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提督たちの憂鬱×コードギアス ネタSSスレその77
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ふと見ると、その青春おじいちゃんのマントに皺が出来ていた。
玉城は目ざとく見つけて。
「おっさん、ちょっと手ぇ離して」
「逃げるんだろう?」
「この街の裏道まで知り尽くしてるおっさんとあんたの警護隊から俺なんかが逃げられると思う?」
「おもわないね。まあまず無理だ。この街は若い頃からよく来てたしねいつもの二人と三人でさ」
「あんた昔友達いたんだな」
「当たり前だ、ぼっちじゃないんだぞ? で、なに?」
「マントに皺、髪にほつれ・・・・直してやるから」
「・・・・・うん」
素直に手を離したVV。彼のマントの背中の部分。髪に覆われて見えない部分を目ざとく見つけた玉城は、VVのマントの生地を掴み、パパッと手早く治してあげた。
そして次に背中のほつれていた髪に、手指を差し入れて透き通していく。
しゅ、しゅ、髪を梳きとおす音。さあっと吹き抜けていく風にVVの長い髪が攫われ揺れる。
「ああ、これがせめて、百歩譲ってクララかマリーだったらなあ」
「あの子たちの前でそんなこと言ったら殴られちゃうよ? マントの皺取れた?」
「ああ。マント一回クリーニングに出してみればよ」
「それもそうだね。下の衣服と合わせて今度クリーニングに出してみるよ」
「そうしとけ。どーせくっそ高ーんだろその服とマント」
「オーダーメイドでコーディネートに老舗ブランドだから三桁かな」
「アホだろ! 絶対にアホだ服に三桁って馬鹿の所業だっ!」
「失礼な。使うべきところに使うんだよ僕らって人種は」
「金持ちはわからんわあ」
おじいちゃんにぐっと返事を返す玉城。
「髪は?」
「今やってる。踵まで伸ばしてるとかアホみてーになげェ髪してっから、こう手指を絡めて梳いていても上手く梳き解れないっつーかさあ」
しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅるしゅる、手触りのいい髪の毛が玉城の五指と手肌に絡みつく。
首元から背中を通り、尻を抜け太もも裏へ、太もも裏から膝裏を通り踵を抜ける。
何度も何度も繰り返し梳き通していく玉城の手指に心地よさを感じたVVは、紫色の瞳をうっとりと閉じて大空を見上げた。
風が吹き抜け、髪がふわりと靡く。玉城はその髪を抑えながらほつれを解いている。
静かな時間だ。気持ちが良い。ああ、こんな時間も良いな・・・・・。
「気持ち、いいな。真一郎の指、良い気持ちだよ」
「お、そっか? へへっ、おっさんの髪も触り心地が良いぜ」
「そう?・・・・・触りたければいつでも言ってね? 気持ち良く梳いてくれるのならいつでも触らせてあげるから」
「それもまあ、いいな。おっさんの家でこたつに入ってテレビでも見ながら風呂上がりのおっさんの髪を触りながらドライヤーあてるとか、ん〜けっこういいかもな〜、落ち着いてゆっくりしてさあ」
「でもルルーシュに蹴っ飛ばされたりして。どこでドライヤーあててるんだこの馬鹿はとかって」
「あ、それあり得そうでムカつくわ・・・・あのくそガキ年上を敬わねーからよー」
「それにしても、ああ〜っ、いい日曜日だね・・・・たまにはいいかもね、こういう日曜日も」
VVはそう呟いて微笑んだ。
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