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ここだけ魔術のある世界

1名無しの魔術師:2011/11/21(月) 04:52:24 ID:aE0iMq0A
混乱防止のため、既にイベント進行中等の場合は極力もう一つのスレで。

参加する際の注意事項
・俺Tueeeeeeeeeeeや、厨設定、強さのインフレはほどほどに
・魔法は「魔元素設定」に沿った設定であることが望ましい

・『中の人の』安易な気持ちで人(自キャラ、NPC含む)を殺すな。死んだら生き返りません。
・鬱展開とシリアス展開は違います。ただし、↑と共に『キャラとして』相応しいなら問題はありません。

・場の空気は出来るだけ読もう。カオスな時もあります
・書きこむ前にリロードを
・描写はできるだけ丁寧に。認識のすれ違いを避けるためです。
・本スレの出来事は演技ですから恨まぬように、また演技に私怨を持ち込まない。
・眠い時は無理せず寝ましょう 健康を損ねないように
・多数対少数の場合は、少数の中の人たちのことも考えよう
・スルーされてもめげない
・一番重要なのは楽しませること、そして楽しむことです。

イベント、ストーリー展開に関する注意事項
・乱入されても泣かない。乱入が嫌なら先に断っておきましょう
・あまりにも無茶な振りをしない。されて困る事はしない
・次の日に持ち越す事も考えよう。
・単なる自己満足はほどほどに。
・乱入前に…
 イベント発生場所に貴方のキャラクターが居る可能性がありますか?
 相手のキャラクターとの関係はどんなのですか?
 自分のキャラは何事にも首を突っ込むキャラですか? の3点を確認しよう。
・乱入する前にレスをしっかり読もう。
スレ立ては
>>900 or >>950 or >>980 or >>1000

591ヒナタ:2014/05/21(水) 18:59:19 ID:???
>>589
存分に戦えた事とスイーツを堪能出来た事で、実に上機嫌な足取りで店を出た。

「む」

思っていたより時間は余っていた事に気づく。
だがこれといって特にやりたい事も無く、まぁ早めに集合場所に居る方が良いだろう――と考えながら歩いていると、意外な人物に出くわした。

「…………。まさかこんな所で会うとは思わなかったぞ?」

口振りこそ普通だが、そう語る視線は『お前暇なのか?』とでも言いたげである。

ちなみに内心では十分驚いているのだが、下手に騒いで周りが気づいても面倒だなあと考え、自身を落ち着かせてから発言した。

592ユリウス:2014/05/23(金) 14:08:23 ID:3cQHs10o
>>591
「学園都市の連中が来ていると聞いていたが、お前に出くわすとは…」

想定の2387倍面倒だな、と呟いた。相変わらず表現の桁が大きい。

「暇なわけじゃない、れっきとした仕事だ」

「記憶を失う前でも、お前は殆ど顔を合わせた事はない相手だが…
 天剣使いの一人の護衛だ…ちょっとばかり病気をこじらせてな
 特別な薬と処方を受ける為に南東にある都市国の医者を訪ねていた」

帰りの装甲馬車のルートの都合で、カーツで時間を潰しているのだと言う。
ならば今は暇と言う事になるが…話に出ている『もう一人の天剣使い』の姿が見えない。

593ヒナタ:2014/05/23(金) 14:37:04 ID:???
>>592
何を基準にその桁になっているのだろう、とは思ったが口にはしない。
口は災いの元、藪を突いてなんとやら。余計な真似はしない事が利口の証である。

「病人の護衛か……ふむ。
 確かに、それらしい人物に覚えは無いな。何にせよ遠路はるばるご苦労な事だ」

ユリウスが此処に居る理由に納得してか「うんうん」頷いていたが、ふと視線を横に逸らし、

「で、肝心のもう一人は何処に居るんだ? 姿が見当たらないようだが」

594ユリウス:2014/05/23(金) 15:04:54 ID:3cQHs10o
>>593
「病人とは言え天剣授受者、
 本人は護衛など必要ないと言っていたが問題があってな」

姿が見当たらない、というヒナタの質問に苦々しい表情をさらに強くするユリウス

「純度100%の方向音痴でな、俺の右隣りを歩かせていたのに
 緩んでいたブーツの紐を直していたらこのザマだ」

ようははぐれて迷子になってしまってるようだ。
中央都市の武芸者で、しかもそれを代表する天剣使いが。
ついでに病気持ちというオマケつきだ。

595ヒナタ:2014/05/23(金) 19:54:53 ID:???
>>594
「……護衛以前に案内役が必要じゃないのか?」

自分も、武芸者だというのに剄が扱えないというオマケというには重い問題を抱えてはいる。
加えて記憶喪失と、あまり人の事を言えた立場ではないが、それでもまぁ隠しきれない本音が出た。

「良ければ手伝おうか? 万が一があっては大変だろう。
学生(こちら)の仕事までにはまだ多少の猶予があるしな」

596ハイネケン:2014/05/25(日) 16:54:26 ID:ug9sdVo2
>>590
「うーん、馬車のチケットはないなあ。残念」
ほろ苦い表情と共に冗談で受ける。

「結構取り扱い多いね。ん、あれは強化回路かな」
品定めするハイネケン。そのうちに、自然と円盾形兵装に目がいく。
「狭いところだとラウンドシールドのほうが便利なんだよなあ……」

「交換できそうなものは……と」
大き目の鞄の中身を探る。
 兵装のフレームパーツ4種、及びねじ1ダース。小さい装甲板複数。
これらは応急処置用のものだが、ジャンクパーツだ。
帰還までの間最低限義手としての機能を維持できれば、新品である必要はない。
 予備装備として一般のスティレット。
手入れは完璧…というより、ほぼ使っていない。使う機会が少ない。
 青銅製の小さな空き箱。何を入れていたかは忘れたが、なんとなく薬臭い。
 包帯。水薬の空瓶。火打石。細長い麻袋。
それらが次々と出されて台に並べられた。荷物が大きいわけである。

「この中に、ラウンドシールドと交換できるものはあるかい?
 できれば回路も欲しいんだけど」
小型盾は自分用に。
回路は手に入るならロシュフォールへのお土産にするつもりだ。

597ユリウス:2014/05/26(月) 14:22:21 ID:3cQHs10o
>>595
「その申し出は正直にありがたい」
表情は殆ど変って無いが、ユリウスなりに
感謝をしているのは伝わるだろう。

「奴の特徴は…ううむ、"金髪に緑眼の女"では該当が多いな…ううむ」

「『真面目な堅物が鎧を着て歩いてる』ような女がその天剣授受者だ」

「名はディーナ・フォン・クロストヴァイズ…
 隻眼と言う特徴もあるから、すぐに分かるだろう」

598名無しの魔術師:2014/05/26(月) 14:26:35 ID:3cQHs10o
>>596
「いえいえ、お気になさらず…」

そう答えてハイネケンが取りだした物を見る

「フレームパーツ2つにあとは…ほぼ新品だね、
 このスティレットも含めてくれるなら即決で交換させてもらうよ」

と、棚に置かれていた回路とラウンドシールドをテーブルに並べる

599ヒナタ:2014/05/26(月) 20:40:32 ID:???
>>597
「素直でよろしい」

偉そうな物言いである。

「……ふむ、なんとなくイメージできたような、そうでもないような。
 とりあえず金髪緑目の堅物さんを捜索すれば良い訳だな、任せておけ」

「彼女がどの辺りに向かいそうだとか、そういった予測は付いているか?」

600ユリウス:2014/05/26(月) 20:44:27 ID:3cQHs10o
>>599
「フン」
偉そうなもの言いにやれやれと態度で返す。

「それについては済まないが全く予測がつかないな
 装甲馬車が待機している区画に向かっていたんだが…」

純度100%の方向音痴では恐らくそこにはいないだろう。

ヒナタがこの都市で知っている場所は、先ほどのカフェに裏通りの露店街
あとは都市重役たちが勤務している中央の建物くらいだ。
まさか、学園都市の人間達が間借りしている宿舎施設になどいないと思いたい。

601ヒナタ:2014/05/26(月) 20:59:52 ID:???
>>600
「まあ、其処には居ないだろうな」

という訳で其処以外の場所を思い浮かべる。
いくら純度100%の方向音痴とはいえ、建物の中に入ったりはしていない筈だ。
近くに立ち寄っている可能性はあるが、まあ、彼女が一直線に装甲馬車の下を目指すのならすぐ離れてしまうだろう。
となるとカフェ、中央の建物、宿舎施設……その辺りは除外。

(私が知っている限りだと、残りは裏通りぐらいなものか。
 中央施設から都市を見渡す、というのも非効率的だしな……)

「とりあえず私は裏通りの方を探してみようと思う。
 まー、明らかに馬車が止まっていなさそうな所に彼女が立ち寄るかどうか怪しいところだが」

602ユリウス:2014/05/26(月) 21:14:03 ID:3cQHs10o
>>601
「お前は真の方向音痴と行動した事がないからそんな事が言えるんだ」

ユリウスははるか遠くの空を見るように天を仰いだ

「…裏通りはお前に任せよう。俺はこのまま表通りを往復して、ほぼありえないと思うが馬車の区画に向かってみる」

603ヒナタ:2014/05/26(月) 21:27:35 ID:???
>>602
「く、苦労しているんだな、お前も」

珍しき彼の態度にちょっとだけ戸惑いを見せつつフォローした。いや別にフォローしてねえなこれ。

「ああ、こちらは任せろ。では早速行ってくる」

さて、お目当ての堅物殿は見つかるだろうか?

604ユリウス:2014/05/26(月) 21:47:15 ID:3cQHs10o
>>603
ユリウスと分かれて裏通りに入るヒナタ。
表通りとは違った雰囲気に、人探しと言う頼まれごとが無ければワクワクしたかもしれない。
意外にも露店の数が多い。
 
宝石店、交換屋、武器屋、雑貨屋など様々だ。

ちなみに交換屋を覗くと、商談をしている5小隊のハイネケンと店主の姿が見えるだろう。
宝石店は現在、客がいない。

605ヒナタ:2014/05/26(月) 22:07:55 ID:???
>>604
(おや、あれは……5小隊の子だったかな)

交換屋を覗き、中を確認する。
どうやら交渉中の様子だ。邪魔をしても悪いし、ここは立ち去っておく事にした。

(此処は宝石店か。客は居ないようだし、丁度良い)

中の様子を確認してから、宝石店へと立ち入る。店主や店内の様子はどのようなものだろうか?

606名無しの魔術師:2014/05/26(月) 22:13:21 ID:3cQHs10o
>>605
宝石店は装飾用の物から、
術式兵装の強化に使うダイトまで置かれている。

店主はちょうど帳簿をつけている所だった。

店主「いらっしゃい、また防衛小隊のお客さんかい
   女の子なら…このイヤリングなんてどうだ?カーツだけじゃなくて
   他の都市でも流行っているよ」

と、四角いサファイヤのイヤリングを一組見せて来た。
値段は学生には高いが、払えない金額ではない。

607ヒナタ:2014/05/26(月) 22:27:03 ID:???
>>606
「ふむ、なかなか良いな。どうしようか。
 ……ところで店主さん、此処に金髪緑目の女性が来なかったかな。ちょっと堅苦しそうな感じの」

財布の中身を確認しつつ、ふと声を掛ける。

608名無しの魔術師:2014/05/26(月) 22:31:53 ID:3cQHs10o
>>607
店主「はて、そんなべっぴんさん通ったかなぁ」
誰もべっぴんとは言っていないが、勝手な男の性だろう。
ちなみに、ヒナタが散財していなければ
防衛小隊の危険手当なので財布は多少はふっくらしてるはずだ。

店主「…あー、緑眼か分からないが
   金髪で鎧を着た女ならさっき通ったね、うん
   武器屋の方に歩いて行ったよ」


店主「…けど、「こっちが近道」なんて言ってたが何処に向かってたのやら」

609ヒナタ:2014/05/26(月) 22:55:53 ID:???
>>608
(武器屋か。武芸者だからなのか、或いは……本気で近道と思ってるのか……?)

未だ直接お目に掛かってはいないが、段々と色々な意味で不安が湧いてきた。

「ふむ、そうか。教えてくれてありがとう。あとそれを一つ頂こうか」

見せてきたサファイヤのイヤリングを指差しつつ。
幸い無駄遣いをしない性質なので、購入する余裕はあるのであった。

610名無しの魔術師:2014/05/26(月) 23:00:30 ID:3cQHs10o
>>609
店主にまいどありーと見送られたヒナタ。
武器屋はすぐ近くの露店だ。

先ほどは気に留めなかったが話声が聞こえて来た。
女と男の声だ。何やら言い争っているようだが…探し人は此処にいるのだろうか?

611ヒナタ:2014/05/26(月) 23:08:18 ID:???
>>610
購入したのは、大きく興味があった訳ではなく、情報のお礼としての意味合いが強かった。
ただまぁ、お洒落に無頓着というつもりはないので、機会があれば付けてみよう……と考えるヒナタであった。

「む?」

いざ武器屋へ向かおうとした所で話し声を耳にする。
女性と男性、どうやら言い争っているらしい事を認識すると、暫し考えた後そちらへと足を向けた。

612名無しの魔術師:2014/05/26(月) 23:21:46 ID:3cQHs10o
>>611
‐武器屋‐
店に入ると、露店とは思えないほどの数の棚が並べられていた。
露店にしては種類が豊富だ。どれも中古品のようだが、
性能は悪くなさそうに見える。

ただの剣や槍だけでなく、あきらかに『専門の使い手用』を思わせる物まである。

言い争っている男の方が店主、女の方が客のようだ。
女は、長い金髪が鎧姿が目立っている。右目が傷で塞がっている隻眼だが
開かれている左目は緑眼だった。

店主「アンタも分からない人だねぇ
   俺達はこうしないと稼げないんだよ?兵装だって
   荒野に置き去りより再利用した方が良いだろう?」


女「私が言っているのは、店に並べる前に元の持ち主の安否や
  遺族に確認を取ったのかと言っている!
  家族からしたら形見の品かもしれないんだぞ!」

店主「そんな事一々していたら商売あがったりで飢えちまうわ!
   他の客が来たからどいてくれ…ああ、すまんねお客さん
   兵装ならなんでも売ってるから好きに見てくれ」

と、店主が女を無視してヒナタに対応してきた。
どうやら、この店に並んでいる兵装は店主が都市外で
うち捨てられていた物を回収した物のようだ。

女の方はその行いが気に食わないのだろうか?

613ヒナタ:2014/05/26(月) 23:54:41 ID:???
>>612
(一般的に量産されてる品とは異なる物もあるのか。
 ……ある特定の人物用に鍛造されたような物もあるが、これは)

思考を遮るように、男女の会話が聞こえてきた。
――成る程、此処で取り扱っている品に関して言い争っているのか。

(長い“金髪”に“鎧”を着用、右目は塞がれている“隻眼”の女……だな)

女性に気づかれないよう、横目でその特徴を確認する。
把握し終えた辺りだろうか、店主がこちらに対応してきたのを見ると、

「ああ、そうさせてもらおう。
 ただ白熱している所申し訳ないのだが、静かに見させてもらえると嬉しいな」

女性、そして店主へと視線を移した後、宥めるように言った。

614名無しの魔術師:2014/05/27(火) 00:08:44 ID:3cQHs10o
>>613
店主「いやあ申し訳ないね、おいアンタ、商売の邪魔だから出てって…」

男の言葉を遮るように、女はヒナタの肩に手を置いて
自分の方を向かせてきた。中々強引だ。

女「君!防衛小隊の武芸者だと見受けるが、
  まさか君もここで兵装を買うつもりなのか?」
開かれている左目でヒナタを見つめ、力強く語る

女「志半ばで力尽きた者達の遺した最期の遺品なんだぞ?
  せめて家族の元に…それが叶わないなら弔ってやるべきだと思わないか?」


店主「いい加減にしろ!アンタこれ以上は営業妨害でただじゃおかねぇぞ!?」

615ヒナタ:2014/05/27(火) 01:25:45 ID:???
>>614
流石に此処まで強引な絡み方をされるとは思わなかったのだろう。
驚いたように目を見開き、力強く語る女性へと視線を向けている。

「……貴女の言いたい事とその想いの強さは分かった。
 戦いで散っていった者が残した品だ、その彼等の血縁の元に届けられるに越した事は無いだろう」

「だが、どうやってそれを実行する?
 どのような人物の持ち物であったかを調べ上げて、持ち主の家族の下に届けるか? これだけ膨大な数の品の縁を?
 とても一個人の行いで解決出来るような話ではないだろう。それこそ最悪、都市一つが動かなければままならない事態だ。
 そして、それには膨大な資金と時間が必要となる。カーツの現状、貴女ならば分からん筈が無い」

「……そして、もう一つ。
 これらの兵装がこれから戦おうとする者の手に渡る事で、救われる命があるだろう。
 失われた命の志を継いで戦ってくれる者が居る事こそ、彼等にとっての救いになるのではないか?
 もちろん、志半ばで散っていった者達全てがそう考えていたなどとは言わん。
 家族の元へ自身が生きた証を届けて欲しかった。弔って欲しかった。そう考えていた者達も、おそらくは居ただろう」

「だが先程述べたように、現実的な問題として、そちらを実行するのは不可能に近い。
 身元を調べ上げ、遺族の居場所を調査し、一人一人に遺品を届ける事など、今の都市にそんな余裕は無い。
 そちらに意識を割く事で兵装の流通が滞り、汚染獣を筆頭とした脅威に抗う為の手段が減ってしまうかもしれない」

「最初に言った通りだ。貴女の言いたい事は分かっている。
 その想いは確かに正しいモノだ。それが通せるのであれば、そちらに越した事は無い。
 だが、現状では不可能なんだ。そして、その現状を打破する為に、この兵装達は誰かの元に渡らなければならない」

女性の抱く強い想いを肯定した上で、現実的な問題を述べて、

「私は、そう思っている」

最後に一言、そう告げた。

616金髪に隻眼の女:2014/05/27(火) 03:02:46 ID:3cQHs10o
>>615
ヒナタのはっきりとした物言いと話に女は勿論、店主も黙りこくってしまった。
店主としては、ただ儲けになれば良い程度に思っていたのだろう。
ヒナタの高い意識の話を聞いて居づらそうな表情を浮かべていた。

「…だとしても…だとしても私は……!」
ヒナタの真摯な、それでいて冷静に現実を見た話に対する反論は無いのだろう。
開かれた左目の端に、僅かに涙を浮かべながら女は一歩下がった。

「この兵装達が必ず、守る為に戦う者の手に渡る保証はない
 何かの間違いでバンデットや悪党の手に渡ってしまう事を考えると私は……」
そこまで口にするが言葉に詰まってしまい俯く。これでは自分の善意を押しつけて
この通りで露店を営む人達を責めてしまってるように思えたのかもしれない。

「これでは…天剣を担う資格すら…」
そう口にしてから数秒黙り、一言「済まない」と告げて早足に店を出てしまった。

店主「お、おいアンタ…!」

「装甲馬車がそろそろ出るんだ!タ、ターミナルに行かなければ…」
そう言って女は走り出してしまった

店主「……あっちは前の戦闘で無人になってる住宅街なんだけど…」

617ヒナタ:2014/05/27(火) 03:17:28 ID:???
>>616
「――ふう。邪魔したな、店主。これは詫びだ」

財布から無造作に取り出した金を半ば強引に手渡す。
元々、宝石屋であっさりと買い物出来るだけの余裕はある。お詫びとしてはなかなかの金額が懐に入る事だろう。

そして店主の言葉を聞いてか、女性の後を追うようにして、慌てて店を出て行った。

(そのつもりはなかったが、説教まがいの事をしてしまったな……らしくもない)

先程言っていたように、女性の抱いていた想いは理解出来るし、そうであれば良いとは感じていた。
だが同様に、現実的に不可能だいう事も承知している。彼女を納得させるには『どうしようもない事である』という旨を伝えるしかなかったのだ。

「全く、シェリのような連絡手段が用意出来れば面倒が省けるというのに……!」

618金髪に隻眼の女:2014/05/27(火) 03:33:15 ID:3cQHs10o
>>617
-無人エリア-
最初にカーツに来た時の戦闘で、アオイ達が受け持っていた区画だ。
汚染獣の襲撃の影響でこの辺りの住民は全て避難している為、ゴーストタウンのように静まり返っている。

その為、探している人物はすぐに見つかった。

「…本当に複雑な街だな此処は…」
キョロキョロと周りを見渡して、何か確信したような顔をして歩こうとしていた。
ちなみにその方向はターミナルとは反対の表通りに繋がっている事は、何日かカーツで過ごしているヒナタならすぐに分かる。

女の方がヒナタに気付いて足を止めた。
バツが悪そうな顔を一瞬浮かべたが、申し訳なさそうに笑みを浮かべた。

「何か用か?さっきは熱くなって済まなかったな」



右方向にある曲がり角から足音が聞こえてくる。
カーツの住民だろうか?

619ヒナタ:2014/05/27(火) 03:35:57 ID:???
>>618
(本当に方向音痴なんだな)

ユリウスがほんの少し目を離した隙に見失った理由が分かった気がした。

「ああ、いや、こちらも説教のような真似をしてすまなかった。
 用という程のものでは無いのだが、貴女を探している人物が――」

そこまで言いかかった所で、曲がり角から足音が聞こえてくるのに気が付き、そちらへ視線を向けた。

620金髪に隻眼の女:2014/05/27(火) 03:44:24 ID:3cQHs10o
>>619
「私を探してる?もしや年甲斐もなく迷子になってしまったユリウスが…」
言いかけた所で、足音の主が姿を現した。

――狼の面をつけ、緑のローブを羽織った人物。
すぐに気付くだろう。狼面衆の雑兵だ。

621ヒナタ:2014/05/27(火) 03:54:57 ID:???
>>620
“いや、迷子なのは貴女だ”――等という言葉を投げ掛ける暇も無かった。

「――!」

狼の面を視界に捉えた次の瞬間、足が地面を蹴っていた。
距離を詰め、忌々しいその面へと一撃を見舞うべく、既に構えた右拳を振り翳す!

622金髪に隻眼の女:2014/05/27(火) 03:59:44 ID:3cQHs10o
>>621
「な…」

ヒナタが振り翳した拳を見た狼面の男はそのまま振り下ろされたそれに殴り飛ばされ
無人の家屋の壁に叩きつけられた事だろう。そして事切れたように倒れ、その姿は砂のように消えてしまった。

「何事だ!?これは!」
状況は分からないが、戦闘が始まった事は理解したのだろう。
鎧姿なのが幸いかすぐにでも参戦できるように構える。しかし兵装を構えようとはしない。
みだりに天剣を抜く事はしないスタンスなのだろうか?

そうこうしている内に、音もなく次々と狼面の者達が姿を現してくる。
無人エリアのせいかすぐに第三者が来る気配はない。

623ヒナタ:2014/05/27(火) 04:15:40 ID:???
>>622
殴り飛ばした事を確認すると、すぐさま女性の下へと移動すべく飛び退いた。
次々に現れる狼面の者達を視界に納めたまま、

「こいつらは狼面衆というタチの悪い集団だ。詳しいことは後で話そう。
 ところで武器を構えないようだが、徒手空拳には自信があるのか?」

問い掛けた後、馴染みある言葉と共に剣の術式兵装を展開する。
先程のように先制攻撃を仕掛ける事はせず、様子見だ。

624ディーナ・フォン・クロストヴァイズ:2014/05/27(火) 04:25:49 ID:3cQHs10o
>>623
「狼面衆…そんな輩が中央の目を盗んで闊歩していたとはな…!」

十数人ほどの狼面衆に囲まれた状態だ。
女はヒナタの問いかけに笑みを浮かべて答える

「安心したまえ、このディーナ・フォン・クロストヴァイズ、
 既に『天剣』は構えている」
女がそう名乗ると、鎧の肩の部分が取り外されて大きな盾となった。
見れば鎧と盾全体が、彼女が発している剄を纏っている。

それに応じるかのように、狼面衆達が一斉に動き出した。
剣を構え、ヒナタとディーナに襲いかかって来たのだ。

625ヒナタ:2014/05/27(火) 04:32:40 ID:???
>>624
「む、それはいったい――」

どういう事なのかと尋ねようとした所で狼面衆が動き出した。
忌々しげに舌を打つと共に、迎撃すべく剣を構える。
盾が展開された事ぐらいしか確認出来ていないが、今は彼女の言葉を信じるしかないと判断したのだ。

「はああああっ!!」

相手が剣を振るうよりも早く切り伏せようと、構えた剣を横薙ぎに一閃する!

626ディーナ・フォン・クロストヴァイズ:2014/05/27(火) 04:41:35 ID:3cQHs10o
>>625
ヒナタによって斬り伏せられたのが数体、残りの刃がヒナタへと殺到する。
無論、驚異的な身体能力を持つヒナタならば回避ないしやり返す事など造作もないだろうが
彼女に刃の一切は届かなかった。


振り返ると、ディーナが先ほど展開した巨大な盾を手にしていなかった。
代わりに、剄の光を纏った5つの盾の破片が互いを剄によって繋ぎ合わせ、
全ての攻撃を防いでいたのだ。

「ただ防ぐだけが私の盾ではないぞ!!」
盾の破片らは攻撃を防いだまま、自身に纏わせていた剄力を一気に放出して
狼面衆の雑魚達を吹き飛ばし壁や地面にたたきつけた。

「まだいるようだ!」
新たに二体、今度は白いローブ姿の者が姿を見せた。
手にしている武器も双剣に変わっている。

627ヒナタ:2014/05/27(火) 16:35:55 ID:???
>>626
すかさず体をズラす事で回避してみせようとしたその時。
それよりも早く、剄で繋がれた盾の破片が、自身に殺到した筈の刃を全て止める様を目視する。

「!? それは――」

その先を言葉にする事はしなかったが、漠然ながらも、彼女の『盾』の正体を理解した。

何にせよ詮索は後だ。
新たに現れた二体の狼面衆に対応するべく向き直り、剣を構え直す。

「さて、先程の連中よりは楽しませてくれるのかな?」

628ハイネケン:2014/05/28(水) 18:17:26 ID:ug9sdVo2
>>598
「ん、それはありがたい。
 それじゃあフレームとスティレットとで交渉成立、だね」

店主の要求から外れた物たちをしまいつつ、少し付け足す。
「そうそう、このフレームはうちの腕のいい技師のお手製なんだ。
 俺の盾に使ってたけど、まだまだ強度も耐衝撃性も申し分ないだろうね」
さりげなくロシュフォールの自慢をするハイネケンであった。

629ディーナ:2014/06/01(日) 23:49:22 ID:3cQHs10o
>>627
盾の破片はディータの元に戻り、再び堅牢さを感じさせる大盾の形を成す。

「さっきまでの雑魚とは違うようだな、
 本当なら両方とも任せろと言うべきだが…
 諸事情で申し訳ないが一人は任せても大丈夫か?」

ヒナタの先ほどまでの動きを見て実力は把握しているのだろうが
同じ天剣授受者である事を知らないディーナは
ヒナタを一般の武芸者と思っているのだろう。
トラブルから守りぬけない事を申し訳ないと思ったのかそう言ってきた。

630名無しの魔術師:2014/06/01(日) 23:53:16 ID:3cQHs10o
>>628
交換屋店主「ほう、そいつは良い取引をさせてもらったね」

商談が成立したのと時同じく、男が一人店内に入ってきた。
どうやら向かいの武器屋のようだ。

武器屋店主「お、おい!さっき変な格好した奴らが
      えらい人数で廃墟エリアに向かって行ったぞ
      警備隊に伝えた方が良くないか?」


交換屋店主「なんだって?物騒だなこんな情勢の時に…
      しかしこんなストリートにすぐに手配してもらえるか?」

会話をしながら、二人の視線はさりげなくハイネケンに向かっている。

631ヒナタ:2014/06/03(火) 00:43:29 ID:???
>>629
そういえば、こちらの素性を教えていなかった事を思い出す。
成る程、彼女の心配も無理のない事だ。

「無論。むしろ二人まとめてでも構わんぐらいだ」

不敵な笑みを浮かべて答えると、自分に近い敵へと向き直った。言葉の通り、任せても大丈夫だろう。

632ハイネケン:2014/06/03(火) 22:32:34 ID:.5Qh7Mlc
>>630
「どうもありがとう。それじゃ」
回路を鞄に仕舞い、盾を手にとって店を去ろうとしたところで男が入ってくる。

そして会話が聞こえてきた。
(ん、変な格好をした奴らが廃墟にねえ……)
さりげない視線も感じる。
(おやおやこいつは……面倒だなあ……)

「俺が行ってみるよ。これも任務の一環かもしれない。
 ところでこの盾、現状で作動するかい?」
交換屋の返事を聞けば、すぐに廃墟エリアへ向かう。

633ディーナ:2014/06/04(水) 21:02:44 ID:3cQHs10o
>>631
「大した自信だな、では任せたぞ」
そう言って笑みを返すディーナの額には、うっすらと汗が浮かんでいた。

敵と向き直ると、双剣を握った白装束の狼面は素早くヒナタに詰め寄り右手に握った黒い剣を振るう
剄が籠っているのだろう。青い光を帯びたその刃がヒナタに迫った。
>>632
廃墟とは、この都市に来て最初の汚染獣戦の時に
ハイネケンがアオイやイーグリット等と共に戦闘した区域だ。

交換屋「おお、ありがたい!
    盾の作動?問題はないはずだよ!すぐに使えるのがうちの自慢さ」

武器屋「ついでにコイツを持ってきな、
    ちょっとばかし心をいれかえなきゃいけなくなってな」
そう言って武器屋の店主はハイネケンに術式兵装に装着する装置を手渡してきた。

武器屋「ラウンドシールドと相性は良いはずだ、
    興味を持ったら取りつけて起動してみてくれ」

634ヒナタ:2014/06/04(水) 23:19:42 ID:???
>>633
「……?」

彼女の額に浮かんだ汗を見て首を傾げていたが、それも束の間だ。
向き直って間も無く、狼面の一人がこちらへと詰めて来る様を見やると、そちらへ意識を集中させる。

(剄を篭めているか、なら)

握った剣を、盾代わりに構える。
だが、盾と言っても真っ向から受け止める訳ではない。自身も剄を扱うならまだしも、現状でそのような真似はしない。
以前の戦いから、剄が膂力の差を埋めるだけの力を宿している事は承知している。

受け止めるのではなく逸らすべく、柄を握る力はあくまで自然に。
迫り来る刃の軌道上にこちらの刃を置く事で、相手の力に殆ど逆らう事無く“受け流す”事を試みる。
剄力次第では最悪、剣が弾かれてしまう事も有り得るだろうが、それは構わない。

重要な点はただ一つ。
危機を脱した上で、相手が取り得る次の一手よりも速く、こちらが動く一瞬の猶予が出来るかどうかだ。

635ハイネケン:2014/06/05(木) 22:52:43 ID:ug9sdVo2
>>633
「ん、それなら早速使わせてもらうよ。
 ……これは?」
手渡された装置を少し眺める。

「そうか、ありがとう。活用させてもらうね」
盾と装置を手に廃墟エリアへと向かう。

(盾と相性のいい装置か。場合によってはやってみるのも悪くないかな)
それとなく左の義手を見遣って、そして前を向き走る。

636名無しの魔術師:2014/06/07(土) 02:50:15 ID:3cQHs10o
>>634
剣同士がぶつかり合う。ヒナタの思惑通り、受け流す事に成功した。
自身の獲物が手から弾かれる事は無かったが、
相応の衝撃が手に伝わる。ヒナタの力量ならば問題はないだろう。

一方、敵はぶつかり合う事を想定していたのだろう。結果的に振り抜く姿勢になってしまう。
そのロスは反撃にあてがうに十分な時間だ。

637名無しの魔術師:2014/06/07(土) 02:53:35 ID:3cQHs10o
>>635
廃墟エリアにたどり着くと、すでに交戦している気配と音が聞こえて来た。
それと、周囲に不自然な人型の砂山がいくつか出来ていた。
これは倒された狼面衆の残骸なのだが、連中の存在を知らないハイネケンには見当つかないだろう。

現場に駆け付ける、または様子を見ると18小隊に所属しているヒナタ・アキツキ隊員が交戦中だ。
更にもう一人、隻眼の女騎士が盾のみで白いローブに狼面をつけた双剣使いと戦っている。
武器がないのではないのは動きで分かるだろう。ハイネケンと同じく盾使いの武芸者のようだ。

638ヒナタ:2014/06/07(土) 03:46:23 ID:???
>>636
衝撃が伝わり顔を顰めるが、その口元には笑みが浮かんでいた。
僅かな、だが決定的な隙を晒してしまった相手を嘲笑うように、

「――取ったぞ」

言葉を発すると共に素早く踏み込む。
そして、目前の敵の鳩尾を目掛けて、握った柄の先端を叩き付けるべく腕を振り抜いた。

639ハイネケン:2014/06/07(土) 22:33:32 ID:ug9sdVo2
>>637
「始まってるね……ん、これは……砂?」
道中に居並ぶ奇妙な砂山達に意識が向く。
狼面衆と直接渡り合ったことならあるが、倒した彼等のその後を観察する余裕は無かったため、
それが亡骸とは気付けなかった。
「なんでまたこんな形になってるんだ?」
ただ、自然のものでないことは確実だ。何かある可能性は高いと判断。
周囲を警戒しつつ、入手した盾をいつでも展開できるようにしたうえで、
まずは先の様子を伺う。

「あれは18の……確かアキツキさんだったかな?
 あと一人は盾使い、それもかなりの使い手だが誰だろう。
 相手は……狼面の連中!」
以前に交戦した時、狼面衆のすぐ近くには都市内にも関わらず汚染獣がいた。
そしてここは、この都市に来た時に汚染獣との交戦があった区域……。
やはり連中と汚染獣には相当深い関わりがある。そう確信した。

周囲に増援などが来ないか否か、確認する。
彼女たちの技量ならば、一対一においてそうそう破れはすまい。
ならば今、自分がやるべきことは、お邪魔虫の排除だろう―そう考えたのだ。

640名無しの魔術師:2014/06/13(金) 02:30:29 ID:3cQHs10o
>>638
振り抜かれた柄は見事に鳩尾を射抜き、くの字に曲がり吹き飛ぶ。
破損した家屋の壁に叩きつけられる白い狼面。しかし砂になって消える事はなく、よろよろと立ちあがってきた。
頑丈さも向上してるようだ。立ち上がると再び全身に剄を漲らせる。

>>639
学園都市では盾使いとして上位に位置するであろうハイネケンから見ても
目の前の女騎士の盾さばきは見事の一言だろう。狼面の敵の攻撃を全て受け切り、僅かな隙にその大盾で反撃をしている。
終始圧倒と言っても差支えない状況だと言うのに、何故だろうか

女の表情に余裕がない。見れば汗を尋常じゃないほどにかいている。
それを疑問に思った次の瞬間だった。

ディーナ「!…ッ……!!」
女は口を押さえて、突然座り込んでしまった。

反撃を受けて倒れていた狼面の双剣使いは立ち上がりそれを確認すると
右手に握った剣をゆっくりと振り上げた。

641ヒナタ:2014/06/14(土) 00:46:02 ID:???
>>640
「おや、思ったより頑丈らしいな。良いだろう、次の一手で決めてやる」

そう言って剣を構えるが――
すぐ近くに居るディーナの異変に気が付いたのだろう。そちらへと視線だけを向ける。

(まずい、病の影響か……!?)

自身が相手取っている狼面との距離はある。少なくとも一手は猶予がある。
そう判断した上でヒナタが取った行動は――『投擲』であった。

ディーナを仕留めようとする狼面目掛けて、構えていた剣を振り向きざまに一投。
矢の如く空間を疾走し、一直線に貫きに掛かる刃。空手となってしまうが止むを得まい。
全身に剄を漲らせた狼面も相手取る以上、これが最善であったと願うしかない。

もしもディーナを狙う狼面を阻止出来なければ、最悪、対峙した相手を無視して彼女を庇うべく、その身を走らせるだろう。

642ハイネケン:2014/06/14(土) 21:39:57 ID:ug9sdVo2
>>641
「なんだ、様子がおかしい……」
そう感づいた瞬間、ハイネケンは駆け出していた。
目指す先は盾使いと彼女を狙う白狼面の間。

「ちょっと失礼! レストレーション!」
二人の間に割り込みながら、先ほど入手したラウンドシールドを展開。
振りかざされた剣はヒナタの援護もあり女盾使いには届かないだろう。

643名無しの魔術師:2014/06/19(木) 00:07:21 ID:3cQHs10o
>>641-642
ヒナタが投擲した剣は狼面の頭を貫く。
しかし、元々真っ当な人間ではないのだろうコレはそれを意に返さず剣を振り下ろした。

が、貫かれ瞬間に狼面の身体の位置がズレた事でハイネケンは
十分過ぎる隙を得て間に入り込みラウンドシールドを構えた。
遅れて振り下ろされた剣はその丸盾によって防がれる。

ディーナ「め、面目…ない…」
ハイネケンが視線を移すと、ディーナの口を押さえている指のすき間から血が溢れていた。
理由は分からないが彼女はこれ以上戦う事は難しいだろう。

必然的にこの狼面の相手は自分がしなくてはならなそうだ。

一方、
それを確認したヒナタが再び自身の相手の方へ振り返ると
たっぷり時間はもらったと言うように身体に剄を漲らせて双剣を構える狼面の憎たらしい姿が確認できるだろう。
投擲してしまった為、武器はハイネケン達の方にある。

644ヒナタ:2014/06/19(木) 00:20:52 ID:???
>>642-643
「お前は……! 助かった、ありがとう」

ハイネケンの手助けもあり、ディーナが負傷せずに済んだようだ。
と言っても攻撃を受ける事を免れたに過ぎず、彼女が戦闘不能である事に変わりはない。
ディーナが相手取っていた狼面はハイネケンに任せ、改めて、自身が相手にしていた狼面へと向き直る。

「……ふむ、元気そうで何よりだ」

「で、いくら剄が優秀な力とはいえ、まさか扱える程度で私に勝てる等と思い上がってないだろうな?」

ゴキゴキと指を鳴らしながら語り掛ける。
その様子は「お前の相手など徒手空拳で十分だ」と言っているかのようだ。

645ハイネケン:2014/06/21(土) 22:26:43 ID:ug9sdVo2
>>643-644
「何、気にしないでくれ……よっ! と」
右腕に装備した円盾に剄を込め、受けた剣を押し返す。

「それにしても人間離れしすぎだろう……」
ヒナタの剣が刺さったままの狼面の姿に驚きを覚えるが、それも一瞬。

「まあいいや。君たちには聞きたいことができたんでね、狼さん」
女騎士を守るその目つきが鋭くなる。
盾使いにならわかるだろう。背中ごしにでも、その構えに隙がないことを。

646名無しの魔術師:2014/06/24(火) 16:27:15 ID:3cQHs10o
>>644
ヒナタの態度を知ってか知らずか。
狼面の男は双剣に剄を漲らせると、地を蹴り一気に距離を縮めて来た。
そして間合いに入ると殴り飛ばされる前とは比べ物にならない速度で剣を振るう。

気のせいかもしれないが、この狼面からは対抗心のような物が感じられるような、そんな攻撃だ。

>>645
ディーナ「……」
(学園都市と聞いていたが…若いのに随分と堂に入った構えだ)
口を押さえながら、ディーナはハイネケンの実力を伺い感心していた。

押し返された狼面の男は再び構えを直すとすぐさまハイネケンに斬りかかってきた。
手数に任せた乱撃で防御を間に合わなくさせようと言うのだろうか。

647ヒナタ:2014/06/24(火) 17:13:40 ID:???
>>646
(さっきより随分と速い――だが!)

狼面が剣を振るったのに合わせ、回避に動く。
刃の軌道から外れるように体を逸らし、すかさず反撃の前蹴りを放つ。
短い溜めから繰り出されたものであるが、その威力は生身なら命に関わる程の威力を備えている。


――余談だが。
手数を封じる手段として、その一つは“そもそも振らせない事”がある。

ヒナタは剄に頼らずとも超人的身体能力を誇るが、熟練の武芸者が剄を扱う事でその域に迫る。
剄を含めてもヒナタには及ばないだろう。だが、その差は決して圧倒的なものではない。

下手に回避に徹した所で被弾する可能性が高く、ただ逃げていては被弾するだけで相手は無傷となってしまう。
故に、被弾を覚悟の上で、相手に一撃を加える事を選んだのだ。

被弾覚悟の反撃を取ったもう一つの理由は、狼面の男自身にある。
漠然としたものだが、男の攻撃は感情的な行動だとヒナタは感じた。

怒りなのか別の何かか判別のしようがないが――感情の乱れがあるのならば。
回避(にげる)のではなく反撃(やり)返す事で、相手の平常心を奪えないかと考えたのである。

648ハイネケン:2014/06/27(金) 18:49:57 ID:ug9sdVo2
>>647
「おっ、速いな」
再びの刃に即応、少し腰を落とし、ラウンドシールドでやや斜めに受ける。
盾の曲面で刃を滑らせるつもりだ。

だが、受けるだけでは済まさない。

盾を傾けたことで左方に隙―あるいは余裕ができる。
その余裕から、左拳を狼面のわき腹に打ち込んだ。

左腕は兵装と同じ素材の義手、否、"兵装そのもの"。
たとえ作った隙に刃が来ようとも受けられる。
敵手が対応しなければ、武芸者でも膝をつく程に硬い一撃を入れられる。

649名無しの魔術師:2014/07/01(火) 23:48:57 ID:3cQHs10o
>>647-648
>>ヒナタ
白狼面「!」

初撃をかわされての反撃に対してとっさに残っていた片手の剣の腹で受ける。
ヒナタの怪力から繰り出される蹴りには、刃で受ければ多少の傷を与えても
そのまま蹴り抜かれる事が分かっていたのだろうか

勢いを殺しきれず、狼面は蹴られた方向に砂埃を上げながら地を滑った。
そしてその勢いが死ぬと同時にすぐさま剄を込めた剣の片割れを
ナイフ投げの要領で、なんと『投擲』してきたではないか!
魔弾と言っても差支えない勢いでそれがヒナタへと向かってくる

>>ハイネケン
白狼面「!!」
脇腹にハイネケンの義手による一撃が気持ち良く入る

よろよろと後ろに数歩下がり間合いが広がった。
狼面の男は立ち止まったままでいるが、何をしているかはすぐに分かるだろう。

剄を身体にめぐらせ、ダメージを回復しているようだ。

650ハイネケン:2014/07/02(水) 00:06:13 ID:ug9sdVo2
>>649
(回復させるのはまずいな……だが)
盾使いの基本戦法はカウンターだ。
盾でも攻撃は出来るのだが、距離を開けられるとそれだけやり辛い。

剄を足に集約し間合いを詰める、いや、奥の手だが一気に突撃をかけるか?
だがあの速さだ、下手をすれば相打ちではなく一方的にダメージを受けかねない。
考えながらも剄をめぐらせたところでふと交換屋でもらった物を思い出す。

「……使ってみるか」
武器商人から渡された装置を、ラウンドシールドに装着する。

何が起こる――?

651ヒナタ:2014/07/03(木) 01:05:19 ID:???
>>649
(素早い反応だ、だが――!?)

すかさず追撃しようと、前蹴りの姿勢から更に地を蹴ろうとした時だ。
狼面の手から放たれた“魔弾”が迫り来る光景を見てか、流石のヒナタも表情を強張らせた。
無防備に受ければ即死は無くとも、悪魔の肉体とて大きな負傷は免れない。
距離が開いた事も加えて十分回避は間に合う。間に合うが――

(彼女に命中しない、という保証は無いな……!)

この瞬間、背後の位置関係を確認している暇は無い。
回避した所で、結局ディーナやハイネケンが余計なダメージを負う事なく済む可能性もある。だが、

「ふっ――――!!」

その上での決断は、少なくとも他人を巻き込む心配は無いものだった。

強烈な勢いで空間を奔る魔弾を受け止めるべく、両手を合わせる。
それは『真剣白刃取り』と言われる構えである。剄が巡ろうとも、ただ直線的に迫る刃であれば止められる筈だ。
たとえ無傷で済まずとも、それは承知の上だ。

652名無しの魔術師:2014/07/05(土) 18:39:35 ID:3cQHs10o
>>650
装置をラウンドシールド内側にあるいかにもな窪みに装着すると
一瞬発光した後に喧しい音を立てて装置が展開していく。

すると、シールドの円形状に沿う形でいくつもの鋼の刃が現れたではないか!
さらに、装置を装着した装置の部分にスイッチのような部位が存在する。
それを押したならば、
盾は横向きに倒れ円周に取りついた刃は金属が擦れる音と共に回転しだす。
術式兵装の刃はおそらくダイトだ。とんでもなく奇怪な武器に変質したが、
一目見て汚染獣の装甲を抉るのが問題ない攻撃力を秘めているのが察せるだろう。

653名無しの魔術師:2014/07/05(土) 18:41:56 ID:3cQHs10o
>>651
迫る来る弾丸と化した剣を正面から白刃取り――――

以前、ヒナタはアオイの放った剄糸を掴んだ事があった。
その時は何も感じる事はなかったが、今回は違った。

強烈な熱さと稲妻を喰らったような痺れる痛みが、刃を止めた掌を通じて全身を駆け巡る。
それに動揺して手を緩めれば、剣はヒナタの身を傷つけてしまうだろう。

654ハイネケン:2014/07/06(日) 22:19:22 ID:Iw6sXGlw
>>652
「おっ、これは……」
生成されたダイトの刃に軽く目を見張る。
なんとなくスイッチに触れるとその刃が回りだした。

「エルゼが好きそうなギミックだなあ……でももう盾じゃないね」
―だが、これはいい……。

剄力を込めていた足で、一気に間合いを詰める。
 ―この『盾』なら、こちらから仕掛けられる。

盾使いの性か、あくまで盾の構えを崩さず、
ただしその縁を傾け白狼面へ刃を叩きつける。全力はまだ込めない。
聞きたいことがある以上、できるなら生け捕りにしたいのだ。

さらに、敵の姿勢が揺らいだならその隙に左の義手を伸ばし、
刺さったままのヒナタの剣を抜きに掛かる。

655ヒナタ:2014/07/06(日) 22:55:36 ID:???
>>653
「っ」

予想していた以上の強烈な痛みに顔を顰める。
だが負傷は承知の上だ。元よりそのつもりで掴みに掛かったのだから、緩める事などありえない。
投擲された剣の勢いを完全に殺すべく力を篭める。

656名無しの魔術師:2014/07/13(日) 17:55:33 ID:3cQHs10o
>>654
回転する刃の脅威を感じ取ったのか白狼面はとっさに防御の姿勢をとるが
大きく態勢を崩す。そこへハイネケンが、頭に刺さったままの剣に素早く手を伸ばす事に成功した。

蹴り飛ばそうと足を動かしたが、それよりも早くハイネケンが剣を抜く事に成功する。
人間ならば血を含めさまざまな物が噴出したかもしれないが、何も飛び出す事はなかった。
しかしダメージはあるのか、引き抜かれた個所を押さえながら一歩退いた。

>>655
ひと際大きな破裂音が響くと、剣に纏われていた剄は全て放出されたようだ。
痛みと熱から掌を見ると憂鬱になりそうだが、気にしてる暇はないだろう。

何故ならば剣を投げた狼面が駆け出し殴りかかって来たのだから。

657ヒナタ:2014/07/13(日) 18:10:22 ID:???
>>656
「全く、私でなければ泣き言の一つも出てる頃だな」

爛れた掌を見て溜め息を漏らしつつも、開いて閉じてと動作の確認をする。
動くというのであれば、やる事は一つだ。
受け止めた剣の柄を右手で握り、構え――距離を詰めて挑んできた狼面へと、横薙ぎの一閃を見舞う。

出の速い突きではなく薙ぎ払いで迎撃を試みた理由は、至って単純だ。
範囲の広い攻撃で相手の回避方向を制限する事により“最小の回避動作から即座に反撃する”という手段を取らせない為。
その手段とは、先程ヒナタが行った回避→前蹴りの行動……あのようなものである。

もちろん、ヒナタが想定し得る行動を上回っての反撃ならば話は別だ。それに関しては、狼面がそこまで及ばない事を祈るしかあるまい。

658ハイネケン:2014/07/16(水) 23:15:32 ID:Iw6sXGlw
>>656
「本当に人間じゃなさそうだね……」
義手にヒナタの剣を掴みながら呟く。
白狼面が一歩引いてくれたおかげで想定どおりの動きが出来そうだ―

>>657
「アキツキさん、返すよ!」
ヒナタのなぎ払いによって、もう一人の白狼面が回避する方向は予測可能。
タイミングを計り、その方向へと抜いた剣を投げつける!
これを敵が回避したなら、それはそれでヒナタが自分の剣を再び手に出来るはずだ。

 アヤックス・ハイネケンは盾使い、つまり小隊の防御を司る者<ディフェンサー>。
 ディフェンサーに必要なのは自分以外をも見て動くことだ。

剣を飛ばしながらも、異形の盾は後方にいるディーナをすぐに守れるような角度を取っていた。

659名無しの魔術師:2014/07/20(日) 23:49:33 ID:3cQHs10o
>>657-658
>ヒナタ
ヒナタの振るった横薙ぎに反応するように大きく身体をそらし
辛うじて剣檄をかわす狼面。

その動作の直後、ハイネケンがヒナタの術式兵装を投げ返してくれたのをヒナタは見逃さないだろう。
しかし狼面はそれに反応し切る事は出来なかった。剣に視線を向けた時、
ハイネケンが投擲したその刃は狼面の胴を貫いたのだ。

そして、ヒナタの方角へ短い距離ではあるが、くの字の姿勢で押しだされてきた。

>ハイネケン
頭から剣を引き抜かれた狼面は、
黒い砂のようなものがサラサラと零れ落ちている事にハイネケンに気付く。


ちらとディーナを見ると、尋常ではない量の汗をかいており
荒かった呼吸が今度は細くなっていた。あまり時間はかけられない。
そう感じていると、狼面が再び斬りかかってきた。強引に攻めて来たのだ。

660ヒナタ:2014/07/21(月) 00:31:36 ID:???
>>658-659
「っ――!」

狼面が攻撃を回避した際、驚いたように目を見開いた。
それは狼面からしてみれば、回避される筈のない攻撃が回避された故……とでも感じたかもしれない。
しかし、次の瞬間にヒナタが浮かべていた表情は――してやったりと言わんばかりの笑みだった。

それが何を意味するのか。狼面が理解する頃には、投擲された刃に胴を貫かれているだろう。

「良いアシストだ!!」

攻撃を受け、くの字で押し出された狼面の体へと掴みかかる。
掴む事が出来たなら、勢いを付けて地面に叩き付け、すかさず顔面へと剣を突き刺さんと振り翳す!

661ハイネケン:2014/07/21(月) 00:34:51 ID:KbqED1eI
>>659
「砂……」
(なるほど、さっきの砂はこの連中の骸というわけか)
そして、ディーナの様子が目に映った。


「……仕方がない、終わらせようか」


これ以上続けても、何の意味もない。敵手はもう助かるまい。
そしてこれ以上続ける時間はない。ディーナはもう持つまい。

無謀にも見える強引な攻めを、兵装の左腕を盾にして受けた。
同時に右腕の円盾を水平に構え、装置のボタンを押す。

再び回り出すダイトの刃に剄を込め―
「破!」
白狼面の胴へと叩き込んだ。

662名無しの魔術師:2014/07/26(土) 23:53:17 ID:3cQHs10o
>>660
貫かれた狼面はそのまま成すがままに地面へと叩きつけられた。
そして振り翳された剣がその顔面に突き刺さった瞬間

黒い水しぶきが噴水のように刺し傷から噴き出してきた。
>>661
狼面「 」
唸り声のような音と共に、狼面の胴と下半身が二分される。
砂ではなく、黒い水のような物が血渋木のように噴出すサマがハイネケンの視界に広がる。
そして、胴と下半身に分かれた死体はそれぞれ違う方向に倒れ、動き出す事はなかった。

663ヒナタ:2014/07/27(日) 00:07:05 ID:???
>>662
吹き出した黒水をその身に浴びる。間近に居たのだから当然だ。

「フン」

顔に付着した黒水を拭い、不快感を露にした表情で狼面を見下ろすと、突き立てた剣に一度だけ力を篭める。
それはとどめとばかりに、在るかどうかも怪しい肉を抉り千切るかのように行われた。

もう動く気配が見受けられないのならば、ディーナへと視線を向ける。
その際に、ハイネケン側も片が付いたであろう事は認識するだろう。

664ハイネケン:2014/07/30(水) 01:06:34 ID:Dqj2cuck
>>662
「っと……」
黒い血飛沫を振り戻し刃を止めた円盾で受ける。
少しは浴びたが、大半は防ぎきった。
「気分のいいものじゃないね、やっぱり……」
盾についたソレを振り落としてからディーナの傍らに寄る。

「大丈夫かい?」
盾を手放した右手で脈を診ながら、冷たいハガネの左手をその額に当てる。

665ネクロ:2014/07/30(水) 02:10:14 ID:3cQHs10o
>>663-664
物言わぬ死体となった狼面達は、今までの個体とは異なり砂ではなく
ドロリと解けていき黒い水たまりになった後で、日の光も強くないのに煙をあげて蒸発した。
ヒナタ、そしてハイネケンの身にかかった黒い液体も、特に害を与える事なく消え失せた。

ヒナタがハイネケン達の方に視線を向けると、ハイネケンがディーナを介抱してる様子が伺えるだろう。

ハイネケンの方は、そのハガネの左手から感触が伝わるなら
ディーナが異常な高熱を発しているのが分かる。

ディーナ「……く、薬を……連れが…持っていてくれているんだが……
     全く…普段は几帳面な癖に、良く…迷子になる奴でな…ハァ…」

ヒナタならば分かるが、連れとは勿論ユリウスの事だろう。
そしてハイネケンは知るよしもないが、迷子はディーナだ。

666ハイネケン:2014/08/02(土) 00:19:28 ID:NAJw/gk.
>>665
ディーナにとって、腕の冷たさが少しでも安らぎになればと当てた腕を通じ、
異常な高熱を感じとった。
(感じ取れるほどの高熱……ただの病じゃないな……)
とはいえ、腕そのものには感覚はなく、熱も痛みも、何も感じられない。
ディーナの高熱はハガネからの伝導により装着面で感じているのだ。
ちなみに、物を掴んだ時の感覚などもすべて駆動によって発する振動を感じているだけである。

「なら、はぐれた連れの人を一秒でも速く探しにいかなきゃだね。
 その人の名前は?」

そしてヒナタに視線を向ける。
「アキツキさん、頼めるかい?」

667ヒナタ:2014/08/05(火) 00:43:27 ID:???
>>665-666
「……詳しい事情は省くが、彼女の連れに心当たりがある。ここは私に任せておけ」

言うが早いか、素早く駆け出すとその場を後にする。
一々記すまでも無い事だろうが、術式兵装は既に展開を解除してある。人目に付く事は無いだろう。

(確か馬車の区画だったか、急がねばな……!)

668ディーナ:2014/08/16(土) 01:44:20 ID:3cQHs10o
>>666-667
>>ハイネケン
ヒナタが駆け出すと、ディーナと二人にされるハイネケン。

「こんな調子でもなければ、良い楯使いとの出会いを喜ぶのだがな・・・はぁ・・・」
隻眼の女性は苦しそうに息を吐きながら、家屋の壁に背を預ける。

「黙っていると滅入りそうだ・・・君、名は?盾の扱いはどこで・・・学んだ?」

>>ヒナタside
馬車の区画へ進む最中、特に何かに阻まれることはなかった。
馬車のターミナルへとたどり着き、周囲を見渡す。さすがに移動の為にこの場所は人でごった返していた。
こんな時、他人の剄を感じ取ることが出きればと苛立つかもしれないが、探し人はすぐに見つかった。

ユリウスもまた、ディーナとヒナタを待ってターミナルの中央で仏頂面で立っていたからだ。
ヒナタを見つけると、早足に近づいてきた。

ユリウス「その様子では、何かあったのか?」

669ハイネケン:2014/08/17(日) 00:22:20 ID:tNM.Gn2w
>>668
「無理はしないで」
そっと隣に寄り添う。

「俺はアヤックス・ハイネケン。学園都市第5小隊の副長」
 ま、一応だけどね。と付け加える。
「盾は俺の故郷……エイデルで帝国の人から習ったんだ」
この都市が既に廃墟となっていることを彼女も知っているだろう。
「その人は星の智慧事件の調査に来たとか言っていたかな……」

670ヒナタ:2014/08/17(日) 00:43:41 ID:???
>>668
「ああ、お前の探し人が見つかった。
 ただ詳しい話は後でするが、容態が悪化している。急いで来てくれ!」

早口に捲し立てると、案内するから来いとばかりに元来た道を戻っていく。
人混みの合間を全力に近い速度で駆けていくが、ユリウスならば追随する事に何ら問題は無い筈だ。

671名無しの魔術師:2014/08/26(火) 02:26:28 ID:3cQHs10o
>>669
ディーナ「エイデル・・・あの都市国か?
     ・・・・残念だったな・・・あの国のことは・・・私の身が、こんなザマでなければ・・・」
体調の悪い中での譫言のような言葉に聞こえるだろうが、少し気になる言い回しだった。

ディーナ「私はディーナ、中央都市の武芸者さ
     我が盾はクロストヴァイズ家に代々伝わる戦闘術・・・だ」
クロストヴァイズと言えば中央都市でも名家中の名家の一つだ。
学園都市生活が長ければ耳にしたことはあるだろう。

>>670
ユリウス「もう見つけるとは流石だと言いたいが面倒な状態になっているようだな・・・
     だが想定の範囲内だ、全力で走ってくれてかまわんぞ」
すぐさまヒナタを追って走り出すユリウス。ヒナタを見失うことはないだろう。

672ハイネケン:2014/08/26(火) 19:22:58 ID:QGcD3Vy2
>>671
「その人が居なかったら俺も……。
 ああいや、君のせいではないだろうからそんなに気に病まないで……」
(……ん? 何故この人は自分のせいのように言うんだ?)
あの日、故郷に派遣されてきた人の一人だったのか?

「ディーナか。よろしくね。
 ん、中央都市のクロストヴァイズ家……。
 噂は何度も聞いているよ、武門の名家で盾使いの系譜だと……」
この状況でなければすぐさま盾術を教えてもらいたいところだ。

673ヒナタ:2014/08/28(木) 12:10:30 ID:???
>>671
「余計な気遣いだったか、なら遠慮なく……!」

元来た道を疾走し、ディーナ達が居るエリアへと向かう。
病の具合が深刻化していない事を祈るばかりだ。

674名無しの魔術師:2014/08/31(日) 02:35:36 ID:3cQHs10o
>>672
ディーナ「この身が恨めしいな・・・本当に・・・」
声がか細くなっていき、いよいよいやな予感が脳裏に浮かびそうになったところで
ヒナタと、もう一人長身の男性が戻ってきた。
>>673
戻ってくると、ディーナはうつむき気味に座り込んでいた。
まだ息があることは分かるが、全くいい状態ではない。

ユリウス「ギリギリと言ったところか
     あと793秒遅かったら最悪の事態も覚悟していたかもしれんな」
そう話ながら、ユリウスはズカズカとディーナの元に近づき、懐から袋と水筒を取り出した。
袋の中身は粉末らしく、それを水筒に入れて混ぜたと思いきや、無理矢理のディーナの口に流し込みだした。

傍らにいるハイネケンもこれには驚きだろう。

675ハイネケン:2014/09/01(月) 23:35:33 ID:QGcD3Vy2
>>673-674
「ディーナ? しっかりするんだ、もうすぐ来てくれる筈だから!」
このときばかりは、盾術一本の身が恨めしい。
だが自身を恨む感情も二つの影が差した瞬間に消え失せた。

「アキツキさん! よかった間に合った……っと」
ヒナタが連れてきたディーナの連れを通す為動いたところで
手際よくしかし強引な処置を目撃する。

「…………」
 動じることの少ないハイネケンでもコメントできない。

676ヒナタ:2014/09/04(木) 23:40:32 ID:???
>>674-675
「大丈夫か!? ユリウスが来たぞ、もう少しの辛抱――」

言葉に詰まる。
理由は言うまでもない。迅速ではあるが強引な処置を見て驚いただけだ。

「……ま、まぁ間に合ったのなら良いんだが、本当に大丈夫なんだろうな?」

677名無しの魔術師:2014/09/12(金) 02:41:12 ID:3cQHs10o
>>675-676
数秒たっぷり薬を押し込まれた後、ディーナは涙目になりながら噎せかえっていた。

ディーナ「ゲホ、ガホ……!?し、死ぬかと、思ったじゃないか!?」

ユリウス「大丈夫だ、生きてるのが証拠だろう?
     それにしても何で馬車のターミナルに向かうはずがこんなところに・・・」
あきれ顔のユリウスはハイネケンに目を向けてから、ヒナタに視線を移した。

ユリウス「この坊主は口は堅い方なのか?」
と、本人を目の前に聞いてきた。この長身痩躯の男、確かにハイネケンを坊主呼ばわりするだけの
経験はありそうな武芸者にも見える。

678ヒナタ:2014/09/14(日) 19:55:13 ID:???
>>677
「……」

ちら、とハイネケンへと視線を向ける。

「大丈夫だろう。彼の悪い話は聞かないし、何より、ここで下手に隠す方が面倒事に繋がりそうだ」

679ハイネケン:2014/09/17(水) 01:01:24 ID:tvewhphg
>>677-678
噎せ返るディーナの背をさする。
「まあ、一安心、でいいのかな?」

そこでユリウスの言葉とヒナタの視線を感じた。
「自分で言うのもなんですが、秘密に関しての守りも堅いつもりですよ」
(かなり場数を踏んできた人のようだな……。
 クロストヴァイズ家の人か、それとも仕えている人かな?)
ちなみに、第5小隊のネタが欲しければ某魔術師と某大剣使いを懐柔するのが早い
という噂が学園内ではあるとかないとか。ヒナタも聞いた事があるだろう。

----カーツ・第5小隊宿舎----
ヒューガルテン「へーっくし! うは、俺風邪引いたかもww」
レフ「バカは風邪引かないらしいじゃん?」
----学園・第5小隊訓練場----
アダムス「へぇっくしょおい!」
ロシュフォール「変な噂でもされてるんじゃないの〜?」

680ユリウス:2014/10/04(土) 17:45:28 ID:3cQHs10o
>>678-679
ユリウスは少し考えていたが、やがて決心したのかため息を一つつく。
「よし、小僧…この事は他言無用……というには59倍ほど大げさだが
 あまりふれ回らないように頼む」

「俺はユリウス、中央都市クレシェンドに仕える天剣授受者の一人だ
 ……このヒナタ・アキツキとは旧い知り合いだ
 そしてお前が介抱してくれているその情けなさ極まりなき女が…」

「盾の天剣授受者、ディーナ・フォン・クロストヴァイズだ」
なんと、ハイネケンの前にかの有名な天剣授受者が二人(正確には三人)
もいると言うことを告げられる。

「このディーナはある戦いで負傷し、
 汚染大陸の外気をもろに浴びてしまった経験があってな」

「薬をとらないと命に関わるところだった、礼を言うぞ」

681ヒナタ:2014/10/16(木) 21:37:45 ID:???
>>679-680
「うむ、知り合いだ。色々と訳あってな」

ユリウスの言葉を肯定し、うんうんと頷いている。

「……病とは聞いていたが、そこまで深刻とはな。
 薬は常備させておくべきじゃないのか、ユリウス?」

682ユリウス:2016/04/06(水) 23:28:08 ID:3cQHs10o
>>681
「常備などさせては、薬があるから平気だとこいつは何処に行ってしまうか…」
と、これみよがしなため息をついた。

とんでもない重病だが、短い関わりでもわかる程に彼女は武芸者として実直だ。
きっと安静になどしてないだろうと、ヒナタも想像できるだろう。

「…とにかく、世話をかけたな」

683ヒナタ:2016/05/15(日) 12:50:10 ID:???
>>682
「それもそうか」

溜め息混じりの回答に、フッと笑って答える。
彼女が自身の負傷を厭わない性格であろう事は今回の件で把握したからか、無理強いはしなかった。

責任感は信念を確固たる物にするが、強すぎては己の身を傷付ける事になる。
そこに制止を掛けるには、薬を持たせない方が一番なのだろう。ディーナの心情を思えば少し心が痛むが、彼女の命には代えられない。

「なに、気にするな。困った時はお互い様、だ」

手を軽く振って答え――ふと思い出したように、あ、と声を漏らした。

「集合時間……忘れてた」

684名無しの魔術師:2016/11/29(火) 18:15:21 ID:4icmyV8o
ttps://is.gd/SJNUkw

クリスマスプレゼント代がつらい

685名無しの魔術師:2017/01/18(水) 11:44:34 ID:EnHN43hk
ttp://ux.nu/mAVQ8

極上のヤーツ

686ミーナ:2017/04/25(火) 22:18:46 ID:???
騎士団員「先輩知ってます?世の中には、魔元素<エレメント>を利用して造られた武具があって、それを持つものは魔術が使えなくても同等の効果を発揮できるそうですよ!」

先輩騎士「アホかお前。長年騎士やってりゃ、そんな噂は幾らでも聴くわ!!
とまぁ本物はまだ見た事ないけどな」

廊下を移動しながら、雑談を交わす騎士の横を無表情のまますれ違う。

ミーナ「……(サラマンドラ(火の精霊)のエレメントで焼いたパン……)」

廊下の一部で誰かの腹の虫が鳴り響いた。

687ミーナ:2017/08/11(金) 00:36:00 ID:awAfx0uU
昼の公園

昼食を終え、残りの昼休憩の時間にミーナは公園で、何をするでもなくただ考えに耽っていた。

時を同じくして、同公園を訪れた紳士風の男。
傍には飼い犬を連れている。

男は空いているベンチに腰掛けると、懐から取り出したメモ用紙のような小さな紙に何かを書き出した。
ミーナはその様子を偶然目にしていた。

たまたま通りがかった一般人だろうと思っていると、
男が何かを書き出した紙が、小さな"骨"に変化した。

「!」

男は骨を少し離れた地面に放り投げると、飼い犬が従順にそれを回収し、男の下まで持ち帰る。
すると、骨が再びただの紙切れに戻った。

「見間違いか……?いや」

きっとそう言う魔術なのだ。と、心の中で結論づけた所で、男はミーナの視線に気づく。

男は一瞬驚くような仕草を見せるが、
先ほどと同じように、紙切れに何かを書き始めた。

男がそれらから手を離すと、地面に落ちた紙切れは"おもちゃの兵士"に変化し、チャンバラを始めた。
ものの数秒もすると再び紙に戻ってしまったが、ミーナはそれを見て"楽しそうだ"と思っていることに気付く。

男はミーナに微笑みかけて、公園を後にした。

688受験生:2017/08/11(金) 13:27:28 ID:???
俺は宮廷魔導師国家資格を目指す無職……いや、夢を目指し努力して居るのだから、無職だが無職ではないのだ。
ちなみにこの資格試験、俺はもう5回落ちている。履歴書をコピーする魔術なら、そこらの一流魔術師以上にできる自信がある。

俺の得意魔術は、油を操る魔術。
この魔術を使えば、雨の中でも即座に薄い油の膜を纏い、濡れずに外を歩く事ができる。まぁ、油でギトギトになるのは玉に瑕だが、多少のリスクが付きまとうのは魔術の特徴だ。

で、これが宮廷魔導師としてなんの役に立つのか、って?ははっ、愚問を。そんなこと、自分で考えろ。俺にもわからん。

受験生の男は、そんな事を考えながら遊郭に向かった。親からの仕送り金を握りしめて。

689本屋の店員:2017/08/11(金) 14:00:12 ID:???
俺はこの書店に勤め10年が経つ。
これまで何万冊を越える本を完読し、今では読んだ事のない本(今やそんな本に出会うのは稀だが)でも、カバーを一目見れば大体の内容はわかる。
本が、俺に語りかけてくるのだ。

話は変わるが、以前この店に居ると奇妙な出来事に見舞われる事があった。

例えば、
「すみません」という客の声が聞こえたので、声がする本棚の方へ向かうと誰も居なかったり、
不審に思いながら席に戻ると、それまで読んでいた本が席を離れる前には開いていた筈なのに閉じていたり。
最初は俺の勘違いだと思っていたが、2度3度ならず、10度20度同じ事が起きた。

あまり非論理的な事は信じない性格だが、この店には霊が取り付いて居るのではと疑い、一度霊媒師に相談した事がある。

結論から言うと、霊媒師曰く「霊気は感じない」との事だった。

しかしある時俺は目撃してしまった。

その日は、ちょうど満月の日。
読んでいた本を完読し、それと同時に閉店時間となった日だった。
腹も減ったので、本を閉じ、早々に店を出た時、
「いつまで読んでんだよ」と愚痴を吐きつつ、自ら"歩いて"本棚に戻っていく本を、ショーウィンドウ越しに見たのだ。

開きっぱなしであった筈の本が勝手に閉じている現象……ああ、そうか。あの本は、人間でいう"ドライアイ"的な症状的な物を患っていたんだな……そう理解した。

今まで俺は本の事を単純に"読み物"だと思っていたが、この一件以来、本に対しペットのような可愛らしさも感じる事ができるようになった。

690黒騎士:2017/08/20(日) 01:07:06 ID:???
黒騎士と教会の対立が水面下で活発になった頃、
市民の日常的な生活の中にも、少しずつ異変が起こり始めた。

酔っ払いA「そんでよぉ、あのヤローの胸倉を思いっきり掴んでやったら……」

酔っ払いB「ぶわははは!そりゃいいや!!」

個室で男二人が酒を交わしている所、個室の扉が突然開き、黒い鎧の騎士達が部屋の四方に移動し剣を構える。

酔っ払いB「ひっ!な、なんだぇ!?お、俺はただの飲兵衛だぜ!?」

酔っ払いA「……」

神妙な面持ちで、隠し持っていた刃物を手に取る酔っ払い……否、酔っている演技であり、目も前後左右の騎士達をしっかり見据えている。

黒騎士A「かかれ!」

合図を出すと、騎士が一斉に酔っ払いAに斬りかかる。
酔っ払いAも戦う姿勢を見せたものの、斬りかかる寸前、背後の騎士に腕を切断され、
悲鳴をあげる前に正面の騎士に首を斬られ、鮮血を吹き上げながら倒れこみ、窓を突き破って外の地面に落下した。

酔っ払いB「ひゃああああぁっ!?」

黒騎士A「引き上げる!」

黒騎士B「はっ!」

殺害された男は表向きは不動産の店を構える商人ではあるが、黒騎士の"ブラックリスト"に載っている処刑人でもある。

こうした事件が帝都内でも度々目撃されるようになっていた。


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