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避難用作品投下スレ

727:2007/03/21(水) 03:43:04 ID:xe1qXsw20

千鶴が、軽やかにステップを踏むように、その足を進める。

「生きて動けば汚らわしい」

夕霧の腕が、もがれて落ちた。
ぐらりと揺れるその肢体が、地面に倒れるまでに細切れにされる。
ぼとりぼとりと、四角い肉の塊がいくつも零れた。

「死んで斃れて、なお醜い」

居並ぶ夕霧の首が、まとめて刎ねられた。
天高く飛ぶその頭の鼻先が、順番に串刺しにされていく。
千鶴の広げた手指にちょうど十の夕霧の首が晒され、すぐに打ち捨てられた。

「生まれ落ちて疎ましく」

夕霧の膝下が、喪われた。
もぞもぞと這いずる夕霧の背に、五月雨のように爪が突き降ろされる。
びくりと震えて、動きを止めた。

「屍を晒して救われない」

長い爪が、肋骨の隙間を縫うように、夕霧の身体に突き入れられた。
一気に、左右に引き裂かれる。
回遊魚の鰓のように、夕霧の胴が割れていた。

「ああ、ああ」

千鶴がわらう。

「お前たちはやはり、来栖川だ」

幾十、幾百の骸を眼下に並べ、悠然と、まるでそれが、芳しい香りを放つ花畑だとでもいうかのように。

「鏖にしてなお、飽き足りない」

そう言って、心の底から楽しそうに。


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