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中・長編SS投稿スレ その2

995名無しモドキ:2011/12/30(金) 22:49:49
「猟です。」ジョーは猟銃の銃身を右手で持ったまま手をあげた。
「銃をこちらに投げろ。」ズボンが作業着の男が銃をジョーに銃で狙いをつけて言った。

ジョーはロジャーの持っていた散弾銃の銃床を左手で掴んだ。そして、左右の手に持った銃を電光石火の早業で二
人の男に投げつけた。猟銃は銃床で作業着ズボンの男の額を割り、そのまま男は上向きになって昏倒した。散弾銃
の銃床は、もう一人の男のみぞおちにめり込んで男はうずくまるように前に倒れた。

「ちゃんと投げたぜ。」ジョーはつまらなそうに言った。
「どうするこいつら。」倒れた男達の方へ駆け寄りながらロジャーが興奮気味に言う。

「縛っとけ。」ジョーは下の山道の様子を見ながら返事した。
「それでいいのかい?」意外そうにロジャーが言う。
「殺したいのか。」ジョーの言葉にロジャーは大きく頭を左右に振った。

ロジャーは素早く馬に積んでいたロープで男達を縛り上げて、ナイフで短く切ったロープで猿ぐつわをかませた。
「こいつトンだ色男だぜ。でっかい手鏡持ってら。」男を縛りながらロジャーが言う。

「そこのピークの上で見張ってて、下の山道に誰かがきたら、鏡で物騒なお仲間に合図してたんだよ。」
「こらからどうするんだ。」ロジャーが男の持っていたM1903を点検しながら言った。
「そうだな。運試しだな。俺たちと、あの女の。」ジョーは落ちていた散弾銃を拾うとゆっくり狙いをつけた。
「女がこちらの方へ逃げてきたら、判断力があるってことさ。」ジョーは散弾銃を撃った。

 下の山道にいる男達の真ん中に鳥が落ちてきた。男達の注意が鳥に集中した。女は脱兎のごとく斜面をジョーた
ちの方に向かって登りだした。

「ダスティン、女がそっちへ逃げた捕まえろ。抵抗したら撃て。ただし殺すな。」リーダー格らしい男が怒鳴る。
兵士達は女を追いかけてばらばらに斜面を駆け上がってくる。

女が尾根にたどり着く。
「暫く隠れていろ。やばそうだったら逃げろ。」ジョーは女に素早く言う。
最初の男が尾根に到着した。伏せていたジョーはM1903の銃床で男の腹を抉った。二人目の男もそうやって始末
すると、ジョーはM1903をつづけさまに三発発砲した。三人の兵士が肩や腕を打ち抜かれてうずくまる。

「逃げろ。」ロジャーが叫ぶ。男達は一斉に斜面を駆け下りる。撃たれた男達もよろめきながら逃げていく。やが
て、男隊は山道をもときた方向へ走り去った。

「出てこいよ。」ジョーが声をかけた。
小柄な女が茂みから現れた。黒髪、黒い瞳、顔立ちは一見アングロサクソン系だが、小さな鼻や頬の様子からイン
ディアンの血が混じっているようだった。まだ、二十歳そこそこだろう。




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