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日本大陸 クロススレ その193
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憂鬱SRW ファンタジールートSS 「1944年9月、ペテルブルグにて」4
-F世界 ストライクウィッチーズ世界 主観1944年9月 オラーシャ帝国 ペテルブルグ周辺空域
新型のネウロイとの追いかけっこは、徐々にではあるが天秤をネウロイ側に傾けつつあった。
無理もない話だ、鏡子は1人で、ネウロイは2体に分裂しスウォーム攻撃を展開している。
高速で逃げるという選択をしていなければ、完全に包囲されて全方位からの集中砲火で撃墜されていたことは想像に難くない。
かといって、この逃げを打つ状況でも、単純な火力のぶつけ合いでは不利だ。持っている火力が違いすぎる。
ネウロイとて馬鹿ではないので鏡子が放つ攻撃を回避するし、次々と繰り出す小型個体で攻撃を防ぐことまでやってくるのだし。
(相手もこちらに情報をこれだけ晒してくれたなら……!)
未知との敵の遭遇など、これまで訓練で何度となくやってきたことだ。
分裂だとか分身、あるいは理不尽な動きをすることなど、正直なところ想定の範囲内ですらある。
あとはどう対応するかだが---その戦術の組み立ては完了していた。
「仕掛けます」
そして、ナハト・リッターの機構が動作する。
残っていた空中機雷コンテナがすべて展開。中身を一斉にぶちまけた。上下左右にもばらまき、壁を作るように。
そして、ついでのように空になったコンテナはパージされて投棄、本体の重量を軽くする。これからすることにデッドウェイトは邪魔だ。
ついでのように、翼部やバックパックから余計なプロペラントタンクや打ち尽くした武装もパージ。
(撒けるだけ撒いた……)
この速度域だ。ネウロイの本体が作り上げた壁にぶつかるまで数秒どころか1秒あるかどうか。
その一瞬に合わせ、一瞬で動き出せるように、準備を整えるのだ。それは覚悟も含めて、だ。
HUDには後方の様子が映し出されている。こちらを追尾するネウロイ2体とそれの放ったスウォーム個体が、空中機雷に接触。
「今!」
その瞬間に、一気に動く。ためらわず、自分のくみ上げた戦場の流れに沿うように。
他方のネウロイとて、バカではない。レーザーで適度に空中機雷を破壊し、飛んでくるコンテナなども撃ち落していく。
だが、それは連鎖反応を引き起こした。ありったけ撒かれた空中機雷は連鎖的に盛大に爆発を起こし、巨大な爆炎と煙を展張したのだ。
それはもう、大地にまで影響を及ぼすようなものだった。何しろ、ネウロイへの殺意も籠った電子励起爆薬だ、これくらいはする。
『……』
しかし、超音速飛行戦闘中のネウロイはその煙幕を一瞬で突破する。
そして、その煙幕と爆炎の向こう側にいるであろう標的を捉えようとして----
『……?』
いない。
先行して飛行していたナハト・リッターの姿がない。ほんの一瞬、周囲を認知する能力が遮られた瞬間に標的が消えたのだ。
さしものネウロイも、それには戸惑った。まさしく消えてしまった。速度を上げたかと探すが、とんと見えない。
だが、すぐに発見した。敵の背中についていた巨大なブースターユニットが、雲の中へと高度を上げて突入していたのだ。
即座にネウロイ2体はレーザー攻撃を開始する。相手の動きは直線的。回避はしているが、命中弾を得ていく。
爆雷による攻撃で数は減ってはいたが、スウォーム個体を再度展開し、相手を追尾させてさらに追い打ちをかけていく。
そうして、ついに姿勢が崩れた---と思えば、それは重要なものが書けていた。
『!?』
飛んでいたのは、ブースターユニットだけだった。
それを背中につけて飛んでいるはずのナハト・リッターの姿が消えていたのだ。
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