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避難用作品投下スレ

1031嘲笑う者:2007/04/22(日) 11:01:33 ID:P3RNtTFE0
「――っ!?」
いち早く反応した朋也がトカレフ(TT30)を構えようとするが、引き金を絞るより早く手に衝撃が走り、銃を取り落とす。
その衝撃が飛来した懐中電灯によって与えられたものだと分かった時には、乱入者がこちらに向けて疾駆していた。
ブロンドの女性――リサ=ヴィクセンは、両手に一対のトンファーを構え、一気に間合いを詰める。
そのままカマイタチの如き一撃が、未だ次なる動作へと移れていない朋也の顔を捉え――無かった。
「――嬢ちゃん、オイタはいけねえな」
「…………!」
リサが驚愕に目を見開く。
相手の意識を奪い取るべく裂帛の気合で放った一撃が、横から伸びた包丁に止められていた。
並の人間では反応する事さえ困難な筈のソレを、受け止められたのだ。
「何なんだ、テメエは!」
朋也が怒りに満ちた絶叫を上げながら、鞄より薙刀を取り出して、横薙ぎに振るう。
リサは宙に跳躍する事で迫る白刃より身を躱すと、そのままバック転の要領で一旦距離を取った。
朋也が素早くその後を追おうとするが、秋生がそれを手で制した。
訝しげな表情を浮かべる朋也に構わず、秋生は包丁を構えながら落ち着いた声で言った。
「一度だけ聞く。テメェ――殺し合いに乗ってるのか?」
「答える必要は無いわ」
リサはそれだけ吐き捨てると、また突撃を仕掛けるべく姿勢を低くした。
これ以上の問答などまるで意味を為さぬと、烈火の炎を宿した青い瞳が語っていた。
獰猛な殺気、先程見せた尋常で無い身のこなし、明らかに戦い慣れしている。
悩んでいる暇は無い。怪我をしている今の秋生に、殺人への禁忌に気を取られている余裕などある筈が無い。
朋也は元より、秋生すらも、目の前の女を殺傷せしめるべき敵だと断定した。
「……乗ったんだな」
秋生が返答するとほぼ同時、礼拝堂に一陣の突風が吹き荒れる。


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