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Loveletter

99ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/03/18(日) 13:32:55 HOST:e0109-49-132-10-232.uqwimax.jp

   Loveletter きみにおくる愛の手紙 / 速水レオ 梨花side



 青春高校の紹介はとても長いものではあったけれど、皆も興味を持つ青春高校の説明だからかいつもと違って真剣に話しを聞いていた。
 あたしも内容は頭に入ってきてはいたけれど、スパルタ先生の言葉が頭に響いたままでうーん、と悩ましい表情を浮かべる。


 ――――――俺たちはまだ子供で、小さな存在でしかなくて。


 ふいに耳に入ってきた、聞いたことのある透き通った声。
 体育館のステージに目を遣ると、其処にはピアノを弾いていた先輩の姿があった。


 ――――――それでも、俺たちは此処に存在してて。


 こんなにベタでサムイ言葉を述べていっている先輩なのに、不思議。
 誰も馬鹿にしたりしないし、あたしも目がじんわりと熱くなってきているのを感じた。


 ――――――小さな俺たちの存在を認めてくれる人はこの大きな世界に数多くいて。


 先輩の言葉を誰も笑ったりしないのは、皆が大人になってきて真剣に前に進もうと努力したいと思っているからなのかな。
 マイクに向かって中学生の前で話す先輩はピアノを弾いていたときよりもきらきらと輝いているように見えた。


 ――――――そのことに感謝しながら少しでも笑顔を浮かべてくれる人を増やすのが、俺たち学生の役目だと思っています。
 ――――――社会人のように皆のための仕事が出来なくても、無理にバイトをして役立とうとしなくても。



 ――――――俺たちが笑顔でいることで、笑顔になってくれる人も大勢います。



 先輩が笑顔を浮かべているのを見て、あたしも嬉しくなった。そしてそれと同時にあたしもこんな生活を送りたいと思った。
 そういうことをするのがあたしたちの役目でもあって、その役目を先輩はちゃんと果たせているんだな、と思った。





 ――――――だから皆笑顔で青春生活送りませんか?



 先輩がふっと微笑を浮かべて問い掛けたのに対して、皆こくりと頷いたのがわかった。
 あたしもそれに釣られて頷き先輩らしいな、と思いながら笑みを零した。


 ――――――生徒代表、二年。速水レオ


 皆の前で名前を名乗りお辞儀をする先輩にえ、と声を漏らした。その声が少し響いてしまいぱっと両手で口を抑える。
 けど、先輩の名前を高校に入る前に知れたことは純粋に嬉しかった。今度は先輩の透き通った低音ボイスで速水レオという名前がこだまする。


 ふと気がつくと、自分が涙を流していることに気づいた。
 レオ先輩の言葉があまりにも心にじんわりきすぎて。皆に見られたかな、と思いながらあわてて目を擦り周りを見渡す。

 すると、涙を流している人はあたしだけじゃないことがわかった。
 男子とかも俯いて鼻をすすったりして、泣いているのかな、なんて思ってしまう。



 これだけ人の心を動かすことができる先輩は本当に凄いと思う。
 あーあ、これで先輩ファン増えちゃっただろうな。


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