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避難用作品投下スレ
30
:
黒白
:2006/12/07(木) 20:03:45 ID:gW6263Ic
だから、わたしは母の、わたしに対する自己中心的な依存に感謝こそすれ、そのことで
母を責める気など、毛頭なかった。
むしろようやく親孝行ができると、そんなことをすら考えていた。
ひとを潰す、―――いや、殺すのも、その延長線上でしかなかった。
そう、ひと一人の生命を絶つというのは、わたしにとって真実、それだけのことでしかなかったのだ。
満足に生きてこなかったわたしは、死ぬということに対して希薄なのだ。
誰かのそれも、わたし自身にとってのそれもひと括りにして、わたしには理解が難しい。
死ぬということは、単に生き終わるということで、それは解放と同義だ。
勿論それが世間一般の理解とかけ離れた認識だと、わたしは痛いほど思い知っていた。
わたしとて、それを肯んじ得ていたわけではない。
生きるということが苦痛以外の意味を持つなら、それが知りたかった。
だが、わたしにそれ以外の答えを教えてくれる誰かなど、現われはしなかったのだ。
これまでの人生で、一度として。
だからわたしは今でも、死というものがよくわからない。
生も死も、その重みがわからないわたしは、だからこうして、変わり果てた姿になって
何の恨みもないひとを殺してしまっても、ひどく気持ちが悪いと、ただそれだけをしか思えない。
愛している。
わたしは、母を愛している。
そして母は、その根底はどうであれ、わたしのために歪むことを選んだのだった。
ならば、わたしの愛もまた、母の歪みのままに、歪んだものであるべきなのかもしれない。
―――してみると。
目の前に立つ黒い翼の神像は、わたしの歪みを形にしたものであったのだろうか。
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