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避難用作品投下スレ
177
:
CRISIS
:2007/01/05(金) 19:49:37 ID:ZKFxbOxA
月島瑠璃子は、嗤っている。
ぶよぶよと動き続ける肉塊と、それを嗤う濁った少女の対比が赦せずに、葵は拳を振るう。
ぐしゃりと、血が飛んだ。
そうして拓也はまた立ち上がり、葵は一歩たりとも進めない。
「どうして……っ!」
その顔面に肘を叩き込みながら、葵は叫ぶ。
「どうして、笑っていられるんですか……!」
鼻骨を砕く感触は、既にない。
ただ、粘性の高い血が、ずるりと葵の肘から糸を引いた。
「どうして……?」
ころころと嗤いながら、瑠璃子は不思議そうに問い返す。
雨の中、濡れながら立つその姿は、さながら亡霊のようだった。
「どうしてって、おかしいから笑っているのだけれど。楽しいから笑っているのだけれど。
幸せを笑って迎えては、いけない?」
その答えに激昂し、拓也の右膝を正確に蹴り下ろして砕くと、葵は叫び返す。
「何が幸せかっ!」
その顔には、拓也の吐いた反吐がこびり付いている。
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