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没作品投下スレ

164 ◆2kGkudiwr6:2007/08/04(土) 18:15:42 ID:vp1hckrY

――スバルに限った話ならば。

「隠れるのはそっちだけの専売特許じゃない――クロスファイアー・シュートッ!」

響いたのは、新たな声。
伏兵が撃ち出したオレンジ色の魔弾が、アサシンの右腕に命中する。
アサシンを倒すには、遠く及ばない一撃。しかしそれでも……一瞬だけ、アサシンの動きは止まっていて。

「ありがと……作戦通りだね、ティア!」

スバルが相棒に言葉をかけながら、走っていた。
状況が変わった今、勝敗の行方も変わりつつある。
アサシンが宝具による呪いを完遂するより先に、スバルが距離を詰め、アサシンに一撃を叩き込む可能性も多いにあるだろう。

「キキ……キィ!」

それでも、蟲が鳴くような声で髑髏が笑う。
アサシンに慢心はない。なればこそ、今までスバルを痛めつけ、宝具を文字通りの必殺となそうとしていたのだ。
現に傷ついたスバルはティアナの援護を受けて尚、反応が遅れている。
故に、この程度で敗れはしないというのがアサシンの矜持であり。
皆と一緒なら勝てると言うのが、スバルの誇りだった。



目覚めた黒い聖杯。攫われたギンガ。そしてスカリエッティの真意。
それぞれの目的のため結託する間桐と英雄王。立ちはだかる最優のサーヴァント。
世界の全てを集めし最強の王と、それに拮抗する贋作者。
サーヴァントに対する新たなジョーカーと、立ちはだかる暗殺者。
従来のルールを尽く覆し破綻した聖杯戦争の中で、フェイトと凛は――



「――教えてあげるわ、金ぴか」
「確かに、私達一人じゃ背負いきれない。だから、皆で一緒に背負うんです!」

165次のバトルロワイアルのために ◆TIZOS1Jprc:2007/08/26(日) 22:26:25 ID:OXAMUAwY
青い空に、青い海。
人気のない白い砂浜に椰子の木が風に揺れる、どこかの瀟洒なリゾート地みたいな南国の風景。
パラソルの下でデッキチェアに寝そべる半裸の老人がいた。
ブーメランパンツ一丁で、皺だらけの貧相な肉体を周囲に晒している。
はっきり言って、目に毒である。見る者とていないが。
否。

「ご機嫌麗しそうね、何度も死にかけた直後だって言うのに」
「ふふ、王たる者は何度窮地に追い遣られても決して取り乱したりはせぬのだよ、テスタロッサ」

何の前触れもなく、妖艶な魔女、プレシア・テスタロッサが、彼の隣に出現していた。
下手な水着よりもキワどい黒の衣装に黒のマントと言う、通常の神経の持ち主なら絶対に公衆の面前には立ちたくない格好である。
娘さんもレオタード一枚で飛び回ってるけど、このヒトの場合年齢ってモンを自覚し……ゲフンゲフン。

「脱獄の支援、感謝するぞ。さすがの私でもあのままじゃちとマズかった」
「ギブアンドテイクよ、こちらからは魔法技術とロストロギアの模造品の供与。貴方からは次元断層からの救出と未来の科学技術と秘密道具の供与。
こっちから一回は助けないと、お合い子にならないの」

実際は有用なコネクションを失いたくないと言うドライな打算に過ぎないのだが。

「タイムパトロール……だったかしらね。あの程度の連中、出し抜くのは簡単だったわ。遣口を教えられていたし」
「上長上長」

老人は機嫌良く高笑いを始めた。

「アルハザードに至る為……私の願いを叶える為に、貴方にはもっと役に立って貰わないといけないのよ」
「ん? 何か言ったのか?」
「いいえ……。それより貴方はこれからどうするつもり?」
「そうだな、しばらくはほとぼりを冷ましてから……」

老人は、ぐっと握り拳を天に掲げた。

「今度こそ、バトルロワイアルを完遂して見せる!」
「……。まだやる気なの」
「そうとも。神に等しきこの私に苦汁を飲ませたあやつらに、何としても目に物見せてやらねば。
次こそは全員絶望のどん底でむごたらしく嬲り殺しになって貰おうではないか!」
「そう」

プレシア、心底どうでも良さげに相槌。

「何でも良いけれど、今度はヘマをしないことね。私ね、無能な子は嫌いなの」
「フッフッフ、勿論だとも。同じ失敗を私が繰り返すと思うか? 次回は手心など加えん。
私自身の絶対的安全を保障した上で、奴等から反抗への手立てを完全に奪い去る。これで完璧だ。
今回の忌々しい生存者共に新たに数十人加えて第二回バトルロワイアル、開催決定だ」

無関心げなプレシアがふと興味を引かれたように老人を見た。

「どうして、そんなにその"バトルロワイアル"に拘るのかしら?」
「私の……悲願だからだ」

握り拳を己が胸に当て、断言する。
実際は今回の"興行"の取り引き相手が軒並逮捕されたおかげで、闇業者からの借金を返すアテがなくなり、首が回らんくなったからです。
いかに30世紀の未来技術を持つとは言え、表社会からも裏社会からも追われるようになっては、にっちもさっちも行かんとです。
等と、格好の悪い話は置いておく。

「まあ、そろそろほとぼりも冷めた頃合か。追手の連中がここを嗅ぎ付けるやもしれん。そろそろここを引き払って……」
「そうは行かないねぇ」

背後からの第三者の声に振り返ると同時、断続的な銃声が響く。
複数の機関銃からフルオートで撃ち出される7.92mm弾が白い砂浜に青い海と青い空が広がる平和な光景を、文字通り"粉々に吹き飛ばした"。
砕けたガラス片が一面に舞い、ホログラム装置と背景の液晶画面が機能停止する。
機械で演出されたリゾートの代替物は、数秒後には滅茶苦茶に散らかった、近代的な高層ビルの一室に過ぎないと言うその正体を暴かれていた。

「お客様の様ね」

プレシアの声に老人が顔を上げると、そこには十数名の旧ナチスドイツ親衛隊の制服を身に纏った屈強な兵士が雑多な銃火器を構えていた。
そして一列に並んだ彼等がさっと道を開けた場所を通って、後ろに控えていた三人組が悠々と歩み出てくる。
中央の、小太りというにはちょっと肥え過ぎな感じの眼鏡の中年男が語りかけてくる。

「やあ、お取り込み中の所を悪いね、ギガゾンビ君。
はじめまして。我々は、"最後の大隊"さ。
私の事は、取り合えず少佐、と呼んでくれ給え」

166次の次のバトルロワイアルのために ◆TIZOS1Jprc:2007/08/26(日) 22:27:30 ID:OXAMUAwY
男の視線が、這いつくばっている老人の横で平然と立ったままでいる女の方にずれる。

「おや、確かお嬢さんは……プレシア・テスタロッサ嬢ではないかな?」
「だったら?」

プレシアの猛禽を思わせる眼が細められる。
少佐は鷹揚に笑って返した。

「いやいや、君のような美しい女性とは一度ゆっくり話がしてみたいとは思うが、今、我々の用事があるのはそこのご老体なのだよ」

老人、ギガゾンビがよろよろと立ち上がりながら、男を睨み付ける。

「貴様……。そうか、思い出したぞ。
確か、あの吸血鬼どもを引っ張って来た世界にいた、連中の宿敵……」
「宿敵は良かったな」

少佐は含み笑いを漏らした。

「そう、宿敵。君が玩具扱いした、あの素敵な化け物たちは我々の宿敵だったのだよ。
大切な、唯一無二の、何者にも代え難い。
彼等が相手でなくては、我々は、その全身全霊をかけた全力で戦争をすることが叶わないのだよ。
なにしろ、先の大戦から半世紀。我々が力を蓄えている間に、世界は我々の事を忘れ去ってしまった。
かつての英雄たちは死に絶え、のうのうと平和を甘受する先進諸国民達は、豚の群となり果てているではないか!
いかん! 実にけしからん! 本当に嘆かわしい! そうは思わないかね?」

少佐は、握り拳を固めて振り回しつつ、問われてもいないのにベラベラと長ったらしい口上を、とうとうとぶった。

「我々の望みは唯一つ。戦争をすることだ。
唯の戦争、そこいらで毎日起きてる地域紛争程度では勿論良い訳がない。
司令官が地下深くに掘られた安全な指令所でボタン一つ押すだけでカタが付く、大陸間弾道ミサイルが飛び交うだけの単調極まりない、無機質で"クリーンな"未来戦争など問題外だ。
我々の望む戦争とは、もっと血飛沫騒ぎ肉片踊る、千差万別有象無象老若男女を巻き込んだ、親に合うては親を殺し仏に合うては仏を殺し神に合うては神を殺す、五臓六腑を喰い千切り阿鼻叫喚の怒号に包まれた、そんな素敵で脅威で大惨事な大戦争なのだ!
それをする相手はもう、彼等しか存在しなかった!
アーカードとその下僕、そして"死神"ウォルターを擁する英国国教騎士団!
そして化物殺しの鬼札アンデルセンを有する法王庁特務局第十三課!
彼等しかいなかった! 彼等でなくてはならなかった!
彼等が存在しないのでは、我々の、この振り上げた拳をどこに振り降ろせば良いのだ!
半世紀もの間密かに研ぎ、磨き続けて来たこの牙を一体だれに突き立てれば良いのだ!
戦争するしか能の無い、戦争の事しか脳に無い我々が、この地球上に存在する意味が無いじゃないか!
……………………。
一体この落とし前はどう付けてくれるんだいギガゾンビ君?」

ねっとりとした和やかな笑みを浮かべながら、男はギガゾンビに対しすごんでみせる。
しかし孤立無援のはずの老人は不敵に笑って見せる。

「フン……群れねば何も出来ぬロートル共めが。貴様等の相手など下らない面倒をしていられる程、私は暇では無いわ」

言うと同時に、金属製の分厚いシャッターが彼等の間に滑り落ちてきた。
完全に遮断され、無効の物音一つこちらに届いてこない。
ちなみに、プレシアも向こう側だ。

「やれやれ、これだから礼儀を知らぬ野蛮人は。
まあ、これで十分時間は稼げる。今の内にさっさと、おさらばするとしようか……」

先程の銃撃で砕け散った窓ガラスから、外を覗き込む。
すぐ真下に小型のタイムマシン兼用クルーザーが待機している。
ギガゾンビはニヤリと笑うと、外へと一歩を踏み出そうと……、

「遅すぎですゥ」

突如耳に届く粘っこい男の声。
同時、クルーザー全体にスパークが走ったかと思うと、次の瞬間には爆発四散していた。
爆風を食らいかけて腰を抜かした老人の目の前に、白蛇を思わせる風体の男が立っていた、空中で。
オールバックの白髪、色の濃いバイザー、ぴっちりとした黒のスーツ、口元に浮かべられた皮肉げな笑み。

「ンフフフフフ……捕まえましたよォ、ギガゾンビ」
「き、キサマは、あのアルター使い共の世界での、"本土"側の能力者!」
「はいィ。本土のアルター使い、無常矜侍ですゥ」

167次の次のバトルロワイアルのために ◆TIZOS1Jprc:2007/08/26(日) 22:28:33 ID:OXAMUAwY
相変わらずのスローペースで自己紹介をする男。

「い、一体私に何の用だ! 私は貴様とは何の関わりもない!」
「貴方に無くとも、私にはあるのですよォ」

腰を抜かしたまま後ろにズリ下がる老人にゆっくりと迫りながら、蛇男はとうとうと語りかけた。

「今回貴方が仕組んだ"バトルロワイアル"の全容、私はちゃーんと把握しております。
やってくれましたねェ……。
よく私の"向こう側"とのコンタクトと言う悲願を見事に打ち砕いてくれました……。
もうあそこにはアルター反応がありませんでしたねェ……ストレート・クーガーも殺されたのですか?
ま、あの精製を受けてボロボロの体では、当然の事でしょうねェ……。
それにしても、あと一息のところで扉を開く鍵であるあの二人、カズマと劉鳳がお亡くなりになってしまうとは……。
ジグマールさんには残念でしたが、私はもっとでしょうか……。

はじめてですよォ……。
このわたしをここまでコケにしたおバカさんは……。
まさかこんな結果になろうとは思いませんでした……」

と、それまでの皮肉げな雰囲気が一変。俯いてなにやらドス黒いオーラを放ち始めた。

「ゆ……」
「ゆ?」

思わず聞き返したギガゾンビは、夜叉の如き憤怒の表情を見せている無常の顔をまともに見る羽目になった。

「ゆるさん……」

いつもの、常に嫌味っぽいほどマイペースな彼を知る人間ならば別人かと疑う程に、無常矜侍は激怒していた。

「ぜったいゆるさんぞこの虫ケラめが!!!!!
じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!!!
塵一つ残さんぞ覚悟しろ!!!」

気圧されたギガゾンビはじりじりと下がるが、すぐに壁際まで追い詰められる。
へばりついた隔壁が突然轟音と共に揺れ動き、大きくひしゃげた。
二、三回それが続いたかと思うと、次の瞬間には壁ごとバラバラになって吹き飛ばされる。
土煙の向こうには、軍帽を目深に被り、バレルを非常識な位長く改造してあるモーゼル拳銃を腰に提げた、長身の軍人が拳を突き出していた。

「大尉、ご苦労」

ギガゾンビの背後は、あっと言う間に、SS軍人たちに取り囲まれていた。

「おやァ? これは面白い。彼等も君を帰すつもりはないようですねェ」
「フフフ、どうやら、そこの男も我々と目的は同じの様だね。
しょうがない。君も混ざり給えよ」

なにやら少佐と無常が意気投合している。
今の所は同士討ちしてくれることは有り得ない様だ。
だが背水の陣となったギガゾンビは、不敵な態度を崩さなかった。

「ククク……、身の程死らずの愚か者めが……。
生きて帰れぬのは貴様等だと知るが良い。
やれッ! テスタロッサッ!
奴等を皆殺しにしろッ!!」

168次の次のバトルロワイアルのために ◆TIZOS1Jprc:2007/08/26(日) 22:29:21 ID:OXAMUAwY
声高に叫んだ。
沈黙が降りる。
壁に寄り掛かって、様子を見ていたプレシアはしかし、動かなかった。

「テスタロッサ……?」

プレシア、溜息。

「正直言うとね、貴方には失望したの」
「なんだと……!」
「"剣を持つものは、また自らも剣によって滅ぼされることを覚悟せねばならない"。
あれだけの事をしでかしたのだから、法による罰以外にも、個人的な報復なども警戒しておくのが当然でしょう。
それなのに貴方と来たら……この体たらく。付き合ってられないわ。
幸い貴方がコンタクトした科学技術の発達した世界とのコネクションは私も貰った事だし。
科学の特徴とはその再現性。
魔法と違って、知識と道具さえあれば専門家なしでも事は済ませられる。

貴方、用済みだわ。
そちらの方々、彼の処遇はご自由にどうぞ」
「なッ……! そんなッ……!」

哀れ老人は屈強な軍人二人に両脇を拘束された。

「頼むッ……! 見捨てないでくれッ……!」

誰も老人の懇願に耳を貸さない。

「そうだッ! お前達! 私の科学力は欲しくないか!?
私は二十三世紀最高の技術力と三十世紀の科学技術の両方を持っているぞ!」
「それは良いことを聞いた。ドク!」
「は」

少佐が指を鳴らすと、背後に控えていた、血濡れの白衣を纏った多重レンズ眼鏡の男が歩み出てきた。

「彼を拷問に掛け給え」
「はッ! ゲシュタポ上がりの腕利きを多数用意しております」

チャッと音が出る程に畏まって見せる男の背後から、見るからに近寄りがたい風貌をした軍人三人が現れる。

「……こ、殺すならさっさと殺せッ」
「死に損いの分際で命令するつもりか!」
「よぉし、こいつの肉はお前たちにくれてやる。好きにしろッ!」
「秘密道具さえあれば……こんな奴等に……」
「へへへ。おい、あべこべクリームってやつを用意しろ。みんなで気持ちよくしてやる」

老人がズルズルと引き摺られていく。
それをよそに、異なる世界からやってきた三悪人達はのどかに談笑していた。

「はは、これでまた戦争が出来るかもしれない。
しかも今度は唯の戦争じゃない。宇宙を股にかけた時空戦争だよ! H・G・ウェルズもびっくりだ!」
「左様ですね、少佐」
「ほう。時空を操作する力ですかァ。興味深いですねェ。
私も同伴させて頂いてよろしいですかァ?
ひょっとすると私の能力の役に立つかもしれませんし」
「私も一枚噛ませてもらっても良いんでしょう?」

もはや唯の無力な老人に過ぎないギガゾンビを顧みる者とていない。
老人は惨めに喚き散らすしか出来なかった。

「待て! 待って!! まって――――!!!
テスタロッサ――――ッ!
スラン! ボイド! ユービック! コンラッド! フェムト!
テラ! テラテラテラテラテラテラ――――!
だれか、私を助けてくれ――――!」

ああ、誰か彼をこの窮地より救い得る者がいるだろうか?
そうだ、彼なら。ギガゾンビと縁浅からぬ彼ならば。
並行宇宙の一つでは物語の主人公として万人に語り継がれる彼ならば、あるいは。
だが、あれだけの事をされた彼が、この老人を助けることなど、どう考えても有り得ないこと。
しかし、それでも、藁をも縋る思いで、ギガゾンビは彼の名を叫んだ。

「ド、ド、ドラえも――――ん!!」

169 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:32:10 ID:JbKpKyeU
時間軸はきっと◆lbhhgwAtQE氏の『静謐な病院Ⅱ 〜それぞれの胸の誓い〜』から
◆S8pgx99zVs氏の『陽が落ちる』の間(または、『陽が落ちる』の平行世界?)になるんでしょう。

『静謐な病院Ⅱ 〜それぞれの胸の誓い〜』の状態表を見た瞬間から頭の片隅から離れなかったネタを今回文章にする事を覚悟しました。

短く、面白くも無く、ひねりも無く、キャラ把握もちゃんと出来ていないであろう話ですが暇つぶし程度にはなるかも……。

170 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:32:24 ID:JbKpKyeU
「魔力がたりないのよ」

凛がいきなりではあるが言い出した。

「私もフェイトも今までの戦闘で魔力を大量に消費したわ。フェイトに関してはもう完全に魔力が無いの」

病院から出ていた5人が戻って来て、全員の状態を確認し終わって直ぐに凛はその場に居る全員に話す。

「これからギガゾンビとの戦いになるだろうけど、そこには大量のツチダマが居るのよね?」
「そ……sうだ、ギガゾnビの……しrには……何まnもの、tチdマが居る……」

ユービックが凛の質問に答える。
ツチダマであるユービックは、ギガゾンビの城の情報について知っている。
もちろん仲間のツチダマが大体何体居るかも把握していた。

171 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:32:46 ID:JbKpKyeU
「その大量のツチダマを相手にするのに魔法、魔術があればグッと勝率が上がってくるんだけど……」

使うためには魔力が必要なの。と悔しそうにつぶやく。

「魔力はどうやったら回復するんだ?」
「時間がたてば自然に回復するんだけど……今はその時間が無いの。一日あれば完全には戻ってくるのは確かよ」
「一日ですか……凛ちゃん、他の回復方法は?」

ドラえもんが聞いてくるのも無理は無い、一日も待っているうちに向こうから動いてくるのはわかっている。今は一時間、いや、一分ですら惜しい状態なのだから。

172 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:33:12 ID:JbKpKyeU
「何らか魔力を持ったアイテムがあれば、そこから魔力を吸収して回復することも可能です。でも、そんなアイテムもありませんし……」

フェイトが申し訳ないように説明をする、何でもカートリッジでは一時的に魔力を上げるだけで時間がたつと元に戻ってしまうらしい。

「とにかく、私とフェイトで魔力を何とかする方法を考えてみるわ。皆は首輪の解除の方をお願い」
「判った。じゃあここはご婦人御二方に任せて、他のご婦人&野郎共は首輪の解除に専念するぞ。

ゲインの号令に一斉に動き出す。
部屋にはフェイトと凛の二人だけになった。

173 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:33:49 ID:JbKpKyeU
「……ねえ、フェイト」
「なんですか?」

二人になって一分ほどの沈黙をした後、凛はフェイトに振り返りながら言葉をかける。

「実は……さっき皆には黙ってたんだけど短時間で魔力を回復する方法が一つあるの」
なぜかその顔は真っ赤に染まり、いつもの三倍増しの真剣な表情だ。

「魔力が回復する方法があるんですか!?何故今までだまっていたんです?」
「いろいろと事情があるのよ!……いい?この方法、半端じゃナイ覚悟が必要なの。話してもやりたくないって言ってもから、よく聞きなさいよ」
「は、……はい!」

返事を聞き、凛は口をフェイトの耳元に持っていき

「………………」

何かを教えている。

174 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:34:15 ID:JbKpKyeU
「………え、えーーーー!!!!!!ほ……本当ですかーーーーー!!!!!!」

突然フェイトが目覚まし時計も真っ青な叫び声を上げる。
なぜかその顔は凛以上に真っ赤に染まっている。

「声が大きいわよ!悲しいけど事実なの、どう?あなたに出来る?」

凛の問いかけにフェイトはじっくりと考え……。
「私は……」

175 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:34:39 ID:JbKpKyeU
「よお、チャンプ。何か解決方法は見つかったかい?」
「ゲインさん、まだ見つかりませんよ。あなただって見つかってないみたいですね」

首輪の解除方法を探していたゲイナーは途中、ゲインに遭遇する。
御互い有効な首輪の解除方法が見つからず、困っているようだ。

「お二人さん、どうだい調子は?ってやっぱり駄目みたいだな……」

廊下の奥からトグサの姿が現れる、トグサもやはり首輪の解除方法について困り果てている様子で、表情があまり良くない。
そこで三人で首輪について話をしていると今度はドラえもんがやってきた。

「あ、三人ともここにいたんですか?凛ちゃんが部屋に来て欲しいっていってましたよ」

ドラえもんの伝言を聞いた三人は凛とフェイトが居る部屋の前にやってきた。

176 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:34:50 ID:JbKpKyeU
「あれ?トグサ、ゲイン、ゲイナー、三人も呼ばれたのか?」

ドアの前にはロックがいた。
何でも彼もドラえもんの伝言を聞いて来たらしい、しかもドラえもんが伝言を頼まれた相手はこの四人で他の人は呼ばれていないとのことだ。

「一体俺ら四人に何のようがあるんだ?まあいい、開けよう」

そして四人は凛とフェイトの待つ部屋の扉を開く。

177 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:35:05 ID:JbKpKyeU
「……来たわね。四人とも」

凛が喋ると同時に部屋の中に違和感を覚える。
「結界を張らせてもらったわ、防音と人払い、そして内側から出ることが困難な結界を」
「結界って、僕たちを閉じ込めてどうするつもりですか!?」

ゲイナーの言葉には一切言葉を返さず、凛は話を続ける。
「……実はね、魔力を回復する方法があるの、その方法を、……その、手伝ってもらうというか……やってもらうと言うか……」

凛の言葉に切れがないと思い不思議がってみると二人とも髪が邪魔でわかりにくいが顔を真っ赤にしている。

178 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:35:21 ID:JbKpKyeU
「魔力を回復する方法があるだって?一体どんな方法なんだい?」
そう言ってゲインは部屋に二つあるベットのうちの一つに腰掛ける。
しかし、ベット二つもあったか?とゲインは同時にそう思った。

「一般人にもね、魔力があるの。でも他人から魔力を共有するにはラインって言うものが必要になってくるの」
「そ、それで。あ、あの……ラインを繋ぐには如何したらいいかといいますと……」
「答えはとっても簡単に出来るのよね」
「それは……」「それは……ですね……」

179 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:35:44 ID:JbKpKyeU





「「私達を抱いてください!!」」






四人は二人が何を言ったのかを理解するのに時間が掛かった。

180 ◆RX7Gqr4C4s:2007/11/05(月) 01:36:46 ID:JbKpKyeU




凛&フェイトーー魔力全回復



【トグサ、ゲイン・ビジョウ、ゲイナー・サンガ、ロック    死亡――死因 腹上死】


これ以上は無理です……。
やはり書き手でない自分が話を書くべき手はないのでしょうね……。
没作品投下スレとは言え、これを投下してよかったのかは未だにわからない……
駄目だったらスイマセン。

181魔法少女カレイドナナシ:2007/11/08(木) 18:09:14 ID:nZupFnIU
近大とか東大阪大学?といった、超難関大学が在る。

182魔法少女カレイドナナシ:2007/11/15(木) 22:43:43 ID:cc0XmCR6
>>180
たしか、当時も雑談でチラッと出ていたネタだと思うけど、まさか文章化してしまうとは……
内容的にはもちろん多種多様な意味でやばすぎるけれど、
企画終了後の没作品投下スレ作品としては十分ありな範疇。
最初は「ネタとはいえこれで4人殺すか!?」と思ったけど、たしかにそうしないとオチがつかないか。
なんせよ、自分はそれなりに楽しめた。

あと、書き手なんて、本来“話を書いて投下した人”程度の意味あいしかない。
没ネタとはいえまがりなりとも一つの話を書いて投下した以上はあなただって立派に書き手でしょうに。
そりゃ足りないところだってあるだろうとは思うけれど、妄想を具現化するのが嫌いでなければ、
気が向いたらまたどこかで挑戦してみては?

185:2007/12/07(金) 14:31:22 ID:TJvrl9yU
いじめ撃退法

186残された欠片「異郷」 ◆k97rDX.Hc.:2007/12/28(金) 23:36:09 ID:dXEPpd9E
予告より、えらく遅れて申し訳ないのですが、一応形になりましたのでここに置いておきます。内容は……蛇足ですが「ドラえもんのエピローグのその後」の没ネタです。“ひぐらし”の原作をご存知の方は、TIPSを読むような感覚で見てくださるとありがたいです。



「異郷」

 ――21××年。
 大都市の郊外にある、とあるスクラップ工場。そこが、いくつか提示されたなかからドラえもんが選んだ就職先だった。
 勤務時間は長く、労働環境がよいとはお世辞にも言えない。しかし、あちこちにガタがきた子守ロボットを採用しようなどという雇用主などそうあるものでは無い。それに、基本的な工学知識を持ち、力仕事もこなせるドラえもんにとっては自分の能力を十分に生かせる職場であることには違いなかった。

 ドアを開けて室内に一歩進んだところで、かすかな躊躇を覚えてドラえもんは踏み出した足を引っ込めた。そこは自分に割り当てられた部屋であり、寝起きをするようになってからすでに数ヶ月が経過している。入ることを誰に止められるいわれもないし、別に何か不審な点があったわけでもない。
 念のためにもう一歩下がってドアのわきを見てみれば、予想を裏切られることもなく「ドラえもん」と記された表札がそこにかかっていた。
 いつになったらこんなことをせずにすむようになるのだろうか。自分の姿に半ば呆れながら、いつもその日の仕事を終えてからするように、ドラえもんは部屋の壁と一体化したテーブルの前に座った。その上にしつらえられた端末を起動させ、その画面に表示された内容に目を通す。
『2件ノ着信アリ』
 一方の差出人は、あのタイムパトロールの隊長。彼は――と言うより、タイムパトロールの組織全体が――ドラえもんに同情的で、いくつかの件については少々の無理も聞いてくれていた。今回のメッセージは、依頼していた事案が達成できたことを伝えてくるもので、これには丁寧な文章でお礼状を送ることにした。
 さて、もう一方はと言うと、これはユービックから。中身に目を通すと、ロボット学校での生活や、日常生活の細々としたことが新鮮な驚きとともに綴られている。
 新しい環境に慣れようとして四苦八苦する友人の姿を思い浮かべ、嬉しさとともに一抹の淋しさを感じてドラえもんは微笑んだ。こちらに来たばかりの頃は毎日のように届いていた彼からの私信も、最近は週に一度に減ってきている。いい加減、自分も自立しなければいけない。
 そんなことを考えながら画面をスクロールさせ、メッセージの最後まで読んだところで、ドラえもんは目を見開いた。文面の最後に、校長先生からの伝言としてロボット学校で働かないかという誘いが記されていたからだ。
 当然と言えば当然の話で、結局、自分の存在を誰にも知られずにいるというわけにはいかなかったということになる。おそらく、ユービックがロボット学校の手に委ねられると決まった時点で、校長先生にはあの事件についての説明があったに違いないのだから。
 したためたユービックへの返信の最後に、心遣いに感謝しつつもそれについては断る旨を追加することにし、ドラえもんはできあがった二件のメッセージを送信した。
 いっそ、馴染み深い場所で、罪深い思い違いをしたまま生きられたならそれも幸せだったのかもしれない。でも、――

 部屋の隅に置かれたままのタイムテレビを眺めて、ドラえもんはため息をついた。あの日以来、一度も電源を入れられることもなく、入力キーや画面の上にはうっすらと埃が積もっている。

 そんな思い違いも許されないことは、もう十分に知っていた。

187残された欠片「遺言」 ◆k97rDX.Hc.:2007/12/28(金) 23:36:51 ID:dXEPpd9E
「遺言」

 突然の物音に、ドラえもんは道具を磨く手を休めて顔をあげた。
 もしかしてネズミじゃないだろうか? とっさに頭に浮かんだ考えに身が竦む。恐る恐る首をめぐらせて背後を確認し、そうしてやっと緊張を緩めた。
 振り向いてみればわかることだった。今も聞こえているその音は、この部屋の主、野比のび太の机がたてている音。いや、より正確には、動きが渋いその引き出しが“内側から”開けられようとしている音に違いない。
 なら、ネズミなどということはありえない。大方、未来デパートがダイレクトメールでも送ってよこしたのだろう。そう結論づけると、ドラえもんは立ち上がった。
 立ち上がって机に近付き……出し抜けに開いた引き出しに、頭をしたたかに打たれてその場に倒れた。
「タイ……大丈夫かね?」
「ええ、なんとか」
 そう言ってはみたものの、目の前では星がチカチカと瞬いている上、耳鳴りのせいで相手の声もよく聞こえない。一度目を閉じて頭を振ると、ドラえもんはその場に座りなおした。
 時がたつにつれだんだんと視界が元の明るさへと戻っていく。その中央に、見覚えのある服装が写しだされていくことにギクリとさせられながら、彼は目の前の人物の次の言葉を待った。
「もしかすると、君は私のことを知っているのかもしれないが……
 見てのとおり、私はタイムパトロールの者だ。
 “別の世界の君”に頼まれていた物を届けに来た」

                    〇〇〇

 カウンタがちょうど一時間を刻んだところで、ドラえもんはビデオの再生を中断した。記録ディスクをタイムテレビの中から抜き取ってポケットの中へ収めると、自然とため息が漏れていた。
 いくら覚悟をしていても、辛いものはどうしようもなく辛いし、哀しいものはどうしようもなく哀しい。そんなことを今更になって思う自分に苦笑しつつ、彼はタイムテレビの操作を再び開始した。
 画面に映し出されたもの。それは。

188残された欠片「決意」 ◆k97rDX.Hc.:2007/12/28(金) 23:37:19 ID:dXEPpd9E
「決意」

 タイムテレビの前で、彼はそっと呟いた。
「もう二度と――」

189残された欠片「日常」 ◆k97rDX.Hc.:2007/12/28(金) 23:38:29 ID:dXEPpd9E
「日常」

 天気予報は本当にあてにならない。雨粒が叩きつけられる窓ガラスを眺めて、僕はため息をついた。
 予報が外れたこと自体は大した問題じゃない。雨が降り始めた時は少し不安になったけれど、ドラえもんが迎えに来てくれたから、ずぶ濡れにならずにすんだ。後で自分がパパの迎えに行かないといけないのはちょっと面倒だけれど、それもまあいい。
 本当に問題なのは、どこにも遊びに行くあてがないことだ。しずかちゃんちに行ければ良かったんだけれど、都合が悪いと言われてしまった。
 こんな日には……
(やっぱり昼寝が一番)
 僕はそう結論づけてランドセルをその辺に放り投げると、引き寄せた座布団を枕にして畳の上に寝っころがった。
(……あれ?)
 眠りにつくほんの一瞬前に、微かな違和感を覚えて僕は跳び起きた。
 部屋を見渡すまでもない。体を起こしてちょうど正面、ドラえもんが寝床にしている押し入れの襖に、竹刀が立て掛けてある。
 なんで、こんなものがここに? 僕は襖の前まで這っていき、それを手にとった。
「今日のおやつはドラ焼き〜♪」
「ねえ、ドラえもん」
 都合の良いことに、ちょうどその時、上機嫌のドラえもんが鼻歌まじりに部屋に入って来た。早速、この竹刀について尋ねてみることにする。
「ん? なんだい?」
「こんな竹刀、どうしたの?」
「え!? ああ、それ? ええと、この前ジャイアンが君を追い回してたことがあったろう。
 そのとき取り上げといたのがポケットの中を整理してたら出てきたんだよ」
「……そんなことあったっけ?」
「あれ? 覚えてないの? まあ、いいでしょ。しまっちゃうから返してよ」
 怪しい。……あ、今、目をそらした。何か僕から隠そうとしているな。
 よし。
「そんなこと言ってさ。僕に使わせたくないだけで、実はひみつ道具だったりするんじゃないの?」
 僕がそう言うと、ドラえもんはきょとんとした顔でこっちを見つめてきた。黙ったまま何も言わないから、なんだか気まずい。
「な、なんだよ」
「ク、クク。ウヒャハヒャヒャ」
と、思ったら突然吹き出し、腹を抱えて大笑いし始めた。
 そのまましばらくゲラゲラと笑いつづけて、しばらくして言うことには、
「フヒ、フヒヒヒ。き、君は実に……まあいいや。変なこと言わないでよ、のび太くん。
 それはただの竹刀で、ひみつ道具なんかじゃないよ」
 もう。そこまで笑うことないじゃないか。僕がふくれてそっぽをむくと、ドラえもんはそれを宥めにかかってきた。
 『ごめん』とか、『あんまり突拍子もなかったから、つい』とか色々と言ってきたけれど、しばらく許してやるもんか。……とは思ったけれど、こんなことで意地をはるのも馬鹿馬鹿しいからすぐに振り向いた。
 そしたら、やっぱりあの気色悪いにやにや笑いに出迎えられた。
 目の端に浮かんだ涙をぬぐったりなんかしちゃってさ。泣く程面白かったって言うわけ?


 変なドラえもん。






あとがき

蛇足の話の更に蛇足ですが後書き。今回の4つの“かけら”(うち1つはえらく短いですが)は互いにつながった話かもしれませんし、まったく関わりのない話かもしれません。また、どの話を「あり」と考えどれを「なし」とするかも読む方次第です(実際、書いた自分自身、趣味に合わないのでなかったことにしているものも1つあります)。
また、解釈に幅が出る部分や妄想の入る余地を意図的に増やしてもいるので、もし、面白いと感じていただけたなら、エピローグの方と合わせて色々考えてみてください。例えば、「もしもボックスの使用の有無」、「(ロワに出場した)ドラえもんが消滅してしまったか否か」、「竹刀がのび太の部屋にある理由」あたりと今回の話のどれを採用するかを変えれば色々違う話を作れるでしょうしね。

だらだらと書きなぐってしまいましたが以上で終わりです。書く側としては力不足の目立つ自分ですが、またどこかでお会いしましたら、よろしくお願いします。

190魔法少女カレイドナナシ:2008/01/02(水) 14:01:48 ID:vroHKqk.
もう誰もいないと思ってたからそれ含め感動


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