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Loveletter
53
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/18(土) 15:35:57 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 如月梨花の暴走(鏡○レンの暴走的なノリで)
「ねえ、あたしのこと好き?」
梨花が俊太に問い掛けた
ああ、これが落とし穴なのに
俊太は、
「うん、」
はまっちゃったね
「やったあ、おねえちゃん……残念だねえッ!」
「ちがう……!俊太は恋愛感情で好きなんて言ってないじゃないっ……」
無駄な、抵抗なのに
「あれ?おねえちゃんはあたしに友達としての好きなんてないってこと知ってるでしょ?」
知ってる、けど
けどさ!目の前で彼氏とられるってのはつらいよ
「今まで奪ってきた男はいっぱいいるけど、俊太サンくらいかっこいいのは見たことないなあ」
俊太に聞こえないように、こそりとあたしの耳元で囁いた
梨花が本気だということに気づき、同時に手遅れだとも感じた
「………俊太サン、愛してる」
-
タイトルふざけてすみませww
鏡○レンの暴走的なやつ!
54
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/18(土) 19:37:38 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 「 愛してる 」
「―――――――……………もし、」
暫くの沈黙のあと、やっと俊太が口を開いた
そしてその声に俯いていたあたしがパット顔をあげ、梨花は反抗的な目線であたしを見つめる
「………もし、梨花ちゃんに友達としての好きって感情が無くてもさ、」
無表情のまま話し続けていた俊太の表情がふっと緩み口角が釣り上がった
「俺にとっては友達としての好きって意味だったから、ごめんね」
なんで?
何で俊太は、
いつも明るくて
いつも優しくて
いつもかっこよくて
いつも、あたしを思ってくれるの?
「………でも、もう付き合うことになったんだもんッ!」
少し焦り始め動揺を隠せない梨花に正直驚いた
だって、梨花に口で勝つ人がいるなんて思わなかったもん
「………じゃあ、別れよ?」
もう半分楽しんでいる俊太にあたしは苦笑を浮かべるしか出来なかった
だって、いつも遊んでる側の梨花が遊ばれちゃうなんて、
「や、やだ!別れないも、………ん、」
「ばいばい、」
しつこく粘る梨花に流石の俊太も飽きを感じたのか、ドンッと梨花を突き飛ばした
そんなことする俊太もどうかと思うけど、あたしもおかしい
だって、妹がこんな酷いことされても全然嫌な気持ちにならないんだもん
「う、そ……………待ってよ俊太サン、」
ねえ、梨花
梨花にとって友達としての好きがないように
俊太にとって梨花から言われる待ってなんて何も聞こえないことと等しいくらいどうでもいいのかもね
×
「……ねえ、梨花のことなんだけどさ」
折角二人で抜け出してきたところに梨花の話しを出すのはどうかと思い少し小声で話した
「あのまま俊太の家にいたらどうしよう?」
「んー、追い払う?なんて、」
笑顔で毒を吐く俊太も嫌いじゃなかった
寧ろ毒舌なところもかっこよくて好きだったりして、
「ごめんね、迷惑かけちゃって」
「いや、百花のことじゃないし」
公園のベンチに座り、二人で寄り添いあった……けど、
「迷惑なのは否定しないんだ、」
「うん、だって梨花ちゃんみたいな子散々見てきたから飽きちゃったし流石にしつこかったんだもん」
俊太の言葉に、少し確認したいことがあったことを思い出した
「あたしと付き合う前にもたくさん付き合ってたでしょ、」
「………まあ、それなりに」
う、
ちょっとがっかりする
けど、それでも俊太が好きだと思っていたい
次の質問の答えによっては、心変わりするかもしれないけど
「あたしも遊びで付き合ってたりする?飽きたら捨てたりとか、」
俊太が好きすぎるのはあたしだけで、いずれはあたしも裏切られるの?
「もしかして、もう嫌いになってたりして
別れるとか、いって、…………や、だよ……ッ!」
自分で言ってるだけなのに
涙が溢れてきた
それを、俊太は黙って抱きしめて受け止めてくれた
「………俺さ、告白したとき言ったでしょ?
ずっと百花が好きだったって」
そういえば、と思い出す
嬉しくて懐かしい思い出
「……どうせ百花も知らない俺から告白されたって断るだろうなって
だから半分諦めててさ、百花を忘れるために女遊びとかしてたわけだよ、」
緩く微笑む俊太の表情は、何処か寂しげだった
「でもね、あのとき百花が泣きながら俺にぶつかったとき、超嬉しかった」
うれしかったのはあたしもだよ
何もかもが、きらきらして見えた
「俊太俊太、」
くいっと俊太の服の袖をつまんだあと、俊太の耳元に顔を近づけた
「あのね、―――――――………」
「……うん、俺も」
「ていうか、あたしが言うの初めてかも」
何よりも愛を感じられる言葉
恋人同士が愛を確かめ合う一番の言葉
「 愛してる 」
-
ねたばれと大きくかけ離れたw
対して暴走してもない梨花だけどこれからがこわいかも!
かもだけど!
55
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/18(土) 23:44:31 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 行方不明
「ただいまー」
俊太に別れを告げ梨花が帰ってきているかと少し心配しつつも玄関から様子を伺ってみた
「百花っ?梨花知らない?!」
お母さんの今までにないくらいあわてている表情
帰ってきていないのかと溜め息を吐くと思い当たる場所を探してみようと考えお母さんに一言告げた
「探してくる、お母さんは家で待ってて!」
あんな妹でも
一応大切だから、
×
「俊太っ………」
まあ、思い当たる場所なんてここらへんしかなく
とりあえず俊太の家に行った
「梨花ってもう帰っちゃった?!」
「え、ああ……俺が帰ってきたときはいなかった、よ?」
そっか、と頷くと、俊太の協力も得て暫く探し回った
そのとき、
家よりかなり離れた公園に、梨花らしき人影を見つけた
「梨花、………」
「おねえちゃんならぜったいくると思ったあッ……」
自分を抑えきれてない梨花の表情は、怪しげな笑みに満ちていた
「り、か?」
「……ふふッ、なんできたの?おねえちゃんは、」
また、何か企んでる
けど素直に答えてみた
「何でって……お母さんも心配してたし、あたしも心配だったし」
「へえ、でもおねえちゃんこうなるってわかってたでしょ?」
う、図星
俊太とあたしがくっついたらこうなるだろうって理解してた
「死ねばいい、おねえちゃんなんか………」
ぼそりと梨花がつぶやいた
「いっつも他の女子から好きな人とってたけどさ
その目的は男じゃなくて女子への復讐、なんだよね」
はじめてきいた
梨花の学校のこと
「彼氏とかとられた女子、みんな死ねとかいってきたけど……
今ならその気持ちわかるなあ……あたしおねえちゃんに死んでほしい」
こわい、
あたし死ぬの?
死にたくないよ、俊太
「………他の女子は実際には殺せないんだけどねー」
くすりと不敵に微笑む梨花
もう、嫌な予感しかしなかった
「あたしもね、できればおねえちゃんのこと殺したくないんだけど……他の女子といっしょってのもいやなの、だから」
「殺しちゃうね、おねえちゃんッ」
可愛い笑顔
男の人をみんな虜にしちゃうような
羨ましいと思ってた笑顔
でも今はこんなのほしくない
羨ましくない、いらない
こんな、歪みきった醜い笑顔なんて
-
56
:
燐
:2012/02/19(日) 15:35:41 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
ねここ>>もっと更新してくれー!!!!
m(__)m
57
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/19(日) 22:02:19 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
>燐
明日また更新するよ(`・ω・´)!
58
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/20(月) 18:02:34 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
▼ぼーそぼそどーが (ニコ○コ動画的なノリで)
え、なんか超気になるところで更新ストップしちゃってますが
とりあえずぼそりとつぶやいてみたいと思った
最近ねー
オリなり板の方に復活しようとしてるんだけど
やりたい性格とかのキャラが多すぎてたいへんだー
で、自分の掲示板かしあんいろの方でそのキャラのストーリーとかプロフを更新したいと思った
いやプロフはさすがにここには書かないけどry
なんでここにかいたのかというと
ひまでひまでしょうがないから
じゃあなぜ更新しないのかというと
文章を考えるスイッチが入ってないからと
あと、今使ってるのがいつも更新してる方のパソコンじゃなくてお兄ちゃんとかが使う方だから
更新の途中でパソコンかしてって言われるとアレなので!
てことでばいにー!
59
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/20(月) 20:33:19 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / のーたいとる (言葉ではあらわせないかも) ※グロ(流血)とか注意!俊太くんが好みの子はちょっとがっかりするかも!(主にねここ)
「り、か………?」
梨花が手に持っていたカッターナイフを見て、びくんと肩を揺らしながらも後ずさった
「なんでカッターなんてもって、」
「本当はね、男に好かれない……しかも本命かもって思った俊太サンに振られちゃったから、自殺しようと思ったの」
にこりと可愛らしく微笑む梨花はもう、あたしには抑えきれないほどの怒りと屈辱で満ちていた
「ごめんね、おねえちゃん」
嗚呼、あたしと俊太が別れていれば――――――…………
「さよならッ!」
振りおろされたカッターナイフがきらりと光った
満足気な梨花の笑みと共に、あたしに襲いかかってくる
さようなら
もう、死んだと信じたかった
これでもう終わりなんだと
そんなの、やだ
あたしは何のために死のうとしてるの?
まだ、やり残してることがあるじゃない
俊太ともっと過ごしたいし、海斗先輩と仲直りもしたいよ
優衣ちゃんと妃芽と芽衣ともっと話したい
人生の半分も生きてないもん
「死にたくないッ………!」
死んだはずのあたしが
声を出していることに吃驚した
よくよく見てみると、どこもきられていない
それにあたしを庇うように
俊太がいた
「大丈夫、百花は死なないよ」
死なないって
大丈夫って
笑ってるくせに
あたしは大丈夫なのに
なんで俊太がきられなきゃいけないの?
「俊太、腕………っ」
咄嗟に梨花の手を掴む余裕がなかったのか
あたしが刺されればいいのに、自分の腕を出して庇ってくれた
公園の砂の上には、じんわりと血がこぼれ落ちる
ぽたりぽたりと、そしてそれに
梨花の涙も混じっているようだった
「おねえちゃんはずるいよ………」
あたしが、ずるい?
「あたし……おねえちゃんが羨ましかった
男の子にモテたって、なんも嬉しくなかった………」
なんで、そんなこと
「おねえちゃんみたいに一途に愛されてたかった……」
梨花のこと
かわいそうに思えた
「あたしもね、梨花のこと羨ましいなって思ってたよ」
ふわりと微笑んで
梨花の目の前にいった
カッターナイフはもう掴む力すらないのか地面に落ちている
「―――――…………っ、」
そしてその瞬間
うしろろでばたりと
嫌な予感がした
「しゅん、た………?」
-
りかめええええぇぇぇ(((
いや、俊太をきった梨花が許せなry
でもね!
梨花はすきなんだよ!
60
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/21(火) 17:22:15 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / のーたいとる ※ちょっとだけ残念なシーンがあります、主に最初の方
「………しゅん、た?ねえ、俊太……………」
腕から血を流しながら俊太の血と梨花の涙が染みた砂の上にどさりと
静かに、そして整った顔立ちを無防備に曝け出し
倒れた
「しゅんたぁああぁあぁぁぁあぁああああぁあッ!!!!!」
×
「………おねえちゃん、だいじょうぶ?」
あたしは眠っていたのだろうか
意識が戻り、ぱちりと目を開けると其処には心配そうな、そして反省したような表情の梨花がいた
此処は何処だろうと、きょとんとして起き上がる
白い壁、白いカーテン、白い時計、白いベット
そして、真っ白なお布団に包まるあたし
決して心地の良いものではなく、寧ろ初めてで落ち着かない雰囲気だった
ちくたくと、静かに時計の秒針が鳴り響く
そしてやっと、梨花が話し始めた
「ごめん、ごめんね………ッ!」
ただただ謝り泣き始める梨花に、どう反応していいか戸惑う
「ど、どうしたの梨花……泣かないで?」
なにも、おぼえてないもの
ただ一つ、何か心に引っ掛かるものがあった
もう少しで外れそうな何か、
「………だってあたしのせいで俊太サンがッ……!」
しゅん、た……さん?
わからない
どうしよう
だれ?
「ねえ、梨花………」
「なあに?おねえちゃん、」
「しゅんたさん、って……だあれ?」
-
うああああああ
記憶喪失ですね!
記憶喪失にさせるか
そのままふつうにするか悩んだんですけど……
記憶喪失だとそのあとの話が膨らみやすいので!
大きいショックがあるとその出来事に関係してるっていうか、その大切な人のことをわすれちゃうっていうタイプの記憶喪失
………って、あったっけ?←
とーにーかーく!
一つ言おう、俊太は無事だ(キリッ)
61
:
燐
:2012/02/22(水) 16:27:54 HOST:zaq77195e19.zaq.ne.jp
記憶喪失か〜w
大丈夫なんか?
てか、梨花さんチャーンスw
62
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/23(木) 16:57:19 HOST:w0109-49-133-141-56.uqwimax.jp
>燐
ね!梨花チャンスだね!←
これからどうなるのかは考えてなi((
63
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/25(土) 16:47:23 HOST:w0109-49-133-133-30.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / のーたいとる
「………っ、おねえちゃん正気?!」
驚いた様子の梨花に、あたしは何もすることができなかった。
だってしゅんたさんなんて知らないし、何であたしが此処にいるのかさえ知らないから。
「………あのねっ、俊太サンは―――――――」
「梨花さん」
梨花がしゅんたさんの話しをしようとしたとき、看護師さんが来てこそりと梨花に告げた
そして、しゅんたさんの話しをすることなくお大事にと立ち去っていってしまった。
× ここから梨花side
「………俊太サンッ!」
吃驚した、おねえちゃんが記憶喪失で俊太サンのことだけわすれちゃったなんて
看護師さんには、おねえちゃんに俊太サンのことを話すのはもっと落ち着いてからにしてくださいって止められたけど……
俊太サンには言った方がいいよね!
「あのね、おねえちゃん記憶喪失で……俊太サンのことだけわすれちゃったみたい」
「は?」
しんみりとした雰囲気のなか、あたしたちの声だけが響いた
「………もも、か?」
「俊太サンが自分を守って倒れちゃったんだってショックで、あのあとおねえちゃんも意識なくしちゃったの……」
あたしのせいだ
あたしがおねえちゃんを襲わなければあんなことにはならなかった
「ごめん、なさっ……」
「大丈夫だから……いつか思い出してくれればそれでいい」
俊太サンがうそついてるとき、静かに目を閉じる
冷静になろうとしてるときも……あたしだって、俊太サンを見てきたからわかるもん
「ライバルが記憶喪失のときに、なんて卑怯だとは思うけど……あたしだって一応好きだから、恋は戦争と同じようなもんだしね」
「は?梨花………?」
さらりと、横で一つに結んでいた髪の毛を解く
そしてそっと、俊太さんの唇にあたしの唇を重ねた
「………すき、」
-
しゅんたさんかっこいーきゃー
64
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/28(火) 09:08:46 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 迷い 梨花side
「………り、か……ッ」
もう、子供扱いなんてさせない。梨花ちゃんなんて呼ばせない。
梨花でいいの、もっと意地悪してくれてもいいの。お姉ちゃんみたいに大事にしてよ。
「……ど、しよ………百花をずっと好きでいるって、大事にするって決めたのに………」
カタカタと小刻みに震える俊太サンをぎゅっと抱きしめた。
今、俊太サンを助けられる人はあたししかいないでしょ?
「………正直、すげえ迷ってる………っ、」
お姉ちゃんが大好きで、お姉ちゃん一筋でいつもお姉ちゃんの話をすると笑顔になって。
そんな俊太サンの口から迷ってるなんて言葉が出てくるとは思わなかった。
「………迷ってる、の?」
嘘なんじゃないか、騙されてるんじゃないか。
好きなのに、大好きなのに。疑ってみたくなる。
「………っ、」
こくりと、小さく頷いた俊太サンにあたしの中にも迷う気持ちが芽生えた。
お姉ちゃんは大好きだし、恋を応援したい気持ちもあった。でも、俊太サンも大好きで……あたしと付き合ってくれるんなら拒んだりしない。
あ、もうだめかも。
「俊太サン、あたしを利用してお姉ちゃんのこと忘れてもいいよ」
ちがう、お姉ちゃんを裏切ったわけじゃない。
あたしとお姉ちゃんで迷っちゃうような中途半端な気持ちでいてほしくないの。
そんなに中途半端な気持ちで、お姉ちゃんを愛してほしくない。
俊太サンも大好きだけど、今までずっと二人で生きてきたお姉ちゃんがあたしにとって俊太サン以上に大切で大好きだから。
「………で、も……っ」
未だに迷い続ける俊太サンに対して、遂に怒鳴ってしまった。
「あたしはいくら傷ついてもいいから、中途半端な愛でもいいからッ!
お姉ちゃんと中途半端な気持ちで付き合い続けるのはやめてよ………」
ずっと、俊太サンが欲しいと思ってた。
かっこよくて、優しくておもしろくて。
偽物の愛でもいいから、早くお姉ちゃんから離れてほしかった。
毎日楽しそうに俊太サンの話をするお姉ちゃんを見て、つまらないと思ってた。
嫌いだったのは、あのとき刺そうとしたのは、
お姉ちゃんじゃなくて、俊太サンだったの――――――――
お姉ちゃんを傷つけるつもりはなかった。
ただ、俊太サンを刺すにはお姉ちゃんの協力が必要だったの。
下手な芝居をしてでも、ずる賢く俊太サンの心を奪おうとしてでも。
お姉ちゃんに嫌われてもいいから、とにかく俊太サンをお姉ちゃんの中から消そうとした。
「お姉ちゃんの中からやっと俊太サンが消えたの………
俊太サン、これ以上お姉ちゃんを苦しめないで………っ、」
-
梨花ちゃんが好きすぎたあまり俊太が悪役っぽくなった。
でもきっと俊太ならうまくやってくれるy((
ちなみに何でこの時間帯の更新なのかというと!
熱で学校お休みしたからだよ☆ry
65
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/02(金) 17:50:46 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 決意 梨花side
「……………ごめん、梨花ちゃん」
俊太サンの震えが収まったと思えば、いつもの冷静な態度になり呼び方も梨花から梨花ちゃんに戻った
嬉しいような、寂しような………でもそんなことより、何に対して謝ったのかがわからずじっと俊太サンを見つめた
「俺、やっぱ百花じゃなきゃだめみたいなんだよね」
やっぱり、お姉ちゃんは俊太サンの心を奪っちゃうみたい。
悔しいとかじゃなく、お姉ちゃんがどうとかじゃなく………
「あたしはお姉ちゃんに対する俊太サンの気持ちが心配だよ」
本当の本当に、お姉ちゃんを愛してくれるの?
お姉ちゃんを泣かせない?
そんな不安が、ぐるぐると頭の中をまわっていく
「大丈夫、もう迷わないよ。泣かせないって断言はできないけど………泣かせたくないし」
ふわりと微笑む俊太サンに、大丈夫なんだと安心した。
そしてあたしも微笑み返し、早速お姉ちゃんの元に行こうとする。
「泣かせたくないとか言うんなら、まず記憶取り戻させなきゃ!
看護師さんには止められてるけど………いいよね?」
「いや、それはやめとくよ」
-
ぐだぐだなのはまあ……気にすんn((★ry
66
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/02(金) 18:35:00 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 涙 梨花ide
「………どう、して?」
なんで?どうして今すぐ会いに行かないの?
あたしだったらすぐ行くのに、お姉ちゃんが寂しがらないように……泣かせたくないって言ったばっかりなんだし。
「泣かせたくないっていうのは嘘だったの?」
本当は会いたくないとか。勝手に泣いてろとか。そんなこと思ってたりして………
呆然とした表情を浮かべ俊太サンを見つめると、俊太サンは真剣な顔であたしに告げた。
「看護師は百花がまだ不安定な状態だから俺のこと言うなって梨花ちゃんに言ったんだろ?」
そういえば、そんな気もする………
「で、でも!会うくらいなら…………ね?」
「なあ、梨花ちゃん」
あたしの声に重なって、俊太サンの声が聞こえた。
そして、突然俯いて小さな声で呟くように言う。
「大切な人に忘れられるっていうの、本当はすげえキツいんだよね」
-
(´・ω・`)
しゅんたさんしょぼん。
67
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/03(土) 14:56:48 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 強引 梨花side
「………俊太先輩ッ!」
突然病室のドアが開き数人の女の子が入ってきた。
タイミング悪いとむっと表情を歪めつつも、その人たちを見つめる。
「………妃芽と芽衣、それに優衣ちゃんも………?ってことは、」
優衣さんはよくわからないとして。
妃芽先輩と芽衣先輩はあたしも知ってるし、さっぱりした性格で優しくて大好き。
「妃芽先輩、芽衣先輩……お姉ちゃんは、その………」
言いづらかった、自分のことでもないのに。
俊太サンのことなのにあたしがこんなこと報告するのもあれだし、気まずかった。
「…………さっき百花のところ行ったよ。俊太先輩のこと……聞いた」
珍しく芽衣先輩がシリアスな感じで俯いた。
俊太サンも、表情を曇らせる。
「ねえ、俊太先輩……百花に会いに行こうよ!」
……え、
吃驚した。
さっきあたしが拒否されたこと、軽々しくまた。
でも、俊太サンがお姉ちゃんに会った方がいいのは事実だ。
「……いい、今は会いたくない」
なん、で
会いたくないとか、泣かせたくないとか
意味わかんないよぉ………
「しゅんたさんなんなの……おねえちゃんだってあいたくないっていわれたらかなしいとおもうよ………」
思わず、泣き出してしまった。
俊太サンからのお姉ちゃんへの思いの軽さがかなしくて。
そんなあたしを慰めるように芽衣先輩があたしの頭を撫でると、妃芽先輩が俊太先輩に聞いた。
「それが、本心ですか?」
きつい態度と口調に少し驚く。
「んなわけないじゃん、」
-
うああああああああああ((
文考えるの好きだけど打つのめんどい(((ry
68
:
裕子
:2012/03/03(土) 16:15:07 HOST:pb6a99bf2.aicint01.ap.so-net.ne.jp
ありゃ(汗)私が書いてる小説と名前一緒だ(俊太)
パクって何かありません!(あたりめーだ!)
69
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/04(日) 12:29:49 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
>裕子さん
え、何か運命的なものを感じましt((ry
ねここもこの掲示板で書いているときにキャラの名前被るってことたまにあるので気にしなくて大丈夫ですよw
70
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/06(火) 17:53:29 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 哀 梨花side
「本当はすっげえ会いたいけど……でも………
百花がお前らに対して笑ってるのに、俺には何も知らない顔して誰?って言われるのが怖いんだよ………っ、」
わたしだって、誰?って言われたらそりゃまあ傷つくかも。
言われて初めて気づいた俊太サンの気持ちの悲しさと同時に、あたしは何て無謀で残酷なことを言っていたんだろうと罪悪感を覚えた。
だけど、会いたいなら会えばいいじゃない?
「………辛いけど、苦しいかもしれないけど………会おうよ!俊太サン!」
明るい雰囲気じゃないのに無理に微笑んだのは、少しでも寂しい思いをしないためだと思う。
俊太サンと、………あたし、が。罪悪感で埋もれないように。
「だって、お姉ちゃんが記憶を取り戻すためには実際に会うしかないじゃん!」
「そうだけど!実際に会って記憶を失ってる百花の顔見たら余計辛いよ、」
ああもう、うじうじうじうじ。
いい加減にしてよね、と思っていると、妃芽先輩がぐいっと俊太サンの腕をつかんだ。
「いーから!梨花ちゃんが勇気出して会おうって言ってくれたんだからそのチャンスを無駄にしないのー!」
かわいくて、何でもできちゃう先輩たち。
あたしも妃芽先輩は好き。
「……がんばろ、俊太先輩?」
妃芽先輩がにこりと微笑んだ。
小さく頷く俊太サンに、内心喜びながらついていく。
×
「おねーちゃーんっ!」
「百花あ!」
「百花、久し振りー!」
あたしと妃芽先輩と芽衣先輩がお姉ちゃんに挨拶し、後ろにいた俊太サンは不安そうな表情を浮かべている。
そんなあたしたちを見て、お姉ちゃんは俊太サンが一番寂しがっていることを言ってしまった。
「久し振りー……ところで、その人は?」
「……本当にわかんないの?」
妃芽先輩に尋ねられても、うーんと首を捻っている。
「なんか、なんとなくだけどね……すごい大好きだったような気がした」
「百花のばか、一番大好きな人のこと忘れちゃうんだから……」
妃芽先輩、泣いてる?
顔を伏せてお姉ちゃんに近づいた妃芽先輩に不自然さを覚えた。
「………妃芽?どうして、」
「俊太先輩のことわすれたくせに、何で百花ばっかりみんなの心奪ってくの……?ずるいよっ、」
あ、あたしも思ったことあるー
妃芽先輩とはなんだか語れそうだったので、ここは一旦芽衣先輩とお姉ちゃんと俊太サンで乗り切ってもらうことにした。
「妃芽先輩、あたしでよければ話聞きますよ?」
-
71
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/06(火) 18:11:25 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / お姫様のような、 梨花side
「……どうしたんですか?」
病院の空いている別室に入り、妃芽先輩に話を聞いた。
恋愛関係の問題だということはわかっていたけれど、お姉ちゃんが何かしたのだろうか。
「百花は悪くないの……ただ、妃芽が勝手に海斗先輩のこと好きになっちゃってっ、」
恥ずかしそうに頬を赤らめながら、瞳から零れる涙を袖で拭く妃芽先輩が可愛らしいと心から感じた。
確かお姉ちゃんは妃芽先輩に海斗先輩のこと相談してたんだっけな、と思い浮かべはあと溜め息を吐く。
「相談されたのに……わたしは相談に乗ってあげなきゃいけないのにっ……ひどいよね、こんなの」
「そんなことないです!相談に乗ってあげて、友達の好きな人とか見てると自分もついついその人のこと気になっちゃいますよね」
あたしにそういう経験があるわけじゃないけど、お姉ちゃんが俊太サンのこと好きっていうから少し気にしてみたことはあったもん。
ていうか!お姉ちゃん中村先生とか海斗先輩とか俊太サンとか、手出しすぎでしょ!まあ、天然だから仕方ないとかいえちょっとねー。
「………でもね、わたし百花を助けるために海斗先輩に怒鳴っちゃったの……だから、それから全然話せなくてっ、」
「……お、お姉ちゃん人騒がせな人ですよね、すみません。でもそれは……どうしよう。妃芽先輩、海斗先輩のメアド知ってますか?」
計画を練り始めようと考えるあたしの問いに、ふるふると情けなさそうに首を横に振る妃芽先輩に自分の恋は不器用なんだと思い苦笑した。
まずはそこから始める必要があるか……と小さく呟くと、此処が病院だということも忘れて妃芽先輩の腕を引っ張ろうとする。
「よし!海斗先輩のメアドを聞きにいこう!」
病院の部屋を出ようと思った、そのときだった。
突然部屋の電気が消えて真っ暗になり、扉がさようならとでも言うように閉じた。
停電?ちがう、よね………
「ど、どあ………開かない?」
スライド式のドアだったから、何度がぐいっとドアを横に引いたけれどびくともしない。
ただ耳を添えると外はいつも通りしんとしていて、隣の病室からは楽しそうな笑い声が聞こえた。ということは……
「この部屋、あんまり使われてないから……看護師さんが誰かいるとも知らずに電気消して外側から鍵かけちゃったのかも、」
妃芽先輩の呟きに、はあと溜め息を吐いた。
あまり使われてないなんて、もう助かるはずないじゃん!
「携帯も電波悪くて全然繋がんない……ていうかここ病院だからもともと繋がんないんだっけか」
絶対絶命の危機が訪れました。
-
72
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/06(火) 21:33:50 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 絶体絶命 梨花side
「ど、どうしよう……このまま誰もこの部屋に来なくて、永遠に此処にいることになったら……」
そんな想像したことを口に出して怖がり涙を零す妃芽先輩に、段々あたしも怖くなってきた。
でも、芽衣先輩たちも心配して探しにきてくれるはずだとポジティブに考えじっとその場に座り込む。
「………真っ暗、夜の病院って怖いですよね」
もう遅くなってきたのがわかった。時計は見えないけど、最初来たときよりかなり暗くなってきている。
どうしよう、今日課題たくさんあったんだよねー。なんて呑気なことを考えてみるけど、やっぱり少し怖い。
「早く此処から出たい。ドア叩こうか!」
妃芽先輩が行動し始めるのを見てそれに続いてあたしも行動し始める。
ドンドンと無理矢理ドアを叩いて、何としてでも開けてもらおうと思った。
「誰か!閉じ込められちゃったんです!助けてくださいっ!」
「だーれかー!おーい!開けてくださーいっ!」
ねえ、誰か早く
あたしたちを見つけ出してよ
「もうやだあっ………こわいよっ、」
どうやら妃芽先輩は暗くて何も見えないこの状況が苦手なようで。
あたし以上に怖がっていた。あたしも、本当はすごく怖いけど。
妃芽先輩を、守ってあげなきゃいけないような気がしたの。
「大丈夫だよ……!もう少しで誰か来てくれるかもしれないから、がんばって!」
妃芽先輩をぎゅっと抱きしめると、妃芽先輩があたしの腕に顔を埋めながら泣き始めた。
今まで受け止めてくれる人がいなかったのか、とても安心して泣き出す先輩を見て少し嬉しくなる。
そんなときだった。
「妃芽っ?!」
ばんっと大きな音を立てて開いたドア。
そこには見知らぬ男の人がいたけれど、多分きっと海斗先輩だろう。
よかったじゃん、と思いながら妃芽先輩を海斗先輩の方にどんっと押す。
「………ううっ、」
やっぱり怖かったのか、妃芽先輩が更に泣き出してしまった。
それを海斗先輩に任せてあたしはカタカタと震えた足取りでお姉ちゃんの元へ走る。
「おねえちゃんっ………」
「ごめんねっ……こわかったよね?!」
人騒がせなのはお姉ちゃんだけじゃなくあたしもなのかもしれないと、ぽつんと心の中で思った
あとこれで、海斗先輩と妃芽先輩がうまくいってるといいんだけどなー。
×
次の日、休日だったのでお姉ちゃんのところに行ってお話してた。
あとから予想通り芽衣先輩と妃芽先輩も来て、妃芽先輩から今度はお姉ちゃんの病室の隅っこで事情聴取した。
「あ、あのあと……一緒に帰って、泣き止むまで抱きしめてくれてて……メアドもね、教えてくれたよっ!」
おお、不器用な妃芽先輩にしてはがんばった模様。
あたしだったらそのまま海斗先輩の家に行くくらいするけどねー。
「がんばって、妃芽先輩!先輩可愛いから絶対大丈夫だー!」
「可愛いとかよくわかんないし、わたしは梨花ちゃんと百花が可愛くて羨ましいけど……わたしなりにがんばってみるよ!」
え、いや。
こんな可愛い人に可愛いって言われても何だか哀れなんだけどな。
羨ましいとか、あたしの方が羨ましいですよ!
恋に不器用な子、かわいいなあ。
あたしは恋は結構鋭くて計算高いから………。
まあ、そのお陰でどんな男の子の心も奪っちゃうわけだけど?
海斗先輩だけは最初に思ったの。
絶対にあたしじゃ落とせないって。
だから妃芽先輩、がんばってね。
-
妃芽メインのお話になりそうです。
そのあいだに百花と俊太もなんとかなるよ!
海斗先輩を目立たせたかったー。
やっぱかっこいいね!
そして梨花ちゃんsideなので梨花ちゃんも目立つよ!
73
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/07(水) 17:48:06 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / お姫様の恋、 梨花side
「………あ、」
お姉ちゃんが俊太サンのことを忘れてしまってから、とりあえずあたしとお姉ちゃんだけで登下校してる。
学校の校庭でお姉ちゃんと話しながら歩いていると、妃芽先輩の姿を見つけ思わず声を漏らした。
だって、妃芽先輩ばっちり海斗先輩と登校してるんだもん。
「あ、妃芽だー!」
「えちょ、お姉ちゃんだめだって……っ、」
妃芽先輩を見つけて喜び出すお姉ちゃんをぐいっと引っ張った。
二人の邪魔するなんて許せないからね!
「……妃芽先輩と海斗先輩の邪魔はしちゃだめだよ!」
「え?……あたし、海斗先輩と喧嘩中っぽいし。あ、でもなあ……妃芽にお願いして仲直りしようかな」
考え始めるお姉ちゃんを見て、有り得ないと感じた。
男たらしなのはあたしの方かもしれないけど、お姉ちゃんでも流石に許せない。そして天然すぎるでしょ!
「だから、だめだって言ってるじゃない!」
思わず怒鳴ってしまった。
それに戸惑った様子のお姉ちゃんを、海斗先輩たちに見つかってしまった。
「何やってんの?百花になんかした?」
「………っちがいます!妃芽先輩は海斗先輩のことがっ……あ、」
ここで妃芽先輩のこと言ったらだめだ!
でもどうしよう、お姉ちゃんばっかだこれじゃ………
「いくら妹さんや妃芽でも、百花のこと泣かせたら許さないから」
なん、で!
わたしがこんなに悲しいんだろう、妃芽先輩が一番悲しいはずなのに、どうしよう……。
きょとんとするあたしたちを置いて背を向けて去っていく海斗先輩を引き止めることさえもできなかった。
「………ひ、妃芽先輩…………」
あたしの腕に顔を埋めてくる妃芽先輩をきゅっと抱きしめ、とりあえず教室へ向かおうとした。
きょとんとしながらついてこようとするお姉ちゃんにきつく言い放つ。
「ごめん、先行っててくんないかな……」
「え、梨花………?」
×
「もうっ、なんで海斗先輩……ていうかお姉ちゃんったら!」
「いいよね、百花は先輩に好かれてて……喧嘩してた筈なのに、泣かせてもないわたしたちが怒られちゃうなんて思わなかったあっ……」
泣き始める妃芽先輩にそう言われながらあたしも少しイラっと来ていた。
「お姉ちゃんね、妃芽先輩と海斗先輩が仲良いの見て妃芽先輩を使って海斗先輩と仲直りしようかなとか言い出したんだよ!」
「………え、」
許せないといった表情の妃芽先輩に、少し共感した。
あたしも今のお姉ちゃんはあんまり好きじゃない。
「お姉ちゃんも、ひとりの人を愛すってことはできないのかも……このままじゃ、海斗先輩にまでっ、」
「やだ、どうしよう………」
焦り出す妃芽先輩に、にやりと不敵に微笑んだ。
「これはもう、告白するしかないよ!妃芽先輩っ!」
-
百花悪役になってきちゃったw
や、妃芽と梨花のコンビが好きすぎてwww
74
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/07(水) 21:18:57 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 告白 梨花side
「えっ?こっ、告白?!」
突然焦り出して顔を真っ赤にする妃芽先輩にぷっと小さく吹き出し笑った。
そんなに驚くことだろうかと思いつつも、更に追い打ちをかける。
「お姉ちゃん、結構天然にどんどんアタックしてくからすぐ告白しなきゃ海斗先輩奪われちゃうかもなあ」
「そ、それはやだ!……でも告白なんてはずかしーよおぉ……」
真っ赤な顔を両手で隠している妃芽先輩にかわいーなーなんて思いながら微笑んだ。
「大丈夫!妃芽先輩なら絶対平気だよ!」
「……………本当?」
「うん!本当本当ー」
「ぜったいに、ふられない……かな」
ふられるのがいやなようで。
まあ適当な返事でどんっと背中を押した。
「ぜったいふられないって!だいじょーぶだいじょーぶ!」
×
「か、海斗先輩っ………!」
妃芽先輩と海斗先輩の様子を影からこそりと見守りつつ、お姉ちゃんが来ないように見張っていた。
妃芽先輩は大胆に屋上に海斗先輩を呼び出し、二人きりのところで告白するみたい。
「わ、わたしっ……海斗先輩のことがっ、」
「あのさ、妃芽」
告白しようとしている人の話しを遮るとは……やるな、海斗先輩。
でもどうしよう、計画が崩れちゃうよー!
「百花何処に行ったか知らね?」
「わ、わかんない……です」
此処で押し切んなきゃいけないのにー!
弱いなあ、妃芽先輩………。
「あ、あの!」
「あー……あのさ、百花に会ったらごめんなって言っといてくんね?」
「………はい……」
明らかに残念そうな表情をして瞳に涙を溜める妃芽先輩。
それをみて、海斗先輩が動き出した。
海斗先輩の長い腕に力強く引き寄せられる妃芽先輩。
瞳に溜まった涙がきらりと舞い、顔がぽふんと海斗先輩の胸にうずくまる。
「好きだよ、妃芽」
「え………?」
驚いた様子の妃芽先輩に、あたしまでもがすごく嬉しく感じた。
今までのは海斗先輩なりの照れ隠しだったのだろうか。
「妃芽がよければでいーけど、付き合ってくんね?」
恥ずかしそうな海斗先輩にきゅんときた。
あたしまでもが……まあ、好きになったわけではないけど。
「……はいっ!」
元気よく返事をして嬉しそうに微笑む妃芽先輩を改めてかわいいなと感じた。
「おめでとー妃芽先輩っ!海斗先輩もー」
そろそろ出てきたくて隠れていた物陰から出てくると、至極嬉しそうに妃芽先輩が微笑んだ。
よかったよかった!一件落着ーかな?
「………海斗先輩と……妃芽?」
-
あー、なんか百花ちゃん怪しげw
妃芽かわいいです、海斗かっこいいです。
梨花もなんかかわい!
いぇーいry((何
75
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/08(木) 17:27:44 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / お姫様と魔女、 梨花side
「海斗先輩、何してるんですか?」
可愛らしい声を作り上げ、あたしたちの目の前にやって来たのはお姉ちゃんだった。
明らかに怒ってるような、お姉ちゃん自身ではないけど本心で勝手に身体が動いちゃってるお姉ちゃんの本当の気持ちを素直に表しちゃうちょっとやばい感じ。
「お、お姉ちゃん!あの、さー……きょ、教室!教室で誰か探してたよ!お姉ちゃんのこと、」
「梨花、それうそでしょ?………ねえ、海斗先輩」
海斗先輩と妃芽先輩に近づかせないように前に態とらしく立ったあたしを、お姉ちゃんがぐいっと無理矢理寄けさせた。
今までにないくらい強い力にびくんと肩を揺らす。
そしてお姉ちゃんが海斗先輩の両手を掴んでぐいっと近づいた。海斗先輩も、力では勝てただろうけど突然のことで驚いている様子だ。
「あたしに、何か話しがあったんですよね?直接言ってくれなきゃいやです。許しません」
意地悪な笑みを浮かべ、海斗先輩が抵抗しない、いや……できないのをいいことに、顔を近づけてキスしようとしている。
それを見て本心なのか、海斗先輩への愛の力なのか。わからないけれど、お姉ちゃんより小柄な身体の妃芽先輩がお姉ちゃんをどんっと突き飛ばした。
「きゃっ?!」
海斗先輩が本能的に支えるのかと思ったけれど、焦っていたからと妃芽先輩への愛が強いからとかいろいろあって倒れ込むお姉ちゃんをスルーしてしまった。
珍しい、と驚きの表情を浮かべつつも、倒れたお姉ちゃんより上に目線になるように立ったまま妃芽先輩が言い放った。
「海斗先輩に手出さないでっ……!」
ふるふると首を振る妃芽先輩の瞳には涙が溜まっている。
それに対し、まるで操られたような生きた感じのしない瞳でお姉ちゃんが言った。
「何で?どうして?」
その問いに対し、妃芽先輩が再び真っ赤な顔をして言い放つ。
「わ、わたしがっ……か、海斗先輩の………えと。かっ、……………彼女だからッ!」
あ、何か初々しー。
海斗先輩もこうやって付き合うのは慣れてそうで初めてなのか驚いたような表情をしていた。けれどすぐにこりと微笑んで妃芽先輩を抱きしめる。
「そ、俺は妃芽のだからさ。ごめんな!」
ちゅっと妃芽先輩の頬にキスをすると、妃芽先輩はまるでポットが水を熱くあたためおわったようにポッと赤くなった。
初々しいカップルってみててちょーはずかしくなってくるよね。
って、そんなことよりお姉ちゃん!
どうしよー………。
「へえ、付き合ってるんだ………」
「?そうだけど、」
お姉ちゃんの言葉に平気そうに返事する海斗先輩に失敗したとこっそり思った。
お姉ちゃんが自分の携帯を突きつける。
「海斗先輩、あたしに無理矢理キスしたくせに?」
お姉ちゃんの携帯の画面には、海斗先輩とお姉ちゃんがキスしている写真があった。
-
お姫様=妃芽
魔女=百花
ですよー
百花悪キャラ似合わんな!
76
:
燐
:2012/03/08(木) 17:48:49 HOST:zaqd37c5e38.zaq.ne.jp
久しぶりに一気読みした。
いつ…記憶戻るんやろ…。
楽しみやわぁ〜w
77
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/08(木) 19:43:27 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
>燐
一気読みおつかれ!
そしてありがとう!
今もう俊太放置状態だわ…!
どんまi((ry
78
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/09(金) 08:31:47 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / お姫様と王子様、 梨花side
「……そ、れは」
明らかに動揺した様子を見せる海斗先輩にお姉ちゃんがにやりと不適に微笑んだ。
そんな海斗先輩に妃芽先輩がそっと近づき耳打ちする。なんて言ったかはわからないけど……
突然、海斗先輩が嬉しそうに表情を緩ませた。そして強気なお姉ちゃんに言い放つ。
「そのときは百花のこと気になってたし無意識にそういうことしちゃったけど、それは昔のことだからさ」
「わたしも、海斗先輩は今わたしのことを好きでいてくれてるって信じてるし」
妃芽先輩も両想いになってから強くなったなあと心から感じた。
あ、なんかあたし妃芽先輩のお母さんとかお姉ちゃんみたいー。
「………じゃあ今だってキスしてくれたっていいじゃない!」
お姉ちゃんが爆発して妃芽先輩を押しのけ海斗先輩を思いっきり突き飛ばした。
突然のことで海斗先輩も驚いたのかぐらりと後ろに倒れる。そして、倒れた海斗先輩をお姉ちゃんが押さえつけてまあ押し倒したみたいな状態になった。これはさすがにやばいかも……
「海斗先輩、付き合ってくださいっ……!」
完全にくるってるお姉ちゃん。
俊太サンがいるっていうのに……
「お前には俊太が、って……そっか」
記憶、が……ないんだっけか。
そう思った瞬間に、まるで神様のようなタイミングで俊太サンが現れた。
「百花、もうやめろよ!」
「……………だ、れ?」
誰だかわかってないお姉ちゃんをよそに、俊太サンはお姉ちゃんを優しく、それでも強く抱きしめた。
「俺のこと思い出せよ、百花っ……!」
「……………しゅ、んた?」
お姉ちゃんの瞳はもう操られていたような瞳じゃなくなっていた。
もうかわいい女の子のような純粋な眼だ………俊太サンのことも思い出したみたいだし。
「ご、ごめんなさいっ……あたし………何やってんだろ、」
「百花あぁっ………」
謝るお姉ちゃんにぎゅっと抱き着いたのは俊太サンではなく妃芽先輩だった。
大好きな幼馴染が急に自分の大切な人を奪おうとしてきたから不安だったのかもなあ。
「………俊太サンもたまにはやるじゃん、」
ぼそりと俊太サンの隣で呟いた。
これならお姉ちゃんを任せてやってもいいかもって思ったから。
「………百花のことは心配すんな、梨花」
このとき、梨花ちゃん呼びが梨花に変わっていたのに気づき少し驚く。
そして衝撃的な一言を言い残し、俊太サンとお姉ちゃんは去って行ったのだった。
「梨花のことを狙ってる奴がいるから気をつけろ、まあ守るけど」
あたしを狙ってる奴?
-
タイトルのお姫様と王子様っていうのは妃芽海斗ペアと百花俊太ペアどちらもですねー
で、梨花を狙ってる人物は!
(ネタバレ含みます見たくない人は見ないでね☆ry)
えと、中村先生でs((
百花に似てる梨花を好きになっちゃったーみたいな。
最初は俊太が梨花のこと好きみたいなそういう感じにしようとしたんだけど
これ以上百花と俊太にぐだぐだあるとかわいそうだからやめた!
79
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/09(金) 18:14:09 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
▼謝罪.
誤字というか大きな間違いの謝罪です!
間違っても対したことないとか軽い気持ちで書いたのがいけなかったね!
中村先生って一体誰だよって話です。
中村じゃなくて中島だよ!
今日その中島先生の名前の確認と今までのストーリーを確認するために小説を全部一気読みしてそう思いました。
あと読みにくかったり、一人称とか突然相手の呼び方とか変わってたりね!
でもそこらへんはリアルでもよくありがちなのでいいかなとか思ってみたりもすr((
てことでぐっばi((
じゃなくー
他にも多々誤字や間違い等を発見し、読者側の目線で見て文章力も次第に衰えていき大変読みにくく、読んでいて不愉快になってしまうシーンも感じられました。
この掲示板で大変失礼な行動や小説を書く者としてあってはならないことをしてしまったなととても反省しております。
今回のことで更に読みにくく誤解を招くような行動をしてしまったことを深くお詫び申し上げます。
そして、これからは小説を書く者として失礼のないよう励んでいきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願い致します。
真面目に反省してみた、シリーズ第一回目☆ry
え、何かありえないくらい真面目な文章で逆にごめんなさい((
80
:
燐
:2012/03/09(金) 20:13:04 HOST:zaqd37c5e38.zaq.ne.jp
ねここ>>
記憶戻った\(^o^)/
これでめでたしめでたしw
81
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/10(土) 14:32:53 HOST:e0109-49-132-13-14.uqwimax.jp
>燐
そーだねー、めでたしー!
いやまだおわんないけどね?ry
82
:
燐
:2012/03/10(土) 18:21:05 HOST:zaqdadc28cc.zaq.ne.jp
ねここ>>ま、一件落着って言った所か。
エエと思うでw←何が?
83
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/10(土) 18:35:07 HOST:e0109-49-132-13-14.uqwimax.jp
>燐
まあ、そんな感じだね!
www何かが?←
84
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/10(土) 22:28:48 HOST:e0109-49-132-13-14.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 狙い 梨花side
次の日の朝、今日からはお姉ちゃんの記憶が戻ったから俊太サンも一緒に登校することになった。
だけどやっぱりあたしの心の中から不安な気持ちは消えなくて、ぎゅっとお姉ちゃんの腕に抱きついて歩く。
「………あ、あのさ。そんなに俺のこと警戒しなくてもいいよね?」
おいといった様子であたしを見つめる俊太サンにふんっと鼻をならし顔を逸らした。
「うっさいばーか!俊太サンなんかにお姉ちゃんあげるの、やっぱ気に食わない!」
「おいおい、先輩に対して態度悪くねえか?」
「そんなこといってるともう如月家に入れなくなっちゃうよ?如月家って結構あたしの一言で動くこと多いからー」
ま、あたしの一言で動くのは本当だけど。
本当は今すぐ我が家へ永久に立ち入り禁止にしたいところなんだけどね?
「………すみません」
「あはは、そう思うなら今すぐお姉ちゃんと別れれば?」
謝ってくる俊太サンに意地悪っぽく微笑んだ。
そしてその様子を見て、お姉ちゃんが微笑みながら言う。
「なんか仲良いねー。あ、嫉妬とかじゃなくてね?」
「お姉ちゃんやめてよ!こんな奴と仲良いとか……あー本当に寒気してきたわ」
「えちょっ、梨花お前ひどくねえか?」
やだー
いっしょにしないでー
-
よくわかんなくなってきたので
一旦とうこう!
85
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/11(日) 22:48:06 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 愛くるしくて羨ましくて、 梨花side
「……あっ、みいちゃんだー」
「みいちゃん……って、未花ちゃんだよね?梨花仲良いの?」
皆からみいちゃんと呼ばれて親しまれてる子―――未花ちゃんは、一つ上の先輩でお姉ちゃんと同学年の子だ。
仲が良いのかと不思議そうな表情で尋ねられると、いやいやと口元で手を振り苦笑を浮かべる。
「うちの中学、未花ちゃんファン多くてさあ。毎日未花ちゃんの話しで持ち切りなのー」
たしかにあたしも、毎日どんな苦痛があっても可愛らしくて愛くるしい笑顔を振りまく未花ちゃんはとっても可愛いと思う。
羨ましいとかはあんまり思ったことはなかったけど、可愛いのに女子にも恨まれてなく男子にもモテモテっていうのはすごいなあってちょっと尊敬しちゃうな。
「でもあたしは妃芽先輩のが可愛いと思うなー」
「何でそこで妃芽?」
お姉ちゃんに軽くツッコミをいれられると、ありえない!と思いながらお姉ちゃんの両肩に手を乗っけた。
びくんと明らかに驚いている様子のお姉ちゃんに真剣に言い放つ。
「あのね、ここらへんの地域では!未花ちゃんと妃芽先輩ファンがうじゃうじゃいるんだよ!
まあ、あたしは妃芽先輩派なんだけどさー……あれっ?ていうか……今日青春校見学日じゃん、妃芽先輩に会えるー!」
わすれてたわすれてた!
そろそろ中三は受験シーズンだから、超人気校として青春高校をみんなで見学するんだよね。
すっごい楽しみだけど、あたしも青校狙ってるからライバルが増えたら大変なんだ。
「……え、じゃあ梨花あぶな、」
「うるせーわ、別に俊太サンに会えることがうれしいんじゃないから。ていうか寧ろ貴方には会いたくない」
何か言いかけた俊太サンに思いっ切り拒否反応を起こしお姉ちゃんの後ろに隠れた。
危ないって言いかけたような気もしたけど、気のせいか?
×
「おねーちゃーんっ」
「梨花ぁ!あ、妃芽もいるよー」
高校見学の時間になって、高校の門をくぐるとすぐお姉ちゃんが迎えにきてくれていた。
お姉ちゃんを見つけて嬉しくなって駆け寄ると、お姉ちゃんの後ろから可愛らしく妃芽先輩も現れどきんとする。
「こんにちはー……なんてね、」
にこりと無邪気に微笑む先輩にきゅんときた。
やばいどうしようかわいい。
「ちょ、ちょーかわいいんだけど!」
一緒に来ていた友達の花が頬を赤く染める。
だよねだよねと言っていると、突然先生らしき人がやってきてあたしの肩に触れた。
「君が百花ちゃんの妹さん、だよね?」
「そう、ですけど………?」
「俺の物になんない?」
-
うん、ノーコメで。
86
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/12(月) 17:33:55 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 禁断恋愛? 梨花side
「ちょっ、先生馬鹿!何で梨花のことっ、」
「はいはい、教師に向かって馬鹿っていうことはそれなりの覚悟があるんだよね?百花ちゃん」
なに……何このコンビ。
「お姉ちゃんたちありえないくらいお似合いだねっ!」
初対面の人、そして彼氏がいる人に対してお似合いだなんて言うのは失礼かとも思ったけれど。
すごいなとか思ったりしつつも、お姉ちゃんは見事に職員室行きなんだなあと考えたりしてみる。
「あ、てことであたしもういくねー!お姉ちゃんっ、妃芽先輩っ……と、なんだかよくわからない人!ばいばーいっ」
遠くで綺麗なピアノの音色が聴こえ、それにつられるように去って行った。
なぜか、来てくださいって呼ばれてるような気がして。
-
………新キャラ増えそう。ごめんねー
87
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/12(月) 17:36:02 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
▼まとめ
今いるキャラクターたち。
主役/百花、俊太(梨花、妃芽、海斗)
脇役/中島先生、未花、芽衣、優衣
こんなもん?
結構少なかった事実。
88
:
名無しさん
:2012/03/12(月) 17:37:47 HOST:wb92proxy08.ezweb.ne.jp
産まれたん?
89
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/12(月) 17:52:35 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / ピアノ 梨花side
「………わ、きれいな音ー」
音楽室の目の前まで来ると外でのざわつきはもうなくなっていて、しんと静まり返った廊下には綺麗なピアノの音色だけが美しく響いていた。
友達のめぐも興味を持ったらしく、その暖かく何処か切ないメロディーをまるで夢の世界に吸い込まれるように聞き入っていた。
ピアノを弾いている人物は誰だろうと好奇心が湧き、ピアノの音色を止めないようにそっと音楽室のドアを開ける。
予想通り、「キイ」と少し歪んだドアが鳴った。
ぴたりと止まる音楽。突然現実の世界に突き戻されたような寂しい感覚。
思わず「あ……、」と声を漏らしてしまいたくなるような孤独さと、静寂に包まれた音楽室。
「あの、ごめんなさい……わたしたち、見学で来ててっ……」
「いや、気にしないで」
あわてて謝るあたしに、先輩らしいその人は優しく微笑んだ。
けれどその優しい表情には演奏していた曲と同じ切なさが感じられる。
「せんぱーい、ってあれ?女の子がいるー」
突然廊下から可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。
振り向くとそこには予想通りとても可愛い先輩の姿。
くりくりとした丸い瞳は茶色で、髪の毛もふわっとしててまるで鶯みたいな綺麗な色で。透き通った白い肌で、頬には林檎のような赤らみがのっていて。桜色の整った形の唇の口角を釣り上げて微笑む先輩。
「み、か……せんぱい……?」
「ほんもの………っ?」
あたしとめぐは本人を間近で見れたことと噂以上の可愛さにすごくすごく感動した。
×
「すっごいかわいい……」
「こんなかわいい人いるんだ……」
ぽつんとあたしとめぐが零した言葉に未花先輩はあわてて両手を振った。
「そ、そんなことないよ!梨花ちゃんと萌美ちゃんだってすごく可愛くて会ったとき吃驚しちゃった!」
先輩先輩
ありえないくらい可愛い人に可愛いって言われても哀れなだけですよ
-
ナニコノオワリ。
トニカク未花先輩かわい!
でもでもー
ピアノ弾いてた人の名前が出てこなかったwww
うん、今度だす。うん。
90
:
月波煌夜
:2012/03/12(月) 19:39:12 HOST:proxyag076.docomo.ne.jp
こんにちは!
少し覗かせていただきました〜('-'*)
文章が綺麗で、凄く読みやすいですね!
登場人物が生き生きと動いていて…凄いなぁと思いました。憧れます。
これからも頑張ってください!
陰ながら応援しています(^-^)/
91
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/12(月) 20:30:32 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
>月波煌夜さん
わわ、コメントありがとうございます!
憧れの方にそういっていただけるととても嬉しいです…!
煌夜さんもがんばってください!
ねここも応援しています!
92
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/12(月) 20:46:30 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽譜 梨花side
「………せーんぱいっ、何やってるんですか?」
さっきからあたしとめぐと未花先輩で色んなことを話していたというのに、ピアノを弾いていた先輩は楽譜らしきものにとても熱心に何か書き込んでいた。
その様子を見て不思議そうな様子で先輩を見つめ出しためぐに釣られあたしも気になって問いかけてみる。
「今度コンクールがあるんだ。吹奏楽の―――課題曲は自由で、自分でつくった曲でも参加していいフリーなやつね」
「あ、といっても緩いコンクールってわけじゃないんだよ?地区大会で銀賞とれてすごい良い方なんだから」
先輩の言葉に未花先輩があわてて付け足した。
どうやら人数も自由みたい。
「先輩はピアノなんですねー!……あと、は?もしかして一人?」
「や、俺と未花だよ。俺がピアノで未花がフルート」
フルート、かあ。
羨ましいような、なんというか……むずむずするような。
「………切ない曲なんですね」
ぽつんとつぶやいてみた。
合ってるかもわかんないのに。
「よくわかったね、卒業ソングだからさ」
「あー、だからあったかさもあって切なさもあったのか」
おお、と声を上げて言うと先輩が大きく目を見開いた。
それはそれは嬉しそうな表情で。
「暖かくて切ない曲に聴こえてた?」
「?は、はい………」
「っしゃ、!」
先輩が嬉しそうに微笑む。
それにつられてあたしたちも微笑んだ。
「よかったですね、先輩!」
青春って感じできらきらしてて。
これが高校生活、かあ……
-
パソコンおもくてだめだ。
93
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/13(火) 16:56:21 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽譜 梨花side
「いいなあ、先輩たちは……きらきらしてて、青春って感じで」
ぽつりと呟きながら、頭の中でキラキラとした青春を思い浮かべていた。
何かに没頭できる先輩たちが羨ましくて、何かに熱心に取り組みたくて。そんなきらきらした世界にあたしも入れたら、なんて思ってみる。
「大丈夫、梨花ちゃんも送れるよ。こういう生活!」
「え、でもわたしにはそんな没頭できるものなんて………」
未花先輩の前向きな言葉に思わず声を漏らした。そして、胸の前で両手を振ると無理だと考え否定する。
その瞬間、熱心に楽譜への書き込みを続けていたピアノを弾いていた先輩の手が止まる。
「―――――っり、か……だっけ?」
「如月梨花ですー」
勢いをつけて何か言おうとした先輩だけど、あたしの名前がわからなくて固まってしまった。
そしてまた、勢いはさっきよりは失せたけど真剣な表情で尋ねる。
「青春ってさ、格好悪いなあとか思う?」
青春ってさっきの先輩みたいなもののことでしょ?そんなこと………
あたしの中でぐるりと思考が周りまるで一周したかのように先輩の問いに答えた。
「なら大丈夫!何かに没頭して過ごしてることを格好悪いなんて言う奴は青春なんて絶対無理っておもったんだけどね」
うれしかった、認められたようで。
よかったなあと心から思い、同時に興味を持ち出した。
先輩たちの取り組む吹奏楽に。
-
94
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/13(火) 21:08:51 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 吹奏楽 梨花side
「………か、」
ぼそりと小さく呟いた言葉は、先輩には上手く伝わらなかったようで。
え?と首を傾げられてしまったのでもう一度大きな声で言った。
「わたしでも、吹奏楽ってできますかっ………」
何故だかわからないけれど、涙が溢れてくる。
寂しいとかそういうのじゃないのに……何でだろう?
胸がざわめいてる。
―――――楽しくて、何かに挑戦できそうで嬉しくて。
あたしもずっとほしいと思ってた熱中できる何かが手に入りそうな気がして。
「できるよ」
先輩の声だけが音楽室に響いた。
透き通った心地よい声にふわりと包まれるような感覚がする。
「何かに本気で取り組みたいって思ったときからもう始まってるんだ―――青春っていうのはさ」
あたしもきらきら輝けるのかもしれない。
もちろん苦痛もあるってわかってるけど、泣いてもいいから乗り越えて青春を迎えたい。
「あたし、がんばって青春校目指します……!吹奏楽部入りますっ……!」
涙を零しながら、それでも気合いの入った大きな声で言った。
先輩の手があたしの頭に乗っかる。髪の毛と指が絡み合って心地よい。
その瞬間、放送で体育館に集まるようにと告げられた。
頭から、先輩の手が離れる。
「じゃあな、」
「あ………名前、」
そういえば名前教えてもらってない!と都合の良いあたしの思考回路が叫んだような気がしたので、ぽつんと寂しげに呟いた。
すると先輩はにかっと微笑み、まるで待ってるとでも言うようにあたしに告げた。
「高校生になったらな!」
「―――はいっ!」
元気よく返事をした瞬間、心が晴れ晴れとするのがわかった。
そしてパタパタと走り、めぐと体育館に向かう途中。
「………わたし、自身ないなあ」
苦笑するめぐに、え?と声を漏らした。
-
うぇい!のーこめ!
95
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/14(水) 17:36:38 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 青春 梨花side
「わたしは別に吹奏楽得意なわけでもないし……中学からやってないでしょ?」
「中学からやってないのはあたしもだよ……?」
いつも無邪気で自信満々なめぐなのに、こんなに自信を失ってしまうなんて。
豹変してしまっためぐにどういった態度をとればいいのかわからず、きょとんとしたまま弱気に抗議した。
「……っ、梨花はいいよね!どんな人ともすぐ仲良くなっちゃうし、かわいいし」
言葉が出なかった。「そんなことない」とか「めぐだって良いところたくさんあるじゃん」とか、かけてあげるべき言葉は思い浮かんだけど。
真剣に悩んでるめぐにあたしが口出ししていいのかって気持ちになって、罪悪感で埋もれちゃいそうでこわいの。
「………めぐは、」
取り乱しかけためぐにそっと一言告げた。
「めぐはめぐの道を選べばいいよ」
あたしは何て残酷で卑怯なことをやってしまったんだろうと自分が自分で情けなくなった。
青春から逃れようとしている大事な親友をそっと目の前で突き放した。まるで崖から自殺してしまいそうな親友の背中を押して無理矢理突き落とすような。
そしてそれを引き止めることで罪悪感が生まれることに恐れて逃げた。あたしは死にたくないって、もう落ちる寸前の親友の前から立ち去っていくような。
―――――あたしの望む青春ってなんだろう。
そう考えると、ふらりと体育館とは正反対の方向へ向かっていった。体が勝手に動いてしまったように、そっと。
-
96
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/15(木) 17:46:03 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 青春 梨花side
体育館に向かわなきゃ、と思いながら足を進めたはずが、何故かあたしは音楽室の前まで戻ってきてしまっていた。
音楽室にはもう先輩たちの姿はなく、キイ、と歪んだ音をたてドアを開けた。
時刻は三時半―――もうお腹がすく時間だなあ、なんて一人で情けなく苦笑する。
別にあたしに自分が吹奏楽部入るからってめぐも吹奏楽部入って、なんて強制する権利はない。
中学から分かってたから。部活は自分の好きなものをやるものだって。自分の好きなものじゃなきゃ長続きしないって。
あたしはなんとなく、ピアノの椅子に座ってピアノのふたを開けた。
白黒ハッキリとした白鍵と黒鍵を見つめ、人間関係全てがこんなのだったら、と思った。
何があっても白黒別れてて、どんなに複雑で迷っちゃうような多数決をしても白が必ず多くて。
………あ、でもそれじゃつまらない世界になっちゃう。じゃあ今のはオフレコオフレコ!
悩み事あっての青春ってものだと思うけどさ……やっぱり辛いよ。
そう思いながらピアノのドの音を人差し指で押した。
真っ直ぐな深く芯の強い音がなる。
あたしも先輩みたいに自由に弾けたらな、と思った。
まるで生きてるように、ピアノに命を吹き込んで弾くの。
先輩の真似をして、対して上手くもない猫踏んじゃったを弾いてみた。
愉快に楽しそうに。あ、でも猫が可哀想だから切なく弾いてみるのもいいかも―――――
あたしだってピアノ初心者のくせに、感情を込めて弾いただけで凄く楽しく感じた。
すると突然、キイ、と歪んだ音をならして音楽室のドアが開く。
「え、あ………」
どうやらこの学校の教師らしい。
金髪の髪はちょっとくりくりで肩まで伸ばしてて、白いシャツを腕まくりして腕を組んでて、ベージュのズボンに赤いパンプス。
そしてすっごく怖い目つき。
すごい睨んできてる、殺気が怖い。
「お前、」
「す、すみません!勝手に使っちゃって……」
女の先生なのにお前呼びって!
怖いと思いながら必死にぺこぺこ頭を下げた。
「ピアノ習ってんの?」
「へ?あ……いえ、」
間抜けな声を出してしまった。
先生の質問があまりにも予想外で。
それでもまだ質問は続く。
「じゃあ、習ってたことは?」
「ない、です………」
「………さっきの曲以外に弾けるのは?」
「特に。あ、カエルの歌とか弾けますよ」
「……まあいい」
きょとんとした表情で先生の瞳を見つめた。
いつの間にか怖くなくなっていて。
「え、あの……なんだったんですか?」
「アンタ、うちの高校推薦入学してね」
「は?」
「返事は?」
「はいっ、え?や、え?」
「ん、じゃあね」
ひらりと手を振って音楽室を出ていく先生。
この状況であたしを置いて?意味わかんね!
ていうか、ていうか………
「青春高校に……推薦入学?」
-
わふい!のーこめ!
97
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/16(金) 19:34:36 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
▼なんかつぶやき。
いや、何かつぶやきたかっただけです。
もうちょっとで100レスだなとか。
うれしいです、ありがとー!ございますry
ねたばれっぽいけどおけ?
梨花は推薦入学しちゃいますよてきな。
ねこふんじゃったが好評だった、スパルタ先生に。
以上。
98
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/17(土) 14:27:23 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 猫踏んじゃった 梨花side
―――――推薦入学してね
その言葉だけが山彦のエコーのように頭の中でぐわんぐわん響いている。
あたしはピアノも習ってなくて、楽譜はめぐに教えてもらったから偶然読めただけ程度なのに。
それにめぐの方がピアノも得意だし、現にピアノ習ってるし。あたし以外にもピアノが上手い人はたくさんいる。
それでもあたしを選んだっていうことは、あたしに何か特別なものを感じたからとかじゃないの?
よくわらかない先生の言葉に、あたしはずっと悩まされていた。
けれどその内に体育館に行くという目的を思い出し、キイ、と歪んだ音をたてて音楽室を出た。
×
今度は迷子にならなかった、と安心の溜め息を吐き、そっと体育館のドアを開けた。
見事に担任に気づかれて、ぺこりと頭を下げながら間違っているような、当たっているような事情を説明する。
「いやあ、ちょっと迷子になってしまいましてね」
「もう、気を付けてね」
一言注意されるだけで済んだようで、ほっとしながら皆の列の中に入っていく。
推薦のこと、あとで先生に相談しようかな
-
99
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/18(日) 13:32:55 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 速水レオ 梨花side
青春高校の紹介はとても長いものではあったけれど、皆も興味を持つ青春高校の説明だからかいつもと違って真剣に話しを聞いていた。
あたしも内容は頭に入ってきてはいたけれど、スパルタ先生の言葉が頭に響いたままでうーん、と悩ましい表情を浮かべる。
――――――俺たちはまだ子供で、小さな存在でしかなくて。
ふいに耳に入ってきた、聞いたことのある透き通った声。
体育館のステージに目を遣ると、其処にはピアノを弾いていた先輩の姿があった。
――――――それでも、俺たちは此処に存在してて。
こんなにベタでサムイ言葉を述べていっている先輩なのに、不思議。
誰も馬鹿にしたりしないし、あたしも目がじんわりと熱くなってきているのを感じた。
――――――小さな俺たちの存在を認めてくれる人はこの大きな世界に数多くいて。
先輩の言葉を誰も笑ったりしないのは、皆が大人になってきて真剣に前に進もうと努力したいと思っているからなのかな。
マイクに向かって中学生の前で話す先輩はピアノを弾いていたときよりもきらきらと輝いているように見えた。
――――――そのことに感謝しながら少しでも笑顔を浮かべてくれる人を増やすのが、俺たち学生の役目だと思っています。
――――――社会人のように皆のための仕事が出来なくても、無理にバイトをして役立とうとしなくても。
――――――俺たちが笑顔でいることで、笑顔になってくれる人も大勢います。
先輩が笑顔を浮かべているのを見て、あたしも嬉しくなった。そしてそれと同時にあたしもこんな生活を送りたいと思った。
そういうことをするのがあたしたちの役目でもあって、その役目を先輩はちゃんと果たせているんだな、と思った。
――――――だから皆笑顔で青春生活送りませんか?
先輩がふっと微笑を浮かべて問い掛けたのに対して、皆こくりと頷いたのがわかった。
あたしもそれに釣られて頷き先輩らしいな、と思いながら笑みを零した。
――――――生徒代表、二年。速水レオ
皆の前で名前を名乗りお辞儀をする先輩にえ、と声を漏らした。その声が少し響いてしまいぱっと両手で口を抑える。
けど、先輩の名前を高校に入る前に知れたことは純粋に嬉しかった。今度は先輩の透き通った低音ボイスで速水レオという名前がこだまする。
ふと気がつくと、自分が涙を流していることに気づいた。
レオ先輩の言葉があまりにも心にじんわりきすぎて。皆に見られたかな、と思いながらあわてて目を擦り周りを見渡す。
すると、涙を流している人はあたしだけじゃないことがわかった。
男子とかも俯いて鼻をすすったりして、泣いているのかな、なんて思ってしまう。
これだけ人の心を動かすことができる先輩は本当に凄いと思う。
あーあ、これで先輩ファン増えちゃっただろうな。
-
100
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/19(月) 19:48:52 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽譜 梨花side
「レオ先輩っ、かっこよかったですよー!」
「お、梨花ー!名前知られちゃったな、」
また暫く自由時間が続くことになって、あたしは真っ先にレオ先輩のところに飛び込んでいった。
勿論さっきの話しをしてから急激に先輩ファンは増えてしまったが、それでもあたしだけ特別だとでも言うように親しく話しかけてみる。
「かっこいい名前ですよね。ていうか先輩モテてますね」
「え、そう?……何か複雑だよな、こーいうの」
女子や男子の大群の中心で微笑み合うあたしたちはどれほど羨ましく思われただろうか。
そして先輩に進路のことで色々相談したい気もしたけれど此処で推薦という話題を出すわけにはいかないと考えとりあえず恋バナ路線に走っていく。
「………あたしも純粋に恋したいです」
「え、梨花は恋してないの?いっぱいしてそうだと思ったんだけど」
意外そうな先輩の表情を見つめふふっと苦笑した。そして何より周りの人まで微かなあたしたちの声に耳を寄せている。盗み聞きとは悪質な!
正直心の何処かで先輩に恋できたら、なんて思ってたかもしれない。けど先輩はきっと未花先輩が好きで、未花先輩もレオ先輩が好きだと思うし。そう考えながら先輩の言葉に続けて答えた。
「付き合った人はたくさんいるんです。でも初恋はまだなんです」
「……好きじゃねえのに付き合うの?」
「っ、そういうことになりますけど」
「ふうん………」
暫く会話が続いたけれど、先輩の表情からふいに笑みが消えてあたしも不安な気持ちになってきた。
ふうん、と目を逸らしながら呟く先輩にきゅっと目を閉じる。その途端、ふわりと頭の上に先輩の手が乗った。
「そっか!でもそれはそれなりにいいんじゃね?」
「え………、」
くしゃりとあたしの髪の毛と絡みつく先輩の指が心地良い。
何でそんなに優しくしてくれるのかなあ、先輩は。
ふっと微笑を浮かべて先輩の耳元で囁いた。
「でもね、初恋の人できちゃったかもしれないです」
ねえ、それは先輩のことなんだよ?
そう思いながらパタパタとその場を去っていった。
×
「おい、お前」
突然冷たい声が飛んできた。こわいこわいこわい。
振り向くとそこにはスパルタ先生の姿があり、思わず逃げ出したくなるほどの気迫に小さくなってしまったような気がした。
「は、はい……?」
「これ、コンクール用の楽譜ね」
「は?」
コンクール用と言われて渡されたのは数枚の楽譜。
見てみるとよく知ってるフレーズが頭の中で流れる。
「猫踏んじゃった……?」
「そう、そのコンクール版。ちょっと難しくなっただけだから夏に間に合うように練習しといてね」
「夏?ってまだまだ先じゃないですか」
「コンクール練習はこういうもんなの!夏のピアノコンクールに出てもらうからね」
おいおいおいおい
話が見えてこないー
とにかく先生は去っていってしまったし質問したくなかったから、未花先輩を探すことにした。
-
101
:
燐
:2012/03/19(月) 19:57:47 HOST:zaqdb739ec8.zaq.ne.jp
ねここ>>一気読みしたよ(*^_^*)
にょほw
てか、これからちゃんずけで呼んでエエ?
102
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/19(月) 20:34:23 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
>燐
お疲れ様でしたーw
別にちゃん付けでも構いませんが…(´・ω・`)!
103
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/19(月) 20:41:00 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
▼気がついたら100レスを突破していた非常に嬉しいようで驚いた件
気がついたら100超えてたよー!
吃驚したよー!
今梨花sideで梨花が主人公みたいになっちゃってますが!
これからもいつかside変更しちゃうかもしれません、ごめんねー!
……なにもかくことがない。
ごめんなさい、挨拶することがあまりないorz
じゃあ久し振りに超真面目に書きますか!
此処まで根気強く更新できたのも応援して下さった皆様の御陰です。
皆様には心から感謝しております。
これからも、大変未熟ではありますが懸命に更新していきたいと思っておりますのでよろしくお願い致します。
………なんかつまらんry
とにかく、ありがとうございます!
これからもがんばります!
104
:
燐
:2012/03/19(月) 20:53:15 HOST:zaqdb739ec8.zaq.ne.jp
ねここ>>いや・・・どっちがエエかなぁ・・・って決めてんねんやんか。
どっちがエエ?
105
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/20(火) 11:04:11 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 友達 梨花side
「未花先輩っ!」
「お、梨花ちゃーん!あれ?めぐちゃんは?」
ふわりと楽しげに揺れる二つ結びを見つめ、その後ろ姿が未花先輩だということに気づき楽譜を片手に駆け寄った。
笑顔で振り向く未花先輩はやっぱり可愛い。こんな可愛い子、一番身近にいるレオ先輩が放っておくなんてことしないよね。
「……けんか、ですかね」
「え……?」
めぐとあった出来事を未花先輩に全て打ち明けた。今話してみると自分がどれだけ最低なことをしたかが思い知らされ正直辛い。
未花先輩はそれをそっか、うん、と何度も頷き相槌を入れながら聞いてくれて、話し終わった頃には少しスッキリしていたような気がする。
「だって梨花ちゃん、自信に満ち溢れてて先輩のわたしだって梨花ちゃんに負けないようにしなきゃって思っちゃうくらいだもん。一年生のめぐちゃんが不安になるのも無理ないよね」
「……でも、あたしめぐをちゃんと説得すればよかったなって。別に無理に吹奏楽部に入らなくてもいいから、自信だけは持ってとかそういうことぐらい言えばよかったなって……」
自分で自分のことを責めるうちに、じわりと涙が溢れてきた。そしてそれを隠すように目元を擦りながら無理に微笑む。
「わかるなあ、梨花ちゃんの気持ち」
「え……?」
未花先輩の小さな手があたしの頭の上に乗った。くしゃりと撫でられると、くすぐったいような気持ちいいような感じになる。
「わたしもね、レオ先輩に憧れて吹奏楽部に入ったの。絶対レオ先輩みたいになる!って自信ついちゃって、大事な友達を不安な気持ちにさせちゃって」
「……そのあと、どうしたんですか?」
あたしと丸っきり同じな行動をしちゃってる未花先輩にきょとんとしながら尋ねた。どうしたら、仲直りできるかが知りたくて。
「わたしは何も声掛けれなくて、レオ先輩に相談したの。そしたらレオ先輩が自信持てってその友達に言ってくれて……」
レオ先輩は本当格好良いなって思った。でも何処か寂しげな未花先輩にきょとんと首を傾げる。
「その友達ね、レオ先輩のこと好きになっちゃったの。でもレオ先輩はごめんって理由も言わずに振っちゃって……かなり傷ついちゃって」
やっぱりレオ先輩は吹奏楽一筋かと思いながら聞いていた。そして未花先輩が俯きながら深刻そうに告げる。
「その子ね、学校やめちゃったの」
恋だけで、そんなに傷つくなんて。
もしかしたらめぐも?やだよ、このままいなくなっちゃうなんて。
-
うん、なんかのおはなし。
106
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/20(火) 16:33:43 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
>燐
どっちでもいいよーw
燐の呼びやすい方で!
107
:
燐
:2012/03/20(火) 16:39:27 HOST:zaqdb739ec8.zaq.ne.jp
ねこっぴ>>じゃねこっぴで(*^_^*)
可愛い名前にしちゃったゾw
108
:
名無しさん
:2012/03/20(火) 17:21:19 HOST:wb92proxy07.ezweb.ne.jp
まだ生きとんの(笑)
109
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/20(火) 17:26:15 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
>燐
初めてだなその呼び方www
ねこっぴ……(゚ω゚)!
110
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/20(火) 17:51:48 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽譜 梨花side
「そうなんですか……」
話しを聞いたあと、驚きと不安な気持ちでいっぱいになって上手く言葉が出せなかった。しんと静まったあたしたちは何処か気まずい雰囲気を漂わせてしまう。
そのとき、かさりと数枚の紙が片手から落ちたことに気づく。先輩に見せるつもりだった楽譜だ。あ、と声を漏らしながらそっとその楽譜を拾い、本題に入ることにした。
「それ、ピアノの楽譜?梨花ちゃんピアノやってるの?」
「え、あー……実はあたし、猫踏んじゃったくらいしか弾けないんですよ」
吹奏楽のことになると気合が入ってくるのか、さっきの気まずさは何処へやら。未花先輩が楽しそうに微笑を浮かべ楽譜に触れた。
そして猫踏んじゃった以外の曲は弾けないというかまずよく知らないことを暴露するとてへっとふざけ半分で苦笑を浮かべる。
「あ、本当だ。これ猫踏んじゃっただー」
「ちょっと話し長くなっちゃうんですけど……いいですか?」
未花先輩があは、と呟きながら猫踏んじゃったのフレーズを小声で歌いだし、くすりと微笑みながらそれでも真剣に尋ねた。
ていうか先輩、授業はいいのだろうか。きっと新入生を迎える案内係か、ただのサボりなんだろうなと思いながら大丈夫、と頷く先輩に今までのことを話す。
「めぐとケンカしたあと音楽室に戻っちゃって……レオ先輩みたいに格好良くピアノ弾けたらなって思って、感情を込めて猫踏んじゃったを弾いたのがたまたまスパルタ先生に評価されたんですよ」
あれ、スパルタ先生で通じるのだろうか。そんなことを考えたときにはもう遅く、スパルタと声に出してしまっていた。
未花先輩にはどうやら通じたようで、きらきらと目を輝かせながらぱちぱちと拍手する。
「すごーい!え、でもこの楽譜は?」
「さあ?なんか夏までに仕上げろみたいなこと言われましたけど。ピアノのコンクールだかなんだかで、」
そう言いかけた瞬間、未花先輩に見てもらっていた楽譜がさらりと床へ落ちた。未花先輩は固まったままえ、という表情をしている。
おーい、先輩?、と呟きながらちょんちょんっと先輩の頬をつついたところでやっと先輩が再起動する。
「りりり梨花ちゃん!これとってもすごいことだよ!……あれ?でも学校此処って決まったわけじゃ、」
「あ、推薦入学しろって言われたんですけどあれは一体」
もう一度、未花先輩が固まる。パソコンの表示が重くて動いたり固まったりするみたいな、そんな感じ。ていうかこのくだり強制なんでしょうか。
「ちょ、推薦って!聞いたことないよそんなの!いいなーずるいなー」
「え、でもあの先生に言われただけですし!あの先生そんなに偉いわけじゃないですよね?」
「いや……あの先生の力はすごいよー、一回決めたことは誰も捻じ曲げられないよー」
恐ろしそうにそう告げる未花先輩に何か捻じ曲げられなかったことがあるのかとツッコミをいれたくなった。
それはまあいいとして、そんなにすごいことなのかと小さく呟く。
そしてそこに、レオ先輩までやってきた。
「あ、ちょい梨花!さっきのどういう、」
「な、なんでもないです!気になる人が身近にできただけです」
さっきこそりと耳元で告げた言葉を気にしていたのかあわててやってきたみたいだ。
そして言い訳をするかのように言い返してやった。
「そそそそんなことどうでもいいんですよれおせんぱい!りかちゃんったらすごいんですよ!」
相変わらず壊れたパソコンのような未花先輩に呆れた表情を浮かべる。こういうのって叩いたら直るんだっけ?
「梨花ちゃん、この高校に推薦入学してしかも夏のピアノコンクール出場するんですよ!!!」
「は?まじで?」
レオ先輩も驚いていた。ということは余程すごいことなのか。
ふふっと微笑み楽譜を両手で持ったその瞬間、
きゅ、と。
優しく、それでも力強く抱きしめられた。
「れ、レオ先輩………?」
おめでとうって意味なのかわからないけれど。
制服のボタンがあたしの唇を撫でた。
-
111
:
名無しさん
:2012/03/20(火) 17:59:10 HOST:wb92proxy07.ezweb.ne.jp
誰かに聞かれたん?
112
:
燐
:2012/03/20(火) 20:27:39 HOST:zaqdb739ec8.zaq.ne.jp
ねこっぴ>>
妹の友達のあだ名に皆っぴってついてんねんw
113
:
神目まどか
:2012/03/20(火) 22:17:13 HOST:ntfkok190145.fkok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
>>111
コイツ、指名手配犯ですよ。
114
:
名無しさん
:2012/03/20(火) 23:04:29 HOST:wb92proxy08.ezweb.ne.jp
かおりんまじでおらんの?
115
:
名無しさん
:2012/03/20(火) 23:05:56 HOST:wb92proxy08.ezweb.ne.jp
頭おかしなったんか?こいつってどの男
116
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/21(水) 13:37:36 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
>燐
かわいーw
ねここは大体名前呼びだ…!
117
:
燐
:2012/03/21(水) 13:53:19 HOST:zaqdadc2a8b.zaq.ne.jp
ねこっぴ>>
何かさ…凝ってる名前の方がエエやん?
と、私は思ってるw
118
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/21(水) 16:04:36 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / めぐ 梨花side
「……………と、」
「え?」
抱きしめられたままの状況に動揺を隠せないでいたけれど、レオ先輩が何か小さな声で呟いたのに気づき先輩の顔が見えるようにと上を見上げ首を傾げる。
すると先輩は、呟きなんかじゃなくちゃんとあたしに伝えるように大きな声で言った。じっと目を合わせ、恥ずかしくて逸らしたくなっても逸らせないこの感じがさらに緊張感を生み出す。
「おめでとう……っ!」
「わたしからも!梨花ちゃん、おめでと!」
レオ先輩に続き未花先輩も、可愛らしく微笑を浮かべてあたしに告げた。すごくすごく嬉しくて、泣きたくなってくる。
「ありがとうございますっ……」
あたしからもレオ先輩の背中に腕を回して抱きしめた。離れたくなくて、嬉しくて。
そしてその瞬間、不思議そうな表情をした今一番会いづらい人に会ってしまったのだ。
「梨花……?」
「め、ぐ……」
-
119
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/21(水) 16:19:07 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
>燐
そっか!
凝った名前とか特別な呼び方で呼ばれるとうれしいよねー
120
:
燐
:2012/03/21(水) 16:48:55 HOST:zaqdadc2a8b.zaq.ne.jp
ねこっぴ>>だよね(*^_^*)
更新頑張れノン
121
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/21(水) 23:16:29 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / めぐ 梨花side
「……っ廊下で何やってるんですか」
めぐが反抗的なまるで睨むような目線であたしたちを見てきた。レオ先輩は何があったのかわからないから、きょとんとしたままあたしから離れる。でも怖くて、めぐに立ち向かえなくてぎゅっとレオ先輩の服の袖を掴んだ。
「……今先輩と仲良くしたって青春高校に受かるとは限らないのに、夢見がちだよね」
「っ、あたし推薦もらったから!」
あたしを馬鹿にするのはよかった。なのに先輩たちのことまで見下すように見つめるめぐが許せなくて、つい推薦のことを口走ってしまう。
その瞬間、めぐの目付きが変わったような気がした。見下すようなのが、許せないって言ってるような感じ。
「何で梨花がっ……どうして?!」
「……ピアノで、偶然吹奏楽部顧問の先生に聴かれてて。夏のピアノコンクールにも出るの」
ピアノって言ったら怒るかな、と少し心配になった。ちょっと強ばったような表情でめぐを見つめる。
だってめぐはピアノには凄く力入れてて、夏のコンクールも出たいと話していたくらいだから。
「……なん、で……りかばっかりえらばれて、」
「梨花、めぐ」
狂いかけてきためぐとそれに対抗するあたしに落ち着けというようにレオ先輩が話しかけた。
そしてそっと背中に触れ未花先輩もつれて場所を移動する。
「ちゃんと話し合えよ?」
「はーい」
先輩の言葉に少しでも余裕だと思わせるためにふふっと微笑んだ。無理に、きごちなく。
122
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/23(金) 11:44:12 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / めぐ 梨花side
「……めぐにとってのピアノって何?」
ふいに思い浮かんだ疑問をぼそりと口に述べる。めぐから睨みつけるような表情で見られると怖くて逃げたくなる気持ちもあったけど、負けないように真剣な表情を浮かべ尋ねた。
「……人生だよ、あたしにとってピアノは生き甲斐でもあった」
「そっか」
ピアノが生き甲斐だなんてそんな気持ち、あたしにはわからなかった。でもコンクールで金賞を受賞するにはそれくらいの勢いで練習しなきゃだめなんだと思う。
先生に言ってめぐを出場者に変えてもらうという案が思い浮かんだけれど、それはそれで惜しい。そして平等に公平に審査してもらいたいと思った。
「先生に頼んで二人で同じ曲を弾こう。そして良いと思った方が推薦でコンクールにも出場できるっていうので――――」
「そしたら梨花、推薦なくなっちゃうよ?」
「うん、でも一番納得しやすいし。曲は猫踏んじゃったでもいい?音取りは大体できてるから、コンクールの楽譜で」
「わかった」
めぐが納得したところであたしはレオ先輩と未花先輩にその話しをしに行った。先輩たちはオッケーしてくれたから、あとは先生だ。
期間は三日。三日後にまたこの高校の音楽室に集合する予定だ。緊張するけど楽しみだな!
-
123
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/23(金) 12:01:39 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / ピアノ 梨花side
あの日から三日が経った今日、ついにめぐと勝負する日になった。先生には許可をもらい、休日だというのにわざわざ学校まで来てくれた。
音楽室に着くともうめぐは自信たっぷりのオーラを漂わせながら勝負する気満々でいた。後から先生も来て、応援でレオ先輩と未花先輩も駆けつけてくれたらしい。
「……じゃ、どっちから弾く?」
「あたしからいきます!」
先生のダルそうな面倒臭そうな声を消すくらいの勢いでめぐが手を挙げた。よっぽど自信があるのか、寧ろ弾きたくてわくわくしているようにも見える。
音楽室がしんと静まり返った瞬間、ピアノの音が鳴った。正確な指遣いに軽やかな響き。先生もゆっくりと一回頷いていたのが見えた。でも何か物足りないのか、レオ先輩や未花先輩はあまり良い表情をしていない。
「……じゃあ次、お前」
「お前じゃなく梨花ですよ」
先生がお前と言った瞬間レオ先輩が苦笑しながらツッコミをいれ、ぷっとあたしも吹き出してしまう。緊張の糸がほどけたような気がした。
軽やかな響きと正確な指使い指遣いだけでなく、思いっきり感情も込めてみる。楽しそうに聴いてる人が笑顔を浮かべちゃうような感じで。最後は切なく残念そうに。
ピアノを弾き終えて、心臓がばくばく鳴ってるのが感じられた。いよいよ結果発表だ。
めぐに譲ってもいいと思ってた推薦やコンクールだけど、やっぱりピアノを弾くのは楽しい。そんなピアノが生き甲斐で、めぐが羨ましく感じられた。
そんなことを考えていると、先生が口を開いた。まず褒めてくれるのかと予想したら、結構当たっていたような当たっていないような。
「萌美――だっけ?お前は指遣いは正確だけど何か物足りない。パソコンで音を打ち込んだような真っ直ぐすぎる音。正直ずっと聴いていたいとは思わなかった。このままコンクールに出たら銅賞だな。
梨花は前聴いたときより上手くなってる、ピアノ習ったことないくせによくやったと思うよ。感情もこもってて聴いてて飽きなかった。強弱もそれなりについてきたんじゃないか?コンクールで銀賞とれるくらいまではきたな」
厳しすぎる言葉にめぐが呆然としているのを見て、内心やった!と思ってしまった。
そして先生が最後に言い放つ。
「推薦もコンクールも梨花。もう変えようなんて無謀なことは考えるなよ、面倒臭いから。
めぐは残念だけどちゃんと受験して吹奏楽部入んな。入ったとしてもその実力ではコンクールに出れない。じゃあな」
更に厳しい言葉を吐き捨てて音楽室を去っていくのだった。
-
124
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/24(土) 10:56:58 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽譜 梨花side
「なん、で……あたしじゃなく梨花なの……?」
めぐが泣きながらそう呟いた。推薦をもらってピアノのコンクールにも出れるのに、あまり嬉しい気持ちにもならない。
ピアノの技術とか、そういうのはやっぱり大切だと思う。でもそれはめぐみたいに長年ピアノやってる人じゃなきゃ手に入れられないし。でも、ね。
「あたしが言えることではないんだけど、いくらピアノが上手くても感情がこもってなきゃ正直聴いてて楽しくないよ」
「梨花に何が分かるの?! あたしは楽しさなんて求めてない!」
そりゃ、あたしは音楽苦手だしピアノが生き甲斐なわけじゃないけどさ。
そう言ってやりたくなったけれどぐっと飲み込んで冷静に一言言い放った。
「あたしは音楽は人の感情だと思ってる」
人の心を左右する、不思議なもの。
初めて音楽を聴いたとき思ったの。まだ小さい頃だったけど、明るい曲を聴いて楽しいなって笑ったのを覚えてる。
「明るい音楽を聴くと楽しくなるし、切ない曲は聴いてて泣いちゃうときだってある。それほど人の心を動かせるものなんだよ、音楽っていうのは」
不安そうにレオ先輩と未花先輩を見つめると、大丈夫だというように微笑まれ恥ずかしくなった。今かなりサムイこと言ってるよ、あたし。
めぐに一歩近付いて猫踏んじゃったの楽譜を見せた。聴いてて簡単そうに見えて結構難しい曲っていうのはこういうのなんだろうな。
「めぐはこの楽譜を見てどんな曲だと思った?」
「……考えてなかった、そんなこと」
めぐの表情は緩む。その瞬間ほっとしたようにあたしも微笑を浮かべた。
「もう一回いっしょに練習しようよ!」
-
125
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/26(月) 10:31:31 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽譜 side梨花
こういう風に弾きたい、聴いてる人にこんな風に思ってもらいたい。そんな願いを込めながら、あたしとめぐ二人で楽譜を自分たちだけのものに変えていった。
126
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/26(月) 10:37:37 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
>>125
は突然半角英数字でしか入力できなくなってしまったのでいったん投稿しました!
別タブで開くと直っているようなので解決なのかな?
今パソコン重いので更新率下がります!
127
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/27(火) 15:37:34 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽譜 梨花side
「できたー!」
「ふはー!」
もう既に楽譜にはたくさんのことが書き込まれていた。自分たちがどう弾きたいか、聴いてる人にどんな感情になってほしいか、そしてあたしはよくわからなかったけど音楽の法則に違反しないように弾きやすくしたものだ。
「なんか自分たちだけの曲って感じだよね!」
「世界に一つだけのあたしたちだけの猫踏んじゃっただよっ」
あたしとめぐと二人で喜び合うその姿はもうまさに青春のように思えた。そしてこれからが本番だとでもいうようにめぐがピアノの蓋を開けてあたしを手招きする。
にこりと微笑みながらあたしをピアノの椅子に座らせると、楽譜を置いて至極楽しそうに話し出す。
「梨花、早速弾いてみてよ!」
めぐの声に頷き、ふうと大きく深呼吸をした。静まり返る音楽室にピアノの軽やかな音をそっと響かせる。気持ちいいような恥ずかしいような、そんな感覚にどきんと手が固まりそうだった。
でもこの猫踏んじゃったを弾き終えた瞬間その緊張はどこへやら、椅子から勢いよく立ち上がりめぐと手を合わせる。感情の込め方や弾き方一つでこんなに変わるなんて、音楽って凄い。
「すごーい! 梨花はやっぱピアノの才能あるねっ」
「て、ていうか……さっきよりすごい感情が込めやすくできてた」
猫踏んじゃったは簡単そうに見えて軽やかに弾かなきゃいけなかったりちょっと難しいところがあって、コンクール用の楽譜だとちょっと突っかかるところもあったのに。
めぐの言う通りに進めて変えていった楽譜は感情を込めたいタイミングでちょうど弾きやすく感情を込めやすくしてあって、さらりと弾けたような気がした。
「それ、きっとめぐちゃんの楽譜構成が上手いからだよ」
「え……?」
にこにことあたしたちを見守るように眺めていたレオ先輩と未花先輩だったけど、未花先輩が前に出て楽譜を覗き込むようにしながらあたしたちに微笑んだ。
きょとんとするあたしとめぐに未花先輩が苦笑するけれど、未花先輩も詳しいことはよくわからないので無言で引っ込む。そしてレオ先輩にバトンタッチした。
「音楽の法則に違反しないように此処まで楽譜作るっていうのは本当に凄いことなんだよ。あー……この学校に欲しいなめぐ梨花コンビ」
何だかあたしにはよくわからない話しをしているけど、めぐが嬉しそうに微笑んだのを見てあたしも嬉しくなった。
くそー、と小さく呟いたレオ先輩にめぐが真剣な目付きで断言する。
「あたし、絶対青春高校入ります! そして梨花と、レオ先輩と未花先輩と……吹奏楽部のみなさんと一緒に音楽続けます!」
やる気に満ちためぐにあたしは思わずぎゅーっと抱きついた。そしてよろめくめぐに支えられながら叫ぶように言う。
「だいじょうぶ! めぐは絶対受かるよーっ!」
めぐもあたしをきゅっと抱きしめてくれて、二人が親友になったような気がした。
そして先輩の方をちらりと見ると、未花先輩が両手で顔を隠している。けれど、指と指の間から様子は見えるようだ。
「未花先輩、何やってるんですか?」
呆れたような様子であたしがめぐから離れて言うと、顔を赤くしながら言う。
「ああああ続けて続けて……わたしのことは気にしないでー」
「おい未花ー」
レオ先輩が未花先輩をぶんぶん揺らすけど、未花先輩はずっと顔を隠したままだった。ていうかぷしゅーって音が聞こえてきたような気もする。
するとレオ先輩が未花先輩を支え苦笑を浮かべた。
「だめだな、未花ワールドに入っていったからもうしばらく起動しねえよ」
え、じゃあどうするの? あたしたちはもう帰るけど、と思いながら上着を着てバックを持つ。
するとレオ先輩は未花先輩の荷物と自分の荷物を持って、未花先輩を抱きかかえた。
本文ながすぎエラーでたので次にかくー
128
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/27(火) 15:37:47 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
「ごめん、音楽室の電気消してくんね? あと鍵閉めてくれると助かる―――って、あ……鍵職員室に戻すんだけど、場所とかわかる?」
「ごめんなさい先輩、電気は消せるし鍵も閉めたけど職員室は……」
未花先輩で両手、更に抱きかかえたまま荷物を持っている先輩は最早鍵を持つことすらできなかったようでお役に立てずすみませんという気持ちになってしまう。
「あ、じゃあ鍵持ってついてきてくんね?」
「はーいっ」
先輩についていって職員室についたあと、鍵を戻して帰ることになった。
まだ未花先輩は目が覚めないようで、レオ先輩に抱きかかえられたままだ。
なんかあんまり嬉しくないかも。そう思いながら俯きめぐを見ると、めぐもしゅんとした様子でうつむいていた。
もしかしてめぐもレオ先輩のこと好きなのかな。
そしたらライバルになるけど、だれでもいいからこの切なさを語り合いたかった。
「よし、めぐっ! あたしたちはなんかたべてこ!」
「え? あ……うん!」
その話しをした途端、あたしたちの前を歩いていたレオ先輩が振り返った。
「どっか寄ってくの?」
「はいー、レオ先輩は未花先輩どうするんですか?」
「俺の家つれてって目覚めるまで待つしかないかなー……未花の家今多分誰もいないだろうし。で、起きたら家まで送るかな」
「そ、ですか……」
あたしもめぐも俯きながら、とりあえず挨拶をした。
「じゃ、さようなら先輩!いつか会おうねー!」
「ん!いつかっていうか梨花は確実に会うけど……めぐも頑張れよ!絶対一緒に音楽続けような!」
「はーいっ!がんばってきまーす!」
まるで永遠の別れのように最後まで手を振り続けた。
-
129
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/28(水) 21:00:18 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 推薦 side梨花
「えーと、推薦の発表しまーす」
皆ざわついてる朝の教室で、学級委員の琴吹さんが一枚の紙を手に教卓の前に立った。
「桜ヶ丘高校は朝乃さん、緑高校は妃奈さん――――青春高校は」
少しずつ発表されていく。名前を呼ばれた人はやった、と嬉しそうに微笑んでいた。そして青春高校の名前が呼ばれた瞬間皆ざわついた。
「え、青春高校推薦あるの?」
「マジでー? 俺かな(笑)」
「ちょっと、皆静かに!青春高校の推薦は二人います」
琴吹さんが騒がしい皆を静める。けど、二人いるっていうのはあたしも気になった。あたし以外に誰がいるんだろう?
「青春高校は――――」
「梨花さんと萌美さんです」
あたし、と……萌美……めぐ?
いやでも萌美はめぐの本名だし、めぐは実際めぐみって名前だし。
「なんで、あたしも……?」
「あ、それについては手紙が来てるのであとで渡しますね」
にこりと微笑む琴吹さんに、とりあえずよかったと思った。めぐも一緒だ!
×
「ええと……お二人でピアノの楽譜を変えたようで、その様子は見ていなかったらしいんですけど、そのあと梨花さんが弾いたピアノの音が職員室のスパルタな先生の耳まで届いていたようで、レオ先輩と美未花先輩が情報聴取されていたそうなんです」
つまりは……認められたってこと?あたしたちの楽譜。
やったあ、とあたしが微笑むと、めぐも嬉しそうな表情をしていた。
「伝言ありがと琴吹さん!ちなみに琴吹さんはどこの高校行くの?」
「わ、わたしは……岡野高校へ」
岡野高校、といえば秀才で有名な頭いい人しか入れない高校じゃないか。
「推薦っ?!」
「はい、推薦もらえるなんて思ってなかったので……凄く嬉しいです」
推薦って、かなり頭良いってことですよね。
すごいなあと思いながら微笑んだ。
「おめでとう琴吹さん!がんばってね……っ!」
そう言って、あたしとめぐはその場を去った。
-
130
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/29(木) 13:57:15 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 青春高校 梨花side
あたしとめぐは何も話し合ってなんかいないのに、二人して急いで青春高校へと向かっていた。中学は部活をするより遊ぶ方が優先だったから帰宅部で、この時間帯は多分やっと部活が始まったか始まってないかくらいだと思う。
「……あ、入っちゃだめかもしれないね」
「そう、だね……とりあえず行ってみようか!」
あたしが校門の前でぴたりと動きを止めそう呟くと、めぐもこくりと頷き共感してくれた。のに、早く報告をしたいのか容赦無く帰宅部の高校生や野球部員、サッカー部員、テニス部員などの群れの中を進んでいった。
あたしもそれに追いつくように小走りでめぐに駆け寄る。でもじろっと睨まれるような気がして目線が痛くて、そっと俯いた。
×
「校舎内には入れたねー」
「う、うん……めぐ好奇心旺盛すぎ……」
嬉しそうな表情を浮かべるめぐにあたしははあと溜め息を吐き小さな声で言った。その瞬間、後ろから怖い声が飛んでくる。
「おい、お前ら」
う、この声は……。そう思いながらそっと振り向くと、そこには予想通りスパルタ先生の姿があった。相変わらず睨まれるような目付きにびくんと怯える。
けど、その後ろにレオ先輩がいるのを見つけた。よく見るとその隣には二つ結びを揺らす未花先輩も微笑んでいる。レオ先輩は驚いているようだけど、未花先輩はそんなこと考えずにふふっと微笑み手を振ってくれた。
「何でいんの?」
「見学とかさせてもらえませんか?」
面倒臭いと言うようなむっとした表情のスパルタ先生にめぐが満面の笑みを浮かべて尋ねた。スパルタ先生は更に面倒臭そうな顔をして、それでも頷いてくれた。
「好きにすれば」
「やったー! ありがとうございます」
めぐはそう言ってお辞儀をし、レオ先輩と未花先輩の方に駆け寄る。あたしも急いでめぐについて行った。
レオ先輩は相変わらず驚いたような不思議そうな表情をして尋ねてきた。
「え、どうして? 本当は見学目当てじゃないだろ」
スパルタ先生に聞こえないように小さな声で言う。図星だったけれど、めぐは小声で言った。
「あたしも、この高校の推薦もらいました!」
「え、マジで?!」
更に驚いたような表情をするレオ先輩。そしてその隣で未花先輩がぱちぱちと拍手をした。
めぐは嬉しそうに「ね、梨花!」と言いながらあたしに抱き着く。あたしもぎゅっとめぐに抱き着いた。さっき言えなかったおめでとうの気持ちを込めて。
「え、あ……未花の前でそんなことすると!」
「「え?」」
あ、そういえば未花先輩!
前もこんなことしたときにフリーズしちゃったような。あああ今日も両手で顔を隠してる、ばっちり見えてるけど。
「未花、先輩……?」
「きき気にしないで気にしないで!」
そう未花先輩が行ったあと、ぷしゅーという音を鳴らして後ろに倒れそうになってしまった。
まあ予想通りレオ先輩がそれを支えるけど。その瞬間スパルタ先生も振り返った。
「……お前ら何やってんの?つうか未花どうした?」
「フリーズしました、暫く未花起きませんよ」
レオ先輩のがっかりしたような表情にスパルタ先生も考え込んだ。
「せっかく木管の指導押し付けようと思ってたのに……まあいいや、とりあえず未花は保健室にでも寝かせといて」
「はいっ」
さすが吹奏楽部!レオ先輩はどんなときでもしっかりとした返事をしていた。
そしてまた未花先輩を抱きかかえていく。いいなあ、お姫様抱っこあたしもされてみたい。……ていうのは恥ずかしいからオフレコオフレコ!
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131
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/29(木) 14:04:23 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 吹奏楽部 梨花side
「今日はレオが木管と金管の指導をする」
「えっ」
先生が吹奏楽部員の前でそう告げた瞬間、レオ先輩が驚きの表情を浮かべた。実際レオ先輩が金管、未花先輩が木管を指導する予定だったけどあたしたちのせいで未花先輩が倒れてしまったからレオ先輩がどっちも指導することになったのか。
「いや先生……ちょ、冗談でしょ?え、いや……」
「あははっ、レオ先輩かわいー」
パニック状態のレオ先輩に笑いながら可愛いと言ったのはあたしたちの間ではぶりっこという噂で有名な莉子先輩。
茶色い髪はすっごくくるくるしてて、ツインテールにしてピンクのふりふりのリボンで結んでいる。これ校則違反にならないのかな、よくわかんないけど。
「がんばれよ、レオ」
「えっ、あ……はいっ!……え?」
どんなときでもやっぱりレオ先輩は返事が良いのでした。
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132
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/29(木) 14:16:06 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 吹奏楽部 梨花side
「あと今日は音楽関係の推薦でこの青春高校に入学する奴が二人来てるから」
入学する「奴」ってお前らの次は奴かよ!、と思いながら吹奏楽部の先輩たちに挨拶する。
「如月梨花です! 今日はよろしくお願いします!」
「萌美です! よろしくお願いしますっ」
そしてスパルタ先生が音楽室を出て行った瞬間、練習は始まった。
あんなに焦ってパニックだったレオ先輩が急に真剣な表情になって指示し始める。
「今日は合唱部が第二音楽室使ってるから、三年一組の教室にフルートピッコロオーボエ、三年二組にクラリネット、三年三組にサックス系で二年一組にトランペット、二年二組にホルン、二年三組にトロンボーンが行ってください。音楽室はチューバとユーフォと打楽器です」
ぱぱっと指示をしたあとみんな大きな声で返事をする。凄いなあと改めて思った。
そしてそのあと、レオ先輩があたしたちのところにくる。
「パー練させながら指導して回るんだけど、一緒に来る?」
「はいっ、行きます!」
どうやらそれぞれの教室でレオ先輩が来るまでパートリーダーの指示でパート練習や個人練習をして待ってて、レオ先輩が来たら確認や指導をパートごとにしていくらしい。
なんだかおもしろそうと好奇心混じりについていくことにした。
-
133
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/30(金) 11:29:34 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / パート練習 梨花side
最初にレオ先輩が向かったのは三年一組だった。その教室からはフルートの綺麗な音色やピッコロの目立つ音、オーボエの小鳥のような音が聴こえる。
レオ先輩とあたしたちが教室に入った瞬間、皆楽器を吹くのをやめて椅子から立ち上がる。そしてフルートを持っているあのぶりっ子っぽい莉子先輩が言った。
「よろしくお願いしますっ!」
そのあとに続いて他の部員たちも挨拶する。そんな状況にあたしたちはドキドキしているというのに、レオ先輩は何事もなかったかのように皆の前に立った。
一人一人にドの音らしきものを吹かせていった。なのに三番目に吹かせた人のところでレオ先輩が止まる。
「友紀、チューニングやり直し」
「はいっ」
友紀と呼ばれる先輩が小さな機械のようなものを持って教室を出た。確かチューナーっていうんだっけ?吹部の友達から教えてもらったような気がする。
全員がチューニングの確認を終えて友紀先輩も戻ってきたところで、レオ先輩が一人の女の子を立たせた。上靴の色からして一年生だ。
「紗里奈が一番チューニングの音合ってるから合わせて」
「はいっ」
そんなことを繰り返して合奏曲の練習もしたあと、三年一組の教室を去って行った。
でもこれが終わったころに思った。
先輩一人じゃ時間が足りないよ、と。
-
134
:
燐
:2012/03/30(金) 11:30:40 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
ねここ>>今まで読めなくてごめんm(__)m
今から?一気読みするので、読み終わったら感想書くわw
135
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/30(金) 11:52:54 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / パート 梨花side グロいというかなんかあれ。予想外の展開にねここも吃驚だ。
「あたしっ、一回未花先輩の様子見に行ってきますね!」
「え?ああ……」
早く未花先輩を起こしてレオ先輩を少しでも楽にしてあげなきゃ、そう思いながら走りその場を去って行った。
あわててめぐもついてきたのが見えて、めぐも同じ考えなんだなと思った。
「未花先輩っ!」
「…………んぅ、」
保健室のドアを開けて未花先輩をぐわんぐわん揺らすと迷惑そうな声で唸ってきた。それを気にせずに無理やり起こす。
「……ふぇっ! あ、えと?」
「もう、未花先輩! 今レオ先輩が一人で全部のパート指導しに行かなきゃいけないんですよ! 未花先輩は木管の指導でしょ?」
ようやく目が覚めた未花先輩に叫ぶように言う。すると未花先輩は行かなきゃ、と呟きながらとりあえずフルートパートたちがいる教室に向かった。
あわてて三年一組に入ると皆しいんと静まり返る。皆の前に出てきて未花先輩が頭を下げた。
「ごめんなさいっ、遅れちゃって……!」
「本当だよお、パートリーダーが遅れてぇ……」
嫌味ったらしくそれでもぶりぶりしながら言い放ったのは予想通り莉子先輩だった。
「ご、ごめんなさっ、」
「未花ちゃんはいいよねぇ、先生からの信頼もあついし遅れても怒られないしぃ……レオ先輩と仲良いしね」
今関係ないだろ、そんな言葉があたしの口から出てきそうで必死にそれを飲み込んだ。
そしてあたしが莉子先輩にむかって言う。
「未花先輩は倒れちゃったんですよ。なのに遅れて怒られたりするんですか?」
「り、梨花ちゃんっ……仕方無いよ、体調管理ができてないのは自分の責任だから……ね?」
キッと莉子先輩を睨みつけると、未花先輩があわててあたしを止めた。
でもどうやら、莉子先輩はもっと調子に乗ってしまったようだ。
「そうよねぇ、わかってるじゃない。体調管理ができてないパートリーダーなんてそんなの認めないから」
「……ごめんなさい」
莉子先輩が未花先輩に近づく。二人の間に何かあったのか未花先輩はびくんと怯えているようだった。
「……もう一回倒れちゃえばいいんだわ、今度は永遠にね」
にやりと不適に微笑む莉子先輩に未花先輩が震え始めたのがわかった。
そして莉子先輩の腕が未花先輩の首に伸びる。
「本当にキライッ! あんたなんて……」
だめだ、これじゃ未花先輩が本当に殺されちゃう。
「り、こちゃ……や、めっ」
苦しそうな未花先輩の表情を見てどうしようかと思った。
そして思わずその場で叫ぶ。
「だれか助けて! 未花先輩が!」
その瞬間、レオ先輩が三年一組の教室に入ってきた。
よっぽど走ったのか、息切れしている。
「り、こ……?どうして、」
「……っ、レオ先輩」
未花先輩の首を絞める力が弱まったのか、未花先輩が咳をしているのがわかり心配になる。
でもまだ首に手は添えられたままだ。
「……どうしてこんなこと、」
「未花ちゃんが憎いからだよぉ、それじゃだめ?」
またぶりっこの口調になって手にそっと力をいれはじめた。
未花先輩が目から涙をこぼす。
「やめろ、」
「やめてあげてもいいけど……交換条件付きだよ?」
「なんでも言うこと聞くからやめろよ!」
「うん、じゃあ―――莉子と付き合って!」
莉子先輩がかわいらしい笑みを浮かべた。
レオ先輩が悩み始める。未花先輩をとるか自分をとるか。
「……早く決めなきゃ本当に殺しちゃうよ? 3、2……」
「付き合うからっ……!」
残り二秒あたりでかなりキツく絞めたのか、もう未花先輩の意識はなかった。
息してるかな、と少し不安になる。
「未花、先輩……」
「………………」
返事をしてくれない。
レオ先輩があわてて未花先輩のところに駆け寄った。
「未花っ、未花!」
「………………」
死ん、だ?
ちがうよね?死んでないよね?
「未花先輩!」
「未花っ!」
「………………」
-
こんなつもりじゃなかったんだ!
136
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/30(金) 11:53:53 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
>燐
いやいや全然大丈夫!
>>135
あたりがちょっとあれかも。
うん、本当に吃驚した←
137
:
燐
:2012/03/30(金) 12:59:17 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
ねこっぴ>>読んだぞw
つか、莉子むかつくなw
138
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/30(金) 17:05:08 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
>燐
おつかれ!
うざキャラ登場ですw
139
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/30(金) 19:14:18 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 病院 side梨花
「…………未花先輩」
屋上にぽつんと一人でいた。
未花先輩のことはめぐが先生に報告してくれたようで救急車で運ばれていった。
屋上で未花先輩の名前をぽつんと呟くあたしの声は孤独で一人ぼっちで、虚しく消えていってしまった。
専門的なことがわかっていれば未花先輩を助けられたかもしれない。
めぐみたいに冷静な判断が出来たら未花先輩が気を失ってしまう前に止められたかもしれない。
レオ先輩は他のパートのことで忙しかったんだし、めぐは冷静に行動だってしたし……
あたしが一番行動できたはずなのに、何にも出来なかった。迷惑ばっかりかけちゃった。
「あたしのせいだ……」
あたしのせいで未花先輩が気を失ってしまった。
あたしのせいでレオ先輩に迷惑をかけてしまった。
あたしのせいで――、あたしのせいで――。
「未花先輩いぃっ……!」
いくら泣け叫んだって泣き崩れたって、その声は誰もいない屋上に虚しく消えていくしかない。
両手で顔を覆って泣き始めたその瞬間に、屋上のドアがキイ、と音を立てて開いた。
「梨花……」
「め、ぐぅ……」
声と足音でわかった。柔らかくて優しい声にそっと包まれていくような気がする。
「先生が付き添いでついて行ったよ……レオ先輩も行きたかったみたいだけど、指導があるからね」
「……この状況で続けるの?」
「…………うん、そうらしいね」
レオ先輩だって顔隠してたし絶対泣いてたよ、無理だよ絶対。
そう思いながらあわてて屋上を飛び出ていった。
×
レオ先輩は今トランペットの指導をしていた。
教室のドアからそっと覗いてみるけれど、レオ先輩はいつも通りのように見えた。
パー、と、トランペットの真っ直ぐした音が響いた。
ただ微かに音にうねりがあるのを感じて、音程がちがうということにあたしでさえも気づいた、のに。
「…………」
「……レオ、先輩?」
レオ先輩は何も指摘せずぼーっと病院が建っている方を見ていた。
やっぱり気になるのか。よくよく見ると手が微かに震えてるのがわかった。
「……っ、レオ先輩!」
「……梨花」
泣きじゃくった顔のあたしが先輩の前に現れると先輩は驚いている様子を見せた。
「……そのっ、個人練習……じゃ、だめなんですか?」
あたしが口出ししてもいいなんて思ってない。
でも、それでもレオ先輩に無理させたくなかった。
「……ん、そうだね」
そうふっと微笑むレオ先輩は何処か寂しげな表情をしていた。
-
140
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/30(金) 19:45:56 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 病院 side梨花
突然先輩が左手に握っていた携帯からバイブ音が聞こえてきた。そして先輩が三秒もしないうちに携帯を耳にあてる。
「先生っ?!」
どうやら先生から未花先輩の様子を伝えてもらっているらしい。
先輩はあたしたちに背を向けてしまっているからどんな状況なのか、良い報告なのか悪い報告なのかが全然わからない。
「……そう、ですか…………はい、わかりました」
深刻そうな声に聞こえたけど、どうなんだろ。
先輩が携帯をおろす。
「…………未花、命に別条はないって……」
安心しているのか、レオ先輩が微かに涙を流しているのがわかった。
一旦トランペットをパートリーダーの指導に任せてレオ先輩が別室にあたしたちを呼ぶ。
「梨花とめぐとか部員たちには本人の希望で隠してたんだけど、未花って元々身体普通よりちょっぴり弱くてさ」
未花先輩、が?
いっつも元気そうなのに。
「でも俺たちの演奏を聴いて吹奏楽部に入りたいって思ってくれたらしくて、病気のこと俺に打ち明けてくれてさ。最初はピアノとか打楽器進めたんだけど、フルートが良いって興味持ち始めて」
何だか先輩らしいなあと聞いてて微笑ましく感じた。
「さっきは首絞められたこともだけどみんなに迷惑掛けたって考え込んじゃってパニックになって発作起こしちゃったみたいだけど、点滴もしたし大丈夫だって」
「よ、かったあ…………」
ふうと安心の溜め息を零した。
そしてめぐが微笑む。
「じゃあ、帰りお見舞い行きましょうよ!」
「だな!」
「うんっ!………て、いうかさ……莉子先輩って殺人未遂とかの容疑にならないの?」
あたしが一言、気になって聞いてみた。
すると先輩は苦笑して答える。
「それは被害者の未花が希望しないみたいでさ」
殺されかけたのに、
死にそうだったのに、
未花先輩はやっぱりいい人だと思った。
-
141
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/30(金) 20:25:48 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 病院 side梨花
無事に部活が終わり、電車に乗ってあたしとめぐとレオ先輩の三人で未花先輩のいる病院に向かった。
先生もまだ病院に残ってくれてるみたいで、何だかんだ言って本当に未花先輩は愛されてるな、と思う。
何か、未花先輩がいないだけであたしたち全然レオ先輩と溶け込めないな。
そう思いながら無言で電車を乗り終えたのだった。
×
この病院はお姉ちゃんの記憶がなくなったときに来たことがあったけど、相変わらず真っ白だなーと少し呆れたくなってきた。
まあ、清潔そうに見えるし汚れとかもわかりやすいって面で病院で使ってるのはわかるけどさ。
「……未花?」
「あ、どうぞー」
未花先輩の名前が書かれたプレートがはってあるドアにコンコン、とレオ先輩がノックした。
中から未花先輩の声が聞こえてきて、少しほっとする。
「未花っ……お前無茶すんなよっ!」
レオ先輩があたしたちには見せない表情で未花先輩を見つめたのを見てどきんとした。
愛おしそうな、大好きだって言ってるような表情。すごく格好良い。
「へへ、ごめんなさーい」
「……親は?」
へらりと笑う未花先輩の顔色はそこまで良くはなくて、ちょっと心配にはなった。
けれどレオ先輩の一言に未花先輩の表情から一瞬笑顔が消えてしまった。
「連絡はしたけど来れないって……で、でも別に気にしないでね!」
お母さんもお父さんも、仕事忙しいのかな?、と思いながら無理に微笑む未花先輩を見て胸がズキリと傷んだ。
本当は寂しいはずだとは思うけど何も出来ないあたしが何だか虚しくなってくる――――そのとき、ふわりとレオ先輩が未花先輩を抱きしめた。
「……俺が守る」
か、格好良すぎる!
でも目の前でそんなことされたらあたしたち俯くことしかできないよ。
「……ありがと先輩」
未花先輩が頬を赤らめているのがわかった。
何かもう本当にこの二人付き合ってんじゃないかな。
「……明日には退院できるって」
「そっか、よかった」
よかった、と安心したあとあたしたちも未花先輩に駆け寄った。
「大丈夫ですか? 先輩……」
「うん、大丈夫ー」
元気だよ、と微笑む未花先輩の裏にはたくさん大変なことがあるんだとわかった今、何故かもっと親しくなれたような気がして嬉しくなる。
「……先輩大好き」
「え、えと……うん! わたしも大好きだよ、梨花ちゃんもめぐちゃんも。あ、レオ先輩もね!」
ふふっと微笑む未花先輩の好きの気持ちにん?と不自然さを感じた。
それに対しあたしより先にめぐが突っ込む。
「いやいや、未花先輩のレオ先輩に対する好きはあたしたちへの好きとはちがうでしょ?」
-
142
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/30(金) 20:53:41 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 恋愛 side梨花
「……そうなのかな?」
不思議そうな表情をして未花先輩が首を傾げる。天然なのか鈍感なのか……あ、どっちもか。
そしてくかーと眠るスパルタ先生とレオ先輩もいるというのに未花先輩が恋バナらしきものを始める。
「正直よくわからないんだ、レオ先輩への気持ち」
あ、ちょっと興味あるかもその話し。
そう思いながら身を乗り出してわくわくと聞く。
「前ね、友達に未花はレオ先輩のこと好きなんでしょ?って聞かれて……でもやっぱりよくわからなかったの」
その友達ナイスだけど未花先輩やっぱり鈍感なんだなあ。
めぐの方をちらりと見るとめぐも興味があるのか身を乗り出していた。
「たしかにレオ先輩のことは好きだよ、優しいし格好良いとも思うしおもしろいし……何よりこんなわたしのことを助けてくれた。
発作とか起こしちゃうし、両親は全然帰ってこないし……こんな面倒臭いわたしの存在を認めてくれた」
俯きながら話す未花先輩は泣いているようにも思えて、がんばれ、と思ってしまった。
「だからわたしの中でレオ先輩はお母さんよりもお父さんよりも大切で信頼できる存在で……これを好きっていうのかがよくわからなくて」
初めて未花先輩があたしたちに心を開いてくれたようで嬉しかった。
そしてめぐが未花先輩に言い放つ。
「未花先輩って案外面倒臭い人ですよね」
「……うん、そう言われると思ってた」
「悪い意味じゃないですから! あとその気持ちは好きなんかじゃないですよ」
好き、じゃないの?
ていうかばっさり言うなめぐ!
「もうそれ、言葉じゃ表せないくらい未花先輩はレオ先輩のこと大好きなんですよ」
そういうことか。
でもそっちの方がしっくりくる……ていうか未花先輩の告白を代わりにめぐが言っちゃってるってどういうこと!
「ささ、じゃああとはレオ先輩と未花先輩でごゆっくり!……と言いたいところだけど見させてもらうよ最後まで!」
テンションマックスなめぐが病室の椅子に座った。
でもレオ先輩が頬を赤らめて言う。
「未花の体調よくなったら今度二人で遊びに行こうよ、その時に伝えたいこと伝えるから、さ」
「は、はいっ……」
なんだー、この場で告白じゃないのかー
ちぇっ、つまんなーい、と呟いたけど、幸せそうな二人の笑顔を見てまあいっか、と思った。
-
143
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/01(日) 15:01:12 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 告白 side梨花
お大事に、と言いながら未花先輩と別れを告げ病室を出た。もう時刻は八時を回っていて、いい加減帰らなきゃお姉ちゃんやお母さんに心配されるなと思い小さく溜め息を吐く。
「……あの、さ」
怒られたらどうしよ、と考えているとレオ先輩が恥ずかしそうに少し頬を赤らめてあたしたちに話し掛けてきた。
何の話しだろうかと興味を示すと、めぐが面倒臭そうに欠伸をする。
「告白って、やっぱ直接が嬉しい?」
「は?」
予想外の質問に思わず声を漏らす。けどめぐは一気に興味を示しぶんぶんと上下に首を振った。
こういう恋バナになるといきいきするよね、めぐって。という言葉を飲み込んであたし的な意見を呟くように言う。
「あたしは……好きな人に告白されるって経験はないからよくわからないけど、気持ちがこもってれば苦手な人からの告白も嬉しいですよ。
でも直接っていうのは本当勇気いりますよね。その場で告白されても反応に困るっていうか――――ふぐ、」
結論的に直接はあまり好きじゃないという話しだったのだけど、突然めぐがあたしの口を塞いできた。
そして耳元で凄く小さな声の低音ボイスで囁くように怒られる。
「二人は両思いなんだから直接ラブラブになった方がおもしろいだろばあか」
怖っ、と小さく呟くとこれ以上あたしの話しをしたらレオ先輩が自信喪失しちゃうなと思い苦笑して適当に話しを終わらせた。
でもレオ先輩だってモテるんだし、そういうのは得意そうに見えたんだけどなあ。
「……未花ってさ、結構モテるんだよ。だから告白されたこともいっぱいあるだろ? でも、そういう他の人の告白になかったような印象の強い告白をしたいなーって考えてて」
未花先輩は結構どころじゃなくモテますよー、とツッコミをいれたくもなったけど、先輩の真剣な考えにぐっと飲み込む。
実際告白したことないくせに恋愛に詳しいめぐがキラリと目を輝かせて言った。
「じゃあ告白と一緒に一生残るものをプレゼントしたらどうですか? プロポーズみたいだけど指輪とか、ネックレスとか!」
「おー、それいいかも! どっか寄ってこうかなー」
「え、あたしも行く! 梨花はー?」
こ、これからまた何処かに行くのか……。
でも気になるしめぐとレオ先輩二人っきりだと何かあったら危ないしな、と考え帰ったら怒られることを覚悟して二人についていくことにした。
「あたしも行くよー」
「つき合わせちゃってごめ、」
「謝るのは振られてからにしてよ、先輩」
「え? 俺振られんの?」
「さあねー」
めぐが何故か振られる前提の話しをし始めたので自信喪失させてるのはめぐじゃないかと言いたくなったがこの二人面白いなー、と思いながら流してしまった。
…………あ、お母さんとお姉ちゃんからメールたくさんきてる。連絡だけでもしとくか。
「やっぱアクセサリーですよねー」
「俺ネックレスがいいと思うんだけど」
「いいんじゃないですか?」
二人の会話に入らずに眺めているだけで十分楽しめたので後ろでぷっと笑いながらついていった。
×
長すぎエラーでたのでいったんきる!
144
:
名無しさん
:2012/04/01(日) 15:01:31 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
「これ未花に似合いそう」
「え? どれどれー?」
アクセサリーショップ内を三人で見て回っていたけど、先輩が突然ガラスケースの前で止まりそれを眺め始めたのであたしたちも駆け寄った。
金色のハートの輪っかになっていて、真ん中にピンク色のダイヤのようなものが飾ってあるもの。
あまり着飾ってないのに誰もが憧れちゃうような可愛らしさを持っているところが未花先輩にそっくりだと思った。
「……値段結構高めだよ先輩、大丈夫?」
「バイト頑張んなきゃな! とりあえずこれ欲しい」
店員さんを呼びそのネックレスを買おうとしていると、人懐っこいレオ先輩だからか店員さんと話しが弾み始めた。
「告白するんですかー!」
「そうなんですよ、一つ年下の子に」
「あれ? 今大学生とか?」
「や、高校二年です」
「そうなの? じゃあ……」
小さくきこえる会話にレオ先輩は凄いなあと思った。
そしてレオ先輩がお金を出すけれど、それは少し少ないようにも思える。
「ありがとうございましたー」
ネックレスを買い終えた先輩に尋ねた。
「値引きしてもらったんですか?」
「ああ、店員さんと高校生だって話ししたら内緒で結構値引きしてくれたよ」
すごいなあ、先輩。
そう思った瞬間、先輩の携帯が鳴り出した。電話だ。
「先生からだー……はい、…………え?」
突然先輩の表情が曇る。
「はい、すぐ行きます」
携帯を切ったあと、先輩が深刻そうに一言告げて走り出した。
「未花、容態が急変したって。発作が酷くなったのかもしんない……とりあえず病院行ってくる」
-
145
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/01(日) 15:23:38 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 病院 side梨花
「未花は?」
レオ先輩は電車に乗ってるときに帰った方がいいって言ってくれたけど、やっぱり未花先輩が心配でついていくことにした。
病院について未花先輩がさっきまでいた病室に入るけど、そこには先生がいるだけだ。
「緊急治療室に行った」
「……どうして」
無言になるレオ先輩の気持ちを代弁するようにぽつんとあたしが呟いた。
どうして未花先輩がこんな目に遭わなきゃいけないの?
どうして未花先輩が苦しい思いをしなきゃいけないの?
あたしがこんなこと考えちゃだめなんだろうけど。
一番苦しくて辛くて、どうしてって思ってるのは未花先輩なんだろうけど。
「……未花の両親はさ、未花が中学二年のときに事故で死んだんだよ」
「…………え?」
レオ先輩でさえそのことを知らなかったのか、先生の言葉に凄く驚いているようだった。
「だから今未花の世話してんのは親戚らしいよ。でも親戚の家には幼稚園年中くらいの子がいたらしくてさ、未花はいらないってよく言われてたんだって」
ひど、い。
何で未花先輩がそんな目に。
「さっきレオに仕事でこれないって言ったのも嘘だよ。小学一年生の子がいんのに夜まで仕事するわけないだろ?」
「じゃあどうして来なかったんですか?」
レオ先輩が怒りに満ち溢れた表情を浮かべてそれでも冷静に尋ねた。
「勝手に未花の携帯見ちゃったんだけどさ、「迷惑かけるな、自分でどうにかしろ」だとさ。……仕方無いから金はあたしが払っといてやったよ、未花に不安な思いさせたくないし」
先生は未花先輩のお母さんような存在だったのかとノンキなことを考えていると、レオ先輩が小さく呟いた。
「未花、どうして……」
どうして自分に話してくれなかったんだろう。
きっとレオ先輩はそう思ってる。
「…………俺、やっぱり告白するのやめるよ」
どう、して?
-
146
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/01(日) 15:42:05 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 未花のこと 梨花side
「……レオ、本当に告白しないのか?」
特に何にも興味を示さないはずの先生が、厳しい声でレオ先輩に問い掛けた。
レオ先輩が小さく震えながら、それでも告白はしないと言うように頷く。
「大事な話しもできないような頼れない男、未花の彼氏になんかなれないですよ」
無理に苦笑するレオ先輩の表情に胸がズキリと痛んだ。
レオ先輩と未花先輩の幸せそうな顔にどれだけ救われただろうか、そんなことを思うと、やっぱり二人には幸せでいてほしいと思ってしまう。
「……未花はお前に頼れなかったんじゃない。余計な心配してほしくなかったんだよ、大切な人だったから」
「え…………?」
そういえば、未花先輩はレオ先輩のことが好きかどうかはわからないだけで大切な人だとは言っていたし。
あたしも好きな人がいたらこんな心配な話ししないと思う。
「あたしと未花は結構放課後とか話して帰るんだけどさ、いっつもレオの話しが出てきたよ。本当にレオと出会えてよかったって何度も言ってた」
ていうかそんなに親しい関係だったのかその二人は。
でも、こんな嬉しい話しをされているレオ先輩は俯いて泣いているように思えた。
「でも……守ってやれなかった」
レオ先輩は未花先輩のことを大切な後輩じゃなくてずっと好きな人として見ていたのか、とても悔しそうだった。
やっぱりこんな奴が彼氏じゃだめだと思ってしまうのか、まだ告白することをためらっている。
「そうだよ、お前は未花を守ってやれなかった。その事実はどんなに自分を責めたって変えられねえんだよ馬鹿」
う、先生スパルタすぎる。
そう思いながらも、そこまできつく言ってもらえるのがむしろレオ先輩はよかったのかもしれない。
「今まで守ってやれなかったけど、この話し聞いたんだからちゃんと未花のこと守れよ、彼氏として」
先生の厳しい目線がレオ先輩を睨みつける。
それでもレオ先輩は決心したのか、大きな声で返事をした。
「はいっ……!」
突然ガラガラ、と音を立てて看護師さんが入ってくる。
「未花さん、まだ目を覚ましません……お連れの方々も見守っててあげてください」
真っ先に病室を飛び出たのはレオ先輩だった。
それにつられてあたしたちも行く。
「未花っ……」
苦しそうな未花先輩の様子に思わず目をつむってしまった。
「未花、未花っ……!」
また笑ってよ、先輩!
あたしたちのことも笑わせてよ!
「未花――――っ!!!」
「………っ、れ、お……せんぱ、っ……」
未花、先輩。
苦しそうなのにあたしたちを安心させるようにふわりと微笑んだ。
段々落ち着いてきてるのがわかる。
「未花……っ、好きだよ」
「うん、わたしも……レオ先輩大好き!」
-
147
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/02(月) 16:05:31 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 先輩 梨花side
「迷惑かけて本当にごめんなさい!」
未花先輩の声が病室に響いた。
あのあと段々落ち着いてきた未花先輩は一度眠ってしまい、起きるまであたしたちは待っていたのだ。目の前でペコリと頭を下げる未花先輩に真っ先にレオ先輩が言った。
「本当迷惑だったよ」
「っ……ご、ごめんなさい!」
レオ先輩の冷たい表情を見てわあ、珍しいとふざけ半分に思ってみたけど、これからレオ先輩が何を言うかなんてちゃんと分かっていたからにこにこ微笑んでいた。
でも鈍感な未花先輩はそこらへんのことを上手く考えられなくてただひたすらと涙目になり謝り続ける。
「本当に……辛いんならちゃんと辛いって伝えろよ!」
「え……?」
レオ先輩がぎゅっと未花先輩を抱きしめた。抱きしめたその手は安心しているのか小さく震えているようにも思える。
そりゃあ、好きな子が死にそうになったんだもん。怖かったよね、レオ先輩でも。
「もっと俺を頼れよ!」
「……レオ、せんぱっ……」
「頼る」という言葉をずっと求め続けていたのか、自分の居場所を求め続けていたのか。
未花先輩はその言葉を告げられた瞬間泣き出してしまっていた。
それに続いてあたしたちも微笑む。
「そうだよ未花先輩! あたしだって後輩だけど未花先輩の話しくらいなら聞けるし、もっと頼っていいんだよ?」
「あたしだって……レオ先輩や梨花に比べれば全然頼りないかもしれないけど、でも頼ってほしいよ!」
未花先輩を受け入れてくれる居場所はもう此処にあったのに。
ちょっと見失っちゃっただけで、ちょっと道に迷っちゃっただけで。
でもね、やっとの思いで見つけた居場所はこんなにも暖かくて優しい――――
-
梨花編おわりかなー?
おわらせたかったけどまだ続くかもw
ちなみに百花(だっけ?おねえちゃん/名前わすれt((
視点だったときは百花編だったんです!
今は超長い梨花編なんです!
詳しくは次レスで!
148
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/02(月) 16:25:12 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
▼Loveletterの設定について
ようし、お姉さんが詳しく説明してあげよう!的なノリでいきますねここのような何かです、どうも(ry
最近書いているのはside梨花、つまり梨花視点のお話です。
で、前まで書いてたのが梨花のお姉ちゃんの百花視点のお話。
それぞれのお話でメインキャラとサブキャラが違います!
ではそこからまとめていこう★(ry
[百花編のキャラクター]
メインキャラ:百花、俊太
サブキャラ:芽衣、妃芽、梨花、海斗、中村先生
>>2
-
>>63
の途中までが百花編です!
このお話では百花×俊太、妃芽×海斗でくっつきましたね。
[梨花編のキャラクター]
メインキャラ:梨花、めぐ、レオ、未花
サブキャラ:百花、俊太、中村先生、スパルタ先生
こんなもんかな★(ry
以上!……短いw
うぇい!
さよなら!
149
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/02(月) 22:55:23 HOST:e0109-49-132-7-239.uqwimax.jp
Loveletter きみのおくる愛の手紙 / デート side梨花
「……あ、ていうかレオ先輩」
「ん?」
泣き出す未花先輩に釣られてあたしもつい泣いてしまった。
それでふいに思い出したことがあり、涙を拭いながらレオ先輩にこそりと話し掛ける。
「ネックレス、渡さないんですか?」
「…………あ! 忘れてた!」
レオ先輩がごそごそとバックの中からお洒落な袋を取り出す。
どうやら此処で告白するようで、何だか告白を目の前にするのも気まずいなと思ったけれど動こうとはしなかった。
「未花」
「なあに? 先輩」
未花先輩はレオ先輩に名前を呼ばれてやっと涙を止めて手で拭う。
そしてレオ先輩が真剣な表情で告げた。
「未花のこと、好きだよ。友達じゃなく後輩じゃなく、恋愛感情でずっと大好きだった」
レオ先輩が差し出した袋を未花先輩は泣きながらそっと受け取った。
そしてそのままレオ先輩に告げる。
「わたし馬鹿だから……ずっとレオ先輩の気持ちにも気づけなくてっ……」
拭っても拭っても溢れ出す未花先輩の涙はすごく綺麗に思えた。
一生懸命話す未花先輩にあたしも思わず泣きたくなる。
「でもね、もう気づいたよ。この気持ちが何なのか、ちゃんとわかったよ」
未花先輩が涙を拭っていた顔を上げて告げる。
「わたし、レオ先輩のことが恋愛感情で好きです」
抱きしめ合う二人を見て幸せそうでいいなって思った。
あたしも一時期レオ先輩を見ていたけど、あれはきっと憧れだったのかもね。
辛くて悲しくて、それを心の奥底に押しつぶして笑いつづけて。
でもね、もうそんな無理しなくていいんだよ。
どんな貴方でも受け入れてくれる大切な仲間が出来たから――――
-
150
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/04(水) 09:19:22 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / のーたいとる side梨花
「た、ただいま〜……」
未花先輩とレオ先輩がめでたくくっついたあと、あたしとめぐは親に怒られること覚悟で家に帰った。
けど未花先輩もレオ先輩も自分のせいだと言って譲らなくて、未花先輩も外出許可をもらってあたしたちを家まで送ってくれた。
「梨花! どこに行ってたの?! もう夜中の二時よ?!」
お母さんの怒鳴り声が夜中の街に響いたけれど、未花先輩が突然あたしの前に出てきてお母さんに頭を下げた。
「ごめんなさいっ! わたし、部活の途中に発作で倒れちゃって……病院まで付き添ってもらってたんです」
「え……?」
そんな未花先輩に戸惑うお母さんだけど、レオ先輩も未花先輩の隣に出てきて頭を下げる。
「俺が部員の危険を考えずに行動したせいです。梨花を巻き込んでしまって本当にすみませんでした」
流石青春高校の吹奏楽部だ、と思った。
返事もよくて挨拶もよくて、謝るのだって何でこんなに立派なんだろう、と。
でもよくよく考えたらあたしお母さんにもお姉ちゃんにもお父さんにも推薦の話ししてないんだよなー。
今日言うか、と小さく心の中で思ったあと、あたしもお母さんに謝った。
「先輩たちは悪くないの! わたしがもっとちゃんとしてれば先輩たちに迷惑かけなかったしお母さんたちを心配させずに済んだから……本当にごめんなさい!」
頭を下げたあと、そっとお母さんがあたしの頭を撫でたような気がした。
そして驚いて頭を上げると、そこにはふっと優しく微笑んだお母さんがいる。
「……素敵な先輩に出会えたのね」
「え……?」
「そういう理由なら許す! ずっと先輩たちも一緒だったんでしょ?」
「うん!」
優しく話し始めるお母さんに、あたしもレオ先輩も未花先輩もすごく驚いた様子を見せていた。
「こんな立派な先輩たちが一緒なら夜遅くまで外出してても安心だもの」
レオ先輩と未花先輩もよかった、と微笑む。
そしてお母さんが未花先輩に告げた。
「発作ってひどいの?」
「え? ……うーん、どうなんでしょうね」
へへっと微笑む未花先輩はどこか寂しげな表情をしていた、ような気がした。
そしてここまで送ってくれたレオ先輩たちに手を振る。その瞬間、未花先輩が小さく呟いていた言葉があたしにはハッキリと聞こえた。
「……家族っていいな」
「未花?」
レオ先輩も聞こえたのかさらりと未花先輩の頭を撫でる。
そしてこっそり盗聴したから聞こえたけど、レオ先輩が未花先輩に告げていた言葉がすごく羨ましいと思った。
「俺が未花の家族になるよ」
「え……?」
-
151
:
燐
:2012/04/04(水) 09:52:32 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
ねこっぴ>>また一気読みしたw
つか、未花さん…鈍感ですね〜w
152
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/04/04(水) 18:01:21 HOST:e0109-49-132-29-5.uqwimax.jp
>燐
ねここの好みが未花みたいな子なんだよ!←
レオも好みだけd((
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