したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

中・長編SS投稿スレ その2

732earth:2011/09/07(水) 23:21:56
第8話投下です。


『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第8話

 防衛軍再建の功績で参謀は参謀長にクラスチェンジした。
 これによって防衛軍総司令部では確固たる地位を参謀(元)は得た。だがそれは同時に防衛会議などの上位組織と
駆け引きする時間が増えることを意味しており、彼が希望した晴れやかな舞台とは真逆の仕事だった。

「来る日も来る日も、書類と会議ばかりか」

 参謀長は相変わらず密談の場として使っている地下都市の防衛軍司令部でため息をついた。

「仕方ありません。軍隊というのはそんなものです」
「いいじゃないか、君は。新しい概念の戦術の研究に余念がない。ガトランティス艦隊が来ても活躍できるだろう」
「命がけですよ。数分で『ヒペリオン艦隊壊滅!』なんて言われる可能性だってあるんですから。尤も防衛艦隊を
 壊滅させた戦術で、敵を迎え撃つっていうのは燃えますが」

 眼鏡をかけた男はそう不敵に言った。参謀長は一瞬、彼の背後に謎の踊りを踊る老人の姿を幻視したが気にしない
ことにした。

「防衛会議では楽観的なお偉方が多くて、こっちは大変だよ。
 あの長官は人望は厚いし、決断力もあるが……政治力については心もとないからな〜」
「そこをサポートするのが参謀、いえ参謀長の仕事でしょうに」
「ふん。体のいい、厄介ごと処理だ。全く、どいつもこいつも文句ばかり言いやがって。まぁここで不満を言っても
 仕方ない」
  
 そう言って彼は気分を切り替える。

(取りあえず目の前のガトランティス戦役を乗り越えることに全力を注ぐことにする。これを乗り切ればまだ
 華々しく活躍できる機会はあるはずだ)

 彼は諦めが悪かった。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板