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パリンプセスト

25一戒:2011/07/03(日) 13:09:19 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
それでいいと思います^^

26:2011/07/03(日) 13:22:30 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
一戒s>>分かりました。

ありがとうございます。

27一戒:2011/07/03(日) 20:35:51 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
デスクから降り立った優河は残り少ないお茶を仰いだ。
だぶだぶの袖が両手を覆っているため滑るのか、やや飲みにくそうにしていたが、
やがて飲み干して、空のペットボトルを無造作に放る。
コツン。透明な容器は放物線を描いて硬い物の上に落下する。
それは少女の頭部だった。
「い、痛……」
茶色に近い黒の髪越しに側頭部をさすりつつ、デスクの谷間から現れたのは
ブラウス・スカートといったごく普通の制服に身を包んだ少女。
少女、とは言っても外見上は優河と同い年か、それ以上に見える。
目を見張るような白さの肌。高い鼻梁に、桃色の唇。
スタイルも割かし良く、乱れたスカートから覗く太腿に優河は、つい視線を向けてしまう。
そんな感じにコケティッシュな彼女は、
どうやら床に積もった書類の山に埋もれて寝ていたようで、その目は眠たげに半開きだった。
ほっそりとした首筋を掻きながら少女は優河へ一瞥をくれる。
「んぅ……。今、夢の中で中華料理豪華フルコースに喰らい付くところだったのに……
くどり君の起こし方に悪意を感じる……」
「あー、そいつはお気の毒に」
ごしごしと目をこする少女に、悪びれることもなく優河は言った。
よく見れば間抜けなことに、彼女は書類を抱き枕がわりにしていたらしい。
胸の前できゅっ、と書類の束を抱きしめる少女に優河は頬を緩めるのだった。
「っと、和んでる場合じゃないな。
真尋、今から出かけるからとりあえず、出る支度を早急にしてくれない?」
真尋と呼ばれた制服少女は優河の言葉に小首をかしげて、
「出かける?……こんな朝っぱらからデート?」
「んなわけないから、フツーに考えて! 仕事だよ、仕事! 今さっき依頼が来て30分後に行きます、
って言っちゃったからとっとと顔洗って、歯磨いて、服着替えなさい!」
「あいあいさー」 「と言いつつ二度寝しようとすんなよ!!」

28:2011/07/03(日) 21:05:30 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
プロローグを更新しました。

29一戒:2011/07/03(日) 21:49:08 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
定期的に確認するので、報告しなくても大丈夫ですよ^^

30:2011/07/03(日) 21:51:29 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
一戒s>>分かりました。

31☆愛優羽o○*。:*:2011/07/03(日) 22:16:55 HOST:p22168-ipngn100107osakakita.osaka.ocn.ne.jp

頑張ってくださいぃぃい(*OUO愛*+>★☆


私も今日から、『 ヘブン 』という小説と、
『 怪盗執事 』というへったくそな小説を書き始めたんです!!^^*

よかったら見に来てください!!!(ノ∀`*)タハー

応援してます(っ^ω^)っ

32一戒:2011/07/05(火) 17:26:16 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
愛優羽さん
コメありがとうございます^^
是非見に行かせてもらいます

33一戒:2011/07/07(木) 19:11:57 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
うがー、と両手を上げて襲い掛かる真似をすると彼女は無邪気に笑って洗面所の方へ逃げていく。
彼女の背中を見送ってやれやれ、と手を下ろし優河は苦笑いを浮かべた。

今、優河のいる書類の溢れかえったこの部屋は、彼も仕えている『解術屋』の事務所だ。
薄い壁を挟んだ向こう側は優河や、真尋、その他解術屋従業員達の共用の生活スペースとなっていて
(流石に寝室は男女別となっているが)いわゆる住み込み働きをしているというわけである。
今朝、夜勤の連中と入れ替わるように事務所、というか事務室にやって来た優河は
何故かデスクに突っ伏して就寝中の昼勤の同僚、真尋を発見した。
仕方なしに目玉焼きとトーストを焼いてから、起こしてやると彼女は半分眠ったまま
手早く朝食を済まし、今度は書類の山の中に突っ込んで再び「おやすみなさい」してしまった。
その後、優河はペットボトルのお茶でちびちびと喉を潤しつつ、
仕事をさぼって惰眠を貪る真尋にどんな悪戯をしてやろうか悶々考え続けたわけなのだが、
それはまた別の話。
なんやかんやで現在へ至る。

34一戒:2011/07/12(火) 17:11:09 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
時刻は午前9時。
依頼者との約束の時間まであと20分ほどの猶予はある。
落ち合う場所は一駅分離れた割かし近い児童公園だと言うので遅刻する可能性は低いだろう。
もちろん、真尋次第だが。
優河は、慌ただしく出発の準備を整えていく真尋を横目に、
のんびりとした動作でデスクの上の黒い髪留めを手に取った。
彼の目元まで伸びた前髪を上げて固定するためのミラクルアイテムである。
ただ、これを付けると「女の子みたい」と真尋に笑われる副作用が
もれなく付いてくるのだが、そんなことを気にしていては仕事にならない。
前髪を切れば済む話だが、生憎最近は仕事が立て込んでいてそんな暇もないのだ。
自前の手で散髪する打開策もあるにはあるが、仕事場に女子がいる手前、
髪型を疎かにするのはお年頃の彼としても少々頂けない方法なのであった。
そういうわけなので今日も、
「髪の毛……切りに行きたいな」
誰ともなく呟いて、前髪を上げる作業に入る優河なのだった。

35一戒:2011/07/12(火) 21:17:20 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
5分後、急ピッチで全ての支度を終えた真尋と、
依然としてぶかぶかだぶだぶの寝巻きを着用している優河は、
解術屋事務所となっている雑居ビル2階から若干駆け足で降りていた。
優河が寝巻き姿で仕事場に向かうのは毎度の事だが、
れっきとしたキャリアガールである真尋としては、少し腑に落ちなかったりもする。
彼は、動きやすくて仕事に向いている、と言い張るが、
このびろびろだぶだぶの舐め腐った服装は依頼者への態度としてどうなのだろうか、と思うわけだ。
階下へと続く鉄製の階段を駆け下りていく中、
その伸びきった袖が視界に入り込む度に、真尋はそんな疑問を抱かされる。
まぁ、彼が寝巻きを好き好んで着ているのは他に明確な理由があるので、真尋は口出しできないのだが。
ちなみに真尋も先ほどと全く同じデザインの制服を着ているが、
こちらは新品同様の輝きを放っており、特に問題点も見当たらない。
そんな彼女がセミロングの髪をポニーテールにして、仕事用のハンブルな鞄を持ち、
可愛らしい制服をはためかせて走っている姿は、学校に遅れそうになっている女子高生を思わせた。

二人は特に会話も交わさず、雑居ビル下の駐輪所を兼ねた駐車場へと入っていく。
彼らの足となる交通手段は原動機付自転車、いわゆる原チャリだ。
解術屋の仕事は依頼者からの要望に基づいているため、
どちらかと言うと外に出向くなどの実践的な動きが求められる。
だからこそ、迅速な移動を目的とした交通手段が必要なのだ。
バイクなら年齢的にも問題はないし、渋滞などに悩まされる心配もない。
ちゃっかり同乗者用座席もセットしているため、二人乗りしても大丈夫という優れものである。
真尋は自分の所有物である青色のシンプルな原チャリに近寄ると、
座席下のスペースからヘルメットを取り出してかわりに鞄を押し込んだ。
優河がヘルメットを装着し手際よくシートに跨るのを確認してから、
彼女もバイクに乗る。
「それじゃ、依頼の概要は走行しながら説明するから」
優河の言葉に頷いて、真尋は景気良く、「出発進行!」と声を張り上げた。

36一戒:2011/07/22(金) 16:46:40 HOST:40.208.2.110.ap.yournet.ne.jp
少女は名を築城・乃愛(ついき・のあ)といった。
年は12歳。
四月から中学生になる予定の彼女は、文房具などの学用品を買うために母親に連れられてデパートに来ていた。

そのはずだった。
「ちょっと……ここ、どこ?」
しかし、只今の乃愛の現在地は見た事もない児童公園の砂場の上。
気付いた時には既に砂山の上で、横座りしていたのだ。
何が何だか全く分からず混乱しながらもとりあえず立ち上がり、
乃愛は砂で汚れたシフォンワンピースの臀部を払う。

37一戒:2011/07/28(木) 18:10:51 HOST:40.208.2.110.ap.yournet.ne.jp
何故自分がこんな所にいるのか、乃愛は全く分からない。
そもそも自分の足でここまで来たのか、それとも誰かに連れて来られたのかすら分からないのだ。
いや、分からないというよりは記憶に無い、と言ったほうが正しいか。
覚えているのは母と共にデパートに行って、鞄を買ったところまでだ。
それから今この公園で我に返るまでの記憶が全て飛んでいる。
乃愛はワケの分からないこの状況に薄ら寒さを覚えたが、
このまま砂場に突っ立っているわけにもいかないので何か行動を起こそうと、
ポケットをごそごそ漁ってみた。
幸い、携帯電話は健在だった。
中学生祝いに初めて買って貰ったケータイである。
乃愛は砂場から公園内のベンチに移動して、まだ慣れないケータイをぽちぽちいじった。
そして電話帳に“ママ”と登録されている携帯番号を迷わずコールしてみる。
しかし、返ってきたのは『現在この番号は使われていません』という
オペレーターの冷たい電子音声だった。
「え……?」
どうして?という声は言葉に出ない。
何かの間違いだろう、と乃愛はもう一度コールしてみるが、やはり返ってきたのは電子音声だけ。
それから、五回ほどオペレーターの声を聞き続けた乃愛は諦めて、今度は父親の方に電話をかけてみる。
しかし、結果は同じだった。

38:2011/07/28(木) 18:14:47 HOST:zaqdadc2824.zaq.ne.jp
久しぶりに来ましたw

でも、読む暇がないんで、今度読みます!

39一戒:2011/07/29(金) 17:58:44 HOST:40.208.2.110.ap.yournet.ne.jp
燐s>>
おひさです^^
是非読んでくださいなー

40レトロ:2011/08/01(月) 14:09:53 HOST:w22.jp-t.ne.jp
プロローグに惹かれましたo(^-^)o

でも背景描写はもう少しした方がイイと思います
偉そうにスミマセン(>_<)

頑張って下さい(^O^)

41一戒:2011/08/04(木) 14:43:11 HOST:40.208.2.110.ap.yournet.ne.jp
コメントありがとうございます^^

いえいえ、貴重なご意見ですよ!
是非今後の参考とさせていただきます!

42一戒:2011/08/05(金) 16:37:14 HOST:40.208.2.110.ap.yournet.ne.jp
最後の手段として、メールを送ろうともしたが、
ディスプレイには『送信に失敗しました』という無情な文字ばかりが浮かぶ。
「駄目だ……なにこれ、使えない……!」
乃愛としては、必要な時に役にたたないケータイなど投げ捨てたい気分だったが、
唯一の通信手段をそんな理由で失くしてしまうのも惜しい。
非常事態で何より必要されるのは冷静な判断能力だ。
今使えないからと言って携帯電話を捨ててしまったら、
それこそ八方塞がりになってしまう。
乃愛は手の中で痛いほど握り締めたケータイをポケットにしまいこみ、
数回深呼吸をして、自分を落ち着けた。

43kokoro:2011/08/31(水) 10:11:52 HOST:d219.Osa8N1FM1.vectant.ne.jp
世の中には簡単で儲かる仕事があるもんだ(・_・)。 ttp://tinyurl.k2i.me/Afjh

44saorin:2011/09/04(日) 17:31:17 HOST:7c294c75.i-revonet.jp
>>楽に稼げるアルバイトの件。情報載せておきます(;・ω・)☆ ttp://tinyurl.k2i.me/eQAZ

45yuri:2011/09/04(日) 17:56:04 HOST:7c294c75.i-revonet.jp
不景気だと騒がれていますが・・・(*・ω・)☆ ttp://tinyurl.k2i.me/Xxso


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