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避難用作品投下スレ3

794アイニミチル (5):2008/06/26(木) 03:34:42 ID:I4YEtknU0
秋子の全身が、激烈な拒否反応を示していた。
神経信号に走る圧倒的なノイズ。
体組織を侵食する膨大な異物。
痛覚が、触覚が、異物を排除せよと身体に命じる。
しかし身体は動かない。
痙攣一つ起こせない。
眼を見開くことも、悲鳴を上げることも、痛みに崩れ落ちることも許されない。
水瀬秋子を、その豪奢な玉座に縫い止めたもの。
文字通り、身動き一つ取れない秋子の腹部に、深々と突き立っていたもの。
それは、垂れ落ちる鮮血をその身に纏わせてなお赤い、煌く光の刀であった。

「もう、『次』でお会いすることもないでしょう」

美汐の手から伸びた赤の光刀が、貫いた秋子の腹をもう一度抉る。

「私が神を討ち滅ぼせば、時は巡りを止めるでしょうから。
 ……ごきげんよう、秋子さん。長い間、ご苦労様でした」

ぶつり、と何か太いものが千切れる手応えに、美汐が光刀を引き抜いた。
それを合図に束縛から解き放たれたものか、秋子の身体が巨大な玉座に凭れ掛かる様に、
ずるりと崩れ落ちた。


***


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