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避難用作品投下スレ

961フィニッシュ:2007/04/17(火) 18:37:48 ID:ap3uq7320
綾香の着用している防弾チョッキは繊維を用いたタイプであり、非常に軽量で動きも束縛しにくいというメリットがある。
だからこそ柳川祐也や古河秋生との格闘戦で、あれ程俊敏な動きが出来たのだが、良い事ばかりではない。
繊維を使用したものは先端が尖っている貫通力の高い銃器や、細身の刃物などは通しやすいというデメリットがあるのだ。
元より獲物を刺し貫く為のみに作られている非常に鋭利な矢を、この距離で防ぎ切れる筈が、無かった。

腹より血を迸らせ、たたらを踏んで後退する綾香に、Remington M870の銃口が向けられる。
Remington M870に残された銃弾は後一発、そしてその使い所は此処を置いて他に無い。
今の綾香の身体では横に跳躍する事も、身を屈める事も叶うまい。
だが、引き金にかけた麻亜子の指に力が込められたその瞬間、事は起こった。


――来栖川綾香はすぐ感情的になる性格の為、生き延びると言う事に関しては少々格が落ちるかも知れない。
綾香程の装備を、宮沢有紀寧のような狡猾な者が持ったのなら、もっと上手く立ち回っただろう。
分かりやすい例を挙げるなら、レーダーの使い方だ。折角、遠距離から敵の存在を把握出来るのだ。
本来ならレーダーは尾行などよりも、敵を避け自分の身を守る事に使うべきなのだ。
いくら強力な装備を持っていようとも、攻めるだけではいずれ限界が来るのは当然の事だ。
しかしどれだけ感情に任せて暴走しようとも――こと闘争に関しては、綾香は紛れも無く天才だった。
そう、腹を穿たれて尚、来栖川綾香は闘争の天才だったのだ。


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