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提督たちの憂鬱×コードギアス ネタSSスレその12

965父の日のサプライズ:2013/07/26(金) 23:17:31
マリーベルは現在不機嫌だった。
というのもアポをとった人物が、どれも不調に終わったのだから。

ギネヴィアの場合

『父の日?・・・ああ、お父様を日ごろの感謝をこめてお祝いしようと・・・
 でもねぇ。仕事の目処はついたけど、忙しいのは変わらないのよ。
 え?せめて贈り物を・・・そうねぇ。メロンが好きだからメロンでも送ろうかしら。
 誠意がこもっていない?といってもねぇ。
 本当なら今日一日休みたいのよ?でも、あなたがどうしてもというからこうして場を設けたの。
 ああもう、わかった。前向きに善処するわ』

カリーヌの場合

『父の日・・・ねぇ。
 育ててもらった恩はあるし。今やっている仕事の便宜もはかってもらった。
 感謝はしている。
 でもいきなりって言うのは無理よ。
 お父様だって予定があるのよ?
 いくらあなたが同席しても良いと言っても、ほかの兄弟の予定が会うとは思えないわ。
 お祝いしたい気持ちはよくわかるわ。
 でも今回は都合が悪いの。ごめんなさい。』

オデュッセウスの場合

『いやぁ久しぶりだね。
 今回の救出作戦は聞いたよ。手ひどくやられたそうだけど、無事で何よりだ。
 え、父の日かい?
 ああ、それならもう品を送ったから大丈夫だよ。
 違う?
 みんなでお祝いを・・・すばらしい考えだけれど、それはできないな。
 なるほど、カリーヌにも言われたんだね。
 そういえばクロヴィスも前に言っていたような・・・ああ、やっぱりね。
 しかしいきなりは無理だよ。
 護衛をする人たちもその日の予定をあらかじめ聞いて動くんだ。
 わかっているよ。
 僕は反対じゃないけど、皆の意見を取りまとめないといけない』

と言う感じで、まるで駄目だった。

「マリーよ・・・いい加減機嫌を直したらどうだ」
「お父様・・・」

プリプリ怒るその様子を見ていたシャルルは苦笑する。
マリーベルも忙しい仕事の合間に、せっかく会えた父親との空間を大切にしたいと思って気持ちを切り替えてほほ笑んだ。

「わかりましたわ。もう気にしません」
「うむ。それで・・・」

二人が並んで楽しそうに話し始めたのを、リムジン(防弾使用の装甲車)の奥の方から二人の騎士が見つめていた。

「ふむ・・・相変わらず陛下がお好きなのですな」

シャルル・ジ・ブリタニアの選任騎士ビスマルク・ヴァルトシュタインが呟くと、うれしそうにオルドリン嬢も頷く。

「自分の父親を嫌う子供なんて早々おりません」
「そうであるな」

心温まる光景を前にして、二人は微笑して見つめていたが、ふとオルドリンの表情が曇った。

「・・・どうして他の御兄弟はお会いにならないのでしょうか?せめて一言でもあれば・・・」
「うむ。それは受け持っている仕事が忙しいのもあるだろう」
「たとえそうでも、少しだけも時間を作れば・・・」

目を少しだけ伏せた彼女をちらりと見た後、ビスマルクは談笑する親子見ながら口を開いた。

「・・・子供は何時か親から自立していくもの。
 いつまでも子供のままではいられない。それは皇族だろうと平民だろうと変わらない事だ。
 親にとって子供はいつまでも己の子供だろう。
 しかし子供は大きくなり、親に認めてもらいたいと思うようになる。
 大人であると主張する。
 それなのに小さいころと変わらない対応されたら、さすがに傷つくだろう。
 親はそれを認めなければならない・・・
 それがとても寂しいことであろうとも、巣立っていく子供を見送らねばならない」

オルドリンは黙って話を聞いている。
言っている事はよくわかる。
だが、それでもあの寂しそうな顔はどうしても忘れられないでいる。




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