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1
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2011/11/20(日) 15:12:12 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
こんにちわ、もしくは初めまして。
といってもこの掲示板で何度か作品を投稿して、続いたり、続かなかったりを繰り返しております。竜野翔太です。
三作同時進行は厳しいなー、と思いながらもこの作品を投稿したのには理由がありまして。
それは知りたい人がいれば、お答えしましょう。
なるべく注意してるつもりではありますが、頭で出来た設定が中々上手くいかず更新できないという例が幾度かありますので、これもまだまだ未完でありますので、何卒お付き合いくださいませ。
注意事項です。
・本作は学園とバトルが入っており、恋愛もちょこっと混ざってます。
・チェンメ、荒らしなどはご遠慮ください。
・グロ表現はなるべく控えますが、もしかしたらあるかもしれません。
・パクリや倒錯などはしていないつもりですが、もしも『アレ?』と思う点があれば、お申しください。
・誤字脱字、あると思いますがその時は早めに訂正いたします。
・コメントや意見、アドバイスなども受け付けております。
長くなってしまいましたが、次レスから始めさせてもらいます。
111
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/11/17(土) 22:39:44 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
「……剣木浜、かつての最強?」
工藤の言葉に藤村、神山、神乃院の三人が復唱した。
彼らは今年の四月に入学したばかりだ。工藤と剣木浜の最強、東城との事件は二年前。彼らがまだ中学二年生の頃だ。知らないのも無理はない。同じ高校の一年と二年が決闘した、という噂を神乃院が耳にした程度だ。
真田は二つ目のプリンカップを開けながら口を開いた。
「政宗くんと東城先輩の事件は、二人の苗字の頭文字を取って『東工(とうこう)事件』と呼ばれてるわ。ま、事件と言うほど大きなことじゃなかったんだけどね」
プリンを食べながら真田は淡々と述べる。
その事件に直接とは言わずとも、現場は目撃していたはずだ。その割には噂だけを耳にしたような、自分はそのことをほとんど知らなかったような口調だ。
あまりに淡々とした口調に違和感を覚えた藤村の心中を読み取ったのか、工藤は口を開いた。
こういう時は、何かと鋭い男が工藤政宗だ。
「紫ちゃんは決闘の場面を目撃したわけじゃないからね。彼女が駆けつけたのは決着がついた後さ」
「そうなんですか?」
反応を示したのは藤村ではなく神乃院の方だった。
彼女も真田の反応には違和感を覚えていたようだ。当の真田は冷蔵庫から三つ目と四つ目のプリンを取り出している。かなり上機嫌だ。
神乃院の反応に、真田はプリンを取り出しながら言葉を返す。
あくまでも淡々と。自分は無関係だ、とでも主張するように。
彼女の口調はさらりとしていて、聞きやすいといえばそうだが、違和感を覚えずにはいられない。
「まあ、二人が決闘するなんて知らなかったし。クラスメートから聞いて初めて知ったわ。柄にも無く血相変えて飛び出しちゃったし」
真田は冷静さを失わない人物だ。それは今までのやり取りからでも、藤村や神山は分かっていた。
能天気な工藤を支え、苛立つことが多い那月をなだめ、控えめな明智を牽制し、神乃院に好かれるような非の打ち所の無い彼女だ。よって生徒会メンバー四人の中でも群を抜いて冷静なはずだ。そんな彼女が血相を変えて飛び出すほど、工藤と東城の決闘は恐ろしいものだったのだろうか。
「当時の生徒会長は緩かったからね」
今でもそんなに変わらないだろうが、彼女は誤解を生まぬように『今よりもね』と付け加えた。
真田は四つ目のプリンも食べ終わり、再び冷蔵庫からプリンを取り出そうとするが、既になくなっていることにショックを受けていた。
ショックを受けたまま、彼女は説明を続ける。
「……当時の会長さんは形だけの置物のような会長さんだったわ。仕事を部下に任せ、実力があるくせにそれを振るわない。良いように言えば平和主義者。悪く言えばただのヘタレ。それが当時の会長だった。だから政宗くんと東城先輩の決闘を知っていても何も言わなかったんでしょう。仮にも当時の二年最強だったんだから。東城先輩は」
「あの時は俺もびっくりしたよ。いきなり先輩に喧嘩売られたんだもの。それを言うなら俺も藤村くん達に似たようなことしちゃったね」
工藤はあはは、と笑い飛ばす。
そこで、神山ははっとする。
「って待てよ。じゃあ本拠にいる七瀬チャン達が危ないんじゃ?」
「大体そうですよ! そんな危険人物がいるなら、早く退却させた方が大体良いですって!」
そうだね、と工藤が呟くように言う。
「紫ちゃん。俺から連絡しとくから、打ち合わせておいた場所へ向かってくれないかい」
「了解」
二人はまるで長年連れ添った夫婦のように必要以上の言葉を交わさなかった。
真田は部屋を出て、工藤は携帯電話で連絡を取る。
連絡先は折宮明日香の携帯電話だ。
112
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/12/02(日) 14:28:46 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
折宮はグランドに出ていた。
工藤政宗からの退却命令のメール。それを見た瞬時に彼女は他の潜入メンバーである、霧野、篠崎、雪路にメールを送った。内容は『グランドに集合。四人揃って退却する』という内容だ。
学ランを着た彼女がグランドで待っていると、篠崎と雪路が到着した。
あとは霧野だけか、と折宮は小さく呟いた。
「いきなり退却なんて急ですわね。取り巻きに妙な表情をされましたわ」
「俺だって納得いってないっつの。舎弟にメシ頼んでたんだぞ」
不機嫌そうに返答する折宮を見ながら、篠崎は口元に手を寄せてくすっと笑った。
それに気付いた折宮が鋭い眼差しで篠崎を見る。というより、睨んでいるという方が合うくらい眼光が鋭い。
目だけで『何笑ってんだよ』という質問を感じ取ったのか、篠崎は軽く謝ってから、
「折宮さん、今回のこの役。楽しかったでしょ?」
「なっ……!?」
篠崎の言葉に折宮はドキッとする。
彼女は僅かに頬を赤くしながら、叫ぶように反論する。
「そ、そんなわけねぇだろ!! 何で俺が工藤のお遊びに楽しさを感じてると―――ッ!」
「一人称。ちゃっかり『私』から『俺』に変わるほど役にハマってますわ」
ぎくり、と折宮は自分でも気付かないほど自然な今の状態を雪路に指摘されて、ようやく気がついた。
確かに潜入するまでは彼女は自分のことを『私』と呼んでいた。潜入した頃はうっかり『私』と言いそうになっていたが、今はそんな危うさも無い。むしろ、自然に『俺』と言ってしまうほどだ。
折宮は地面に手と膝をつきながら、どんよりとしたオーラを漂わせている。
「……忘れてくれ……。覚えててもいいが、役になりきっていたことは工藤に言うな……」
「分かっていますわ」
「大丈夫ですよ。言ったら工藤会長が折宮さんをいじり倒すの目に浮かびますし」
篠崎の言葉が、妙に折宮の心をえぐったことに本人は気付いていない。
篠崎は校舎の方に視線を移し、
「それにしても、霧野さん遅いですね。ちゃんとメールは送ったんですよね?」
「送ったよ。そこら辺は忘れないって」
「あ、そういえば」
すると雪路が思い出したように、
「中間試験中に神山さんが『最近出来た女の子の友達のメール返信が異様に遅い』と言ってましたわ。翌日教室で出会ってメールが来てたことに気付くとか。時期的に、その友達というのは霧野さんでは?」
全員が固まった。
中間試験といえば藤村、神山のいるD組に霧野が転入してきて数日後の出来事だ。女友達のいない神山が『最近出来た』というくらいなのだから、霧野のことで間違いないだろう。
もしかしたら折宮の連絡も気付いてないかもしれない。
「……折宮さん、どうしましょう……?」
折宮は無言で携帯電話をポケットから取り出し、
「あんにゃろう! 手間取らせやがって! ちょっと待ってろ、今すぐ電話をかけて―――」
じゃり、と地面を踏みしめる音が三人に届く。
気付けば周りには数人の剣木浜高校の生徒。彼らの手には鉄筋やバール、金属バットなどの鈍器が握られていた。これからどこかに攻めに行くような様子だ。
だが、この状況を見た三人が『どこかに攻めに行くんだな』とは思っていなかった。
自分達を襲うとしている目を、彼らがしていたからだ。
「……目測十人前後か。いけそうか?」
「いいえ、もっと多くなりそうですわよ?」
「なりそう?」
雪路のその言葉に折宮が彼女の視線の先を見つめる。
見れば校舎からさらに何十人と押し寄せてきていた。
「まさか、校舎の中が敵だらけってことはないよなあ?」
「ありそうですね。だとしたら」
一番危ないのは誰か。
折宮も雪路も篠崎も。それはすぐに答えが出てきた。
今ここにおらず、校舎にいる可能性が極めて高い霧野七瀬だ。
折宮はこめかみに青筋を立て、
「……篠崎、雪路。とっととこいつら潰して霧野を連れて帰るぞ!!」
彼女は短刀を逆手に持ち、臨戦態勢に入る。
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