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中・長編SS投稿スレ その2

610earth:2011/06/18(土) 22:23:08
「ぜ、全滅だと。敵艦隊に触れることさえできずにか……」

 300隻あまりの大艦隊が文字通り殲滅されたことを知った次元航行部隊の高官は本局の司令部で卒倒しそうになった。
 だがそうなるのも無理は無かった。何しろこれまで巨費をつぎ込んで建造してきた次元航行艦、そしてそれを
運用する貴重なクルー、そして宝石よりも希少な高ランク魔導士が根こそぎ失われたのだ。
 
「各世界、支局からの増援はどうなっている?」

 一途の望みをかけて高官はオペレータに尋ねるが、逆に悲鳴のような報告が戻ってくる。

「か、各支局が敵艦隊に襲撃されています! 奇襲を受けて大損害を被っているとのことです!!」
「何だと?! 別働隊がいたというのか?!」

 このとき、長門艦隊などの別働艦隊が各世界の支局に奇襲攻撃をかけていた。
 迎撃に出た次元航行船は次々に撃沈され、支局も波動砲や波動カードリッジ弾によって滅多打ちにされて
破壊されていった。

「経験値稼ぎにもならないんじゃない?」
「否定できない」

 朝倉と長門は支局や周辺の艦隊をそう酷評した。実際、酷評されても仕方ないほど一方的に管理局側は
打ち負かされていた。

「S級やA級も、宇宙空間から撃たれたら形無しね」

 朝倉の言うとおり、高ランク魔導士はここでも何の役にも立たず、黒旗軍の砲火によって次々に倒れていった。 

「次元航行部隊は事実上壊滅か……」

 誰の目から見ても、決着はついていた。管理局の大敗という形で。

「「「………」」」

 回りの人間が浮つく中、伝説の三提督たちは、管理局の大敗を冷静に受け止めていた。
 同時に彼らはこの敗戦をどう処理するかで頭を悩ませていた。もしも謎の艦隊が地上への爆撃を敢行すれば
管理世界は火の海と化す。それは次元世界の滅亡に直結する。
 生き残るには、管理世界の各政府をまとめ、降伏するしか道はなかった。




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