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Loveletter
1
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/13(金) 20:55:56 HOST:w0109-49-133-147-8.uqwimax.jp
どうも、ねここです(´・ω・`)
今回のお話、Loveletter(ラブレター)はタイトルでわかると思うけど恋愛/学校もの
プラス友情とかギャクとかシリアスとかちょこちょこ詰め込みます
注意書きはしますがシリアスとか狂ってるの苦手な方は残念ながら見ないでね(´・ω・`)!
まあほのぼのをメインにいきたいと思っているのでできる限り控えめにするけれども
更新率はねここが只今ちがうものにはまってしまっているので少なめ(´・ω・`)
ですが、ひまなときはがんばって更新しますよ!
コメントとかアドバイスとかとか!
いろいろ受けつけてますが基本的なこと(荒らし、中傷、一行レスetc...)とか守れてない方はスルーさせていただきます
よろしくおねがいします(`・ω・´)
2
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/13(金) 21:37:46 HOST:w0109-49-133-147-8.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / はじまり
部活に勉強、ずっと大好きな親友もつくって恋愛もして
そんなきらきらとした期待と緊張に溢れる高校一年生の春がやってきた
志望校は先輩たちにもかなり好評価だった青春高等学校
その名の通りまさに青春!って感じの高校生活を送るには最強の学校
ただ一つ欠点があるとしたら馬鹿は入れないということ
必死に勉強して、運とかもいろいろ兼ねて選ばれた人だけが入れる
そんな青春生活
夢みたいに楽しそうな生活
それをあたしも送ることになりました
×
「やったあああああああぁぁぁあぁあっ!
あたし青校受かってるよ!高校三年間青春生活送れるよっ!」
隣で数字の書いてある紙を持ち楽しそうに叫んで飛び跳ねてるのは友達の芽衣(めい)
青校、もしくは春校と呼ばれる第一志望の学校に受かったらしく、ふうと溜め息を吐いて微笑んだ
「おめでと」
「ありがとー……って、百花(ももか)はー?まさか受かってないのっ?!」
102と書かれた小さな紙と学校に貼り出されてる受かった人の紙を交互に見比べて三回目くらい
でも、どうしても102の数字は見当たらなく諦めかけていた
「うーん、そうみたい……
残念だね、高校はいっしょじゃないみた、――――――」
ふふっと苦笑したその瞬間、芽衣があたしの腕を力強く引くと一気に校内に乗り込んで走っていった
走ること三分、たどり着いた場所は校長室だった
「め、芽衣………?早く戻ろうよ、何でこんなところに、」
はあはあと息切れした様子を見せながら膝に手をつくと、芽衣が勢い良く校長室のドアを開けた
「校長先生、102番って受かってますか?
受かってますよね?貼り出されてるのに載っていないようだったんですけど、載せ忘れですよね?」
まさかの、
あたしを無理矢理受からせようとする行為をこの子は実行しているのか
「102番………?
ああ、受かってるよー」
はい受かってましたー
芽衣は特に驚いた様子もなく寧ろそうですよねと納得した様で、真顔で話し始めた
「だって馬鹿な芽衣が受かって頭良い百花が落ちる筈ないもん
日頃の行いだって百花の方がいいしー、まっ!校長先生たちのミスということでー」
何だか解決しているように見えるけど受かった本人動揺しまくりなんだけど!
わかりやすく説明してくんないかなあ
「ええっとねえ………ああ、あったあった
まだ貼り出してなかったんだけど点数上位の人とか部活で活躍しそうな人はこっちの紙でチェックしておいてたんだよー」
なら貼れよって話しだよね
呆れた表情を見せると冷たく言い放つ
「今あっちにいる人も受かってないとか勘違いすると思うんであたし貼ってきます」
「おー、そうしてくれると助かるよー!貼っておいてねー」
どさっと適当に紙を押しつけるとひらひらと手を振り校長先生がその場を去っていった
ただ一言、ハゲと呟くとまた走って校庭に戻る
「やったね、同じ学校だよ!」
「そーだね!部活楽しみだなあ」
微笑みかけてくれた芽衣にこっちも微笑み返すと、改めてあたしの高校生活がスタートした
-
はいきた芽衣ー
あれですよ、芽衣部長ry
芽衣部長と見せかけただけなんですけどねー
実際芽衣部長ではあるけどw
芽衣部長たちの話しとちょっと繋がってるところもあるよ!
ただ部活が違うんだな
芽衣はいろいろ部つくって、百花は軽音部入る予定!
ちなみに青春学校は青校(せいこう)とか春校(はるこう)とか呼ばれてます!
大体はせいこうだけれどwww
なんかね、学校生活が成功しますようにみたいな意味
と、見せかけていryryいや本当に元からそのつもりで←
らぶれたー
恋愛ものかあ
百花の好きな人軽音部の先輩にしちゃうか!
スポーツ系がよかったけどそれのが親近感もあってなんかやりやすい(^ω^)
とのことで、がんばります!
3
:
燐
:2012/01/13(金) 21:43:17 HOST:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp
ねここぉぉぉ!!!
さっそく来たぜ(^^ゞ
こっちの小説もたまに見に来るからよw
頑張れw
4
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/13(金) 21:48:29 HOST:w0109-49-133-147-8.uqwimax.jp
>燐
りんんんんryry←
ありがとー!
お互いがんばろうね(`・ω・´)
5
:
燐
:2012/01/13(金) 21:51:45 HOST:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp
ねここ>>うんw頑張ろうぜ(^^ゞ
たまには小説にコメよろw
6
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/14(土) 14:39:58 HOST:w0109-49-133-147-8.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 高校生活
「百花あぁぁあぁあっ、同じクラスだよっ!」
芽衣の嬉しそうな笑顔と声にあたしも自然と微笑を浮かべる
正直同じクラスに芽衣がいて本当によかったと思った
「よかったー!
それよりさ、芽衣は部活何に入る?」
部活まで芽衣と一緒っていうのはやっぱり甘えすぎだと思ってとりあえず尋ねてみた
芽衣の考え込むような表情にえ、と思わず声を漏らす
「あのさ、もしかして自分で作ろうかなとかは思ってないよね?」
「あ、ばれたあ?」
芽衣の軽いノリ
好き、だけど……ちょっと軽すぎない?
「芽衣の考えることはお見通しだよ
それよりその馬鹿な考えは捨てよ、ね?」
呆れた表情で、それでも微笑むと小さい子供を扱う様に出来る限り優しく言った
でも予想通り、芽衣は諦めない
「ほえ?なんでー?
それより百花はどこ入んのー?」
とぼけた?それに今話変えた?
よくわからない芽衣のタイミングをまあいいかと流し、軽く微笑んでみせた
「あたしは軽音部に入ろうかなあって」
「あ、だろうと思った」
芽衣がにこにこ微笑む
ということで、とにかく部活体験に行った
×
「芽衣は部活作るから軽音部見に行っていーよ」
「なにその軽いノリまじでありえない」
にっこにこと異常なくらい微笑んだ会話
軽音部の部室へとつづく階段を上っているそのときだった
「きゃっ!、」
前から部活へと急いでいるのか階段を駆け降りる少女にぶつかり―――――転落?
ぐらりと視点が揺れ転落しそうになったその瞬間、
「―――っと、あーぶね!」
男の人の手があたしの身体にふわりと触れた
細い指があたしの髪をさらりとなびかせる
「あ、ありがとうございます」
あわててお礼を述べ目線を合わせると、其処にはにこりと無邪気に微笑む男の人の姿が、
「大丈夫だった?
あ、ちなみに軽音部の部室この階だからよろしくねー」
さり気無く優しい人
さり気無くかっこいい人
さり気無く宣伝してきた人
ドキンと胸が揺れる瞬間
-
きゃああああかっこいいせんぱああい!←
小説書くと好きなキャラつくれるからいいよね!
一回この上の文書き終わったところでもどるボタン押しちゃって!
でも消えなくてよかったっていうなう情報w
7
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/15(日) 22:16:54 HOST:w0109-49-133-147-8.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 部活
「………かーっこいい人だねえ……」
芽衣のつぶやいた言葉にはっと目が覚めた
あの人軽音部なんでしょ?それならまた会えるかも!―――なんて妄想はさっぱり消える
「芽衣、いこ?ていうか危なかったなあ」
「えええええ、ちょっと待った!百花はあの人のことかっこいいとか思ったりしないの?好きになったりとか、」
そりゃ、あたしだって好きになりそうだったよ
でもこれで会ったっきりになると嫌だし、軽音部で会えたとしてもあんまり話せないかもしれないし!
「好きになりたいけどいいよ、別に!」
「それじゃだめだよ!よしっ、軽音部いくよっ!」
軽音部には行くけどさ、と呟きながらぐいぐい引っ張ってくる芽衣に引きずられるようについていった
×
「失礼しまーす、」
廊下からは笑い声に満ち溢れた様子が見えた
中に入ると、其処には5人の男女メンバーがいた
「お、さっき階段で会った子たちじゃん!来てくれたんだ?」
「軽音部の部室に向かう途中だったので……それよりさっきは本当にありがとうございましたっ!」
自然と微笑んでしまう表情と、とても楽しそうなあたしの声
改めてお礼を言うと、その男の人も微笑んだまま名前を告げた
「俺は軽音部部長の佐々木海斗!よろしくなー」
優しい笑顔
またドキンと揺れる心に戸惑いながら、あたしも名前を述べた
「如月百花です、よろしくおねがいします!」
ぺこりとお辞儀をすると、しれっとした表情の芽衣が隅っこに居た
くすりと苦笑すると様子を伺うように話し掛ける
「め、芽衣………?」
「おーおーいいねえきみたちは……あたしを無視して楽しそうに笑ってねえ……」
無視したつもりはないんだけど、と肩をぐわんぐわん揺らすと、あわててこちらを振り向いた
そして芽衣も一応名前を名乗る
「三浦芽衣でーすっ、ちなみにあたしは軽音部希望じゃないんでー」
「え、じゃあどこ入んの?」
ちょっと興味を持ったのか海斗先輩が尋ねた
すると相変わらず、芽衣が自信ありげに言う
「いやあねえ、部活をつくろうと思いまして!」
長い沈黙
そのあと、海斗先輩が口を開いた
「そっかー、部活つくるって人もいるんだなあ
ん、がんばれよ!応援してるぜ、軽音部には全面的に勝てないと思うけどさ!」
何気なく張り合う先輩の無邪気な面にもドキンと心が揺らいだ
このまま恋をしてしまうのでしょうか?
-
8
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/16(月) 13:54:23 HOST:w0109-49-133-147-8.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 部活
「じゃあ……とにかく楽器とか体験してみなよ!」
芽衣と海斗先輩の話しがおわり、海斗先輩がにこりと優しく微笑んだ
そして目の前に並べられた先輩たちの楽器をみてきらきらと目を輝かせる
「百花と芽衣は、なんかやりたい楽器ある?」
「え、あたしもいいの?!」
芽衣が楽器を弄る気満々だったのに気づいたのか、海斗先輩は苦笑して尋ねた
もういいよ、と諦めた様子の海斗先輩をよそに芽衣がギターの弦を弾く
べーんとか、びよーんとか、変な音だけが響いた
「………ギターいいな」
あたしがギターを見つめると、海斗先輩がすぐに微笑む
「芽衣、ちょっとそれ貸して!
はい百花、ギターできる?」
あたしのために
なんかむり
いろいろと無理、先輩かっこいい
「え、と……ちょっとしかできないんです、」
赤く染まった顔を隠すように答えた
すると海斗先輩がふわりと後ろからあたしを抱きしめるようにして、ギターの使い方を教え始める
「せ、んぱい………?」
「ん?」
本人はこれがドキドキしちゃうような行為だとは気づいてないようで
寂しいような、ほっとしたような
「………やっぱ指わかんない、教えて?」
もうちょっと、このままでいたいよ
-
9
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/19(木) 18:34:50 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 部活決定
「今日から部活始まるからー、まあがんばれ!」
随分とチャラく女遊びの激しい先生が適当な感じに告げた
その後クラスの女子が先生に駆け寄ると「俺今日先約あるからー」なんて言って教室を出た
そしてあたしはというと、
「海斗先輩に会いにいってくるー」
「おー、行ってこい!海斗先輩に会いに行くだけなのはどうかと思うけど、」
芽衣とのやり取りでわかる通り!
海斗先輩にゾッコンなようです
「へーえ……俺に振り向かない子は初めてだなあ
しっかし海斗の奴人気高すぎー」
にやりと怪しく微笑む人影にあたしは気づかないのであった
-
うん、海斗せんぱああああああああ((
すきすぎるwww
10
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/20(金) 16:57:02 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / ヤキモチ
「失礼しまーす」
相変わらず嬉しそうに微笑みながら部室に入ると、まだ海斗先輩しか来てなかったようで先輩がギターを片手ににこりと微笑んだ
「お、百花ー!早いじゃん、」
「だって早く練習したかったんだもんっ」
そう言いながら先輩のギターのケースをぎゅっと抱きしめる
本当は「だって早く先輩に会いたかったんだもん」なんて言えたら理想的なんだけどなあ
ギターケースじゃなくて、先輩に抱きつきたかった
「てかさー、ギター買えそ?」
微笑んだままの海斗先輩にそう尋ねられると、ハッと我にかえり話し始めた
「うん、今日放課後買いにいくんだー」
「一人で?」
海斗先輩の問い掛けに何かだめだっただろうかと思いつつも小さく頷いた
すると海斗先輩がぐいっとあたしの肩を抱き寄せ言う
「だめ、素人一人で選ぶとか無理」
「で、でも!ちゃんと調べたし店員さんにも聞くし、」
「調べたこととか店員とかあてになんない!」
言い合いになって、瞳には涙が浮かんでくる
そしてついにぶわっと涙を流した
「も、百花?えちょ、百花………」
海斗先輩があわて始める
そして先輩の口からありえない言葉が、
「ごめん、ただのヤキモチ
俺が百花のギター一緒に選びたかっただけ」
そんなの、
「………あたしだって先輩と選びたいよ、」
あたしだっておんなじ気持ちなんだから
-
うっわああああああああああ←
なんなのはずかしい((
11
:
燐
:2012/01/20(金) 17:13:11 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
芽衣ってあの芽衣か!?
ねここ>>
12
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/20(金) 19:13:29 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
>燐
あの芽衣だったりするよー((
13
:
燐
:2012/01/20(金) 19:16:10 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
ねここ>>やっぱしw
てか、最近シカトしてね?
14
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/20(金) 19:49:42 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
>燐
あははwww
芽衣は思いつきで出した←
え、ねここシカトしてた(´・ω・`)?
15
:
燐
:2012/01/20(金) 19:52:37 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
ねここ>>思いつきか・・・。
シカトした気がないならいいんけどさ。
一応確認みたいなw
てか、蝶ryの方、第3期発動したからそちらも見てちょw←宣伝混じってるしw
16
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/21(土) 13:16:52 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
>燐
そっか(´・ω・`)
でも燐にシカトされたって思わせるような行動とってたらごめんね
今地道に見てるよー!
燐更新のペース早いなw
17
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/21(土) 13:32:59 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 顧問
「……なあ、今から行こ?部活終わってからじゃ遅くなるし、」
先輩の提案にあたしを気遣ってくれてるのだろうかと期待しつつも頷く
そして鞄を持つと先輩の隣に駆け寄り部室を出た
「せんぱ、っ!ご、ごめんなさい!」
先輩に話しかけようとしたとき、前にいた人にぶつかってしまった
あわてて謝り相手の顔を確認すると、今最も嫌っている人物――――、
「せ、せんせい………」
そう、担任の中島(なかじま)先生
今日デートするんじゃなかったっけ、と思いながらぎこちない笑顔を浮かべてみた
「あれ?部活じゃないの?」
「いや……今からギター買いに、「百花、いくよ」
中島先生の問い掛けに戸惑ったような表情で答えると、ぐいっと腕を海斗先輩に掴まれた
どうやら先輩も先生のことが嫌いなようで、とにかく無視して去っていくことにした
「なあ百花、中島は軽音部の顧問だから」
「え、そーなの?」
先生のことを軽々しく中島と呼ぶ海斗先輩に苦笑した
けど、あの先生が顧問だとは………やだなあ
「がんばろ、」
ぼそりと呟くように言うと、先輩があたしの頭をくしゃっと撫でて恥ずかしそうに言った
「………なんかあったら守るからだいじょーぶ」
ねえ、先輩はどうしてあたしがきゅんときちゃうようなことばっかり言っちゃうの
あたしの気持ち、何時か溢れちゃいますよ?
「………うん、まもって」
-
はずかしいけどたのしいな!
18
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/21(土) 15:26:50 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽器
「わあ、ギターいっぱい!」
楽器屋さんに入った瞬間、目の前が楽器だらけになる
そしてキラキラと目を輝かせながら奥へ進むと、ギターがたくさん並んだ場所に着いた
「ねえ先輩っ、どういうのがいいのっ?」
まるで無邪気な子供の様なあたしに先輩が苦笑しながら選び始めた
「百花はどれがいいと思った?」
「えと、これっ!」
あたしが選んだのは小さめのギター
小さめといっても重さは十分あるんだけどね
「あー、いいんじゃね?」
「え、そんな適当でいいの?!」
先輩からいっしょに行くって言ったくせに、と呟いた
まあ、先輩がヤキモチ妬いてきてくれたんだけどね
「いやだってそれ質いいし、俺のと似てるし」
先輩の言葉を聞いてえ、とギターを見つめると、あたしが選んだギターは本当に先輩のとそっくりだった
「本当だー、先輩のギターちっちゃくしたみたい」
「ん、それでいーじゃん」
先輩の言葉に釣られてなのか、小さく頷くとそのギターを購入した
-
ギターはよくわからん!
だから勉強しながら書くしかないよね(´・ω・`)
19
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/21(土) 18:22:09 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
Loveletter きみへおくる愛の手紙 / キス
「もう暗いから送ってくよ」
先輩にそう言われたとき、あたしが先輩の彼女みたいに思えた
ここは先輩に甘えて送ってもらおうかと思ったけど、ふと思い出したことに思わず声を漏らす
「あ、携帯学校に忘れた!」
どうしよう、これじゃ先輩と帰れない
そう思いながら溜息を吐くけど、先輩はあたしの予想とは違いにこりと微笑んで言った
「じゃあ、一緒に取りに行こうよ」
「で、でも!もう暗いよ?」
流石にそんな手間をかけさせられないと思いふるふると首を振った
でもまた、先輩が照れ臭そうに嬉しいことを言う
「俺がもっと百花と一緒に居たいんだっつの、いい加減察しろよなー」
照れ隠しなのかあたしの髪をくしゃくしゃ撫でた先輩にまたきゅんときた
「………で、でも!校内には入ってこなくても大丈夫だからね?」
「はいはい、」
×
「暗いなあ………」
今の時間は午後七時
流石に暗い校内にびくびく怯えながら足を進める
先輩はついていこうか聞いてくれたんだけど、強がって断っちゃったから
「……失礼しま、「もーもかちゃんっ!」
部室に入った途端、ぐいっと腕を引っ張られ手で口を塞がれた
誰なのかわからないけど、あたしのことを知ってる人?
「………っ、!」
誰かが電気をつけると、視界が一気に明るくなった
そしてあたしを捕まえた人物は、
「な、中島先生………」
知ってる人でよかったと安心し思わず涙が溢れた
そしてよしよしと中島先生に頭を撫でられる
「ごめんね?怖い思いさせちゃって、」
「………っ、う、……」
ぎゅっと抱きしめられるとその胸に甘えたくなって顔を隠す様に縋り付いた
そして暫くして、やっと我にかえったあたし
「先生、泣いたりしてほんっとごめんなさい………」
「いやいやー、俺が悪かったんだしさ!それよりどうしたの?」
先生の問い掛けに目的を思い出す
それと、先輩を待たせていることを
「け、携帯!部室にわすれちゃったんです!」
「ああ、これ百花ちゃんのだったんだ?」
先生が手に持っているのは間違いなくあたしの携帯だった
「それです!ありがとうございますっ、」
先生から携帯を受け取ると、にこりと笑みを浮かべる
それに気づいた先生が無邪気に笑った
「あ、百花ちゃんやっと笑ってくれたー」
そういえば今まで先生嫌いとかの理由で作り笑顔ばっか浮かべてたっけか
そんなことを考えながら、とにかく早めに部室を去ろうとした
「百花ちゃん、忘れ物!」
先生に手招きされ駆け寄ったその瞬間、
え?あたしの唇に先生の熱くてふにゃっとしたものが重なって、え?
キス、した?
-
やっべえ←
先生もっかっこい((ryry
20
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/21(土) 19:42:44 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 笑顔
「百花ちゃん、帰り気をつけてね」
先生の言葉にただ呆然とし頷くと部室を去っていった
何が起きたのか状況を上手く理解できない
×
「遅かったじゃん?」
先輩も心配してたのか不機嫌そうな様子で言った
そんな先輩を無視して倒れ込むようにトンッと先輩の胸で顔を隠す
「ちょ、百花?どうし、「わかんない………」
先輩の声とあたしの声が重なる
ただそれだけで先輩には何も伝わらず、疑問符を浮かべさせるばかりだった
「百花、何かあったのか?」
「………っ、教えない!」
こんなこと教えられる筈ない
教えたら嫌われちゃう、嫌!
でも、教えなくても嫌われちゃうのかも
「ま、俺は所詮部外者だしな!
よしっ、帰っか!」
優しく微笑んだくせに
なんでそんな寂しそうな顔するの
やだ、なんで?
「………あたし、一人で帰るっ!」
一緒にいたって寂しそうな先輩の顔見るだけでしょ?
なら一緒になんかいたくない
遠くから眺めてるだけでいいから、笑っててよ
-
21
:
燐
:2012/01/21(土) 20:07:39 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
ねここ>>おお!!!
何か心温まるストーリーやなぁ・・・。
いやいや謝ってもらうような場面ちゃうし・・・。
エエよ。単なる確認だけやしなwうんw
そやねん・・。2月なると極端に更新率遅くなるから今のうちにじゃんじゃん更新してる訳なんすよね・・。
じゃそれだけなんで去ります(^^ゞ
これからも頑張れ!! fight!!←
22
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/21(土) 20:47:33 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
>燐
やっぱシリアスよりほのぼのとか切ない系なのが好きなようです←
そっかー
更新がんばってね!
お互いがんばろう!
23
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/21(土) 21:12:39 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 友情
翌朝学校に着いて本当は朝の部活に行く筈がギターだけ持って使われていない教室に移動した
基礎的なことはできるから、と自分の気持ちを誤魔化すように虚しくギターを鳴らす
響かないギター
先輩みたいにかっこよく聞こえない
楽しそうに、もっと軽やかな音にしなきゃいけないのに
「………だめじゃん、」
ぽつんと呟いた言葉はギターのことに対してなのか、それとも海斗先輩に素直になれない自分に対してなのかよくわからない
それでも芽衣は口軽いから相談出来ないし、他に頼れる子なんていないし―――――、
「あれ、百花ちゃんだー」
「ひ、妃芽?」
誰もこないと思ってたのに
小学校の頃からの幼馴染な妃芽が来てしまった
「ねえねえ、百花ちゃん何かあったんでしょー
顔見ればわかるよー、どーせ溜め込んでんでしょ?」
鋭い妃芽はずばっとあたしの今の状況を当てていく
とまあ、打ち明けないわけにはいかないことに………
「あのね、あたし海斗先輩が好、き……で、でも昨日の夜中島先生にキスされて、」
「え、中島がー?すごいね百花ちゃん」
何処か感心した様子を見せる妃芽に大丈夫なのだろうかと不安に思いつつ話し続ける
「それで、そのこと海斗先輩に話したくなくて教えないって言っちゃったの
そしたら海斗先輩笑ってくれなくなっちゃって、」
もう、何がしたいのかわからない
先輩を傷つけたいわけじゃないのに傷つけるようなことたくさんしてる
「百花ちゃんは悪くないよ、悪いとしたら男共だ!」
「え………?」
妃芽の言葉に疑問符を浮かべる
「だって海斗先輩は年上なんだし、先生だって年上だし
もっと女の子の気持ち察しろよって感じだよねえー」
これだから馬鹿共は、なんて呟く妃芽にくすっと微笑んだ
「ありがと妃芽!
でも皆残念ながら鈍感だし、キスされたことは海斗先輩には隠しておきたいな……」
また更に嫌われるのは嫌だから、と微笑み直すと妃芽が頷いた
「うんっ、がんばれー!」
-
信頼できる気強めなお友達をつくりたかった
なのに結構ほわほわした子になっちゃったよー
24
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/21(土) 23:29:31 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 本気
「遅れてすみません、失礼しま「なあ百花」
部室に入った瞬間凍え死んでしまいそうな冷たい空気に包まれたような気がして一歩後退った
そして冷たい表情の海斗先輩があたしを突き放すように言い放つ
「お前もキスされて中島なんかに落ちる軽い女だったのかよ、」
ちがうのに―――――、
もう海斗先輩に甘えたりできないの?
「かい、と……せんぱい、ちがっ……」
どうしてこーなるの
海斗先輩も中島先生も、二人とも嫌いじゃないのに
恋愛感情かどうかわからないけど好き、大好きなのに
「ちょっと海斗先輩借りるねー」
もうだめだと思った瞬間、開けっぱなしだったドアから妃芽が覗いていたのか海斗先輩の腕を掴んで廊下へ行く
気になるからこそっとついていこうと思った
妃芽が向かったのは人気の少ない廊下
そしてかなり不機嫌そうな口調で怒鳴った
「なんで百花ちゃんの気持ちわかってあげてないの?!
百花ちゃんがキスされたこと先輩に黙ってたのはね、嫌われたくなかったからなんだよ!」
妃芽はどうしてそんなに優しいの?
なんで、あたしの言いたいこと全部言ってくれるの?
「ちゃんと百花に謝って仲直りしなきゃ先生に百花遊ばれちゃうからね、」
先生に気持ちが揺れたのは事実だけど遊ばれるってのはなあ
そんなことを思いながら部室へと戻った
×
その日の放課後、帰ろうとしたら海斗先輩に引き止められた
「百花、ごめん!多分またヤキモチだったのかも―――――、」
「ちがう、あたしが言わなかったから!」
安心さのあまりぶわっと涙が溢れる
「ごめんな、」
ぎゅっと抱きしめられる暖かい空気に包まれたあと、今日こそ一緒に帰ろうと決めた
「ご、ごめんね!先生に呼ばれてるから待っててくれないかな?」
また先生かと思いながら先輩にお願いすると職員室へ向かった
「百花、昨日はごめんね?」
「謝らなくていいです、あたしも悪かったし」
遊ばれてるんだから気にしちゃいけないと必死に視線を逸らした
「あとさ、俺遊んでるんじゃなくて結構馬路だから!」
うん、先生があたしなんかを好きな筈ない
好きな筈、ない、のに―――
-
25
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/22(日) 13:30:51 HOST:e0109-49-132-0-247.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / キス
「う、うそつきっ!本気とか言ってまた遊んでるんでしょ先生!」
それだけ言って早々と職員室を去っていった
あたしなんか、遊ばれてるだけなんだから―――――
×
「先生、なんか言ってた?」
海斗先輩との帰り道、先輩が不安そうに問い掛けた
先生に遊ばれてるだなんて言える筈もなく、とりあえず苦笑する
「えと、昨日はごめんって……………」
「ま、謝って許されることじゃないよなー」
先輩はまだ先生を怒っている様で、くすりと苦笑した
家の前まで着くと、先輩がにこりと無邪気に微笑んでまたな、と呟いた
それに対して嬉しそうに微笑み返し家に入ろうとすると、ぐいっと先輩に腕を引っ張られバランスを崩す
「きゃ、」
先輩に支えられ、唇にふにゃっと先輩の唇があたる
もう何が何だかわからないくらい幸せなんだけど、
「消毒、」
わすれてたなんて呟く先輩はやっぱりかっこいいのでした
-
先輩と先生はかっこいいのでした
先輩は一途系、先生はチャラい系でした
くっそう百花そこかわれry
芽衣の出番ふやさなきゃなあ
今頃芽衣はるいとの出会いを楽しんでいる←
れんくんとかりのちゃんとか、まだ中二になりたてなんだよなあ
多分登場するかもというか登場させたいところだ
ゆり海コンビは受験生なので必死です
ついでに言うと海斗先輩も受験生のくせにお前ry
てか百花がヒロインだとして主人公だれだし
海斗先輩と先生も?え?先生?←
ライバルを先生じゃなく生徒にすればよかったと後悔
いやネタバレだけど生徒でのライバル増えるんだけど←
一途くんにはチャラ男くんしかないと思う、うん
百花は一途だけどちょっとあれな子、さみしがりやだから慰めてくれる人にきゅんときちゃう子
ついでに落ちやすい←
てか先生は鈍感じゃないだろっていう
鈍感が百花と海斗先輩で
敏感が妃芽と先生
勘違い野郎が芽i((ry
シリアスな恋愛はねここは無理でした
ということでほのぼのしよーぜ(´・ω・`)!
26
:
燐
:2012/01/22(日) 13:44:27 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
ねここ>>頑張ろうノシ
ほのぼの系はエエよな・・・。
私は書かれないから憧れるわ(*^_^*)
27
:
名無しさん
:2012/01/22(日) 22:25:55 HOST:wb92proxy05.ezweb.ne.jp
その男は仕事を終えるとすぐ携帯を取り出した。
「あいつと同じ色にしておけば1日盗み見たって構わない」
28
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/24(火) 18:47:07 HOST:w0109-49-133-133-145.uqwimax.jp
>燐
いや燐は何でも書けると信じてるよ!←
ねここはシリアス系だとぜったいに長続きしないw
29
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/24(火) 19:31:42 HOST:w0109-49-133-133-145.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 /
「おはようございまーす、」
―――――次の日の朝
ふわあ、と欠伸をしながら部室に入っていった
「はよ、」
照れ臭そうに微笑む海斗先輩に釣られ、あたしもくすりと笑ってみせた
海斗先輩に会うと嬉しくてギターの重みなんてわすれちゃう
自分だけの楽しい世界に入りかけた途端、突然ハッと我にかえった
海斗先輩の後ろには同じ女の子のあたしでも一目惚れしてしまいそうなくらい可愛らしい子が立っている
「ねえ海斗、あの子だれ?」
女の子が不思議そうに問い掛けると、その問い掛けは海斗に向けられているというのにあたしが早々と答えた
「えと、軽音部の一年でギターやってる如月百花です」
女の子は至極嬉しそうに口角を釣り上げて微笑み、口元で両手を合わせた
「わあっ、百花ちゃんも軽音部なんだー!
あたしは一年の優衣(ゆい)っていいますっ!
体弱くて今まで休んでて……でもっ、今日からいっしょに練習させてもらうことになるからよろしくね!」
気になることはたくさんあった
何の楽器やるのかとか、クラスはどこかとか
でも何より気になったのは―――――
海斗先輩とはどういう仲なのか
聞きたいけど失礼かもしれないし口に出さないでおこうと思った
「よろしくね、」
先輩のばあか
何よ、楽しそうに笑っちゃって
何なのあたし
独占欲丸出しじゃん
×
優衣ちゃんが来ても、あたしと海斗先輩が放課後一緒にいるのは変わらなかった
「せんぱーい、つかれたあ」
ぐたあっと机にもたれ掛かると、ははっと先輩が苦笑した
まあ、これから海斗先輩と街に遊びに行くから疲れたなんて言ってる場合じゃないんだけど
そのとき、ここでもかと思うくらいのしつこさで優衣ちゃんがやってくる
「海斗………具合悪い、」
-
ぶちぎり!
優衣ちゃん登場ー
ライバルだよ!よし、もっとやr((
30
:
燐
:2012/01/24(火) 22:41:04 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
ねここ>>いやいや・・・何でも書ける訳ないよ・・。
何だろな・・ギャグや笑いの入ったヤツは苦手つーか・・・。
長続きしとるやんw
大丈夫やってw
31
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/25(水) 17:23:36 HOST:w0109-49-133-133-145.uqwimax.jp
>燐
ギャグ系もおもしろく書くってのは難しいよねー
いやいや燐に比べればこんなの長続きなんて言わないよーw
32
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/25(水) 17:43:14 HOST:w0109-49-133-133-145.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 出会い
「え、あー………優衣、他に付き添いだれかいねえの?」
どうやら優衣ちゃんが具合悪くなったらいつも海斗先輩が付き添っていたようで
何だか悪いなあ、と罪悪感を覚えた
「海斗先輩、優衣ちゃんそんなに酷いの?」
離れてほしくない
そう思いながら先輩の服の裾をきゅっと掴んだ
「顔色悪いしな……どうしよ、」
困ってるよ、先輩
だれかにそう言われたような気がした
ほらほら、先輩に迷惑かけてるよー
迷惑、か
そっか
「先輩は優衣ちゃんに付き添ってあげなきゃだめだよ」
あ、
言っ、ちゃった
「で、でも百花と約束して………」
「もういい!先輩は優衣ちゃんといればいいじゃん!」
だいっきらい
素直になれない自分が、
×
「………っ、う」
もう人も少ない学校の中
長い廊下を歩きながら声を殺して泣いていた
「せんぱ、」
ごめんね
なんて、簡単に言えたらいーのに
そう思いながら歩いていると、突然誰かにぶつかる
「きゃ、」
よろけて倒れてしまいそうなところを支えてもらった
あわてて顔を上げると、見知らぬ男の人が立っていて少しびくびくする
「あ、あの、ごめんなさ……」
「あれ、泣いてる?ごめん、そんな痛かった?」
何も知らずに慰めようとする男の人
もうだれでもいいから慰めてほしくなった
「っ、」
さらに泣き出すあたしを、何も知らないはずの男の人は優しく受け止めてくれた
きゅ、と抱きしめて、たまにあたしの髪に触れる指が心地よい
しばらく経ったあと、ぺこりと頭を下げた
「ご、ごめんなさい!あたし………」
「いや、いーよ!それよりきみ名前は?」
「如月百花、です」
「百花、ね!かわいー名前だねー
あ、俺は藤原俊太(ふじわらしゅんた)、よろしくねー」
これが、あたしたちの出会いでした
-
きた俊太せんぱい!
ライバルさんですよーう
先生どうなったんだろうねw
33
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/26(木) 20:08:54 HOST:w0109-49-133-133-145.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 好き?
「あー、優衣ちゃんか………」
今まであったことを全部打ち明けると、優衣ちゃんと何か関わりがあるのか気まずそうな表情で俊太先輩が呟いた
其れに疑問を抱くと同時に興味を持ち、疑問符を浮かべながら尋ねる
「先輩、優衣ちゃんと知り合いなの?」
「知り合いも何も………俺あの子に告白されたことあるんだよね、」
驚いた
じゃあ何で海斗先輩とも親しいのかとか、知りたいことも増えたし
「振ったの?」
「え?あー、うん」
軽々しく振ったと答える俊太先輩にえ、と思わず声を漏らした
「あんな可愛い子を振るなんて、」
ただ冗談のつもりで言ったこの言葉
それが、あたしが俊太先輩にドキンとしてしまう原因になるとも知らずに
「そう?俺には百花の方がよっぽど可愛くて好きだけど、」
ほらね
もうどきんってしてる
-
せんぱいかっこいry
34
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/27(金) 17:12:58 HOST:w0109-49-133-133-145.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 恋人
暫くの間沈黙が続いた
でもその間ずっとあたしはどきどきしたままだし
顔も真っ赤だし!
どうしようかと悩んでいると、やっと俊太先輩が話し出した
「ごめん、俺めっちゃ寒いこと言ったね」
余裕そうに見えて
何この照れたような恥ずかしそうな表情
ギャップがやばい
そしてまたどきんってするようなこと言うし、
「でも本心だから、」
う、うれしくなんか………
ない、とはいいきれない
「ありがと先輩、好き」
だいすき
もうなんなの、こんなに振り回して
「………付き合おうか?」
「え?」
思わず声を漏らした
だって、
だって俊太先輩!
「優衣ちゃんのこと振ったのに、」
「いやだから優衣ちゃんはタイプじゃないっていうか………」
半ば誤魔化すような先輩に首をかしげてみたらすぐに白状した
「実はずっと百花のこと好きでした!……あーもー、これでいんだろ?」
かわい、
なんて思いながら、にこりと微笑んだ
「だいすきだよ、俊太先輩」
「俊太でいい、」
「俊太」
そっと唇を重ね合った
大好きな人とのキス
-
俊太せんぱーい!ry
海斗はどう出るのか、次回あたり!
おたのしみにー
35
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/28(土) 17:20:32 HOST:w0109-49-133-133-145.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 優衣ちゃん大暴走☆← 狂ってるー 痛々しい表現があるかもです!
「じゃあ、また明日な!」
「うん、ばいばい」
結局家まで送ってもらって、俊太と楽しい一時を過ごした
ただもやっとするのは海斗先輩のことくらいかな
微笑みながら手を振ると家の中に入っていった
×
「いってきまー………って、え?!」
今日の朝もいつも通り家を出た
すると其処には大好きな彼の姿が、
「俊太、なんでここに、」
「んー?早く百花に会いたくて迎えにきちゃった、なんて」
悪戯っぽく微笑む俊太
もう、朝からあっついな!
「早く行こ!」
「あれー?百花ちゃん照れてるー」
誤魔化すように俊太を急かすとまたからかわれた
それがすっごく楽しかったりもする
「ばかしゅん、」
×
校庭に着くと、もう既に野球部が練習を始めていた
早いなあと思いつつも俊太と笑い合うと、タイミングがいいのか悪いのか、優衣ちゃんと海斗先輩が現れた
「……百花、ごめ――――」
海斗先輩に謝られている途中、俊太に助けを求めるように隠れた
「海斗くん、だっけ?あともう百花の心配はしなくていいよ、俺がいるから」
「え?ちょ……おい、どういうことだよ!」
俊太はそれだけ言い残して海斗先輩を気にせず去っていった
きゅっとあたしの手を握っていてくれて心地よい
「……俊太?」
×
「百花ちゃん、ちょっといいかな………」
険悪なムードの部活が終わったあと、一時限目も通り越し昼休み
俊太と一緒にお弁当を食べる予定だったのを、突然優衣ちゃんに話しかけられ止められた
「なあに?」
疑問符を浮かべながら尋ねる
「あの、俊太とはどういう関係なのかなって……」
そっか
優衣ちゃんも俊太好きだったんだっけ
「えと、付き合ってる、けど……」
「そっか、なら話しが早いな」
悪戯っぽく、不敵な笑みをみせる優衣ちゃんに一歩後ずさった
まあ、予想通りいいことではないみたい
「あんま嬉しくないけど、海斗も百花ちゃんのこと好きなんだって、」
え
いや、うそでしょ?
キスはしてきたけど、でも
「だからね?俊太は優衣にくれないかなあって!」
は?
いやあげるもなにもあたしのものじゃないし
まず俊太はだれのものでもないから!
「俊太のことをもの扱いしてるのはどうか思うけど……
もし別れろっていってるならそれはあたしたちの問題だから優衣ちゃん指図できないよね」
心臓がばくばくしてる
こわい、よ
「っ……うるさい!早く別れればいーじゃない!」
「や、め……っ!」
廊下の壁に押し付けられると、そのまま何度か優衣ちゃんの振り回された手が当たる
痛くて痛くてたまらないのは身体もだけど、それよりも罪悪感での心の痛みの方が大きかった
顔も何度か殴られてはいたけど、かなりの勢いでまた拳が向かってきた
もう終わりだ、そうおもったとき
何故か痛みを感じなかった
「百花、大丈夫?」
「しゅん、たあ………」
やっぱり大好きな俊太が守ってくれた
そこに海斗先輩も現れる
その瞬間、突然優衣ちゃんが苦しそうなフリをした
「ゆ、優衣?!」
海斗先輩があせって駆けつける
そして優衣ちゃんの口からありえない言葉が、
「百花、ちゃんがっ……」
あたしが?
あたしが悪いの?
ちがうのに、
海斗先輩はキッとあたしを睨みつけて言い放った
「お前、最低だな」
なんにもしらないくせに
もう、やだ
「しゅん、たあ……っ!」
「大丈夫、俺がいるから
俺は百花の味方だよ、」
-
36
:
燐
:2012/01/28(土) 17:27:08 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
ねここ>>長編って意味で解釈してエエ?
うーんw蝶ry終わったら新作考えてるけど・・・。
それも微妙・・・っすw
37
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/30(月) 17:42:20 HOST:w0109-49-133-133-145.uqwimax.jp
>燐
長編だと信じたいところだ(`・ω・´)←
おー、新作もみたい!
38
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/01/30(月) 18:13:40 HOST:w0109-49-133-133-145.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 嫌い
次の日から、海斗先輩や優衣ちゃんと顔を合わせることはなかった
あたしの顔に痛々しい傷跡が残ったのも数日間だけで、すぐ治ったからよかったものの……
バスケ部で期待されてる俊太の調子が悪いという噂を耳にしてしまった
俊太に直接聞いても大丈夫で流されてしまうし、
彼女としてこそっと探るものはどうかと思ったけれど、もやもやした気持ちが続くから少しだけでもと覗きに行ってみた
バスケットボールの跳ねる音とシューズのキュッとした耳に響く音が体育館から聞こえた
内心少し緊張していて、どぎまぎとした様子で覗くと其処には右手首を冷やす俊太がいた
「しゅん、た………?」
「っ、百花?!」
明らかに腕隠した
むっと表情を歪めると、俊太に近付いて右手首を引っ張った
「ちょ、百花!」
「怪我、優衣ちゃんから庇ってくれたときにしたんでしょ?」
俊太は自分でドジなことしてぶつけたりした怪我は素直に話すけど
ほかの人が関係してくる、ましてやあたしの所為の怪我なんて教える筈ない
「………ごめん、」
「なんでかくしてたの?」
泣きたい
けど、何故か我慢してる自分がいる
「百花が心配するといけないし、百花がもし自分の所為だとか言い出したらどうしようって思ってさ……」
もう、なんなの
「世界はあたし中心にまわってるわけじゃないの!
自分のことくらいちゃんと考えてよ……っ、」
本当は隠されてて不安だったんだから
嫌われちゃったんじゃないかって、ずっとずっと
「でも、俺の世界は百花中心だから」
そんな甘い言葉吐かれたって、
「……きらい、だいっきらい」
ぶわっと溜めていた涙を流した
ぎゅっと俊太が抱きしめてくれて、其れがとても心地よく思える
「だいすき」
-
39
:
燐
:2012/01/30(月) 18:32:58 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
ねここ>>あざーすw
新作はまた恋愛もんだなw
40
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/08(水) 21:02:17 HOST:w0109-49-133-137-45.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 決心
俊太のバスケ部がおわったあと、暫く二人で近くの公園のベンチで寄り添っていた
あたしが俊太と一緒にいたいって言ったからなんだけどね、
「ご、ごめんね……なんか、帰りたくなくて」
「いや、俺も百花といたかったし」
今までにないくらいドギマギしたあたしたち
でも、こんなにあたしを思ってくれている俊太だからこそ……と、心の中であたしはあることを決心した
「俊太、あのね……あたし、海斗先輩にちゃんと本当のこと話して、優衣ちゃんとも仲直りしたいな、」
不可能だとは確信できてる
でもとにかく、俊太だけは守りたい
「………へえ、」
反応の薄い俊太
少し不安になり、俊太の顔を覗き込むと優しくそれでも力強く言った
「百花だって、俺中心に考えてるよね」
う、
言葉を詰まらせた
でも、それでも動じずに俊太と同じ感じで答える
「だってあたしの世界は俊太でいっぱいなんだもん」
ふふっと微笑み合う
きっとあたしは、海斗先輩と話せなくても、優衣ちゃんと仲直りできなくても俊太さえいればどうでもいいのかもしれない
「………俊太大好き」
「俺も百花のこと愛してるよ、」
-
よくわからんwwwww
久々更新です!
えと、燐へのコメント返しは今度!
41
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/09(木) 17:55:37 HOST:w0109-49-133-137-45.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 梨花
「………あのね、俊太」
そろそろ帰ろうかとベンチから立ったあと
もう暗いからと俊太が家まで送ってくれた
家の前で、俊太に話しかける
「あたし、俊太がいれば海斗先輩も優衣ちゃんも、正直どうでもいい
けど、二人と仲直りすれば俊太が傷つかずに済むと思うから―――――だから、」
俊太中心の世界でいいんです
だってあたし、俊太が大好きなんだから
「明日、がんばってみるね!」
満面の笑みを浮かべ、少しでも俊太を大丈夫だと安心させる
そして、少し距離のあった俊太が一歩近づいてあたしを抱き寄せた
「無理しなくていい、俺守られるんじゃなくて百花のこと守りたいからさ、」
う、そっか
男の子が守られるなんて変か
でも、
「あたしは俊太のこと守りたいくらい大切で大好きなのっ……!」
「まあ、俺もだけどね?」
微笑み合ったあと、そっと唇を重ねた
そしてその瞬間、ガチャッと家のドアが開く
「「「え、」」」
出てきたのはお母さん
お母さんとあたしと俊太、揃えて声を漏らした
×
「え、彼氏?!」
お母さんが至極楽しそうに話し始めた
まだ彼氏がいるってことは言ってないから、驚いているようだ
「百花とお付き合いさせてもらってます、俊太です」
にこりと微笑む俊太にぽうっと見惚れた
「ちょ、こんなかっこいい彼氏いるんなら早く言ってよもう!」
怒っているのか喜んでいるのかよくわからない母
「父さんは……父さんは認めんぞ!」
泣いている父
そしてもう一人、
「ふうん、百花おねーちゃんに彼氏ねえ………」
まだ俊太の顔を見てない妹の梨花(りか)
携帯を弄ってばかりで、そっちに集中しているようだ
「ほらっ、梨花もちゃんとご挨拶して!」
お母さんに急かされて、面倒臭そうに梨花が俊太に顔を向けたそのとき、
「か、」
梨花の口から漏れた声
「か?」
お母さんが興味深そうに聞いた瞬間、キラキラと梨花が目を輝かせた
「かっこいいいぃいぃいいッ!」
さっきまで興味無かったくせに、と軽く目をそらした
「おねーちゃんには勿体無いくらい!
うっわあ、ちょーかっこいー!」
興奮する梨花に、俊太は微笑みながらも言った
「はは、ありがとー
でも、百花は勿体無くなんかないよ
むしろ俺のが、百花には勿体無いくらいだし、」
チャラそうに見えて
実は一途な俊太
だいすきだなあ
でも、俊太だって勿体無くないのにー
「あのっ、これからも是非遊びにきてくださいッ!
ていうか毎日でもいいくらい!あー、本当かっこいいッ!」
俊太に迫る梨花は、いつもよりとってもかわいく見えた
元々可愛いんだけどさ!
×
「妹さん可愛かったねー、中三くらい?」
微笑みながら話す俊太
もう遅いから帰ることにした筈が、しばらく家の外で話してる
「うん、中三だよー………
やっぱり梨花の方が好み?」
不安になって聞いた一言に、俊太は目を丸くした
けれどすぐに微笑んで言った
「俺は百花しか見れないからさ、」
「………よかった、」
ふふっと微笑み合う
もう、時間が止まればいいのに
「………ふうん、俊太サン……あたしは好みじゃないんだー………」
-
梨花ちゃん登場!
いろいろ仕掛けてくれるといーなー
42
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/11(土) 16:36:10 HOST:w0109-49-133-137-45.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / アピール
「ふあ、」
口元に手を当てて小さく欠伸をこぼした
憂鬱な週の始まり、月曜日
休日明けだっていうのに、梨花は今日も明るく元気一杯な様子
「梨花、本当元気だねえ……」
「だって今日も俊太サンおねーちゃんのこと迎えにくるんでしょッ?」
そう、あの後俊太が帰ってから散々と俊太の話をさせられたから
毎日どんなことをしているかなんて大体知られてしまってる
毎日の登下校も、梨花まで一緒に行くって言うし
お母さんは邪魔しちゃだめって言ってくれたけど、お父さんが認めないし
「………ん、俊太来たよ」
「へ?まだじゃないの?だってチャイム、」
梨花が首を傾げたその瞬間、
ピーンポーン
「ほ、本当だあ〜……どうしてわかったの?!」
どうして、とかはあんまり教えたくないんだけどなあ
「足音だよ」
俊太の足音
毎日二人で登下校して道を歩いてきたからもう覚えたの
「す、すごーい!……でも足音なら梨花、当てるの得意だもんねッ!」
どうにかしてでもあたしに勝とうとしてくる梨花に、少し動揺してきた
とられたらどうしよう、と――――――
×
「おはよーございまーすッ!俊太サンッ、」
テンション上がりまくりの梨花にえ、と声を漏らした俊太
「ごめん、今日っていうか多分今日から梨花も一緒で……いい?」
俊太が一瞬笑みを消したのに気づききゅ、と目を閉じるけど、次に目を開けた瞬間また笑顔を浮かべていて安心した
「いいよ、梨花ちゃんも行こっかー」
梨花の頭をくしゃりと撫でる俊太
やめて、ほしかったなあ
「俊太サンッ、あのね――――――」
俊太と梨花で楽しそうに話始めた
あたしは入れない話
ていうかさ!
せめてあたしと梨花の間に俊太が入ればいいのに
あたし、俊太の隣にいたかったのに
「意地悪、」
ぼそりとつぶやいてみた
けど二人とも、そんなのどうでもいいみたい
梨花の中学とあたしたちが通う高校の分かれ道でずっと話してるし
もう怒った、無視しておいていっちゃお
「きらい」
梨花にべったりな俊太なんて、
俊太を奪おうとする梨花なんて
梨花から奪いとれないあたしなんて
だいっきらい
-
43
:
燐
:2012/02/11(土) 16:38:23 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
新たなキャラ登場!!?
…何かやばそうなキャラが来たなw
44
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/11(土) 17:07:00 HOST:w0109-49-133-137-45.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 後悔
「おはよー、ってあれ?百花一人?俊太、は―――――」
「ひ、めえ…………っ」
学校の校庭に着くと早速妃芽に一人なところを見つけられて、思わず泣いてしまった
「………梨花ちゃんはねえ……一目惚れした人絶対手に入れるタイプだもんねー」
今までの話を全部して、妃芽に梨花のことを相談した
寒いからと校内に入ったところからちょうど、校庭が見える
「……俊太、まだこない」
「ねー………」
じっと校庭を見つめる二人
そしていつの間にか、後ろに優衣ちゃんがいた
「俊太のこと待ってるのー?」
「………っ、ゆいちゃん……!」
吃驚したー
でも話す機会ができたことは少しは嬉しい
「梨花って百花ちゃんの妹さんだよね?
このまま俊太とホテル行っちゃったりしてー」
にこりと
満面の笑みで何てこというんだこの子は
………不安、だなあ
「電話してみれば?」
「え、」
電話?
しちゃうの?うざくないか、
「もう、梨花なんかつれてこなきゃよかった………」
後悔ばっかり
やだな
45
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/12(日) 20:35:58 HOST:w0109-49-133-137-45.uqwimax.jp
>燐
百花の妹さんだぜ!←
46
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/12(日) 21:36:22 HOST:w0109-49-133-137-45.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 浮気
結局俊太は午後になってから学校に来た
多分梨花と遊んでたんだろうな、帰ったら絶対自慢されるだろうなあ
そんなことを思いながら、真っ白なノートの端っこに落書きをしてみる
俊太の似顔絵、とか
その隣で微笑むあたしの絵とか
隣にいるのは梨花なんかじゃなくあたしで
それが理想
というか現実であってほしいのに
複雑すぎるんだよ状況が!
何でよりによって相手が梨花なのよ、
一人むっとした表情でシャープペンを机に投げつけた
その瞬間、にこりと怪しげに微笑んだ教師の顔を見上げる
「え、中島先生………」
「百花ちゃんは今複雑な状況におかれてるのかなー?」
今授業中じゃ、と思いながら動揺しまくりの様子で小さく頷く
そして、中島先生の先生らしいスイッチが入り説教を食らった
「だからといって黒板の内容も何一つ書かず指されたことにも気づかずに俺を無視するのは許せないなー」
とろけちゃいそうな甘い声の低音ボイス
本当に怒っている証拠でもあったり、
「い、いまからノート書くつもりでした!書きます!」
必死に誤魔化したって先生は益々怒るばかり
「今からまた落書きでもするのかな〜?」
正直もう何も言えない
諦めて素直に話すことにした
「あとで!後で職員室行くから今は見逃してくださ、」
「うん、そんなに俺と話したいんなら後で職員室おいでー」
意地悪だ
別にあたし職員室行くことなかったのに
何だかあたしが行きたくて行くみたいな雰囲気になっちゃってるじゃん
「………ばあか、」
「あ、百花ちゃんそんなに職員室行きたかったんだー」
またもや失敗
もうやだー
×
「………で?今度は何、」
授業がおわって、先生に事情聴取されているところ
とにかく全てを話してみた
「――――とか、まあいろいろあって俊太を梨花にとられそうです」
しゅんと落ち込んだ様子を見せたあと、突然先生が言い出した
「つまりそれは浮気って受け取っていいわけ?」
「ま、まあ……受け取り方によってはそうなっちゃいますね、」
なにこれ
なにこの雰囲気ー
「じゃあさ、俺らも浮気しちゃおうよ」
満面の笑みに至極楽しそうな笑顔
そしてそれにのっかっちゃいそうなあたしの揺らんだ心
で、でもでもでも
あたしだって俊太に浮気っぽいのされて精神的に弱ってるわけで
別にそれくらい、いいよね……!
-
浮気者!←
47
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/14(火) 17:23:19 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 馬鹿
結局放課後、中島先生の誘惑に釣られ俊太にバレないように先に帰ってしまった
といってもすぐ家に帰ると梨花に会う確率が高いから、中島先生とゲームセンターに来ている
「百花ちゃん、そんなに俺と遊びたかったの?」
にこにことした悪戯っぽい笑みについムキになって反抗してみる
「ちがう!俊太に仕返しするためだもんッ!別に先生と一緒にいたかったわけじゃ、きゃ!」
びしっと恥ずかしそうに先生を指差していると、ぐらりと身体が揺れ後ろに倒れそうになる
まあ、女慣れしてる先生だから当たり前のことのようにあたしを支えてくれたけど
細い指にあたしの髪の毛が絡み、くすぐったいような慣れない感覚が走る
「〜〜〜〜〜っ、先生!」
「ん?どーした?」
触んないでって言おうとおもったのに
そんなかっこよく微笑まれちゃ何も言えないじゃない
「な、なんでもない………」
「?そっかー」
ああ
海斗先輩にもどきどきしてたくせに
あたしが勝手に怒っちゃって
そして梨花と仲良くする俊太を見て嫉妬して
次は先生まで巻き込むの?
最悪だな、ていうかたらしだなあたし!
でも
皆かっこいいんだもん
どきどきさせないでください、ばあか
-
何で馬鹿っていったかは知らん
48
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/15(水) 17:47:51 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / まちがいメール
From:orenomeado@kinoco.ne.jp
To:ももちゃん
Sub:やふーい!
今日は楽しかったね^^
おい、おいおいおい
先生なんであたしのメアド知ってんの
あ、そっか
携帯わすれたときかー
って流そうとおもったけど
無理無理無理!
ていうかなにこれ
メアドが痛すぎるし
それになんだ
ももちゃんて!やめろ!
タイトルとかもうやふーいじゃないよ!
言いたいことがありすぎる
とにかく脳内整理がおわったあと、メールの内容を考えた
From:momoca0229@kinoco.ne.jp
To:しゅん
Sub:ばか
ばかばかばかばか!
ばーか、ついでにしゅんたもばーか
なにこの内容、なにがいいたいの
そう思いながら削除ボタンを押したはず、なのに―――――
え、ちょ、送信しちゃったよ?
きょとんとしたまま、それでも先生だからいいかと考えごろんとベッドの上に寝た
すると突然、かわいらしい音とともに携帯が鳴り響く
これは電話の合図だ
「もしも、ってあれ?俊太………」
『久しぶりな感じするなー!ももか、』
なんなのいまさら
うれしいことばっかり!
「ど、どしたの?なんかあった?」
『いや、百花こそどうしたの?』
なにか、って?
どうしたのって、え?
「ほえ?」
『いやほえじゃなくてさ、メールだよ!メール、』
メール、?
何もおくってないはず、なのに
『ほら、ばかばか書いてあったやつー』
本文長すぎエラーでたので次に!
49
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/15(水) 17:48:42 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 愛してる
笑いながらしゃべる俊太に絶叫したくなった
やばいじゃん、俊太におくっちゃったんじゃん!先生のばかー!
いや、なんで先生がばかなのかはわかんないけど!
「ご、ごめん!送り間違い!です!本当に!!」
あわてて謝る
けど俊太は相変わらずわらってた
『いや、謝るとかじゃなくてね?
―――――――これ、だれに送ろうとしてた?』
え、
急に俊太の顔から笑顔が消えたような声がした
そか、「ついでに俊太もばーか」って書いたから………
送り間違いじゃすまされないことに気づき、今までのことを全部話した
「あたしね、本当はずっと嫉妬してたの……梨花に
俊太も梨花に構ってばっかだし、授業も集中できなくて、」
言い訳にきこえそうでも、事実だから
「で、中島先生に授業集中しろって怒られて、職員室いって相談したら
中島先生がじゃあ自分たちも浮気しようかって……だから今日ふたりでゲーセンいってて、!」
『あのメールは中島に?』
あれ、俊太も中島呼びだー
なんて考える場合じゃなくって
どうしよう、怒ってる声だ………
「う、ん………」
『百花はさ、俺と梨花ちゃんが仲良くしてんのはいや?』
「い、いやにきまってる………ッ!」
そう答えた瞬間、ふっと俊太の表情に笑顔が戻ったような気がした
『あのね、俺……百花が今日から妹も一緒に学校行くって言ったとき、正直百花は俺と一緒にいたくないのかなって不安になったんだ、』
「え…………?」
俊太が、不安に?
『だってあんな猛アタックしてくる妹さん連れてこられたら、別れてほしいって言ってるようなもんじゃん?
で、まあ俺の勘違いだったわけだけど百花の迷惑にならないようにって梨花ちゃんと仲良くしてた―――――ごめん、』
なんで、っ
あたし、迷惑なんかじゃないのに、
「俊太、あたしは俊太を嫌ったりしないから、迷惑でもないから……っ
もうそんなことしないで…………」
さみしかった
ばかとかいって
ずっと妹がうらやましいって思ってた
「ねえ俊太」
「だいすきだよ」
『俺の方がもっと愛してるし、』
会いたい、よ
「ねえ、梨花まだそっちいる?」
『ん?ああ、俺ん家きてるー』
な、っ
「ちょ、え……」
『なかなか帰ってくんないんだけど?』
にやりと微笑む俊太の顔が思い浮かんだ
「う、そ…そっちいく!」
『うん、迎えにいこうか?』
「………うん、もう遅いけど俊太の家いってゆっくりしたいなー……なんて、」
『………いーよ、おいで』
笑顔があふれた
-
梨花ちゃん暴走してもしらんぞー
中島せんせい、ちょっとだけ登場したね!
ねたばれだけど
りかがぼうそうしてももかがきずつきかけて
それをまもるためになかじませんせいがりかになんかしかけるよ!
変換がめんどくさくて
ひらがなでかいてみた!
50
:
燐
:2012/02/16(木) 16:54:06 HOST:zaqdb739ed3.zaq.ne.jp
ねここ>>久しぶりに読んだゾw
一気読みってヤツだw
これからも頑張れw
51
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/17(金) 19:23:33 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
>燐
ありがとv
最近忙しくて燐の小説見れてないんだけど、がんばってね!
52
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/17(金) 19:52:13 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 梨花
「……っ!しゅんたっ………!」
待ち合わせ場所の公園に着くと、もう先に俊太がいて待たせてしまったかと不安になりつつも走り駆け寄った
ぎゅっと抱きつくと、懐かしいあたたかさがじんわりと伝わってきて涙がこぼれる
「会いたかった、」
「うん、俺も会いたかった」
微笑み合ってから、手を繋いで俊太の家に向かった
×
「お邪魔、しまーす……」
俊太の家に着いたはいいものの、此処に梨花もいるんだということを思うと入りづらくなる
小さな声で挨拶するけれど、俊太の両親は旅行中だかでいないらしくそれでも誰かを不愉快にさせることはないからいいかなと思った
「あッ、俊太サーン!………って、」
笑顔で俊太に駆け寄る梨花の表情が一気に歪んだ
「おねえ、ちゃん………?」
明らかに何でいるのよっていう顔
明らかにさっさと立ち去れって顔
やめてほしいなあ
男好きな梨花は他の人に恋愛を邪魔されるのが一番嫌いだから
何かあったらどうしようと考えびくんと肩を揺らした――――――その瞬間、
あたしの隣にいた俊太が前に出て、あたしを守ってくれた
嬉しさで胸がきゅんとなる
「………何で……?喧嘩したんじゃなかったのッ?!」
俊太に歩み寄ってぐいっと腕を引っ張った
俊太に触らないでなんて言えたらいいのに
「………喧嘩なんてしてないよ、」
俊太は冷静に怒りを隠し切れない梨花をぐいっと押した
「………ねえ俊太サン、」
梨花が何か企んだ表情をした
「あたしね、俊太サンのこと好きなんだあ、」
ほら、こういうときに
無謀なことでも何でもいいから、自分が有利になるように企んで
あたしにはできないようなこと、全部できるの
「………そっか、ありがと」
そして冷静に答えちゃうような俊太も
あたしなんかでいいのかなっておもっちゃう
-
うああああああああ
文章がかけないorz
53
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/18(土) 15:35:57 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 如月梨花の暴走(鏡○レンの暴走的なノリで)
「ねえ、あたしのこと好き?」
梨花が俊太に問い掛けた
ああ、これが落とし穴なのに
俊太は、
「うん、」
はまっちゃったね
「やったあ、おねえちゃん……残念だねえッ!」
「ちがう……!俊太は恋愛感情で好きなんて言ってないじゃないっ……」
無駄な、抵抗なのに
「あれ?おねえちゃんはあたしに友達としての好きなんてないってこと知ってるでしょ?」
知ってる、けど
けどさ!目の前で彼氏とられるってのはつらいよ
「今まで奪ってきた男はいっぱいいるけど、俊太サンくらいかっこいいのは見たことないなあ」
俊太に聞こえないように、こそりとあたしの耳元で囁いた
梨花が本気だということに気づき、同時に手遅れだとも感じた
「………俊太サン、愛してる」
-
タイトルふざけてすみませww
鏡○レンの暴走的なやつ!
54
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/18(土) 19:37:38 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 「 愛してる 」
「―――――――……………もし、」
暫くの沈黙のあと、やっと俊太が口を開いた
そしてその声に俯いていたあたしがパット顔をあげ、梨花は反抗的な目線であたしを見つめる
「………もし、梨花ちゃんに友達としての好きって感情が無くてもさ、」
無表情のまま話し続けていた俊太の表情がふっと緩み口角が釣り上がった
「俺にとっては友達としての好きって意味だったから、ごめんね」
なんで?
何で俊太は、
いつも明るくて
いつも優しくて
いつもかっこよくて
いつも、あたしを思ってくれるの?
「………でも、もう付き合うことになったんだもんッ!」
少し焦り始め動揺を隠せない梨花に正直驚いた
だって、梨花に口で勝つ人がいるなんて思わなかったもん
「………じゃあ、別れよ?」
もう半分楽しんでいる俊太にあたしは苦笑を浮かべるしか出来なかった
だって、いつも遊んでる側の梨花が遊ばれちゃうなんて、
「や、やだ!別れないも、………ん、」
「ばいばい、」
しつこく粘る梨花に流石の俊太も飽きを感じたのか、ドンッと梨花を突き飛ばした
そんなことする俊太もどうかと思うけど、あたしもおかしい
だって、妹がこんな酷いことされても全然嫌な気持ちにならないんだもん
「う、そ……………待ってよ俊太サン、」
ねえ、梨花
梨花にとって友達としての好きがないように
俊太にとって梨花から言われる待ってなんて何も聞こえないことと等しいくらいどうでもいいのかもね
×
「……ねえ、梨花のことなんだけどさ」
折角二人で抜け出してきたところに梨花の話しを出すのはどうかと思い少し小声で話した
「あのまま俊太の家にいたらどうしよう?」
「んー、追い払う?なんて、」
笑顔で毒を吐く俊太も嫌いじゃなかった
寧ろ毒舌なところもかっこよくて好きだったりして、
「ごめんね、迷惑かけちゃって」
「いや、百花のことじゃないし」
公園のベンチに座り、二人で寄り添いあった……けど、
「迷惑なのは否定しないんだ、」
「うん、だって梨花ちゃんみたいな子散々見てきたから飽きちゃったし流石にしつこかったんだもん」
俊太の言葉に、少し確認したいことがあったことを思い出した
「あたしと付き合う前にもたくさん付き合ってたでしょ、」
「………まあ、それなりに」
う、
ちょっとがっかりする
けど、それでも俊太が好きだと思っていたい
次の質問の答えによっては、心変わりするかもしれないけど
「あたしも遊びで付き合ってたりする?飽きたら捨てたりとか、」
俊太が好きすぎるのはあたしだけで、いずれはあたしも裏切られるの?
「もしかして、もう嫌いになってたりして
別れるとか、いって、…………や、だよ……ッ!」
自分で言ってるだけなのに
涙が溢れてきた
それを、俊太は黙って抱きしめて受け止めてくれた
「………俺さ、告白したとき言ったでしょ?
ずっと百花が好きだったって」
そういえば、と思い出す
嬉しくて懐かしい思い出
「……どうせ百花も知らない俺から告白されたって断るだろうなって
だから半分諦めててさ、百花を忘れるために女遊びとかしてたわけだよ、」
緩く微笑む俊太の表情は、何処か寂しげだった
「でもね、あのとき百花が泣きながら俺にぶつかったとき、超嬉しかった」
うれしかったのはあたしもだよ
何もかもが、きらきらして見えた
「俊太俊太、」
くいっと俊太の服の袖をつまんだあと、俊太の耳元に顔を近づけた
「あのね、―――――――………」
「……うん、俺も」
「ていうか、あたしが言うの初めてかも」
何よりも愛を感じられる言葉
恋人同士が愛を確かめ合う一番の言葉
「 愛してる 」
-
ねたばれと大きくかけ離れたw
対して暴走してもない梨花だけどこれからがこわいかも!
かもだけど!
55
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/18(土) 23:44:31 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 行方不明
「ただいまー」
俊太に別れを告げ梨花が帰ってきているかと少し心配しつつも玄関から様子を伺ってみた
「百花っ?梨花知らない?!」
お母さんの今までにないくらいあわてている表情
帰ってきていないのかと溜め息を吐くと思い当たる場所を探してみようと考えお母さんに一言告げた
「探してくる、お母さんは家で待ってて!」
あんな妹でも
一応大切だから、
×
「俊太っ………」
まあ、思い当たる場所なんてここらへんしかなく
とりあえず俊太の家に行った
「梨花ってもう帰っちゃった?!」
「え、ああ……俺が帰ってきたときはいなかった、よ?」
そっか、と頷くと、俊太の協力も得て暫く探し回った
そのとき、
家よりかなり離れた公園に、梨花らしき人影を見つけた
「梨花、………」
「おねえちゃんならぜったいくると思ったあッ……」
自分を抑えきれてない梨花の表情は、怪しげな笑みに満ちていた
「り、か?」
「……ふふッ、なんできたの?おねえちゃんは、」
また、何か企んでる
けど素直に答えてみた
「何でって……お母さんも心配してたし、あたしも心配だったし」
「へえ、でもおねえちゃんこうなるってわかってたでしょ?」
う、図星
俊太とあたしがくっついたらこうなるだろうって理解してた
「死ねばいい、おねえちゃんなんか………」
ぼそりと梨花がつぶやいた
「いっつも他の女子から好きな人とってたけどさ
その目的は男じゃなくて女子への復讐、なんだよね」
はじめてきいた
梨花の学校のこと
「彼氏とかとられた女子、みんな死ねとかいってきたけど……
今ならその気持ちわかるなあ……あたしおねえちゃんに死んでほしい」
こわい、
あたし死ぬの?
死にたくないよ、俊太
「………他の女子は実際には殺せないんだけどねー」
くすりと不敵に微笑む梨花
もう、嫌な予感しかしなかった
「あたしもね、できればおねえちゃんのこと殺したくないんだけど……他の女子といっしょってのもいやなの、だから」
「殺しちゃうね、おねえちゃんッ」
可愛い笑顔
男の人をみんな虜にしちゃうような
羨ましいと思ってた笑顔
でも今はこんなのほしくない
羨ましくない、いらない
こんな、歪みきった醜い笑顔なんて
-
56
:
燐
:2012/02/19(日) 15:35:41 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
ねここ>>もっと更新してくれー!!!!
m(__)m
57
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/19(日) 22:02:19 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
>燐
明日また更新するよ(`・ω・´)!
58
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/20(月) 18:02:34 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
▼ぼーそぼそどーが (ニコ○コ動画的なノリで)
え、なんか超気になるところで更新ストップしちゃってますが
とりあえずぼそりとつぶやいてみたいと思った
最近ねー
オリなり板の方に復活しようとしてるんだけど
やりたい性格とかのキャラが多すぎてたいへんだー
で、自分の掲示板かしあんいろの方でそのキャラのストーリーとかプロフを更新したいと思った
いやプロフはさすがにここには書かないけどry
なんでここにかいたのかというと
ひまでひまでしょうがないから
じゃあなぜ更新しないのかというと
文章を考えるスイッチが入ってないからと
あと、今使ってるのがいつも更新してる方のパソコンじゃなくてお兄ちゃんとかが使う方だから
更新の途中でパソコンかしてって言われるとアレなので!
てことでばいにー!
59
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/20(月) 20:33:19 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / のーたいとる (言葉ではあらわせないかも) ※グロ(流血)とか注意!俊太くんが好みの子はちょっとがっかりするかも!(主にねここ)
「り、か………?」
梨花が手に持っていたカッターナイフを見て、びくんと肩を揺らしながらも後ずさった
「なんでカッターなんてもって、」
「本当はね、男に好かれない……しかも本命かもって思った俊太サンに振られちゃったから、自殺しようと思ったの」
にこりと可愛らしく微笑む梨花はもう、あたしには抑えきれないほどの怒りと屈辱で満ちていた
「ごめんね、おねえちゃん」
嗚呼、あたしと俊太が別れていれば――――――…………
「さよならッ!」
振りおろされたカッターナイフがきらりと光った
満足気な梨花の笑みと共に、あたしに襲いかかってくる
さようなら
もう、死んだと信じたかった
これでもう終わりなんだと
そんなの、やだ
あたしは何のために死のうとしてるの?
まだ、やり残してることがあるじゃない
俊太ともっと過ごしたいし、海斗先輩と仲直りもしたいよ
優衣ちゃんと妃芽と芽衣ともっと話したい
人生の半分も生きてないもん
「死にたくないッ………!」
死んだはずのあたしが
声を出していることに吃驚した
よくよく見てみると、どこもきられていない
それにあたしを庇うように
俊太がいた
「大丈夫、百花は死なないよ」
死なないって
大丈夫って
笑ってるくせに
あたしは大丈夫なのに
なんで俊太がきられなきゃいけないの?
「俊太、腕………っ」
咄嗟に梨花の手を掴む余裕がなかったのか
あたしが刺されればいいのに、自分の腕を出して庇ってくれた
公園の砂の上には、じんわりと血がこぼれ落ちる
ぽたりぽたりと、そしてそれに
梨花の涙も混じっているようだった
「おねえちゃんはずるいよ………」
あたしが、ずるい?
「あたし……おねえちゃんが羨ましかった
男の子にモテたって、なんも嬉しくなかった………」
なんで、そんなこと
「おねえちゃんみたいに一途に愛されてたかった……」
梨花のこと
かわいそうに思えた
「あたしもね、梨花のこと羨ましいなって思ってたよ」
ふわりと微笑んで
梨花の目の前にいった
カッターナイフはもう掴む力すらないのか地面に落ちている
「―――――…………っ、」
そしてその瞬間
うしろろでばたりと
嫌な予感がした
「しゅん、た………?」
-
りかめええええぇぇぇ(((
いや、俊太をきった梨花が許せなry
でもね!
梨花はすきなんだよ!
60
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/21(火) 17:22:15 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / のーたいとる ※ちょっとだけ残念なシーンがあります、主に最初の方
「………しゅん、た?ねえ、俊太……………」
腕から血を流しながら俊太の血と梨花の涙が染みた砂の上にどさりと
静かに、そして整った顔立ちを無防備に曝け出し
倒れた
「しゅんたぁああぁあぁぁぁあぁああああぁあッ!!!!!」
×
「………おねえちゃん、だいじょうぶ?」
あたしは眠っていたのだろうか
意識が戻り、ぱちりと目を開けると其処には心配そうな、そして反省したような表情の梨花がいた
此処は何処だろうと、きょとんとして起き上がる
白い壁、白いカーテン、白い時計、白いベット
そして、真っ白なお布団に包まるあたし
決して心地の良いものではなく、寧ろ初めてで落ち着かない雰囲気だった
ちくたくと、静かに時計の秒針が鳴り響く
そしてやっと、梨花が話し始めた
「ごめん、ごめんね………ッ!」
ただただ謝り泣き始める梨花に、どう反応していいか戸惑う
「ど、どうしたの梨花……泣かないで?」
なにも、おぼえてないもの
ただ一つ、何か心に引っ掛かるものがあった
もう少しで外れそうな何か、
「………だってあたしのせいで俊太サンがッ……!」
しゅん、た……さん?
わからない
どうしよう
だれ?
「ねえ、梨花………」
「なあに?おねえちゃん、」
「しゅんたさん、って……だあれ?」
-
うああああああ
記憶喪失ですね!
記憶喪失にさせるか
そのままふつうにするか悩んだんですけど……
記憶喪失だとそのあとの話が膨らみやすいので!
大きいショックがあるとその出来事に関係してるっていうか、その大切な人のことをわすれちゃうっていうタイプの記憶喪失
………って、あったっけ?←
とーにーかーく!
一つ言おう、俊太は無事だ(キリッ)
61
:
燐
:2012/02/22(水) 16:27:54 HOST:zaq77195e19.zaq.ne.jp
記憶喪失か〜w
大丈夫なんか?
てか、梨花さんチャーンスw
62
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/23(木) 16:57:19 HOST:w0109-49-133-141-56.uqwimax.jp
>燐
ね!梨花チャンスだね!←
これからどうなるのかは考えてなi((
63
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/25(土) 16:47:23 HOST:w0109-49-133-133-30.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / のーたいとる
「………っ、おねえちゃん正気?!」
驚いた様子の梨花に、あたしは何もすることができなかった。
だってしゅんたさんなんて知らないし、何であたしが此処にいるのかさえ知らないから。
「………あのねっ、俊太サンは―――――――」
「梨花さん」
梨花がしゅんたさんの話しをしようとしたとき、看護師さんが来てこそりと梨花に告げた
そして、しゅんたさんの話しをすることなくお大事にと立ち去っていってしまった。
× ここから梨花side
「………俊太サンッ!」
吃驚した、おねえちゃんが記憶喪失で俊太サンのことだけわすれちゃったなんて
看護師さんには、おねえちゃんに俊太サンのことを話すのはもっと落ち着いてからにしてくださいって止められたけど……
俊太サンには言った方がいいよね!
「あのね、おねえちゃん記憶喪失で……俊太サンのことだけわすれちゃったみたい」
「は?」
しんみりとした雰囲気のなか、あたしたちの声だけが響いた
「………もも、か?」
「俊太サンが自分を守って倒れちゃったんだってショックで、あのあとおねえちゃんも意識なくしちゃったの……」
あたしのせいだ
あたしがおねえちゃんを襲わなければあんなことにはならなかった
「ごめん、なさっ……」
「大丈夫だから……いつか思い出してくれればそれでいい」
俊太サンがうそついてるとき、静かに目を閉じる
冷静になろうとしてるときも……あたしだって、俊太サンを見てきたからわかるもん
「ライバルが記憶喪失のときに、なんて卑怯だとは思うけど……あたしだって一応好きだから、恋は戦争と同じようなもんだしね」
「は?梨花………?」
さらりと、横で一つに結んでいた髪の毛を解く
そしてそっと、俊太さんの唇にあたしの唇を重ねた
「………すき、」
-
しゅんたさんかっこいーきゃー
64
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/28(火) 09:08:46 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 迷い 梨花side
「………り、か……ッ」
もう、子供扱いなんてさせない。梨花ちゃんなんて呼ばせない。
梨花でいいの、もっと意地悪してくれてもいいの。お姉ちゃんみたいに大事にしてよ。
「……ど、しよ………百花をずっと好きでいるって、大事にするって決めたのに………」
カタカタと小刻みに震える俊太サンをぎゅっと抱きしめた。
今、俊太サンを助けられる人はあたししかいないでしょ?
「………正直、すげえ迷ってる………っ、」
お姉ちゃんが大好きで、お姉ちゃん一筋でいつもお姉ちゃんの話をすると笑顔になって。
そんな俊太サンの口から迷ってるなんて言葉が出てくるとは思わなかった。
「………迷ってる、の?」
嘘なんじゃないか、騙されてるんじゃないか。
好きなのに、大好きなのに。疑ってみたくなる。
「………っ、」
こくりと、小さく頷いた俊太サンにあたしの中にも迷う気持ちが芽生えた。
お姉ちゃんは大好きだし、恋を応援したい気持ちもあった。でも、俊太サンも大好きで……あたしと付き合ってくれるんなら拒んだりしない。
あ、もうだめかも。
「俊太サン、あたしを利用してお姉ちゃんのこと忘れてもいいよ」
ちがう、お姉ちゃんを裏切ったわけじゃない。
あたしとお姉ちゃんで迷っちゃうような中途半端な気持ちでいてほしくないの。
そんなに中途半端な気持ちで、お姉ちゃんを愛してほしくない。
俊太サンも大好きだけど、今までずっと二人で生きてきたお姉ちゃんがあたしにとって俊太サン以上に大切で大好きだから。
「………で、も……っ」
未だに迷い続ける俊太サンに対して、遂に怒鳴ってしまった。
「あたしはいくら傷ついてもいいから、中途半端な愛でもいいからッ!
お姉ちゃんと中途半端な気持ちで付き合い続けるのはやめてよ………」
ずっと、俊太サンが欲しいと思ってた。
かっこよくて、優しくておもしろくて。
偽物の愛でもいいから、早くお姉ちゃんから離れてほしかった。
毎日楽しそうに俊太サンの話をするお姉ちゃんを見て、つまらないと思ってた。
嫌いだったのは、あのとき刺そうとしたのは、
お姉ちゃんじゃなくて、俊太サンだったの――――――――
お姉ちゃんを傷つけるつもりはなかった。
ただ、俊太サンを刺すにはお姉ちゃんの協力が必要だったの。
下手な芝居をしてでも、ずる賢く俊太サンの心を奪おうとしてでも。
お姉ちゃんに嫌われてもいいから、とにかく俊太サンをお姉ちゃんの中から消そうとした。
「お姉ちゃんの中からやっと俊太サンが消えたの………
俊太サン、これ以上お姉ちゃんを苦しめないで………っ、」
-
梨花ちゃんが好きすぎたあまり俊太が悪役っぽくなった。
でもきっと俊太ならうまくやってくれるy((
ちなみに何でこの時間帯の更新なのかというと!
熱で学校お休みしたからだよ☆ry
65
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/02(金) 17:50:46 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 決意 梨花side
「……………ごめん、梨花ちゃん」
俊太サンの震えが収まったと思えば、いつもの冷静な態度になり呼び方も梨花から梨花ちゃんに戻った
嬉しいような、寂しような………でもそんなことより、何に対して謝ったのかがわからずじっと俊太サンを見つめた
「俺、やっぱ百花じゃなきゃだめみたいなんだよね」
やっぱり、お姉ちゃんは俊太サンの心を奪っちゃうみたい。
悔しいとかじゃなく、お姉ちゃんがどうとかじゃなく………
「あたしはお姉ちゃんに対する俊太サンの気持ちが心配だよ」
本当の本当に、お姉ちゃんを愛してくれるの?
お姉ちゃんを泣かせない?
そんな不安が、ぐるぐると頭の中をまわっていく
「大丈夫、もう迷わないよ。泣かせないって断言はできないけど………泣かせたくないし」
ふわりと微笑む俊太サンに、大丈夫なんだと安心した。
そしてあたしも微笑み返し、早速お姉ちゃんの元に行こうとする。
「泣かせたくないとか言うんなら、まず記憶取り戻させなきゃ!
看護師さんには止められてるけど………いいよね?」
「いや、それはやめとくよ」
-
ぐだぐだなのはまあ……気にすんn((★ry
66
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/02(金) 18:35:00 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 涙 梨花ide
「………どう、して?」
なんで?どうして今すぐ会いに行かないの?
あたしだったらすぐ行くのに、お姉ちゃんが寂しがらないように……泣かせたくないって言ったばっかりなんだし。
「泣かせたくないっていうのは嘘だったの?」
本当は会いたくないとか。勝手に泣いてろとか。そんなこと思ってたりして………
呆然とした表情を浮かべ俊太サンを見つめると、俊太サンは真剣な顔であたしに告げた。
「看護師は百花がまだ不安定な状態だから俺のこと言うなって梨花ちゃんに言ったんだろ?」
そういえば、そんな気もする………
「で、でも!会うくらいなら…………ね?」
「なあ、梨花ちゃん」
あたしの声に重なって、俊太サンの声が聞こえた。
そして、突然俯いて小さな声で呟くように言う。
「大切な人に忘れられるっていうの、本当はすげえキツいんだよね」
-
(´・ω・`)
しゅんたさんしょぼん。
67
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/03(土) 14:56:48 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 強引 梨花side
「………俊太先輩ッ!」
突然病室のドアが開き数人の女の子が入ってきた。
タイミング悪いとむっと表情を歪めつつも、その人たちを見つめる。
「………妃芽と芽衣、それに優衣ちゃんも………?ってことは、」
優衣さんはよくわからないとして。
妃芽先輩と芽衣先輩はあたしも知ってるし、さっぱりした性格で優しくて大好き。
「妃芽先輩、芽衣先輩……お姉ちゃんは、その………」
言いづらかった、自分のことでもないのに。
俊太サンのことなのにあたしがこんなこと報告するのもあれだし、気まずかった。
「…………さっき百花のところ行ったよ。俊太先輩のこと……聞いた」
珍しく芽衣先輩がシリアスな感じで俯いた。
俊太サンも、表情を曇らせる。
「ねえ、俊太先輩……百花に会いに行こうよ!」
……え、
吃驚した。
さっきあたしが拒否されたこと、軽々しくまた。
でも、俊太サンがお姉ちゃんに会った方がいいのは事実だ。
「……いい、今は会いたくない」
なん、で
会いたくないとか、泣かせたくないとか
意味わかんないよぉ………
「しゅんたさんなんなの……おねえちゃんだってあいたくないっていわれたらかなしいとおもうよ………」
思わず、泣き出してしまった。
俊太サンからのお姉ちゃんへの思いの軽さがかなしくて。
そんなあたしを慰めるように芽衣先輩があたしの頭を撫でると、妃芽先輩が俊太先輩に聞いた。
「それが、本心ですか?」
きつい態度と口調に少し驚く。
「んなわけないじゃん、」
-
うああああああああああ((
文考えるの好きだけど打つのめんどい(((ry
68
:
裕子
:2012/03/03(土) 16:15:07 HOST:pb6a99bf2.aicint01.ap.so-net.ne.jp
ありゃ(汗)私が書いてる小説と名前一緒だ(俊太)
パクって何かありません!(あたりめーだ!)
69
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/04(日) 12:29:49 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
>裕子さん
え、何か運命的なものを感じましt((ry
ねここもこの掲示板で書いているときにキャラの名前被るってことたまにあるので気にしなくて大丈夫ですよw
70
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/06(火) 17:53:29 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 哀 梨花side
「本当はすっげえ会いたいけど……でも………
百花がお前らに対して笑ってるのに、俺には何も知らない顔して誰?って言われるのが怖いんだよ………っ、」
わたしだって、誰?って言われたらそりゃまあ傷つくかも。
言われて初めて気づいた俊太サンの気持ちの悲しさと同時に、あたしは何て無謀で残酷なことを言っていたんだろうと罪悪感を覚えた。
だけど、会いたいなら会えばいいじゃない?
「………辛いけど、苦しいかもしれないけど………会おうよ!俊太サン!」
明るい雰囲気じゃないのに無理に微笑んだのは、少しでも寂しい思いをしないためだと思う。
俊太サンと、………あたし、が。罪悪感で埋もれないように。
「だって、お姉ちゃんが記憶を取り戻すためには実際に会うしかないじゃん!」
「そうだけど!実際に会って記憶を失ってる百花の顔見たら余計辛いよ、」
ああもう、うじうじうじうじ。
いい加減にしてよね、と思っていると、妃芽先輩がぐいっと俊太サンの腕をつかんだ。
「いーから!梨花ちゃんが勇気出して会おうって言ってくれたんだからそのチャンスを無駄にしないのー!」
かわいくて、何でもできちゃう先輩たち。
あたしも妃芽先輩は好き。
「……がんばろ、俊太先輩?」
妃芽先輩がにこりと微笑んだ。
小さく頷く俊太サンに、内心喜びながらついていく。
×
「おねーちゃーんっ!」
「百花あ!」
「百花、久し振りー!」
あたしと妃芽先輩と芽衣先輩がお姉ちゃんに挨拶し、後ろにいた俊太サンは不安そうな表情を浮かべている。
そんなあたしたちを見て、お姉ちゃんは俊太サンが一番寂しがっていることを言ってしまった。
「久し振りー……ところで、その人は?」
「……本当にわかんないの?」
妃芽先輩に尋ねられても、うーんと首を捻っている。
「なんか、なんとなくだけどね……すごい大好きだったような気がした」
「百花のばか、一番大好きな人のこと忘れちゃうんだから……」
妃芽先輩、泣いてる?
顔を伏せてお姉ちゃんに近づいた妃芽先輩に不自然さを覚えた。
「………妃芽?どうして、」
「俊太先輩のことわすれたくせに、何で百花ばっかりみんなの心奪ってくの……?ずるいよっ、」
あ、あたしも思ったことあるー
妃芽先輩とはなんだか語れそうだったので、ここは一旦芽衣先輩とお姉ちゃんと俊太サンで乗り切ってもらうことにした。
「妃芽先輩、あたしでよければ話聞きますよ?」
-
71
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/06(火) 18:11:25 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / お姫様のような、 梨花side
「……どうしたんですか?」
病院の空いている別室に入り、妃芽先輩に話を聞いた。
恋愛関係の問題だということはわかっていたけれど、お姉ちゃんが何かしたのだろうか。
「百花は悪くないの……ただ、妃芽が勝手に海斗先輩のこと好きになっちゃってっ、」
恥ずかしそうに頬を赤らめながら、瞳から零れる涙を袖で拭く妃芽先輩が可愛らしいと心から感じた。
確かお姉ちゃんは妃芽先輩に海斗先輩のこと相談してたんだっけな、と思い浮かべはあと溜め息を吐く。
「相談されたのに……わたしは相談に乗ってあげなきゃいけないのにっ……ひどいよね、こんなの」
「そんなことないです!相談に乗ってあげて、友達の好きな人とか見てると自分もついついその人のこと気になっちゃいますよね」
あたしにそういう経験があるわけじゃないけど、お姉ちゃんが俊太サンのこと好きっていうから少し気にしてみたことはあったもん。
ていうか!お姉ちゃん中村先生とか海斗先輩とか俊太サンとか、手出しすぎでしょ!まあ、天然だから仕方ないとかいえちょっとねー。
「………でもね、わたし百花を助けるために海斗先輩に怒鳴っちゃったの……だから、それから全然話せなくてっ、」
「……お、お姉ちゃん人騒がせな人ですよね、すみません。でもそれは……どうしよう。妃芽先輩、海斗先輩のメアド知ってますか?」
計画を練り始めようと考えるあたしの問いに、ふるふると情けなさそうに首を横に振る妃芽先輩に自分の恋は不器用なんだと思い苦笑した。
まずはそこから始める必要があるか……と小さく呟くと、此処が病院だということも忘れて妃芽先輩の腕を引っ張ろうとする。
「よし!海斗先輩のメアドを聞きにいこう!」
病院の部屋を出ようと思った、そのときだった。
突然部屋の電気が消えて真っ暗になり、扉がさようならとでも言うように閉じた。
停電?ちがう、よね………
「ど、どあ………開かない?」
スライド式のドアだったから、何度がぐいっとドアを横に引いたけれどびくともしない。
ただ耳を添えると外はいつも通りしんとしていて、隣の病室からは楽しそうな笑い声が聞こえた。ということは……
「この部屋、あんまり使われてないから……看護師さんが誰かいるとも知らずに電気消して外側から鍵かけちゃったのかも、」
妃芽先輩の呟きに、はあと溜め息を吐いた。
あまり使われてないなんて、もう助かるはずないじゃん!
「携帯も電波悪くて全然繋がんない……ていうかここ病院だからもともと繋がんないんだっけか」
絶対絶命の危機が訪れました。
-
72
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/06(火) 21:33:50 HOST:w0109-49-133-136-150.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 絶体絶命 梨花side
「ど、どうしよう……このまま誰もこの部屋に来なくて、永遠に此処にいることになったら……」
そんな想像したことを口に出して怖がり涙を零す妃芽先輩に、段々あたしも怖くなってきた。
でも、芽衣先輩たちも心配して探しにきてくれるはずだとポジティブに考えじっとその場に座り込む。
「………真っ暗、夜の病院って怖いですよね」
もう遅くなってきたのがわかった。時計は見えないけど、最初来たときよりかなり暗くなってきている。
どうしよう、今日課題たくさんあったんだよねー。なんて呑気なことを考えてみるけど、やっぱり少し怖い。
「早く此処から出たい。ドア叩こうか!」
妃芽先輩が行動し始めるのを見てそれに続いてあたしも行動し始める。
ドンドンと無理矢理ドアを叩いて、何としてでも開けてもらおうと思った。
「誰か!閉じ込められちゃったんです!助けてくださいっ!」
「だーれかー!おーい!開けてくださーいっ!」
ねえ、誰か早く
あたしたちを見つけ出してよ
「もうやだあっ………こわいよっ、」
どうやら妃芽先輩は暗くて何も見えないこの状況が苦手なようで。
あたし以上に怖がっていた。あたしも、本当はすごく怖いけど。
妃芽先輩を、守ってあげなきゃいけないような気がしたの。
「大丈夫だよ……!もう少しで誰か来てくれるかもしれないから、がんばって!」
妃芽先輩をぎゅっと抱きしめると、妃芽先輩があたしの腕に顔を埋めながら泣き始めた。
今まで受け止めてくれる人がいなかったのか、とても安心して泣き出す先輩を見て少し嬉しくなる。
そんなときだった。
「妃芽っ?!」
ばんっと大きな音を立てて開いたドア。
そこには見知らぬ男の人がいたけれど、多分きっと海斗先輩だろう。
よかったじゃん、と思いながら妃芽先輩を海斗先輩の方にどんっと押す。
「………ううっ、」
やっぱり怖かったのか、妃芽先輩が更に泣き出してしまった。
それを海斗先輩に任せてあたしはカタカタと震えた足取りでお姉ちゃんの元へ走る。
「おねえちゃんっ………」
「ごめんねっ……こわかったよね?!」
人騒がせなのはお姉ちゃんだけじゃなくあたしもなのかもしれないと、ぽつんと心の中で思った
あとこれで、海斗先輩と妃芽先輩がうまくいってるといいんだけどなー。
×
次の日、休日だったのでお姉ちゃんのところに行ってお話してた。
あとから予想通り芽衣先輩と妃芽先輩も来て、妃芽先輩から今度はお姉ちゃんの病室の隅っこで事情聴取した。
「あ、あのあと……一緒に帰って、泣き止むまで抱きしめてくれてて……メアドもね、教えてくれたよっ!」
おお、不器用な妃芽先輩にしてはがんばった模様。
あたしだったらそのまま海斗先輩の家に行くくらいするけどねー。
「がんばって、妃芽先輩!先輩可愛いから絶対大丈夫だー!」
「可愛いとかよくわかんないし、わたしは梨花ちゃんと百花が可愛くて羨ましいけど……わたしなりにがんばってみるよ!」
え、いや。
こんな可愛い人に可愛いって言われても何だか哀れなんだけどな。
羨ましいとか、あたしの方が羨ましいですよ!
恋に不器用な子、かわいいなあ。
あたしは恋は結構鋭くて計算高いから………。
まあ、そのお陰でどんな男の子の心も奪っちゃうわけだけど?
海斗先輩だけは最初に思ったの。
絶対にあたしじゃ落とせないって。
だから妃芽先輩、がんばってね。
-
妃芽メインのお話になりそうです。
そのあいだに百花と俊太もなんとかなるよ!
海斗先輩を目立たせたかったー。
やっぱかっこいいね!
そして梨花ちゃんsideなので梨花ちゃんも目立つよ!
73
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/07(水) 17:48:06 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / お姫様の恋、 梨花side
「………あ、」
お姉ちゃんが俊太サンのことを忘れてしまってから、とりあえずあたしとお姉ちゃんだけで登下校してる。
学校の校庭でお姉ちゃんと話しながら歩いていると、妃芽先輩の姿を見つけ思わず声を漏らした。
だって、妃芽先輩ばっちり海斗先輩と登校してるんだもん。
「あ、妃芽だー!」
「えちょ、お姉ちゃんだめだって……っ、」
妃芽先輩を見つけて喜び出すお姉ちゃんをぐいっと引っ張った。
二人の邪魔するなんて許せないからね!
「……妃芽先輩と海斗先輩の邪魔はしちゃだめだよ!」
「え?……あたし、海斗先輩と喧嘩中っぽいし。あ、でもなあ……妃芽にお願いして仲直りしようかな」
考え始めるお姉ちゃんを見て、有り得ないと感じた。
男たらしなのはあたしの方かもしれないけど、お姉ちゃんでも流石に許せない。そして天然すぎるでしょ!
「だから、だめだって言ってるじゃない!」
思わず怒鳴ってしまった。
それに戸惑った様子のお姉ちゃんを、海斗先輩たちに見つかってしまった。
「何やってんの?百花になんかした?」
「………っちがいます!妃芽先輩は海斗先輩のことがっ……あ、」
ここで妃芽先輩のこと言ったらだめだ!
でもどうしよう、お姉ちゃんばっかだこれじゃ………
「いくら妹さんや妃芽でも、百花のこと泣かせたら許さないから」
なん、で!
わたしがこんなに悲しいんだろう、妃芽先輩が一番悲しいはずなのに、どうしよう……。
きょとんとするあたしたちを置いて背を向けて去っていく海斗先輩を引き止めることさえもできなかった。
「………ひ、妃芽先輩…………」
あたしの腕に顔を埋めてくる妃芽先輩をきゅっと抱きしめ、とりあえず教室へ向かおうとした。
きょとんとしながらついてこようとするお姉ちゃんにきつく言い放つ。
「ごめん、先行っててくんないかな……」
「え、梨花………?」
×
「もうっ、なんで海斗先輩……ていうかお姉ちゃんったら!」
「いいよね、百花は先輩に好かれてて……喧嘩してた筈なのに、泣かせてもないわたしたちが怒られちゃうなんて思わなかったあっ……」
泣き始める妃芽先輩にそう言われながらあたしも少しイラっと来ていた。
「お姉ちゃんね、妃芽先輩と海斗先輩が仲良いの見て妃芽先輩を使って海斗先輩と仲直りしようかなとか言い出したんだよ!」
「………え、」
許せないといった表情の妃芽先輩に、少し共感した。
あたしも今のお姉ちゃんはあんまり好きじゃない。
「お姉ちゃんも、ひとりの人を愛すってことはできないのかも……このままじゃ、海斗先輩にまでっ、」
「やだ、どうしよう………」
焦り出す妃芽先輩に、にやりと不敵に微笑んだ。
「これはもう、告白するしかないよ!妃芽先輩っ!」
-
百花悪役になってきちゃったw
や、妃芽と梨花のコンビが好きすぎてwww
74
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/07(水) 21:18:57 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 告白 梨花side
「えっ?こっ、告白?!」
突然焦り出して顔を真っ赤にする妃芽先輩にぷっと小さく吹き出し笑った。
そんなに驚くことだろうかと思いつつも、更に追い打ちをかける。
「お姉ちゃん、結構天然にどんどんアタックしてくからすぐ告白しなきゃ海斗先輩奪われちゃうかもなあ」
「そ、それはやだ!……でも告白なんてはずかしーよおぉ……」
真っ赤な顔を両手で隠している妃芽先輩にかわいーなーなんて思いながら微笑んだ。
「大丈夫!妃芽先輩なら絶対平気だよ!」
「……………本当?」
「うん!本当本当ー」
「ぜったいに、ふられない……かな」
ふられるのがいやなようで。
まあ適当な返事でどんっと背中を押した。
「ぜったいふられないって!だいじょーぶだいじょーぶ!」
×
「か、海斗先輩っ………!」
妃芽先輩と海斗先輩の様子を影からこそりと見守りつつ、お姉ちゃんが来ないように見張っていた。
妃芽先輩は大胆に屋上に海斗先輩を呼び出し、二人きりのところで告白するみたい。
「わ、わたしっ……海斗先輩のことがっ、」
「あのさ、妃芽」
告白しようとしている人の話しを遮るとは……やるな、海斗先輩。
でもどうしよう、計画が崩れちゃうよー!
「百花何処に行ったか知らね?」
「わ、わかんない……です」
此処で押し切んなきゃいけないのにー!
弱いなあ、妃芽先輩………。
「あ、あの!」
「あー……あのさ、百花に会ったらごめんなって言っといてくんね?」
「………はい……」
明らかに残念そうな表情をして瞳に涙を溜める妃芽先輩。
それをみて、海斗先輩が動き出した。
海斗先輩の長い腕に力強く引き寄せられる妃芽先輩。
瞳に溜まった涙がきらりと舞い、顔がぽふんと海斗先輩の胸にうずくまる。
「好きだよ、妃芽」
「え………?」
驚いた様子の妃芽先輩に、あたしまでもがすごく嬉しく感じた。
今までのは海斗先輩なりの照れ隠しだったのだろうか。
「妃芽がよければでいーけど、付き合ってくんね?」
恥ずかしそうな海斗先輩にきゅんときた。
あたしまでもが……まあ、好きになったわけではないけど。
「……はいっ!」
元気よく返事をして嬉しそうに微笑む妃芽先輩を改めてかわいいなと感じた。
「おめでとー妃芽先輩っ!海斗先輩もー」
そろそろ出てきたくて隠れていた物陰から出てくると、至極嬉しそうに妃芽先輩が微笑んだ。
よかったよかった!一件落着ーかな?
「………海斗先輩と……妃芽?」
-
あー、なんか百花ちゃん怪しげw
妃芽かわいいです、海斗かっこいいです。
梨花もなんかかわい!
いぇーいry((何
75
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/08(木) 17:27:44 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / お姫様と魔女、 梨花side
「海斗先輩、何してるんですか?」
可愛らしい声を作り上げ、あたしたちの目の前にやって来たのはお姉ちゃんだった。
明らかに怒ってるような、お姉ちゃん自身ではないけど本心で勝手に身体が動いちゃってるお姉ちゃんの本当の気持ちを素直に表しちゃうちょっとやばい感じ。
「お、お姉ちゃん!あの、さー……きょ、教室!教室で誰か探してたよ!お姉ちゃんのこと、」
「梨花、それうそでしょ?………ねえ、海斗先輩」
海斗先輩と妃芽先輩に近づかせないように前に態とらしく立ったあたしを、お姉ちゃんがぐいっと無理矢理寄けさせた。
今までにないくらい強い力にびくんと肩を揺らす。
そしてお姉ちゃんが海斗先輩の両手を掴んでぐいっと近づいた。海斗先輩も、力では勝てただろうけど突然のことで驚いている様子だ。
「あたしに、何か話しがあったんですよね?直接言ってくれなきゃいやです。許しません」
意地悪な笑みを浮かべ、海斗先輩が抵抗しない、いや……できないのをいいことに、顔を近づけてキスしようとしている。
それを見て本心なのか、海斗先輩への愛の力なのか。わからないけれど、お姉ちゃんより小柄な身体の妃芽先輩がお姉ちゃんをどんっと突き飛ばした。
「きゃっ?!」
海斗先輩が本能的に支えるのかと思ったけれど、焦っていたからと妃芽先輩への愛が強いからとかいろいろあって倒れ込むお姉ちゃんをスルーしてしまった。
珍しい、と驚きの表情を浮かべつつも、倒れたお姉ちゃんより上に目線になるように立ったまま妃芽先輩が言い放った。
「海斗先輩に手出さないでっ……!」
ふるふると首を振る妃芽先輩の瞳には涙が溜まっている。
それに対し、まるで操られたような生きた感じのしない瞳でお姉ちゃんが言った。
「何で?どうして?」
その問いに対し、妃芽先輩が再び真っ赤な顔をして言い放つ。
「わ、わたしがっ……か、海斗先輩の………えと。かっ、……………彼女だからッ!」
あ、何か初々しー。
海斗先輩もこうやって付き合うのは慣れてそうで初めてなのか驚いたような表情をしていた。けれどすぐにこりと微笑んで妃芽先輩を抱きしめる。
「そ、俺は妃芽のだからさ。ごめんな!」
ちゅっと妃芽先輩の頬にキスをすると、妃芽先輩はまるでポットが水を熱くあたためおわったようにポッと赤くなった。
初々しいカップルってみててちょーはずかしくなってくるよね。
って、そんなことよりお姉ちゃん!
どうしよー………。
「へえ、付き合ってるんだ………」
「?そうだけど、」
お姉ちゃんの言葉に平気そうに返事する海斗先輩に失敗したとこっそり思った。
お姉ちゃんが自分の携帯を突きつける。
「海斗先輩、あたしに無理矢理キスしたくせに?」
お姉ちゃんの携帯の画面には、海斗先輩とお姉ちゃんがキスしている写真があった。
-
お姫様=妃芽
魔女=百花
ですよー
百花悪キャラ似合わんな!
76
:
燐
:2012/03/08(木) 17:48:49 HOST:zaqd37c5e38.zaq.ne.jp
久しぶりに一気読みした。
いつ…記憶戻るんやろ…。
楽しみやわぁ〜w
77
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/08(木) 19:43:27 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
>燐
一気読みおつかれ!
そしてありがとう!
今もう俊太放置状態だわ…!
どんまi((ry
78
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/09(金) 08:31:47 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / お姫様と王子様、 梨花side
「……そ、れは」
明らかに動揺した様子を見せる海斗先輩にお姉ちゃんがにやりと不適に微笑んだ。
そんな海斗先輩に妃芽先輩がそっと近づき耳打ちする。なんて言ったかはわからないけど……
突然、海斗先輩が嬉しそうに表情を緩ませた。そして強気なお姉ちゃんに言い放つ。
「そのときは百花のこと気になってたし無意識にそういうことしちゃったけど、それは昔のことだからさ」
「わたしも、海斗先輩は今わたしのことを好きでいてくれてるって信じてるし」
妃芽先輩も両想いになってから強くなったなあと心から感じた。
あ、なんかあたし妃芽先輩のお母さんとかお姉ちゃんみたいー。
「………じゃあ今だってキスしてくれたっていいじゃない!」
お姉ちゃんが爆発して妃芽先輩を押しのけ海斗先輩を思いっきり突き飛ばした。
突然のことで海斗先輩も驚いたのかぐらりと後ろに倒れる。そして、倒れた海斗先輩をお姉ちゃんが押さえつけてまあ押し倒したみたいな状態になった。これはさすがにやばいかも……
「海斗先輩、付き合ってくださいっ……!」
完全にくるってるお姉ちゃん。
俊太サンがいるっていうのに……
「お前には俊太が、って……そっか」
記憶、が……ないんだっけか。
そう思った瞬間に、まるで神様のようなタイミングで俊太サンが現れた。
「百花、もうやめろよ!」
「……………だ、れ?」
誰だかわかってないお姉ちゃんをよそに、俊太サンはお姉ちゃんを優しく、それでも強く抱きしめた。
「俺のこと思い出せよ、百花っ……!」
「……………しゅ、んた?」
お姉ちゃんの瞳はもう操られていたような瞳じゃなくなっていた。
もうかわいい女の子のような純粋な眼だ………俊太サンのことも思い出したみたいだし。
「ご、ごめんなさいっ……あたし………何やってんだろ、」
「百花あぁっ………」
謝るお姉ちゃんにぎゅっと抱き着いたのは俊太サンではなく妃芽先輩だった。
大好きな幼馴染が急に自分の大切な人を奪おうとしてきたから不安だったのかもなあ。
「………俊太サンもたまにはやるじゃん、」
ぼそりと俊太サンの隣で呟いた。
これならお姉ちゃんを任せてやってもいいかもって思ったから。
「………百花のことは心配すんな、梨花」
このとき、梨花ちゃん呼びが梨花に変わっていたのに気づき少し驚く。
そして衝撃的な一言を言い残し、俊太サンとお姉ちゃんは去って行ったのだった。
「梨花のことを狙ってる奴がいるから気をつけろ、まあ守るけど」
あたしを狙ってる奴?
-
タイトルのお姫様と王子様っていうのは妃芽海斗ペアと百花俊太ペアどちらもですねー
で、梨花を狙ってる人物は!
(ネタバレ含みます見たくない人は見ないでね☆ry)
えと、中村先生でs((
百花に似てる梨花を好きになっちゃったーみたいな。
最初は俊太が梨花のこと好きみたいなそういう感じにしようとしたんだけど
これ以上百花と俊太にぐだぐだあるとかわいそうだからやめた!
79
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/09(金) 18:14:09 HOST:e0109-49-132-14-72.uqwimax.jp
▼謝罪.
誤字というか大きな間違いの謝罪です!
間違っても対したことないとか軽い気持ちで書いたのがいけなかったね!
中村先生って一体誰だよって話です。
中村じゃなくて中島だよ!
今日その中島先生の名前の確認と今までのストーリーを確認するために小説を全部一気読みしてそう思いました。
あと読みにくかったり、一人称とか突然相手の呼び方とか変わってたりね!
でもそこらへんはリアルでもよくありがちなのでいいかなとか思ってみたりもすr((
てことでぐっばi((
じゃなくー
他にも多々誤字や間違い等を発見し、読者側の目線で見て文章力も次第に衰えていき大変読みにくく、読んでいて不愉快になってしまうシーンも感じられました。
この掲示板で大変失礼な行動や小説を書く者としてあってはならないことをしてしまったなととても反省しております。
今回のことで更に読みにくく誤解を招くような行動をしてしまったことを深くお詫び申し上げます。
そして、これからは小説を書く者として失礼のないよう励んでいきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願い致します。
真面目に反省してみた、シリーズ第一回目☆ry
え、何かありえないくらい真面目な文章で逆にごめんなさい((
80
:
燐
:2012/03/09(金) 20:13:04 HOST:zaqd37c5e38.zaq.ne.jp
ねここ>>
記憶戻った\(^o^)/
これでめでたしめでたしw
81
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/10(土) 14:32:53 HOST:e0109-49-132-13-14.uqwimax.jp
>燐
そーだねー、めでたしー!
いやまだおわんないけどね?ry
82
:
燐
:2012/03/10(土) 18:21:05 HOST:zaqdadc28cc.zaq.ne.jp
ねここ>>ま、一件落着って言った所か。
エエと思うでw←何が?
83
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/10(土) 18:35:07 HOST:e0109-49-132-13-14.uqwimax.jp
>燐
まあ、そんな感じだね!
www何かが?←
84
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/10(土) 22:28:48 HOST:e0109-49-132-13-14.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 狙い 梨花side
次の日の朝、今日からはお姉ちゃんの記憶が戻ったから俊太サンも一緒に登校することになった。
だけどやっぱりあたしの心の中から不安な気持ちは消えなくて、ぎゅっとお姉ちゃんの腕に抱きついて歩く。
「………あ、あのさ。そんなに俺のこと警戒しなくてもいいよね?」
おいといった様子であたしを見つめる俊太サンにふんっと鼻をならし顔を逸らした。
「うっさいばーか!俊太サンなんかにお姉ちゃんあげるの、やっぱ気に食わない!」
「おいおい、先輩に対して態度悪くねえか?」
「そんなこといってるともう如月家に入れなくなっちゃうよ?如月家って結構あたしの一言で動くこと多いからー」
ま、あたしの一言で動くのは本当だけど。
本当は今すぐ我が家へ永久に立ち入り禁止にしたいところなんだけどね?
「………すみません」
「あはは、そう思うなら今すぐお姉ちゃんと別れれば?」
謝ってくる俊太サンに意地悪っぽく微笑んだ。
そしてその様子を見て、お姉ちゃんが微笑みながら言う。
「なんか仲良いねー。あ、嫉妬とかじゃなくてね?」
「お姉ちゃんやめてよ!こんな奴と仲良いとか……あー本当に寒気してきたわ」
「えちょっ、梨花お前ひどくねえか?」
やだー
いっしょにしないでー
-
よくわかんなくなってきたので
一旦とうこう!
85
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/11(日) 22:48:06 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 愛くるしくて羨ましくて、 梨花side
「……あっ、みいちゃんだー」
「みいちゃん……って、未花ちゃんだよね?梨花仲良いの?」
皆からみいちゃんと呼ばれて親しまれてる子―――未花ちゃんは、一つ上の先輩でお姉ちゃんと同学年の子だ。
仲が良いのかと不思議そうな表情で尋ねられると、いやいやと口元で手を振り苦笑を浮かべる。
「うちの中学、未花ちゃんファン多くてさあ。毎日未花ちゃんの話しで持ち切りなのー」
たしかにあたしも、毎日どんな苦痛があっても可愛らしくて愛くるしい笑顔を振りまく未花ちゃんはとっても可愛いと思う。
羨ましいとかはあんまり思ったことはなかったけど、可愛いのに女子にも恨まれてなく男子にもモテモテっていうのはすごいなあってちょっと尊敬しちゃうな。
「でもあたしは妃芽先輩のが可愛いと思うなー」
「何でそこで妃芽?」
お姉ちゃんに軽くツッコミをいれられると、ありえない!と思いながらお姉ちゃんの両肩に手を乗っけた。
びくんと明らかに驚いている様子のお姉ちゃんに真剣に言い放つ。
「あのね、ここらへんの地域では!未花ちゃんと妃芽先輩ファンがうじゃうじゃいるんだよ!
まあ、あたしは妃芽先輩派なんだけどさー……あれっ?ていうか……今日青春校見学日じゃん、妃芽先輩に会えるー!」
わすれてたわすれてた!
そろそろ中三は受験シーズンだから、超人気校として青春高校をみんなで見学するんだよね。
すっごい楽しみだけど、あたしも青校狙ってるからライバルが増えたら大変なんだ。
「……え、じゃあ梨花あぶな、」
「うるせーわ、別に俊太サンに会えることがうれしいんじゃないから。ていうか寧ろ貴方には会いたくない」
何か言いかけた俊太サンに思いっ切り拒否反応を起こしお姉ちゃんの後ろに隠れた。
危ないって言いかけたような気もしたけど、気のせいか?
×
「おねーちゃーんっ」
「梨花ぁ!あ、妃芽もいるよー」
高校見学の時間になって、高校の門をくぐるとすぐお姉ちゃんが迎えにきてくれていた。
お姉ちゃんを見つけて嬉しくなって駆け寄ると、お姉ちゃんの後ろから可愛らしく妃芽先輩も現れどきんとする。
「こんにちはー……なんてね、」
にこりと無邪気に微笑む先輩にきゅんときた。
やばいどうしようかわいい。
「ちょ、ちょーかわいいんだけど!」
一緒に来ていた友達の花が頬を赤く染める。
だよねだよねと言っていると、突然先生らしき人がやってきてあたしの肩に触れた。
「君が百花ちゃんの妹さん、だよね?」
「そう、ですけど………?」
「俺の物になんない?」
-
うん、ノーコメで。
86
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/12(月) 17:33:55 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 禁断恋愛? 梨花side
「ちょっ、先生馬鹿!何で梨花のことっ、」
「はいはい、教師に向かって馬鹿っていうことはそれなりの覚悟があるんだよね?百花ちゃん」
なに……何このコンビ。
「お姉ちゃんたちありえないくらいお似合いだねっ!」
初対面の人、そして彼氏がいる人に対してお似合いだなんて言うのは失礼かとも思ったけれど。
すごいなとか思ったりしつつも、お姉ちゃんは見事に職員室行きなんだなあと考えたりしてみる。
「あ、てことであたしもういくねー!お姉ちゃんっ、妃芽先輩っ……と、なんだかよくわからない人!ばいばーいっ」
遠くで綺麗なピアノの音色が聴こえ、それにつられるように去って行った。
なぜか、来てくださいって呼ばれてるような気がして。
-
………新キャラ増えそう。ごめんねー
87
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/12(月) 17:36:02 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
▼まとめ
今いるキャラクターたち。
主役/百花、俊太(梨花、妃芽、海斗)
脇役/中島先生、未花、芽衣、優衣
こんなもん?
結構少なかった事実。
88
:
名無しさん
:2012/03/12(月) 17:37:47 HOST:wb92proxy08.ezweb.ne.jp
産まれたん?
89
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/12(月) 17:52:35 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / ピアノ 梨花side
「………わ、きれいな音ー」
音楽室の目の前まで来ると外でのざわつきはもうなくなっていて、しんと静まり返った廊下には綺麗なピアノの音色だけが美しく響いていた。
友達のめぐも興味を持ったらしく、その暖かく何処か切ないメロディーをまるで夢の世界に吸い込まれるように聞き入っていた。
ピアノを弾いている人物は誰だろうと好奇心が湧き、ピアノの音色を止めないようにそっと音楽室のドアを開ける。
予想通り、「キイ」と少し歪んだドアが鳴った。
ぴたりと止まる音楽。突然現実の世界に突き戻されたような寂しい感覚。
思わず「あ……、」と声を漏らしてしまいたくなるような孤独さと、静寂に包まれた音楽室。
「あの、ごめんなさい……わたしたち、見学で来ててっ……」
「いや、気にしないで」
あわてて謝るあたしに、先輩らしいその人は優しく微笑んだ。
けれどその優しい表情には演奏していた曲と同じ切なさが感じられる。
「せんぱーい、ってあれ?女の子がいるー」
突然廊下から可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。
振り向くとそこには予想通りとても可愛い先輩の姿。
くりくりとした丸い瞳は茶色で、髪の毛もふわっとしててまるで鶯みたいな綺麗な色で。透き通った白い肌で、頬には林檎のような赤らみがのっていて。桜色の整った形の唇の口角を釣り上げて微笑む先輩。
「み、か……せんぱい……?」
「ほんもの………っ?」
あたしとめぐは本人を間近で見れたことと噂以上の可愛さにすごくすごく感動した。
×
「すっごいかわいい……」
「こんなかわいい人いるんだ……」
ぽつんとあたしとめぐが零した言葉に未花先輩はあわてて両手を振った。
「そ、そんなことないよ!梨花ちゃんと萌美ちゃんだってすごく可愛くて会ったとき吃驚しちゃった!」
先輩先輩
ありえないくらい可愛い人に可愛いって言われても哀れなだけですよ
-
ナニコノオワリ。
トニカク未花先輩かわい!
でもでもー
ピアノ弾いてた人の名前が出てこなかったwww
うん、今度だす。うん。
90
:
月波煌夜
:2012/03/12(月) 19:39:12 HOST:proxyag076.docomo.ne.jp
こんにちは!
少し覗かせていただきました〜('-'*)
文章が綺麗で、凄く読みやすいですね!
登場人物が生き生きと動いていて…凄いなぁと思いました。憧れます。
これからも頑張ってください!
陰ながら応援しています(^-^)/
91
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/12(月) 20:30:32 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
>月波煌夜さん
わわ、コメントありがとうございます!
憧れの方にそういっていただけるととても嬉しいです…!
煌夜さんもがんばってください!
ねここも応援しています!
92
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/12(月) 20:46:30 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽譜 梨花side
「………せーんぱいっ、何やってるんですか?」
さっきからあたしとめぐと未花先輩で色んなことを話していたというのに、ピアノを弾いていた先輩は楽譜らしきものにとても熱心に何か書き込んでいた。
その様子を見て不思議そうな様子で先輩を見つめ出しためぐに釣られあたしも気になって問いかけてみる。
「今度コンクールがあるんだ。吹奏楽の―――課題曲は自由で、自分でつくった曲でも参加していいフリーなやつね」
「あ、といっても緩いコンクールってわけじゃないんだよ?地区大会で銀賞とれてすごい良い方なんだから」
先輩の言葉に未花先輩があわてて付け足した。
どうやら人数も自由みたい。
「先輩はピアノなんですねー!……あと、は?もしかして一人?」
「や、俺と未花だよ。俺がピアノで未花がフルート」
フルート、かあ。
羨ましいような、なんというか……むずむずするような。
「………切ない曲なんですね」
ぽつんとつぶやいてみた。
合ってるかもわかんないのに。
「よくわかったね、卒業ソングだからさ」
「あー、だからあったかさもあって切なさもあったのか」
おお、と声を上げて言うと先輩が大きく目を見開いた。
それはそれは嬉しそうな表情で。
「暖かくて切ない曲に聴こえてた?」
「?は、はい………」
「っしゃ、!」
先輩が嬉しそうに微笑む。
それにつられてあたしたちも微笑んだ。
「よかったですね、先輩!」
青春って感じできらきらしてて。
これが高校生活、かあ……
-
パソコンおもくてだめだ。
93
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/13(火) 16:56:21 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽譜 梨花side
「いいなあ、先輩たちは……きらきらしてて、青春って感じで」
ぽつりと呟きながら、頭の中でキラキラとした青春を思い浮かべていた。
何かに没頭できる先輩たちが羨ましくて、何かに熱心に取り組みたくて。そんなきらきらした世界にあたしも入れたら、なんて思ってみる。
「大丈夫、梨花ちゃんも送れるよ。こういう生活!」
「え、でもわたしにはそんな没頭できるものなんて………」
未花先輩の前向きな言葉に思わず声を漏らした。そして、胸の前で両手を振ると無理だと考え否定する。
その瞬間、熱心に楽譜への書き込みを続けていたピアノを弾いていた先輩の手が止まる。
「―――――っり、か……だっけ?」
「如月梨花ですー」
勢いをつけて何か言おうとした先輩だけど、あたしの名前がわからなくて固まってしまった。
そしてまた、勢いはさっきよりは失せたけど真剣な表情で尋ねる。
「青春ってさ、格好悪いなあとか思う?」
青春ってさっきの先輩みたいなもののことでしょ?そんなこと………
あたしの中でぐるりと思考が周りまるで一周したかのように先輩の問いに答えた。
「なら大丈夫!何かに没頭して過ごしてることを格好悪いなんて言う奴は青春なんて絶対無理っておもったんだけどね」
うれしかった、認められたようで。
よかったなあと心から思い、同時に興味を持ち出した。
先輩たちの取り組む吹奏楽に。
-
94
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/13(火) 21:08:51 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 吹奏楽 梨花side
「………か、」
ぼそりと小さく呟いた言葉は、先輩には上手く伝わらなかったようで。
え?と首を傾げられてしまったのでもう一度大きな声で言った。
「わたしでも、吹奏楽ってできますかっ………」
何故だかわからないけれど、涙が溢れてくる。
寂しいとかそういうのじゃないのに……何でだろう?
胸がざわめいてる。
―――――楽しくて、何かに挑戦できそうで嬉しくて。
あたしもずっとほしいと思ってた熱中できる何かが手に入りそうな気がして。
「できるよ」
先輩の声だけが音楽室に響いた。
透き通った心地よい声にふわりと包まれるような感覚がする。
「何かに本気で取り組みたいって思ったときからもう始まってるんだ―――青春っていうのはさ」
あたしもきらきら輝けるのかもしれない。
もちろん苦痛もあるってわかってるけど、泣いてもいいから乗り越えて青春を迎えたい。
「あたし、がんばって青春校目指します……!吹奏楽部入りますっ……!」
涙を零しながら、それでも気合いの入った大きな声で言った。
先輩の手があたしの頭に乗っかる。髪の毛と指が絡み合って心地よい。
その瞬間、放送で体育館に集まるようにと告げられた。
頭から、先輩の手が離れる。
「じゃあな、」
「あ………名前、」
そういえば名前教えてもらってない!と都合の良いあたしの思考回路が叫んだような気がしたので、ぽつんと寂しげに呟いた。
すると先輩はにかっと微笑み、まるで待ってるとでも言うようにあたしに告げた。
「高校生になったらな!」
「―――はいっ!」
元気よく返事をした瞬間、心が晴れ晴れとするのがわかった。
そしてパタパタと走り、めぐと体育館に向かう途中。
「………わたし、自身ないなあ」
苦笑するめぐに、え?と声を漏らした。
-
うぇい!のーこめ!
95
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/14(水) 17:36:38 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 青春 梨花side
「わたしは別に吹奏楽得意なわけでもないし……中学からやってないでしょ?」
「中学からやってないのはあたしもだよ……?」
いつも無邪気で自信満々なめぐなのに、こんなに自信を失ってしまうなんて。
豹変してしまっためぐにどういった態度をとればいいのかわからず、きょとんとしたまま弱気に抗議した。
「……っ、梨花はいいよね!どんな人ともすぐ仲良くなっちゃうし、かわいいし」
言葉が出なかった。「そんなことない」とか「めぐだって良いところたくさんあるじゃん」とか、かけてあげるべき言葉は思い浮かんだけど。
真剣に悩んでるめぐにあたしが口出ししていいのかって気持ちになって、罪悪感で埋もれちゃいそうでこわいの。
「………めぐは、」
取り乱しかけためぐにそっと一言告げた。
「めぐはめぐの道を選べばいいよ」
あたしは何て残酷で卑怯なことをやってしまったんだろうと自分が自分で情けなくなった。
青春から逃れようとしている大事な親友をそっと目の前で突き放した。まるで崖から自殺してしまいそうな親友の背中を押して無理矢理突き落とすような。
そしてそれを引き止めることで罪悪感が生まれることに恐れて逃げた。あたしは死にたくないって、もう落ちる寸前の親友の前から立ち去っていくような。
―――――あたしの望む青春ってなんだろう。
そう考えると、ふらりと体育館とは正反対の方向へ向かっていった。体が勝手に動いてしまったように、そっと。
-
96
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/15(木) 17:46:03 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 青春 梨花side
体育館に向かわなきゃ、と思いながら足を進めたはずが、何故かあたしは音楽室の前まで戻ってきてしまっていた。
音楽室にはもう先輩たちの姿はなく、キイ、と歪んだ音をたてドアを開けた。
時刻は三時半―――もうお腹がすく時間だなあ、なんて一人で情けなく苦笑する。
別にあたしに自分が吹奏楽部入るからってめぐも吹奏楽部入って、なんて強制する権利はない。
中学から分かってたから。部活は自分の好きなものをやるものだって。自分の好きなものじゃなきゃ長続きしないって。
あたしはなんとなく、ピアノの椅子に座ってピアノのふたを開けた。
白黒ハッキリとした白鍵と黒鍵を見つめ、人間関係全てがこんなのだったら、と思った。
何があっても白黒別れてて、どんなに複雑で迷っちゃうような多数決をしても白が必ず多くて。
………あ、でもそれじゃつまらない世界になっちゃう。じゃあ今のはオフレコオフレコ!
悩み事あっての青春ってものだと思うけどさ……やっぱり辛いよ。
そう思いながらピアノのドの音を人差し指で押した。
真っ直ぐな深く芯の強い音がなる。
あたしも先輩みたいに自由に弾けたらな、と思った。
まるで生きてるように、ピアノに命を吹き込んで弾くの。
先輩の真似をして、対して上手くもない猫踏んじゃったを弾いてみた。
愉快に楽しそうに。あ、でも猫が可哀想だから切なく弾いてみるのもいいかも―――――
あたしだってピアノ初心者のくせに、感情を込めて弾いただけで凄く楽しく感じた。
すると突然、キイ、と歪んだ音をならして音楽室のドアが開く。
「え、あ………」
どうやらこの学校の教師らしい。
金髪の髪はちょっとくりくりで肩まで伸ばしてて、白いシャツを腕まくりして腕を組んでて、ベージュのズボンに赤いパンプス。
そしてすっごく怖い目つき。
すごい睨んできてる、殺気が怖い。
「お前、」
「す、すみません!勝手に使っちゃって……」
女の先生なのにお前呼びって!
怖いと思いながら必死にぺこぺこ頭を下げた。
「ピアノ習ってんの?」
「へ?あ……いえ、」
間抜けな声を出してしまった。
先生の質問があまりにも予想外で。
それでもまだ質問は続く。
「じゃあ、習ってたことは?」
「ない、です………」
「………さっきの曲以外に弾けるのは?」
「特に。あ、カエルの歌とか弾けますよ」
「……まあいい」
きょとんとした表情で先生の瞳を見つめた。
いつの間にか怖くなくなっていて。
「え、あの……なんだったんですか?」
「アンタ、うちの高校推薦入学してね」
「は?」
「返事は?」
「はいっ、え?や、え?」
「ん、じゃあね」
ひらりと手を振って音楽室を出ていく先生。
この状況であたしを置いて?意味わかんね!
ていうか、ていうか………
「青春高校に……推薦入学?」
-
わふい!のーこめ!
97
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/16(金) 19:34:36 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
▼なんかつぶやき。
いや、何かつぶやきたかっただけです。
もうちょっとで100レスだなとか。
うれしいです、ありがとー!ございますry
ねたばれっぽいけどおけ?
梨花は推薦入学しちゃいますよてきな。
ねこふんじゃったが好評だった、スパルタ先生に。
以上。
98
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/17(土) 14:27:23 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 猫踏んじゃった 梨花side
―――――推薦入学してね
その言葉だけが山彦のエコーのように頭の中でぐわんぐわん響いている。
あたしはピアノも習ってなくて、楽譜はめぐに教えてもらったから偶然読めただけ程度なのに。
それにめぐの方がピアノも得意だし、現にピアノ習ってるし。あたし以外にもピアノが上手い人はたくさんいる。
それでもあたしを選んだっていうことは、あたしに何か特別なものを感じたからとかじゃないの?
よくわらかない先生の言葉に、あたしはずっと悩まされていた。
けれどその内に体育館に行くという目的を思い出し、キイ、と歪んだ音をたてて音楽室を出た。
×
今度は迷子にならなかった、と安心の溜め息を吐き、そっと体育館のドアを開けた。
見事に担任に気づかれて、ぺこりと頭を下げながら間違っているような、当たっているような事情を説明する。
「いやあ、ちょっと迷子になってしまいましてね」
「もう、気を付けてね」
一言注意されるだけで済んだようで、ほっとしながら皆の列の中に入っていく。
推薦のこと、あとで先生に相談しようかな
-
99
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/18(日) 13:32:55 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 速水レオ 梨花side
青春高校の紹介はとても長いものではあったけれど、皆も興味を持つ青春高校の説明だからかいつもと違って真剣に話しを聞いていた。
あたしも内容は頭に入ってきてはいたけれど、スパルタ先生の言葉が頭に響いたままでうーん、と悩ましい表情を浮かべる。
――――――俺たちはまだ子供で、小さな存在でしかなくて。
ふいに耳に入ってきた、聞いたことのある透き通った声。
体育館のステージに目を遣ると、其処にはピアノを弾いていた先輩の姿があった。
――――――それでも、俺たちは此処に存在してて。
こんなにベタでサムイ言葉を述べていっている先輩なのに、不思議。
誰も馬鹿にしたりしないし、あたしも目がじんわりと熱くなってきているのを感じた。
――――――小さな俺たちの存在を認めてくれる人はこの大きな世界に数多くいて。
先輩の言葉を誰も笑ったりしないのは、皆が大人になってきて真剣に前に進もうと努力したいと思っているからなのかな。
マイクに向かって中学生の前で話す先輩はピアノを弾いていたときよりもきらきらと輝いているように見えた。
――――――そのことに感謝しながら少しでも笑顔を浮かべてくれる人を増やすのが、俺たち学生の役目だと思っています。
――――――社会人のように皆のための仕事が出来なくても、無理にバイトをして役立とうとしなくても。
――――――俺たちが笑顔でいることで、笑顔になってくれる人も大勢います。
先輩が笑顔を浮かべているのを見て、あたしも嬉しくなった。そしてそれと同時にあたしもこんな生活を送りたいと思った。
そういうことをするのがあたしたちの役目でもあって、その役目を先輩はちゃんと果たせているんだな、と思った。
――――――だから皆笑顔で青春生活送りませんか?
先輩がふっと微笑を浮かべて問い掛けたのに対して、皆こくりと頷いたのがわかった。
あたしもそれに釣られて頷き先輩らしいな、と思いながら笑みを零した。
――――――生徒代表、二年。速水レオ
皆の前で名前を名乗りお辞儀をする先輩にえ、と声を漏らした。その声が少し響いてしまいぱっと両手で口を抑える。
けど、先輩の名前を高校に入る前に知れたことは純粋に嬉しかった。今度は先輩の透き通った低音ボイスで速水レオという名前がこだまする。
ふと気がつくと、自分が涙を流していることに気づいた。
レオ先輩の言葉があまりにも心にじんわりきすぎて。皆に見られたかな、と思いながらあわてて目を擦り周りを見渡す。
すると、涙を流している人はあたしだけじゃないことがわかった。
男子とかも俯いて鼻をすすったりして、泣いているのかな、なんて思ってしまう。
これだけ人の心を動かすことができる先輩は本当に凄いと思う。
あーあ、これで先輩ファン増えちゃっただろうな。
-
100
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/03/19(月) 19:48:52 HOST:e0109-49-132-14-61.uqwimax.jp
Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 楽譜 梨花side
「レオ先輩っ、かっこよかったですよー!」
「お、梨花ー!名前知られちゃったな、」
また暫く自由時間が続くことになって、あたしは真っ先にレオ先輩のところに飛び込んでいった。
勿論さっきの話しをしてから急激に先輩ファンは増えてしまったが、それでもあたしだけ特別だとでも言うように親しく話しかけてみる。
「かっこいい名前ですよね。ていうか先輩モテてますね」
「え、そう?……何か複雑だよな、こーいうの」
女子や男子の大群の中心で微笑み合うあたしたちはどれほど羨ましく思われただろうか。
そして先輩に進路のことで色々相談したい気もしたけれど此処で推薦という話題を出すわけにはいかないと考えとりあえず恋バナ路線に走っていく。
「………あたしも純粋に恋したいです」
「え、梨花は恋してないの?いっぱいしてそうだと思ったんだけど」
意外そうな先輩の表情を見つめふふっと苦笑した。そして何より周りの人まで微かなあたしたちの声に耳を寄せている。盗み聞きとは悪質な!
正直心の何処かで先輩に恋できたら、なんて思ってたかもしれない。けど先輩はきっと未花先輩が好きで、未花先輩もレオ先輩が好きだと思うし。そう考えながら先輩の言葉に続けて答えた。
「付き合った人はたくさんいるんです。でも初恋はまだなんです」
「……好きじゃねえのに付き合うの?」
「っ、そういうことになりますけど」
「ふうん………」
暫く会話が続いたけれど、先輩の表情からふいに笑みが消えてあたしも不安な気持ちになってきた。
ふうん、と目を逸らしながら呟く先輩にきゅっと目を閉じる。その途端、ふわりと頭の上に先輩の手が乗った。
「そっか!でもそれはそれなりにいいんじゃね?」
「え………、」
くしゃりとあたしの髪の毛と絡みつく先輩の指が心地良い。
何でそんなに優しくしてくれるのかなあ、先輩は。
ふっと微笑を浮かべて先輩の耳元で囁いた。
「でもね、初恋の人できちゃったかもしれないです」
ねえ、それは先輩のことなんだよ?
そう思いながらパタパタとその場を去っていった。
×
「おい、お前」
突然冷たい声が飛んできた。こわいこわいこわい。
振り向くとそこにはスパルタ先生の姿があり、思わず逃げ出したくなるほどの気迫に小さくなってしまったような気がした。
「は、はい……?」
「これ、コンクール用の楽譜ね」
「は?」
コンクール用と言われて渡されたのは数枚の楽譜。
見てみるとよく知ってるフレーズが頭の中で流れる。
「猫踏んじゃった……?」
「そう、そのコンクール版。ちょっと難しくなっただけだから夏に間に合うように練習しといてね」
「夏?ってまだまだ先じゃないですか」
「コンクール練習はこういうもんなの!夏のピアノコンクールに出てもらうからね」
おいおいおいおい
話が見えてこないー
とにかく先生は去っていってしまったし質問したくなかったから、未花先輩を探すことにした。
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