどう まさや)
16才(高2)
桜の幼なじみ。よく桜と陽菜と三人でいる。しっかりしていて、陽菜の保護者のような存在。
芦田 冬真(あしだ とうま)
15才(高1)
三人の後輩。甘え上手。しかし人によってはダークな面も見せる。
2
:
セッション
:2012/03/31(土) 11:08:42 HOST:wb005proxy04.ezweb.ne.jp
「今、自分がなにしてるか分かってます?」
その問いかけに私は息を飲む。
どうしてこんなことになったのか分からなくて、なぜ彼が怒っているのかも分からなくて、私は黙って唇を噛んだ。
屋上に来たとき、彼は嬉しそうに微笑んで私を迎えてくれたはずなのに。
私が用件を話した瞬間から、笑顔が消えた。そして今に至る。
「友達の代理告白なんて引き受けて、先輩は自分が今やったことの最低さに気づいてます?」
「……え?」
私の反応に、彼は眉間にシワを寄せて頭を抱えた。そして大きなため息を吐く。
「本気で気づいてなかったんですね」
どういうこと……?
なんで、彼はこんなにも私を怒ってるのか分からない。
3
:
セッション
:2012/03/31(土) 11:34:08 HOST:wb005proxy01.ezweb.ne.jp
「では聞きますけど」
怒りの色を覗かせるその黒い瞳で、彼は私を睨む。
「先輩は悲劇のヒロインを浸りたいんですか?」
……え?
「それとも、「あわよくば」と思ってるんですか?」
鋭い彼の視線が私を貫く。
まるで見透かされたような感覚がした。
「どっちにしろ、先輩が僕に代理告白をした時点で、友達も幼なじみも裏切ってるんですよ」
「……!」
ここでようやく私は、彼が言いたいことの意味を理解した。
4
:
セッション
:2012/03/31(土) 13:41:23 HOST:wb005proxy02.ezweb.ne.jp
「そ、そんなつもりじゃ……」
「どんなに先輩が自分の行動を正当化しようとも、そこに「想い」があるかぎり、最低な行為なんですよ」
私が反論しようとする言葉を遮るように彼がさらに追い詰める。
「自分で告白する勇気がないくせに、良い人ぶって。傷つくのは先輩じゃなく、二人ですよ」
「……っ!」
パシンと乾いた音が響く。
気がつくと、左頬に手を当てている彼の姿があった。自分が彼を叩いたのだと自覚した途端、右手がジンジンと痛み始める。
「暴力に走るということは図星ですか」
それでも彼は引かない。まるで私を責めるように真っ直ぐに見つめた。
そしてそのまま私の横を通りすぎ、屋上の扉を開けてから振り向かずに一言呟いて去っていった。
「でも、一番の馬鹿は僕ですけどね……」
その言葉の意味を、この時の私には分からなかった。
5
:
セッション
:2012/03/31(土) 19:32:29 HOST:wb005proxy03.ezweb.ne.jp
彼はきっと私の想いを知っている。そして誰が誰を想っているかも知っているんだ。
でなければ、あんな言い方ができるわけない。
――でも、なぜ知ってるんだろう……。
「さくちゃん!どうだった?」
教室に戻ってきた私に、友達の陽菜が期待を膨らませた瞳で駆け寄ってきた。その横には幼なじみの雅也がいる。雅也がどこか複雑そうな顔をしていたのを私は気づいていた。
「うん、ちゃんと伝えたよ。でも返事は貰えなかった」
返事をもらうどころかお叱りを受けたことなんか絶対言えない。
「そっかぁ。でもまだチャンスはあるわけだよね!断られてないもん!」
いいなぁ、陽菜のこのプラス思考。羨ましい。
「ま、頑張れよ。柏原」
「うん、ありがとう雅也くん!」
雅也の言葉に嬉しそうにする陽菜。彼女は雅也の気持ちを知らない。雅也がどんなに陽菜を想っているのか、私は嫌というほど知っている。
6
:
セッション
:2012/04/01(日) 12:57:32 HOST:wb005proxy08.ezweb.ne.jp
私は幼なじみの雅也に想いを寄せている。けれど告白するつもりはない。だって結果が目に見えてるから。
『先輩は悲劇のヒロインを浸りたいんですか?』
屋上で問われた言葉が脳裏を過る。
『それとも、「あわよくば」と思ってるんですか?』
違う。そんなつもりじゃなかった。
でも、彼が私に突きつけたのは本当のことで。それを私は認めたくなかった。
面と向かって私にそんなことを言った人は初めてだ。
一年の芦田冬真。陽菜の想い人。陽菜は彼があんな人間だということを知っているんだろうか。私個人的にはオススメできないのだけど。
「さくちゃん?」
「桜?」
「え?あ、なんでもない!」
考え事をしていた私を心配そうに顔を覗かせる陽菜と、同じく心配そうにしている雅也に慌てて答えた。
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