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番外企画スレ
3219
:
名無しさん
:2024/11/22(金) 17:45:48
今やってる深夜ドラマですね
有料サイトならDMM、無料ならたしかTVerで初回からまだ見れると聞いたような
まあただの候補作なので当選しない限り把握する必要はないと思います
3220
:
名無しさん
:2024/11/23(土) 22:33:34
>>3212
でカタクリの相方を相談した者です
なぜ今まで忘れていたのか、って位に新たな候補を思い付きました
それは『ピトフーイ@ソードアート・オンライン オルタナティブガンゲイル・オンライン(アニメ版)』
レンと強い関係性があってかつデスゲームを渇望する彼女ならノリノリで聖杯戦争にのるかなー、と
まぁ彼女も候補の1つで確定していないが、ひとまずカタクリの相方の1人乗りとして考えときます
3221
:
名無しさん
:2024/11/28(木) 20:10:55
ピトフーイは確かにノリノリで聖杯戦争に乗ってくれそうですね、割とロワや聖杯戦争向きなキャラだと思ってました
3222
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 20:16:54
もしやるとしたら京都聖杯挟んでからになりそうだと思うけど
ちょっと新しい企画の草案みたいなもの投げても大丈夫?
3223
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 20:19:36
どんなの?
3224
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 21:16:01
【企画名】
妄想架空戦記
【コンセプト】
妄想ウォーズの発展型
6陣営に分かれての勢力戦
妄想でニコニコ歴史戦略ゲーみたいな架空戦記やりたい
【大雑把なストーリー】
新大陸と呼ばれる謎の大陸、そこに存在する6つの国に、異世界の者たちが迷い込んだ
各々の事情や流れでその国の実権を手に入れ、或いは奪った者たち
噂によればこの大陸の覇者となればどんな願いも叶える事ができる「何か」が手に入るという
悲願、野望、無垢ーー異世界の戦士たちを巻き込んだあり得ざる世界での戦いが始まる
【勢力決め】
聖杯の主従決めるみたいにみんなに勢力(とリーダー含めた初期メンバー3名)を考えてもらって
あとにその中から6勢力をコンペでも投票でもなんでも良いから決定する
まだ色々と草案の段階だし、本格的にやるとしたら色々とまだ考えると思う
3225
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 21:35:17
6勢力は敷居高い気もする
3226
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 21:39:01
そこなんですよね
3〜4勢力だと微妙って個人的に思っちゃって
まあ5〜6勢力が塩梅なのかなって感じです
3227
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 21:46:29
正直、京都聖杯挟むとしてもウォーズ2やったばかりでまた勢力戦をするとネタ切れやマンネリに陥ると思う
大雑把なストーリーが割とウォーズ2と被るし
3228
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 21:56:56
言われてみれば確かにやなー、了解
番外企画だから一旦この案だけ投げてみたけど
シンプルに考えてるロワ企画の方は久しぶりにオリロワやらない?だったり
架空世界を今度は舞台を異世界にしてみた感じの考えてたり
3229
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 22:08:22
自分はオリロワやりたいけど、最初は時間切れで未完だったオリロワ8を見るに今もオリロワに需要があるかわからないところはある
どれくらいやりたい人いるんだろう
3230
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 22:13:54
結果として最後のオリロワ以降から数年経ってるし
久しぶりにオリロワやりたいって思ってる人多そうかなって考えてみた>オリロワ企画
3231
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 22:29:46
ロワ企画草案は雑談スレに投げるべきなんだろうけれど
ウォーズ中だからちょっと投げづらいというか迷惑掛からんだろうかって思っちゃってる
3232
:
名無しさん
:2024/11/30(土) 22:33:22
番外企画スレだと完全にスレ違いになるから雑談スレでいいと思う
たぶん迷惑には思われないはず、そっちのほうが目にとまりそうだし
3233
:
名無しさん
:2024/12/04(水) 10:44:08
>>1498
スレッタ「そうだ、きっとあの子のせいだ...東卍が変わってしまったのは......!
あの子だけは絶対に殺す......!」
これ、第三軍視点だとそうでもないんだけど、未だにマイキーが自分の知るリーダーのマイキーと別個体だと知らないスレッタ視点からすると、ゆきの介入でいきなり東卍が操られたように見えたんだよね
なまじ、前大戦ではマキマなんて存在もいたから余計に同じ能力を持っているのではと勝手に思い込んでしまって
というか、これまでのストレスと失ったものが多すぎるせいでスレッタの性格も攻撃的になり い、段々正常な判断ができなくなってきてる......
3234
:
名無しさん
:2024/12/04(水) 10:44:42
>>3233
スレ間違えた
3235
:
名無しさん
:2024/12/06(金) 01:20:37
参戦確定してるキャラのステシを見て気付いたけど、太牙の宝具はサガークがCランクならキバットバットII世はそれ以上ないとおかしい気もする
3236
:
名無しさん
:2024/12/06(金) 09:08:32
>>3235
の意見を聞いて思ったが、サガークもキバットも古代ファンガイアの産物であればランクアップしてもいいかな、サガークがBでキバットがAとか
相対して名護さんのイクサライザーは近代の産物だしBぐらいにするとか
3237
:
名無しさん
:2024/12/07(土) 22:57:39
>>3236
個人的にはそれでいいかと
3238
:
◆gXaKV49AZQ
:2024/12/08(日) 14:04:09
企画主です、最近とあるゲームにはまっているのでこちらの活動を控えていますが幾つかの事項について軽く話しときます。
>>3235
、
>>3236
については当事者の判断と発言を待つとして保留しときます。
京都聖杯戦争のスケジュールについて。
まだ詳細は決めていませんが、とりあえず1月中にコンペ募集、2月15日(土)から本編語りスタートにしたいと思います。
もうひとつ、迷宮聖杯戦争の時に設けた各キャラの制限について見直すかどうか考え中です。
カブキやザンキのカラクリ動物・ディスクアニマル、宮本伊織の宝石魔術、柳瀬舞衣の「迅移」の制限、カズマの各種スキル、などなど。
具体的にどうするかとか考えていませんが、ある程度当りをつけたりご意見があれば修正していこうかと思います。
とりあえずウォーズ2が12月中に語り終わると見越して少しずつ話を進めていく予定です。
3239
:
名無しさん
:2024/12/08(日) 14:15:44
太牙のキャラシ作成者ですが、
>>3235-3236
についてはそれで大丈夫だと思います
3240
:
架空異世界
:2024/12/08(日) 14:23:21
>>3238
なるなる 了解です
京都聖杯の運営もろもろ頑張ってください
3241
:
◆gXaKV49AZQ
:2024/12/13(金) 16:30:46
特に意見がないようなので、
>>3235
と
>>3236
の通りにステータスを変更します。
@wikiの方も近々変更します。(なおFGOのクリスマスイベで多忙期なのでそのうち)
3242
:
◆gXaKV49AZQ
:2024/12/13(金) 17:06:27
変更していました、宝具のランクの他にパラメータの宝具も勝手に変えちゃったけどいいよね
3243
:
◆gXaKV49AZQ
:2024/12/17(火) 16:52:21
クリスマス時期のFGOは書き入れ時で忙しい!スマホを充電している合間にちょろっと日程を書き留めておく。
【日程】
コンペ期間 1月1日(水)〜1月31日(金)
投票期間 2月1日(土)〜2月2日(日)
準備期間 2月3日(月)〜2月14日(金)
語り開始 2月15日(土)〜
『準備期間』は新規4枠の選定や参加者の能力制限などを協議するための期間とします。
なお、企画主は2月7日(土)〜2月11日(月)の間に遠征しています、その間対応力は落ちますのでご了承下さい。
日程についてなにかしらご意見などがありましたらお声掛けください。
3244
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/01/01(水) 06:30:00
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
2025年2月に開催予定の京都聖杯戦争に向けて、今日からコンペ募集を開始しますので是非ともよろしくお願いします。
それと先程、企画主の新たな候補作【主】ピトフーイ【槍】李書文を@wikiのページに加えた事をご報告いたします。
ちなみにもう一組を掲載する予定でしたが、@wiki内の非ログインメンバーによる膨大なテキスト量の編集制限に引っ掛かってしまい上手く出来ませんでした。
ひとまずメンバー登録を行い、それが完了次第もう一組(+書き途中のネタ主従)を掲載したいと思います。
3245
:
名無しさん
:2025/01/02(木) 08:52:22
一度ageる
3246
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/01/02(木) 08:57:15
【主】ミランダ【槍】カタクリ
【主】キング 【役】シャドウ
これらを@wikiの候補作に掲載しました。
余談ですが、@wikiを編集してページを更新しても反映されていない現象に遭遇中。
編集内容自体は保存されており、別端末で確認すると反映されている。たぶん自分だけに起きていると思われるが、一体何だろうねぇ?
3247
:
名無しさん
:2025/01/10(金) 10:52:26
コンペ開始から10日、企画主以外の新規候補作は未だ来ず、だねー
3248
:
名無しさん
:2025/01/10(金) 12:05:03
とりあえずこの三連休の内に一組は書いて投げたいなあとは
3249
:
名無しさん
:2025/01/14(火) 03:39:04
シャドウの聖杯への願いが抜けてる気がするけど気のせい?
3250
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/01/14(火) 07:21:09
>>3249
書き忘れていました、ご指摘ありがとうございます。後程加筆しておきます。
3251
:
名無しさん
:2025/01/19(日) 23:07:19
シャドウの鱒のキングって村田版かONE版かアニメ、どれで把握したらいいですか?
3252
:
名無しさん
:2025/01/19(日) 23:16:50
アルトリアってFGO未把握の場合はFate本編を一通りアニメで把握してても語らない方がいいですか?
というか出典がFateシリーズのキャラはそのキャラが最初に出た作品よりFGOで把握した方がよさげ?
3253
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/01/20(月) 08:39:17
>>3251
キングはどの媒体でも差違はないと思うので、どれで把握してもおk。
ONE版は個人サイトでいつでも全話読むことができるのでお手軽。
村田版やアニメ版はONE版を原作にしており、綺麗な作画で途中から原作と違う展開や追加された物語とかあります。
とはいえキングの正体発覚まではほぼ同じ展開であり、たぶんどれを把握しても同じように語れると個人的に思っています。
ちなみに企画主はONE版が好みです、登場人物が綺麗に描かれていないあの作画の方が味があると感じています。
逆に村田版やアニメ版は追っていません。原作が好きだからあの綺麗過ぎる作画のキャラ達に違和感バリバリでなんとなく手を付けられていませんw
でもまぁ妄想語りにおいて作画の違いは関係ないし、たぶん作品によって大きな違いもないと思うので、各人の選り好みで把握してもいいと思います。
>>3252
アルトリアはFate/snを把握していればFGO未把握でも構いません、他の妄想ロワや二次創作と同じように語れるように語ってもらってオッケーです。
その他も同様で、最初に出た作品を把握・FGO未把握でもオッケー、未把握があるかと言って語り控えなくてもよいかと。
企画主も、玉藻の前はFGOや漫画作品などである程度は把握しているけどFate/EXTRAシリーズは未履修ですし、完全にムーヴできずにキャラらしくない動かし方をしてしまうかもしれませんが、とりあえず語りたいように語って指摘があれば修正していこうと思っています。
あと候補作に挙げた槍李書文はFGO出典ですが、EXTRA・サンレム・帝都聖杯奇譚・その他の作品で登場するクラス違い・老若違いがある李書文を把握しても大体は同じように語れるのかな、なんて思っています。
3254
:
名無しさん
:2025/01/20(月) 21:59:07
>>3253
丁寧な回答ありがとうございます、どう把握するべきか悩んでたので助かります
3255
:
名無しさん
:2025/01/21(火) 14:54:36
新しい候補作が出てこない、簡素化プロフOKでも来ないもんだね
3256
:
名無しさん
:2025/01/22(水) 12:41:37
もう(聖杯戦争に関する)ネタがない
あと妄想ウォーズ2でやりたいこと先に満たされちゃったのもデカい
3257
:
名無しさん
:2025/01/22(水) 15:04:54
書いてはいるけど候補作ステシ作成が久々なのもあって進捗があまりよろしくない感じ
3258
:
名無しさん
:2025/01/23(木) 00:18:42
もしかしてだけど、ウォーズ2でやりたいことやった結果聖杯のモチベ下がってたりする人いたりする?
3259
:
名無しさん
:2025/01/23(木) 01:23:43
簡略化プロフで当選するような主従ってよっぽどメジャーじゃなければ厳しい気がするから結局普通にステシ書くしかないんだよね
3260
:
名無しさん
:2025/01/23(木) 08:42:37
これまでの投下の傾向と妄想ウォーズでの同作キャラの語られなさ的に自分が出そうとしてる主従がまず落選しそうだから見に回ってる
3261
:
名無しさん
:2025/01/24(金) 10:31:07
>>3258
ノ
3262
:
名無しさん
:2025/01/25(土) 22:48:38
聖杯主従のネタ、あるにはあるけどこっちでの書き方は癖あるからなぁ
本家パロロワ板でやってるようにキャラ説明端折っていいのかどうかってのもあるというか
あとこれ、個人的に周囲のモチベがなんというかって感じだから迷宮の時の二の舞にならない?って不安もある
3263
:
名無しさん
:2025/01/25(土) 23:07:47
京都だから科捜研の女マスターにしてとか考えてたがドラマは無理そうかなって
使い回しも一度が限界だと思ってるんで二の足を踏んでる
3264
:
名無しさん
:2025/01/27(月) 01:00:26
キャラシ投下のついでに自作の主従(候補作含め)にロールを追記しました
ただしそのせいか主従候補一覧(京都聖杯戦争)の行が3000行を超えかけ、表示不能の危機に陥った為自作の一部ステシの空白を消してどうにか対応しました
今後編集する方は気を付けてください
3265
:
名無しさん
:2025/01/27(月) 10:10:19
ここ一週間風邪を引いてグロッキーな企画主です。
新たな候補作の投下および既存候補作のロール追加ありがとうございます。
なおページへの転載や評価は後日、体調が治ってからにしたいと思います。
3266
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/01/30(木) 12:29:18
【告知①】コンペ期間は1月31日まで!
候補作募集の締切は明日までなので、もし制作中の方はご注意ください。
【告知②】投票は2月1日(土)〜2月2日(日)!
候補作を投票した方が『自薦なし』『自薦あり』で4組ずつ挙げてください。
あと相談事と確認事。(評価とか細かい質問などについては後々行う予定です。)
・鯖シャドウにスキル「単独行動」を付けるのを忘れていました
作中の行動的に持っていてもおかしくないですが、後付けで「単独行動」を追加しててもいいですか?
・ユージオ&時崎狂三を投下したfTNTNcvs氏について
過去に同じIDがないので変動IDと考えていますが、もしかしてユウキ一護組やレン名護組を投下された方と同じでしょうか?
wiki掲載時には同じ人かな?と思ってID末尾に(*1)を付けてみましたが、もし別人でしたら申し訳ございません。
・時崎狂三の耐久にある注釈について
耐久C(ただし現代兵器などサーヴァントや精霊以外からの普通の物理攻撃、神秘を伴わない攻撃にはEX相当を誇る)
とありますが、サーヴァントの特性的にその注釈は不要な気がします。
型月作品のサーヴァントは基本的に「現代兵器=神秘以外の攻撃は効果がない」というふうになっています。
サーヴァントであれば銃器や戦車、爆撃や核攻撃もたぶん効かないと思います。(ただし型月の作中で物理攻撃が鯖に通用しなかった、という場面の描写は殆どないので実際に核を受けた場合はどうなるかまでは分かりません)
精霊の特性として耐久に注釈を付けたのだと推察しますが、個人的に注釈をなくして見栄えを整えたいなとも思いお声掛けしてみました。
3267
:
名無しさん
:2025/01/30(木) 16:57:33
シャドウは作中の行動的に単独行動を追加してもいいと思います。個人的にはなんで単独行動持ってないのかな?と思ったくらいシャドウにピッタリのスキルだと思うので
それと自分はユージオ&時崎狂三を投下した者ですが、ユウキ一護組やレン名護組も投下しました。変動IDなのでわかりづらくてすみません
狂三の耐久についても了解しました。注釈をなくすようにします。Fateはアニメなら一通り見てるのですが、設定への理解が浅くて申し訳ありません
3268
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/01/30(木) 17:09:32
とりあえずこれまで挙った3組の所見やら評価やら質問やら。
【主】獅童真希 【弓】キラ・ヤマト 【作者】ZzYDuaNw
鱒は大体他の刀使と同じ感じ、考えるより行動寄りなので場合によっては良い・悪いのどちらの状況にもなりそう。
鯖は生身だと弱いがMSに乗ると強すぎて性能がピーキー過ぎる、不殺精神が原因で京都市内では全力も出しづらそう。
私見として、キラはとにかく設定・性能をてんこ盛りかつ情報過多であり、MS三段進化を持ちながらも善良な主人公属性ゆえにレイドボスにもしづらく、語りにくそうに感じています。
【主】ユージオ 【弓】時崎狂三 【作者】fTNTNcvs
鱒は剣士としてそれなりに強いが、禁忌目録という枷が原因で大事な局面での詰めが甘くなるかも?
鯖は本体の性能は高くないものの時間を操る能力が強力。「時喰みの城」は謂わば魂喰いみたいなものだが、それを使うと敵対者が増えそう。
時を扱う能力は強力故に全体的に魔力消費、もしくはマスターへの負担が大きすぎるくらいがいいかと。
それを補うために「時喰みの城」をどんどん使って欲しいとも思うが、マスターが善良ゆえに積極的に使えなさそうなのもネック。
【主】天王寺昧 【別】鵺 【作者】9vhu14ec
鱒は忍者として色々と活躍できそう、ただ未把握なのであまり多く語れないですすみません…
鯖も未把握だけど面白そうな性能しているなー、と。熾烈な聖杯戦争でその願いに何処まで近づけるのかも気になる。
今のところ人類悪(加熱し過ぎた人類愛)としての適性がどれだけあるのか気になりもしますが、まぁひとまず置いときましょう。
『祁友の聯刀』は最大補足:999人となっていますが、某聖剣のようにビームぶっぱみたいな必殺技とかありますか?
3269
:
名無しさん
:2025/01/30(木) 20:50:10
>>3268
真希&キラのステシ作成者です
キラについては当初アーチャークラスなのもありストフリ弐式orマイフリのどちらかをオミットしようとは浮かんでましたが、悩んだ末に今の形にしました
ただ、どちらか(もしくは両方)オミットした方が語りやすそうならそれにしてしまおうかなとも考えてます
後、真希&キラだけでなく既に候補作として投下した夜見&シンにも関わってくるんですが、本家の俺ロワ・トキワ荘のスレ、聖杯戦争-(マイナス)2/「はじまり」の短編集にて以下のようなスキルが考案されてましたが、採用した方が語りやすくなるでしょうか?
(スキル解説の流用・改変は自由とレス内に書かれてました、以下スキルの内容を引用)
矮躯の機体:
生前と比較してサイズ規模が縮小されている事を示すスキル。
生前では(クラス名)の乗機は◯◯メートル級の大きさを誇っていたが、
此度の召喚では本来の◯◯分の一、2メートルサイズにまで縮小されている。
(機体名)の操縦は機体内部に展開された拡張空間のコクピットにて行う形となる。
搭載兵器の威力も大きさ相応にまで低減されているが、
戦闘に伴う魔力消費の燃費が大幅に安定化されるメリットもある。
(機体名)が本来の大きさと力を発揮するには令呪による魔力支援が必須。
3270
:
名無しさん
:2025/01/30(木) 20:56:44
>>3269
企画主です。
宝具の機体数はひとまずそのままで、仮に当選した場合は他の人の意見を交えて調整しようかと考えてます。
それとそのスキルがあると語りやすいと思います。
3271
:
名無しさん
:2025/01/30(木) 22:25:29
企画主さんに質問です
自分が考えてる主従ですが色々と説明省略が出来る組み合わせなのですが
どういった感じで省略すればいいのか悩んでいます
3272
:
名無しさん
:2025/01/30(木) 22:42:06
色々と説明省略が出来る組み合わせ?
個人的にはとりあえず自分が書きたいキャラの要素をスキルや性能に書いていく、逆に人物背景や方針とかが時に書くのが面倒に思ったら概略だけ書いて詳細はググってもらう、もしくはあえて書かずにとりあえず候補作を挙げちゃう
他の人がそれを読んで足りなかったり質問されたら返答しつつ都度修正していく感じ
3273
:
3269
:2025/01/30(木) 23:02:09
>>3270
了解です、ではシンとキラのスキルとして、以下の通りに記述を追加します
【クラス】ライダー
【真名】シン・アスカ
【固有スキル】
〇矮躯の機体:A
生前と比較してサイズ規模が縮小されている事を示すスキル。
生前ではライダーの乗機は約18メートル級の大きさを誇っていたが、
此度の召喚では本来の九分の一、2メートルサイズにまで縮小されている。
不滅の正義を冠せし者や運命を切り開きし剣の操縦は機体内部に展開された拡張空間のコクピットにて行う形となる。
搭載兵器の威力も大きさ相応にまで低減されているが、
戦闘に伴う魔力消費の燃費が大幅に安定化されるメリットもある。
不滅の正義を冠せし者や運命を切り開きし剣が本来の大きさと力を発揮するには令呪による魔力支援が必須。
【クラス】アーチャー
【真名】キラ・ヤマト
【固有スキル】
〇矮躯の機体:A
生前と比較してサイズ規模が縮小されている事を示すスキル。
生前ではアーチャーの乗機は約17〜18メートル級の大きさを誇っていたが、
此度の召喚では本来の大体九分の一、2メートルサイズにまで縮小されている。
准将の新たなる剣や再起する自由の剣、傲慢にして強大たる剣の操縦は機体内部に展開された拡張空間のコクピットにて行う形となる。
搭載兵器の威力も大きさ相応にまで低減されているが、
戦闘に伴う魔力消費の燃費が大幅に安定化されるメリットもある。
准将の新たなる剣や再起する自由の剣、傲慢にして強大たる剣が本来の大きさと力を発揮するには令呪による魔力支援が必須。
3274
:
名無しさん
:2025/01/31(金) 01:54:29
>>3268
そうですね、宝具である刻々帝は魔力消費が大きく、対象の時間を停止させるザインは特に大きいということにします
時喰みの城は今回の狂三は士道に感化された後(過激な振る舞いが目立たなくなり丸くなった後)なので死ぬまで魔力や時間を吸い上げることはあまりしないと思います。そういう条件ならユージオも許すかなと(もちろん敵対者が増えそうなリスクは付き纏いますが)
3275
:
名無しさん
:2025/01/31(金) 23:30:57
こっちだと初ですが聖杯候補作を避難所スレに投げさせてもらいました
3276
:
名無しさん
:2025/02/01(土) 01:48:32
範道大也&浅垣灯悟を投下した者ですが、投下中に0時を過ぎていたのでそれがアウトだったら候補から除外してください。ギリギリで投下してしまい申し訳ありません
3277
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/01(土) 07:02:13
>>3276
投下開始が24時前から始まっているのでオッケーです。
3278
:
名無しさん
:2025/02/01(土) 08:32:28
>>3277
ありがとうございます!
3279
:
名無しさん
:2025/02/01(土) 10:16:47
候補作コンペお疲れ様です
自分もうちょっとつくりたかったですが時間に余裕がなく一作しか投げられなかったです
3280
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/01(土) 15:46:25
質問。
範道大也&浅垣灯悟の候補作を挙げたF.VBrKt2氏は変動IDで、別の候補作を挙げていないお初の方ですか?
3281
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/01(土) 17:09:29
【主】シロッコ 【術】太歳星君 【作者】N5OvXTtQ
鱒は人格や思想が変わり種だけど秀才であることには変わりない、聖杯戦争を引っ掻き回す役としていい感じ。
鯖はかなり強い部類だがそれ以上にめっちゃ厄い、悪辣に聖杯戦争を引っ掻き回す新たな愉悦部員か。
アニメでダークギャザリングを視聴していましたが、まさかあの邪神が太歳星君だったとは。FGOのコンの集合体で害意のない太歳星君とはえらい違い過ぎる。
作中でも最上位級の強さなので、鯖化による弱体化である程度整えたいところ。
あと原作は未把握でアニメより先は分かりませんが、プロフを読む限り手数の多さが語りの上で少しネックになるかも。
【主】ギム・ギンガナム【騎】牙王 【作者】ZzYDuaNw
鱒は戦う気バリバリの御大将、聖杯戦争もノリノリで戦ってくれるであろう有望株。
鯖もラスボスということもあって強者であり、聖杯への願いも破滅的でいい悪役ポジション。
【主】イリヤ 【剣】ヤマトタケル 【作者】lqWG9bMA
鱒はプリヤ版なので原作?とは違ってマスターとしての適性が未知数、それでも魔力や幸運(悪運含む)は高いと思う。
鯖は最優に恥じぬ安定した強さ、特に魑魅魍魎が蔓延る京都では活躍が見込まれる。宝具の使い所に気を付けたいところ。
イリヤについて確認ですが、【参戦時期】の六千年前に向かった直後、大昔のパンドラに干渉していた時にルビーも一緒にいましたっけ?
そこら辺がうろ覚え、もしかしたら参戦時期的にマジカルルビーは所持していない可能性もあるかなー、と。
それと【技能・能力】からクラスカード数種は没収してもいいかなと。
【主】範道大也 【英】浅垣灯悟 【作者】F.VBrKt2
鱒は戦隊ヒーローでありながら聖杯を求めているため、悪行はしないけど聖杯戦争には積極的になってくれるのはヨシ。
鯖は絶賛アニメ放映・活躍中のヒーロー。京都人および聖杯戦争参加者はあの戦隊モノあるあるにどんな反応を示すだろうか!
3282
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/01(土) 17:16:31
それと大事なことなのでもう一度告知。
今日明日の二日間は投票期間なので皆さんお忘れなきようにお願いします。
3283
:
名無しさん
:2025/02/01(土) 17:38:56
イリヤ&ヤマタケ主従の投下者です
wikiで指摘箇所の部分の修正しておいたほうがいいでしょうか?
3284
:
名無しさん
:2025/02/01(土) 17:45:51
>>3283
ひとまず投下者が確認内容についてどう思うか、どう返答するかを聞いてみたいです。
ルビーに関してはこちらの記憶欠如なのでどうだったか知りたいですし、ルビーがあればそれなりに戦えるのでクラスカードはなくてもいいかなと考えています。
3285
:
名無しさん
:2025/02/01(土) 17:54:54
>>3284
ルビーに関してはそちらの記憶通りですのでルビーは付随してないはずですね
修正箇所としてはルビーとクラスカード抜きで実質一般人に近いことになりそう(強いて言うならダリウスの贈り物を付随するかどうかだけどあれ扱いがめんどくさそう)
なのでwikiのでその部分を削除・修正すればいいかなと思っています
3286
:
名無しさん
:2025/02/01(土) 18:04:22
こっちの方だと初めてなもので色々とガバガバで申し訳ない
3287
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/01(土) 18:23:55
>>3285
了解しました、イリヤにとってハードモードになりますがルビーとクラスカードはなしでいきましょう。
3288
:
名無しさん
:2025/02/01(土) 18:27:39
さっそく修正箇所の修正を完了しました
3289
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/01(土) 18:32:30
ここまでの候補作34作を一覧。
なお
>>3280
への返答がないので、F.VBrKt2氏は暫定的に変動IDの(*3)とします。
【主】千石撫子 【狂】ルフィ 【作者】◆gXaKV49AZQ
【主】ニコライ 【弓】ユースタス・キッド【作者】◆gXaKV49AZQ
【主】ユーベル 【殺】ロブ・ルッチ 【作者】◆gXaKV49AZQ
【主】ピトフーイ 【槍】李書文 【作者】◆gXaKV49AZQ
【主】マザー・ミランダ【槍】カタクリ 【作者】◆gXaKV49AZQ
【主】キング 【役】シャドウ 【作者】◆gXaKV49AZQ
【主】佐藤和真 【剣】キリト 【作者】V8egZwqg(*1)
【主】伊狩鎧 【術】赤木信夫 【作者】jQYQl7So(*1)
【主】キリト 【狂】アスナ 【作者】1jKwGxFs(*1)
【主】アクア 【弓】赤座伴番 【作者】9wR0ay4U(*1)
【主】ボク 【殺】レン 【作者】XmnSk6M.(*1)
【主】美遊兄 【狂】アスナ 【作者】KBHtbWng(*1)
【主】アクア 【槍】斑目一角 【作者】0ISSMhEo(*1)
【主】ボク 【剣】加賀美新 【作者】w2bWZzPg(*1)
【主】レン 【剣】加賀美新 【作者】w2bWZzPg(*1)
【主】ユージオ 【弓】時崎狂三 【作者】fTNTNcvs(*1)
【主】皐月夜見 【騎】シン・アスカ 【作者】ZzYDuaNw
【主】益子薫 【弓】エミヤ 【作者】ZzYDuaNw
【主】神代剣 【槍】市丸ギン 【作者】ZzYDuaNw
【主】ファムリナ 【剣】十条姫和 【作者】ZzYDuaNw
【主】獅童真希 【弓】キラ・ヤマト 【作者】ZzYDuaNw
【主】ギム・ギンガナム【騎】牙王 【作者】ZzYDuaNw
【主】乙女アストラエア【槍】バイキン黒騎士 【作者】kLAXB.MM
【主】暁切歌 【弓】マキマ 【作者】kLAXB.MM
【主】レイヴン 【殺】デイヴィッド 【作者】kLAXB.MM
【主】ファウスト 【狂】ナイチンゲール 【作者】kLAXB.MM
【主】プレデター 【術】戸愚呂弟 【作者】kLAXB.MM
【主】星野アイ 【剣】バルトス 【作者】yjPYip46
【主】蚯蚓 【殺】ガントレット 【作者】yjPYip46
【主】ハル 【術】八雲紫 【作者】RJYlJgDc(*2)
【主】天王寺昧 【別】鵺 【作者】9vhu14ec
【主】シロッコ 【術】太歳星君 【作者】N5OvXTtQ
【主】イリヤ 【剣】ヤマトタケル 【作者】lqWG9bMA
【主】範道大也 【英】浅垣灯悟 【作者】F.VBrKt2(*3)
3290
:
名無しさん
:2025/02/01(土) 19:54:58
すみません、諸事情で返事が遅れました
>>3280
ユージオ&時崎狂三などと同じ作成者です
3291
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/01(土) 20:45:24
>>3290
了解しましたー。
3292
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/03(月) 06:22:39
投票期間が終了しました。結果は一票のみ。
毎度の事ですが、投票期間中の投票がいつも少ないですね。
必要であれば火曜日までの延長も考えますが、あるいはその他の投票権を持つ方は棄権と考えて選考を始めてもいいですか?
3293
:
名無しさん
:2025/02/03(月) 06:24:44
すみません投票期間なのを忘れてました…個人的には延長してもらえると助かります
3294
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/03(月) 06:29:21
>>3293
了解しました、火曜日まで延長します。
しかし毎度不思議に思う、結構前からスケジュールに書き込んでいて近くなったら告知もしているのに、投票が期日中に上手く機能しないんだね。
3295
:
名無しさん
:2025/02/03(月) 11:56:49
個人的に誰も投票してないと不安で投票しづらいというのがありますね…
3296
:
名無しさん
:2025/02/03(月) 19:56:59
自分も推薦投票投げました
こういうの初めてだからちゃんとした意見述べれてるか不安
3297
:
名無しさん
:2025/02/03(月) 20:45:12
企画主です。
投票ふえたー!皆様ご協力ありがとうございます。
それと投票ふ明日の24時までの予定なので、まだの方は是非ともお願いします。
3298
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/05(水) 06:06:23
投票終了、順当に得票数で見たら次の4組でいいかなと思います。
この選定についてご意見などありましたらお声掛けください。
【主】シロッコ 【術】太歳星君 【作者】N5OvXTtQ
【主】美遊兄 【狂】アスナ 【作者】KBHtbWng(*1)
【主】イリヤ 【剣】ヤマトタケル 【作者】lqWG9bMA
【主】ピトフーイ 【槍】李書文 【作者】◆gXaKV49AZQ
3299
:
名無しさん
:2025/02/05(水) 14:13:21
太歳星君は
>>3281
で企画主氏が言ってた通り弱体化が必要だと思います
3300
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/06(木) 14:11:24
シロッコ太歳星君の制作者であるN5OvXTtQ氏へ、
>>3281
および
>>3299
に対しての応答をお願いします。
ダークギャザリングの太歳星君については私も把握しきれていない部分がありどういう性能に落ち着かせるべきか分からないので、制作者自身による修正案でも反論でもいいので反応を確認したいです。
もし返事がないようでしたら別の候補作を選出することも考え中です。
3301
:
名無しさん
:2025/02/06(木) 19:46:34
>>3300
弱体化について了解しました
今考えている案としては○視肉:EXの弱体化させる方向で考えてますが内容として
目玉一つにつきの回復量を減らすか、バフデバフ耐性効果を消すか、あるいは両方を考えてます
また備考で触れていますが補足として原作で太歳星君は自身の縛りプレイとして視肉がある状態では陰陽術を使わずに戦い、視肉がなくなってから陰陽術を行使し始めるということをしています
聖杯戦争では全ての攻撃が呪いというわけではないため、この縛りを曖昧にしてますがハッキリさせたほうがいい場合はそのような記載内容に変更してもいいと思っています
現状で考えているのはこんな感じですが加減については自分ひとりでは読めない所もあるので意見を貰えればと思います
3302
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/06(木) 20:59:04
>>3301
お返事ありがとうございます。
視肉については今のところ回復量の減少ぐらいでいいかな?
複数所持によるバフ効果とデバフ耐性はチートレベルでなければ残っていてもいいかも。
あとは視肉がどれくらいの量があるのか、バフ効果デバフ耐性が付く個数の目安、原作では何度蘇生したのか、それら次第では視肉の数なども調整が必要かも。
視肉縛りプレイは続行で、逆に視肉+陰陽術だと強力過ぎるかも?
あと陰陽術「呪縛呪」による金縛りは確実に効き過ぎず、ケースバイケースで効く相手も効かない相手もいるような塩梅にしたいかな。
対魔力持ちにはランク次第で効きづらい、特殊な対抗策を持っていないマスターには効くとか。
それと陰陽術「護身隠行法」による自身を知覚させなくなる術はひとまず暗殺用途で使われなければいいかな。
一応Fate作品でキャスター系な鯖が隠行術を使って気配遮断ほどではないけど人の眼を避ける魔術とかは使っているので、太歳星君が使うのもありではあるかと。
とりあえず多少述べてみましたが、自分も匙加減はわからないです。
なので
>>3299
氏やその他の方からも具体的な意見や案があると助かります。
3303
:
名無しさん
:2025/02/07(金) 20:04:49
とりあえず今ある意見を参考に調整を入れた内容を出してみます
問題などがあれば意見をお願いします
原作だと視肉がどれくらいの量かははっきり言うと不明で卒業生は基本即死攻撃ばかりで蘇生回数も沢山としか言えないです
なので視肉の数ではなくスキル使用の回数制限でまとめた方がいいと思いました
具体的には下記の内容でどうでしょうか
・使用回数は太歳星君と式神で合わせて12のストックで1つ消費して効果を使用できる
・式神が使える効果は自身に一時的なバフかデバフ解除の2つ
・太歳星君が使えるのは自身の蘇生回復、他の英霊の回復、一時的にデバフ解除の3つ
・蘇生回復は死亡時に1回分使用するが、強力な攻撃を受けた場合は複数のストックを使用する(ヘラクレスの十二の試練のようなイメージ)
また呪縛呪の金縛りは対抗手段があれば軽減できるとし陰陽術は作中での使い方に合わせて以下の記述にします。
○陰陽術:EX
陰陽術全般を扱うことができるが、キャスターが扱うものはその陰陽術の源流であり、人間が扱えるようになった物とは一線を画している。
なおキャスターは自身の趣向により「呪い返しと護身法」に関しては専ら自身が攻撃を受ける際に使用する。
* 呪縛呪
呪い返しと護神法その3、相手の動きを封じる金縛りの術。
対魔力またはそれに類する能力を持つ者はその力が高いほど縛られる時間が短縮される。
最後に視肉と陰陽術の縛りについてと作中で自身に向かってくる卒業生がいなくなるまで夜宵ちゃんに攻撃しなかったことを考えて備考の内容を変更します。
【備考】
存分に勝負を楽しみたいというキャスターの趣向により視肉を全て失うまでは陰陽術を使用することを自身の縛りとしている。
また自分から戦闘に参加してくる等で出てこなければ、基本的に相対するサーヴァントを撃破するまでマスターを優先して狙うことはしない。
3304
:
名無しさん
:2025/02/07(金) 20:26:14
十二神将はサーヴァントと戦えるくらいの強さですか?
流石にそのレベルを12体も召喚出来るのはやり過ぎだと思うのですが
3305
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/07(金) 20:44:25
【お知らせ】企画主は明日から月曜日まで遠征するので、その間は対応力が落ちることをご了承ください。
20時前までにレスがなかったから@wikiの参加者名簿に4組を追加したけど、気がついたら
>>3303
以降のレスが付いていた…
とりあえず選出した4組に対して明確な反対意見はなかったので一応名簿を載せたままにします。ただし、今後の意見によっては別の候補作との入れ替えも視野に入ります。
あとは太歳星君の調整について議論をお願いします。
明日は早いのでここらでお暇します。
3306
:
名無しさん
:2025/02/07(金) 20:58:15
>>3304
普通の魔術師マスターよりは強いですが流石に単体でサーヴァントには敵いませんよ
3307
:
名無しさん
:2025/02/07(金) 22:29:09
>>3306
了解です、それなら大丈夫だと思います
3308
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/08(土) 18:56:45
最強寒波による交通事情に戦々恐々しながらも無事に目的地について一息ついた企画主です。
とりあえず
>>3303
の内容を参加者名簿の太歳星君に反映しました。
3309
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/11(火) 07:36:44
遠征から帰還して溜まった疲労を取るべく今日はゆっくりする予定の企画主です。
京都聖杯戦争の語り開始は2月15日(土)、なのでそれまでの間に気になる点などがあれば今の予備期間中に議題に挙げてみてください。
なお、前回は都度思い当たった時にキャラ毎に性能調整(伊織の魔術、レンのGGO的な仕様、舞衣の迅移、カブキ・ザンキの使い魔、など)を行いましたが、今回の京都でもそういった調整が必要かもと感じたらお声掛けください。
3310
:
◆gXaKV49AZQ
:2025/02/14(金) 13:44:40
この後の2月15日(土)0時から京都聖杯戦争が始まります。
私は就寝して朝以降にゆっくり指し手を考える予定なので、語り手は0時以降からご自由お語りください。
3311
:
名無しさん
:2025/02/14(金) 14:02:13
(語る場所ってこのスレでいいんでしたっけ?うろ覚えで申し訳ない…)
3312
:
名無しさん
:2025/02/14(金) 14:15:35
>>3311
ここめいいんだぁよ
3313
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 01:21:52
(とりあえずここで語ってみる)
第五次聖杯戦争に臨んでた筈なのに気付いたら別の聖杯戦争に巻き込まれる形になった美遊兄、流石に混乱してたね
3314
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 04:03:10
シロッコと太歳星君はまずはそれぞれ別行動
京都の中心あたりの霊地に陣取りしようとする太歳星君
最初は自身と手を組めそうな相手を探してみるシロッコ
3315
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 05:29:16
美遊兄とアスナはお互いに大切な存在の幸せを願って聖杯を狙うことに決めたから、性格的には相性が良かった
でも問題はアスナの願いの根本であるユウキがマスターとして参加してることや、アスナの彼氏であるキリトが参加していること
あとは美遊兄自身はまだ何も知らないんだけど、美遊の親友であるイリヤが参加してることがある
幸い全員マスターだから、彼らを生かしたまま聖杯戦争から脱落させるという方法はあるけど…
あとアスナとキリトが同時に参加してる問題もキリトが知ったらどうなるか…
サーヴァントとはいえ自分の彼女を殺さなければ願いが叶わないからなかなかシビア
3316
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 05:44:37
名護さん「問おう、君が俺のマスターか」
レン「うん。……私もあまりよくわからないけど、そういうことみたいだね」
名護さん「そうか。俺は名護啓介。クラスはアーチャーだ」
レン「私はレンだよ。よろしくね、名護さん」
名護さん「ああ。だが俺のことは基本的にアーチャーと呼びなさい」
レン「うん。わかったよ、アーチャーさん!」
名護さん「とりあえず今日から君は、俺のマスターとして弟子になりなさい。俺はコーチとして君を育て上げることに決めた」
レン「え!?普通はマスターとサーヴァントって弟子じゃないよね!?」
名護さん「そんなことはどうでもいい。本当は753という数字のTシャツを着せて、常に俺の名前を胸に抱き、正義を行ってもらいたかったが……真命バレを防ぐためにやめておこう」
レン(名護さんはマイペースだしよくわからないけど、悪い人じゃなさそうだ。……でも変なTシャツを着せられなくて良かった!)
3317
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 06:01:35
ユウキ「京都観光楽しいね、セイバー!今までファンタジー世界が舞台のゲームに居たから何か新鮮だよ!」
一護「そうだな。でもこれは聖杯戦争だ。無茶はするなよ」
天真爛漫に京都観光を楽しむユウキに一護は茜雫を重ね、複雑な表情をしていた
一護(今度こそ……今度こそ護ってみせるんだ……!)
3318
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 07:48:49
夏油は原作と同じく宗教団体を隠れ蓑にしつつ呪霊集めをしているな
信者や霊障被害者を通じて、あるいは玉藻と共に魑魅魍魎がいる現場に赴いて収集しているとか
なお強力な呪霊はいないようだがそれらを情報収集に活用したり、場合によっては合成して戦力を生み出すかもしれない
3319
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 15:10:44
シロッコ(これが前世紀の地球…重力の井戸に囚われたままの人間が営む社会風景か…)
シロッコ(宇宙に進出することもなく、大きな戦争の爪痕もない…私の知る宇宙世紀とは色々と違うな)
シロッコ(そして、聖杯戦争という謎の儀式…一体、この私に何をさせたいというのか…)
シロッコ(…それはそうと、料理が実に美味しい。ジュピトリスとは違い、豊富な資源がこうも豊かさを与えるというのか)
京都市内を散策中に飲食店に入り、今の状況について色々と思慮に耽りながら舌鼓を打つ木星帰りの男であった
3320
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 16:06:27
「あはははははっ!聖杯戦争?願いを賭けた殺し合い?なにそれサイコー!」
目の前の強壮な男、ランサー・李書文から今自分が置かれた状況を説明されて、そのマスターたる女性・ピトフーイは狂喜に乱れながら楽しげに声を発した
「据え膳(SJ2)を奪われたと思っていたら、まさか意図せずSAOみたいな訳のわからない儀式に巻き込まれるなんて!なにこれ、なんかの運命かしら!」
「…何を言っているのかさっぱりわからぬが、どうやらお主も聖杯戦争に乗り気のようだな」
「あったりまえよッ!今まで恋い焦がれてきた命懸けのゲーム!これを楽しまないわけにはいかないわ!!」
「呵呵呵……!面白い女だな、それでは儂も此度の死合をたのしませてもらおうか!」
3321
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 16:21:39
カズマ「異世界転生した俺が今度は異世界転移するってどんな展開だよ!?」
カズマがこの世界に来た第一声は異世界転生者らしいそんな一言だったとさ
その直後に今度はダクネスだけじゃなくてアクアやめぐみん達もいないから、とりあえず彼女達を探そうと真っ先に思考したり、仲間思いな一面も覗かせたけどね
3322
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 16:22:17
カブキ、頼りになる用心棒として名を馳せているけど鬼に変身して戦うという一点から魑魅魍魎の仲間扱いして差別する心無い京都の住人も居たね…
3323
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 16:23:25
マヤは中学に通いながら、学校が終わった後はザンキに指導されて修行に励む日々だったね
3324
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 16:30:52
蓮子は能力で京都であることは把握したけど自分の知らない京都で戸惑ったところはあったね
遷都してないから首都になっていないとか
3325
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 17:12:17
キリトは刀を欲しがってるけど金銭的にあまりにも足りないから学校に通いつつ、用心棒や魔物狩りの仕事もこなしつつ少しずつ金銭を稼ぐ
キリトだけだと生身で木刀だから弱い魔物倒すのが精一杯だけど、鯖であるアリスに協力してもらって二人で金銭を稼いでいるようだ
そして学校も仕事もない時は、身体が鈍らないように。あと生身の戦闘に慣れるために剣術の修行に励むキリト
キリト(こうしてると、ユージオと過ごしてた日々を思い出すな。あいつの犠牲に無駄にしないために……アンダーワールドを存続させるために、俺がなんとしても聖杯戦争を勝ち抜かないとな)
3326
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 17:13:00
この京都、カブキやユウキみたいに人外要素がある人種でも平等に用心棒として雇う人もいれば、魑魅魍魎扱いして差別する人もいる
ユウキは用心棒をして金銭はなんとかしているようだ
京都を楽しく観光してる中、ユウキに対して嫌な目線を向ける者も居たけどそれでもユウキは楽しそうにしていた
ユウキ「ねえ、セイバー。ボク、金閣寺に行きたいな!建物全部ピカピカですごいんでしょ!?」
一護「いいぜ。まあこの世界、普通の京都とは違うから金閣寺があるのかわかんないけどな」
一護としては、聖杯戦争ということでユウキを心配しながらも彼女を楽しませてやりたいという気持ちも強い
3327
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 17:22:59
(
>>1888
を少し修正して投下)
京都市内には以下の学校があって、何名かのマスターが通っているようだ
①神道系・呪術系な学校
魑魅魍魎が蔓延る京都という世界観なので古来から受け継がれた対魔の法術を学ぶ中高一貫の学校。
柳瀬舞衣が中等部に所属。「刀使」という役職はこの世界にはないがやってることはほぼ同じ。一応巫女なので神道系の学科に属しているそうな。
その他呪術高等専門学校のように呪術を扱う学問もある模様。
②情報系学校
IT関係に特化した専門校。
キリトが所属。たぶん桐ヶ谷和人の進路が影響してこのロールに収まったか。
③小学校
イリヤやメアリーが通っている学校。
(当然だがこれ以外のも学校や大学が京都市内に多数存在しているよ)
3328
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 20:14:42
>>3318
ちなみに原作と同じように宗主の座に夏油が居座り、ちゃっかり秘書として玉藻の前が就いたそうな
秘書として玉藻の前が
3329
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 22:02:19
ユウキやレン、ピトフーイはアバター姿でありながら肉体的疲労感や負傷時の流血などに違和感を覚えていたね
あとGGO勢の話として、何故だか弾道予測線とかGGOのシステムの一部が機能しているけど、ストレージが使えないから弾倉を所持する必要がある等の現実味も所々あるそうな
3330
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 22:11:06
ゲームと違って肉体的な疲労があるから、体力をつけるという意味では名護さんがマイペースにレンを訓練してるのは理に適ってるという
ちなみにユウキは身体を動かして疲れることに一種の喜びのようなものを感じてたね
よりリアルに近い感覚を楽しめてるって
3331
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 22:35:59
>>3329
アバター勢はみんな用心棒もやってるからその仕事中に軽い傷が付いたりして流血してるんだっけ?
自分が流血してもむしろそれを楽しんで笑うピトフーイはイカれてる
3332
:
名無しさん
:2025/02/15(土) 23:48:55
カズマ「とりあえず聖杯戦争で勝つために仲間が必要だと思うんだよ。他の奴らも誰かと組んでるかもしれないし」
影山「俺と兄貴とカズマだけで何が不満なのさ」
矢車さん「いや、カズマの言うことも一理ある。ある程度、サーヴァントの数が減るまで誰かと組むのは悪くない。……眩しい奴以外ならな」
3333
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 00:02:09
差別の目を気にしないユウキとは対極的に、カブキは京都の住人に怒りを募らせていた…
もっとも善良な鬼を演じるために表向きは、その怒りを出さないように自制していたけど
3334
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 00:34:39
基礎体力を向上させる特訓と称してレンにイクササイズをさせる名護さんはさぁ…
レン(これ、本当に訓練になってるのかな!?あと思ったより疲れるなぁ……!)
なおイクササイズは割といい運動になることには違いないのでなんだかんだ体力をつける特訓にはなってる模様
3335
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 03:21:27
>>3322
>>3333
(…今の所マスターは、差別の目にもめげない善良な鬼とやらに見える、が……どうにも引っかかる。
…汝は一体…)
と内心カブキについて考えつつ、偵察やら情報収集やらなんやらをやってるアタランテ姐さん
3336
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 05:49:34
伊織は京都市外の山奥に住まいて日々剣術の鍛錬をしているそうな
まぁそれだけではなく、ご近所付き合いをして子供に多少指南をしたり
魑魅魍魎の退治依頼とかが来て京都市内をあちこち駆け回ったり(ちゃんと交通網を有効活用しています)
時には剣術対決や指南の依頼で他の道場や学校に出向いているそうな
そんでもって最近はセイバーも加わわり、聖杯戦争のこともあって一緒に行動している
ちなみに伊織の住居地においての一幕
セイバー「イオリ、ご飯のおかわりをください!」
イオリ(…セイバーというのはもれなく健啖家な英霊なのか?)
3337
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 09:39:16
アズラエルのロールは大企業の理事兼財閥の御曹司って、元の世界に近い感じだったっけな
その立場を利用してそれとなく他のマスターを探したりサーヴァントらしきものの目撃情報を集めようとしたりしている
世界ディエゴは今のところアズラエルの護衛として付いて回ってる感じだった
3338
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 09:39:51
舞衣は当初舞台が京都なのもあって、(…もしかして、此花さんの家もここに…?)と考えてたな、太牙にその事話して探してもらったりもしてみたけど、とりあえずこの京都には此花家は無いという事が分かった
元々親交があり、互いの立場ゆえ敵対した事はあるものの後に共闘したのもあって巻き込まれてない事にホッとしつつも、居たら心強かったとも思う舞衣であった
(ソシャゲであるとじともでは互いの家柄故か元から寿々花と知り合いな事が描かれてる、また寿々花は京都の名家出身)
3339
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 11:26:37
「そうだな、古今東西の英霊たちを迎え撃つんだ。城に居を構えて待つというのもいいだろう」
京都の街を見つつ格の高い霊地を物色する太歳星君
そうして目をつけたのは二条城、位置的にもここに陣地を築いて決戦まで見て回るのもやりやすいと判断した彼はそのまま城内へと歩を進めた
3340
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 11:27:21
聖杯から与えられる現代知識があまりないから現界当初はイリヤがタケルに頑張ってひとまず悪目立ちしないようにすることはできてたな
タケルは記憶にある江戸の街より発展した現代の京都とさらにご飯も容易く多様なものが食べられるのに感動した
3341
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 11:29:21
とある依頼で魔物討伐に向かったピトフーイと李書文
それら化け物が京都市内で暴れれば結構な被害が出るだろうが、今の2人では対した脅威にはならずあっさりと撃退してしまった
ピト「…あんた本当に強いのね、銃を持った私より多くの獲物を倒すだなんて」
李書文「この程度、肩慣らしにもならん。早く他の英霊と死合うてみたいものだな」
その討伐後の帰り道、今度はゴロツキみたいな輩達に囲まれてしまったピトフーイたち
どうやら魔物討伐や用心棒として好き放題やっていたせいでいつの間にか恨みを買っていたらしく、徒党を組んで彼女への報復に来たらしい
李書文「マスター、儂を召喚する前に一体何をやらかしたのか」
ピト「えー、弱い奴らの事なんか一々覚えていなーい」
モブ「てんめぇー、ふざけやがって!いくぞ、ヤロウ共!」
李書文「襲って来るようだが、殺めても構わんか?」
ピト「いや、死体の後始末が大変だから無力化だけにしてね(GGOなら勝手に消えてくれるのになー)」
李書文「仕方がない、なるべく手加減してやろう」
そうして始まった大乱闘だが、状況は極めて一方的な展開であった
ピトフーイは拳銃で足を射貫いたり、捕まえたゴロツキを盾にして攻撃を防いで投げ飛ばしたりと、上手く立ち回りながら乱戦を楽しんでいる
一方李書文は目にも止まらぬ速さで敵に近づき、槍を使わず己が拳のみでゴロツキ共を吹っ飛ばしていた
やがて動けない男達がそこらじゅうに寝転がり、場が静かになったところで2人は再び帰路についた
ピト「ねぇランサー、さっきの技はなに?拳法?」
李書文「…八極拳」
ピト「あれが八極拳!そっかぁ、あんた槍だけじゃなくてステゴロも得意なのね?」
李書文「日々鍛錬を欠かさなければ、あのくらいは容易くできるようになる」
ピト「じゃあさ、私にも八極拳を教えてよ」
李書文「…ほぅ?」
ピト「私、腕っぷしは強くてどんな銃器も扱えるけど、接近戦をもう少しカバーしたいんだよね。ね、どうかしら」
李書文「…朝の鍛練の時間であれば、少しだけ付き合ってやろう」
ピト「よしっ!それじゃあ明日から宜しく頼むね、ランサー!」
3342
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 11:36:56
魑魅魍魎がいる世界だからか、魔術や呪術も世間一般的には知られているんだよな
とはいえ悪用されないように極力秘匿されていて一般人が目にすることは殆どなく、万が一見られても事後処理で上手く誤魔化しているそうな
まぁ弊害として「これは魔術だ呪術だ」と偽って詐欺する輩もいるそうな
3343
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 11:53:08
実はレンは大学生でもあり、蓮子と同じ大学に通っているようだ
ただし原作でのリアル環境とは違い質素な暮らしをしていてある程度お金を稼いでおきたいのでアルバイトみたく荒事な仕事をやっているとか
3344
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 16:04:23
この世界の魔物、無闇矢鱈に人を襲うわけじゃなくて人語を話せて人間に友好的な人型の魔物もいるんだよね。
まあそういう魔物も魔物ってだけで差別を受けることはあるし、普通の学校には通えないんけどそんな魔物のために魔物や魔物に対して偏見ない者が通える学校が一部の善意ある人たちのボランティアによって経営されてる
ひぐらしの雛見沢分校みたいな、小さな学校だけどね
そしてユウキはその学校に通って学生生活も満喫していた
あと太牙は人間に友好的な魔物が理不尽な差別を受けてる場面を見ると、止めに入ったりしてたね
最終回後だけ会って、人間とファンガイアが共存出来る世界を望んでるからこの京都でも人間と共存出来そうな魔物には協力的な模様
3345
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 16:05:42
矢車さん「久しぶりだな、相棒」
影山「ただいま、兄貴。兄貴が俺を人間に戻してくれたんだね」
矢車さん「ああ。今度こそ俺と一緒に光を掴もう、相棒」
カズマ(なんかすごい格好の奴らだな。他人のフリしとくか)
矢車さん「おい、マスター」
カズマ(知らない、知らない)
矢車さん「俺のマスターに選ばれたってことは……お前にも願いがあるんだろ?それならお前も俺と一緒に戦ってもらおう」
カズマ「やだ。なんで俺がお前のワガママに振り回されなきゃならないんだよ。そもそも聖杯なんて胡散臭いし、それであいつ(ダクネス)を連れ戻してもあいつはどうせ怒るだろうし?」
影山「あいつ?もしかしてマスターにも大切な仲間がいるのか?」
そんな会話がキッカケでカズマは仕方なくダクネスの件を地獄兄弟に話した。ついでに流れで互いの自己紹介も
影山「たしかに自分から出て行ったなら聖杯の力で連れ戻しても意味ないかもしれないな。でもお前が元の世界に帰らないと、仲間達が心配するんじゃないか?」
そんなことを影山に言われてカズマは仲間達のことを思い出す
カズマ「あー、もう!しょうがねぇなぁ!元の世界に帰るために聖杯戦争に巻き込まれてやるよ!」
アクアが、ダクネスが、めぐみんが、ウィズが、クリスが――みんなが待ってる。
だからアクセルの街に帰るべく、カズマは決意する
カズマ(ダクネス。元の世界に帰ったら意地でもお前を連れ戻すからな)
矢車さん「どうやら聖杯戦争に参加する覚悟は決まったようだな、カズマ。……俺たちの未来のためにも、お前には意地でも優勝してもらう」
影山「一緒にがんばろうぜ、カズマ」
――さて、ここで僅かに方針の食い違いが発生する。
カズマは優勝狙いだが、とりあえず元の世界に戻る手段が見つかればそちらを優先するだろう。影山もそれに協力するつもりだ
しかし矢車さんは、影山に執着しているため絶対に願いを叶える。つまり優勝する気でいる。
影山の居ない世界など、本当に地獄としか言いようがないからだ
今でこそ影山の意志を尊重し、カズマの方針に従うつもりだが……優勝するためならどんな相手にも容赦しない
サーヴァント戦で勝ち目がなくても、クロックアップを利用したマスター狙いなど。手段さえ選ばなければ、聖杯戦争ではいくらでも勝つ方法があるのだから
3346
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 16:06:40
地獄兄弟が召喚される前、とりあえずカズマは元の世界に帰るために京都を散策してた
京都は和風だけどもちろんゲーセンなんかもあって、異世界生活が長かったカズマはつい懐かしさを感じで足を踏み入れる
ユウキ「うーん、UFOキャッチャーって難しいね!はい次、そっちの番!」
一護「俺もこういうの得意じゃないんだけどな……」
そんな感じでUFOキャッチャーを楽しむカップル。どう考えてもリア充です、ありがとうございました
ちょっと不機嫌になったカズマは拗ねてユウキ達がプレイしていた隣の台でUFOキャッチャーをする
そして持ち前の運の高さでアッサリと景品をゲット
ユウキ「キミ、すごいね!どうやって取ったの!?」
そんなふうに元気よくユウキが迫ってきたから、カズマとしても悪い気はしなくてユウキ達の台でUFOキャッチャーを実行
カズマ「UFOキャッチャーっていうのは、こうやって落とすんだ」
ドヤ顔で景品ゲットするカズマ。そして何故か一護に対して勝ち誇ったような表情をする
一護(なんだ、こいつ?俺、何かしたか??)
何故かやたらウザい態度をしてくるカズマに一護は困惑しつつも、三人はこうしてゲーセンで仲良くなった
ユウキ「ねえ、キミの名前はなんていうの?」
カズマ「佐藤和真だ」
ユウキ「ボクはユウキ!UFOキャッチャーって難しいけど楽しいね、カズマ!」
3347
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 18:24:53
ソリテールさん、元の世界より人間が豊富だから何人もの人間観察に勤しんでいるな
その過程で情報収集もこなしているようだが……『お話』した人間達、大丈夫だろうか?
3348
:
名無しさん
:2025/02/16(日) 23:42:53
>>3341
この大乱闘、終わってから暫くした後に通行人が惨状を見て通報したことでニュースとして報道されたんだよね
そこでピトフーイと李書文の身体的特徴がゴロツキ達の供述によって明かされた。ピトフーイについては銃を使ってることも明かされた
ピトフーイ「ねぇランサー、見てよこのニュース。私達、世間的にはすっごい悪役になってそうだよ!」
ピトフーイは自分達の特徴が報道されて、危険人物扱いされてることを喜ぶ
ピトフーイ「これだと正義感の強い奴が私達を成敗しに来るかもね。それとも勘がいい奴は私達が聖杯戦争の参加者だって気付くかな?どっちにしろ楽しみじゃない!?」
ピトフーイはイカれた女だが、李書文の願望を叶えるのには非常に適したマスターだ
李書文も他の英霊が自分達の存在に気付き、死合いが出来ることを望んでいるのだから
3349
:
名無しさん
:2025/02/17(月) 12:02:22
そういえば魔物や魑魅魍魎などは倒してもその場に残るし(一部の霊体とかは消える)、時には死体処理が必要になるよね
それと京都人も戦えば流血や負傷するし、酷けりゃ重傷に死亡もあり得て、場合によっては人外共に拐われて巣穴には白骨が残されたり、とゴア規制Zeroなんだよね
だからGGOの感覚になれたレンちゃんにはそこら辺のリアルに衝撃を受けそう
3350
:
名無しさん
:2025/02/17(月) 18:21:26
実はマヤ、呪術師の素質があって舞衣も通っている伏見の学園に通っているそうな
まぁ素質があるだけで能力の発芽とかはなく、将来の見習い程度に初歩的な呪術やその他通常の学業を学んでいるとか
もしかしたらザンキに鍛えられることで成長するかもね
3351
:
名無しさん
:2025/02/17(月) 20:37:04
そういえばキリトが仕事仲間からとある噂を聞いていたようで
曰く、銃器を扱う傭兵の中に弾道の射線が視認できる変わった人間が一人二人ほどいるとか、子供の様に小柄で異様にすばしっこくめっちゃ強い『ピンクの悪魔』がいるとか
キリト(射線が見える…GGOのシステムアシストみたいなものか?)
ちなみに用心棒や魔物討伐をしている聖杯戦争の参加者にも同じ様な噂を耳にしているだろう
3352
:
名無しさん
:2025/02/17(月) 20:54:23
美遊兄、とりあえず金銭がなければこの世界で暮らせない(=優勝出来ない)から用心棒などで金銭面はなんとかしている模様
聖杯戦争中なのでいざという時にいつでも交戦出来るために基本的にはアスナも同行している
あとは情報収集も地道にしている
最初こそ違う世界の聖杯戦争に巻き込まれて困惑していた美遊兄だが、やはり願いや過酷な境遇もあってこの聖杯戦争でも優勝すると覚悟を固めるのは早かった
そして美遊兄はアスナに提案する
美遊兄「もし狙えるなら、相手がマスターでも狙いたい。本気で優勝を狙うならそれが一番、効率が良さそうだ」
アスナ「それはそうかもしれないけど……マスターを狙うっていうのは人殺しと変わらないんだよ?」
美遊兄「……わかってる。それでも俺は願いを叶えたい。……バーサーカー、お前もユウキって子を幸せにしたいんだろ?」
アスナから願いやユウキのことを聞いているので、ここで名前を出す
我ながら悪どい方法だな、と美遊兄は内心で自嘲する
アスナ「それは、たしかにそうだけど……。それでも私は無害なマスターまで襲いたくないかな……。相手のマスターが悪人なら仕方ないと思うけど……」
アスナのその言葉を聞いて、更に畳み掛けなかったのは美遊兄の本来の優しさゆえか
美遊兄(……バーサーカーにまで俺と同じになれなんて、無理強いはしない。俺だって無害なマスターが居たら、容赦なく殺せるかわからないからな。それでも俺は――)
3353
:
名無しさん
:2025/02/17(月) 20:55:04
>>3348
名護さんと共に朝食をとっていたレンはこのニュースを見て思わず驚く
レン(このニュースの犯人、もしかしてピトさん!?私がアバター状態で連れてこられてるから、ピトさんも来てる可能性はあるよね。でも、ピトさんはもうこんなことしないはずだから……人違いかな?)
名護さん「そんな顔をしてどうした、レン。もしかして今のニュースに心当たりがあるのか?」
レン「それが……犯人の女の人の特徴が、私の知り合いと似てて……。でも、あの人はもうこんなことしないはずなんだけど……」
名護さん「ほう。一応、その女性について話を聞こうか」
そしてレンは、名護さんにピトフーイのことを教える
3354
:
名無しさん
:2025/02/17(月) 21:02:44
この世界でのメアリーは身寄りのない孤児という設定だったな
異郷の地とはいえ初めての外の世界に感激してたけどあれこれ欲しがるからお金を稼ぐためにインターラプターは魑魅魍魎から護衛する凄腕のヨージンボー(用心棒)をやってた
勿論真名に等しいニンジャネームは名乗らずワタナベで通していたけど
3355
:
名無しさん
:2025/02/18(火) 08:05:35
アルトリアが伊織と一緒に京都で外食をしていた時、偶然にも美遊兄が店を通り過ぎるのが出入り口から見えた
アルトリア(あの人影は……まさかシロウ?)
だがしかし、アルトリアの知る衛宮士郎とはあまりにも雰囲気が違う。なんなら見た目も僅かに違う
そうこう思案しているうちに、アルトリアは美遊兄を見失ってしまった
アルトリア(もしもあの人影が本当にシロウなら、私は――)
3356
:
名無しさん
:2025/02/18(火) 08:06:18
マヤの学費などを含めた生活費を稼ぐため、そして人々を守るという鬼の使命であり、ザンキ自身の信念のためにもザンキは魑魅魍魎を倒す依頼を受けたりしていた
もちろん誰かが襲われていたら無償で助ける。それが鬼の仕事だからだ
なお聖杯戦争ということもあり、マヤも同行してる模様
そしてマヤはザンキの生き様に憧れた
マヤ「師匠、かっけー!私も師匠みたいな鬼になりたいな!」
ザンキ「鬼というのは一つの生き方だ。常に自分に勝つ、そういう生き方だ。……ただな、マヤは自衛のために修行させているだけで、出来るなら鬼の道に巻き込みたくないけどな」
それがザンキの本心だ
ザンキはマヤを危険な巻き込みたくない。鬼が如何に危険な生き方か、ザンキはよく理解している
マヤ「えー!でも私も師匠みたいになりたい!」
ザンキ「……とりあえず、鍛えられるだけは鍛えてやる。でもな、俺を真似るんじゃない。自己流でいけ」
3357
:
名無しさん
:2025/02/18(火) 08:25:14
普通に通学して、普通に勉強して、普通に友達らしき女子とたわいのない話をして…
イリヤ(なにこれ…ちょっと斬新!)
これまで濃い面子と魔法少女バトル+ドタバタコメディの日々を送っていたイリヤにとって、(今のところ)平穏な日常を送るという行為に対してギャップを覚えていた
ついでにいうと破天荒な先生なんていないし、元いた世界のクラスメイトのように尖った同級生はいないし(あーでも変わった趣味を持った子は何人かいるかも?)
ゆえに聖杯戦争に巻き込まれていることを隠しつつこの世界のロールを演じることで普通は得られぬ“普通”を体験しているところだった
イリヤ(でも、やっぱり…)
全く新しい環境に自分一人だけ、まるで世界の異物であるかのように感じてしまう
つまるところ、騒がしくても顔見知りの親友や仲間、あとマシカルルビーがこの場にいないことに物足りなさや寂しさ、不安を感じてしまうのであった
以下、若干関係のないTips
セイバーは魑魅魍魎に襲われたイリヤを助けてくれた恩人、ということにしてしばらく居候してもらう、という些か無理矢理な方法で家族にも認知してもらっているようだ
3358
:
名無しさん
:2025/02/18(火) 08:29:52
>>3348
「ほう…随分な乱暴者がいるようだな」
喫茶店で優雅な時を過ごしていたシロッコは偶然喫茶店のテレビでそのニュースについて知る
マスターとしてこの世界に呼ばれてから過ごして来た日々で彼はこの世界の情勢についてある程度把握する事ができていた
(この地にいる人々でここまで好戦的でかつ暴れる者はそういない、小さな俗物たちがほとんどの中でこれだけ者となれば…)
ニュータイプの能力でこの世界の住民の思念を大まかに把握していたシロッコには件の人物が外れている者だと感じていた
協力者兼キャスターの対戦相手を揃える糸口を探していた自身にはチャンスであると考え、その事件のあった場所へと移動するのだった
3359
:
名無しさん
:2025/02/18(火) 11:32:05
歩兵用新型武装の試験運用・データ収集の現場にアズラエルは視察名目で赴いた
自社傘下の私設部隊が特定エリアを封鎖し、魑魅魍魎や魔物を新兵装を用いて駆逐していく
その出来映えに一定の評価を下しつつ、アズラエルは内心不満を懐いていた
アズラエル(あんな化け物ども、軍を動員すればもっと簡単に駆逐できるだろうに)
今回の舞台となる京都では古都の文化遺産を保護する名目もあり、災害級の緊急事態でない限り軍隊および破壊規模の大きい兵器を使えないように法令で定められている
魑魅魍魎や魔物たちも軽装備で対処できるパターンが多いため、公的機関や民間による討伐で大体間に合っていた
3360
:
名無しさん
:2025/02/18(火) 12:53:05
ディエゴ「確かに凄い武器だな、生前の俺でも一溜りもないに違いない」
アズラエル「だけど、サーヴァントには効かないんだろう?」
ディエゴ「あぁ、神秘なき現代兵器では、霊体である俺達には通用しない」
アズラエル「…となると、敵となる主従がいたらマスターを狙うべきか」
今この場には用心棒として自分に付き従うライダーしかいない
ゆえに彼らは認識を改めるべく、今後の戦い方について話し合う
ディエゴ「あるいは魔術など神秘を扱う輩であればある程度の影響を受けるだろうが、そいつらも対した脅威にはならない」
ディエゴ「もっとも、マスターみたいな人間には害を為すだろうな。そいつらなら弾丸を見舞うことはできるが、逆にどんな手品を使ってくるかは分からない。ま、用心することだな」
アズラエル「魔術師、ねぇ…」
魔術師、呪術師、あるいは異能を使うもの
それらの噂はアズラエルも聞いている、自分達普通の人間(ナチュラル)とは違う人種、あるいは化け物か
公的には存在を明かされているものの未だ秘匿性が高く中々尻尾を掴ませない存在
アズラエルはそれらを厄介な存在と認識しつつも、もし敵対するならば私兵を動かし物量で勝ればいいと考える
3361
:
名無しさん
:2025/02/18(火) 12:53:37
柳瀬舞衣は学園では優等生の部類である
元々刀使として日々精進していたから当然であり、その上気立ての良さゆえに他生徒や教師からも評判は良好であった
学園でも討伐依頼が来て実戦を行う事が多く、個の戦闘能力も指揮能力も評価されていた
舞衣(可柰美ちゃんや他の皆に比べれば、私なんてまだまだなんだけどな)
ちなみにアサシン・登太牙は近くにはおらず、彼女は従者なしに伏見の学園にいる
他の主従に狙われた時には危険がおよぶかもしれないが、今はまだ始まったばかりだからまだ大丈夫であると二人して判断した
また太牙が人間と異種族との共存を目指していること、その為に京都を見て廻りたいと願い出たのもあり彼女は了承していたのだ
そして舞衣は学生生活をしつつ、もし善良な魔物とかを見かけた時には太牙の意思を尊重し危険が及ばないところに逃がすのを手伝っている
それと無論のことだが、舞衣も太牙も聖杯戦争に関わる情報を集めようと動いており、毎夜合流して意見を交わしている
3362
:
名無しさん
:2025/02/18(火) 16:59:48
ザンキと同じようにカブキも無償の人助けはするけど、それは善良な鬼を演じるためで本心からの優しさじゃないんだよね
でも子供を守る時だけは、本心から動いている
だがカブキが助けた際、鬼に変身するカブキを化け物呼ばわりしてカブキが変身解除すると同時に懐からボールペンを取り出し突き刺そうとする大人も居た
もっともカブキの身体能力ならば生身でも余裕で受け止められるが、そこに太牙が割って入り、カブキを襲った大人の腕を掴む
太牙「怪我はないか?」
カブキ「大丈夫だ、ありがとうな」
そんな太牙の良心に、カブキの心は少しだけ救われた
もっとも、カブキの恨みは深いのでまだ人間に復讐するつもりだが……
そして太牙はこの世界で起こっている差別や迫害の深刻さを実感した。カブキを迫害した大人は、明らかにカブキを殺そうとしていたからだ
太牙(渡……。人間と人外の共存の道は険しいな。だが俺は、決して諦めない)
3363
:
名無しさん
:2025/02/18(火) 18:23:25
>>3362
この時アサシン特性ゆえか、カブキは太牙がサーヴァントであることに気付いていないんだよな
一方でザンキも令呪を(たぶん呪術で)隠していたからマスターであることを気付かれずに済んでいた
3364
:
名無しさん
:2025/02/19(水) 04:16:49
夏油「くくっ…あははははっ!」
玉藻「おや、どうかなさいましたか、マスター?」
夏油「いやー、まさかこの僕が特別教師として呼ばれるだなんて、全く想像しなかったよ」
玉藻「それはそれは」
送られて来た書状を確認した夏油は、その内容について思案し始める
曰く、若き将来のある呪術師たちのために何度か講演をお願いしたい、という伏見の学園からの依頼であった
――この世界では「夏油傑」の名前は「最悪の呪詛師」として認識されておらず、一流の呪術師として界隈では一定の認知度を得ていた
宗教団体での活動も「霊障の被害者を救っている崇高な方」という側面で見られてもいるようで、彼が腹の内で「非呪術師の殲滅」を目論んでいるなんてこの世界の人間には知るよしもなかった
夏油「各所に猿共が関わっているのが気に食わないが、この世界の呪術師がどんなものか見てみるのも悪くはないね」
玉藻「でしたらお引き受けなさるのですね。ならば私も優秀な助手としてご同行を」
夏油「いや、キャスターには別に調べて欲しいことがあるんだが」
玉藻「ミコーンッッ!?」
この会話の少し前、夏油は信者からの報告を受けた際に「鬼のような姿に変じて人助けをする用心棒が京都にいる」という内容を少し気にかけていた
更に詳しく聞いてみると、その姿が災いして助けられたはずの人々から差別を受けている、という噂も付随していたという
それが呪術師かそれに類する者であり、その上自分と同じく猿どもを憎んでいる可能性もあると夏油は推察し
であれば自分は学園の視察と情報収集を行う間に、キャスター・玉藻の前にその者の捜索・交渉などを分担作業として頼むことにしたのであった
ちなみにマスターの傍から離れたくないと主張するキャスターであったが、マスターとしてバレないように行動すること、万が一の時には令呪を使って呼び戻すこと、などと夏油に言い聞かせられて渋々別行動を了承したそうな
3365
:
名無しさん
:2025/02/19(水) 05:29:32
>>3351
キリト(……そういえばこの世界には魔術や呪術が使える人も居るって聞いたことあるな。もしかして魔術や呪術が使えたらそういうことが出来るのか?)
まさかアバターの姿でGGOのシステムが使える者が聖杯戦争に居るなんて思うはずもなく、そんなふうに考えるキリト。キリトが現実世界の肉体〝桐ヶ谷和人〟として参加しているから余計にこの世界の常識に合わないことには思い至らなかった
キリト(俺もそういう能力が使えたら、もっと戦えるようになるのかもしれないな)
そこでキリトは魔術などに興味を持ったが果たして彼にその才能はあるのだろうか?
3366
:
名無しさん
:2025/02/19(水) 07:58:43
>>3347
物腰の柔らかさとかから友好的な人型の魔物って認識されやすいだろうからな
魔族にとってそれは息を吸うように簡単で特にソリテールは殊の外それが上手いから…
3367
:
名無しさん
:2025/02/19(水) 12:02:25
タタタタタッ タタタタタッ
タタタタタッ タタタタタッ
小気味よく鳴り響く掃射音
連動して有象無象のなにかが穿たれる
討伐依頼を受けたレンは名護さんと一緒に現場に向かい、魑魅魍魎の群れと戦っていた
それらを放置してしまえば平穏に暮らす人々に危害が及ぶかもしれない、ゆえに稼ぎのためだけではなく京都を護るためにレンは今日もP90を構えて続ける
名護さんが白兵戦で敵を薙ぎ払い、レンが銃弾でもって敵を撃つ、それはGGOで遊んでいた頃と変わらない光景のようにも見えた
しかし、如何にレンがアバターの姿であろうとも、この世界はリアルに映し出してくる
傷ついた魑魅魍魎は血のようなものを噴出し、息途絶えるとその場に倒れて物言わぬ骸へと変貌する
GGOであればゴア規制によりそのような生々しさはなく、加えて倒されたモンスターもすぐに消失していたが
目の前にいる魔性のそれらはすぐに消えることなく、普通の生物よりかは早めに自然消滅するもののその間はグロテスクさが残り続ける
その世界観の差違を意識する度にレンはちょっとした嫌悪感を抱くものの、それ以上に他者が流血するところを見たくないがために彼女は奮闘していた
レン「通信?…えっ!名護さん、別の群れが住宅地に向かっている、って!」
名護さん「本当か!すぐに向かいたいが、こっちもまだ片付いていない!」
レン「私が先行して向かいます!名護さんはこの場をお願いします!」
名護さん「了解した!俺もすぐに片付けて向かう、だから無理はするなよ!」
驚異的な脚力で瞬時に移動できるレンが適任と判断し、二人はしばし別れて行動することとなる
先程戦闘していた場所から少し離れたところにて新たな魑魅魍魎の群れを確認したレンは、一息つくこともなくP90を掃射した
しかしレン一人で捌ききれない程の物量であったために押し留めるにしても限度があり、何匹かに突破されてしまい
その上運が悪いことに、その進行方向には避難が遅れた一般市民の姿があった!
化け物が牙を剥くまで残りわずか、レンの攻撃も間に合わない!
恐怖に戦いた悲鳴が鳴り響き、回避できない惨事が迫り来る!
「二河白道」
だが、その瞬間は訪れなかった
両手に二本の刀を持った青年が一人、瞬く間に化け物達を斬り伏せていたのだ
さらに別の化生が押し寄せるが、今度は西洋の騎士の姿をした女性によって薙ぎ払われていた
アルトリア「大丈夫ですか、イオリ」
伊織「ああ、問題ない。怪我はないか?問題なければ、向こうに避難してくれ」
騎士が男に声を掛けつつも次々とやってくる魑魅魍魎を対処する、不可視の何かを用いているのはわかるがその時のレンにその判別は難しかった
男は応じつつ、恐慌状態の市民の安否を確認してこの場から逃げるように促すと、その指示以外に考える余裕もない様子で不運な現場に遭遇した通行人は急いでその場から離れていった
アルトリア「敵性存在がまだ残っています、このまま殲滅しましょう、イオリ」
伊織「ああ、そっちの…子供か?なんでもいい、戦えるなら手伝ってくれるか?」
レン「…えっ、あ、はい」
二人の剣士の戦う様に一瞬だけ見惚けていたレンだが、彼らに共闘を持ち掛けられると我に返り、集中し直して魑魅魍魎に向かって火を噴いた
三人掛かりでその場にいた群れを掃討するのにそれほど時間は掛からず、やがて住宅地のすぐ傍は再び静寂を取り戻した
3368
:
名無しさん
:2025/02/19(水) 12:41:09
一護、普段は死神状態じゃなくて私服を着てるんだよね
だからユウキと京都観光してる時も特別目立たず、カズマと交流出来たりした
3369
:
名無しさん
:2025/02/19(水) 12:42:01
>>3346
カズマ「UFOキャッチャーくらいならまたいつでも取ってやるよ」
ユウキ「ありがとう、カズマ!」
ユウキの天真爛漫な振る舞いにスッカリ毒気が抜けたカズマであった
まあ根はなんだかんだお人好しなのがカズマだ
しかしユウキの言動や姿で気になったことがあるので、質問する
カズマ「なあ、俺は偏見がないから質問するけど、ユウキって人間じゃないの?」
ユウキ「ボクは人間だよ。ちょっと訳あって今はゲームのアバターの姿だけどね」
カズマ「UFOキャッチャーでそこまで嬉しそうにする人間か。もしかしてお前……ヒキニートなのか?」
ユウキ「ある意味、そんな感じかな」
ユウキの返答に僅かに親近感を覚える元ヒキニート、カズマ。
そんなカズマに一護が声を掛ける
一護「別にユウキはヒキニートじゃねえよ。コイツは病弱だからアバターの姿で活動出来るようになるまでロクに生身で外を歩けなかったんだ」
カズマ「なんだ、そうだったのか。まあそういう技術が発展して良かったじゃないか」
病弱の少女――と聞いて同情心もわいたが、本人が楽しそうなのでカズマはあまりそこまで根掘り葉掘り聞くつもりもない。むしろ普通に接してやるのが彼女とためだろうと考え、適当に返事をする。
ちなみにアバターの姿というのは意味不明だったが、異世界転生した経験から〝この世界にはそんな技術もあるんだな〟と納得した。
ユウキ「うん。そのおかげでカズマに出会えたからね!」
満面の笑みで返事をするユウキ。病弱の少女でもこんなふうに天真爛漫に振る舞えるこの世界は、ちょっと優しい世界だな――とカズマは思うのだった
3370
:
名無しさん
:2025/02/20(木) 06:45:39
>>3358
ピトフーイ「あはははは!やっぱり来たわね!」
シロッコが向かった場所にはピトフーイと李書文が居た
ニュースになったことだし事件の現場で待っていれば誰かしら来るだろうと考えて、二人は事件現場で待ち構えていたのだ
ピトフーイ「随分と独特な見た目の男ね。でもここに来た勇者様ってことは――」
ピトフーイは銃を構え、ニヤリと笑う
ピトフーイ「私を楽しませてくれる相手ってことだよねえ!?」
3371
:
名無しさん
:2025/02/20(木) 06:46:46
地獄兄弟とカズマは仲間探しと聖杯戦争、及びこの世界から元の世界に帰るために三人で情報収集しつつ、魑魅魍魎を狩る依頼などを受けて金を稼ぐ
愛犬を探してほしいという軽い依頼も受けたが、その時のこと。
影山「いいよなぁ、あの犬……褒められてる」
矢車さん「以前もそんなことを言ってたな、相棒。あの時は光を求めるなと否定したが……今度こそ光を掴むぞ……」
影山「ありがとう、兄貴。ああ、今度こそは……!」
以前と同じセリフを口にする影山に対して、今度は何も否定しない矢車さん。それは光を求めたが、掴めなかった者だからの言葉でもある
カズマ「いや、俺たちも色々な依頼人に感謝されて報酬ももらってるだろ」
影山「そういえばそうだった。誰かに感謝されるのってさ、嬉しいよな、カズマ……」
しれっとツッコミを入れるカズマだがその言葉は影山にとって嬉しいことに気付かされるもので、影山は喜んだ
カズマ「たしかに、感謝されて悪い気はしないよな」
影山「そうさ。だから俺はサーヴァントとしてじゃなくて、俺自身の意志でカズマの力になりたい」
カズマ(影山って見た目はアレだけど性格は悪くないんだよな、性格は。でも矢車は――)
矢車さん「今、俺のことを笑ったか?カズマ」
カズマ(笑われたくないならそのダサい服をなんとかしろよ――って言いたいけど、言ったら絶対にめんどくさいんだろうな……)
そこでカズマは適当にやり過ごすことに決めた
カズマ「気のせいだろ」
それから三人で仲良くカップラーメンを食べた
矢車さんは料理の腕がすごいのだが、そんなことカズマは知らないし、矢車さん自身がやさぐれてからは料理を作る気もないのでこうして不摂生な飯を食らう日々だ
カズマ(そろそろカップラーメン生活にも飽きてきたな。ていうかあいつら、いつも兄貴塩と弟味噌とかいうカップラーメン食べてるけど飽きないの?そもそもなんだよ、そのネーミングセンス)
3372
:
名無しさん
:2025/02/20(木) 06:47:31
カブキとザンキ、どっちも人助けはしてるんだけどカブキは「人を助けるのが、鬼の仕事だからな」って誰かを助ける度に言ってるからザンキより噂が広まってるんだよね。もちろんこれは、善良な鬼を演じるためだ
ザンキは別に自分のことをわざわざ鬼だと自己紹介しないから
3373
:
名無しさん
:2025/02/20(木) 06:48:21
>>3364
人助けをして、変身解除する瞬間のカブキを玉藻は発見した
しかし助けられた人は「鬼のお前も化け物だ!」と叫ぶと一目散に逃げ出す。もちろんカブキに非はないのに、だ
そして誰かに見られてる視線に気付いたカブキは口を開いた
カブキ「おい。なんだお前、さっきからジロジロ見てきてよォ」
ちなみに口調こそ荒いがこれはカブキが元々そういう口調というだけで、別に怒ってるわけじゃない
3374
:
名無しさん
:2025/02/20(木) 06:54:46
>>3367
アルトリア「片付きましたね、民家にも被害は出ていないようです」
伊織「それは良かった。それとそこの君にも、ご助力痛み入る」
周辺の状況を確認した後、伊織は共闘してくれた少女(レン)に礼を尽くす
レン「いえ、こちらこそご協力いただきありがとう、ございま、す…」
一方、戦いが終わって落ち着きを取り戻したレンは、被害を抑えてくれた彼らを見据えてお礼を返そうとするが、その時になってある事実に気付き言葉尻の歯切れが悪くなってしまう
そのタイミングで伊織たちの足元に一発の弾丸が着弾する
それが牽制の類いであるとわかっても伊織とセイバーはその場から少し後退しながら警戒態勢に切り替えていた
その凶行はレンのものではなく、新たに駆けつけたもう一人、謎のスーツを纏った者によるものであることは明白であった
名護さん「レン君、大丈夫か!」
レン「アーチャーさん、私は大丈夫です…それよりも」
名護さん「あぁ、相手は…セイバーか…?」
別の場所での討伐を終えた名護さんがレンの横に並び立ち、伊織とセイバーを見据えつついつでも戦えるように身構えていた
ちなみに駆けつける途中でサーヴァントの気配を感じ取り、状況が読めないながらもマスターの安全を優先しがゆえに名護さんは先程の行動を起こしたのであった
一方でレンは、魑魅魍魎との共闘の祭には気付かなかった相手の正体、あの少女が剣の英霊であることに気付いて驚きと焦燥を抱いていたが
しかして所持したP90を構えることなく、ただ伊織達を見据えるのみ
伊織「よもや、このような場所で盈月の儀の参加者に遭遇するとは」
レン「盈月の、儀?」
名護さん「たぶん、聖杯戦争のことを指しているのだろう」
アルトリア「それで、貴方達はこれからどうするつもりですか?」
名護さん「それはこちらの台詞でもあるがな」
英霊同士の邂逅、一触即発な状態での緊迫感が新たにその場を支配する
双方共に想定していなかった事とは言え、すでに聖杯戦争の渦中に呑まれている身
いつでも戦えるように、相手がどう行動しても即座に対応出来るように気を張り詰めている
レン「ちょ、ちょっとも待ってアーチャーさん!」
名護さん「なんだ、こんな時に」
レン「実は私、あの人達と一緒にここにいた群れと戦っていて」
名護さん「何?」
レン「たぶん私一人では対処しきれなくて市民を守れなかった、だけどあの人達が駆けつけてくれたおかげで最悪の事態を防げた」
レン「たぶんあの人たちは悪い人達ではない…だから、私としては今はここで戦うつもりはあまりないんだけど…」
ある意味彼らがいたおかげで助けられた、そんな思いもありレンはこれ以上の戦いには乗り気ではなかった
それに二人の剣士の戦う様はあまりにも洗練されて、もし彼らと交えることを考えると些か不安を感じずにはいられなかった
名護さん「だが君は聖杯戦争を勝ち抜くつもりなんだろう?ならばいずれは彼らとも戦う時が来るかもしれない、それを今やらずに後回しにする、と?」
レン「そ、それは分かっているよ!でも…」
名護さん「…まぁいい。セイバーとそのマスター、今の話は聞こえていただろう。俺達、いやマスターが戦いを望んでいない」
名護さん「それを聞いた上で、お前達はどうする」
そうは言いつつも、名護さんは未だ警戒を続けている
レンの思いを聞いてそれを無碍にするつもりもないが、如何せん相手がそれを無視して攻めてくる可能性がまだ充分にある
レンが言う通りに人々を守る行動が取れる善良な陣営なのかもしれないが、だからといって聖杯戦争の理に従わない主従であるという保証もない
未だ危険と隣り合わせであるものの、こうなっては相手の反応を確認しなければならない
このまま争いなく終わるのか、あるいは――
3375
:
名無しさん
:2025/02/20(木) 06:55:16
伊織「――俺は」
アルトリア「!?気を付けてください、イオリ!!」
伊織がどのように返答するか、それを口にする前にアルトリアが声を張り上げる
それと同時に、二組の主従の周囲に異変が訪れる
――上空には複数の大剣が突如として現われ、それらが一斉に彼らへと降り注ぐ
自然落下ではなく一直線に、主にマスターを狙っての致命的な刺突が迫り来る
これが常人であったり、生半可な戦闘能力を持つ者では対処しきれずに酷い目に遭っていただろう
だがそうはならない、何故なら尋常ならざる守護者がその場にいるのだから
アルトリアは刀身を晒すことなく大剣を打ち払い、場合によっては粉砕する
名護さんもイクサカリバーによる銃と剣を使い分けて大剣に対処し、必殺技《イクサ・ジャッジメント》で一度に複数を爆散させる
マスターの二人も破壊はできずとも各々対処する、伊織は応刀を駆使して攻撃をいなし、レンは紙一重ながらも自前の俊敏性で回避する
やがて2騎の英霊によって大剣の殆どは使いものにならなくなり、残りの大剣もやがて浮力を失い墜落しながら消失した
伊織「なんだ、今のは」
アルトリア「たぶん、我々以外のサーヴァントによる攻撃ではないかと」
伊織「姿も気配も殆ど感じられない…もしや、暗殺者の英霊の仕業か?」
アルトリア「えぇ、その可能性が高いです。ですがこの様子だと既に離脱しているかもしれません」
その予想通り、犯人であるソリテールは2組の陣営がいるあの場から遠く離れていた
ソリテール「小手調べで少しだけ魔法を使ってみたけど、やっぱり英霊って強いわね」
宇佐見蓮子から離れて一人で動いていたソリテールはサーヴァントの気配を感じて現場に向かい、二組の主従が対峙している場面を目撃する
どうしようかと少し思案して、ちょっとした思い付きで大剣を生み出す魔法を行使し、どのように反応するかを“観察”することにしたのだ
とはいえ、主が傍にいない状態で全力を出せるわけもなく、尚且つこの場では敵を討ち取ろうなどとあまり考えていなかったので、大剣をそれほど多く出すことなく本当に様子見程度しか行っていなかった
ソリテール「まぁ少しだけ彼らの事を知ることもできたし…今度は実際に『お話』でもしてみようかしら?」
ソリテールは極力気配を消していた
姿を見せず、声も発せず、あの場にいた二人と二騎に自分の痕跡を残さなかった
つまり正体が気付かれていない状態の見ず知らずの他者として、彼らに近付いて『お話』をしてみようと考えていた
無論警戒はされるだろうけどさすがにすぐさま攻撃することはないだろうし、仮に戦闘になったとしてもそう易々とやられるつもりもない
それよりも、聖杯戦争に参加しているマスターという人間に強い興味を懐いき、『お話』をして色々と知りたいとも思うソリテールであった
3376
:
名無しさん
:2025/02/20(木) 08:26:29
京都市内にあるアパートの一室。そこで一人の少女が窓から月明かりが照らす星空を見上げていた。一見、美しい夜空に見惚れているように見えるがそうではない。少女は夜空と腕時計を交互に見ながら23時58分30秒、23時59分41秒とぶつぶつ呟いている。
「…0時00分ジャスト。私の"眼"に狂いはないようね」
「天体観測お疲れ様、と言っておこうかしら。それで何か分かった?」
「そうね、ここが確かに日本の京都府であることが分かったわ。最も私がいた時代よりずっと昔だしおまけに妖怪の実在が当たり前なんて愉快な世界だけど」
星空を見上げていた少女こと宇佐見蓮子は自身が召喚したというサーヴァント、ソリテールにそう告げる。
蓮子は星の光で今の時間が分かり、月を見ただけで今居る場所が分かる能力を持っている。その能力でもって本当にここが京都なのか確かめたのだ。
悲しいかな相方の境界を視る能力と比べたらなんてことない異能だが、それでも長年付き合ってきた自分の能力。その正確さには自信があった。
「流石に慌てたわよ。朝起きたら街の様子が様変わりしてるし、あなたが隣にいて聖杯戦争とやらについての話をされるし」
「あの時のマスターは中々見ていて愉快だったわ。まあ私も聖杯戦争やニホンという国についての知識は全て聖杯から与えられたものなんだけど」
「流石に今は受け入れたけど最初は夢かと思ったわ。…メリーもこんな気持ちだったのかしら」
ソリテールに告げられた霊都京都で行われる聖杯戦争という儀式。
最初は懐疑的であったが、大学の図書室で調べてみたこの世界での"現代史"や、ニュースで当たり前のように報道されている妖怪や魔物絡みの事件等で否応なしに自分が異邦の京都に迷い込んでしまったことを自覚させられた。
「今日は休日だし、朝になったらちょっと京都と他県の境界線について調べてみようと思うからよろしく頼むわ」
「聖杯戦争から逃げるつもり?」
「まさか。どんな風に私達を閉じ込めてるか確かめるだけよ。そもそもここは私のいた世界じゃないんだからこの京都から出られたとしても何の解決にもならないし。
……まあ殺し合いなんてゴメンなのは本音だけど、聖杯戦争やこの世界は本当に興味深いわ。次から次へと調べたい、試したいことが浮かんでくるの」
「ふふ、それを聞いて安心したわ。もしかしたら私はマスターの"知識欲"が縁になって喚ばれたのかもね」
にこりと笑うソリテールにどうにも落ち着かない気分になる蓮子。ソリテールの容姿は頭部の二本角を除けば愛らしい少女といって差し支えないもの。しかしその笑顔はどうにも能面に貼り付けたような気味悪さを覚えてしまう…。
「とにかく私は今から寝るから。おやすみなさいソリテール…アサシンって呼んだ方がいいんだっけ」
「私の場合はどちらでも問題ないけど、まあ他の主従に遭遇した際に違和感を持たれないようにアサシンで通した方がいいと思うわ。おやすみ、マスター」
3377
:
名無しさん
:2025/02/21(金) 03:04:59
アタランテがカブキとは別行動で偵察している時に二条城にも調べに行ってたね
霊地として優れてい場所として睨みを効かせてみたら、案の定キャスターの陣地として異様な妖気を感じ取っていた
一方太歳星君もサーヴァントの気配を感知、アーチャーが近くにいることを確認していた
3378
:
名無しさん
:2025/02/21(金) 05:04:24
>>3373
玉藻「あらあら、噂の御仁とやらは思ったよりも粗暴な無頼漢のようですわね」
カブキ「ちっ、開口一番でなんて言い草な女だぁ。…いや、思った以上に面妖なサーヴァントのようだな」
目の前に現われた女性をじっくり見ているうちにじんわりとパラメータを視認したのだろうか、あるいはその特異な気配を感じ取ったのか
得体の知れない脅威が現われたがゆえに、カブキは再度鬼の姿に変身して臨戦態勢に入る
アーチャー曰く、マスターが鬼に変身してもなるべくサーヴァントとの戦闘は避けるべき、英霊というのは人智を超えた化け物である、と言い聞かされてはいたが
紛いなりにも強い魔化魍や鬼と戦っていたカブキにとって、サーヴァント相手だからといって尻尾を巻いて逃げるつもりはなかった
――もっとも、戦ってみて手に負えないようであれば令呪を使ってアーチャーを呼び戻すつもりでもあったが
玉藻「ストップストップ。私、この場であなたと戦うつもりはありませんわ」
カブキ「あぁん?じゃあ何の用で俺の前に現われたんだぁ?」
玉藻「あなたみたいな鬼のことを、私のマスターが呪術師か呪詛師ではないかと興味をお持ちでして」
玉藻「よろしければ、私のご主人様と一度お会いになってお話をしてみませんか?」
3379
:
名無しさん
:2025/02/21(金) 08:04:00
>>3370
突如現れた2人に対しシロッコは落ち着いたまま対峙する
そしてすぐ自身に銃を向けるピトフーイを見て彼に付き添っていた式神が2体シロッコの身を守ろうと彼の前に立つ
そんな状況の中でシロッコは彼女を見てその思念を読み取る
(なるほどこの女が下手人というわけか…そして睨んだ通り随分と好戦的なようだ。フフッ…この感じはヤザンを思い出すな…)
内心そんなことを思いながらシロッコは両手を軽く上げ掌を見せてこの場で戦う意思がないこと告げる
「すまないが私は勇者ではなく立会人でね、今君たちとやり合う術を持たないのでね、この式神もあくまで最低限の護衛といったところだ。だが代わりに私は君が望む戦いの場を用意することができる」
まずは今の自身は無力であると示して戦意を削ぐ
戦闘を欲するならばサーヴァントも出さずに無抵抗の存在を即座に殺すのは避けると彼は推測する
「と言っても今それを言っても信じてはもらえないだろう、信頼してもらうために提案させて欲しい。私が召喚した最強のサーヴァント…キャスターをその目で見てもらいたい」
シロッコはキャスターとの戦いを出しに使いランサー陣営と交渉を試みる
ランサーの方はまだ未知数だがこの提案に惹かれるのであれば一時的に手を組めないかと模索していく
3380
:
名無しさん
:2025/02/21(金) 08:32:37
>>3362
カブキ「……大人がみんな、お前みたいな奴ならいいんだけどなぁ。鬼は鬼ってだけで差別されるからよぉ」
カブキは太牙にそんな言葉も漏らしてる
これは嘘偽りないカブキの本音。太牙もそれを聞いたから、余計にこの世界の差別問題に対して真摯に向き合わなければならないと思ったんだよね
3381
:
名無しさん
:2025/02/21(金) 08:33:45
>>3375
レン「……何も来ないね、アーチャーさん」
名護さん「ああ。そこに居るセイバーの言う通り、この場から去った可能性が高いな」
レン、名護さん、伊織、アルトリアの四人はしばらく次の攻撃を警戒していたが、静寂が訪れてアルトリアの予想通りアサシンだと思わしきサーヴァント(ソリテール)がこの場から去ったのだと確信に至る
名護さん「とんだ邪魔が入ったが……答えを聞こうか。セイバーとそのマスター」
アルトリア「イオリ。私は相手に敵意がないのなら、戦う必要がないと思います。それよりも今は先程の卑劣な攻撃を仕掛けてきたアサシンとそのマスターを討伐するのが先決するべきじゃないですか?」
伊織が答える前に、アルトリアが声を掛ける
アルトリアは美遊兄を自分の知る士郎だと思い、そんな彼とは戦いたくないという気持ちがあった。それに此度の聖杯戦争ではアルトリアに願いがなく、邪悪ならば破壊する気でさえいる。ゆえに相手が危険人物でなければ戦いは避けたいというのが本音だし、士郎やレンのような善良なマスターを守るためにも今はソリテールを倒したいという思いが強かった
伊織「ああ、うん。俺もお前と同じ思いだ、セイバー。俺達を襲撃したアサシンを放置したら民草の多くが死ぬだろう。――悪しき事、許されぬ事だ」
伊織はあっさりとアルトリアの意見を肯定した。
強者と死闘をするにしても、先程のようにマスター狙いの不意打ちで水を差されるのは困る
ちなみにソリテールは容赦なくマスターを狙うことは先程の襲撃で理解しているが、それに怖気付く伊織ではない
名護さん「……なるほど。君達も俺と同じ考えか」
レン「それはアーチャーさんも私達を襲ったアサシンを倒そうと思ってるっていうこと?」
名護さん「そういうことだ。俺はああいう悪人が嫌いでな。それにマスターを狙うサーヴァントなんて卑怯者は余計に許し難い存在だ」
アルトリア「どうやらお互いに意見は一致したようですね」
名護さん「そうだな。ちなみに俺達はレン君を元の世界に帰すために聖杯戦争で優勝するつもりだ。何か別の方法が見付かれば方針は変えるが、もしも優勝するしか手段がなければ――」
アルトリア「――わかりました。その時は正々堂々と勝負しましょう、アーチャー」
レン「とりあえず私達を襲ったアサシンの情報交換がいつでも出来るように連絡先を交換しませんか?……私はあまりあのアサシンと戦いたくない、けど……」
伊織と違い、レンはソリテールが怖かった。当然だ、流石のレンとはいえマスター狙いの攻撃を立て続けに繰り出されたら回避出来るかどうか怪しい。もちろん名護さんのことは信用しているが、それでもやはりマスターを狙うサーヴァントという存在は危険だと考えている
アルトリア「無理をしなくても良いですよ。さっきのアサシンは、私達が倒します。……ですがアサシンの情報収集に協力してくれるのなら、それはありがたい。……イオリとアーチャーはどう思いますか?」
ソリテール討伐のために連絡先を提案してきたレンに対し、アルトリアとしてはとりあえず彼女の善意がありがたいと思った。もしもそれがアサシンに対する危機感からの提案でも、有意義な提案だ
名護さん「その提案は悪くないな。後はセイバーのマスター次第だ。君の意見を言いなさい」
果たして、伊織はどんな回答をする――?
3382
:
名無しさん
:2025/02/21(金) 08:43:29
>>3381
伊織「――この盈月の儀、いや、ここでは聖杯戦争と呼ぶのか。俺が以前に経験した江戸の儀式とは、何もかも違う」
伊織「不慣れな土地、16組もの主従、訳も分からぬ状況…俺達だけでは手が回らぬ事態もあり得る」
伊織「ゆえに、貴殿らの協力関係には俺も賛成だ。アサシンの討伐も俺達に任せてくれても構わない」
宮本伊織が元いた世界、江戸で行われた盈月の儀
それににおいても彼とセイバーはアーチャー陣営やバーサーカー陣営と協力し、市井の異変や騒動、儀式の裏に隠された闇を探り続けていた
だから同じようにアーチャー陣営と手を組むことに意を挟む道理はなかった
名護さん「では決まりだな。ひとまずはアサシンを探し、それを討ち取る方針で協力し合おう」
アルトリア「ええ、よろしく頼みます、アーチャーとそのマスター」
レン「私はレンって言います。こちらこそよろしくお願いします、セイバーと…」
伊織「俺は伊織。宮本伊織だ。伊織と呼んでくれて構わない、だからこちらもレンと呼んでもいいか?」
レン「はい、構いません!」
3383
:
名無しさん
:2025/02/21(金) 19:22:06
>>3344
魔物が通う学校が京都の何処かにある、って噂も広まっていたよね
しかも人間に友好的な人形の魔物であることや善意ある人間のボランティアで経営されていることについては殆ど伝えられることもなく
そしてその噂がアズラエルとディエゴの耳にも届いてしまう
3384
:
名無しさん
:2025/02/23(日) 02:00:43
マヤが学園に通っている間、ザンキは依頼を受けて魑魅魍魎を退治していた
だがその最中に同じく討伐に出ていた美遊兄&アスナに遭遇してしまい、掃討した後に今度は優勝狙い&サーヴァントを倒すことには問題ない二人の襲撃を受けることになる
(ちなみにマヤにはアニマルディスクを幾つか渡しており、万が一の時には令呪を使って呼び戻すようにも言い聞かせている)
3385
:
名無しさん
:2025/02/23(日) 23:49:57
>>3384
美遊兄「行くぞ、バーサーカー!」
アスナ「……!わかったわ、士郎くん!」
美遊兄の言葉と同時に二人でザンキに襲い掛かる
しかしアスナの方は相手がサーヴァントとはいえ、率先して魑魅魍魎を退治するような善良なサーヴァントだったから僅かに躊躇して動きが普段より鈍い
ザンキ(バーサーカー?剣士で言葉を話せるのに、セイバーじゃないのか……)
敏捷以外のステータスはアスナよりザンキが勝る。
マスターの美遊兄も間違いなくマスターにしては強い方だと認めつつ、ザンキは冷静に対処していた
ザンキ『こちらザンキ。バーサーカー陣営の襲撃を受けた』
マヤ『えっ!?大丈夫!?師匠!』
ザンキ『ああ、俺は大丈夫だ。相手はバーサーカーだが、そこまでパラメーターは高くないようだな。剣術や素早さは目を見張るものはあるが……何か迷っているようにも見える』
マヤ『迷ってる……?何を?』
ザンキ『それは俺にもわからん。まあ聖杯戦争の参加者はマスターもサーヴァントも、色々な事情を抱えてるからな』
マヤ『色々な事情、かぁ……』
アスナ(こんなことして……病気が治ったとしても、ユウキは喜ぶのかな……)
そんな迷いを抱きながら、それでもアスナは攻撃の手を止めない
だが〝迷いある攻撃〟ではベテランの鬼であるザンキは倒せない
アスナ『士郎くん、この人はサーヴァントだけど……京都の人達を守るために戦ってた。そんなことをしてる人を倒して、ユウキや美遊ちゃんは喜ぶのかな?』
美遊兄『それは……わからないな。これは俺のエゴだ。美遊が知ったら、どんな気持ちになるのかわからない。それでも俺は――美遊を幸せにしたいんだ』
3386
:
名無しさん
:2025/02/23(日) 23:50:45
>>3378
カブキ「呪詛師?呪術師?なんだそりゃあ。でもお前のマスターに会うのは、賛成だ。この聖杯戦争を止めるには、協力者が必要だろうからなぁ」
カブキは鬼であって、呪詛師や呪術師ではない。そういう単語自体は何度かこの京都で聞いてきたが、情報不足で意味はイマイチわかっていない。
だが協力関係なれる主従は求めていたし、とりあえず善良な鬼を取り繕って〝聖杯戦争を止める〟という偽りの目的を述べる
まだ向こうのマスター(夏油)の目的を知らないからこそ、そういう上っ面の関係を築こうと思ったわけだ
3387
:
名無しさん
:2025/02/23(日) 23:51:30
>>3379
ピトフーイ「へぇ、立会人ねぇ。こんなところまで来るなんて随分と勇気のある立会人じゃない!」
ピトフーイはシロッコの話を聞いて、俄然テンションが上がる。
相手の話を聞く限り、どうやら聖杯戦争のマスターが釣れたようだ。それも〝最強のサーヴァント〟ときた
「いいねぇ!その最強のサーヴァントが本当に〝最強〟に相応しいのか――是非とも見せてほしいわ。ねぇ、ランサー?」
その言葉に李書文も力強く頷いた
李書文は強敵を望んでいる。相手が〝最強〟を名乗るなら、テンションが上がるというものだ
3388
:
名無しさん
:2025/02/23(日) 23:52:20
アズラエルとディエゴ、立場を利用して様々な用心棒の情報も集めてるんだよね。最近は強い用心棒が増えたと噂になってるから
その中でも特に強いインターラプター、ザンキ、ピトフーイ組、伊織組、レン組、キリト組、カズマ組はサーヴァントの仕業じゃないか?と疑われている
特にマスターと同行してなさそうなザンキとインターラプターについてはマスターが誰なのか調べたいとも思ってる模様
怪しい宗教団体である夏油の宗教団体もマーク自体はしているが、まだキャスターの存在までは把握出来ていない
3389
:
名無しさん
:2025/02/23(日) 23:52:56
>>3383
この噂自体は京都で結構有名なんだけど、現地人は気味悪がってなかなか近づかないんだよね
太牙(魔物が通う学校か。……一度、見学に行ってみるのも良さそうだな)
どんな魔物が通っているのか。
もしかしたら人間に友好的な魔物もいるのではないか?
そんな気がして、太牙は魔物が通う学校について興味を示していた
そしてマスターの舞衣と相談した結果、二人で学校に向かえないか考え魔物が通う学校がある場所について情報収集を始めた
太牙「もしかしたらこの学校が、人間と魔物が共存する道に繋がるかもしれない。それだけでも探す価値はありそうだ」
3390
:
名無しさん
:2025/02/24(月) 19:34:19
>>3362
>>3380
この時の事を
>>3361
で触れられてる毎夜の合流で太牙から聞いた舞衣
守ろうとした相手(カブキ)にすら迫害・差別を行い殺そうとする者がいる事に心を痛め身を案じつつも彼女の脳裏に浮かぶは、元の世界にて(折神紫曰く)大荒魂タギツヒメとの対話を成し遂げた可奈美と姫和の、荒魂を単なる祓うべき存在とせず無害なら斬らないという選択を取れる益子薫の姿
(可奈美ちゃんや姫和ちゃん、薫ちゃんなら…きっとアサシンさんと、太牙さんと同じようにする筈で。
…それに私も、理不尽に差別をするような人を見て、黙ってなんていられない。
…共存出来るのなら、その道を探したいよ)
「私の分までその人を助けてくれて、ありがとうございます。アサシンさん。
…もしその場に私が居たら、アサシンさんと同じようにしてました。
私も、アサシンさんと思いは一緒ですから」
そう太牙に舞衣は感謝を述べた
この件もあって、
>>3389
の魔物の学校について相談された際自分も向かってみたいと舞衣は考えるようになり、情報収集を始めることとなる
3391
:
名無しさん
:2025/02/24(月) 19:46:43
>>3382
レン「じゃあとりあえず、連絡先交換を――」
そう言ってスマホを取り出すレンを伊織は不思議そうに見つめる。ついでに士郎と聖杯戦争を戦い抜いた記憶があるとはいえ、その時はまだガラケーだったアルトリアも。名護さんは時代的にはガラケーだったが事前にレンからスマホの説明を受けてるからなんともないが
アルトリア「レン。それは、なんですか?」
伊織「たぶん、それが連絡手段であるということは推察できるが」
レン「あ――。スマホのこと、わからないんだね。そういえばアーチャーさんも最初は知らなかったし、伊織さんも江戸の儀式って言ってたなぁ」
そこでレンはスマホの機能やその便利さを説明した
ちなみに伊織は鄭成功の通信用魔術礼装みたいな物と連想していたが、レンの話を聞く内に「すまほ」の方が携行と利便に長ける、とその性能に関心を寄せていた
アルトリア「なるほど。そんなに便利な道具なんですね、このスマホというものは」
伊織「特に場所に制約されずに会話ができるのが良い、これならば連携して動くことも容易くなるだろう」
レン「はい。だからサーヴァントのセイバーさんはともかく、伊織さんも契約した方が良いと思って説明しました」
名護さん「これ1つの連絡先を交換することで、いつでも情報交換が出来るからな。伊織、君も契約しなさい」
レン「もちろん契約には私達もついて行くけど……伊織さん、どうですか?」
伊織「あぁ、かたじけないが是非とも頼む」
未知なる魔術や技術、絡繰(機械)であろうと仕様が分かれば活用するのが得策である、として伊織はレンの厚意に謝意を伝えた
そして日中の開店時間に合わせるように集合を取り決め、夜も深ける前に二組は一度解散することとなった
3392
:
名無しさん
:2025/02/24(月) 19:47:16
>>3385
ザンキからの念話に集中して周囲から見ると若干うわの空になるマヤ
普段であれば大して気に掛けられることもなく、友達などに気付かれても特に問題ないちょっとした仕草として映るだけなのだが
如何せん、特別講師として講演に来ていた夏油傑に見られて気に掛けられてしまう
夏油(うーん、僕の話、つまらなかったのかな?)
高専時代の自分もあんな感じだったのでは、と教える側の哀しみを少しだけ感じつつ
夏油(あるいは、あの子がマスターだったりして…ま、さすがに考え過ぎだろう)
もう一つの可能性を微かに頭によぎらせるが、流石に判別できるほどの情報はないために思考を切り替えて授業を進めた
3393
:
名無しさん
:2025/02/24(月) 19:51:46
服装は流石に現代に合わせるようにしたけど盈月の儀でも基本現界してるタケル
イリヤと京都の街を見て回ったりしてたけど偶然カズマが発見するんだよね
手を組めそうな雰囲気あったけど地獄兄弟の提示してた条件と合わなそうだから悩んだりしてたけど
3394
:
名無しさん
:2025/02/25(火) 00:23:28
>>3392
夏油、ここが呪術師が集う学科だしマヤのことは必然的に呪術師の才能を秘めた少女だと思ってるからちょっと甘いんだよね。もしもマスターだとしても、玉藻に探してもらってるカブキ共々、手を組めるかもしれないと考えてるし
夏油「君たちは呪術師として何を成し遂げたい?」
この問いに様々な回答をする生徒達。
そしてマヤも迷いなき眼で答える。
マヤ「私は……みんなを守れる呪術師になりたい!」
それはマヤなりの決意だった。
ザンキは人々を助けるために戦ってる。生前は人を助けて、戦死したとも聞いた。
だからマヤはそんなザンキの言葉や魑魅魍魎に立ち向かう勇姿を見て、憧れたのだ
マヤ「私はまだ弱いけど、いつかいろんな人を助けれるようになりたいです!呪術は、みんなを守るためのものだと思うから!」
――『呪術は非術師を守るためにある』
夏油は過去に発した自分の言葉を思い出した
そんなふうに考えていた時期もあったな、と――
だが今の夏油は猿を許さない。
ある事件がキッカケでそういう思想になってしまった。
夏油(このままだときっと彼女も――)
もしかしたら自分のようになるだろうな、とそう考え多少はマヤに同情した。
だがマヤの答えは、同時に嬉しくもある。きっと彼女は呪術師が呪術師を慈しみ、敬う世界には必要な人材だ
この世界でも理不尽な理由で呪術師が差別されたり、虐待されることはたまにある。
そういう現場を目撃したら猿の愚かさを理解するだろう、と。
それとも最悪、自分と同じように任務の途中で守りたかった相手を――……
夏油(それにしてもこの女の子は、灰原みたいだな)
マヤの言動は、どことなくかつて失った後輩のようだった
夏油「みんなを守る、か。……術師としては、もっと人を疑うべきだね」
それは同じ呪術師として、夏油からマヤへの忠告だ。
夏油「私は過去に幼い呪術師が虐待される村に行った事がある。……問題はなんとか解決したけど、酷い有様だったよ」
かつて旧■■村で見たことを、生徒達にありのままに伝えた。
もちろんそこで行った大虐殺は伏せて。猿共の愚かさを理解してもらうためだ。
夏油(それにしてもここは猿が居なくて居心地良いね)
マヤ以外にも、ここには若い呪術師が集っている。
だからなんだかんだ授業は手を抜かず、しっかりと行う夏油であった。夏油は呪術師には優しい。だから当然、この授業を受けてる皆、まさか夏油が非術師の殲滅を企んでいるなんて思いもしない
そしてここには非術師(猿)が居ない。ゆえに夏油にとってはある意味、居心地が良い空間でもある
ついでに脳裏にこんなことも過ぎる
夏油(神道系の学科はどんな感じかな)
この世界には魔術というものが存在していることは、夏油も把握している
しかしそれがどんなものかわからないし、魔術を扱う者は殺すべきか、呪術師のように生かすべきか――夏油は迷っていた
もちろん『術師』という括りでは呪術師と似たような存在かもしれないが、とりあえず自分の目で見てみたい
だから夏油は学園長に交渉して、神道系の学科を見学させてもらえないか聞くと快諾された。
夏油のこの世界での立場を利用して交渉したら、それくらい簡単だった
3395
:
名無しさん
:2025/02/25(火) 00:24:26
>>3365
その後、キリトは聖杯戦争の情報収集や刀剣を買うために仕事を通い、学校にも登校しながら魔術と呪術についてネットなどを駆使して調べるという多忙な日々を送ってる
アリス「キリト、流石に無理をしすぎじゃないですか?」
キリト「聖杯戦争で勝ち残るためだ。それに俺はアリスやユージオ――みんなと思い出を作ったアンダーワールドを絶対に守りたい」
それはもしかしたら、かつての相棒(ユージオ)が見たら止めるような決意かもしれないけど、それでも――
そんなキリトをアリスは心配そうに眺めていた
3396
:
名無しさん
:2025/02/25(火) 00:25:02
ユウキ『生身で学校に通えるなんて楽しいね、セイバー!』
一護『そうか。お前、学校にすら通えてなかったもんな』
ユウキ『うん。カズマっていう友達も出来たし……最後の冒険としては悪くないね、この京都』
学校帰り、京都観光しながら満面の笑みを浮かべるユウキに『……ふざけんな!』と一護は念話で多少、声を荒げた
一護『これは最後の冒険なんかじゃねえ。言っただろ、お前は俺が守るって!』
ユウキ『そうだったね、ごめんごめん。……頼りにしてるよ、セイバー』
3397
:
名無しさん
:2025/02/25(火) 00:25:36
>>3393
地獄兄弟の提示してる条件が『地獄の住人』なんてわけのわからないものなのがアレ過ぎる…
まあ影山は妥協してくれる可能性があるけど、矢車さんがそこらへん厳しいのが厄介
3398
:
名無しさん
:2025/02/25(火) 00:26:06
>>3377
アタランテは念話で即座にキャスター(太歳星君)が二条城を陣地にしてることをカブキに伝えたね
3399
:
名無しさん
:2025/02/25(火) 08:30:30
>>3387
「歴史が動く決定的な瞬間、私はその場に立ち会いたい。それだけのことだよ」
自身の名乗りに対して機嫌を良くするピトフーイに立会人としての考えを述べるシロッコ
指揮官という立場でありながら必要なら自身も戦場に赴く彼の性格が現れていると言っていいだろう
「分かった。であればキャスターの元まで案内しよう」
そして幸先よくランサー陣営の同行を取り付けられたシロッコ
この後で手を組めるまで話を進められるかはこれから次第、まず気がかりなのはキャスターの対応
もし彼らがやる気になるならばキャスターは篩にかける可能性がある
『キャスター、今から対戦者となるだろう一組を連れて行く。もしかすれば一当て君と戦うことになるやもしれん』
『それは願ってもないことだな、シロッコ。なに、僕を興じさせられるならそこで殺すつもりはないよ』
絶対者として君臨するかのような振る舞い、シロッコもそれには覚えがあるが分霊とはいえ神霊の一部の存在でもあるキャスターの視点は人の価値観とは隔絶したものなのだから
シロッコは二人を連れ彼が居座る二条城へと向かいながら時の運がどのように傾くのか、思案するのであった
3400
:
名無しさん
:2025/02/25(火) 08:45:23
>>3354
ここは京都中央から離れた寂れた一角。人間程の体躯を有する狼の姿をした魔獣の巣窟と化しているため立ち入り禁止エリアとされている区画である。
魑魅魍魎が跋扈する魔都と化した京都にはこうした人間が立ち入れない危険地帯がしばしば存在するのだ。
ある日そんな危険地帯に不似合いな黒塗りのリムジンが止まった。リムジンからは出てくるのは黒服の男達。そして彼らに先導されて現れた一際目立つ無骨な大男。
「センセイ、ドーゾ!」
「ああ、こいつ等を排除すればいいんだな?」
自分達の領域を侵されて興奮する魔物たち。唸り声を上げて一斉に威嚇する魔狼の姿は常人であれば腰を抜かすか失禁しかねない恐ろしさだ。しかし、大男は怯む様子もなく群れに無造作に近づいていく!
「GRRRRRR!」
怒り狂った一匹の魔狼が大男の喉笛を食い千切らんと飛び掛かる。巨体からは想像もつかない俊敏さだが…
「イヤーッ!」
「アバーッ!」
次の瞬間魔狼は地に伏せていた。即死である。大男は飛び掛かる魔狼に対してカウンターで裏拳を放ち頭蓋骨を粉砕せしめたのだ!
「「GRAWLLLLL!?」」
思わぬ反撃に足並みが崩れる魔狼達。その隙を逃さず次々と大男は魔狼を叩き潰していく。半ばヤバレカバレになって反撃しようとするものもいたが容赦ないカラテにより一矢報いることすらなく死体を増やしていく。ものの一分もしないうちに生きた魔物はいなくなり魔狼の死体が散乱するツキジめいた光景と化していた。
「これで十分だな?」
「ヘヘっ、ありがとうございます!俺達のビズをやるのにこの場所が必要だったもんで!」
下卑た笑みを浮かべながら揉み手で金を差し出す黒服の男に大男は渋い顔をしながら金を受け取った。
大男の正体はこの地にバーサーカーとして喚ばれしサーヴァント、インターラプターである。
マスターである少女メアリーのために金を稼ぐことにしたインターラプターだが、戸籍もないサーヴァントである彼がまともな手段で金銭を得られる訳もなく、カタギでない者達ーーヤクザ相手にヨージンボーとして雇われることで金を稼いでいた。
「しかし、惜しいなぁ…アンタがウチの組に入ってくれれば他の組なんて目じゃないのによ」
「…言ったはずだぞ。俺はあくまで化け物相手のヨージンボーだ。あんた等の抗争に興味はないし、組に入るつもりもないとな」
抜け目なく勧誘を行うヤクザに対して釘を刺すインターラプター。しかし、ヤクザもこれ程の逸材を前に容易くは引き下がれない。
「そこを何とか!金なら今の2倍、いや3倍だって出すから……アイエッ!?」
素っ気ないインターラプターの返答にしつこく食い下がるヤクザだが、勧誘は強制的に打ち切らされた。他ならぬインターラプターの殺気を孕んだ無言の威圧によって!
「アイエエエ……」
失禁により情けなく股間を濡らすヤクザ。今となっては忌まわしいソウカイヤの記憶だが、その時の経験からインターラプターはヤクザ連中の扱いにはある程度慣れていた。こういった連中には力を見せつけて黙らせるのが最も手っ取り早いのだ。
失禁するヤクザを放置して、インターラプターは足早にメアリーのいる孤児院に帰還するのであった。
3401
:
名無しさん
:2025/02/25(火) 18:59:15
>>3376
翌朝、蓮子は昨夜の宣言通りに県境の調査へと向かった
ちなみにソリテールも同行している、彼女も京都に張られた結界らしき何かに興味を持ち魔術的にも調査・解析できないかと思っての行動であった
(ちなみにだが、ソリテールは単独行動時に剣陣営・弓陣営にちょっかいを出したことを報告していない)
電車に乗り県境近くの駅に降りて、徒歩でさらに歩くこと数十分
たどり着いた境界線付近は、何の変哲も確認できなかった
蓮子「たぶんここら辺だと思うけど、何もない…アサシン、何か分かる?」
ソリテール「そうね…目の前に魔力の膜みたいなのは感知できるわ。しかも何処までも続く壁のように、上も果てがない様子ね」
蓮子「他に分かる事は?」
ソリテール「さぁ、見ただけではなんの機能も測れないわね。もう少し、この境界沿いに歩いて調べていたみましょう」
境界を感じ取れるソリテールが先導して歩き、蓮子も続けて歩く
なるべく境界に触れないように、さりとて道を選びながら、付かず離れずに観察する
しばらくして、ソリテールと蓮子は足を止めてこれまでに分かった事を確認する
ソリテール「何かしらの認識阻害かしら、見るだけでは上手く観測できなくてよくわからない。少なくとも、起点や綻びとかはなさそうだけど…ふふふ、ますます興味深いわね」
蓮子「途中ですれ違った人達は普通に境界を越えていたようだし…意外と大丈夫なんじゃ?」
ソリテール「それは早計ね、条件外の人間には何も反応せずに素通りさせる類いの術式だと思う」
蓮子「…それじゃあ、直接触れてみるしかないようね。アサシン、任せるわ」
ソリテール「了解」
段取り通りにソリテールは境界へと近づく
聖杯戦争の参加者が境界を越えたらどうなるのか分からない以上、マスターに危険が及ぶ可能性を極力減らしたい
ゆえに、魔法・魔術の解析に長けたソリテールが直接触れてさらに調べてみる、ということで2人は同意し
緊張した様子で見守る蓮子をよそに、ソリテールは未知なる術理に心踊らせる
そして、境界となる不可視な魔力の膜にソリテールの手が触れてーーー
気付けば、蓮子とソリテールは見知らぬ場所へと飛ばされていた
きょろきょろと辺りを見渡せど、先ほどいた光景とは様変わりしている
さらにソリテールは先程まで感じ取っていた境界の魔力がどこにもないことを確認する
ソリテール「…どうやら、境界を抜けようとした主従を一纏めに何処かへ飛ばすみたいね」
蓮子「…一応、危険な目には会わなかったけど…ここはいったいどこなんだろう」
ソリテール「恐らくは京都の何処かだと思うけど…それよりも、近くにサーヴァントやその他の気配を感じるから、警戒するように」
蓮子「えっ」
ーー実は2人がワープした先は、人の世から隔絶された魔物の学校のそばであった
善良な魔物やボランティアの人間はいるものの、突如として現れた無関係の人間と魔物らしき何かに警戒する
そして、蓮子たちのことを全く知らないユウキとセイバーが何者であるかを確認すべく現場へと急行していた
(※境界に触れると京都のランダムな場所へと飛ばされる仕様にしてみました。これで乗り物に乗った状態でもグロい事にはならないね)
3402
:
名無しさん
:2025/02/26(水) 08:38:54
>>3385
ザンキ「バーサーカー。お前は何か、迷ってるみたいだな。自分の気持ちに素直になれ。そんな攻撃じゃ俺を倒せんし、マスターも守れんぞ」
マスターの命まで奪う気がないザンキはあえてそうアドバイスすると、猛攻を加える
迷いがある者と覚悟を決めている者。必然的に強さに差が出てくる。
それでもなんとか美遊兄とのコンビネーションでザンキの攻撃に対処するが、何発か命中してアスナは山を転がり落ちてしまう
美遊兄「バーサーカー!……こうなったら――」
咄嗟に美遊兄は令呪でアスナを戻そうと考えるがザンキは無闇矢鱈にマスターの命を奪うつもりはない。
もちろん悪しき者は殺すしかないかもしれないが、アスナからは迷いが感じられ美遊兄も何か必死な感じだった
それに根っからの悪なら正々堂々とサーヴァントと勝負せず、マスターを狙うだろうと考えてザンキはその場を去った。美遊兄を見逃したのだ
美遊兄(あのサーヴァント、どうして俺を……。まあいい、今はとりあえずアスナだ!)
美遊兄『大丈夫か!?アスナ!』
アスナ『……大丈夫だよ。それよりごめんね、士郎くん』
美遊兄『別にアスナが悪いわけじゃないさ。相手がサーヴァントでも、いきなり善人を襲うのは……心が痛むよな』
ここでアスナを責めず、むしろ同情するのが美遊兄が衛宮士郎たる何よりの証だと思った
アスナやザンキがサーヴァントと知ってもなお、道具扱いせず対等に人として扱うというね
そして美遊兄はアスナと念話も交わしながらも、彼女が転げ落ちた方向に走って向かう
この聖杯戦争でも優勝狙いで悪の道を歩むと決めても根本の善性が完全には失われないのが、やっぱり元々の優しさを示してる
原作とは色々と事情が違う聖杯戦争だからね…
3403
:
名無しさん
:2025/02/26(水) 09:00:33
【Phase①】
多忙の末に遂に刀剣を購入したキリト
しかし緊張の糸が解れたのか、過労により帰路の途中で意識を失ってしまう
少し慌てたアリスはすぐさまキリトを抱えて近くの公園のベンチに寝かせて声をかける
だが、そのタイミングでアサシンに声を掛けられてしまい相対せざるおえなくなる
【Phase②】
3人で別々に行動して情報収集にあたっていたカズマ組
矢車が1人で付近をふらつき闇を彷徨う最中、公園にてライダーを発見し声を掛ける
同時にカズマから念話がきて至急合流して欲しいと言われるが、目の前の英霊に対応すると返答して影山に任せることにする
【Phase③】
アズラエルは会議やら事務処理などの企業・財団運営が重なり多忙になっていた
その間ディエゴを護衛としてただ置いておくのをよしとせず、街に出て聖杯戦争にあたるように指示を出す
アズラエルがマスターであることが露呈していない、つまり狙われる心配が殆どないとしてディエゴは単独街へと繰り出す
やがてサーヴァントの気配を感じて近づくと、少女と和装のセイバーに遭遇する
【Phase④】
>>3393
にて京都の街を見て回っていたイリヤとヤマトタケルの元にライダーが現れ戦闘になる
セイバーの剣とライダーの背後霊による拳がぶつかり合うこと数十回
京都の市街が近いがゆえにヤマトタケルは宝具を開帳せず
しかして水流と己が剣技によりライダーの肉を断とうとしたが
次の瞬間、セイバーは無数の強打によるダメージを受けた、後方の建物へと激突してしまう
【Phase⑤】
ディエゴはスタンド『ザ・ワールド』によりセイバーと互角に戦っていた
しかし相手の猛攻が始まり、その剣が自らに迫った瞬間、ディエゴは躊躇なく宝具を使用する
時が止まった世界にてディエゴは『ザ・ワールド』によるラッシュの殴打をセイバーに放つ
時が動き出して吹っ飛び壁に激突するセイバー、明らかに大ダメージを受けたはずだかふらつきながらもまだ戦おうとする
しかしディエゴはセイバーを無視してイリヤに向けて無数のナイフを投げ放つ
セイバーがそれを防ぎきることはかなわず、スローモーションな世界にて凶刃が無垢なる少女へと迫っていく
ーーそして、時流遅き世界を駆け抜け、ナイフ全てを打ち払う男が現れた
【Phase⑥】
>>3393
にてイリヤ組を捕捉したカズマ、悩んだ末にもう少し様子を見ることにした
するとライダーも現れ戦闘が始まり、カズマは念話で地獄兄弟を呼びつけることにした
矢車は応じなかったものの影山が駆け付けた頃にはセイバーが吹っ飛ばされ、ライダーが少女に向けてナイフを投げ放っていた
咄嗟に影山はパンチホッパーに変身してクロックアップ、少女にナイフが突き刺さる前に全てを排除した
3404
:
名無しさん
:2025/02/26(水) 09:08:26
>>3401
鉢合わせた二組は互いに警戒しあったけど直接対決なら基本的にアサシンよりセイバーの方に分があること、マスターにしても身のこなしから蓮子が戦闘者ではないことが見て取れたため万が一襲われても制圧可能とユウキ組は判断
逆に蓮子組も力で上回るであろうセイバー達が襲ってこないため問答無用で聖杯を目指す組ではないと判断、また蓮子には言ってないがソリテールは既にレン組と伊織組を敵に回してるため現状さらに敵を増やすことは得策でないと考えたから戦闘にはならずに両組情報交換という形をとっていたな
勿論ソリテールに関しては他主従と『お話』したいという欲求が一番なんだけど
3405
:
名無しさん
:2025/02/26(水) 12:13:43
太牙は投資会社「D&P」の社長という経歴もあって、この世界の企業についても調べていた
この世界にとっての異邦人かつ影法師に過ぎない太牙だが、己が理念に準じ、京都における人間と魔物の共存と発展のため、その手掛かりと可能性を模索してみようとしての行動のようだ
その際にとある財団の傘下企業とその社長アズラエルについても調べている
魑魅魍魎や魔物と戦う兵器の開発・運用、私設武装組織の保有、人外排斥主義の傾向あり、等の物騒な情報や噂を聞いたために太牙はこの企業を危険視することに
3406
:
名無しさん
:2025/02/26(水) 12:14:32
>>3390
翌日、休日で学園生活に縛られることなく自由に外出できるようになった舞衣は太牙と一緒に街に出ていた
以前太牙が虐げられた魔物を助けた時に、魔狼や魔獣たちが住まうコロニーへと送り届けた事があった
本来そこは危険地帯であり人間は立ち入れない場所だが太牙は恩人として友好を得たので、そこならば魔物の学校についての情報を知っているのではと思い二人して目指すことにした
ちなみに舞衣の事は太牙の知人で魔物に対しても友好的な人間として紹介するつもりでいた
しかし、彼らは予想外の光景を目撃する
魔物の集落は至るところに破損しており、夥しい血潮が飛び散り、物言わぬ肉塊が転がっており
そしてそれを片付ける作業服の人間や残党狩りをするヤクザたちが待ち構えていた
(
>>3400
の後の出来事です)
3407
:
名無しさん
:2025/02/27(木) 05:17:47
>>3404
ひとまず蓮子側が境界線を調べたこと、結果この地に強制転移させられたことを告げて戦闘の意志がないことを告げる
その上でソリテールが主従以外の存在、魔物の気配を感じてそれを指摘し説明を求めると、ユウキがすぐ傍に魔物の学校があることを教えてくれた
善良な魔物達の集いと聞いて興味を抱いた蓮子とソリテールは是非見学させて欲しいと願い出て、一応一護が警戒しつつもそれを了承した
ソリテール「でもまさか、こんな場所でもエルフと出会えるだなんて」
ユウキ「えっ、あぁこの耳のこと?」
ユウキ、一護、ソリテール、蓮子の順で並び歩きながら、魔族の少女が相手の容姿を見つめながら呟いた
過去に何度か見てきたエルフ族、特に自分の最期に関わった勇者一行の魔法使いを想起するものの、目の前の少女からは人間並みの魔力しか感じ取れずなにかしらの特殊な事情があるのではと内心思う
ユウキ「うーん、エルフというより闇妖精族のインプなんだけどね」
ソリテール「あら、違うの。それに身体、ってことは中身は違うのかしら?」
ユウキ「そうそう、この姿はゲームのアバターのもので、僕自身はただの人間だよ」
蓮子「ゲームのアバターの姿?…色々とおかしくて不思議だけど、どうしてそんな姿に?」
ユウキ「なんでだろうねぇ。でも、この姿のおかげで病弱だったボクでもこうやって外の世界を自由に動けるようになったからから、とっても嬉しいよ!」
その後もユウキと『お話』して彼女について知ろうとするソリテール
蓮子もアバターとかALOについての話には聞き及んでいたが、病気などセンシティブな話題は控えた方がいいと判断し、それ以上は詮索しないように念話でソリテールに注意した
一応了承の返事を返すソリテールだが、やはりユウキの特殊な環境や心情について興味は尽きず、機を窺って『お話』したいとも考える
3408
:
名無しさん
:2025/02/27(木) 08:36:08
>>3406
人間との共存を目指す太牙にとってこの光景にはあまりにもショックなものだった。
一部の魔物が人間から虐げられてることは知ってたし、人を襲う魔物が居るのも確かだ。
しかしこの惨状は、どう見ても魔物が一方的に虐殺された後のものだ。
しかも未だにヤクザ達が残党狩りをしている。このままでは、この場にいる魔物は狩り尽くされてしまうだろう
太牙(まさかこれはアズラエルの企業の仕業か?このヤクザ達は……アズラエルに雇われたのか?)
アズラエルの企業について物騒な噂を聞いていた(
>>3405
)太牙は、これはアズラエルの仕業だと考えた。
そしてこの虐殺現場を見過ごす太牙ではない
太牙(すまない、渡……)
もしも渡ならば、もっと違う方法で解決したかもしれない。だが――
太牙「変身」
揺るぎない覚悟で、太牙は口を開き――サガの鎧を装着。
太牙「――王の判決を言い渡す。死だ」
その言葉の直後、ヤクザのうち一人を、容赦なく殺した。相手はただの人間だ。必殺技のスネーキングデスブレイクを使うまでもない。
ヤクザ達はいきなり現れた処刑人に、ビビり散らして銃を乱射する。
しかし効かない。何故なら太牙はサーヴァントだからだ。
そして太牙の一方的な虐殺が始まると思われたが……ヤクザ達は次の瞬間には、蹴散らされていた。命はあるが、重傷だ。
彼らを蹴散らしたのは舞衣。太牙が魔物が虐殺された光景がショッキング過ぎて動揺したのと、まさか太牙が殺すとは思わず対応が遅れたが迅移を使い蹴散らしたのだ。
舞衣としてもヤクザ達の行為は許せないが、それでも太牙が一方的に虐殺する前に止めたかった
舞衣に彼らを殺さないように説得された太牙は変身解除する
太牙「……甘いな、舞衣は」
だがその甘さは人間と魔物が共存する世界に必要かもしれないということを、太牙は理解している。
そこで太牙はまだ意識が残っているヤクザに近付く。
ヤクザは恐怖に震えた手で銃を撃つが、生身だろうとサーヴァントの太牙には効かず、思わず「化け物があああ!」と叫ぶが太牙はそれを無視して彼に脅迫する
太牙「次にまた同じことをしたら、今度こそ殺す」
3409
:
名無しさん
:2025/02/27(木) 10:30:46
>>3408
いくら刀使として活動して来たとはいえ、荒魂の被害から全てを守りきれるわけでは無く取り零してしまうこともあるとはいえ、ここまでの惨殺された遺体を見る機会は無く…思わず喉奥から吐き気がせり上がる
それに耐えつつもそれでも、舞衣はアサシンに、太牙に同じような虐殺をしてほしくなかった
人と人ならざる者の共存を望む彼に、そんな事をさせてはいけないしさせたくはないと、そう思うが故…動く
「…アサシンさん、気持ちは…わかるけど、でもっ…ダメです。
…怒りのまま…これ以上殺したらっ…この人達と、同じになってしまう……!!
私は……アサシンさんにそんな事、してほしくありません」
許せないという気持ちも、怒りを抱く想いも分かる、怒りと悲しみを堪え、緑瞳に涙を浮かべながらも…舞衣は太牙を制止し説得をした
「……甘いな、舞衣は」
「…そうかも、しれません。でも…それが甘さだっての云うのなら、私は…捨てたくないです、それに…」
「…お前の云う『可奈美』達なら、同じようにするから、か」
「はい…絶対、そうすると思います。
そもそも…刀使の、私達の振るう刃は…人を殺す為のものじゃないから」
そしてヤクザへの太牙の脅迫に続くと
ちなみに脅迫については一切止めず、またアズラエルが絡んでいる可能性は舞衣自身も考慮しているようである
3410
:
名無しさん
:2025/02/27(木) 10:55:39
ちなみに戦闘中にヤクザ達が「センセイみたいに強い!」「銃弾が効かない!」「こんなの聞いていない!」「アイエエエ!」と喚いていたのを聞いていた太牙達
そこで逃げ遅れたヤクザの一人を捕まえ、「センセイ」と呼ぶ存在について尋問する
もしヤクザ達と魔物達の抗争であれば魔物だけが殺されているのは不自然、であるならば今の太牙と同じくサーヴァントによってこの惨劇が起きた可能性を考えてのことであった
ヤクザは失禁しながらも恐怖心のままに情報を吐き出す、センセイと呼ぶ男はかなりの大柄の男であり偶にヨージンボーとして雇っていることを
そしてそのセンセイが孤児院近くでよく見かけることについても
3411
:
名無しさん
:2025/02/27(木) 10:57:16
>>3406
や
>>3390
より前に遡る
>>3394
にて神道系の学科を見学することになった夏油は学園長だかなんだかに連れられて案内を受けた
その名の通り様々な神教にて古来から伝承された秘術を扱い、それを生徒たちそれを学び体得して京都の地を護る人材を育てている、と説明を受け
実際に少女たちが竹刀を手に稽古しているところを見学させてもらった
そこで夏油は一段と強い少女に注目し、優等生の柳瀬舞衣について案内人から紹介してもらった
3412
:
名無しさん
:2025/02/27(木) 12:07:52
一筋の光が暗闇を貫き、風をものともせずに疾走する
殆ど外灯がない道を2人乗りのバイクが駆け抜けていく
明らかに法定速度を無視して華麗に愛馬を操縦するのはライダースーツを纏ったアルトリアであり、その後ろに宮本伊織がしがみついていた
ーー何故バイクを所持しているのか。実は伊織住居の倉に放置されていたものであり、現場急行のために活用のだ
騎乗スキルを存分に活かして運転するアルトリアは少し物思いにふける
アルトリア(先程のイオリは尋常ならざる剣さばきだった)
アルトリア(…一体どのような修羅場を切り抜けたのだろうか)
ここ数日、アルトリアは伊織と共に魑魅魍魎などの討伐に赴き、その度に彼の戦い方を目撃していた
その様からして手練れの侍であり、他のマスターと戦うことになっても遅れを取らないと評価していた
また元の世界でも聖杯戦争のマスターとなり、別の英霊と共に数々の猛者やサーヴァント相手に戦っていた、と以前に聞いている
なればこそ先刻のアサシン襲撃の際、敵が本気ではなかったとはいえ彼はその攻撃を巧みに防いでみせたのだろう
その上英霊相手でも気圧される様子もなく、どころか積極的に戦おうとする素振りさえ見えた
それは戦いの上では頼もしいと思う反面、シロウのように無茶はしないで欲しいとも思う
それと同時にどことなく不安のような思いも抱きつつあったが、その正体は未だ掴めずにいるアルトリアであった
3413
:
名無しさん
:2025/02/28(金) 06:22:48
>>3403
より少し後の話
休日でありながらも仕事で外出するアズラエル、それと護衛として随伴するディエゴ
目的地は京都市内にありアズラエル財団が支援している孤児院、主に怪異や魔物によって両親などを喪った子供達を集めた悲劇の集積所
慈善事業として財団が援助している、というのは表向きの顔で、裏では選りすぐりの子供を引き取っては非人道的な手段で兵士に仕立てている
本来は財団や企業の担当者がそういった手続きを済ますのだが、今回は対外的なイメージ戦略の一環として(面倒に思いながらも)アズラエルが出張ってきたのである
アズラエル(ま、化け物達が蔓延るからには何処でも同じようなことをするか)
コズミック・イラ出身のアズラエルにとって、コーディネーターに対抗するためにブーステッドマンなどの強化人間を作り上げることなど日常茶飯事であった
ゆえにこの世界の事情を鑑みてアズラエルも納得する、コーディのように憎むことはなくても確かに人外の存在は人々を脅かし排除すべしと考える
それにここにいる子供達も少なからず人外の化け物を憎んでいるはず、ならば強化訓練・薬物投与・精神操作によって対等以上に戦う力を与えられるというものだ
そのように頭の中を巡らせながらも、表情は朗らかに子供達に囲まれる様を写真に撮られたりしていた
その後、担当者から子供の能力など説明を受けながら一人一人を眺めている最中に、アズラエルは一人の少女に声を掛けられる
メアリー「おじさん、こんにちは」
3414
:
名無しさん
:2025/02/28(金) 09:10:04
そういえば京都市内のどこかでゲルテナ展が開かれているようだね
まぁこれが聖杯戦争と関係あるかどうかは分からないけどね
3415
:
名無しさん
:2025/03/02(日) 13:54:51
>>3403
影山「なんとか間に合ったみたいだな。それで、この女の子と手を組むのか?」
カズマ「それはまだ決まってない。矢車の要望が要望だからな。……でもこの場は共闘するべきだとは思う。あいつ、明らかに危険なサーヴァントだし」
イリヤ「助けてくれてありがとうございます。とりあえず今はあのサーヴァントを倒すことが最優先だよね」
こうして共闘する流れが決まった
ゆえにディエゴは考える。この不利な戦闘は離脱するべきか否か。
仕切り直し(時)スキルを持つディエゴならば、離脱出来るだろう。
とりあえずセイバーに大ダメージを与えただけでも、成果といえば成果だ。ついでに何の支援もしなかったことから、セイバーのマスターは無能力者の可能性が高いとわかった。同じく無能力者のアズラエルでも問題なく殺せるだろう
それに単独でサーヴァント二人を相手にするのは、リスクが高い。しかも片方はザ・ワールドと互角に戦えるほどの手練れときた。
それにサーヴァントならば当然、宝具を隠し持っているはず。ゆえに二人のサーヴァントを同時に相手するのは不利だと察したのだ
しかしせっかく大ダメージを与えたセイバー陣営だけでも仕留めておきたいという気持ちもある。
……が、聖杯戦争はまだ始まったばかり。この手負いのセイバーを他の主従が討ち取る可能性は十分にあるだろう。それにザ・ワールドの能力も魔力消耗を考えると乱発したくない。ここで2つの主従を倒しても、まだまだ主従は残っているからだ。アズラエルが魔術師ならともかく、彼は一般人だ。魔力にはあまり期待出来ないだろう。
ディエゴは思考を張り巡らせた末に撤退することを選んだ
ちなみにクロックアップは〝身体を流れるタキオン粒子を操作し、時間流での自在な活動を可能にして行う超高速行動〟……つまり時間に干渉可能な能力で動けるのだが、時が止まった世界では逃げるディエゴと戦うよりこの場にいるメンバーを守ることを優先した。これはディエゴが躊躇なくマスターを狙う外道だからだ
3416
:
名無しさん
:2025/03/02(日) 21:44:14
>>3377
、
>>3398
太歳星君「どれ、折角の来訪者だ、手厚く歓迎してやらないとな」
斥候であろうアーチャーを捕捉した太歳星君は二条城の天守閣から転移し、アーチャーに最も近い場所へと現われる
対してアタランテは唐突なキャスターの出現に驚くことなく、幾つかの弓矢を抜き放つ
しかして太歳星君に届く事はなく、式神たちによっていとも簡単に防がれてしまった
太歳星君「いきなり攻撃するとは、いい眼をしているな、弓兵」
アタランテ「そちらこそ、ずいぶんな自信家だな、魔術者。穴蔵に潜っていればいいものを、早速のお出ましとは予想外だ」
太歳星君「なに、お前が始めて出会う英霊だからな。聖杯戦争とやら、楽しまなければ意味がない」
そして二騎は相手の実力を測るべく小競り合いを始める
ただし互いに本気の戦いをするにはまだ早いと考えていたのか、途中でアタランテは撤退し太歳星君も追撃することはなかった
3417
:
名無しさん
:2025/03/03(月) 07:44:06
>>3413
一仕事終えて拠点である孤児院に帰還するインターラプター。その手にはレジ袋がぶらさげてありメアリーが欲しがっていた菓子類とニンジャにとっての完全栄養食であるスシが入っている
孤児院の中まで入るわけにはいかないので外から念話でメアリーに呼びかけた
『ドーモ、今帰ったぞマスター』
『あ、お帰り!お菓子買ってきてくれた?』
『ああ、お前の食べたがっていたキャンディを買ってきてやった』
『わーい、ありがとうバーサーカー!』
喜ぶメアリーに苦笑するインターラプター。本来ならこんなことサーヴァントのする仕事ではないのだが、無邪気に喜ぶメアリーに悪い気はしない
『悪いが外に出てもらえるか?こんな男が孤児院に入れば不審者待ったなしなんでな。人目につかない場所で合流したい』
『うーん、そうしたいんだけど今アズラエルってオジサンが来ててみんなで挨拶しなくちゃいけないの』
『……アズラエルだと?』
『どうしたの?』
思わぬ人物の来訪にインターラプターは訝しむ。アズラエルはこのキョートにおける有力なメガコーポの御曹司。土地の開発プロダクトや魔物から住民の生活を守るために私設治安部隊を用いた警備が主な事業である。慈善事業への援助にも精力的であり府民からの評判は上々、実際メアリーの孤児院へ多額の寄付を行っていた
…同時に人外排他主義だのヤクザと繋がって強引な土地の開発を行っているなど黒い噂が絶えない人物でもある
実際にインターラプターが雇われたヤクザは件の企業の息がかかった連中なのだ。表向きには未開発地域の開発ということになっているが実態としては武力を行使した人外相手のジアゲそのもの。とはいえ、実際に人間に被害を出している魔物を優先的に排除しているため人間の住民からは賞賛の声の方が大きいというのが実情である
こうしたネオサイタマに跋扈していた暗黒メガコーポを彷彿とさせる狡猾な動きはここ最近ーーすなわち聖杯戦争が開始してからさらに動きを強めている。デッカーとして、そしてソウカイヤの一員としてネオサイタマの表裏を知り尽くしていたインターラプターはアズラエル本人あるいは近しい人物が聖杯戦争に関わっているのではないかと疑っていた
『あ、もしかしてあのオジサンがマスターなの?だったらやっつけちゃおうよ!』
『待て待て待て!まだそうと決まった訳じゃない』
逸るメアリーを諌めるインターラプター。疑いはあるが、メガコーポの御曹司と表立って敵対すれば自分達の立場が危うくなる。仮にアズラエルがマスターだったとしてもサーヴァントの能力が不明な以上、今仕掛けるのは早計に過ぎる。飛んで火に入る夏の虫とはかのミヤモト・マサシの有名なコトワザだ
…インターラプターとしては幼い少女に手を汚してほしくないという思いもあるのだが
『うー、だったらちょっとお話するくらいはいいでしょ?私がどんな人なのか確かめてあげる!』
『おいおい本気か!?……分かった。だが、絶対に聖杯戦争について口にするなよ?万が一何かあったら令呪を使え』
『分かってるって!』
インターラプターの切実な思いをよそにメアリーは聖杯獲得に対して並々ならぬ熱意がある。本当は怪しげな人物に近づいては欲しくないのだがメアリーがこうなってしまうと言うことを聞かないのだ。我儘なオヒメサマだと内心でインターラプターはため息をついた
本当は自分もすぐ近くで見守ってやりたいがアサシンのように気配遮断のスキルがない以上、霊体化していても感知能力に長けたサーヴァントが居合わせたら自分の存在ひいてはメアリーがマスターだと露見しかねないため孤児院から若干離れた場所で待機する他なかった
(さて、どうしたものか…)
念話を打ち切り一人インターラプターは今後について思考を巡らせる。アズラエルがシロであれば杞憂で済むが、万が一マスターであったら果たしてどう動くべきか
正直言ってインターラプターは自分達単独で聖杯を獲得するのは難しいと考えている
マスターのメアリーは無力な少女、自分は戦うことしか能が無いバーサーカー。無論インターラプターとてかつてはソウカイヤ最強の一人と謳われたニンジャでありおいそれとイクサで遅れをとるつもりはない。だがかつてはザイバツ最高幹部グランドマスターとも互角に戦えたカラテも今となっては…
逆に手を組むというのも難しい
相手は社会的地位の高い御曹司。その気になれば敵対者を社会的に追い込むことができる立場で、翻ってただの孤児に過ぎず自分の身を守ることも難しいメアリーは格好のアキレス腱になる。仮に手を組めたとしても同盟とは名ばかりの一方的に切り捨てられかねない関係になり得る
答えが出ず苦悶するインターラプターの不安に呼応するように彼の体がぶるりと震え始めた
(クソッ!よりにもよってこの“体“までそっくりそのまま再現されてるとはな…!)
懐からオハギを取り出し口に放り込む。途端に広がるに憎くて愛しい黒い甘味…
正直言って今更聖杯など求めていないし、こんな体で召喚されたのも全ては自らの行いが招いたインガオホーと受け入れているが、自分を召喚した幼い少女まで巻き込むつもりはない
せめて聖杯は手に入らずともメアリーを生かして返そうとインターラプターは誓うのであった
3418
:
名無しさん
:2025/03/03(月) 20:08:23
カブキはキャスター(玉藻の前)と会談(
>>3373
、
>>3378
、
>>3386
)した後に彼女とは一旦離別し、二条城から戻ってきたアタランテと合流する
カブキ「よぉ姐さん、念話で伝えてきた城はどんな感じだった?」
アタランテ「なんだその呼び名は…とにかく、城にいるキャスターは相当な実力者だ。これ以上陣地を構築される前に対処したいところだが」
カブキ「それなら丁度いい。さっき別のサーヴァントと出会ったところだ。敵意もなく交渉を持ち掛けられた、これは脈ありとみていいだろう」
そして夜になり指定の集合場所に到達するカブキ達
そこで(学園での仕事が終わった後の)夏油傑&キャスターと対面する
カブキ「なんだ、俺らを呼びつけたのは袈裟を着た僧侶かよ」
夏油「あはは、訳あっての装いだけど僕は僧侶ではないよ。夏油傑っていうんだ。よろしく」
カブキ「俺はカブキ、こちらこそよろしくな」
玉藻「むむっ、まさかそちらもケモミミ族。野性味溢れる分、その男のマスターとして相応しいかもしれませんが」
アタランテ「一体何を言っているんだ。しかし、こちらもキャスターとはな」
3419
:
名無しさん
:2025/03/04(火) 07:00:39
>>3408-3410
ここでヤクザたちを殺さなかったことで裏で連中を操っていたアズラエルの財団に舞衣組の情報が渡ってしまったんだよな
恐ろしく強い鎧の男と刀を持った女に蹴散らされ魔物の土地を奪えなかったと現場に居合わせたヤクザは震えながら報告していた
3420
:
名無しさん
:2025/03/05(水) 00:35:53
>3410
太牙「その〝センセイ〟がこの惨状を作り上げたのか?」
太牙がヤクザに問い掛けると、ヤクザはコクリと頷いた
更に続けて、太牙は質問する
太牙「その〝センセイ〟とアズラエルには接点があるのか?」
こればかりはヤクザもわからない様子で「わからない」と回答する
その恐怖心に満ちた顔から嘘でないことを太牙は確信した
太牙(アズラエルが聖杯戦争のマスターで〝センセイ〟がそのサーヴァントという可能性もあるが、現段階ではわからないか……)
太牙『舞衣。俺は〝センセイ〟の情報を掴むために孤児院に向かいたい。サーヴァントの可能性があるし、そうじゃないにしても見過ごせない危険人物だ』
3421
:
名無しさん
:2025/03/05(水) 00:36:58
>3399
ピトフーイ「へ〜、そういう物好きも聖杯戦争にいるんだ〜」
ピトフーイはシロッコの思想を楽しそうに聞いていた。
自分が聖杯戦争のマスターだと明かすことは死亡する可能性も伴う。だというのに正々堂々とやってきて、ハッキリとした口調で自分の考えを述べるシロッコはなかなか面白い人物だとピトフーイは思った。
ピトフーイ「まあそんな行動が出来るほど〝最強のサーヴァント〟は強いんだろうなぁ。楽しみだなあ!」
そんなこんなで上機嫌なピトフーイと李書文。
〝最強〟の二文字に、マスターの余裕の素振り。よっぽど強いサーヴァントだと期待してしまうというものだ。
ピトフーイ「あ。もしそのサーヴァントが期待外れだった場合は――わかるよね?」
3422
:
名無しさん
:2025/03/05(水) 00:38:50
>>3403
矢車さん「そこのガキ、随分とくまが酷いな」
アリスに向かって矢車さんが声を掛ける。もちろんガキとはキリトのことだ。
キリトは多忙な日々を送っていたせいで、目の下のくまがとても酷かった。矢車さんはそこに注目していた。
アリス「最近は色々と忙しかったですからね。それがどうかしましたか?」
アリスは警戒をしつつ、矢車さんに返答する。当然だ、相手もサーヴァントなのだから。
ちなみにこの時、矢車さんはあえて気配遮断をしていない。キリトが何か地獄を見てきたように、思えたからだ。
矢車さん「そのガキはお前のマスターか?」
アリス「そうだと言ったら――キリトを狙う気ですか?」
矢車さん「いや、俺はそいつが目を覚ますまで待つ。そいつの目を見てみたいからな……」
アリス「……奇抜な服装もそうですが、変わった人ですね」
ちなみに矢車さんは相手の目を見て、地獄を見てきた者かどうか見定める謎の技術?がある
ソードアート・オンライン事件やユージオの死を経験してきたキリトは、矢車さんにとってどう見えるのか――
3423
:
名無しさん
:2025/03/05(水) 07:43:12
>>3416
を少し詳細に書いてみた
二条城での初戦、アーチャーvsキャスターによる戦い
アーチャーが放った神速の二矢が正確無比にキャスターを射止めようとするが、突如現われた式神六体によって阻害されてしまった
しかし完全に防ぎきることはできず、代償として式神二体は致命傷を負い戦えない状態になった
太歳星君「ふむ、やはり英霊相手に式神どもは力不足か。とりあえずお前達は散って周辺でも警戒していろ、あれは僕がやる」
主に勅に従い残りの四体は二組に分かれてアーチャーを避けるように散っていく
アーチャーに敵意・殺意を向けることなく、アーチャーのマスターや他の勢力がいないか偵察する
ただし、闘争を楽しむ術者の意を汲んでマスターを見つけても干渉せず、せいぜい観察して報告ぐらいである
また他のサーヴァントを発見したとしても単体では敵わない、なので万が一倒されてしまっても構わないので見つけ次第主への報告を優先するつもりである
アタランテ「眷属すら離散させて単身で挑みにくるとは、随分と舐められたものだな」
太歳星君「なに、色々と試してみたいことがあってな」
太歳星君「さぁ、この僕を楽しませてくれよ!」
言うやいなや、キャスターは術もなにもなしにアーチャーへと急速接近する
予想外な行動に虚を突かれたアーチャーだが、即座に反応して弓矢を射貫く
それを躱して近付いた白き童子は徒手空拳による近接戦闘を仕掛けるが、清麗なる狩人も攻撃を見切り弓で殴り蹴り返そうとする
しばし肉薄した状況での格闘が続いた後、アーチャーが至近距離にも関わらず弓を引いて複数の矢でキャスターの片腕を射貫いた
しかし同時にキャスターからも蹴りを入れられたたため、アーチャーは一旦距離を置きつつ弓矢を番えた態勢を取る
太歳星君「中々やるじゃないか、弓兵でありながら近付かれても問題なく白兵戦に転じられるとはな」
アタランテ「肉弾戦を仕掛けてくる術者が何を言う。それとも、使い魔と自己強化ぐらいしか使えないのか、貴様は?」
太歳星君「くく…神に対して不遜な物言いだな。だが確かに、それだけでは物足りないとみた。どれ、ならばお前にもみせてやろう、『神の祟り』を」
アタランテ(『神』を名乗る、か…果たして神を騙る偽物か…それとも本物なのか…)
相手の正体に繋がるかもしれない一片の情報を耳にしたアーチャーはその真偽を図るよりも先に、眼前の脅威に備える
一方、キャスターが言葉を終えると頭上に無数の目玉が見開き、それが段々と収縮されていきやがてが術者の両手の内に収まってしまう
そして両手が開かれると複数の光球が出現し、キャスターの周辺を各々別軌道を描いて回り始める――まるで惑星の周りを軌道運動している衛星のように、まるで原子核の外側で周回する電子のように――
その内の幾つかが中核から離れて標的に向かって飛翔する、対して射手も素早く動きながら複数の矢を放って光球および暴君を射貫かんとする
一射が光球に当り対消滅するが、残りの光球が急に軌道を変えたために幾つかの矢は当てもなく遠くへいってしまう
またキャスターを狙った攻撃も、彼の周りで周遊する光球によって防がれてしまう
一方でアーチャーは高機動で場所を変えながら新たに矢を放ち、迫り来る光球をさらに一つ消し去る
それら矢の弾幕を乗り越えた凶弾がアーチャーへと肉薄するが紙一重に回避されてしまい、その先にあった木々などを代わりに貫き抉り削る
しかしそれだけでは終わらず、通り過ぎたはずの光球は軌道を急転進させて再度標的を狙いに来る
ゆえに追尾を予想していたアーチャーは再度弓矢による速射を放ち、反転した光球が迫る前に撃墜することに成功する
そのタイミングを狙ってか、キャスターが新たな光球を差し向ける
それはアーチャーが気付いた時には三度弓を引き矢を放つのが難しい間隙を突いた攻撃であった
それはアーチャーの移動先をも読んで解き放った回避困難な凶星であった
ゆえにアーチャーは矢を射ることなく、弓を振りかぶってぶつけることで直撃を避ける事にした
アタランテ「くっ!」
しかし、弓を持ち攻撃を受け止めたアーチャーの腕はダメージを負ってしまった
攻撃を受け止めた弓は無事であったが、光球の威力は減衰されただけで消滅と同時に残された破壊の衝撃が彼女の腕に襲いかかったのだ
幸いなことにそこまで大きなダメージにはならず、まだ弓矢を番える余力も残っていたが
アタランテ(潮時か…今は情報を持ち帰って、次の機会に備えよう)
そう判断するやいなや、アーチャーは牽制しつつその場から素早く離脱した
3424
:
名無しさん
:2025/03/06(木) 16:11:03
>>3394
、
>>3402
学園の授業が終わった放課後、マヤやザンキと合流して人里離れた山中にて修行に励んでいた
その最中にザンキが日中に戦った相手の特徴を伝える
ザンキ「理性的で剣士の姿をしたバーサーカーと、どこからともなく様々な武器を取り出し使いこなす青年のマスター、二人掛かりで連携して攻撃してくる奇妙な主従だった」
マヤ「奇妙な主従?」
ザンキ「狂戦士の名を冠しておきながら狂気に囚われる様子もなく、むしろ何かに迷っていた。それに、クラス特性である性能向上という恩恵も機能しているようには感じられなかった」
ザンキ「一方でマスターの男は英霊相手にも怯まずに、むしろ戦い慣れている様子だった。こちらに必死に食らいつく様子からして、聖杯を強く求めているかもしれない」
マヤ「…うーん、私にはよくわからないけど、何かのために積極的に戦う人も、いるんだね」
ザンキ「そうだ、今回はバーサーカーよりもそのマスターの方が厄介な存在だった。仮にバーサーカー陣営の連携に乱れがなかったら、俺も危うかったかもしれない」
ザンキ「マヤ、もし明確な目的と覚悟を持ってこちらと戦おうとする相手と出会った時、お前はどうする」
3425
:
名無しさん
:2025/03/06(木) 19:29:54
>>3420
『私も賛成です、アサシンさん。
…こんなひどいやり方をする以上、たとえアズラエルという人と関係無かったとしても…放ってはおけないから』
太牙の提案に対し、舞衣はそう答える
しかし自分も付いていくかどうかで彼女は悩んでいた
(付いていきたいけれど…逃げたあの人たち(ヤクザ)が、私や太牙さんの情報をそのアズラエルって人に伝えない…とは思えない。
どうしよう…)
3426
:
名無しさん
:2025/03/06(木) 19:41:21
>>3407
ユウキと『お話』した後、ソリテールと蓮子はその場を去った
彼女達の気配が完全に消え去ったのを確認して、一護は念話する
一護『ユウキ、あのサーヴァントには気を付けろ。なんだかわからねぇけど、あいつと関わってもロクな事にならねぇと思う』
一護はソリテールから藍染惣右介のような気配と胡散臭さを感じた。
藍染の時は彼の演技もあり騙されたが、二度目はそうもいかない
ユウキ『うーん……あの二人、そんなにヤバそうだったかな?』
一護『マスターはまともそうだったな。でもあのサーヴァントは何か胡散臭ぇんだ。正直あいつが寄越した情報も怪しいと思うぜ』
3427
:
名無しさん
:2025/03/06(木) 19:44:53
アスナ「士郎くんも、いい人を狙うとやっぱり心が痛むの?」
美遊兄「そりゃそうさ。美遊を幸せにするためとはいえ、無害な人達を襲うのはあんまり気持ちがいいものじゃない」
アスナ「そっか。士郎くんがそういう他人(ひと)の痛みが分かる人で良かった」
美遊兄「まあ――今となっちゃ聖杯戦争の優勝なんて悪の道を歩むって決めたけど、これでも昔は正義の味方に憧れてたからな」
アスナ(正義の味方、かぁ。もしもキリトくんがこの聖杯戦争に居たらきっと優勝を狙わずにみんなと協力して攻略するんだろうなぁ)
――アスナはまだ知らない。キリトがこの聖杯戦争に参加していることを。
――アスナはまだ知らない。キリトが本気で優勝を狙ってることを
――アスナはまだ知らない。自分が優勝するには、ユウキとキリトという大切な二人を聖杯戦争から脱落させなければならないことを
3428
:
名無しさん
:2025/03/06(木) 19:45:43
マヤ「目的次第だけど、危険人物なら放っておけないし……私が殺されてチノやメグと会えなくなるのも嫌だから、私も覚悟を決めて戦うと思う。だってそうするしかないなら、戦うしかないじゃん!」
ザンキ「……そうか。聖杯戦争には本気で願いを叶えるために卑怯なことをしたり、マスターを狙う奴もいる。出来る限り俺がマスターもサーヴァントも抑えるが、バーサーカーのマスターは明らかにマヤよりも戦闘慣れしていた。いざという時にマヤだけでも他のマスターと戦えるように、しっかり鍛えなきゃな。……本当はこんな危険に一般人は巻き込みたくなかったんだけどな」
その日からザンキの指導は激しさを増し、マヤは必死に鍛えた
全てはマヤを無事に元の世界に帰すためだ
3429
:
名無しさん
:2025/03/07(金) 00:21:09
>>3421
「無論私もそれは理解しているつもりだ。安心したまえ、それだけの相手だよ」
期待外れだったらタダでは済まないというピトフーイに釘を刺されるもシロッコは難なく受け流す
数々の死線の中で戦ってきたのもあるが、それ以上に彼はキャスターの絶対性についてまるで疑っていなかった
キャスターを召喚したとき、シロッコは概念でしか知らなかった神というものを今回の聖杯戦争で初めて知覚した
そこで彼はある意味初めて膝を屈したのかもしれない
だからこそだろうか、正真正銘人の上位と言える存在に彼は一つの興味を持ち始めていた
これを打倒しようとする者達の戦いは一体どれほどのものになるのかと
そうして目的地まで一通りの自己紹介を済ませ、ついに二条城へと辿り着く
外からでも感じ取れる異常性にピトフーイは想像以上だとワクワクしていたが、李書文は感じる強敵に胸を踊らせつつもその異様さに顔を険しくする
「お主、何を呼んだ…?」
時代は遠く離れているが、奇しくも同郷と言える存在であるが故にランサーは他の者よりそれを感じ取っていたのかもしれない
「真名は伏せさせてもらうが祟りの神霊――その御分霊、私はそう聞いている」
そのまま彼らは二条城の本丸へと進んでいき、異様な白い和装の少年の姿のキャスターと邂逅する
見かけは変わった童にしか見えなくともそんなものが何の当てにもならないと理解していた
「よく来た、聖杯に招かれし英霊とその主。今回の戦いでは主従で会ったのはお前たちが初めてだ、歓迎するぞ。それでシロッコからある程度は聞いているが、このままやるのか?僕はどちらでも構わないぞ」
相手がやる気にならなければキャスターが彼らを気に留める事はない
上位者としての余裕をもって彼らと戦う時まで待つだろう
3430
:
名無しさん
:2025/03/07(金) 06:19:09
>>3423
「逃げたか、まぁいい。あれが新たな呼び水となって、さらに僕を楽しませてくれるだろう」
撤退するアーチャーに対して特に追撃する素振りもみせず、太歳星君は将来の戦いに繋がることを期待する
まだ戦いを続けたいという気持ちもあったが、彼女が他の勢力と手を組み万全な準備を整えて再び挑んでくるだろうと見当をつけていた
かつて強力無比な特級呪霊を複数連れた小娘に喧嘩を売られた時のように、相手の全力を受け止めた上で全てをひねり潰すつもりで楽しみを取っておくことにしたのだった
「それにしても、ここまで弱体化が著しいとはな」
ただ、アーチャーを逃したのには別の理由もあった
今はまだ聖杯戦争の序盤ということもあって本気の戦いをするつもりはない、ということもあるが
今回太歳星君が女狩人と戦ったのはサーヴァント化した自分の性能を計る思惑があってのことであった
結果、神の祟りの具現たる『消滅の凶星』が本来より威力が減衰が著しいことが判明する
アーチャーが得物で凶星を受け止めた際、威力が減衰したとはいえ相手の腕をズタボロにして使えなくする程のダメージを与えられなかったのが何よりの証拠だ
この分では通常の凶星であろうとも、高密度の神秘で編まれたエーテル体である英霊の影法師を穿つことは難しいだろう
(それでも只の人間やその他の相手にはオーバーキルであることには変わりはないが)
またこの戦闘が始まる前にも、視肉の数が著しく減っていることも確認していた
その事実も「太歳星君の分霊のサーヴァント化」という異常な状態が原因であると考えていた
ゆえに、先の戦闘で再起不能になった式神や矢が複数刺さった腕を視肉によって回復させることなく、少し時間が掛かるが陣地たる二条城の霊脈を利用して修復する必要もあった
この分では式神どもや陰陽術も影響を受けているかもしれない、それを補強するために視肉があるのだが数が限られているために大盤振る舞いするかどうかは慎重にならなければならない
――それらを認識した上で、太歳星君は弱体化の原因に関してもう一つ仮説を立ててみる
「やはり、京都を覆う結界が僕に呪いをかけているのか」
「それとも、これ程の制約を課してもでも神霊の一端を顕現させたかったのか」
「くく、随分と不遜な輩がこの儀式を企てたに違いない」
「僕を興じさせる舞台を用意したことだけは褒めてやるが」
「いずれ、神を弄ぼうとした報いとして祟ってやろう」
太歳星君は思い返す、かつて死闘の末に自分を打ち負かし隷属させた小娘の策略を、京都に祟りの五芒星の陣を敷いて神の力を削ぐ大結界『弑逆桔梗』を
その時は甘んじてその呪いを受け、相手の趣向を気に入りつつ全力で祟り返してやり、小娘が用意した『卒業生』とやらを悉く蹂躙してやったが
それはともかく、たぶんその時と同じ様な状況が今回の悪辣な儀式にも施されていると太歳星君は睨み、上空を見上げて京都を覆う結界を凝視する
――彼の見立てはほぼ当を得ていたであろう
いくら御分霊とはいえ“神霊”そのものをサーヴァントという枠に収めることはほぼ不可能に近い、普通の聖杯戦争ではあり得ない事象だ
その理をねじ曲げるために大儀式の術式を改竄して神を顕現させ、さらには神の力を削ぐための大結界を敷いた、という風に予想するのも無理はない
もっとも、何故そこまでして神霊の一端を召喚したかったのか、裏側にいる何者かの意図は読めなかったが(あるいは見当違いの解釈である可能性もあるが)
なんであれこの殺し合いに招待してくれた黒幕について探りを入れることも考え、見当が付けば褒美(=死)を与えるつもりであり、そこにも愉しみを見出し始めていた
「だが今は後回しだ。今度はマスターが連れてくる一陣営を手厚くもてなしてやらなくてはな」
二条城の方へと振り返り、太歳星君は数歩歩む
そして足元に転がっていた式神の形代を拾い、戻ってきた式神も消失させてから城の中へと転移した
※そして仮投下
>>3429
に続く
3431
:
名無しさん
:2025/03/07(金) 06:20:23
以下、太歳星君に関するTips&自己解釈・与太話
・聖杯戦争に喚ばれた太歳星君は分霊であり、傲岸不遜にして極めて尊大、残虐な性格も持ち合わせているが、自らを絶対強者と疑わず自分以外の全ての存在を自分を楽しませるため存在として明確に見下しているため、対戦相手に猶予を与えてでも全力で戦おうとする度量の深さも持ち合わせている。曰く「尋常に勝負するタイプ」。
・一方、太歳星君の本霊は別の位相に存在し、分霊に力の3分の1を分け与えて現世を観察している。勝つためなら手段を選ばない高慢な性格の持ち主で、正々堂々戦いたい分霊とは意見が違える。
●本霊とは一部性格の違う分霊の太歳星君、つまりペルソナの一つが別個体として独立した自我を持つその有り様は「アルターエゴ」に近い。とはいえ陰陽術の使い手だからキャスター適性も強いし、今回の聖杯戦争はそのクラスが当て嵌められたんだろうなー、と。
●余談だが、太歳星君と契約した神代家は一族から生贄を差し出す代わりに千年もの間日本政界で権力を得ていた。ある意味聖杯もなしに願望を叶える存在、それが神霊(太歳星君の本霊の方)といえる。
●一方、分霊は「鎬を削る戦い」を望むがゆえに聖杯戦争に喚ばれたのかもしれないね。
・ちなみに太歳星君は安倍晴明と関係あり。
「あの坊主ごときが社貰うとか、ちょっかいかけるか」と見下しながら意地悪をもくろみ安倍晴明の霊をガタガタと怯えさせている。
その後、京都についた寶月夜宵は安倍晴明の霊から神退治に向けた数々の援助を受けている。
清明的には神代家の過ちに間接的に関わって現在の出来事にまで発展したことを気にしているために手助けをしたようだ。
●平安時代の安倍晴明繋がりで玉藻の前とも共通点はありそう。遭遇したら両者ともに真名看破は容易そう。
・原作では『弑逆桔梗』の呪いを受けた上で大暴れしていた太歳星君の分霊。
本来攻略に必要だった卒業生クラスの霊の数は最低でも21体以上らしく、卒業生クラス7体で挑んでしまった夜宵が紙一重に勝利できたのは『弑逆桔梗』の呪い+イレギュラー2種が合わさった結果だったとのこと。
●これを踏まえて本企画では太歳星君の弱体化の要因を「鯖化による影響」+「京都結界による影響」という二段構えで仮投下
>>2028
を書いてみた。
・夜宵は『十二神将』の式神1体の強さ=卒業生の半分程度の力である、と見立てている。
・主と同じく『弑逆桔梗』の呪いを受けた式神は1体につき視肉3個を下賜され、その結果呪いの影響分を差し引いても普段の2倍ほどの強さになったと豪語している。
・ただし式神たちの戦績は全敗、相手が悪すぎた…。
○清明の新たな式神2体により2体がやられる。
○復活した酒呑童子により1体が瞬殺される。
○式神5体が清明の呪術により生贄にされて消滅、5匹の龍になって酒呑童子討伐に用いられる。
○残りの4体が各個で卒業生1体ずつに訳分からん殺しを受けて敗北。
●とりあえず単体では鯖に負けるのは確実。大人数で鯖1騎に襲いかかれば互角になれる…のか…?
視肉を与えられればバフが乗るが、回数制限もあり主の気分次第だが与えられるかは微妙。
ほぼやられ役で間違いなし。マスター相手なら脅威になるが、主の性格もあり相当な事情がなければ狙わないだろう。
3432
:
名無しさん
:2025/03/07(金) 06:21:49
>>3418
カブキ「それで俺に話があるって聞いたが、いったいどんな要件だ?もしかして、俺達と手を組みたいってことか?」
夏油「あー、それは場合によってだけどね。それよりも確認したいことがあるんだ」
カブキ「はぁ、確認だぁ?」
夏油「巷では君が“鬼”に変身して怪異とかと戦っている、って聞いてね」
カブキ「その通り、人間を守るのが鬼の仕事だからな!」
夏油「ふーん」
如何にも善良な鬼として振る舞おうとするカブキを、目を細くして値踏みするように観察する夏油
夏油「でも、その守ったはずの相手から“化け物”扱いされて心ない言葉を突きつけられたり排斥されているとも聞いている」
カブキ「…確かに一部の人間からそんな仕打ちを受けているが、俺は特に気にしていない」
一拍間を置いての虚勢を振る舞うが、さすがに嘘では隠しきれない感情が多少漏れてしまったかもしれない
夏油「その話が 本 当 なら、僕たちは相容れないかもね」
カブキ「なに…?」
夏油「僕もね、弱者を守るために呪術師として頑張っていた時期があってね」
夏油「でも、途中で気付いたんだ。そんな“猿”どもには守る価値なんてなかったことを、ね」
夏油「だから君も同じように考えているんじゃないかと思っていたんだけどねぇ」
(※この後のカブキの反応は他の人にお任せします。交渉決裂、同盟成立、その他どんな展開でもいいかなぁ、と)
3433
:
名無しさん
:2025/03/07(金) 06:22:26
>>3426
蓮子達が立ち去ってから少しして、今度は魔物の集団が学校にやってきた
ユウキ達が話を聞くと、京都市内の魔物の集落が人間達に襲われたために避難してきたという
なんでも、人間が縄張りに侵入したために戦える魔物達が応戦しようとしたが、たった一人の大漢によって全滅してしまったという
その後に人間(ヤクザ)が大勢で攻めてきたため、生き残っていた魔物の一部でここまで逃げてきたらしい
ただし、逃げ遅れて集落内に隠れている仲間がまだいるようなので、ユウキ達は彼らを救出するために現場へと向かった
また殺戮を起こした大漢がサーヴァントである可能性が高いため、そちらについても調査するつもりである
※避難してきた魔物達は舞衣組がヤクザ達を撃退したことを知りません
※たぶん舞衣組が離れた後にユウキ組が現場に辿り着くでしょう
3434
:
名無しさん
:2025/03/08(土) 11:44:22
>>3343
ユウキ「そんな……むごい……」
一護「クソッ、俺がもっと早く駆けつけてれば……!わりィ、ユウキ」
ユウキ「ううん。セイバーは悪くないよ……」
あまりにも凄惨な光景にショックを受けるユウキ
だがめげずに、魔物達を無事に避難させることに成功。彼らからインターラプターの特徴を聞き、サーヴァントの可能性があると考える
ユウキ『ねぇ、一護。サーヴァントってみんな一護みたいにいい人ってわけじゃないんだね』
一護『ああ。いいサーヴァントもいれば悪いサーヴァントもいるし……いいサーヴァントでもマスターが令呪を使われたら逆らえず残酷なこともしちまう』
ユウキ『そっか……。聖杯戦争って、残酷なんだね……』
否が応でも聖杯戦争の惨さを知るユウキであっ
そして今回の一件で人間が怖くなったり、人間に対して怒る魔物も出てきた
主な怒りの矛先はアズラエルの企業とインターラプターだが
3435
:
名無しさん
:2025/03/08(土) 11:54:43
事件で噂になっているピトフーイらしき人物が昨日の夕方・夜にかけて目撃され、複数人で二条城方面に向かっていたという情報が一部の界隈にて噂されていた
その話をツテのある仕事関係者から聞いたレンは、朝食の時間でありながら眉間に皺を寄せて名護さんにも伝達する
名護さん「どうする、そちらについても確認しに行くか?」
レン「…いや、とりあえず伊織さん達の用事を済ませよう。その後に一緒に確認しに来てくれたら、いいんだけどね」
※ピト達が二条城方面に向かったという情報は別のルートで他の主従にも伝達しているかもしれません
3436
:
名無しさん
:2025/03/08(土) 11:55:24
翌日、レン達との約束のために早めに京都市内に訪れた伊織とセイバー
集合時刻までの猶予の間に、セイバーは市井の人々が行き交う中から再びシロウを目撃する
逡巡の末、今度こそ見かけた人影を確かめるべくセイバーは伊織に進言する
セイバー「伊織、申し訳ないですが今から単独行動を取る許可をいただきたい」
伊織「…どうした、これからレン達と会うというのに」
セイバー「…見知った顔を見かけたので、追いかけて確認してみたいのですが」
伊織「わかった、“すまほ”については俺一人とレン達で問題ない。しばらくの間なら別れて行動してもいいだろう」
セイバー「すみません。そして、ありがとうございます」
伊織「ただし、何か問題があったらすぐに連絡してくれ」
セイバー「心得ました」
会話が終わるとセイバーは家屋の上へと飛び乗り、駆け足でシロウを見かけた方角へと跳躍していった
3437
:
名無しさん
:2025/03/08(土) 11:57:37
>>3422
キリト「うっ、ううん…」
アリス「キリト、大丈夫ですか!?」
アリスと怪しい男(矢車)が一定の緊張感を保ちつつも意識を失った少年を見守って数分、キリトが覚醒の兆しをみせてアリスが声を掛ける
キリト「あぁ、大丈夫だ、ア(すぐ近くにサーヴァントがいます、真名は口にしないでください)…ありがとう、ライダー」
目の前にいた戦友の名前をつい口ずさもうとしたところで手で口を塞がれ、念話で注意された
なので頭が回りきっていない状態ではあるが、注意して相方に感謝を述べる
矢車「よう、坊主。名前はキリトといったか。調子はどうだ」
アリス「あなたはそれ以上近付かないでください」
キリト「なんなんだ、お前は」
二人のやりとりを見つつ近付きしゃがみ込む矢車に対し、まだ正体が掴めない男を制止するようにアリスが間に入る
ただし視界を遮ることはなかったのでキリトは相手の姿を目し、影山もその視線の先にある瞳を見返した
矢車「……瞳の奥に闇が見える……俺と同じ、地獄を見たか?」
アリス「……本当にあなたは一体、なんなんですか」
キリト「……」
その言葉が何を指すのかは図りかねるが、どうにも自分の何かを見透かされているような気がして、キリトは押し黙るしかなかった
矢車「お前の暗闇、気に入った……お前も……俺の弟になれ」
キリト「……はぁ?」
アリス「……もしや、私達と手を組みたい、と?」
唐突に出てきた意味不明の提案に一瞬理解が追いつかないが、アリスがその言葉の意図をなんとか察し確認してみる
矢車「俺も、俺のマスターも聖杯戦争に勝つために誰かと手を組むのが得策と考えている」
矢車「特に、お前みたいな地獄の住人を。光を掴むために足掻こうとするマスターであれば、俺達と一緒に戦う仲間に相応しい」
矢車「勝ち抜くために共闘するのはお前達にとっても理に適っているはずだ……さぁ、どうする」
3438
:
名無しさん
:2025/03/08(土) 11:58:15
>>3415
次の瞬間、敵対していたライダーが姿を消していた――殆どの人はその様にしか見えなかっただろう
唯一クロックアップにより撤退する姿を見ていた影山であったが、ライダーが何処からか拾ってきた燃料を撒き散らしてマッチを放り投げる光景を目撃する
仮に追撃したらカズマや少女に被害が及ぶ危険があったため、影山は彼らを守ることを優先した
ほんの少し間を置いて、危機が去ったと思ったイリヤがセイバーの元へと駆け寄っていく
イリヤ「セイバー、大丈夫!?」
ヤマトタケル「あぁ、大丈夫だ…すまない、私が遅れを取ったばかりに君を危険な目に遭わせてしまった」
イリヤ「こっちこそ、私が足手纏いでなければ……」
こんな時、マジカルルビーかクラスカードがあればある程度は自衛もできてセイバーの負担を減らせたのに……
胸の内に苦い想いを抱きながら、今はセイバーの安否を確認して一安心する
大ダメージを受けたセイバーが立ち上がり、そのふらつく身体を支えるようにイリヤがくっつく
イリヤ「それと、そこのお兄さん達。助けてくれてありがとうございます」
ヤマトタケル「…それについては私からも礼を言いたい。マスターを守ってくれて、ありがとう」
カズマ「いやー、ホント良かったよ。突然戦闘が始まった時には吃驚したしな」
ヤマトタケル「……私達を付けていたのはやはり君だったか」
カズマ「ギクッ」
影山「おい、カズマのことを悪く思うなよ。霊体化もせずに街中を歩いているお前にも非があるだろう」
ヤマトタケル「…それもそうだな、そのおかげでこちらも助けられた。本当にかたじけない」
ヤマトタケル「…それで、この後はどうする」
セイバーの視線と言の葉に険が出る
確かに助けられ感謝を伝えたが、そうだとしても相手は聖杯戦争の参加者であり、まだ相手の思惑が分からない状況である
もしかしたらライダーの次には彼らと戦うかもしれない、ゆえにセイバーは不調でありながらも彼らへの警戒を解くことはしない
カズマ「できることならば一緒に戦う仲間として手を組みたい、ところなんだけどなぁ……」
影山「とりあえず今はお前と戦うつもりはないが……」
ヤマトタケル「なんだ、その煮え切らない返事は」
矢車の兄貴が彼らに対してどう反応するのか未知数なため言葉を濁すしかない二人
ひとまず影山は変身を解いて戦闘の意思がないことを示し、二人は友好的に振るまいつつ情報交換や方針について話し合うことにする
その際にカズマ組は聖杯を狙っていることを明言し、イリヤ組は悲劇を生む可能性が高い聖杯を否定している
3439
:
名無しさん
:2025/03/08(土) 15:42:23
>>2033
で別れる前に蓮子組はユウキ組に魔物の学校を紹介されたんだけどそこで二組は気になる情報を得ていたな
魔物の代表曰く、元々この国には様々な種がいて中には人間に害をなす者もいたが、人間に友好的な種の方が多かった
しかし、ある時から狂暴な魔物や災いをなす魑魅魍魎が京都を中心に増加し、そうした連中と十把一絡げにされて肩身が狭い思いをしているとのことだった
3440
:
名無しさん
:2025/03/09(日) 07:25:08
一方、美遊兄は仕事がない休日を利用して買い出しや諸用を済ませようとしていた
歩きながら前に戦った謎のサーヴァントについて考える、二人掛かりでも仕留められず、逆にこちらが危機に陥っても追撃せずに撤退したあの男のことを
自分達と遭遇する前にも魑魅魍魎を討伐し、自分達よりも率先して退治する善良な英霊であり
敵対しているはずのアスナにも忠告を与える程に強く、その姿から窺える確固たる意思は、まるで正義の味方のように見えて
美遊兄(…それでも、俺は、俺達はなんとしてでも、聖杯を手に入れる!)
例え悪に堕ちようとも、彼は妹のために、捨て去ってしまった過去を乗り越えて突き進むために気を引き締める
自分が戦い抜いた冬木の聖杯戦争との違いを思い知らされても、その程度の理由で諦めるわけにはいかないのだから
アスナ『…士郎くん、こちらに近付く魔力が一つ、たぶんサーヴァントだと思う』
その最中、霊体化しているバーサーカーから念話で警告を受ける
水妖精であり耳が尖っている今のアスナでは例え私服姿を着ていても目立ってしまう、場合によっては魔物と間違われて余計な騒ぎになる可能性もあったので姿を現さないようにしていたのだ
ちなみにアスナとしては透明のまま街中を歩くというのは変な感覚であり、どちらかというと実体化して共に歩きたいのだがそこは我慢しているようだった
美遊兄『もしかして、マスターの俺を狙ってきているのか?』
アスナ『どうだろう、少しだけ蛇行したり立ち止まったりしながら動いているけど、着実にこっちに近付いているわ』
美遊兄『…念のため、人気のない場所に移ろう』
アスナ『そうね、もし戦闘になっても被害がでないようにしないと』
3441
:
名無しさん
:2025/03/09(日) 07:26:47
※文字数の関係でインターラプターの台詞を偽名の「ワタナベ」にしています。
>>3413
ワタナベ「効く……イイ……遙かにイイ……」
快楽の波に浸るインターラプターは跪いた状態で恍惚な表情を浮かべ、メアリーやアズラエルなど万事を忘れて至福の時間を感受する
この抑えられぬ衝動が落ち着くまでは一時的に無防備な姿になり、周囲に気を配る余裕もなかった
太牙「どういった状況下わからないが、貴様がヤクザ達の言う“センセイ”か?」
ワタナベ(……クソッ!こんな時に、何者かに見つかってしまうとは!)
ゆえに、意識が徐々に戻っていく最中に僅かな怒気が籠もった声を聞いて己が失態に嫌気が差す
たぶんオハギに夢中になっている間にニンジャもしくはサーヴァントとしての気配が漏れていたのだろう
相手が“ヤクザ”や“センセイ”を口にしている様子からして、自分の素性や孤児院のことも知られているかもしれない
加えて相手の気配からしてサーヴァントである可能性が濃厚である、とてもいい状況ではない
舞衣「…あなたが、魔物の集落を壊滅させた実行犯ですか?」
ワタナベ「……」
もう一人の少女に問い掛けられ、インターラプターは押し黙る
たぶんマスターなのだろうが、少しだけ不安げな様子を見せている
太牙「おい、なんとか答えたらどうだ」
ワタナベ「……語る事など、何もない」
インターラプターは立ち上がると同時に甲冑のような装甲と道着を纏った姿へと変化させ、己が闘気を高めていく
情報源は不明だがこちらの事を探りに来た連中である、いずれ孤児院にいるメアリーに辿り着いてしまうかもしれない
彼女を護るためにも、ここで敵を排除する必要がある!
ワタナベ「ドーモ、バーサーカーです」
戦闘の意志を見せつつも、ニンジャとしてオジギとアイサツを丁寧に行う
どんな状況であれニンジャのイクサに欠かすことの出来ない絶対の礼儀作法だ、これなしに攻撃を仕掛けることはスゴイ・シツレイにあたる、だからこの不文律を曲げずにインターラプターは名乗り出た
――本当であれば相手の名前かクラス名を知ってから名乗りたかったが、数多の英霊が集まる聖杯戦争においては万人に通用する作法ではないので仕方がないものとする
太牙「問答無用でやる気か、いいだろう。アサシン、とだけ名乗っておく」
太牙「そして王の判決を言い渡そう……死だ。変身」
名乗りに付き合ったアサシンもまた変身し、謎のスーツを纏って構えを取る
少女・柳瀬舞衣が見守る中、二騎の英霊が衝突する
3442
:
名無しさん
:2025/03/09(日) 08:07:31
>>3432
カブキは暫し考えた
人間に復讐したい気持ちは強い。だが夏油と組めば、おそらく危険人物として複数の主従に狙われることもあるだろう。
それにカブキは夏油と違い、子供は殺したくない。そして夏油はおそらく子供も殺すだろうと推測する
なによりカブキは聖杯という存在を狙いつつもそこまで信用していない。夏油は聖杯を利用して〝猿〟の殲滅を企んでいるのだろうが、カブキはどちらかといえば聖杯を狙いつつ、生存も優先したい。ゆえに夏油と組むのはあまりにもリスキーだし、善良な鬼として振る舞ってた意味がなくなる。
カブキとしては複数の主従と組みたいからだ
「それは残念だなぁ。言っただろ、人間を守るのが鬼の仕事だってなぁ」
変身音叉を取り出し、仮面ライダー歌舞鬼に変身した
「つまりお前は俺の敵だ!」
そしてカブキは夏油に襲い掛かる。
悪人のマスターを倒したという話は、他の主従と手を組む時に使えるだろう
なにより夏油はカブキの思想を見抜いてしまった。これを他の主従に伝えられたら厄介だ
ゆえにカブキは判断を焦った
3443
:
名無しさん
:2025/03/09(日) 08:08:37
>>3438
聖杯を狙う理由は元の世界にカズマが帰るためっていうのも明言してるんだよね、カズマ組
そして聖杯は悲劇を生む可能性が高いと聞き、イリヤ組と別れた後にカズマと影山は念話する
カズマ『聖杯が悲劇を生む可能性が高いか〜。まあ何か胡散臭さは感じてたけどな』
影山『俺は悲劇は起こしたくないな。でもカズマを無事に帰すには、聖杯以外どうしろっていうのさ』
カズマ『さぁな。とりあえずまだ聖杯が悲劇を生む〝可能性〟が高いだけで確定したわけじゃないってのが大事だ。でもまあ聖杯に頼らない元の世界に戻る方法も本格的に探した方が良さそうだな』
影山『そうだな、カズマ。でも兄貴は聖杯を本気で狙ってそうだ……』
カズマ『もし元の世界に戻る方法がわかっても、問題はそこなんだよなぁ』
3444
:
名無しさん
:2025/03/09(日) 08:10:09
>>3437
矢車に自分の何かを見透かされ、地獄の住人と称されたキリト。
彼が思い出したのは月夜の黒猫団が壊滅したことやユージオの死。
キリト「地獄の住人か……。たしかに俺は、そうなのかもしれないな……」
アリス「キリト……」
アリスは月夜の黒猫団のことこそ知らないが、キリトがユージオを失ったことは知っている。そしてユージオはキリトにとって特別な相棒であることも。
ゆえに自嘲的な笑みを浮かべるキリトに同情した
キリト「あんたの言う通りだ。俺はたしかに……暗闇を前に光を掴もうとしてる」
アンダーワールドを。
ユージオ達との思い出を守るということは、つまりそういうことで。
矢車さん「ああ、わかってる。だから俺はお前を気に入った……」
キリト「なるほどな。あんたも地獄の住人で、光を掴もうとしてるわけか……」
矢車さん「ああ。もちろん最後の二組になれば、そこで俺とお前達は戦うことになるが……どうする?」
キリト「……わかった。あんたの提案に乗るよ」
矢車さん「フッ……。そうか。俺はアサシン。キリト……お前は今日から俺の弟だ」
3445
:
名無しさん
:2025/03/09(日) 08:11:19
>>3436
その後、レンと名護さんがやってきて伊織はスマホの契約をした。ついでにその利便性から名護さんも契約した
そしてレンは二人にスマホの使い方を教える
手軽に連絡を取り合えるだけでなく、世界情勢や噂も検索して調べられるスマホの存在に伊織は感心する
名護さん「本当はセイバーにも契約してもらいたかったな」
レン「うん。でも知り合いの人を発見したなら追い掛けても仕方ないよ」
名護さんとレンはこの場にアルトリアがいない理由を伊織から聞いていたので、そんな言葉を交わす
3446
:
名無しさん
:2025/03/09(日) 10:35:27
>>3429
ピトフーイ「もちろんやるよ!存分に愉しみなさい、ランサー!」
李書文「呵々っ、お主が祟りの神霊――その御分霊か。貴様の実力しかと見せてもらおう」
そして太歳星君と李書文の戦いの火蓋は切って落とされた
同時刻――
ピトフーイ「……で、シロッコだっけ。私の見立てじゃあんた、常人じゃないよね。だって歴史の立会人になりたいってだけで私達と接触するなんて気が狂ってるか――自分が殺されない自信がないとおかしいもんねぇ!」
瞬間――ニュータイプ能力で、シロッコはピトフーイが自分に攻撃するのを察知した
そしてシロッコが直感した通り、ピトフーイはシロッコ目掛けて銃を撃とうとしていた
ピトフーイとしてはサーヴァント同士の戦いにも興味はあるが、相手のマスターと死闘したいという気持ちもある。魔術の類は使えないからサーヴァントとは戦えないが、マスターなら話は別だ。彼女は聖杯戦争のマスターである以前に、ピトフーイという狂人であるがゆえに
3447
:
名無しさん
:2025/03/09(日) 22:07:49
>>3446
太歳星君は先の戦いと同じく、小手調べに徒手空拳で攻め入る
しかし相手は武術を極めし拳法家、得物である槍を手放して組み手に応じ、数打の小競り合いの末に太歳星君を吹き飛ばす
李書文「多少武術の心得があるようだが物足りないな。術師であるならば、己が得物でかかってこい」
太歳星君「…くく、槍兵のくせに拳法の使い手とは、少し驚かされた。確かにお前は強者のようだ、おもしろい。なれば、その誘いに乗ってやろうじゃないか」
問答の末、太歳星君は光球を生み出し李書文へと差し向ける
対して李書文は槍を構え直し、複数の光球の動きを見きって躱し、時に槍で打ち払う
李書文「むっ」
だが、光球を打ち消すと同時に李書文の自分の腕に痛みを感じる
原因が破壊の塊である光球にあると即座に察し、幾許か警戒を高める
太歳星君「さぁ、もっと僕を楽しませてくれよ!」
李書文の周りを周遊しつつ襲いかかる光球の他に、太歳星君は掌に光球を保持したまま李書文へと再接近する
直撃すれば只ではすまない脅威が複数と迫る中、李書文は内なる滾りを発露させながら自ら死線に飛び込む
――そこからは二騎の戦闘狂による凄惨な殺し合いが繰り広げられた
太歳星君は何度も矛先で切り裂かれ、さらには絶技『神槍无二打』により打ち倒されてしまう
一方李書文も幾つもの光球を受けてしまい、カウンターとして放たれた『消滅の凶星』の応用技「流星群」による攻撃を受けてしまう
『神槍无二打』を放ちながらも討ち取った感触を得なかった李書文は直感的に何かがあると思い次なる構えを取っていたが
それでも散弾の如き攻撃を防ぎきることはできず、全身に大ダメージを受けてしまい身体の所々も抉り取られてしまった
そして両者は距離を取り、しばし間を置いて互いに笑い始めた
李書文「確かに我が槍で絶命せしめた。なのにその身は不死なのか、神というものは斯様にしぶといときた!」
太歳星君「くく……『神槍』の名も伊達ではないな。大抵の者であれば今の攻撃で死に絶えるものを、未だ闘志衰えずこちらに噛みつこうとする。実にいいな、お前」
太歳星君「来い、『視肉』」
神の言霊に応じて地面から湧き出るように無数の眼球がくっついた肉塊が出現する
そこから幾つかの目玉を千切り取り、太歳星君は理書文にも分け与える
太歳星君「それを使え、回復できるぞ」
そう述べると共にズタボロな姿であった太歳星君の身体が元の姿に戻っていく
それを確認して李書文も目玉を使い、欠損した身体すらも元通りに回復してしまった
李書文「一体なんのつもりだ。それにお主、まだまだ手の内を隠しておろう」
太歳星君「あぁその通り、だがしかし縛りやら制約があって生憎今はその機ではない。お前とはもっと戦いたいところだが、今は最高の舞台のためにここまでにしておく」
李書文「ほぅ、どういうことだ?」
太歳星君「いいことを教えてやろう。数刻前に城に近付いてきた弓兵と戦い、見逃してやった。いずれそいつが他の英霊を連れて、万全の準備をして僕に挑んでくるだろう」
太歳星君「その上で一切を破壊せしめ、魂に至るまで全てを犯し尽くす。如何なる者も、僕のエモノとして愉しませてもらう!」
太歳星君「だからお前を殺すのはその時まで取っておいてやる、楽しみに待っていろ」
李書文「……呵々、いいだろう。だが一つ条件がある」
太歳星君「なんだ?」
李書文「敵がこの城に攻め入った時には、儂らも好きにやらせてもらう。滅多にない機会だ、数多の強豪と死合うには丁度いい」
太歳星君「くく、いいだろう、許す。貴様も存分に励むがいい!」
※太歳星君は視肉を2回使いました。残りの使用回数は10回です。
3448
:
名無しさん
:2025/03/09(日) 22:38:46
インターラプターと太牙
どちらも性根が腐っているとは言い難いサーヴァントだが思想の違いやインターラプターの所業が彼らを対立させるに至った
インターラプター「俺はクズだ。だが俺のマスターが幸せな家庭を築くためにアサシン=サンにはここで脱落してもらう」
太牙「そうか……」
太牙がこれまでの人生で培ってきた第六感が、インターラプターの剥き出しの闘争心。そして悲哀を感じ取っていた
そもそもインターラプターは人間に友好的な魔物を殺す行為にも嫌気が差していたのだ。彼らはヒョットコ共のような暴徒とは大きく異なる。だが、全てはメアリーのために……
そしてインターラプターは早速、稲妻の如き蹴りを放つが、サガに変身した太牙はギリギリで躱し、ジャコーダーによるカウンターを見舞う
太牙「俺も、俺の弟が描いた理想をこの世界で実現するために負けるわけにはいかない」
インターラプター「絶対防御(カラダチ)!」
――が、ジャコーダーが刺さらない!?
これぞインターラプターの宝具、絶対防御(カラダチ)。
サガは即座に次の行動に出ようとするが――ナムサン!その前に強烈なタタミ・ケンで殴られ、吹っ飛ばされる
しかしタタミ・ケンの直撃を受けた太牙だが、死んではいなかった。
太牙「それがお前の宝具か。生身だったら危うかったな」
相手はバーサーカーを名乗っているだけあり、凄まじい身体能力を誇る。
殴られた箇所に激痛が走る。出し惜しみをしていたら、逆にやられるだろう。
そしてインターラプターの腹をジャコーダが貫く。絶対防御(カラダチ)は宝具だ。魔力を消耗したらメアリーに負担が掛かる。ゆえに初撃でかまして、後は宝具なしでインターラプターは戦う予定だった。
しかしそれが災いして、インターラプターにサガの必殺――スネーキングデスブレイクが炸裂することになる。
だが、ああ!なんということか!
インターラプターは大きく負傷こそしたが、致命傷には至らず。耐久A+とはそれほどの脅威なのだ
太牙『舞衣。魔力を大きく消耗するが――キバットバットII世を使いたい』
3449
:
名無しさん
:2025/03/09(日) 22:39:53
>>3440
アルトリア(シロウ……どうして逃げるのですか?)
美遊兄――衛宮士郎を追い掛けるアルトリアは、僅かに不満をいだいていた。
士郎とは共に聖杯戦争を生き抜いた仲で、絆もある。
だというのに士郎は何故か自分から遠ざかろうとしている。
もっとも実際は人気のはない場所に誘導されているのだが、気付いていない
ゆえにセイバーは――アルトリアは少しムキになっていた
3450
:
名無しさん
:2025/03/10(月) 07:07:13
>>3426
、
>>3439
補完
魔物の代表との話を終えて学校から出たユウキ達は、先の話の内容について考察を進めていた。京都の魔物による治安の悪化には何かしら聖杯戦争が関係しているのではないかと考えたからだ
「狂暴な魔物が増えたってどういうことなんだろう。もしかしてサーヴァントの仕業かな…?」
ユウキが真っ先に疑ったのは聖杯戦争に参加した主従だ。キャスターのような魔術に長けた存在なら耐性のない魔物の精神を乱すことなど造作もない。何者かが京都の魔物達を操り手駒にしているのではないかとユウキは考えた
一方で蓮子は腑に落ちない表情をしている
「……確認なんだけど、ユウキちゃんはこの世界で目覚めた日がいつだったか覚えてる?」
「え、えーっと、確か◯月の△日だったかな」
唐突な蓮子の質問に慌てて答えるユウキ
記憶を探りながら何とか回答するが今の質問に何の意味があるのだろうか
「やっぱりね、私も同じ日にこの世界で目覚めたわ。公平性を保つためかどうかは分からないけど多分マスターは皆同じ日に連れてこられたのよ。さっきの話だと私達が来る前から京都で異変が起こっていたみたいだし聖杯戦争の参加者の仕業ではないと思うわ」
「そっか、ボク達が来る前から狂暴な魔物が増えてたってことだもんね。でもだったら何が原因なんだろう…」
聖杯戦争のマスターが京都に招かれた日よりも前に凶暴な魔物は増えていったという事実。そこから聖杯戦争参加者が件の犯人という線は消えた
では魔物の凶暴化は何が原因なのか。考え込むユウキと蓮子だが"ある可能性"が思い浮かび、念話をソリテールに送った
『ねえソリテール、さっき解析していた結界について聞きたいことがあるんだけど』
『分かる範囲であれば。けど解除は無理よ。僅かな時間しか解析できていないけど相当複雑な術式だったし解除に何年かかることやら』
『違う違う、私が知りたいのはあの結界が"いつ"張られたかよ』
『それくらいなら。…成る程、君の言いたいことが分かった。察しの通りあの結界が張られたのは凡そ一年前――キョウトの魔物が凶暴化しだ出したのとほぼ同時期よ』
やはりと蓮子は頷いた。この情報はユウキ達と共有した方がいいが、そうするとソリテールの能力の一部を彼女達に教えてしまうことになる
『一応確認なんだけどユウキちゃん達にこのことを伝えてもいい?』
『いいんじゃないかしら。情けは人の為ならずって人間の言葉にあるし』
念話でソリテールに確認をとる蓮子だが意外にもあっさりと了承を得られた。これはソリテール側の事情によるものである
単にユウキとの『お話』をもっと愉しみたいのもあるが、既に二組もの主従を敵に回してしまっている以上、こちらも味方を作っておくに越したことはない。故にここでユウキ達に情報という名の恩を売っておきたいとソリテールは考えたのだ
「ユウキちゃん、私達が調査したことを共有したいんだけどいいかしら。この件の犯人が分かったかもしれない」
「えっ、本当!?」
蓮子から語られたのは、自分のアサシンはキャスターの真似事が出来ること、アサシンの能力で京都全体を覆う結界を解析したこと、自分達を聖杯戦争に招いた者が張ったと思わしきその結界はちょうど京都の魔物が凶暴化し始めた時期と同時期に作成されたこと、時期の一致から聖杯戦争を仕組んだ者が魔物の凶暴化に関わっている可能性があるということである
「じゃあ、京都の魔物を凶暴化させたのは聖杯戦争を仕組んだ人の仕業ってこと?」
「あくまで憶測を重ねた可能性の話だけどね。仮に当たっていたとしてもそれ自体が目的なのか、聖杯戦争を行う上での副次的な現象なのか、はたまた偶発的な事故なのかも全く分からないわ」
「でも、もし本当に聖杯戦争の主催者がこんな酷いことをしたのなら絶対に止めないと!」
「ちょっと待て」
人と異種族の血で血を洗う争いを止めんと意気込みを新たにするユウキだが、ここで口を挟んだのは今まで黙っていた一護だ
ここに至るまでさり気なくユウキとソリテールの間に立ちユウキを護っていた彼は訝しげな目で蓮子達を見ている
「おい、ユウキ…今の話を信用しすぎるのは危ないと思うぜ。そいつらが本当のことを言ってる保証なんてないんだぞ」
「あら、疑われてる?」
「ちょっとセイバー、そんな言い方は…」
「ふふ、気にしてはいないわ。出会ったばかりの相手を安易に信用しない…立派な心掛けよ。大事な大事なマスターだものねぇ」
えらいえらいと微笑むソリテールに一護はさらに表情を険しくする。こちらの内心を見透かしたかのように話されるのは気持ちのよいものではない。真偽はどうあれ少なくともこのアサシンは好きになれそうにもないと一護は思った
「まあ、こっちから本当のことだと証明できる術はないしね…」
「でも、直接戦闘ではセイバーより力の劣る私(アサシン)がわざわざ手札の一つを見せた。これを私達なりの"誠意"だと思ってくれるかしら」
「チッ…」
蓮子達が齎した情報が本当だと証明は出来ないが逆にユウキ達も彼女らが嘘をついていると断じれる証拠はない
渋々と引き下がる一護だがその目をソリテールから決して離そうとはしなかった
「とにかくボク達はもう少しここに留まるよ。迫害を受けてる彼らを助けてあげたいし」
「そう…私達は別の場所で聖杯戦争と魔物達についてもっと調べて見ようと思う。人間の報道するニュースじゃ一面からしか物事を視れないしね」
「それじゃあ一旦お別れだね。そうだ、何かあった時のために連絡先を交換しよう。セイバーもそれくらいならいいでしょ?」
「……分かったよ。だが油断はするんじゃねえぞ」
こうして二組は各々の目的のために行動を開始するのであった
3451
:
名無しさん
:2025/03/10(月) 10:51:53
>>3442
「こっちこそ残念だよ。未だに取り繕って後々苦しむのは、君の方なのに」
カブキの音叉剣による攻撃を夏油は游雲で受け止める
間髪いれずにアタランテが弓を引くが、夏油への射線上に鏡のようなものが割って入り矢を弾く
夏油がカブキを押し返して両者が離れると同時に玉藻の前が呪相・炎天による火炎を放つ
咄嗟にカブキは番傘を拡げて防いだが、代わりに燃え尽きてしまい使い物にならなくなる
「てめぇ!よくも俺の傘を!」
「おや、野蛮人の癖にそぉーんな小さなことを気にするなんて。むしろ、突然ご主人様に襲いかかった行為の方が万死に値しますわ!」
「キャスター!お前はその男の腹の内を垣間見て、何も思わぬのか!」
「関係ありません、なにせ私は良妻ですもの。ご主人様の理想のために尽くして何が悪いのです?」
「貴様…っ!」
「へぇ、鬼に変身する秘密はその音叉にあるようだね。随分と大層な呪具じゃないか」
「はっ、気に入ってくれたか?そんじゃ、その身に思う存分味合わせてやるぜ!」
この時、夏油は鬼の力や呪術に近いものを感じ取り興味を抱く
もしかしたら自分でも扱えるのでは、なんて考えも一瞬思い描くが、とにかく今は目の前の攻撃に対処することにする
3452
:
名無しさん
:2025/03/10(月) 12:04:55
>>3448
(…ただやりたくてあんな事をやった…って訳では無さそう、だけど…)
透覚により相手のサーヴァントの、バーサーカーの言葉は舞衣にも聞こえていた
きっと目前の相手は護りたいものの為、譲れないものの為戦っているのだと、察する事は難しくはない
(もしかしたら、この人の言うマスター=アズラエルって人…じゃないかも知れない。脅されたりしている可能性も、考えれる。
…けれど、それはこの人とは別に潜んでいる可能性もあるわけで…それに今は戦うしか…ないみたいだから…!)
太牙から入った念話である
『舞衣。魔力を大きく消耗するが――キバットバットII世を使いたい』
に、
『…わかりました、使って下さい、太牙さん!』
と念話で応えつつ、目前の戦場にも、周辺に対しての警戒も舞衣は怠らない
3453
:
名無しさん
:2025/03/11(火) 05:31:03
>>3413
メアリーに話し掛けられ他愛のない会話をするアズラエル
どうにもこちらの事情を色々と聞きだそうとしている様子だったが、多感で無知なる子供ゆえの質問なのか、あるいは何かを探ろうとしているのか、どちらかなのか図りかねている
のらりくらりと適当に返答を繰り返していると、ディエゴが念話で話し掛けてきた
『アズラエル、近くでサーヴァント同士による戦闘が起きている』
『おや、どうやら聖杯戦争とやらも活発になってきたようだね』
『どうする、様子見してくるか?』
『そうですね……せっかくですから、僕もどんな戦いなのかを観戦してみるか』
『おいおい、お坊ちゃまには火事場の見物は危険だと思うがな』
『なんだその言い方は。遠くから見収めてお前が護衛していれば問題ないだろう?』
『そうだな……とりあえず、相手の顔や性能を確認してみるか』
その後、アズラエルは急用ができたとして担当者にその場を任せて車に乗り込む
そしてサーヴァント同士の戦い(インターラプターvs太牙)が一望できる場所まで移動して、望遠できる機材でその様子を確認してみることにした
3454
:
名無しさん
:2025/03/11(火) 05:31:33
その後、矢車はカズマ達と合流してキリト達と手を組んだことを伝える
キリトとアリスは二人一組のアサシンという特殊性に目を張るが、今のところは共闘するライバルとして、他陣営が脱落し競合相手が減るまではその戦力に頼ることにする
そして二組は情報交換をする、といってもキリト側は大した情報は持ち合わせていなかったが
一方でカズマ達はイリヤ達と共闘してライダーと戦ったこと、聞いた話として聖杯の悲劇についても伝えた
ただし聖杯が厄災たるかは今の段階でわからないず、また矢車やキリトは聖杯なしには叶えるのが難しい願いを持つため諦めるつもりはなかった
やがて夜も更けてきたために互いの連絡先を交換し、一旦別れることにした
3455
:
名無しさん
:2025/03/12(水) 09:30:46
マヤ「師匠〜、特別講師の夏油って先生が言ってたんだけど……術師って人を疑うべきなのかな?」
ザンキ「俺は〝鬼〟であって〝術師〟じゃないからあまり詳しい事情はわからんが……俺はマヤにはそのままでいてほしいな。聖杯戦争なんかのせいで変貌する必要はないからな」
マヤ「そっか。……うん、やっぱり夏油先生よりそういう師匠だから信じられるよ!」
――この世界でも呪術世界のように呪術師が迫害されてる村なんかの場所があることを、マヤやザンキは知らない
3456
:
名無しさん
:2025/03/12(水) 09:44:05
>>3446
ピトフーイに銃を向けられるシロッコは特に構えをとれないまま撃たれる直前、突如十二神将がピトフーイの元に現れる
サーヴァントに及ばなくとも彼ら十二神将もまた一介の術師、キャスターの陣地内であれば地脈の流れに乗って移動する事は可能である
そして十二神将はマスターであるシロッコの護衛は太歳星君から命を与えられており、優先すべき事項として駆けつける
「確かに地球の重力しか知らない君たちからすれば木星船団の責任者をやっていた私は常人ではないのかもしれないな。と言っても何も特別なことじゃない、勘が良いだけの男だよ私は」
ピトフーイに対してシロッコは彼女の言葉に返答する
ただニュータイプ能力については触り程度の情報だけでわざわざ手の内を細かに教えることはない
十二神将に囲まれても戦意を減らすことなく構えを解かないピトフーイ
「まさかこれで私がこのまま大人しくなると思ってるんじゃないわよね?」
「その死闘のために戦いに身を投じるという姿勢は兵士として評価するに値するが、どうやら君は戦争を知らないようだ。自分が心置きなく戦える立ち回りというのも覚えてた方がいい、少なくとも今の我々に君を殺すことは出来ないのだからね」
マスターであるピトフーイを殺してランサーとの死闘を楽しもうとするキャスターに水を差すようなことを十二神将は可能なら避けようとし、シロッコもまた手を組む余地のある陣営を即座に落とすのは避けたい
「それにこれから自分たちのサーヴァントが全力で戦うのだ、死力を尽くした戦いは出来ぬよ。それでも来るというなら好きにするといい」
もしこのまま戦うのであればシロッコは十二神将の指揮をとり、素早くピトフーイを無力化しようとするだろう
いくらキャスターの陣地といえど負担が皆無というわけにはいかないのだから
3457
:
名無しさん
:2025/03/13(木) 18:31:13
>>3456
「そんじゃあお言葉に甘えて、好き勝手にやらせてもらうわ!」
ピトフーイの銃口が火を噴く、躊躇いなく放たれた弾丸がシロッコに飛んでいくが彼は全く躱す素振りをみせず、代わりに十二神将がいとも簡単に防ぐ
続けざまにピトフーイは動き出し、武器を変えて包囲網を突破すべく複数の式神に弾幕を浴びせようとする
が、神秘なき近代兵器では宝具たる十二神将に傷つけることはかなわず、徐々に詰め寄られていく
「ちょっとちょっと、全く効いてないんだけど!ダメージどころか怯む様子すらないとか、チートじゃない!!」
幸いなことに敵に攻撃の意思はなくピトフーイを捕まえようとするのみ、なので動き周りながら回避して銃を撃ちまくるが全く意味をなさず徐々に包囲網を縮められてしまう
やがて式神の一体がピトフーイの目の前に立ち塞がり、彼女を無力化しようと試みる
(しまった!銃は間に合わない…なら、一か八か!)
不意に近付かれたピトフーイは咄嗟に腰に装備したナイフを抜き取り式神に振るう(※余談だがこの世界の京都ではGGOのような光剣なんて代物は入手できませんでした)
不意打ちのようなナイフ攻撃により式神が一瞬怯む様子を見せたので、その隙を付いてピトフーイは式神の横をすり抜けた
――その後もしばらく頑張っていたピトフーイであったが、最終的には式神達によって取り押さえられてしまった
ちなみにチャンスがあればシロッコを狙ってみたが、涼しい顔で全てを避けてしまうのが妙に憎たらしく感じていた
「なによこの無理ゲー!?こんな無敵キャラを引き連れないで、あんた自身が戦いなさいよ!!」
「それは丁重にお断りしよう。君のように戦闘ばかりに才能を使うつもりはないからね、私は。しかし、思った以上に粘ったのは予想外だったよ」
3458
:
名無しさん
:2025/03/13(木) 19:40:55
>>3452
そして太牙は宝具『キバットバットII世』を使用。闇のキバの鎧を纏い、ダークキバに変身する
そしてダークキバは容赦なくキングの紋章を使用。
インターラプターを殴り、吹っ飛ばす度にキングの紋章に触れて跳ね返り、受け身の取れないインターラプターはダークキバに殴られる。
それを幾度となく繰り返し、インターラプターにダメージが蓄積されていく……
最後にウエイクアップフエッスルを使い、キングスバーストエンドを放った
インターラプター「イヤアアアーッ!」
同時にインターラプターも飛び蹴りを放ち、二人の蹴りが交差する
太牙「ぐっ……!」
インターラプター「ぐあああっ……!」
互いの蹴りが激突した結果、倒れたのはインターラプターだった
インターラプター「俺のような罪深い亡霊は……メアリーの夢も叶えられないのか……だが……」
インターラプターは瀕死に陥っていた。
そんな彼は自分が生前してきたことのインガオホーでこんな結末を迎えたと、否が応でも納得してしまう。
だが、ここで諦めるインターラプターではない。
メアリーに咄嗟に念話を飛ばし、令呪での撤退を試みる
だが幼いメアリーでは動揺してなかなか対応出来ない。そもそも聖杯戦争の過酷さやインターラプターが襲撃されたことを、事前にメアリーに教えなかったことがここで災いした
インターラプター「……俺もここまでか。アサシン=サン。せめてメアリーだけは――」
メアリー『インターラプター……おいていかないで……』
それはメアリーが再び寂しくなりたくないから願ったことだった。
そして全てを言い終える前にインターラプターは姿を消した。
その最期は、太牙と舞衣の心に強い印象を与えた
太牙「罪深い亡霊、か……」
インターラプターの最期の言葉が太牙の胸をちくりと刺すのだった。
太牙も罪深い存在であったがゆえに。
だからこそメアリーという少女を探すことを思案するが、今はダメージと疲労が大きい。インターラプターの最期の蹴りは、太牙にダメージを着実に与えていた
そして舞衣も気分が沈んでいた。インターラプターに何か事情があるかもしれないからと、思っていたからだった。
勝負には勝ったというのに、2人は心から喜べず。
インターラプターが遺した爪痕は大きい
いきなりインターラプターが消えた二人には、彼が消滅したように見えたからだ。
そしてインターラプターはなんと瀕死ながらも、生きていた。
メアリーの念話(願い)に令呪が反応して、なんとかメアリーの傍に戻れたのだ
メアリー(インターラプターを殺そうとした人、邪魔だなぁ。邪魔だなぁ)
※メアリーが令呪を使用しました。残り2画です
3459
:
名無しさん
:2025/03/13(木) 19:42:17
>>3451
カブキ「俺は何も取り繕ってねぇ!鬼としての使命を全うするだけだ!」
夏油の煽るような言葉にカブキはそう言い返す
しかし内心では完全に見透かされたようであり、夏油から気味悪さを感じていた
カブキ「あのキャスターの相手は頼むぞぉ、アーチャー!」
アタランテが玉藻を相手取り、カブキは夏油の相手に専念する
夏油もカブキも互いに戦闘力を有するマスター同士。サーヴァント戦だけでなく、マスター戦に発展するのは必然だったともいえる
夏油(もしも悟が聖杯戦争に参加していたら……きっと悟ともこうしてまたぶつかり合うんだろうね)
カブキと戦ってる最中、自分にトドメを刺した旧友のことを思い出す
彼ならばきっとこの男のように自分と再び戦う道を選ぶのだろう、と
正直なところ、悟の最後の一言で夏油の魂は少し救われている
それでも呪術者だけの世界を作ろうとしているのは――今まで色々と見てきてしまったからだろう
もっとも人間の醜さを見てきたのはカブキも同じなのだが
それでもカブキは子供を信じ、彼らのためなら命を捨てる覚悟も出来る男であり。
夏油は呪術師のためなら、人間を平気で殺せる人間である。呪術師にはむしろ優しい方だ
しかし、だからこそ夏油としてはカブキのサーヴァントはともかくカブキ自身を殺すのは惜しいなんて考えてる
ただ問題なのはまだ夏油はカブキを倒したり、捕らえるには呪霊不足だということ。
玉藻のサポートがほしいところだが、彼女はアタランテの相手をしている
3460
:
名無しさん
:2025/03/16(日) 04:22:42
>>3449
「シロウ!」
美遊兄が人気のない場所を見つけ出して間もない内に彼の名を呼ぶ声が響き渡る
それに反応して振り向くと、見目麗しい金髪の少女――アルトリアと視線が合った
「あぁ、やっぱり、見間違いではなかったんですね」
青年の顔をしっかりと見て、本当に衛宮士郎がこの世界にいることを認識する
彼にこうして出会うまでは、どうして京都の聖杯戦争に彼がいるのか、彼もまたマスターとして戦っているのか、先程までは何故自分から遠ざかるような気配を見せていたのか、色々と思う所はあったのだが
聖杯に導かれた稀人である自分と現世に生きる彼が再び出会う可能性は限りなく低い、それを覆して奇跡的な再会を果たせた喜びが、その瞬間だけ強く出てくるのも無理はなかった
「このような再会になるとは予想外でしたが、またあなたに出会えて嬉しいです、シロウ」
「お前は、一体…何者なんだ?何故、俺の名前を知っている?」
対して、美遊兄は怪訝そうに疑問を口にするしかなかった
アスナから接近するサーヴァントの事を聞いて人気のない場所に移動し、戦うなり何かしら話を交えるなりの対応を取ることを考えていた
しかし、目の前にいる女性からは戦う意思を感じられず、むしろ柔和な様子で自分を知っているかのように友好的に話し掛けてくる
聖杯戦争を勝ち抜くために敵を全て倒す意気込みでいた美遊兄にとって、思わぬ態度で接してくる“見知らぬ英雄”には戸惑いしか覚えなかった
3461
:
名無しさん
:2025/03/16(日) 04:24:15
>>3459
猛々しい鬼のように力にものを言わせて猛攻を仕掛けるカブキ
一方の夏油は身のこなしの軽さや体術、游雲を駆使してその攻撃をいなしていた
ちなみに戦闘開始と同時に玉藻の前から身体強化の術を掛けられている状態であるが、魔化魍や鬼相手に戦い慣れていてパワーもある歌舞鬼とは正面切っての力勝負というわけにはいかなかった
「ほぉらよっと、もらったぜぇーっ!」
鬼鞭術を使って夏油の足を拘束することに成功したカブキは自分の元へと引き寄せようとする
(してやられた、でもね!)
引っ張られる最中に、夏油は低級呪霊をミサイルの様に射出する
今の手持ちには弱い呪霊しかおらず物量攻めができる程の数でもない、それを一つにまとめたとしても強力な呪霊にはなりえない
そこで夏油はカブキとの戦いでは呪霊を使わず、いざという時に相手の不意を突くための隠し球として取って置いたのだ
「ぬおっ!!?」
案の定、先に音叉剣でトドメを刺そうとしたカブキは高速で飛翔する呪霊の弾丸をもろに喰らってしまい、鎧のあちこちで火花が飛び散る
そしてカブキが怯んだ隙を突いて夏油が接近、呪霊を組み合わせた連撃でカブキにダメージを負わせ、変身音叉を奪い取ったと同時に変身を解除させた
「ぐはっ……てめぇ……それを、返せ!!」
「返す訳がないだろう。確か、こう使うんだよな」
夏油は手にした変身音叉を游雲に当てて特殊な音波を鳴らし、その状態で顔に近づけてみた
3462
:
名無しさん
:2025/03/16(日) 04:25:32
孤児院を去った後、アズラエルとディエゴは双眼鏡を通して英霊二騎による激闘や見守る少女の姿を確認していた
アズラエル「あれが、サーヴァント同士の戦い…!?」
ディエゴ「凄いものだろう、俺だってあんな化け物どもと正面切って戦うのは普通なら御免被るところだ」
アズラエル「…おや、いつもなら豪語してくる君が随分弱気なことを言いますね。あなたに勝ってもらわなければ困るんですよ、この僕が」
ディエゴ「大丈夫だ、俺には絶対無敵の“宝具”がある。それがあれば誰にも負けることはない」
アズラエル「それは頼もしい限りですね。ただ、そのおかげで昨日は疲れがどっと増えてしまったけれども」
ディエゴ「それぐらいは我慢してくれ。強力な分魔力消費も大きいからな、勝利のために頑張ってくれ」
ちなみにだが、アズラエルはライダーの宝具の凄さをまだ確認していない。それでいて余計に体力を奪われてしまったのだから、彼の宝具に対してあまりいい思いを抱いていないのだろう
一方、ディエゴはスタンド能力に魔力消費という概念が付与された事に不満を抱いていた
生前であれば制限なくスタンド能力を駆使できたために、マスターという依存対象と弱点が付きまとう状況を酷くもどかしく感じずにはいられなかった
とはいえ、アズラエルは社会的地位が高く部下や兵力を動員できる戦略上の強みを持っている、なので今は多少の不便に目を瞑りつつそれを利用して聖杯戦争を勝ち抜くつもりでいるが
アズラエル「そういえば、近くに一人の少女がいますね。あの娘がマスターと見て間違いないでしょう」
ディエゴ「それに刀を所持している。鎧の男といい、あの主従が報告にあった連中に違いないだろう」
アズラエル「後で優秀な部下に尾行や素性調査を任せてみますか。おや、勝負が決したようですね」
ディエゴ「大漢の方が消えたか。だが鎧の男もかなり消耗しているようだ。今なら容易に仕留められるが、どうする?」
アズラエル「ちょっと待て、何か連絡が……へぇ、これは面白い」
アズラエルは懐から取り出したスマホの画面を確認し、ニヤリと顔を歪ませライダーにも見せつけた
彼らには財団と繋がりのあるヤクザから色々と情報を得ていた
その一つが、魔物の集落を壊滅させたものの恐ろしく強い鎧の男と刀を持った女に蹴散らされた、という内容であり
その他にも、用心棒として雇った“センセイ”もまた恐ろしく強くて一人で魔物の集落を壊滅させる程の腕っ節であること
その“センセイ”がよく孤児院に向かっていく姿を確認している、という証言も彼らの元に届いていた
十中八九その“センセイ”がサーヴァントであると睨みを利かせ、アズラエルは権力を使って周辺のカメラを確認するように指示を出した
調査の結果、件の大漢が本当に孤児院に向かっているところまでは確証を得たので、より詳細な情報を、特にマスターの姿を確認すべく孤児院周辺に監視員を配置して監視をさせていた
そしてつい先程連絡が入った、突如出現した大漢と心配そうに見つめる少女の姿を目撃、隠し撮りした写真付きでその報せを確認したところであった
3463
:
名無しさん
:2025/03/16(日) 07:04:33
>>3454
キリト組とカズマ組が一旦別れる前、互いの願いを教えあったんだよね
カズマ「俺は元の世界に帰れたら、それでいいんだけどな」
この一言が発端で互いの願いを教え合う流れが生まれた
影山「俺は化け物になって死んだからまた人間として兄貴と受肉したい気持ちもあるけど……とりあえずカズマを元の世界に帰せたらいいと思ってる」
矢車さん「甘いな、相棒。俺たちは光を掴むと決めたはずだ。俺はお前を救うために聖杯を手に入れる」
キリト「カズマやアサシンの弟には悪いけど、俺も兄のアサシンと同意見だ。……俺には救いたい世界がある。みんなで生きて、みんなで守って――相棒が命をかけて守り抜いた世界だ。その世界を守るために、聖杯は譲れないな」
アリス「私もキリトと同じ方針です。……アンダーワールドは、必ず守り抜きたいですから」
カズマ「みんなそれぞれ譲れない願いがあるんだなぁ。でも俺にも待ってる奴らがいるんだ。そいつらのためにも……聖杯しか帰る手段がなければ、本格的に聖杯を狙うつもりだぞ」
キリト「ああ。だから俺たちは仲間でもあるけど、ライバルでもあるんだな」
3464
:
名無しさん
:2025/03/16(日) 18:28:30
>>3460
アルトリア「シロウ……私のことを忘れたのですか……?」
アルトリアは怪訝そうに疑問を口にする美遊兄に対して呆気にとられ、少し寂しそうな顔をした
彼女にとって衛宮士郎は忘れられぬ存在だし、それは士郎もそのはずだとアルトリアは考えていた。
あれほど過酷な聖杯戦争を共に駆け抜けたのだ。互いに忘れるはずがない。
美遊兄「忘れたも何も、俺はお前を知らない。お前はいったい、何がしたいんだ?」
アルトリア(シロウが私を忘れるはずがない。……まさか、記憶喪失にでもなったのか?)
美遊兄のことをアルトリアは記憶喪失だと誤解した。
もしそうならば、仕方ない。とりあえず士郎をこの聖杯戦争から助けるのが先決だとアルトリアは考えて。
アルトリア「シロウ、私はあなたをこの聖杯戦争から救いたいです。あなたは記憶を失ってるかもしれませんが――あの時のように、再び共闘しませんか?」
美遊兄「悪いな。俺はなんとしても聖杯を手に入れて、妹を幸せにしてやりたいんだ。……だから、この聖杯戦争から俺を救うなんて考えない方がいい」
悪意なき相手に良くも悪くも素直に答えてしまう。
きっとこのサーヴァント(アルトリア)は善意から声を掛けてるのだろう。事情は知らないが、それくらい美遊兄にもわかった
だが、だからといってこの聖杯戦争を降りる気はない
アスナ『士郎くん……。相手のサーヴァントから敵意は感じられないけど、本当にそれでいいの?』
美遊兄『ああ。切嗣には悪いけど……俺は美遊を幸せにするためなら、悪になっても良いと決めたからな』
アルトリア「妹?シロウに妹なんて居たのですか?」
美遊兄「ああ。……とりあえず手を組むなら、それでもいい。この聖杯戦争は俺とバーサーカーだけじゃ荷が重いだろうからな。でも手を組んで共闘したとしても、最後には聖杯のために戦う。さぁ、どうする?」
3465
:
名無しさん
:2025/03/16(日) 19:25:41
>>3461
すると夏油の周囲が光り輝き、数秒の合間に鎧の姿に変じていた
変身後に夏油は自分の姿を見渡し、さらには手に持ったままの游雲をクルクルと回してみる
「へぇ、これが鬼というものなのか。色々とパワーアップした気がするよ」
「なん…だと…?なんでお前が、鬼に変身できるんだよぉ!」
変身音叉を奪われた挙げ句、相手が鬼に変身できることにカブキは驚愕するしかなかった
これに関しては、呪術師・呪詛師として肉体を鍛えてきた上に呪術の扱いにも慣れた夏油だからこそ為せたのかもしれない
(もしかしたら、劇場版の鬼は本編の音撃戦士のような厳しい訓練を課さなくても変身できるのかもしれないが、定かではない)
「マスター!?」
玉藻の前と戦っていたアタランテもカブキが負けて鬼の力を奪われたことに驚きを隠せない
このままではマスターを人質に取られるか、最悪殺されてしまう可能性も考えられる
ゆえにアタランテは玉藻の前を一旦退けた後、天空に向けて弓矢を掲げつつ魔力を込め始めた
「二大神に奉る――『訴状の矢文』!!」
「マスター、宝具が来ます!私の後ろに隠れてくださいまし!」
アタランテが二本の矢を解き放つと同時に玉藻の前が警告し、呪層・黒天洞と呪層界・怨天祝祭を併用して宝具に備え始める
空の彼方へ二対の矢が消えた後、今度は大量の矢が豪雨の如く降り注ぐ
夏油は己が従者の指示に従い後退し、ガード態勢を整えた玉藻の前が数々の矢を受け止める
幸いにして、宝具の攻撃範囲は広いものの威力や正確さには欠けているようであり、防御状態の玉藻の前を貫くには至らなかった
しかし、凶悪な雨霰が治まった頃にはアタランテの姿もそのマスターであるカブキの姿も消えてしまっていた
「……まさか宝具を目眩ましにして逃げるとは……それよりもマスター、お怪我はありませんですか!?」
「あぁ、大丈夫だよ。君のおかげで助かったよ、ありがとう」
「いえ、これくらい良妻としては当然のこと。それよりも、逃げた二人を追いかけましょうか?」
「君を妻にした覚えはないんだが…いいや、彼らのことは放っておこう」
3466
:
名無しさん
:2025/03/16(日) 22:02:26
>>3457
大体同じタイミングで
>>3447
の戦いも終わり、サーヴァントと合流する2組
その流れで太歳星君とシロッコは今後についての話をする
「これからお前はどうするんだシロッコ、
「一旦陣地に待機して現状の把握を行いたい、十二神将に京都一帯の偵察をしてもらっても構わないかな?」
「いいだろう、ただこのまま待つだけというのも退屈だな。そうだな…ここらで一つ脅かしてやるか」
シロッコの提案に対してキャスターは自身の思惑も入れてある作戦を立てる
「この京都には霊地が多い、情報収集ついでに十二神将でこの陣地と各地の霊地を繋げて行って、十二神将に何処かの主従がかかったらここからその霊地まで飛んでいく。少し手間がかかるが、次の前哨戦として悪くないだろう」
すなわち大胆な威力偵察
霊地争奪戦を仕掛けてくるこちらに対して他陣営の動きも見ることができる
最もキャスターとしては自分が戦えればそれだけで構わないのだが
「なるほど、それもなくはないか。だが戦闘が始まった場合、十二神将はその時点で君が戦闘を行う霊地の接続のフォローに回らせることが条件だ。この陣地との繋がりが絶たれればこちらの負担も洒落にならんからな」
「いいだろう、その方針でやってやる」
◇
(サムレムの霊地争奪戦をイメージしたものです。陣地から地脈を繋げながら霊地を取るためある程度目立つものだと考えています)
(ランサー陣営はこの作戦に便乗したり敢えて乗らず陣地で休みつつ迎撃に備えるとか色々想定できるので一旦保留にします)
3467
:
名無しさん
:2025/03/17(月) 18:33:34
蓮子達が魔物の学校から京都の市街地へ下山している途中での話
「蓮子、ちょっと奇妙な気配を感じたから少し見てくる」
「それはいいけど、もしかして単独で?」
「ええ、この先は崖だから蓮子を連れていくのは難しそう。すぐに戻るから、あなたは先に進んでて」
「了解」
マスターの承諾を得たソリテールはその場から離れて崖の下へと降りていき、気配を消しながら気配の元へと向かう
そして、土地を流れる龍脈の溜り場となる霊地にて何かをしている陰陽師のような姿をした式神を発見する
(あれは使い魔かしら…たぶん霊脈を確保しようとしている…何処かのキャスターの仕業かしら)
このまま放置しとくとキャスター陣営の強化に繋がりそうな気がしたので、ソリテールは躊躇いなく魔法を行使する
すると、式神の周囲に何本もの剣が出現し、驚く式神が即座に対応しようとしたものの数に翻弄された末に串刺しになってしまった
やがて式神が消えて気配も喪われたので、ソリテールは霊地に近付き自陣として確保しておく
ついでに式神がいた場所に落ちていた人形、式神の形代を拾ってまじまじと観察する
「これが使い魔の媒体ね……再利用はできなさそうだけど、さらに調べたら何かわかるかしら」
ソリテールは形代をしまい、蓮子の元に戻る事にする
3468
:
名無しさん
:2025/03/17(月) 18:37:18
「はぁー、やっと落ち着けるー」
「ふふ、ずっと歩きっぱなしだったし、マスターの足には堪えていそうね」
ユウキ組と別れ魔物の学校から街中にまで下った蓮子達は、手頃な喫茶店を見つけて一息つくことにした
京都を覆う結界、凶暴化する魔物、そして聖杯戦争を企てた首謀者などについて一旦情報を整理し、今後の方針を考えるために話し合うつもりであった
「とりあえずなにか注文しましょう、アサシンも一緒にどう?」
「ええ、是非とも」
メニューを開いてソリテールと一緒に選んだ後、給仕されたお茶を飲みつつ甘味を口にして疲労を回復させる蓮子
その様子を窺いながらも同じように甘味をいただくソリテールであったが、彼女は味を楽しむことはなかった
魔族という生き物は人間を捕食するが、それ以外のものも口にすることはできる
だが人間とは精神構造が違うため、“食事”というものに意味を見出しているとは言い難い
ソリテールとしては人間の行動にも興味があって真似ているようなものだが、そこには人類を欺こうとする魔族としての本質が働いているのだろう
「ところでアサシン、この後はどうしようか?」
「そうね、どれを調べるにしても情報不足だし……あるいは他の陣営を見つけて情報収集をするのもいいかもしれないわね」
「でもそう簡単に見つかるかな?それに相手が好戦的だった場合は困るし」
「おぉ、イリヤ、こっちに素敵な甘味処があるぞ!店主、団子をとりあえず五つ用意してくれ!」
「ちょ、ちょっと待ってよセイバー!」
蓮子達が会話している途中で勢いよく喫茶店に入る人影が一つ、それを追うように慌てた様子の少女も続けざまに入って来た
しかも、団子を注文した方が英霊であることをアサシンは知覚していて、少女が「セイバー」と語っている以上は紛れもなく聖杯戦争の関係者であることは明白であった
「噂をすればなんとやら、ねぇそこのお二人さん、こちらで一緒にお話をしませんか?」
「ちょ、アサシン!?」
3469
:
名無しさん
:2025/03/17(月) 18:39:17
>>3457
現代兵器と幻想による彼我の差をもろに味わい試合にもならなかったピトフーイは多少ふてくされたものの、その後に太歳星君から語られた城での決戦に心躍らせ、李書文と同じく襲撃者と勝手に戦うことで合意して半ばシロッコ達と手を組むことにした
その後は二条城にて一夜を明かした後、式神による霊地掌握と威力偵察を図るシロッコ達とは別に一旦城から出ることにした
目的は物資調達である。GGOとは違いストレージによるアイテムの管理ができないため、消費した弾丸の補填やより強力な武器を調達する必要があったのだ
また城の中に貯蔵しておき、マスターやサーヴァントの入り乱れた決戦の時に心置きなく戦えるように準備するつもりでもあった
ひとまずご贔屓にしている武器屋にて気に入った火器と弾薬を注文して二条城の近く配達依頼しておいた(さすがに二条城に直送するのは怪しまれると考えてのことだ)
ついでに他の聖杯戦争の参加者がいないかと街を散策していると、偶然にも見知った顔を見つけたのでピトフーイは駆け出して目標に向かって突撃した
「レンちゅぁぁーん!!」
「ピ、ピトさん!!?」
「まさかこんな所で出会えるだなんて!ねっ、ねっ!レンちゃんも聖杯戦争に参加しているんでしょう!!」
「わ、私も驚きだけど、やっぱりピトさんも巻き込まれていたの!?」
小柄な少女を無遠慮に抱きつく、しかも同席者が居てもお構いなしなピトフーイ
しかも十中八九聖杯戦争の関係者、サーヴァントが近くにいる危険性もあるのだろうに、街中だからいきなり襲われることはないだろうという安易な打算のみで愛しのライバルに飛びついたのであった
「「なんだ、知り合いなのか?」」
レンからスマホの操作を教わっていた名護さんと追いついてきた李書文が同時に発音する
互いにサーヴァントであると察知して若干空気をヒリつかせていたが、やはり街中である事とマスター同士で知り合いという事もあって警戒する程度に止めていた
その後、その場にいた面子で簡単な自己紹介を始めた、むろん真名を伏せるために2騎はクラス名を名乗ったが
その最中、同席していた伊織は気になることがあり口を開く
「…相済まぬ、俺はランサーの真名に心当たりがあるのだが」
「!それは本当か、伊織くん!?」
「え、なんで初対面のあなたがランサーのことを知っているのよ!?」
「…もしかして、江戸の聖杯戦争に関係がある、とか?」
「あぁ、盈月の儀にて召喚された逸れのサーヴァント、その一騎が老齢の姿であり凶拳の使い手たるアサシンであったが…たぶん貴殿はその若い頃の姿であろう」
「ほぅ……若造よ、その様子では往年の姿の儂と闘ったようだな」
3470
:
名無しさん
:2025/03/17(月) 19:05:06
>>3454
、
>>3463
翌日、再び集合したキリト組とカズマ組
カズマ「っで、これからどうする?」
キリト「それについてだが、これを見てくれ」
キリトがかざしたスマホを皆が覗き込むと、とある情報について色々と呟かれているSNSが表示されていた
題材は『魔物が巣くう危険地帯にて二度ほど騒動が起きたようだ』という内容で、色々な噂やら実話やらが囁かれていた
『なんかリムジンが危険地帯に入っていって、魔物の咆哮や悲鳴やらが聞こえたんだけど』
『リムジンと入れ替わりで複数の車がどんどん入っていったよ、もしかして魔物を掃討した?』
『どうにもあの一団はカタギじゃない雰囲気だったけど、近場から危険な魔物がいなくなったならなんでもいいやー!』
『でもさ、危険地帯に向かって歩いて行く男女の姿もあったってさ』
『なにそれ?カップルにしてはあまりに場違いな気がするが……』
『その後にも銃声やら悲鳴やらが鳴り響いて、黒服やら作業服の人達が血相を変えて逃げ出した、って聞いているけど』
『うわぁ……もしかしてその二人、猟奇的な殺人鬼だったりする?』
キリト「これは今日に入ってから出てきた話題なんだが」
カズマ「すっげー物騒な内容だな。これが聖杯戦争と何か関係があるのか?」
矢車「…たぶん、どちらもサーヴァントが起こした騒動に違いないな」
影山「前者は俺達のように魔物退治を生業にしている可能性が高いけど、その背景には怪しい連中も関わっているようだな」
アリス「その後の男女二人がその怪しい集団を蹴散らしたようですが…これだけでは状況や事情が分かりませんね」
キリト「そして、ついさっき入って来た情報がこれなんだ」
『また男女二人が慌てた様子で危険地帯に入っていった、という目撃談が届いたよ』
『普段ならリア充爆破しろとか言いたいが、なんか物騒続きだから不穏なんだが』
『それっぽい一組をちらっと見たけど、女の方は耳が尖っていて人間じゃないかも。その代わり可愛かったけど』
アリス「…確かここから近い場所ですね、確認しに行きますか?」
キリト「ああ、そうしたい。少なくとも、どういった状況とか他陣営の手掛かりとかを掴めるかもしれないし。あんた達はどうする?」
矢車「俺達も行こう。前の騒動に関わった連中はもういないかもしれないが、今その場にいる男女とは対面できるだろう」
影山「俺も兄貴と同意見だ。カズマもそれでいいだろう?」
カズマ(…耳の尖った少女、ってもしかしてユウキなのか?…そういえばあの時一緒にいた男の事をセイバーと言っていたし…あの二人ならこのつぶやきとも合致するけど…いやでもこれだけじゃ何も分からないし…)
カズマ「…あぁ、とにかく確認しに行ってみよう」
3471
:
名無しさん
:2025/03/18(火) 06:48:18
>>3465
窮地に陥って退散したカブキ組だが、まだ子供の少女と渋くて頼り甲斐のアリそうな――それこそ〝鍛えてそうな〟男を発見する
それだけ見れば平和な光景だが、男は少女を音撃戦士として鍛えている最中だった
しかも服装こそ違うが――男の方はカブキにも見覚えがある。彼と同じ時代に生きる鬼、トウキだ
カブキ「トウキ。まさかお前、そんな子供を鬼の道に引き込むつもりかぁ?」
カブキが、ザンキに声を掛ける
事前にアタランテがザンキはサーヴァントの気配がするから警戒するように注意していたが〝子供〟が関わっている。しかも鬼の道を歩もうとしているなら、放っておけない。
それに相手が知り合いならば、自分の意見を聞き入れてもらえる可能性も考慮したし、トウキの性格上、聖杯戦争で好戦的だとは思えない。鬼は人間を守る者だからだ。
ザンキ「……お前達は聖杯戦争の参加者か。たしかに俺はこいつ……マヤを鍛えてる。あまり危険な道に引き込みたくないが、聖杯戦争を生き残るための自衛としてな。……ところでお前は見ない顔だが、鬼の関係者か?それと俺はトウキって名前じゃない」
カブキ「何?この俺、カブキを知らないだと?それにトウキじゃない……?同じ顔と雰囲気なのに、なんだそりゃあ!」
ザンキ「ああ、人違いだ。そして俺は本当にお前を知らん」
マヤ「カブキって言うんだね。私はマヤ!みんなを守るために、師匠みたいな立派な鬼になるために修行してもらってるんだよー!」
3472
:
名無しさん
:2025/03/18(火) 08:04:12
>>3468
突然声をかけられた2人は振り向くと2人の女の子がそこにいた。
帽子の子がアサシンと呼んだことから察するに彼女らもまた聖杯戦争の関係者なのだろう。
友好的な雰囲気を見せる相手にイリヤはそのまま返事をしようと矢先。
「――止まれ」
そうして庇うようにイリヤの前に出て凍てつくような視線をソリテールへと向けていたセイバーがいた。
「そんなに構えなくてもいいわよ、私はただ――」
「もう一度言うぞ、止まれ。次はない」
今までソリテールと話した者らとセイバーには明確な差が一つあった。
それは自らが浴びた血、そしてその手にかけた命の多さ。
血に塗れた皇子であるヤマトタケルであるが故にソリテールが出す死の匂いを感じ取ったのである。
「話は聞こう、だがこれ以上私の喚び人に近づけさせる訳にはいかない」
「ちょっとセイバーいきなりどうしたの…?」
突然の豹変にイリヤと蓮子は困惑する中、ソリテールは変わらず微笑んでいた。
3473
:
名無しさん
:2025/03/19(水) 16:54:47
>>3470
その後、キリト組とカズマ組は噂の危険地帯に向かった
そして邂逅するユウキ組とキリト組、カズマ組
キリト「え……?ユウキ……?」
カズマ「やっぱりユウキだったか……」
ユウキ「また会えたね、カズマ!それとキリトもこの聖杯戦争に居たんだねっ!」
元気に振る舞うユウキにキリトは動揺していた
キリト「どうして、ユウキが……?たしか君は――」
そこまで言い掛けて、キリトは口を閉じる。
ユウキが生きてる以上、〝死んだ〟と口にするのは彼女に不謹慎だと思ったし、カズマもユウキと面識があり、仲良さそうだったからだ
ユウキ「? どうしたの?キリト?」
キリト「いや……ユウキはたしか、病気だったよな。どうして元気なのかなと思ってさ」
カズマ「ん?キリトもユウキの知り合いなのか?」
キリト「そうだな。俺とユウキはこの京都に来る前からの、友達だ」
ちなみに一護はユウキの友人、特にカズマは自分とも面識あるとはいえサーヴァントの数が相手の方が多いため、警戒しながらも口を開く
一護「……カズマ、お前は聖杯を狙ってんのか?」
カズマ「聖杯は帰る手段が見つからなかった時のための最終手段で基本的には帰れたら良いって感じだな。……正直、ユウキと仲良さそうなセイバーを倒したくはないけどな。お前らは?」
ユウキ「ボクは……悔いはないから、願いはないよ」
一護「俺はユウキの病気を治してやりたいと思ってる。けど、ユウキは聖杯を狙う気がないみたいなんだよな」
3474
:
名無しさん
:2025/03/20(木) 18:18:28
>>3473
キリト「……今更なんだけど、ちょっと質問していいか?どうしてユウキはALOのアバターと同じ見た目なんだ?」
ユウキが生きてたことに動揺してもう1つの疑問に気付くのに遅れた。
ユウキはどうしてアバターと同じ見た目なんだ?
たとえリアルの見た目がALOのアバターに近いとしても――耳が尖ってる人種なんていないはずだ。
ユウキ「それがね、キリト。ボクはアバターの姿でこの聖杯戦争に巻き込まれたんだよ。だから参加者はだいたいアバターの姿だと思ってたんだけど……キリトはALO以外のゲームのアバターなのかな?」
キリト「いや……俺は見ての通り、リアルと同じだ。どうしてユウキだけアバター姿なんだろうな……」
俺もアバター姿なら……ユウキがアバター姿なことにも納得が出来た
でも俺の肉体はリアルと同じだ。
だからこの聖杯戦争に対する謎が深まる。聖杯を狙うにしても、情報は色々と集めた方が良さそうだ。……聖杯が無差別に参加者を選んだというより、何か裏で企んでる奴が居る可能性もある。
俺とユウキが同時にマスターに選ばれたのが偶然とは思えないし、そもそもユウキは死人のはずだし……それにユウキだけALOのアバターで俺がリアルと変わらない桐ヶ谷和人の肉体というのも、よくわからない。誰かが裏に潜んでて、意図的にこの状況を作ってると考えるのが自然な気もする
3475
:
名無しさん
:2025/03/20(木) 20:48:40
>>3472
ソリテール「その様子じゃまともに話せそうにないわね。互いに情報を擦り合わせてみたかったけど、残念」
ソリテール「マスター、退出しましょう。これからお食事をする彼女たちの邪魔にならないように、ね」
蓮子「えっ、ちょっと待ってよ」
勝手に見切りをつけて出口へ向かおうとするソリテール、唐突過ぎて慌てながらも席を立って彼女を追いかける形となる蓮子
当然、狭い店内でその行為をすればイリヤ達に近付く事になる
より警戒を強めながら己が主をなるべく遠ざけようとするヤマトタケル、その様子を不安げに見守るしかないイリヤ
しかし、敵意なきソリテールはそのままセイバーの目の前を素通りし、戸惑いながらも蓮子は彼女達に軽く会釈をして通り過ぎる
そのまま会計を済ませて、二人はそのまま店の外へと出てしまった
イリヤ「…はぁ、ものすごくひやひやした…それで、どういうことなの、セイバー」
緊迫した状況から脱却してまともに息を継いだイリヤは、少し語気を強めて同行者を問い質そうとする
イリヤ「初対面で話し合いを提案してきた相手に、あそこまで警戒して。たぶんそのせいであのサーヴァントは帰っちゃったし、向こうのマスターも困惑していたし!」
ヤマトタケル「…すまない。だがあれは、悪意なき魔性の気配がした。それに染みついた死臭…すでに、犠牲者もでているかもしれない」
蓮子「結局、落ち着いて話し合うことができなかったじゃない」
ソリテール「ごめんなさい、他の陣営と仲良くできればと思っていたけど、そう上手くいかないようね」
重たい空気から抜け出した後も疲れ気味に愚痴を言う蓮子であったが、ソリテールは悪びれる様子もなく軽く謝罪の言葉を口にした
ひとまず喫茶店から離れるべく再び歩く最中、蓮子は一人思案に耽る
ユウキと一緒にいたセイバーといい、先程のセイバーといい、どうにもこうにもソリテールを警戒するサーヴァントばかりである
……一体何が原因なのだろうか?彼女が言うところの魔族という種族に起因するものなのか?
それとも、英霊だからこそ感じ取れるソリテールの胡散臭さでも感じ取っているのか…私の知らない、何か裏でもあるのだろうか
3476
:
名無しさん
:2025/03/20(木) 20:55:38
>>3469
「それで真名のことだが…ここで語らずに黙っておくのがよいだろうか」
盈月の儀を経験したがゆえに宮本伊織は知っている、真名の秘匿が戦いにおいて重要な要因の一つであることを
どの時代、どの世界の英雄・偉人が判明すれば、その伝承や逸話などの情報を基に対策を講じることが容易になる
無論、真名を看破しても影響力が少ない・関係なく猛威を奮うサーヴァントもいるのだが
それでも看破された方は手札を減らされてしまい、真名を知った方は無駄な可能性を捨て去ることもできて敵対した時の対応力の向上に繋がりやすい
それ程大事な要素になりえるがゆえに、伊織はその真名が分かったとしても安易に口にすることを憚っていた
なにせ京都の聖杯戦争とは別の世界で知り得た情報だ、他の聖杯戦争の参加者にしてみれば本来苦労して得るべきものを最初から持っていることである、不公平ともいえよう
この場にいるのが伊織とアルトリア(そしてランサー陣営)だけであればそこまで問題視せずに情報を共有していたに違いない
しかし、共闘関係にあるレンとアーチャーの存在が問題となる。安易に、勝手に、ランサーの真名を知らぬ彼らに明かすことは義にもとる
――ゆえに、伊織はランサーとピトフーイに問い掛けることにした
「さぁて、どうでしょう。ランサー、あんたはどう思う?」
「別に構わん。儂の名が知れたところで、我が武芸が後れることはない」
「だってさ、気にせずに明かしてもいいわよ。レンちゃんには出血大サービスしてあげる」
そんな伊織の心配を他所に、当のランサー陣営は軽く許可を出してしまった
それは強者ゆえなのか、本当に意味を見出す必要がないがゆえの余裕なのか
とにかく、憚る枷が取れた伊織は遠慮なくその名を口にすることにした
「分かった、貴殿らの心意気に感謝する。して、貴殿の名は、“李書文”で間違いないだろうか?」
「然り」
「やはり、そうであったか」
「李書文…伝説の武術家か」
「知ってるの、アーチャーさん」
「あぁ、19世紀から20世紀にかけて中国武術を極めた武芸者。八極拳を極め、また“神槍”とあだ名されるほどに槍に長けた人物と聞く」
3477
:
名無しさん
:2025/03/20(木) 21:02:11
>>3458
バーサーカーとの戦いで消耗した太牙と気持ちが晴れない舞衣は、メアリー捜索を断念して太牙の傷を癒やすべく戦闘した場所から離れることにした
霊地であれば魔力が巡り傷が早く癒えると思い、ほど近く大きめな神社へと足を運ぶ
しかし、彼らが辿り着いた頃には式神が霊地を確保していた、一歩遅く運も悪かった
「あれは、何処かの陣営の手の者か…霊地は確保したい、あの程度なすぐに排除してやる」
「ッ!? アサシンさん、嫌な予感がします!すぐにここから離れましょう!」
「いいや、せっかく見つけた獲物だ、逃がさないよ」
敵に利用される前に霊地を奪い自分達で活用することを考えた太牙であったが、霊地を通じて増大する尋常ならざる気配を感じ取ったのか舞衣が危険を察知して即座に離脱を物申す
しかし時既に遅し、式神から報せを受けた太歳星君が二条城から現場となる神社へと霊脈を通じて飛んできてしまった
※太歳星君が舞衣組に対処している間にソリテールがしれっと霊地を争奪しました
3478
:
名無しさん
:2025/03/20(木) 21:36:12
>>3462
連絡が入ったアズラエルとディエゴは再び孤児院のある場所に戻り、アズラエルだけ孤児院付近で待機しつつ、双眼鏡で孤児院の窓から様子を観察。代わりにデコイとして自分の部下をディエゴに同行させる
ちなみにこの時点で孤児院に突如現れた謎の大男(インターラプター)の件で孤児院は小規模ながら騒動になっていた
そしてディエゴとアズラエルの部下が孤児院に入りメアリーの居る場所に移動すると……インターラプターが瀕死の身体を気力でなんとか動かし、メアリーとアズラエルの部下、ディエゴの間に割って入った
インターラプター「気を付けろ……メアリー……。こいつらは聖杯戦争の参加者だ……」
ディエゴからサーヴァントの気配を感じ取り、それを引き連れてるアズラエルの部下は聖杯戦争の参加者だと勘違いする。
今のインターラプターではサーヴァント相手にどこまで戦えるかわからないが……それでもメアリーを守るという気持ちが彼を動かした。
ディエゴ「ほう、俺とやり合う気か?だが下手に動けば――」
瞬間、アズラエルの部下が隠し持っていた銃で上空に威嚇射撃する。
唐突に訪れた非日常に騒ぎ出し、我先にと逃げようとする孤児たち。
アズラエルの部下「貴様ら止まれ!止まらなければ撃つぞ!」
体格の良いアズラエルの部下は、その大柄な体格を利用して孤児院の大人……特に孤児たちから慕われてる女を確保。こめかみに銃口を突き付けた
インターラプター「貴様、やめろ!カラテを叩き込むぞ……!」
怒りに駆られたインターラプターは巨大な拳を握り、アズラエルの部下とディエゴにそう言うが……
ディエゴ「そうだな。俺達の命令を聞くなら、やめてやろう。従わなければこの孤児院を地獄のようにする」
インターラプター「……何が目的だ?」
ディエゴ「簡単なことだ。俺達と手を組んで――」
インターラプター「出来るか!貴様らのような危険人物と手を組めばメアリーがどうなるかわからん!」
ディエゴとアズラエルの部下からはヒョットコ・クランのような雰囲気を感じる。そんな二人に協力したら逆にメアリーの命が危ないし、目の前の男達……特にディエゴは信用してはならないとニンジャの第六感が告げている
ゆえにインターラプターはアズラエルの部下に拳を振り抜く。火事場の馬鹿力というべきか……彼の一撃は風圧だけでアズラエルの銃を吹っ飛ばし、アズラエルの顔が険しくなる
マスターさえ殺せば、勝機はある!
相手がヒョットコ・クランのような無法者である以上、アイサツは必要ない。実際ヒョットコ・クランを相手した時もその緊急性と彼らの卑劣なやり方からか、インターラプターはアイサツをしていない。
ディエゴ「そうか。ならば交渉決裂だ。まずはお前とお前のマスターを殺すとしよう」
インターラプターの拳をディエゴはスタンドで受け止める。たとえデコイとはいえ、マスター同様に守ることでアズラエルの部下がマスターだと信じ込ませる作戦だ。……そして反撃の一撃をインターラプターに叩き込もうとする
インターラプター「メアリー!令呪で俺が勝つように願ってくれ!」
メアリー「うん。一人にしないで、バーサーカー!」
瞬間、インターラプターに力が漲り――カラダチを使用。
スタンドによる攻撃を無効化し、ディエゴを引き寄せ――渾身の一撃を放つ
ディエゴ「グワー……っ!まさか死人同然の亡霊がここまでまだ力を秘めていたとはな」
インターラプターのカラダチをディエゴは把握していたが、瀕死の重傷ではもう使えないと思っていた。だが、その油断が甘かった。
インターラプターが放った一撃はディエゴに多大なるダメージを与えることに成功する
しかしディエゴは大きなダメージこそ食らったが、負ける気はしなかった
何故なら彼には無敵の宝具があるからだ
※メアリーが令呪を使用しました。残り1画です
3479
:
名無しさん
:2025/03/21(金) 07:19:40
(簡単だけど補完的なの)
>>3458
令呪による転移かつメアリーとインターラプターの距離が離れてたが故に、透覚や明眼で逃げられたと見抜く事は出来なかったんだよな舞衣
(可奈美ちゃんなら…斬らず倒さない道を、探り続けたのかな…)と曇ってた所で
>>3477
となった
3480
:
名無しさん
:2025/03/21(金) 17:05:31
「そういえばピトさん、このニュースなんだけど…」
街中で偶然遭遇したために話すのが後れてしまったが、レンは少し前に出た事件の記事をスマホに表示してピトフーイに見せてみた
「犯人の特徴が物凄くピトさんに合致しているんだけど、人違いだよね?」
「あぁそれ、あたしとランサーがやったやつね」
「…えっ」
3481
:
名無しさん
:2025/03/21(金) 22:29:10
>>3464
アルトリア(私を覚えておらず、聖杯を欲していて、それも妹のために戦う…どうにも、私の知るシロウとは違い過ぎる…何かがおかしい…)
アルトリア「…確認したいことがあります。私は、以前にも聖杯戦争に参戦したことがあります」
美遊兄「!本当、なのか!?」
アルトリア「ええ。ですが、私が知る冬木の聖杯は汚染され、万能の願望器とは言い難いものでした」
美遊兄「冬木の聖杯、だと…?それに、汚染、って…」
アルトリア「それは願いに対して悪意を持ち、時には破滅的な結果を引き起こす厄災にもなりえる代物」
アルトリア「ゆえに、この京都の聖杯が本物の願望器足り得るかは私にも分からず、むしろ懐疑的です」
美遊兄「……」
アルトリア「私はそれを確かめるために戦うつもりですが、仮に邪悪なるものであったならば、破壊するつもりです」
アルトリア「――ゆえに問おう。聖杯が穢れたもの、非道なものであったとしても、貴方はそれを欲するのか」
この時ばかりは、王として、騎士として、静かに、しかし力強く、厳格なる声で眼前の青年に問い掛ける
目の前にいるシロウが、果たして自分の知る「正義の味方」を志ざす彼なのか、あるいは全く別の道を進もうとする覚悟あるものなのか、それを見定めようとする
美遊兄「……その話が本当なら、俺は今回の聖杯はいらない。願いが歪な形で叶えられでもしたら、困るからな……」
アルトリアの威厳ある態度に美遊兄は彼女が話すことは間違っていない可能性を考慮して、そう返答した。
特に願いに対して悪意を持つという言葉が引っ掛かった。もしも聖杯が汚染されていて、美遊が幸せになるどころか不幸になったらたまったものじゃない。
正義の味方ではなく、美遊の味方になると決めた。悪の道を歩む覚悟も決めた。
だが美遊に危害が及ぶ可能性があるなら、そんなものは使えない。最悪、元の世界に戻れば再び元の世界の聖杯戦争に参加して、願いを叶えればいい。そうするには元の世界へ帰還する方法を模索する必要もあるが……
アスナ「私も……聖杯が汚染されていたら、そんなものはいらない。きっとユウキが悲しむし……士郎くんの言う通り、最悪の展開もあり得るから」
アスナも美遊兄に同意する。
他者のために聖杯を求めているからこそ、汚染された聖杯なんて恐ろしいものは使えない。
アルトリア「そうですか。……安心しました。貴方は私の知るシロウと異なる点もあるが、やはり根本は似ているようだ」
美遊兄「そうか。俺にドッペルゲンガーがいるような言い方はよくわからないけど……何か事情があるんだろうな」
アルトリア「私は以前、貴方と冬木の聖杯戦争で共闘しました。どうして貴方が私の知るシロウと異なる点があるのかまでは、わかりませんが……」
美遊兄「……嘘を言ってるようには、聞こえないな。ただ一つ言っておく。お前の知ってる衛宮士郎は知らないが、俺は聖杯が汚染されてなければ願いを叶える。……それが妹のためだからな」
アルトリア「……わかりました。とりあえずこの京都の聖杯について色々と調べる必要がありそうですね。そしてもしも聖杯が汚染されていなければ、貴方達と真っ向から戦いましょう」
アスナ「私達も聖杯の調査には協力します。士郎くんもそれでいいよね?」
美遊兄「……ああ。俺はただ、妹を幸せにしたいだけだからな」
その後、アルトリアは念話で伊織に現在場所を聞く。
アルトリア「何か聖杯の情報を得た時のために貴方達と連絡先が交換したい。付いてきてくれますか?」
その言葉に、美遊兄とアスナは頷いた
3482
:
名無しさん
:2025/03/22(土) 14:10:21
>>3480
ピトフーイの言葉に名護さんが臨戦態勢に入る
サーヴァントが臨戦態勢に入ったということは只事ではないと察した伊織もまたいつでも抜刀出来るような体勢に入る
しかしレンはピトフーイの意外すぎる言葉に呆気にとられた。
レンの知ってるピトフーイは改心後のピトフーイなのだが、ここにいるピトフーイは改心前のピトフーイ
当然、この場にいる誰もがそんなこと知るはずもなく――ゆえに歪な空気が流れる
レン「どうして……?やってることがまるで前のピトさんみたいだよ!」
ピトフーイ「前の私……?なにそれ?私は私……ピトフーイだよ、レンちゃん。本当は今すぐおっぱじめてもいいけど、楽しそうなお祭りを開こうとしてるサーヴァントがいるからレンちゃんはまだ襲わないであげる。
だってレンちゃんは私にとってのメインディッシュだもんねぇ?」
レン「楽しそうなお祭り……?それがピトさんをまたおかしくしてるの!?」
ピトフーイ「まあ別にそういうわけじゃないけど……お祭りの内容はレンちゃんや伊織もいずれわかるんじゃないかな?
伊織の方はここで戦ってもいいけど、サーヴァント無しのマスターを倒してもつまんないもんねぇ」
3483
:
名無しさん
:2025/03/22(土) 14:12:04
>>3471
カブキ「自衛のためならしょうがねえなぁ。でも無理をして鬼の使命を果たす必要はないぞ、マヤ。鬼ってのは命懸けで大変だからなぁ」
それはマヤが子供だから見せた、カブキなりの優しさだった
相手が大人ならどうでもよかった。だが子供相手には優しいのがカブキという男である
ザンキ「それは俺も同感だ。無理に立派な鬼になる必要はない。……俺はマヤには普通の生活をしてほしいんだ」
3484
:
名無しさん
:2025/03/24(月) 15:28:10
>>3477
太牙『真衣……。相手は逃がす気がないらしい。連続出悪いが、闇のキバを――』
太牙が念話をしかけた途中、太歳星君が遮るように口を開く
太歳星君「全力をもって挑みに来い。足掻けよ」
太歳星君の目的は他の英霊主従との鎬を削る戦い。
もしも目の前のアサシンが見所があれば、視肉を与え、見逃すことも考える。そうすることで噂が広まり、他の英霊主従と手を組んで討伐しようとするかもしれないからだ。
ただし見所がないか、見所があれどこの霊地から出ていかなればここで排除する。
まあそこら辺は太歳星君の気分次第だが
それは自らを絶対強者と疑わず、自分以外の全ての存在を自分を楽しませるため存在として明確に見下しているゆえの行動だった
そして太牙は相手の高圧的な態度からよほど腕に自信があると察する。それは真衣も同じく、迷わず許可を出して太牙は初っ端から闇のキバに変身する
この時、真衣は度重なる魔力の膨大な消費で片膝をつき、ぜぇぜぇと苦しそうに息をした
3485
:
名無しさん
:2025/03/24(月) 23:17:28
>>3484
息を荒げながらも脳を回転させる舞衣
(私達が霊地に来た途端、相手は仕掛けようとしてきた…多分ここは、相手の霊地だと思う。
…言い方からして、どこか私達を試すような…そんな動機な気もして……ここは言う通り、全力を以て力を示し、抗うべき…!)
そう推測しつつ、力を示すことを目標とした彼女は、ここで令呪を一画行使する
相手の霊地であるという推測が正しければその時点でもう不利、しかもこちらは疲労が激しいという状況から、出し惜しみはしていられないと判断した
「令呪をもって命じます、アサシンさん…あなたのその力を示して!!」
3486
:
名無しさん
:2025/03/25(火) 12:11:03
>>3477
獲物がかかった場所へと飛んだ太歳星君を見送ったシロッコは当初の予定通り戦場となっている霊地と陣地を繋ぐ地脈を途切れさせないよう十二神将たちに指示を出す
その過程で京都市内で騒ぎとなった事柄について把握していく
それと同時に一部の式神にはランサー陣営の動向も追わせていく
ピトフーイ達を監視する必要はないと考えているが、彼女達が遭遇する陣営に興味があった
そして遠目に見張る式神からは戦闘が起きた様子はないとのこと
出来るだけ多くの陣営を見ておきたいシロッコは護衛の式神に乗ってその場所へと向かうのであった
3487
:
名無しさん
:2025/03/26(水) 21:28:22
>>3485
太牙「ああ。ありがとう、舞衣……」
舞衣の令呪により、闇のキバが更に強化される
それを感じ取った太牙は舞衣のため。そして――夢のため。弟である渡にとって誇らしい兄であるために――
太牙「お前が何者かわからないが――王の判決を言い渡す。死だ」
瞬間、闇のキバが太歳星君を殴り飛ばす。ただでさえ高スペックを誇るダークキバ+令呪によるブーストで底上げされた超スペックによる一撃は、それだけでもかなりの威力を誇る
そして太歳星君の背後にキングの紋章を出現。もしもこのまま太歳星君が何もしなければ、反射した太歳星君の肉体を再び殴ることになるだろう
3488
:
名無しさん
:2025/03/26(水) 21:29:36
>>3473
、
>>3474
キリトが疑問を挟んでワンテンポ遅れたが、カズマ、影山、矢車さんが口を開く
カズマ「ユウキは重度の病気なんだろ?それを聖杯で治そうと思わないのか?」
影山「重度の病気、か……。それが本当なら、どうして治そうとしないのさ」
自身が人外になり、死んだ結末を迎えた影山には、ユウキの苦しみが痛いほどわかる。もしもカズマの言う通り重度な病気なら、聖杯に頼っても誰も彼女を咎めないだろう
矢車さん「俺もキリトや相棒と同じ疑問を思ったな。お前は地獄を見てきた目をしている……。だが、何故か光を秘めている。どういうことだ?」
ユウキ「うん。たしかにボクは、地獄も見たよ。でも今はもう悔いがないし、この京都で生身の体を漫喫したいかな!」
一護「とまあ、こんな感じなんだ。だから俺はそんなユウキの意志を無駄にしたくないと思ってる。……俺はユウキとは逆で、もう後悔したくねぇからな」
矢車さん「後悔か……。たしかにお前も地獄を見てきた目をしてるな……」
キリト(ユウキ。今の俺には……今のキミが眩しく見えるぜ……)
屈託のない笑みを浮かべるユウキを、キリトは眩いと思った。
自分は世界のためとはいえ、聖杯を手に入れようとしてる。
だがこれはエゴかもしれない。少なくとも大切な相棒――ユージオがこの話を聞いたらどう思うだろうか
アリス『キリトの友人が聖杯戦争に居ましたか……』
キリト『ああ。でもユウキはマスターだ。……聖杯戦争は無理にマスターを狙う必要はない。もし戦うことになっても、俺はユウキとは戦いたくない。だからその時はセイバーの相手を、アリスに任せたいんだけど……』
アリス『キリトの気持ちはわかりました。無理に友人と斬り合う必要もないでしょう。――だからその時は、私がセイバーと戦います』
キリト『ああ。……だがこの聖杯戦争、もしかしたら裏に潜んでるかもしれない。ユウキは頼りになる仲間だし、とりあえず聖杯戦争の謎を暴くまでは協力関係になっておきたい。……黒幕が居ないか、黒幕を倒したらあのセイバーやカズマのアサシン達とも戦わなきゃならないけどな』
――自分の彼女がサーヴァントとして参加していることを。彼女(アスナ)を倒さねば前に進めないことを、キリトはまだ知らない。
心が通じ合った大切な親友が自分のために聖杯を狙っていることを、ユウキはまだ知らない
そしてカズマと影山は、ユウキの姿を眩いと思うと同時に、本当に自分が聖杯を求めて良いのか迷っていた。
カズマ(出来ればユウキもこの京都から脱出させてやりたいな)
影山『カズマ、兄貴……。俺、この娘のことが少し心配になってきた』
矢車さん『甘いな、相棒。だがこいつらの目は嫌いじゃない。……どのみち、最終的には戦うけどな』
カズマ(やっぱり矢車の性格が厄介だな……)
3489
:
名無しさん
:2025/03/27(木) 06:20:50
>>3478
『ふざけているのか、ライダー!そんな瀕死の相手に油断して死にかけるとか、本末転倒だろ!』
少し離れた場所から戦闘を観ていたアズラエルが怒りと焦りを帯びた感情を念話に乗せてぶつけてきた
明らかにこちらが優位な状況にいたはずなのにこの為体(ていたらく)、あれ程の自信を見せつけていたディエゴは実はほら吹きの役立たずではないかと疑わずにはいられなかった
『うるさいッ!!外野にいるマスターは黙ってろ!』
そんな身内からの叱責をディエゴは念話にて怒鳴り返す。確かに油断していた自分も悪いのだが、その態度に腹を立てずにはいられなかった
「イヤーッ!」
「何ッ」
次の瞬間、インターラプターは己のニンジャ脚力をもって思い切り地を蹴り抜いた。砕かれた孤児院のコンクリート片が音速を超えた死の弾丸としてディエゴ達に襲いかかる!
令呪による補助を受けたインターラプターは、今この瞬間のみ全盛期と遜色ないカラテを取り戻していた。かつてザイバツきってのカラテの猛者サラマンダーと互角に戦った彼からすれば、ディエゴの操る『世界(THE WORLD)』は身体能力こそ高いものの動きは拙く十分打倒し得る!
「アバーッ!」
かろうじてスタンドによる防御が成功したディエゴだったが、偽装マスターとして連れてきた黒服は全員破片に貫かれて即死した。サツバツ!
「やったぁ!そのままやっちゃえバーサーカー!」
「ライダー!貴様はここできっちりと葬ってやる!」
バーサーカーの勇姿にメアリーは無邪気に喜ぶ、度重なる連戦により魔力を消耗して多少疲弊しているものの彼を応援せずにはいられなかった
そしてインターラプターは相手のマスターの排除に成功したと思い、邪悪なるライダーを野放しにするのは危険だと判断してさらに攻勢に出た
無理なガードで体制が崩れたディエゴにインターラプターが迫る。『世界』に迎撃させようとするディエゴだが中断した。中断せざるを得なかった
(さっきの妙な技か!)
インターラプターは再び奇妙な中腰の姿勢――カラダチの体制をとったからだ
しかし、これはインターラプターの作戦通り。カラダチを見せ札として使うことで隙を誘発しもう一つのヒサツ・ワザ、タタミ・ケンに繋げるためのフェイクである!
「これで終わりだ!」
ディエゴが見せた隙は僅かだがコンマ一秒を争うニンジャにとっては致命の隙!
体を捻り生半なガードごと叩き潰す一撃が叩き込まれる――
「『THE WORLD』! 俺だけの時間だぜ!」
――寸前に、『世界』はディエゴのものになった
インターラプターも、メアリーも、その他の全ても、時流が止まってしまったことに気付くことがなく
そんな万物が静止してしまった世界の中を、唯一の支配者たるディエゴだけ動く事が許されていた
「如何に強力な武術の使い手だろうとも、俺のスタンドの前では無意味!そしてたっぷりお返しをしてやらないとなぁ……」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーッ!!!」
「時は動き出す」
「グワーッ!」
ディエゴがスタンドによるラッシュによる連続殴打をインターラプターに見舞い、計ったように口ずさむと同時にインターラプターは別の建物まで吹っ飛ばされてしまった
意識外の攻撃を受けたインターラプターは状況を把握する刹那すらも与えられず、全身に響く強打の激痛に苛まれる
『ラ、ライダー…一体、何が起きたんだ…?』
この間、ライダーと契約していたアズラエルのみは時の止まった世界での出来事を観測していた
ディエゴがサーヴァント化した影響によりマスターにもその恩恵がおよび、時間停止中は動くことはできなくとも思考できるようになっていた
しかし始めて見たライダーの宝具開帳、そしてその後に起きた事象に対して理解が追いつくには少し時間が必要であり、身体に想い疲労感を覚えつつも今はただ驚くしかなかった
『これが俺の渇望の具現、絶対なる宝具の力だ。説明は後だ、マスターはそこで観ているがいい』
一方、自分の力を誇示したディエゴは念話で返答しつつ、虫の息な状態であるインターラプターの元へと悠々と向かい始めていた
3490
:
名無しさん
:2025/03/27(木) 06:21:20
(い、一体、なにが……もしや、ヘイスト・ジツか……!?)
意識が混濁する最中、インターラプターはこの事象に似た状況に思い当たる
かつてソウカイヤとザイバツの間で起こった大規模な抗争、通称『マルノウチ抗争』
かつてインターラプターもソウカイヤ側の戦士として参戦したこの抗争だが、ザイバツ側の指揮官スローハンドは自身を超加速する恐るべきヘイスト・ジツの使い手であった
インターラプターが直接カラテを交える事はなかったものの、その脅威はソウカイヤ内で共有されており今起こった現象はその時の様子と酷似していた
確かにその答えは近くまで辿り着いたものの、もはや満身創痍のインターラプターではどうすることもできない
先の鎧の男との戦いで負ったダメージに加え、今回死力を尽くした上での思わぬカウンターによって挫かれてしまった
今は立ち上がるどころか動く事すら不可能な状態、トドメを刺しに向かってくる敵を止める手段もない、“詰み”というやつだ
だからインターラプターは念話を使って、メアリーに逃げるように伝えようとしたが――
――それよりも先に、メアリーが動いていた
瀕死のインターラプターを目前に控えたディエゴの前に割って入り、両手両足を拡げてとおせんぼの格好を取った
「もうやめて!これ以上バーサーカーをいじめないでっ!」
「メアリーッ!!」
「ほぉぅ」
メアリーの目尻には水滴が浮かび、立ち塞がろうとするその四肢は小さく震えている
当然だ。不気味な美術館の中で生まれ育った少女とて、未知にして濃厚な神秘の重圧と恐怖に押し潰されそうになっているのだ
その上勝利の願いを込めた祈りすら打ち砕かれている、絶望に支配されているのかもしれない
「なんでも言うことを聞くから、バーサーカーを殺さないで!」
「やめ、ろ、メアリー……!」
それでも、バーサーカーを喪いたくないという想いが彼女奮い立たせていた
無謀な状況にもかかわらず、彼女は己が覚悟を示さんとする
「…くくく、あははははっ!殊勝なマスターに恵まれたな、バーサーカー!」
「いいだろう、諸共殺すつもりでいたが、この小さきマスターの覚悟に免じて一旦許してやろう」
「だが、ここまで手を焼かせたんだ。そうだな…慰謝料代わりに令呪でオレ達への攻撃を禁止してもらおうか」
「ラ、イダー…!」
「おっと、下手に動くなよ。小娘もな。その瞬間、お前達の命は潰える」
「なんであれ、お前達が下らない意地をはったからこんなことになったんだ。これは公正かつ寛大な『取引(ディール)』だぜ」
「……わかったわ……ごめんね、バーサーカー……」
インターラプターの鋭い眼光もディエゴを止めるには及ばず、失意のままにメアリーは最後の令呪を消費した
――ディエゴがメアリーをあえて殺さなかった理由は二つ
一つはディエゴ自身が語った通り、自分達以外の戦力が必要だったこと
マスターのアズラエルはこの聖杯戦争において優れた社会的地位を有しているが、その分目立ちやすい立ち位置でもある。先ほどバーサーカー達と戦闘していた鎧のアサシンもそうだが、自分達の行動を妨害する連中はこれからも出てくるだろう
アズラエルは魔術の心得がなく、如何に『世界』が強力無比と言えども宝具を使用した連戦は困難、まして複数の主従から集中攻撃を受ければ非常に厳しい展開になる。そういった邪魔者どもの相手をする『番犬』がほしいと考えたのがまず一つ
――そして、もう一つの理由はアズラエルにも話していないディエゴ自身の企みによるもの――いざという時の"替え"になるマスターを確保することが二つ目の理由である
弱いマスターがサーヴァントのアキレス腱になるのはこの戦いで証明された通りだが、ディエゴにもそれは当てはまる
万が一アズラエルが死亡ないし再起不能な状態に陥ればそのままではディエゴもまた道連れになってしまう
当然、それを是とするディエゴではなく密かに対策を考えていた
そんな中、この戦闘中バーサーカーのマスターであるメアリーという少女が少しだけの疲弊で済んでいることを見逃さなかった
普通魔術回路に乏しいマスターが全力でサーヴァントを戦闘させれば、その反動が重く伸し掛かる。それこそ今のアズラエルのように疲労困憊になるのが常である
しかし、メアリーは令呪を使ったとはいえ魔力喰らいで知られるバーサーカーを、連戦させたにも関わらず大きく疲弊をしていない様子であった
即ちあの少女は優れた魔術回路を有しているとディエゴは推測し、故にいざという時に再契約をする『保険』のマスターとして手元に置いておくことにしたのだ
無論アズラエルの立場が非常に有益であるのは理解しており、易々と手放すつもりはないが万が一の際には躊躇うことなく切り捨てるつもりである
「そうしょげるなよ、バーサーカー…ま、大人しく言うことを聞いていれば悪いようにはしないさ」
結局の所、大統領だろうがマスターだろうがディエゴにとって他者は全て自らの踏み台に過ぎないのだから
※インターラプターに令呪で『アズラエルとそのサーヴァントであるライダーへの一切の攻撃を禁止する』という命令が下され、メアリーは令呪を喪失しました
※以前ディエゴが宝具を使用した際には距離が離れていた影響もあって、その時はアズラエルは時間停止を認識できずに魔力だけを消費していました
※今回ディエゴが時を止めた際、5秒間で移動できる距離にメアリーがいなかったためインターラプターを全力で潰しに掛かりました
※この後ディエゴは瀕死状態のインターラプターを回復させるために魂喰いをさせるかもしれません
3491
:
名無しさん
:2025/03/27(木) 15:41:41
>>3483
ザンキ「どうやらお前達は積極的に戦うような陣営ではなさそうだな」
カブキ「その様子だと、あんたも何処かで戦ったようだな」
そしてマヤ組とカブキ組はこれまでにあった出来事を話す流れになった
最初にザンキがバーサーカー陣営に襲われたこと、バーサーカーに迷いがあり退けたことを伝えた
アタランテ「城の霊地に陣取るキャスターがいた。このまま放置すると手のつけようがなくなる、早めに対処したいところだが…」
続いてアタランテが二条城での出来事について語った
マスターのように子供を気遣うサーヴァント(ザンキ)に幾らか好印象を持ち、彼と共闘できるなら対キャスターに備えられるとも考えた
ただ同時にそのマスターである少女マヤにも危険が及んでしまいそうであり、子供の安寧を想うアタランテとしては共闘を持ち掛ける事には悩ましく感じていた
カブキ「それと夏油という男とそのサーヴァントとも出会ったんだが…」
マヤ「えっ、もしかして夏油先生?」
カブキ「なんだ、あの僧侶もどきを知っているのか?」
マヤ「うん、特別教師として色々と教えてもらったよ!」
カブキ「そうか…」
ザンキ「…その夏油と、何かあったのか?」
アタランテ「ああ、最初は話し合うために対面したのだが、相容れず決裂した」
カブキ「あいつは呪術師とやらで、只の人間を忌み嫌っていた。そんな奴に聖杯を渡すわけにはいかねぇ!と思って敵対したんだが…」
マヤ「えっ」
カブキ「戦いの最中に変身音叉を奪われて、俺は鬼の力を失っちまった…」
アタランテ「加えて夏油は鬼の姿に変身してしまった。戦況が不利になってしまい、なんとか逃げて来たのだが」
ザンキ「……」
3492
:
名無しさん
:2025/03/27(木) 20:30:19
「それで、この後はどうする?」
「特に手掛かりはないし、せっかくならコレ関連について調べてみましょうか」
「…?なにそれ?」
ソリテールは懐から取り出したのは変な人形であった
先程の崖下にて出会った式神と霊地について、そして解析して幾らか分かった事について己がマスターに説明をする
「たぶん、キャスター陣営がこの使い魔を京都各地送り出して霊地を押さえているようね」
「霊地、って魔力が豊富な場所って事?」
「そう、龍脈に点在する魔力の吹き溜まり。術理に長けたキャスターがそれらを利用して自陣の強化に使っているかもしれない」
「…なんだかそれ、ちょっとヤバい気がするけど」
「そのとおり、だから他の霊地も調べてみましょう。上手くいけば同じ様な使い魔と出会えるかもしれないし、そうでなくても霊地を調べれば聖杯戦争について何か分かるかもしれないし」
「…わかった、でも霊地ってどこにあるか分かるの?」
「ええ、なんとなく。地図を出せる」
「スマホのアプリでなら出せるけど」
「見せて…たぶんここね」
「…霊園?」
二人が向かった先は京都でも大きめな霊園であった
至って普通な墓地であり、お参りに来た人とも何人か見かけたりもした
(ちなみにだが、噂によるとここはそこそこ有名な心霊スポットらしい事もネット上で紹介されているようだ)
二人は人気のない場所にある霊地の中心に向かい、陰陽師姿で顔を隠した使い魔(式神)を見つけたが――
「おや、こんなところで他の主従と、それに式神?と出会えるとはね」
「妙な気配を感じて見に来たら、これは予想外。気配は消しているからアサシンだと思いますが、こうものこのこと姿を現しているとは」
同じタイミングで、夏油傑とキャスター・玉藻の前の現場に現われた
この二人、カブキ組との戦闘にて消費した呪霊を補填すべく霊園に赴いたのだが、ある程度回収したところで式神と霊地の気配を感じて確認しに来たようだ
ちなみに玉藻の前は式神を見たときに物凄く見覚えがあるように感じていたが、取るに足らない雑魚とみなしてアサシンへの警戒を強めていた
3493
:
名無しさん
:2025/03/28(金) 00:02:19
>>3490
その後、ディエゴはインターラプターに魂喰いを提案する
インターラプター「ふざけるな!俺にヒョットコ・クランのような真似を――」
そう叫ぶインターラプターの前で、ディエゴはメアリーにナイフを軽く押し当てた。メアリーの首筋から血が流れ出る。
もちろん殺すつもりはない。本当に軽くなのだが、それでも相応の痛みと恐怖を受けてメアリーは苦悶に顔を歪ませる
ディエゴ「俺の気分一つでお前のマスターは死ぬが、それでもいいのか?」
インターラプター「ぐっ……!わかった……!」
ディエゴ「そうだなぁ、場所は町中にしよう。他の主従が居たら容赦なく襲え」
それはインターラプターの気持ちに反するあまりにも卑劣な行動。しかしメアリーのために、仕方なく頷くしかなかった。
そしてインターラプターは魂喰いを始める。
大声をあげて逃げ惑う人々。
そんな中、イリヤとヤマトタケルがインターラプターを発見
彼の凶行を見過ごせない二人はインターラプターと戦闘になる
なおこの頃にはインターラプターはそれなりに回復していた。戦闘に支障はないだろう
ちなみにディエゴはメアリーを引き連れて、近くで待機。いつでも加勢出来る状況を作っている。相手は自分のスタンドと互角に戦えるサーヴァントだ。ここらで脱落してもらいたいとディエゴは考える
3494
:
名無しさん
:2025/03/28(金) 00:03:10
>>3491
マヤ「そんな……。あの夏油先生が……」
マヤは夏油に対して悪印象がない。むしろ忠告してくれたり、真偽はわからないが過去の事件も教えてくれた。
ゆえに夏油が人間を忌み嫌っているというのは、ショックな内容だ。だが人々を守りたいという自分の意見に〝もっと疑うべきだ〟と返したのは、たしかに〝ただの人間〟に対して何か思ってる節があるともマヤは考えた。過去の事件が本当で、そういうのを何度か見てきたら……歪んだ考えが出てくるかもしれない。
カブキ「マヤ。お前が夏油にどんな印象を持ってるかはわかんねえが、大人には汚え奴もいるんだ。俺も大人から何度も迫害を受けた。……鬼っていうだけでなぁ!」
3495
:
名無しさん
:2025/03/28(金) 13:05:05
>>3493
ちなみにディエゴの元にはアズラエルと数人の部下もいる
ディエゴが戦闘に出る際には彼らに人質たるメアリーを任せる手筈となっている
いつ自分に危害が及ぶのか分からない状況に、メアリーはただ怯えるしかなかった
3496
:
名無しさん
:2025/03/28(金) 13:09:20
(今更ながら
>>3482
の行間シーンを加えてみる)
ピトフーイの言葉に名護さんが臨戦態勢に入る
サーヴァントが臨戦態勢に入ったということは只事ではないと察した伊織もまたいつでも抜刀出来るような体勢に入る
名護さん「自分で認めるということは、本当に凶悪犯のようだな」
ピトフーイ「あぁ言っとくけど、襲われたのは私達の方よ。弱いのに群れてやってきたから返り討ちにしただけ。無闇矢鱈に人を襲う狂人ではないからそこだけは誤解ないように」
伊織「火の粉を振り払った、という割にはその語り様、些か嬉々としている様子と見受けられるが」
ピトフーイ「えぇ、まさかお尋ね者になるとは思ってもいなかったけど、それはそれで好都合。そのおかげで別の陣営が接触して一戦交えたし、さらに面白い戦いを味わえそうだし!」
ピトフーイとの会話で彼女とランサーが戦いを望む危険人物ではないかとより警戒を強める名護さんであったが、やはり街中であることと相手からの戦意や敵意がないためにこの場を見守るしかなかった
一方、伊織にしてみればピトフーイらに一定の共感を持っていた
なにせ江戸の街中にて浪人をしていた彼にしてみれば、そのようなゴロツキ達と戦う事が日常茶飯事であり、徒党を組んでこちらに襲いかかってくる輩がいれば全てを斬り伏せてきたのだ
それに、自らの剣技を研ぎ澄ませるためと戦闘狂として戦いを楽しむとで異なる部分はあるが、それでも強者との戦おうとする姿勢にも思うところがあった
(以下、
>>3482
のレン&ピトのパートに移る)
※伊織に関する記述にて「全てを斬り伏せてきた」と記しましたが、さすがに雑魚敵を全て殺していたわけではないと思います
3497
:
名無しさん
:2025/03/28(金) 22:50:24
>>3486
同時刻――
アルトリア、美遊兄、アスナはレン達に合流する
そして軽くマスター同士で自己紹介をしていた。この時、アスナとレンが同じ世界出身であることを知り互いに多少打ち解ける。もちろん、アスナは真名を伝えないが〝GGOを知ってる〟ということだこは教えた
レン(よかった。この人達も伊織さんと同じでイカれた人じゃなさそうだ)
美遊兄「……とりあえず一通り自己紹介は終わったけど、1つだけ伝えたいことがあるんだ。いいか?」
名護さん「良いだろう。教えなさい」
美遊兄「俺にはどうしても救いたい妹がいる。だから……悪いな。聖杯が汚染されてなければ、俺達はみんなと敵対関係になる」
アスナ「……ごめんね、レンちゃん。私も……どうしても救いたい、重度な病気の子がいるの」
レン「そんな……」
わかり合えると思っていただけに、レンはショックを受けた
いや……たしかにわかり合えたのかもしれない。これで特別、仲が悪くなるわけじゃない
だがそれでも――最終的に戦わなければいけないというのがキツかった。二人の聖杯に対する願いが利己的ではなく、他人のためだと知ったから余計に、だ。
名護さん「レンくん……これが聖杯戦争だ。俺達もレンくんを元の世界に帰すために、戦う必要がある」
レン「で、でも何か聖杯以外の方法で脱出できるかもしれないし……」
名護さん「そんな都合の良い方法が、あればいいけどな……」
アルトリア「だが聖杯が汚染されて、歪な形で願いを叶える可能性もある。それを忘れたらいけませんよ、アーチャー」
名護さん「ああ。わかってる。その時はその時だ」
3498
:
名無しさん
:2025/03/28(金) 22:51:28
>>3493
魂喰いをしてる最中のインターラプターの心中は、罪悪感に塗れていた
インターラプター(すまない……すまない……)
一人、また一人と罪のない人々を殺す度に心の中でそう呟き、ディエゴへの怒りを募らせる。だが、彼は逆らえない。
〝お前はニンジャに戻ったのだ。無慈悲な殺人鬼に〟
かつてニンジャスレイヤーに言われたことが、頭を過ぎる。
逃げ惑う人々を魂喰いし、その場をマッポーの地獄絵図と化す。これではヒョットコとやってることが同じだ。
インターラプター(俺は罪深い亡霊だが……更に罪を重ねなければいけないのか……。誰かカイシャクを……だが俺がカイシャクされたらメアリーは……)
そんな時にイリヤとヤマトタケルが現れた。
インターラプターは自らの死を願うと同時に、生きなければならないとも思う。自分が死ねばメアリーはどうなるかわからないからだ。
更に彼はディエゴからメアリーを人質に、自分の素性を吐かされた。もちろんオハギの件についてもだ。
それを聞いたディエゴは無慈悲にもインターラプターからオハギを奪っている
そして皮肉なことに血に塗れた皇子であるヤマトタケルはインターラプターが出す死の匂いに敏感に反応している。
それはデッカーとして働く一方、夜な夜なそのカラテでツジギリしていた報いか――。
インターラプターはその人格も相手に知られぬままに、バーサーカーとしてヤマトタケルと戦う。
オハギさえあればまともな男が。まともになろうとした男が――狂戦士として暴れる。なんと皮肉なことだろうか
ヤマトタケルはディエゴ戦で大ダメージを受けている。幾らか回復しているが、だからといって万全という状態には程遠いし、戦闘にある程度の支障が出るかもしれない。
一方、インターラプターは魂喰いでダメージがある程度は回復している。
卑劣なやり方がインターラプターに有利な状況を生み出したが、インターラプターの心は晴れない。しかし彼は相手が誰であれ戦うしかないのだ。メアリーのために
3499
:
名無しさん
:2025/03/29(土) 05:38:49
>>3487
いきなり全力を出してきた相手になされるがままの太歳星君は、そのままダークキバの必殺技まで受けて爆発に巻き込まれてしまう
一連の太牙の猛攻に体力を消耗しながらも勝利を期待した舞衣であったが、直接手を下した太牙は違和感を感じずにはいられなかった
突如現われた敵を即座に排除すべく動いたのはいいのだが、あまりにも手応えなくキャスターを倒してしまった……何か、嫌な予感がする
「…ははは、おもしろい。その全力に免じて、こちらも全力で応じよう」
「くそっ!こいつは不死身なのか!?」
明らかに死に体だったはずの太歳星君が無数の目玉と肉塊に包まれ、一瞬にして元通りに戻ってしまった
これだけでも死力を尽くした太牙と舞衣の行為を徒労に終わらせてしまったが、太牙は相手の言葉に危機感を覚えて即座に攻撃に移った
3500
:
名無しさん
:2025/03/29(土) 11:15:18
>>3497
ピトフーイ「へぇ、レンちゃんとは違って貴方達には戦う目的があるのね」
美遊兄「…そういうあんたは聖杯に何を求めているんだ」
ピトフーイ「私?私はねぇ…ずっと待ち焦がれていたのよ、命懸けのデスゲームってやつを!それに参加すること自体が私の願い、だから既に望みは叶っているわ!」
ピトフーイ「あとは紙一重の戦いを存分に楽しむだけ!聖杯は、まぁ優勝のトロフィー、ってところかしら」
李書文「我とて同じ。願望など、この肉があれば事足りる。なれば我が槍術、我が拳がどこまで通ずるか、実戦で確かめるのみ」
伊織(…やはり俺の知っている李書文と同じか…いや、若さ故かより荒々しさが表われているようだな)
アスナ「戦うこと自体が、目的…?」
アルトリア「そのような英霊がいることはおかしくはありません。聖杯に招かれた英雄豪傑であれば、生涯に悔いがなくとも戦いを求めて馳せ参じることもありえますから」
レン「やっぱりピトさんおかしいよ!SJ2が終わって改心したんじゃないの!?」
ピトフーイ「…レンちゃん、それってどういうこと」
レン「だから“ゲームに命を賭ける”なんてことはしなくなったのに、なんで!」
ピトフーイ「…私、心待ちにしていたSJ2の前にこの京都に喚ばれたんだけど」
レン「…えっ?」
ピトフーイ「道理で、なんだか話が噛み合わないと思ったら…レンちゃん、とりあえず教えて。あなたの知っているSJ2は、どいう結果になったの」
突如真剣な顔になったピトフーイの眼差しに虚を突かれ、レンは困惑しながらもSJ2のあらましについて簡潔に語り始めた
ピトフーイがSJ2を命懸けのデスゲームに見立て、敗北したらリアルでも死ぬ覚悟で挑んでいることを知ったこと
それを阻止するためにレンも参戦し、激闘の末にピトフーイを打ち破ったが満身創痍の状態で別のチームにやられたこと
そして約束通りにリアルで対面し、考えを改めてくれたところまでを語り尽くした
ピトフーイ「…ずるい」
レン「ん?」
ピトフーイ「ずるいずるいずるい!なんで私はSJ2に参戦できなくて、レンちゃんが私を倒しているなんて、そんなのずるい!!」
レン「ピトさん?」
ピトフーイ「いいわ、その分この聖杯戦争で思いっきり暴れてやる!そしてレンちゃん、私の知らない私を倒したようだけど、ぜぇぇぇったいに、この私と勝負しなさい!嫌でも付け狙って、私が殺してやるから!覚悟しといてね!」
レン「なにその暴論!!」
自分の知らない未来を知り、自分が思い描いていなかった結末を知らされ、なによりライバルに負けてしまったことにピトフーイは柄にもなく癇癪を起こし、その鬱憤を聖杯戦争で晴らすべくレンに宣言した
そしてもっと大きな悩みの種を抱え込んでしまったレンが頭を抱える最中、ピトフーイを利用して多くの陣営と接触を試みていたシロッコもその場に姿を現した
シロッコ「…一体何をやっているだ、ピトフーイ」
ピトフーイ「おっ、いいタイミングで来たわねキザ野郎。あんた達が企てている催しに、レンちゃんやここにいる皆を招待しましょう!」
3501
:
名無しさん
:2025/03/29(土) 17:00:09
>>3494
マヤ「鬼っていうだけで迫害を……!?鬼は人を守るのが使命なのに!?」
ザンキ「……残念だがこの京都に限ったらカブキの言ってることは正解だな。俺もこの京都で人助けをした時に、石を投げられたことがある」
カブキ「京都だけじゃねぇ。俺は元々の世界から、何度も迫害されてきたんだからなぁ」
ザンキ「……それはおかしいな。俺の居た世界では鬼は迫害されていなかった。それにお前は服装といい、何故か時代錯誤だ。鬼ということは本当らしいがな」
マヤ「もしかして、カブキはタイムトラベルしてきた鬼!?」
マヤが突拍子もないことを言うが、ザンキは少し考えた後に口を開く
ザンキ「……その可能性も否定出来ないな。時代錯誤の服装も、鬼の境遇が俺の時代と違うことも……それなら納得がいく」
3502
:
名無しさん
:2025/03/30(日) 06:14:25
>>3495
(…どうしてこんなことになっちゃったんだろう…ただ、美術館の外に出たかっただけなのに…)
ライダーにがっしりと掴まれ逃げることもできないメアリーは己が不幸な状況に浸るしかなかった
ゲルテナの作品が蠢く不思議な美術館で生まれ育った彼女は、それまで自分に危害を加える存在を知らずに外の世界に憧れているばかりであった
全てはお父さん、作者であるゲルテナに出会うために…彼女は、美術館に迷い込んだ人間を身代わりにして外に出ようとした
それゆえにイヴやギャリーと対立してしまい、最終的に自身の本体である絵画を燃やされ消滅してしまったが……
どういうわけか彼女は見知らぬ地に立っていて、聖杯戦争というよく分からない儀式に囚われていた
原因は分からないが、とにかく彼女は喜んだ。なにせ美術館の外に出れたのだから
その代わり、この世界はイヴ達がいた現実、お父さんがいる世界とは違うということを直感的に理解した
だから彼女は召喚されたバーサーカーと共に聖杯を獲ることを目論んでいたのだが……その様がこれだ
メアリーは自分が犯した罪を、咎人であることを自覚していない――利己的に行動によってイヴ達を危険に晒したことを、美術館から抜け出すことが禁忌であることを
それほどまでに純真で外に関心を持ち夢見ていたために――人の世にある悪意のことなど知るよしもなかった
その後、アズラエルが複数人の黒服を引き連れて姿を現した
その時点でディエゴは拘束していたメアリーを解放したが、その代わりに黒服達に取り囲まれてしまった
そしてアズラエルがしゃがみ込み、メアリーに目線を合わせるように口を開く
「やぁ、さっきぶりだね。まさか、君みたな娘がマスターだったとはね」
「……」
「とりあえず、バーサーカーがいい仕事をしてくれるまで僕たちと一緒にいてもらおうか」
「……あなた達、きらい」
今はただ状況に流されるがまま、怯えながらインターラプターの無事を祈るしかなかった
3503
:
名無しさん
:2025/03/30(日) 18:44:43
>>3493
、
>>3495
、
>>3498
、
>>3502
――インターラプターの魂喰いによる騒動より少し前
喫茶店にて蓮子達と遭遇してすれ違ったイリヤとヤマトタケルは、気まずい雰囲気で店に迷惑を掛けるわけにはいかないと思い注文した団子をお持ち帰りすることにした
歩きながら団子を食べるヤマトタケルと一緒に歩くイリヤ、端から見ると普通に街中を歩く二人組にしか見えないが、一応彼女達なりに街に異変がないかと散策している最中であった
特に手掛かりもないままに最後の一本が綺麗になくなったところでイリヤ達は悲鳴を挙げる数々の声を聞き、即座にその現場へと向かっていった
「なに、これ……」
「……近くに気配がする、多分その者の仕業に違いないだろう」
そして逃げ惑う人や泣き叫ぶ人、発狂している人など様々な姿を目の当たりにする
加えて、意識を失っている者、苦しそうにしている者、血塗れになった者、などもあちこちに横たわっている
その惨状たるや、まさにアビ・インフェルノ・ジゴク!
酷い光景に少し衝撃を受けるイリヤをタケルが気に掛けつつ、さらに喧噪が強くなっている場所へと急行する
「やめろ!お前の相手は、この私だ!」
「……」
丁度一人の男の魂を奪い取り、さらなる得物に手を伸ばそうとする狂人の注意を引くべくタケルは大きな声を発する
それに対してインターラプターは鬼のような形相でタケルを睨むが、すぐには言葉に応じる事はなかった
最初は魂喰いを忌避感を覚えていた彼であったが、他者の魂を捕食して人格的な破綻が加速したことにより、殺人嗜好者としての側面が強く表われようとしている
今はまだ残された理性を動員して己が大罪に苛まれながらもメアリーの身を案じてはいるが、そこへオハギ禁断症状まで発症すればただの殺人マシーンに変貌するだろう
「おや、昨日戦ったセイバーが対戦相手として現われたか」
「お前が最初に宝具を使った相手があれですか。それに一緒にいる少女がそのマスター、っと」
剣士と狂戦士が対峙する場面を、近くで観察していたディエゴとアズラエルも目撃していた
ちなみに人質たるメアリーは縄で縛られた状態であり、アズラエルの部下達によって監視・拘束されている
「正直言えば、セイバーはとても強い。俺とて宝具の真髄なしに真正面から戦ったら、確実に押し負けていただろう」
「それほどの強敵なのか……けど、昨日の戦いで半殺しにしたんだろ?手負いのならバーサーカーでも倒せるんじゃないか?」
「いや、昨日から今までの時間で多少なりとも回復はしているだろう。たとえそうでなかったとしても侮れるような相手ではない。バーサーカーも幾らか回復したとはいえ、油断は禁物だ」
「だが、お前がいれば勝てるのでしょう?」
「あぁ、俺も機を見て加勢する。少し離れるから、その小娘のことは任せるぜ」
3504
:
名無しさん
:2025/03/30(日) 18:48:11
>>3488
一護「それで、あんた達はどうするつもりなんだ?ここで戦うつもりはなさそうだが、これから何をするつもりなんだ?」
キリト「……ひとまず、この聖杯戦争に何か裏がないか調べようと思っている。裏で糸を引いている何者かがいるかどうかを確かめたい」
キリト「その後は状況次第だが……聖杯とやらが本物であればそれを巡って争うことになるだろう。ここにいない他の陣営や、ここにいるアサシン達、セイバーとも決着をつけるようになる」
アリス「その時は正々堂々と勝負しましょう、セイバー。それにアサシン達も」
ユウキ「うーん、秘密を曝く探検については賛成だけど…僕は、キリトやカズマと戦いたくないな」
一護「だがそうとばかり言っていられないぞ、ユウキ。自分の願いを叶えるために襲ってくる連中もいるはずだ」
一護「今はカズマやキリトと話し合えたとしても、いずれ戦うことになるかもしれない。聖杯戦争のマスターになってしまったからには、それだけの覚悟は持っておいた方がいい」
カズマ「ま、まぁ俺達だって無闇に争うよりは黒幕とやらをぶちのめす方がいいさ。俺だってユウキとは戦いたくないし」
矢車「だが、最終的には戦う事になるだろう。再び光を掴むために、これだけは譲れないな」
影山「…その時は、サーヴァント同士で決着をつけたいところだけどな」
矢車(…この地獄から抜け出すためなら、俺は構わずマスターを狙いたいところだがな)
アリス「…ともあれ、今のところは協力して聖杯戦争にあたりたいと思う。今ここで、我々が戦う必要はないでしょう」
キリト「その通りだ。だからユウキ、そしてセイバー。条件付きにはなるが、一緒に協力して戦える仲間になってくれないか?」
3505
:
名無しさん
:2025/03/31(月) 20:01:33
>>2178
太歳星君は消滅の凶星を使用。掌に凶星を配置する。
その様子はまるで自分達に死を齎す存在のように太牙と舞衣には映った
このままでは殺されると思った舞衣は令呪を2画使用して太牙をブースト。
更にこの化け物からは逃げられないと悟り、自身も迅移と八幡力で突撃。太牙との同時攻撃を狙う
太牙(この力は……。渡、俺に力を貸してくれ――!)
『ウェイクアップ2』
必殺のキングスバーストエンドを太歳星君に叩き込み、太歳星君の掌打と激突する
その間、舞衣の攻撃が太歳星君に攻撃を加えるがまるで意味を成さない。
しかし彼女の勇気ある行動が太牙を奮い立たせ、遂には太歳星君を打ち倒した
しかし無理が祟り、太牙は変身解除して片膝をついてしまう。
だが太歳星君は視肉で蘇生する。強力な攻撃を受けたがゆえに複数使用することになったが、それでも彼は蘇った
そして太牙にトドメを刺そうとした時……
舞衣「アサシンさん!」
太牙は舞衣に突き飛ばされ、代わりに舞依が攻撃を受けた
写シでなんとかなると計算していたが、サーヴァントの神秘を伴った攻撃を前に写シなど無意味。舞衣は土手っ腹に風穴を開けられた
太牙「舞衣ーっ!」
舞衣「アサシンさん……。逃げて……」
息絶え絶えの中、それを言うのが舞衣には精一杯だった。その後、魔力の供給がなくなったことで舞衣の死を察する
太牙は怒りに任せてキャスターを倒したいと思うが、自分一人では到底無理だ。
太牙「くっ!変身!」
太牙はなんとか立ち上がり、サガに変身してマザーサガークを召喚。マザーサガークにて時間を稼ぎ、必死に逃げた。
全てはあの悪辣なキャスターを倒して舞衣の仇を取るため。
単独行動Eのおかげでまだ数時間は残されてるが、やがて消滅するだろう。その前にキャスターの悪評や情報を広め、討伐するためのメンバーを急いで集めなければならない。
【柳瀬舞衣@刀使ノ巫女 死亡】
※登太牙は単独行動スキルでまだ消滅していませんがEランクなので何もしなくても残り数時間で消滅します。今の状態でダークキバに変身したら数分で消滅することでしょう
3506
:
名無しさん
:2025/03/31(月) 23:13:46
>>3504
ユウキ「ボクはもちろんいいよ!セイバーはどう?」
一護「ああ、俺もそれで構わねぇぜ。最後は戦うにしても、それまで手を組める奴が居るのはユウキのことを考えたらその方がいいし、それがユウキと友人のキリトと仲良く話してたカズマなら尚更だ」
一護にとってはユウキを護ることが最優先事項であり、仲間が増える分にはむしろありがたい。
仲間という存在の力強さを、一護はよく知っている。だから手を組める相手がいるなら頼る。これから先、自分だけでは倒せない敵――キリトが口にした〝裏で糸を引いている何者か〟のことを考慮すると、それが当て嵌まるだろうか。
そういう敵と戦う時、仲間は多い方が良い
キリト「ありがとう、協力助かるよ。じゃあとりあえずユウキは俺やカズマと連絡先を交換してくれないか?」
ユウキ「うん、いいよ!」
カズマ「こういう時、スマホって便利だよな」
3507
:
名無しさん
:2025/04/02(水) 15:00:13
シロッコ、太歳星君が太牙に『消滅の凶星』を使ってるからそれでシロッコに大きな負担は掛かってるんだよね
太歳星君が宝具を発動する際に念話を送ってるからこれが強力無比なサーヴァントを使役する代償だとシロッコは実感するのだった
ただし同時にアサシン(太牙)のマスターを殺せて、アサシンも時間の問題だろうという報せを聞いて己がサーヴァントの強さを改めて思い知るのだった
ついでにこの場にいる者達にアサシンのマスターを殺したことを伝える。そうすることでキャスターがどれほどの脅威か教えるためだ
3508
:
名無しさん
:2025/04/02(水) 16:00:47
>>3500
ピトフーイに促されながら当初の予定通りキャスターとの戦いを3陣営に打診するシロッコ
突如現れた存在であり何か裏がないかと警戒する面々に李書文はそれこそがキャスターの目的であると保証する
その中でシロッコの要求に士郎は自分たちが受けるメリットはあるのかと尋ねる
それに対してシロッコはキャスターが敗北した後は聖杯の調査について協力することを約束しようと宣言する
そのままシロッコは答えをすぐ出す必要はないとしてその気があるならば他にも仲間がいるならば募って深夜に二条城に来るといいと言い残し彼は去っていく
そしてシロッコはその中で気になる者を見つけた
自身の能力で垣間見た剣鬼の本質、宮本伊織という人間に彼は興味をそそられたのであった
3509
:
名無しさん
:2025/04/02(水) 16:05:45
>>3505
(写シなら…って思った、けど…消耗しすぎたのも、あるのかな…。
…でも、単独行動のスキルが在る太牙さんが…少しでも生きた方がいいはずで……それに、いや…だったから…たとえ、サーヴァントだったと…しても…。……きっとそう…するよね…可奈美、ちゃん…。
……ああ、でも……みんなのところにはもう、かえれないんだな、って……ごめんね……それと、たいがさん、どうか…わたしのぶん、まで────)
未練はある
元の世界に置いて逝く形になった家族や仲間達、特にいつか帰って来る筈だった可奈美や姫和への申し訳なさもあったが…されどアサシンを…太牙を庇った事自体への後悔は、柳瀬舞衣には微塵も無かった
一方太歳星君は舞衣の事は彼女の勇気を以た行動と判断もあって視肉を複数使わせられる形になった為、一定の評価はしつつその死体は敢えて放置
他主従が見つけた場合善性等の情によるものか打算的なものか、どちらにせよ調べようとする可能性は低くはなく、そこをまた襲撃してみようかと目論んでいた
太牙については長くはないだろうとしつつ、自身の目的的に都合が良くついでに霊地から立ち去ったのもあり放って置くことに決めた
3510
:
名無しさん
:2025/04/02(水) 16:06:07
>>3500
、
>>3508
伊織「…して、貴殿は何者だ?」
シロッコ「おっと、これは失礼。私はパプテマス・シロッコ。歴史の立会人として、この聖杯戦争を見定めようとしている」
ピトフーイとレンによる一悶着に面を喰らっていた一同だが、突如として現われた男に一拍後れて気付き始める
同じくピトフーイの奇行に呆れていたシロッコは、応じるように自己紹介を済ませる
アルトリア「ということは、貴方も聖杯戦争の参加者ですか」
シロッコ「ああ。今は超然たるキャスターの使者、と言ったところか。彼女と同じくこの場で戦うつもりはない。この式神もただの護衛に過ぎない」
名護さん「それで、ここに来た目的は?それに、先程その女が語っていた企てとやらも気になる。それらが何なのか、教えなさい」
シロッコ(上から目線の物言い…この男は英霊か?だからといってこの私に指図するなど、気に入らないな)
シロッコ「それはだな、闘争を求める我がキャスターが二条城にて陣取っている。その対戦相手として、君達を招きたいだけだよ」
ピトフーイ「ちなみに私達もキャスターとは一戦交えたけど、もっと多くの主従が入り乱れた乱戦パーティーがあるって言うから、そっちの方が楽しそうだしお供させてもらっているわ」
李書文「それにキャスターは強者との死闘を望んでいる、そこに他意はないだろう。ゆえに儂も狂乱に興じ、最後にはキャスターと再び技を比べるつもりだ」
美遊兄「…ちょっとまて、その誘い、俺達が乗る意味はあるのか?こっちが何の目的もなくただ戦うだけで、何のメリットも感じられない」
シロッコ「そうだな…君達にも二つ、戦う意味はある」
シロッコ「一つ目は、君達がキャスターに勝利した暁にはこちらがこれまでに知り得た情報の提供と聖杯の調査を協力することを約束しよう」
シロッコ「今、キャスターの式神たちが京都各所の霊地を確保している。これによりキャスターの霊力増強に役立てているが、同時にこの儀式に関する情報をかいつまんでいるそうだ」
アスナ「…いいんですか、一部とはいえ自分達の手の内を晒すように語っていますけど」
シロッコ「構わない。私のキャスターは尊大だからな、それぐらいの情報など介さない。それに、二つ目の理由を語る上での前提でもあるからな」
美遊兄「それで、二つ目はなんだ?」
シロッコ「キャスターは複数の霊地を利用して大規模術式を編んでいる。この後の深夜頃には完成し、京都を覆う新たな大結界を作り出す」
シロッコ「そうなれば、京都全域に住まう人々に例外なく呪詛が降りかかるだろう」
「「「「「「「「!」」」」」」」」
――京都はかつて、陰陽師が都を囲う結界を張っていた
その歴史と土地柄に肖り、祟りの五芒星の陣を敷くことで街一つを覆うレベルの祟りの大結界を作り出す
これはかつて太歳星君を討ち破った少女が考案した神攻略の作戦『弑逆桔梗』、それに類似する計画が水面下で進んでいた
相違点としては、『弑逆桔梗』では人々に襲いかかる祟りを神のみに一点集中させる工夫を凝らしていたが、祟り神たる太歳星君はそのような人的被害を考慮することはないこと
また霊地を奪われたとしても効力が少し弱まるだけで大規模術式を問題なく発動させられるよう、太歳星君が陰陽術に長けているがゆえの工夫が凝らされていた
名護さん「貴様、それがどういうことなのかわかって言っているのか!」
シロッコ「当然、大量虐殺に近い地獄が訪れるだろう。ただ言っておく、キャスターとて無為に悪意だけで動いているわけではないと」
シロッコ「これほどまでの術式があることが分かれば他の陣営も否応なしに挑んで来ると踏んでのこと、キャスターの戦いを愉しみたいという御心がそのようにさせたのだ」
アスナ「自分の目的のために他者に犠牲を強いるだなんて、そんなの間違っている!」
シロッコ「そのような凶行を止めたいと思うのならば、今夜二条城に来るがいい。キャスターが満たされる間は術式の発動も遅らせるかもしれないしな」
ちなみにだが、太歳星君とシロッコには呪詛結界によって黒幕の動向を炙り出すことも考えているのだが、そのことまでは語るつもりはなかった
もう一つ余談だが、この呪詛が聖杯戦争の参加者に対してどこまで通用するかも分からないの。だがどの道どの陣営も窮地と感じて元凶である太歳星君にヘイトが向くと予想している
アルトリア「…それが真実であれば捨て置けません。ですが、本当にそのような事が可能なのか、疑う余地があります」
シロッコ「答えをすぐに出す必要はないさ、結果は自ずと分かるだろう」
シロッコ「だが、その気があるならば気を引き締めて挑んでくれたまえ。他にも心当たりのある主従がいるならば声を掛けてくれ、キャスターはより一層喜ぶであろう」
ピトフーイ「…ねぇ、私達そんな大それた事聞いてないんだけど」
シロッコ「君は戦いの場があれば良いのだろう。このような趣向がある方が緊迫感があっていいと思うのだが」
ピトフーイ「うーん…まぁいいでしょう。もしもの時にはランサー、あんたに任せる」
李書文「委細承知」
シロッコ「さて、我々はそろそろ戻ろう。今宵、二条城で待っている」
3511
:
名無しさん
:2025/04/02(水) 16:07:28
『少しおさらい』
・ソリテールは崖下の霊地にいた式神を倒して形代を持ち帰りました
・喫茶店にて蓮子組はイリヤ組と遭遇し、一触即発ながらも別れました
・霊園にて蓮子組は霊地にいる式神と夏油組に遭遇しました(
>>3492
)
・太歳星君は神社に現われた舞衣組と戦うべく霊脈を通じて転移しました
・その間にソリテールが式神を倒して形代を奪いましたが、そちらには対応できませんでした
・太歳星君は舞衣組を撃退後、手が空いています
――さて、不本意ではあるもののマスターである舞衣を殺害し、逃げ出したアサシン(登太牙)を見逃した太歳星君は現在の状況を整理する
ひとまず神社の霊地は自陣として保持したままであり、他の陣営が現われた時の鳴子として再び式神の一体に在駐させることにする
一方、太歳星君がアサシン陣営と戦っている間に式神一体との連絡が途絶え、霊地の一つが奪われた感覚を得ていた
すでに時間が経過しているので今から現場に行っても式神を倒した犯人は居残っていないだろうと推測する
ちなみにだが、霊地を奪われたとしても太歳星君は特に気にも留めていなかった
今やっている霊地争奪戦も余興の一つ、数多くの主従に自身の存在を認知させて挑んでくるように仕込むことが目的の一つである
霊地を確保して自身の霊力を強化する一面もあるが、霊地全てを確保するつもりはない
全ては神に挑む強者との死闘を楽しむために、式神すらも情報の一つとして活用されることを期待していた
その後、シロッコから念話で連絡が入る
ピトフーイを監視していた式神からの報せで複数の陣営を発見し、それらに接触して神の宴に招待する旨を伝えるという
この京都における宿主の働きに感心しつつそれを承諾する、まだ見ぬ英傑との到来を待ち侘びる間に新たな情報をキャッチした
「霊園の式神が別の陣営を発見したか、それも2騎!どれ、少し顔合わせしてみるか」
そして再び霊脈を通じて太歳星君は跳躍する
神社から遠く離れた霊園へと一足飛び、蓮子組と夏油組が相対した直後の場面に突如としてその姿を現した
「はじめまして、聖杯戦争に喚ばれた者達よ。お前達は、この儀式を愉しんでいるか?」
※仮投下から修正、この後戦闘になるでしょう。
※太歳星君の視肉は残り6〜7回です。
3512
:
名無しさん
:2025/04/03(木) 19:59:58
>>3503
イリヤが周囲にいる人々を逃がそうと奮闘する最中、2騎の英霊が衝突する
傷により万全とは言えずともその剣技が衰えぬヤマトタケル、瀕死の状態からある程度回復して強力なカラテを振るうインターラプター
慈悲鳴き戦闘装置としてただ敵を殲滅してきた皇子と殺人に溺れ組織の狗として狂気に呑まれたニンジャの激闘は壮絶なものであり、互角の闘いをしつつ周囲に衝撃をもたらしつづけていた
ゆえに宝具によって雌雄を決することを考える双方であったが、これに関しては相違する状況下にあった
ヤマトタケルの宝具は三つ、その内の一つは必殺技として多用するが破壊力が有り余り街を破壊する恐れがあるためこの場での使用を躊躇ってしまう
己が真髄とも言える神剣もこの場では不適切と判断し、刀身を隠蔽する宝具『水神』とそれにより強化された魔力放出(水)でこの場を乗り切ろうとする
一方、インターラプターの『絶対防御(カラダチ)』は敵対者のみを拘束する秘技であり、続けざまに放つ「タタミ・ケン」による衝撃はあれど広域破壊の心配は存在しない
ゆえに、ジェット水流で剣を突こうとするタケルの攻撃を無効化し、拘束した上で相手を仕留めようとする!
ヤマトタケル「させぬ!」
だが寸前、敵の術中に嵌まったかと思われたタケルは絶技「滾つ瀬」を使い、剣先から大量の水流を放出する!
結果、押し流されるインターラプターと反動で離れるヤマトタケルの間に距離が生まれ、彼を穿つはずだった凶拳は紙一重で外れてしまった
インターラプター「それは、スイトン・ジツか…!?」
己が必殺技を防がれてしまい驚愕するインターラプターは相手の戦闘技能により一層の警戒心を抱く
そしてタケルは戦術を変更し、水を操り遠距離攻撃を交えつつ変幻自在な攻撃で相手を翻弄し始める
これには歴戦のニンジャたるインターラプターとて防戦一方となり、カラテ主体の攻撃では決定打に欠ける状況になってしまった
さらに追い討ちをかけるように、この生死を分かつ重大な局面にてオハギ禁断症状まで発症してしまう
インターラプター「グワ――――ッ!」
ヤマトタケル「なんだ、動きが止まった…いいや、この機を逃す術はない!」
小刻みに身体を震わせてうずくまる巨漢の姿に驚かされるが、この暴君を止めるには今がチャンスと思いタケルが仕掛けようとした
だがその直後に急速接近する気配をタケルは感じ取り、さらに高速で飛翔してくる物体が向かってきたためにそれを剣で弾いたが、代わりにインターラプターにトドメを刺す機会を失ってしまった
そして、愛馬シルバー・バレットに跨がったディエゴが騒乱の戦場にエントリーする!
ディエゴ「とっとと決着をつけよう、セイバー!」
ヤマトタケル「くそ、あいつか!間に合え!」
ディエゴがタケルに接近する僅かな合間に、タケルは己が剣を地面に突き刺す
そしてディエゴが宝具により時間を停止させ、その勢いのままタケルを討ち取ろうとする
ディエゴ「…なに!?俺の、いやシルバー・バレットも、動きが遅くなっている!?」
ディエゴが宝具を使う寸前、タケルは絶技「水拘」を使い自身の周囲十数mに水溜りを張っていた
その範疇にいたディエゴと愛馬は時が止まった状態でもその効果を受けてしまい、移動速度を鈍らせてしまったのだ
ゆっくりとしか動けないディエゴはそれでも静止したタケルにできるだけ接近し、時間停止が終わる寸前にスタンドによる攻撃を仕掛けた
ヤマトタケル「!」
ディエゴ「なんだと!?」
そして時が動き出す刹那、敵の攻撃を察知したタケルが反射的に剣を振るい自身を穿とうとした凶拳を紙一重で防ぎきった
ただし直撃を回避しただけであり、豪腕による殴打を無理な体勢で受け止めたため、その衝撃を上手く流しきれずにタケルは後方へと飛ばされる
3513
:
名無しさん
:2025/04/05(土) 05:27:15
>>3512
宝具『水神』と絶技を2回使ったことで魔力も割と消耗したんだよね
それに唐突な豪腕を無理矢理な態勢で受け止めたから力を上手く流しきれずたたらを踏みながら後方に飛び退いてもいて、その時の衝撃により傷跡にも響いているようだった
だがそれ以上に魔力を消耗したのはディエゴ。EXランクで途轍もない性能だから魔力の消耗量も相応に大きい
そして大量の魔力を消耗したということは、アズラエルに対する負担も大きい
アズラエルはヤマトタケルを仕留めきれなかったディエゴに怒り気味に念話を飛ばした
ディエゴはそれに腹を立てながらも、目の前のセイバーは今度こそバーサーカーと共に倒すと決意
攻めあぐねているインターラプターに無慈悲な言葉を告げる
ディエゴ「どうした、バーサーカー!お前の力はそんなものじゃないはずだ!お前のマスターの命は俺が預かってるんだぜ。あのセイバーを倒せなければ、ここでお前のマスターを殺すぞ」
もちろんこれはただの脅しで、メアリーを殺すつもりはない。アズラエルは地位こそあるがやかましくて、度重なる宝具の使用によりもうあまり使い物にならない
メアリーという代替品は、必ず必要になる
だがそんな事情をインターラプターが知るはずもなく、ディエゴの脅しは効果覿面だった
この時の彼は魂喰いによる人格への影響に加えてオハギ禁断症状の峠を越えてしまった結果、殺人マシーンとして研ぎ澄まされた最盛期に近い状態へと変貌していた
それまでうずくまっていた状態から徐ろに立ち上がり清々しく青空を見上げた後に
「イヤーッ!」
後方へ吹っ飛ばされたヤマトタケルに向かって、渾身の飛び蹴りを放つ!
3514
:
名無しさん
:2025/04/05(土) 20:09:19
>>3512
、
>>3513
(さっきは上手く捌けたが、正直言ってマズいな…)
2騎相手になんとか奮闘しているヤマトタケルだが流石に限界が近付きつつあった
先程は狂戦士の宝具に対して直感的に滾つ瀬を使って躱し、騎兵の方は昨日の戦いでの経験を基に対抗策として水拘を選択したのが功を奏した
だが敵の攻勢を一時的に凌いだだけに過ぎない、特に騎兵の宝具に対しては抜本的な解決方法がなく、発動のタイミングを読むのも難しい上に今後は警戒されるだろうから同じ手は通用しづらいだろう
3515
:
名無しさん
:2025/04/07(月) 20:06:49
>>3512
実はインターラプターが魂喰いを始める前にアズラエルとディエゴは色々と準備を進めていた
騒動が起きれば他の主従が釣れる可能性がある一方、この地の治安維持組織がやってきて面倒な状況になる可能性も考慮していた
そのため、魂食いの騒動が開始すると同時にアズラエルは当局に連絡、街中で魔物が暴れ始めたのを確認し自社の討伐部隊で対処する、というカバーストーリーを伝える
ついでに事後処理は彼らに任せる旨を伝えつつ増援は不要であると圧力を掛けておいた
そして騒動が始まりセイバー組との戦闘が始まる前に新たな部下達が合流し、次のような指示を出していた
「お前達、見張り役は彼らに任せてあの剣士と一緒にいた少女を捕獲しなさい。一緒に来た兵士にも同じ様な指令を伝達するように。抵抗した場合、もしくは緊急事態の場合は殺害も許可します」
今まで見張りについていた部下達はセイバーとマスターと目される少女の姿を目撃している
であるならば、組織力のあるアズラエルは人海戦術を駆使して少女マスターの無力化を試みていた
ちなみにだがアズラエル本人はディエゴの宝具使用の影響で不調に陥る可能性があるのでその場で待機し、人質のメアリーを逃がさないためにも新しい部下達にその監視を引き継がせていた
――そして狂戦士と戦士による戦闘が始まりディエゴも加勢に向かい、幾許か刻が経過して
(あのライダー…!好き勝手やらせてる、ばかりでは、この僕の身が、保たない…!)
ディエゴの宝具使用によって体力をごっそり奪われた感覚に陥るアズラエル
しかもそれだけの代償を払い2対1でありながらセイバーを仕留められなかったディエゴ達には苛立つしか覚えなかった
それと同時に少女の確保に向かった部下達から未だ連絡がないことにも怒りを向け始めた、その時
『ポイント○×、少女発見!これから確保する、近場の人員も包囲・確保に駆けつけてくれ!』
その吉報を聞いて、アズラエルの引き攣った顔が幾らか緩んだ
3516
:
名無しさん
:2025/04/07(月) 21:41:22
>>3511
突如として出現した新手のキャスター
彼の問いかけに答えるものはいない。否、答えられない
見た目は白髪の少年だが、その圧倒的な気配は魔術の心得を持たない蓮子にすら伝わった
――コイツはヤバい
各々の思惑を巡らせていた彼らの思考が合致した瞬間である
そんな夏油たちの心情を知ってか知らずか、少年のキャスターは不満げに鼻を鳴らした
「どうした? 神の問いに答えないとは不敬な奴ら」
「語る口を持たないのなら疾く失せろ」
その瞬間、夏油たちは少年の力の一端を垣間見る
一瞬少年の頭上に巨大な眼球の集合体が浮かび上がったかと思うと瞬く間にそれが小さな光球に圧縮されていく
優れた術師である玉藻やソリテールらにはその光球に凄まじい力が込められていることが分かった
そしてちょうど二つの光球が少年の周囲に浮かび上がり旋回、凄まじい速度でソリテールと玉藻の二人に放たれた!
「みこーん!?」
「おっと」
しかし、彼女らとて一筋縄ではいかない
玉藻は術で、ソリテールは自身に纏わせた魔力の障壁で光球を危なげなく防ぐ
「ふむ、さすがにこの程度で斃れる軟弱者はいないか」
攻撃が防がれたにも関わらず少年の顔に怒りや悔しさはない
少年のキャスターこと、太歳星君から放たれたのは力の象徴である『消滅の凶星』――ただし、魔力消費も考慮して圧縮率を最低まで落としたもの
この程度でサーヴァントを屠れるとは太歳星君も思っておらず、あくまで自らが招く宴に招待する資格があるか試しただけなのだ
しかし、僅かな交錯だけでもその脅威は十分に二組に伝わった
『どう思う、キャスター』
『そりゃあ、あんな目ん玉小僧ごとき私とご主人様の愛の力でチョチョイのチョイ!…と言いたいところですが』
夏油の問いにいつものおどけた調子で答える玉藻だが、その表情は渋い
『あれはヤバいです、激ヤバです。僭称ではなく間違いなく神に列せられる英霊、しかも高位のそれ。サーヴァントの規格に収まっている以上、当然その力は大きく減じているでしょうが、それはこちら側とて同じこと。即時撤退が上策かと』
『まあ、そうだろうね。今の僕達には荷が勝つ相手だ。隙を見て離脱する』
キャスターの意見に夏油もまた同調する
呪術師の視点から見れば、間違いなくあの存在は"特級"、それも上澄みの部類である。万全の準備を期して事に当たるべきであり、不意の遭遇戦に臨んでいい敵ではない。自身のサーヴァントがキャスターならなおさらである
あのような存在と真っ向勝負を挑めるのは彼が知る限り"一人"しかいない
…或いはアサシンとこの場で協力すれば打倒し得るかもしれないが、出会ったばかりの主従、なにより一方的に利用するならいざ知らず非術師と協力し合うなど断じて出来ない
一方、蓮子たちもまた念話でこの状況の収拾に努めていた
『大丈夫!?アサシン!』
『この程度なら。最も君の魔力量だと長時間の戦闘は無理だろうけどね』
相変わらずあっけらかんとしているソリテールだが余裕のない状況であることは戦闘者ではない蓮子にも理解できた
『長期戦は無理ってわけね…正直乏しくても私に魔力があるって事実自体が驚きなんだけど』
『さてね。魔術回路って遺伝することもあるし、君の先祖に魔術師でもいたんじゃない?』
先祖からの遺伝といっても今一つ蓮子に実感は沸かない。自らも一応とはいえ特殊な眼をもっているし案外超能力でも先祖にいたのだろうか
『とにかくあのキャスター…私にもとんでもない存在だって分かるわ。自分のことを神って言ってたけど…』
『実際どうなのかは分からないけど言うだけの力はあるわね。最も神と云うより"魔王"の方が似合ってるかしら。さて君はどうするつもり?』
ソリテールは玉藻と違って事実だけ述べ、献策することはない
彼女の目的は『人間の観察』であり、蓮子のサーヴァントとして契約を結んでいるのもその一環に過ぎないからだ
少し悩んだ蓮子は念話のままソリテールに返答した
『あの推定神様…何だか私達と話したがってるみたいだし情報を引き出せないか試してみる。無理そうなら最悪令呪を使って離脱するわ』
ここで、二組のスタンスによる方針の違いが現れた
純粋に聖杯を目指す夏油たちは自分たちの安全のために力の温存を、聖杯戦争の謎を解き明かすことを目的とする蓮子たちはリスクを犯してでも太歳星君から情報を引き出すことを目指すことにしたのだ
「さあ、どうした。もっと僕を満足させろ。そうすれば、神の宴へ招待してやらんでもないぞ?」
3517
:
名無しさん
:2025/04/08(火) 01:23:45
>>3514
そうこう考えてるうちに、ヤマトタケルの飛び蹴りが届いてしまった
普段ならば何か策を思いついたかもしれないがインターラプターが全盛期に近いこと、状況が困窮を、極めていることから咄嗟に対応策が思い浮かばず、腹にクリーンヒットを受けてしまう。その衝撃は凄まじく満身創痍になってしまうが、逃げられる状況ではない。イリヤを抱いて逃げる体力もない
そしてこのままだと被害は更に悪化するだろう。街1つでは、収まりきらない
「刮目せよ。其は命、其は開闢の雫にして、星を成す物――」
「――絶技・八岐怒濤!」
それは一瞬の出来事だった
何かを察したディエゴがスタンドで時を止める前に、インターラプターの肉体が次々と抉られた。間違いなく、致命傷だ
そしてインターラプターが消滅する間際、ディエゴがようやく時を止められた
そこでディエゴが見たのは、凄まじい絶技だ。
もしほんの少しでも対応が遅れていたら――なんて考えてるうちに、ディエゴの口から血が溢れ出していた。
どうやら時間を止められたのはギリギリのようで、ディエゴにもその絶技は効いていた
殺人マシーンと化したインターラプターは一言も発することなく、絶命していた
ディエゴ(なかなかの威力だ。だがこの好機、逃すわけにはいかん!)
ディエゴは満身創痍で、魔力もかなり消耗したヤマトタケルにスタンドで無駄無駄ラッシュを仕掛ける
念の為、悪足掻きされないように時を止めて
【インターラプター@ニンジャスレイヤー 消滅】
3518
:
名無しさん
:2025/04/08(火) 05:53:32
>>3517
――ディエゴの思惑に反して、時は止まらなかった
スタンドによるラッシュ攻撃と同時に展開しようとした宝具の開帳は、魔力切れを起こしたアズラエルが気絶したことにより不発に終わってしまった
この事実にディエゴは衝撃を受け、仕掛けようとした猛攻撃は少しだけ緩み、満身創痍ながらも防御態勢になったタケルを何発か殴ったもののトドメを刺すには至らなかった
一方、さらに負傷が増えたヤマトタケルはより戦うのが困難な状況になっていたが、最後に残った気力を駆使して死に物狂いで反撃を仕掛ける
これには如何に強力な近距離パワー型のスタンドとはいえ防ぎきるにはいたらず、遂には押し負けてしまいディエゴの首筋に剣先が突きつけられた
ヤマトタケル「(息を荒げながら)これにてしまいだ、ライダー!」
ディエゴ「…いや、そいつはどうだろうなぁ?」
危機的状況だというのに、ディエゴは剣士の後ろに視線を向けている
視線を合わせない相手に訝しむタケルは、直後に少女の悲鳴を耳にする
イリヤ「いやっ!ちょっと、離して!!」
ヤマトタケル「ッ!イリヤ!?」
モブ部下「動くな!変な動きを見せたら、こいつを殺すぞ!」
ヤマトタケル「くっ…貴様、よくもこんな卑怯な手を」
ディエゴ「いいや、聖杯戦争であればマスターを狙うのも常套手段だろう?」
――この時、周辺にいた人々の避難誘導を終えたイリヤはヤマトタケルが戦っている近くに戻り、物陰からその様子を窺っていた
しかし、アズラエルの指示を受けてイリヤの事を探していた部下達が彼女を発見して即座に身柄を拘束してしまった
ちなみにこの時の光景を追い詰められたディエゴは目撃しており、逆に背を向けていたヤマトタケルはイリヤが大声を発するまで気付けなかった
この状況にタケルは為す術もなく、ディエゴに剣先を向けたまま動けなくなってしまった
まだまだ斬り伏せられる危険性があるためディエゴも予断を許せなかったが、ひとまず人質ができたことで余裕が生まれ始めていた
そして捕まってしまったイリヤはタケルが勝利する機会を奪ってしまったことに罪悪感を抱いたが
腹を据えた表情で前を向き、己が従者を見定めて片手を伸ばした
イリヤ「令呪をもって命ずる――」
令呪を1画、いや2画を使ってでも状況を打開しようと言葉を続けようと口を動かして、
イリヤ「セイバー!わた」
それを遮るように飛翔したナイフがか細き首元へと突き刺ささり、その後が紡がれることはなかった
人質として捕らえられた己が喚び人が令呪で何かしようとしているところを注視していたヤマトタケルと、捕らえた人質が勝手な行動を起こしどう対応するか判断が遅れたアズラエルの部下は、喉から血を流す少女の姿に釘付けとなり唖然とするしかなかった
一方、ディエゴは自分への注意が逸れている間に何かしらの覚悟を決めて令呪を使おうとしていた少女に危機感を覚えて即座にナイフを投げ飛ばしていたのだ
マスターが保有する3回だけの絶対命令権、己がサーヴァントに強力な効果や超常現象をもたらすそれによってせっかく得られたチャンスをふいにされたくなかったがゆえに
ヤマトタケル「イリヤーーーッッ!!!」
自分への呼び掛けに反応し、喉に強烈な痛みを感じながらもイリヤは声を発しようとしたが、いくら頑張れども空気が抜けるような音しか出てこなかった
急激に遠のく意識の中で、この地で共に戦ってきたセイバーのことや、一番大切な親友の姿を頭の中によぎらせながら
幾許の間もなく、息途絶えてしまった
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ 死亡】
ヤマトタケル「ッ、ライダーーーーーッッッ!!!!!」
魔力供給のパスが閉ざされ、己が喚び人の命が尽きた事実を突きつけられたタケルは慟哭しながらディエゴを斬りつけようとした
しかし、要石を失い現世に留まる術を失ったタケルでは十全な力を発揮すること叶わず、あまりに大雑把な剣捌きは背後霊によっていとも簡単に止められてしまった
ディエゴ「もうお前は只の亡霊に過ぎない、とっとと消えな!」
そしてスタンドによるラッシュ攻撃、無駄無駄無駄と口ずさむディエゴに為す術もなくヤマトタケルは嬲られる
攻撃が終わり吹き飛ばされた後は本当に立ち上がるだけの体力も気力も残っておらず、無念を抱いたまま悲劇の皇子の幕は閉じてしまった
【ヤマトタケル@Fate/Samurai Remnant 消滅】
3519
:
名無しさん
:2025/04/08(火) 12:12:11
>>3515
あのような存在と真っ向勝負を挑めるのは彼が知る限り"一人"しかいないってまあ当然五条悟なんだけど、そっちはそっちで参加してたら困るが。
とりあえず夏油組は撤退したいも、太歳星君はそう簡単に逃してくれそうな気がしている
ここに五条悟が居ればもしかしたら彼ならば、一時的に共闘やこの化け物の相手をしてくれたかもしれない。夏油自身、五条の最期の言葉に多少は救われている。
しかしここに〝最強〟はいない。
夏油(神の宴とやらに、興味はないんだけどね……)
流石の夏油も思わず冷や汗が流れる。
おそらくこのキャスターは理不尽で身勝手な存在だ。神の宴なんて望んでもない。だがある程度は満足させなければ、危ない予感がした
3520
:
名無しさん
:2025/04/09(水) 22:16:25
魔力の消耗を少しでも抑えるために変身解除して、満身創痍の生身で歩き続ける太牙
目的は当然、舞衣を殺したキャスターを打倒すること。その仲間集めだ
その途中でカブキ、アタランテ、マヤ、ザンキを発見する
太牙(これは……サーヴァントの気配か)
サーヴァントの気配を感じ取った太牙は彼らに見つからないように気配遮断しつつ、聞き耳をたてる
どうやら普通に情報交換したり、交流しているだけ。なんならカブキのことは以前の一件で面識があり、彼が人助けしていたことを知っている。まさか彼がマスターだとは思わなかったが、人助けした功績から善良な部類だと判断する
もっとも幼い少女(マヤ)を巻き込むのはあまり気が進まないが、今は時間がない。まあ最悪、少女の方の主従は連れて行かないという手もある。三騎で挑んでも勝てるかわからないと先程の戦闘で思い知らされたがゆえに。
太牙「お前は、あの時の鬼か。まさか聖杯戦争のサーヴァントだったとはな」
カブキに声をかけていた太牙にアタランテとザンキは警戒する。しかし太牙は満身創痍で、こちらはサーヴァントが2体。負ける気はしなかった
カブキ「ああ。今は夏油とかいうマスターに変身音叉を取られて鬼じゃないこどなあ」
太牙「そうか。今からその夏油というマスターを倒してもいいが……時間がない。俺の話を聞いてくれないか?もちろんそこの子供は巻き込むつもりはない」
カブキ「マヤを巻き込まないなら、その話を聞いてやろうじゃねえか」
マヤ「え?どうして私は蚊帳の外なの?」
ザンキ「お前はまだ子供だからな。こういう話は、大人の役目だ」
マヤ「むぅ〜。私も人を守る師匠みたいな立派な鬼になりたいんだけどな〜」
そして太牙はインターラプターや太歳星君との激闘と、自身のマスターが死んで辛うじて単独行動で動けてること。太歳星君を倒して仇を取りたいこと、太歳星君の太牙が知り得る情報を話した
3521
:
名無しさん
:2025/04/09(水) 22:17:17
>>3506
とりあえず連絡先を交換したキリト組、ユウキ組、カズマ組。
ちなみにアリス以外はケータイやスマホを持ってるからサーヴァントも連絡先を交換した。アリスもスマホは所持していないものの、利便性は知っていたので近所のスマホショップで契約して連絡先を交換した
カズマ「なあ、とりあえず俺達で固まって行動しないか?」
ユウキ「ボクはそれでもいいよ!冒険は多い方が楽しいからね!」
一護「だからこれは冒険じゃないって……」
矢車さん「……お気楽だな。これは聖杯戦争だぞ」
ユウキと一護のやり取りに皮肉を飛ばす矢車さん。やはりというか、何か浮いてる
キリト「まあ……カズマの言う通り固まって行動するメリットはある。この聖杯戦争の裏で潜んでるやつはよほど手練れだろうし、一組では太刀打ち出来ない可能性がある。デメリットは単純に情報収集が遅れることだな……」
影山「どうするのか、難しい問題だな」
3522
:
名無しさん
:2025/04/09(水) 22:18:32
>>3519
夏油「要するに君を満足させれば、それでいいんだね」
夏油の言葉に太歳星君は頷いた
その態度はどこか五条悟に似ている。
夏油『このサーヴァントを倒す必要はないらしい。何か彼を満足させることが出来たらいいが……この態度からして戦いは避けられないか』
夏油は玉藻に念話を送った
とはいえ、相手は強力無比なサーヴァントだ。どうしたら満足するのか……
夏油「君はどうしたら満足するのかな」
太歳星君「足掻いて、僕を満足させろ。そうしたら生かしてやる」
夏油(まるで話が通じてないな……)
3523
:
名無しさん
:2025/04/14(月) 17:03:30
夏油「仕方ない。ここはどうやら君を満足させるしかないようだ。変身」
夏油は仮面ライダー歌舞鬼に変身。鳴刀 音叉剣を構えて抵抗の意志を見せる。そして玉藻も宝具の水天日光天照八野鎮石を発動してサポートし、呪霊を駆使しつつ太歳星君に攻勢を仕掛けるが呆気なく返り討ちにされてしまった
まず玉藻の発動した最大限の呪術が一掃返しにより、数倍返しで玉藻に跳ね返される
そして玉藻は倒れ伏し、残るは夏油だがあろうことか夏油はただの肉弾戦で追い詰められてしまった。
これが仮面ライダー歌舞鬼に変身したカブキならば肉弾戦に限れば多少は善戦出来たかもしれないが、夏油はかなり特殊な状況で歌舞鬼に変身した上に、歌舞鬼としての戦闘経験がまるでない。
そもそも仮面ライダー響鬼世界の〝鬼〟とは鬼として鍛え上げた者だ。
呪術の才能があろうとも、普通に鍛えていようとも〝鬼として鍛えた鬼〟には劣る。
呪術を除いた鬼としての要素では、今の夏油ではマヤにすら劣るだろう。
これはマヤがザンキの宝具を用いて変身しているのもあるだろうが、それ以上に鬼として鍛えてきたのが大きい
夏油は仮面ライダー響鬼世界の〝鬼〟をよく理解していなかったがゆえに、このような状況に陥ってしまった。
太歳星君は倒れて変身解除された夏油から変身音叉を取り上げる。
「これ、お前のじゃないよね」
夏油の不慣れな動きを見ればわかる。夏油は明らかに歌舞鬼として戦い慣れてない。他のマスターから奪ったか、何らかの方法で入手したのか。もし前者なら、本来の持ち主に渡った方が価値があるし、楽しめる。
(悟……。私はここまでなのか?)
「――――」
夏油を葬る時まで呪術師らしくない言葉を吐いた〝最強〟を思い出す
このまま自分は、再び終わってしまうのか……それはあまりにも残念で、悔いが残る。
五条悟のおかげで、彼の心は多少マシになったが猿の殲滅は諦めていない。
しかしそんな願いも叶わぬまま、自分らしからぬ戦い方で敗退する。……これではあまらにも、滑稽だ。
しかし太歳星君はそれ以上、何もしなかった。
「よく足掻いてみせた」
太歳星君は夏油と玉藻を激励すると、今夜に二条城で数騎のサーヴァントが仕掛けに来ることを伝えた
自分は楽しむために、ただそこで待つと。
自分を倒したくば夜に二条城に来いと。どの道、これを機に自分を倒せなければ次々と主従を狩ると。
ちなみに変身音叉は返さない。正しい使い手に渡した方が楽しいからだ。
ちなみに太歳星君が夏油組を認めたのは、玉藻が視肉を使わせたからだ。
宝具を使った上での最大火力。視肉を使わなければ一掃返しでもどうなっていたかわからない。つまり自分に視肉を使わせたから合格としたのだ
それを聞いた夏油組はボロボロになりながらも去っていった
五条『――――――』
五条悟の最期の言葉を思い返す
夏油(悟、私は――)
そして夏油組が去った後、ソリテールは太歳星君に『お話』したいと声を掛けるのだった
3524
:
名無しさん
:2025/04/14(月) 17:15:33
>>3508
、
>>3510
シロッコ達が立ち去った後、今後の方針について話し合う三組の主従達
キャスターやピトフーイ達が二条城で戦いを待ち望んでいること、街全体に関わる厄災を用意していること、戦いに勝利すれば何かしらの情報を得られること、アサシンのマスターを殺めたこと、等々
嘘や誇張があまり感じられない話しぶりからしてキャスターが本当に危険な存在であると想定し、その凶行を止めるために動く事で概ね方針を定めていた
なお、伊織組やレン組を襲ったであろうアサシンが横槍を入れてくる可能性も考慮して美遊兄組にも伝えているが、キャスターの方が大事ということもあり継続して警戒に留めておくことにした
もう一つ、二条城に向かえばピトフーイがレンを狙ってくるのは明らかであるため、「またピトさんと戦わなくちゃいけないのー……」と若干トラウマ気味なレンは落ち込み気味であった
3525
:
名無しさん
:2025/04/14(月) 19:36:42
>>3507
、
>>3508
、
>>3510
伊織組・レン組・美遊兄組の一団から離れた後、シロッコはタクシーを拾って京都の街中を移動する
ちなみにピトフーイと李書文も一緒に同乗している、彼女らも二条城に戻ろうとしていたので特に断る理由もなく一緒に行動している
その最中に太歳星君から「新たな得物が釣れた」という念話が入り、その少し後にシロッコの身体に疲労感が襲いかかった
「くっ、仕方がないとはいえこれは慣れないな」
「なんか具合が悪そうね、どうかしたの?」
「…どうやら、私の盟友が今宵の宴に新たな招待客を招こうとしているようだ」
この時、タクシーの運転手に変に勘ぐられないように言い回しを変えてピトフーイに伝える
「ってことは、私達の知らない所で愉しんでいるってわけ?」
「まぁそういうことだ」
「えーーいいなぁ、私も他の参加者を見つけて早く一戦交えたいーー」
「君達は先程の一団と出会っていただろう?」
「そりゃあパーティーに招待はしたけど、あんな衆目の前で騒ぐわけにもいかないし」
ピトフーイもシロッコの意図を察してか、直接的な言葉を上手く躱しながら言いたいことを言ってみる
ちなみにだが戦闘狂の彼女とて一応の常識や社会性は持ち合わせている、さすがに無関係な人々がいる前でレン達と戦うつもりはなかった
「…ところで話を変えるが、君はその相方と一緒にいて疲労感とか覚えたりはしないのか?」
「ん?いいや、ちょっとは疲れやすいかもしれないけど充分に動けるわね」
「――貴殿の従者とは違い、儂はただの武術家。一種の境地には至れども大それた芸は身につけておらん。ゆえに、無駄に浪費することもないがな」
シロッコの意図を察したのか、李書文が少しだけ口を開いた
つまるところ、強大な術を使う太歳星君とは違って派手さはないが魔力の消費が少ない、といったところか
それが彼女達の利点であるとシロッコは理解しつつ、魔力の消耗による影響をただ耐え抜くしかなかった
3526
:
名無しさん
:2025/04/14(月) 19:46:56
>>3521
ユウキ「あっ、そうだ!セイバー、蓮子に連絡してみない?」
一護「あぁ、あいつらか。色々調べるとは言っていたが…さっきの今じゃあ碌に情報が集まっていないんじゃねぇか?」
カズマ「ん?その蓮子って一体誰なんだ?」
連絡手段を手に入れて団体行動をとるか別れて情報収集を行うか考えた時、ユウキは蓮子達を思い出してセイバーに尋ねてみた
その後にキリト達に蓮子とアサシンの主従に遭遇したこと、京都を覆う結界を調べていたことや魔物の凶暴化など聖杯戦争に関連していそうな出来事について調べていることを説明した
キリト「俺達とは違う視点から色々と調べているんだな。もしその人達が何かを掴んでいるなら是非とも聞きたいところだが」
アリス「ひとまず連絡をしてみるのはいいかもしれませんね。新しい情報がないとしても、相手方の状況を把握したり協力関係を継続することには繋がります」
ユウキ「そうだね、じゃあ電話してみる」
そしてユウキは蓮子の電話番号へと繋いでみるが、何度コール音が続いても通話する気配が訪れなかった
この時、蓮子達は霊園にて別の陣営やキャスターと遭遇しており電話を取る余裕がなかったのだが、ユウキ達にその事情を知る術はない
ユウキ「おっかしいなぁ、全然出てくれないや」
一護「しょうがねぇ、また後で連絡してみればいいだろう」
ユウキ「そうだね、一応メッセージだけは送っておこうか」
3527
:
名無しさん
:2025/04/14(月) 21:54:45
>>3520
太牙は自分に残された時間が残り僅かで、丸1日は保たないだろうことも話した
つまり太牙込みで攻め入るために、深夜くらいには見つけ出さなければならないことを話す
そしてアタランテはキャスターと二条城で戦い、彼がそこを陣地しているであろうことを話した
3528
:
名無しさん
:2025/04/15(火) 10:10:48
太歳星君に敗北した夏油、響鬼世界の鬼である歌舞鬼に変身し、敗けたからまあ当然全裸になり、服を失ったんだよね
そして服を新調するんだけど、五条悟のことを思い出してたこともあって高専時代の制服のような真っ黒な服を選んだ
夏油(悟。私と君が並べばいつでも〝最強〟だった……)
それは過去に捨てた感傷だったかもしれない
だが五条に呪いらしくない言葉を吐かれてほんの少し救われて、笑えて。
そして伏黒甚爾を彷彿させるような圧倒的な力を持つキャスターに出会い。だからこそ、こんな感傷に浸ったのかもしれない
合理的に考えれば、再戦しないほうがいい。
だが――
だが――
夏油(私の思想としては猿に手を貸すつもりはない。だが悟ならこういう時――)
3529
:
名無しさん
:2025/04/15(火) 10:11:36
>>3527
カブキ「俺とキャスターとアサシンはそいつを倒しに行く。マヤみたいな子供がマスターって理由で狙われかねないからなあ。だからマヤ、お前達はここで待ってろ」
マヤ「やだ。私と師匠は鬼だから。私は未熟だけど、鬼だから!戦えない人達を守りたいよ!」
ザンキ「マヤ……」
カブキ「……やっぱり子供は汚くねえ。純粋だな。……ついてこい、マヤ。止めてもどうせ来るんだけどなァ」
カブキはマヤの決意を聞いて、あえてそれを汲み取った
3530
:
名無しさん
:2025/04/15(火) 10:16:46
(
>>3358
のカブキのセリフにミスがあることが判明したので修正します)
>>3527
カブキ「俺とアーチャーとアサシンはそいつを倒しに行く。マヤみたいな子供がマスターって理由で狙われかねないからなあ。だからマヤ、お前達はここで待ってろ」
マヤ「やだ。私と師匠は鬼だから。私は未熟だけど、鬼だから!戦えない人達を守りたいよ!」
ザンキ「マヤ……」
カブキ「……やっぱり子供は汚くねえ。純粋だな。……ついてこい、マヤ。止めてもどうせ来るんだけどなァ」
カブキはマヤの決意を聞いて、あえてそれを汲み取った
3531
:
名無しさん
:2025/04/15(火) 15:08:50
>>3523
ソリテールは一応夏油組を警戒しつつも大量の剣を出現させて太歳星君に攻撃していたけど、まぁそれでも太歳星君にあしらわれてたり消滅の凶星の対処に追われてたようで
そうこうしている内に夏油組が太歳星君に仕掛けたけど返り討ちにあい、しかし満足げな様子の太歳星君にトドメを刺されずに彼らが立ち去るのを見送った
一段落ついたと判断したソリテールは太歳星君に『お話』したいと声を掛け、手に入れた式神の形代を返却しつつ幾らかの情報交換に応じてくれた
ソリテール側は京都を覆う結界について分かった事や魔物の凶暴化には何かしらの裏があること、あとは何組かの主従と遭遇したことを語った(なお伊織組やレン組を襲った事については語っていない)
太歳星君は霊脈を調べて何か分かった事を匂わせつつも具体的には語らず、今宵二条城にて大規模な戦いを起こすことを語る
また霊脈を通じて大規模術式を敷設し京都全体を祟ることも告げ、なるべく多くの陣営が集まることを望んでいることも伝えた
そして気が済んだ太歳星君は霊脈を通じてその場から消え去った
さすがにこれ以上の戦闘を行えばシロッコの体調に障ることも理解していたし、喧伝は充分にできた
あとは二条城にて座して待つのみ、様々な英霊が織り成す狂騒を愉しむのみとなった
3532
:
名無しさん
:2025/04/15(火) 17:26:14
夏油は二条城に行くことに決めた。
憎き伏黒甚爾を彷彿させるようなサーヴァントにやられっぱなしでは気に入らないし、こんな有り様を五条に見られたらきっと彼に笑われる。〝最強〟の片割れとしてそれはあんまりだ。
もちろん聖杯戦争には生き残るつもりだが、あのサーヴァントを討伐しなければおそらく勝ち目がない
そのためには癪だが、猿達と共闘も視野に入れなければならない。それほどまでに強かった。
それにこの世界には呪術師もいる。あんな危険なサーヴァントが野放しにされて、魂喰らいのために呪術師達が犠牲になる自体も防ぎたい。それは夏油が呪術師に見せる〝優しさ〟と親友の五条悟に祓われて死亡前ほど野望に燃えていないことが大きいか。
全く呪いらしくない言葉を吐かず、自分を祓った五条悟。やはり彼は憎めないし、どうしようもなく親友なのだ。
強敵を前に逃げ出してそんな彼に笑われたくない。夏油傑は〝最強〟の片割れであるがゆえに
3533
:
名無しさん
:2025/04/15(火) 18:05:03
>>3525
「ところで今そんな状態で深夜の決戦は持つの? マスターの魔力切れで消滅とか萎える奴でしょ?」
「その点については問題ない。確かに陣地の外なら厳しいが、陣地の中であれば魔力は十分賄える」
「そして万全を期すための備えとして各地の霊地を掌握したのだからな」
地脈の流れに精通するキャスターにとって京都という土地は魂喰いよりも効率のいい魔力供給源となる。
決戦の最中に魔力切れによる消滅などキャスターからすれば唾棄すべき結末。
シロッコもまた果たされるべき決着を見ずに終わるつもりはなかった。
そんな両者の考えが一致したことが此度の決戦における備えに繋がったのである。
最も元々破格である太歳星君の現界維持と儀式にて使用する魔力を残す都合上、自身の強化などには当てられずあくまでシロッコの負担を減らす程度の魔力となるだろう。
3534
:
名無しさん
:2025/04/16(水) 00:37:54
太歳星君の強さを懸念する声があるのでちょっと
>>3531
の補完を兼ねて攻略の糸口を作ってみる
>>3531
「さて、そろそろ終いだ。これから盛大な宴があるからな。お前たちは来るも来ないも自由だ。最も――」
――どう選択しようが降りかかる"死"に怯え続けることになるだろうがな
凶悪な笑みを浮かべこの場を去ろうとするキャスターに蓮子は必死に頭を働かせる。この恐るべき神霊を打倒しなければ自分達に未来はないのだ。もう少し何か情報を引き出せないか……
ふとある考えが蓮子に閃いた
普通に考えれば成功するはずがない策とも言えない策。だが、目の前のキャスターは大量殺戮を意に介さない凶悪さと同時にある種の律儀さを有していることがこれまでのやり取りで分かっている
試してみる価値はあるかもしれないと蓮子は思った
「……ねえ神様。最後に一つだけ聞いていいかしら」
「なんだ?何を聞きたい?」
「――貴方の名前よ。ここまで大それた事をするんだもの、さぞかし名のある神様だと思ってね。貴方は一体何者なの?」
「くくく…ははは!随分大胆なことを聞くな小娘。それが何を意味するか分かっているだろうに」
「ええ勿論。でも宴とやらを催すのに客人に対して名乗らないのは失礼でしょう?それとも最後まで『名無しの神様(キャスター)』で通すつもりかしら」
蓮子の考え…それはキャスター本人へ単刀直入に真名を問うこと
我ながら馬鹿な事を聞いていると蓮子は思う。何しろ自分の弱点を自分で口にしろと言っているに等しいのだから
しかし、元々このキャスターは各地の霊地を掌握して大量殺戮を引き起こすことを喧伝して回り多数の主従を敵に回すという甚だ狂った行為をしでかしている
ならば同じくらい滅茶苦茶なことを聞いても案外プライドから答えてくれるのではないかという打算があった
実際蓮子は知らないことだが、かつてキャスターは己に挑戦してきた少女に名を問われた際に堂々と名乗った過去がある
「ふん…術師ですらない分際でよく吠えたものだ。いいだろうお前の愚かさに免じて教えてやる…と言いたい所だが、今は仮にもサーヴァントとして契約を結んでいる身だ。易々と契約者でない者に真名を教えてやる訳にはいかんな」
キャスターの返答にさすがに駄目かと内心で蓮子は溜息をつく。挑発に逆上されなかっただけでも御の字かと考え直すが…
「――だが、条件次第では教えてやらんこともない」
「本当…!?でも条件って…?」
キャスターの思わぬ一言に目を剥く蓮子。そんな彼女の反応を楽しそうに見やりながらキャスターは言葉を続けた
「相応の貢物を寄越せ。人が神に供物を捧げ、対価として神が祈りに応える。古来から続く人と神の関係だ」
キャスターの突きつけた条件はある種古典的な等価交換
ならば蓮子にも考えがある。念の為ソリテールに念話で考えを話し確認をとった。ソリテールからは何とも愉快そうなOKとの返答
意を決してキャスターに蓮子は向き直る
「分かったわ。神様の言う通り"相応の貢物"を出してあげる」
「私の名前は『宇佐見蓮子』。召喚したアサシンの真名は『ソリテール』。名には名で応えるわ!貢物として不足はないでしょう?」
威勢の良い言葉とは裏腹に蓮子は緊張していた。自分の名はともかくソリテールの名は他のサーヴァントの真名と等価とはとても言えないのだから
――『無名の大魔族』。ソリテールの生き様が昇華したこの宝具の効果によって、ソリテールという名を知っても何ら有益な情報を相手は得ることが出来ない。蓮子は宝具の名前もそれに纏わる血に塗れた逸話も未だ知らないが、とにかく真名を知られても問題にならないということだけは把握している
果たして目の前のキャスターはこの事実をどう捉えるか…
「くくっ…よくよく小賢しく頭が回る小娘だが…まあいいだろう、お前たちが自分の名を明かしたことに代わりはない。対価として僕の名を教えてやる。心して聞け」
「――『太歳星君』。お前たちを終わらせる者の名だ。その時が来るまで噛み締めておけ」
そう言い残すとキャスターは――『星神』太歳星君は去っていった
「やれやれ、とんでもない存在を敵に回してしまったみたいだねぇ」
「さすがにビッグネーム過ぎて驚きだけど…どの道立ち向かわなければ祟りで一方的に殺されるんだから今更よ。相手が何だろうと倒すしかないでしょ!」
『星神』『冥府の惑星』『木星の鏡像』『族滅の化身』…無数の異名を持つ凶神が敵の正体。知識があるからこそその恐ろしさを実感する蓮子
しかし相手がどれ程強大だろうが蓮子は自分の無力を嘆くような遠慮がちな人間ではない。必ずやキャスター改め『太歳星君』を打倒し、この京都に封じられた秘密を暴くと誓うのであった
3535
:
名無しさん
:2025/04/16(水) 00:40:10
>>3534
すいません、仮投下スレと間違えました
改めてそちらに投下します
3536
:
名無しさん
:2025/04/16(水) 08:08:26
>>3534
仮投下スレで許可を頂いたので改めて本投下扱いにします
3537
:
名無しさん
:2025/04/16(水) 22:06:57
レン(ピトさんは絶対に私と戦いたいがるだろうなぁ)
また狂気的で強い相手と戦うことにうんざりと落ち込みつつ、レンは気合を入れる
レン(まあピトさんとそのサーヴァントをなんとか出来そうなのは私くらいなんだ。がんばらなきゃね!)
そしてレンはこの場に居るみんなにピトフーイの説明を始めた
それは性格など大雑把なものでなく、戦闘スタイルやレンに拘ってることなど様々だ
レン「――と、ピトさんについての情報はこんな感じかな。アーチャーさんも私と一緒に戦うことになると思うから、がんばろうね!」
名護さん「ああ。そして俺が戦うサーヴァントは李書文か。まあ名高い英雄だが、俺もこれまでファンガイアという化け物と戦ってきた戦士だ。安心して任せなさい。……もっとも、ファンガイアも全員が悪いというわけじゃないがな。たとえば俺の弟子(渡のことを勝手にそう呼んでるだけ)の兄、登太牙は心を入れ替えて人間との共存を目指してる」
3538
:
名無しさん
:2025/04/16(水) 22:08:21
>>3532
夏油「クックックッ。まさか私にもまだこんな心が残ってたとはな」
自分の決断に、夏油は思わず笑ってしまう。それはまるで五条に殺される前の、あのやり取りの時のような笑い方だった。
夏油は若い術師を理由なく殺さない。殺させるつもりもない。そういう所はやはりなんなかんだ、優しかった頃と同じなのだろう。
高専時代と――
夏油傑は誰がなんと言おうが非術師(さるども)は嫌いだ。だが高専の連中は恨んでいなかった。
色々と世界の過酷さを知って、ただ心の底から笑えなくなっていただけなのだ。
そんな夏油が五条に殺される前、彼の言葉で再び心から笑えた。
思えばその時から夏油傑という人間は、少し心変わりしていたのかもしれない
夏油「私は非術師がいない世界を作る。その願いは変わらない。でも術師を虐殺しかねない相手は、放置出来ない」
――マヤや真衣が通っていた中学に訪れた時を思い出す。
真衣はあまりわからなかったが、マヤのあの昔の自分にも似た信念はよく覚えてる。
他にも、色々な若い術師が居た。彼女達を守りたいという気持ちは紛れもなく夏油の〝本心〟だ
夏油(私がこんな決断を下したのは――悟。君があの時、私を心の底から笑わせてくれたかもしれないな)
3539
:
名無しさん
:2025/04/16(水) 22:09:17
>>3526
矢車さん「もしかして殺されたんじゃないのか?」
影山「兄貴、流石にその発言は……」
カズマ「そうだぞ。アサシン兄、お前はちょっと黙ってろ」
キリト「いや……兄のアサシンが言うように、既に殺された可能性は考慮してもいいかもしれない。俺も無害な人が死ぬのは残念だけどこれは聖杯戦争だし、黒幕を探っていたなら消された可能性もある」
一護「マスターの蓮子はともかく、アサシンの方は胡散臭い奴だった。だからまだ生きてるとは思うけど、あまり頼りには出来ねぇな。俺はどうにもあいつがきな臭く感じる」
ユウキ「相変わらずセイバーは蓮子のアサシンに厳しいな〜」
カズマ「……とりあえず信用出来るかどうかは、まだわからない感じってことか」
3540
:
名無しさん
:2025/04/16(水) 22:10:11
蓮子とソリテールは帰り道、気絶から復帰したアズラエル、ディエゴと遭遇。ソリテールがアサシンで気配遮断してたからディエゴは相手がサーヴァントだと気付かなかったがソリテール自らサーヴァントだと明かした上で『お話』して太歳星君から聞いた情報を教えてたっけ
京都全体を祟るのはサーヴァントじゃないアズラエルやメアリーを危険な目に合わせるリスクがある
まあアズラエルについては内心あまりよく思ってないディエゴだが、メアリーの損失は厄介だ
必然的に二条城に向かうしかない
ついでにいつでもマスターの替えが効くようにメアリーも連れて行く。ヤマトタケルの一件で痛い目を見ているので、慢心はしない
3541
:
名無しさん
:2025/04/16(水) 22:10:48
今回の聖杯戦争、聖杯が汚染されると疑ってる組もいるけど実は汚染されてないんだよね
これが知れ渡ったらスタンスが変わる組も居そうだ
まあまずは太歳星君をどうにかしなきゃマスター達の全滅は免れないが
3542
:
名無しさん
:2025/04/16(水) 22:13:00
>>3531
京都全体を祟るという情報に蓮子は恐怖に駆られた
そこでスマホからメッセージ音が鳴り、ユウキからメッセージが届いたことを知る
蓮子はユウキに情報を伝え、一護やキリト組とカズマ組もそれを知った
カズマ「マジかよ、これ……」
影山「カズマ、兄貴。……どうする?」
矢車さん「これが本当なら聖杯戦争どころじゃないな……」
一護「もう聖杯戦争なんて関係ねぇ!この京都も、巻き込まれたマスター達も、ユウキも――俺が護る!」
ユウキ「ボクもこんな計画は阻止したいかな」
アリス「私もです。キリトはどうですか?」
キリト「もちろん、俺もだ。これが本当ならほとんどのマスターや京都の住人が殺される可能性がある」
三組の意見は一致していた
そしてそれは蓮子とソリテールとて同じだ。
蓮子はまだ死にたくないし、ソリテールとしても『お話』が愉しめなくなるのは不都合。そもそも蓮子が死ねば、自分も連動して消滅するだろう
ゆえに蓮子組も二条城に攻め入ることになった
3543
:
名無しさん
:2025/04/17(木) 04:02:18
>>3537
ファンガイアや登太牙に近い人物、という情報を聞いてアルトリアやアスナはアーチャーの素性をだいぶ絞り込めることができたんだよな
ただこれまで真名を明かさずに協力関係を築いてきたこと、キャスター討伐という大事が迫っていることから、これ以上詮索することなく共に戦う仲間として考えているようだ
3544
:
名無しさん
:2025/04/17(木) 19:59:51
夏油が二条城に向かう途中、マヤやカブキと遭遇する
そしてザンキ、アタランテ、太牙などサーヴァントがいることからマヤもマスターである可能性が高いと察した
夏油「や、マヤちゃん。君もマスターだったのか」
カブキ「夏油、てめえ!」
マヤ「夏油先生……カブキが言ってた通り、本当にマスターだったんだ。……私達を倒しに来たの?」
こちらを警戒する二人とサーヴァント達に夏油は「まあそう思われても仕方ないか」と口にして
夏油「私は呪術師は襲わないし、今はちょっと急ぎの用事があるんだ」
マヤ「急ぎの用事……?」
夏油「私は一度、やたら強いキャスターに倒されたんだけど、彼はかなりの危険人物でね。魂喰いで呪術師を殺されたくないし、旧友と過ごしてた時を思い出したから――そのキャスターにリベンジしたいと思ってる」
マヤ「えっ!?夏油先生も噂のサーヴァントを倒そうとしてたの!?」
カブキ「まさかこんな奴と同じ目的だとはなァ」
夏油「そうか。君達もキャスターを……」
マヤ「じゃあ一緒に協力しようよ!仲間は多い方がいいでしょ?」
夏油「いいよ。非術師にはあまり協力したくないけど、君達は呪術師の卵と鬼だからな」
カブキ「……複雑な心境だけどよ、たしかに仲間は多い方はいいよなァ、マヤ。でも1つ条件があるぜ。俺の音叉、返せよ」
夏油「残念だけどそれはキャスターに奪われた。まあ彼の性格上、君に返しそうだけど」
カブキ「ちっ、そうかよ」
3545
:
名無しさん
:2025/04/17(木) 20:18:47
二条城の決戦の前にシロッコと太歳星君もまた色々と準備していた
喧伝によって多くの主従に自分達の存在を知りそれらが押し寄せてくるだろう、そこから生じる経験したことのない死力の闘いになることを期待する太歳星君であったが
しかし懸念点として強者たる自分を無視して契約者であるシロッコを狙う輩が現われる事も予想、そうなればせっかく用意した狂乱の宴も不本意な幕引きで終わるという萎える展開も考えられた
そこで太歳星君は自身の下僕たる十二神将をシロッコに授けることにし、自身が戦っている間は彼には別の場所にいてもらい式神達に護衛してもらうことにした
ちなみにだが、太歳星君は霊脈を解析して術式を仕込んだため各霊地に送り込んだ式神たちをすでに呼び戻しており、ソリテールから返却された形代から式神(
>>3531
参照)を蘇らせているので全員が揃っている状態である
なにせサーヴァント相手に力不足な式神に霊地の防衛を任せても仕方がない、12体の総力ならば英霊相手でもある程度は対抗できるだろうと思い王将を守る駒として活用することにした
それと、太歳星君は霊地を他の主従に奪われることを問題視していなかった
霊地争奪戦は「自身の存在を認知させること」と「霊脈を調査して儀式や黒幕の情報を得つつ揺さぶりをかけること」が主目的であり、自身の霊力を強化することは二の次であった
たとえ霊地を奪われ弱体化したとしても、本気になって自分を潰そうとする英傑どもを圧倒的な力でねじ伏せることを愉しみにするような凶神なのだから、全く気にしていなかった
3546
:
名無しさん
:2025/04/17(木) 21:47:20
>>3542
あれから蓮子達はスマホでやり取りしつつユウキ達と合流した。そこで簡単な自己紹介の後、真名など蓮子達が得た太歳星君の情報を共有し、作戦を練ることにした
・太歳星君は各地の霊地を掌握して力を増している。そのまま全員で向かっても魔力の差で押し切られる可能性が高い
・よって直接二条城に乗り込んで戦闘する組と各地の太歳星君が掌握した霊地を奪還する組に分かれることにする(太歳星君は霊脈の流れによって転移できるので即霊地を奪い返されないように本拠地で太歳星君を足止めする必要がある)
・霊地攻略組は事が済んだら二条城に駆けつけ足止め組と合流。弱体化した太歳星君を撃破する
以上が大まかな作戦の流れである
真名から情報を得た蓮子達はかつて太歳星君を破った寶月夜宵という少女達がとった作戦を参考にしたのだ
最も各地の霊地を攻撃する側と守る側が今回は逆ではあるが
3547
:
名無しさん
:2025/04/18(金) 05:47:48
夜になって最初に二条城に入ったのは伊織組・レン組・美遊兄組の三組だったね
二条城前駅を降りて数分の東大手門から元離宮に入り、まずは二の丸御殿を索敵したがシロッコやピトフーイの姿はなく
続けて本丸御殿に向かうべく本丸櫓門の橋を渡る直前に、ピトフーイが弾幕を張って牽制、銃撃がすぐ止んでピトフーイが本丸の奥へ引いたところでレンと名護さんが先行して橋を駆け抜ける
その後に伊織組と美遊兄組も続いたが橋を爆破されしまいレン組と分断され、さらに膨大な霊力を重圧を露わにした太歳星君が背後から迫るのに気付いて対処せざるおえなくなった
そのためレン組はピトフーイ達を追って本丸に向かい、残りの二組は二の丸付近で太歳星君と戦う事になる
【念のため情報を付記】
・元離宮二条城には外堀と内堀があり、敷地内に入るには駅から近い東大手門の橋を渡るか、北大手門の橋を渡る必要があります
・敷地の東側には二の丸があり、西側には内堀に囲まれた本丸があります。本丸に向かうには東西にある橋を渡る必要がありますが、東側の本丸櫓門は破壊されたので出入りするに残された西門のみとなります
・ちなみにこれらは軽く調べて得た情報であり、自分でも知らない情報があるかもしれません
・なお外堀と内堀はサーヴァントでも跳躍して渡ることはできないものとする(キャスターの陣地化による影響、ということにしときましょう)
・また二条城周辺には大祭星君によって人払いの結界が張られています(※仮投下で書き忘れたので追加の記述しときます)
3548
:
名無しさん
:2025/04/18(金) 06:08:43
太牙なんだけど、本人に聖杯獲得する気はないし連携しやすくするように自分の真名やスキルや宝具をマヤやカブキに明かしてるんだよね。その後、合流して共闘が決まった夏油にも明かしてる
ザンキ「自分から性能を明かすサーヴァントなんて珍しいな」
太牙「俺の願いはマスターの舞衣を無事に帰すことだったが、彼女はもう殺された。だから俺の望みは、あの危険なキャスターを倒すことだけだ」
マヤ「太牙も師匠やカブキ――要するに鬼みたいに正義感が強いんだね!」
太牙「そんなことはない。……ただこのまま何も成し遂げられずに消滅したら舞衣や俺の弟に顔向け出来ないだけだ」
3549
:
名無しさん
:2025/04/18(金) 06:09:36
サーヴァントを失って自身に戦う力もないメアリーはディエゴどころかアズラエルにすら逆らえないの可哀想…
ただなんとかしてディエゴとアズラエルに復讐したいと怨みを募らせてたね
3550
:
名無しさん
:2025/04/18(金) 06:10:23
>>3546
太歳星君の知識があり、ある程度は戦法がわかる蓮子組は二条城に乗り込む組に真っ先に決定した
他の三組をどう割り振るか決めるわけだけど…カズマと地獄兄弟に視線が集まる
矢車さん「……今、誰か俺を笑ったか?」
カズマ「いや、この視線はそういう意味じゃないと思うぞ」
一護「なぁ、カズマは2体のサーヴァントを召喚したんだよな」
カズマ「うん」
キリト「それなら霊地を奪還する組はとりあえずカズマ達に任せたいんだけど……」
カズマ「あ、やっぱり?」
ユウキ「二人もサーヴァントがいるなら手分けして霊地を奪還出来そうだよね」
カズマ「しょうがねぇなあ。まあいきなりラスボスみたいな奴に挑むよりマシだし、俺達は霊地奪還組になってやるよ」
影山「俺達の特性が役立つ時だな、カズマ!兄貴!」
アリス「四組いるからもう一組くらいわけませんか?」
一護「じゃあ俺とユウキも霊地奪還組になるか?生身のキリトよりアバターのステータスも反映されてるユウキの方がきっと速いだろうし」
ユウキ「たしかにキリトは生身だもんね」
キリト「わかった、じゃあ俺とライダーは蓮子達と一緒にボス戦だな。霊地奪還は任せたぜ。カズマ、アサシン兄弟、ユウキ、セイバー」
3551
:
名無しさん
:2025/04/18(金) 23:48:01
他の三人が築いてくれ僅かな隙を狙って、アスナは大切な人から授かった絶剣を解き放った
十字を描くように神速の十連続突きを放ち、フィニッシュとして十字の交差点に一番強烈な十一撃目の突きを放つ
タイミングも良かったのだろう、猛威を奮う太歳星君も回避する余裕はなく11連撃全てを全身で受け止めてしまい、明らかな致命傷を受けて倒れ伏してしまった
アスナ「はぁ、はぁ…やった、のよね」
美遊兄「ッ!?危ない、避けろ!!」
アスナ「えっ」
辛くも勝利したと思ったアスナと他三人であったが、直後に背後から飛翔してきた消滅の凶星によってアスナの身体は貫かれてしまった
風穴が開き致命傷を受けてしまったアスナはその場で倒れてしまう
太歳星君「中々の剣技であった、褒美に死をくれてやろう」
アスナ「がはっ…!どう、して…!?」
身体に力が入らず、もはや消滅の運命に抗えない状況で、先程倒したはずのキャスターが肉塊に包まれつつも復活する様を目撃してしまう
この時ばかりはアスナも絶望を覚えるしかなかった
【アスナ@ソードアート・オンライン 消滅】
※この表記はアスナの脱落を確定させるものですが、実際には消滅までに少しだけ猶予がありますので、もう少しだけイベントを起こせるでしょう
※太歳星君の視肉は残り4回、という風にしときます
3552
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 00:04:43
>>3551
(仮投下の途中からになってるよ)
3553
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 00:11:13
(すみません、スマホからのコピペミスなので再投下します)+
>>3547
太歳星君を相手に四人は総掛かりで戦う
サーヴァントであるアルトリアやアスナは無論、対英霊やそれに近いものに心得のある宮本伊織・美遊兄も攻撃に加わっていた
太歳星君「くくっ、面白い。契約者自らも僕に挑みかかってくるなんて、これは想定外だ」
対して太歳星君は彼らの奮闘を前菜程度に捉えつつ、今までとは違い相手を殺す気で応戦する
さすがにマスターを殺すと本懐である英霊との死闘が損なわれてしまうので幾らか手心を加えているが、せっかくの宴なのだから状況次第ではマスターを殺めるだろう
よって太歳星君は常人にとって即死級となる攻撃を躊躇わずに行うが、それらを伊織と美遊兄は紙一重で躱し・防ぎつつ、さらには危険をものともせ果敢に攻め入っていた
そして彼らの従者も彼らをサポートしつつ彼らよりも前に出て太歳星君に猛攻を仕掛ける
しかし、4人に襲われても縦横無尽に動き回り、厄介な消滅の凶星による攻撃もあって太歳星君に大きな一撃を与えるには至らず、逆に彼ら彼女らの方が徐々に消耗し始めていた
アスナ(強さの次元が違いすぎる!このまま戦い続けるのもキツい!早く、なんとかしなくちゃ!)
戦闘に集中しながらも中、アスナは焦燥に駆られる
圧倒的な強さ、重圧、神威は今までに経験したどれよりも凄まじく、足が竦む感覚に襲われそうになる
なにせ彼女の本質はごく普通の高校生なのだ、VRMMOにて数々の事件に巻き込まれつつも戦ってきた数々の強敵とは何もかも違う、架空の存在ではなく現実に目の前にいる神を相手にしているのだから
――何故自分がサーヴァントとして召喚されたのか、この聖杯戦争中に何度も考えたことがある
英霊や偉人として讃えられた過去の人物が仮初めの肉体を得て召喚者に応じて現界するというが、アスナ自身はそれに足り得る存在という風に考えたことはなかった
仮にUWの世界に入る際に使用したアバター・創世神ステイシアを基にした霊基であれば、UWの騎士たちや人民からの信仰心もあり英雄として相応しかったかもしれない
しかし此度の聖杯戦争では英雄たる逸話など殆どないALO時におけるウンディーネ姿で召喚されてしまった。しかもクラスがバーサーカーというのも微妙に納得しがたい
それでいて人を傷付けてまで何かを為すことを考えない性格な彼女が分不相応にも闘争と欲望の殺し合いに参加させられているという齟齬もあり、この不可思議な状況に馴染めないアスナは常に悩み苛まされていた
それでも
キャスターという脅威を野放しにしては京都に厄災が降り注ぐ
それだけは阻止しなければという想いを胸に己を奮い立たせて剣を握り締めていた
アスナ(今の私にできること……それを、全力でやってみせる!)
アスナ「たあぁぁ!! 『継承せし十字架(マザーズ・ロザリオ)』!」
他の三人が築いてくれ僅かな隙を狙って、アスナは大切な人から授かった絶剣を解き放った
十字を描くように神速の十連続突きを放ち、フィニッシュとして十字の交差点に一番強烈な十一撃目の突きを放つ
タイミングも良かったのだろう、猛威を奮う太歳星君も回避する余裕はなく11連撃全てを全身で受け止めてしまい、明らかな致命傷を受けて倒れ伏してしまった
アスナ「はぁ、はぁ…やった、のよね」
美遊兄「ッ!?危ない、避けろ!!」
アスナ「えっ」
辛くも勝利したと思ったアスナと他三人であったが、直後に背後から飛翔してきた消滅の凶星によってアスナの身体は貫かれてしまった
風穴が開き致命傷を受けてしまったアスナはその場で倒れてしまう
太歳星君「中々の剣技であった、褒美に死をくれてやろう」
アスナ「がはっ…!どう、して…!?」
身体に力が入らず、もはや消滅の運命に抗えない状況で、先程倒したはずのキャスターが肉塊に包まれつつも復活する様を目撃してしまう
この時ばかりはアスナも絶望を覚えるしかなかった
【アスナ@ソードアート・オンライン 消滅】
※この表記はアスナの脱落を確定させるものですが、実際には消滅までに少しだけ猶予がありますので、もう少しだけイベントを起こせるでしょう
※太歳星君の視肉は残り4回、という風にしときます
3554
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 01:20:17
>>3550
蓮子「オッケー、話がまとまったわね。それじゃあ霊地攻略班はこの場所に向かって待機してほしいの。私達が戦闘に入ったらスマホで合図を出すから霊地の奪還をお願いするわ」
役割分担が済んだことを確認した蓮子は、ユウキとカズマに二条城を中心に五芒星が描かれた地図を手渡した
秘封倶楽部の活動で京都の主要な霊地を知っていた蓮子(蓮子の時代においても霊地の場所は大して変わらなかった)は魔力探知で霊脈の流れを読めるソリテールと協力して太歳星君が支配下においているであろう霊地の大まかな位置を割り出しておいたのだ
ユウキ「ありがとう蓮子!」
カズマ「サンキュー!…今更なんだけどこんな回りくどいことをせず、皆でその太歳星君とかいう奴を袋叩きにするんじゃだめなのか?神話には詳しくないけどこんなにサーヴァントがいるし、小学生の女の子に負けた奴なんだろ?」
ユウキ「ボクも今一ピンとこないけどそんなにヤバい神様なの?ボク達以外の参加者も敵に回してるみたいだし全員で戦えば何とかならないかな」
神話に疎いカズマやユウキから今回の作戦について疑問が上がる。いかに神霊相手とはいえ、戦力分散のリスクを犯してまで弱体化を狙う必要がある程の強さなのだろうか?
蓮子「はっきり言って滅茶苦茶ヤバいわ。古くから信仰されてて道教や陰陽道における祟り神だったり守護神だったり色んな面があるけど、『太歳頭上動土』……みだりに関わることが身の程知らずを意味するくらいには危険な神格よ」
ソリテール「逸話からその太歳星君を負かした少女とやらも万全の準備に加えて強力な霊を複数使役した上でも紙一重の勝利だったみたいね。いやあ、ぜひ直接会ってお話したかった所だけど残念残念」
ユウキ「へぇ〜、オカルトサークルやってるだけあって詳しいね」
カズマ「アクアより厄介な神っているんだな…」
蓮子達から太歳星君の脅威を教えられ、改めて気を引き締めるユウキとカズマ
さらに今の状況についてソリテールが軽く補足する
ソリテール「付け加えて言うなら集まった主従が全員味方とは限らないわよ?私達があった狐耳のキャスターのマスターは好戦的だったし、途中で遭遇したライダー達も実に貪欲な素晴らしい眼をしてたわ。ふふっ、彼らも集まるなら後ろから刺されないように注意しないとね」
一護「一番怪しいお前が言うなっての。…まあ他の連中を当てにするのは止めたほうがいいと思うぜ。共通の敵がいなくなればこっちが狙われてもおかしくねえ」
蓮子「強力な陰陽術も使えるみたいだし、弱体化させてもアサシンとライダーだけで撃破するのは難しいと思うの。こっちも頑張るけど出来るだけ早く戻ってきてね」
ユウキ「勿論!」
カズマ「任せとけって!」
キリト「なあ、ちょっといいか?」
作戦の流れと現状について納得したユウキとカズマ
二人を見たキリトは、今度は自身の疑問を口にした
キリト「思ったんだが、仮に俺達が太歳星君に勝てそうでも奴が自棄を起こして祟りを発動したら為す術がないんじゃないのか?」
蓮子「あー、その心配はないと思うわ。あの神様と話したのはちょっとの間だけどそんなことするような感じじゃなかったし」
アリス「真名から得た情報ですが、太歳星君――厳密には分霊ですが、どうやら敗北寸前の状態でも最後まで真っ向勝負に臨んでいたようです。仮に呪いを発動させるとすれば目に見えて立ち向かう者がいなくなった時かと」
キリト「成る程な…」
最後の懸念点――太歳星君が形振り構わなくなるという可能性がほぼないことを確認できたキリトはメンバーを一通り見回し、話をまとめた
キリト「よし、少しの間休息して全員体調を万全に整えたら各自作戦の場所に出発しよう!」
3555
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 04:52:43
>>3553
美遊兄「バーサーカー……!大丈夫……じゃないよな」
美遊兄はアスナが致命傷を受けた瞬間を目撃して、彼女の先が長くないことを悟った
アスナは自分と同じく、大切な相手を幸せにするために聖杯戦争を勝ち抜くと決意した仲間だ。
根が善良な美遊兄は、この時ばかりはサーヴァントを失うという事実より似たような願いを持ち、共に戦い抜いてきた仲間が死ぬことが辛かった
それはまるで桜を殺された時のように――
アスナ「ごめんね……士郎くん……。ユウキ……」
アスナの頬を涙が伝う。
絶望感と同時に去来したのは悔しさだった。
ユウキの病気を治してあげたかったから。
ユウキを長生きさせたかったから。
ユウキを幸せにしたかったから。
だというのに、自分が脱落することで願いは叶わなくなる。
大切なユウキを、救えなくなる。
それが悔しくて、辛くて、アスナは涙を流しながら歯噛みした
美遊兄「謝らなくていい!それよりお前とユウキが……!」
同じ願いを持つからこそ美遊兄には辛さがよくわかる、アスナの悔し涙。
しかしマスターである彼でも、もはやアスナはどうしようも出来る
美遊兄「令呪をもって命じる!バーサーカーを治療してくれ!」
そんなこと無意味だとわかってるのに、令呪を消費して。
しかしそのおかげでアスナの寿命はほんの僅かに延びた
アスナにとって大切な男が。
黒の剣士が辿り着くまで、アスナを存命させた。
3556
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 04:54:04
アスナを消える瞬間を、二人は看取った。
キリト「アスナ……。アスナぁぁぁああ!!」
アスナのために今まで我慢していた涙が、キリトから溢れ出す
美遊兄は太歳星君に対して怒りがわくが抑え込み――
美遊兄「なぁ。お前、たぶんアスナの友達なんだろ?それなら今するべきことは――」
キリト「ああ、わかってる――」
キリト「――太歳星君!お前を倒す!」
嘆いた時間はもう要らない
限界の壁を今すぐ壊して――
ちなみにアスナが消滅し、キリトと美遊兄が対話してる間、アルトリアと伊織、ソリテール、アリスが太歳星君の相手を引き受けていた
3557
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 04:58:39
>>3556
(コピペミスしたから貼り直し)
>>3555
キリト組と蓮子組が太歳星君と、彼と戦う他の主従。そして死にかけのサーヴァントを発見
瞬間――キリトは駆け出した
キリト「アスナ!?」
アスナ「あ……キリトくん。キリトくんも、参加してたんだね……」
キリト「アスナ、その傷はどうしたんだ!?」
美遊兄「アスナは……あいつの致命傷を受けた。この傷は、令呪でも治らない!」
美遊兄が悔しそうな表情でキリトに告げる。
キリト「そんな……アスナが……」
アスナ「士郎くんの言う通りだよ。私はサーヴァントとして召喚されて士郎くんやユウキのために戦ったけど……力不足だった……」
美遊兄「アスナは、ユウキっていう女の子を守るために聖杯を手に入れようとしてたんだ。たった一人の女の子を救うために……!」
キリト「!」
その言葉を聞いた瞬間、キリトに考えが過ぎる。
アスナはもう消滅を逃れられない。それはキリトにとってすごく辛くて、悔しくて、悲しくて、今すぐにでも嘆きたくなって――でも、そんなことより伝えなきゃならないことがある。
キリト「ユウキは生き返ったよ、アスナ。そしてこの聖杯戦争にマスターとして呼ばれてる」
アスナ「え!?ユウキが……!?」
目を見開き、驚くアスナ。
キリトが嘘を吐くとは思えず――瞳から悔し涙とは別の雫が零れ落ちた
アスナ「良かった……。ユウキは、私が願いを叶えなくても生きてるんだね……」
それは嬉し涙。
アスナの願いはある意味、今この瞬間に叶った
アスナ「ねえ、キリトくん――」
キリト「……なんだ?アスナ」
アスナ「ユウキを託しても、いいかな――?」
キリト「ああ。当たり前だ!」
キリトの力強い言葉にアスナは安堵して。
美遊兄「アスナ。俺も出来る限り、ユウキを守ってみせるよ」
この聖杯戦争は孤独じゃなかった。
いつも常にアスナが居た。共に戦う仲間が居た。
だからいつの間にか――美遊兄はアスナを大切な仲間だと思っていた。
ゆえに美遊兄は。衛宮士郎は、アスナの願いを引き継いでユウキを守ると決意する
アスナ「士郎くんまで……。ありがとう……」
アスナの身体が光に包まれてゆく。
衛宮士郎と桐ヶ谷和人はただそれを見守るしか出来なかったが――
アスナ「私……幸せだなぁ……」
アスナを消える瞬間を、二人は看取った。
キリト「アスナ……。アスナぁぁぁああ!!」
アスナのために今まで我慢していた涙が、キリトから溢れ出す
美遊兄は太歳星君に対して怒りがわくが抑え込み――
美遊兄「なぁ。お前、たぶんアスナの友達なんだろ?それなら今するべきことは――」
キリト「ああ、わかってる――」
キリト「――太歳星君!お前を倒す!」
嘆いた時間はもう要らない
限界の壁を今すぐ壊して――
ちなみにアスナが消滅し、キリトと美遊兄が対話してる間、アルトリアと伊織、ソリテール、アリスが太歳星君の相手を引き受けていた
3558
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 22:45:26
何気なくメアリーを引き連れてるディエゴだけどアズラエルからしたらサーヴァントを失い戦力として期待出来るような技能もないメアリーはもう無価値なんだよね
だからなんでこんなのをいつまでも引き連れてるのか不審に思ってる
アズラエルはディエゴを信用してない。スキルの内容的にも明らかにヤバいサーヴァントだからだ。念のためにメアリーを処分するべきか?と思考する
3559
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 22:46:24
>>3547
レン「ピトさん、こんな争いやめようよ!これはGGOじゃなくてリアルなんだよ!?」
ピトフーイ「何言ってるの?レンちゃん。レンちゃんなら私がこんなお祭りやめないこと知ってるでしょ!?」
レン「あー、もう!やっぱり前のピトさんだ!」
ピトフーイ「私を止めたいなら殺すしかないよ?殺さなきゃ暴れるのやめてあげないからね!」
レン「やっぱり前のピトさんはめんどくさいなぁ、もう!」
レン(でもピトさん相手に手を抜いたら絶対殺されるし、本気でいくしかないよね!)
聖杯戦争だというのにサーヴァント挟まずマスター同士でガチンコ勝負を始める二人
まあこの二人だもんなぁ
一方、名護さんと李書文も対峙する
『レ・ジ・ィ』
名護さん「変身!」
『フィ・ス・ト・オ・ン』
即座にイクサ バーストモードに変身する名護さん
名護さん「李書文!何故あんな危険なキャスターと手を組んでるのかはわからないが――その命、神に返しなさい!」
名護さんのスキル、イクサ、爆現が李書文に畏怖や警戒心を呼ぶ起こされるが――だからこそ李書文は名護さんを強者だと感じ取って笑った
そして名護さんと李書文がぶつかり合う
レン(名護さんやみんなもがんばってるんだ!私も負けられない!)
3560
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 23:25:36
>>3355
と
>>3357
の最中の話
アルトリア「バーサーカー!シロウ!!」
アスナが致命傷を受け、彼女に駆け寄る美遊兄――衛宮士郎。
それを見たアルトリアは、たとえ自分の知る衛宮士郎でなくとも彼の根底はやはり〝衛宮士郎〟なのだと理解すると同時に、心配して叫び声をあげる
しかしその隙を逃す太歳星君ではなく、容赦ない攻撃がアルトリアを襲い、アルトリアが吹っ飛ぶ
アルトリア「ぐっ……!なんという威力だ……!」
ただの一撃。
しかしそれはとても重い一撃だった
しかしアルトリアは。
セイバーは即座に体勢を立て直し、剣を構えた
チラリと士郎の方を見ると、なにやら会話しているようだ。
過去に冬木の聖杯戦争に参加したことがあり、サーヴァントであるにも関わらず人間のように士郎から扱われたセイバーは、戦場で会話する彼を叱咤はしない。
その優しさが衛宮士郎の長所だと知っているからだ。
アルトリア(今、シロウを狙われたら危険だ。ここは私が注意を引き付けるしかない!それに蘇生も無限に出来るわけじゃないはず――)
ゆえにセイバーは、太歳星君に目掛けて宝具を使う
アルトリア「約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!」
3561
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 23:26:24
一護「行くぜ、ユウキ!」
ユウキ「え?なんで急に抱えるの!?」
一護はいきなりユウキを抱える
一護「この方が――速いからだよ!」
他の主従と居る時は少しでも技術を秘匿するために〝ユウキがアバターだから〟と口にした一護だが実はもっと別の理由がある
ユウキ「わわ!?」
急に凄まじい速度で移動する一護。
――瞬歩。死神ならば基本中の基本な技術だ。
一護「振り落とされないようにしっかり捕まってろよ、ユウキ!」
ユウキ「うん!やっぱりセイバーってすごいや!」
3562
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 23:27:14
地獄兄弟は手分けして霊地を奪取することになった
矢車さん「どっちがカズマに同行する?相棒」
影山「そこはマスターのカズマに任せないか?兄貴」
矢車さん「たしかにそれでいいな」
ということでカズマは矢車さんか影山、どっちに同行するか決めることになった
カズマ「弟で」
即決だった
影山「随分と速い回答だな、カズマ。兄貴じゃなくて俺を選んだ理由でもあるのか?」
カズマ「いやだって兄の方はネガティブだし俺に悪影響だろ。逆に弟は意外と正義感とかあるし頼りになる」
矢車さん「……そうか」
影山「大丈夫だよ、兄貴!兄貴の良さは俺がよく知ってるからさ!」
ちょっとガッカリする矢車さんとそれをフォローする影山であった
3563
:
名無しさん
:2025/04/19(土) 23:27:52
ちなみに手分けして霊地奪取することになった地獄兄弟だけど、適当なタイミングで合流するらしい
二人揃ってこそ真価を発揮するスキルもあるから二条城に向かう際はちゃんとカズマと地獄兄弟の三人で向かうことにしたのだ
3564
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 03:09:09
>>3547
幾つもの熱線が交差する、様々な物体が弾け飛ぶ
相手の命を削る弾丸が身体を掠める度にレンはヒヤヒヤしながら己を奮い立たせ、ピトフーイはゾクゾクしながら高揚する
銃撃戦を繰り広げる二人は物陰に隠れつつ相手を狙おうとするが、互いに熟練のGGOプレイヤーであるためそう易々と仕留められなかった
レン「ピトさん攻撃えげつなさ過ぎ!どんだけ火力持ってんの!?」
ピトフーイ「それはこっちの台詞!それも回避して突然奇襲してくる狂人に言われたくないわね!」
とにかく撃ち合い、撃ち合い、撃ち合い……どれだけの時間が経っただろうか
激しい銃撃戦の末に弾を撃ち尽くした上に不意に接近してしまった二人は、ナイフを手に取り近接戦で相手を仕留めようとする
何度も刃で切り結ぶ最中、双方が一旦距離を開けた後にレンが最大スピードかつフェイントを交えてピトフーイに急接近し、相手の懐に入ってナイフを突き刺そうする
だが、レンが間合いに入る前にピトフーイが自分の得物をレンに向けて放り投げてきた、それも投擲ではなく放物線を描くように緩やかな動作で
意表を突かれたレンは一瞬だけ逡巡し、投げられたナイフを軽く切り払い
ピトフーイ「こうだ!」
レン「がっ!!?」
その直後、レンは強い衝撃を受けて後ろに吹っ飛んでしまった
この時、ピトフーイは八極拳による強烈な一撃をレンの小さな身体に放っていたのだ
数日前から李書文の教えを少し受けつつ鍛錬し続けたピトフーイは、まだ拙さが残るものの八極拳の基礎を習得しこの実戦にて活用してみたのだった
これによりレンは呼吸困難に陥り、身体へのダメージもあってすぐに動く事ができなかった
ただしピトフーイも無事ではなかった、あの一瞬の交差にてレンはピトフーイの身体にナイフを突き刺していたのだった
VRMMOでは感じることがない激痛にピトフーイは顔を顰めつつ、刺さったナイフを抜き取ってゆっくりとレンに近付く
ピトフーイ「やっぱりレンちゃんは侮れないね……だから、これで終わりにしてあげる」
レン「ピト、さ」
そしてピトフーイは手に持ったナイフを振り下ろし、身動きできずに口を開いたレンの中へ刃を突き立てたのであった
――余談だが、雌雄を決したのは双方の意識の差にあったのかもしれない
レンはほぼリアルに近いこの京都において殺人を忌避し、ピトフーイを無力化するために傷つけることはしても命を奪うつもりはなかった
加えて環境の違いもあり戦闘中において発露する攻撃性も薄らいでいたのだろう
対してピトフーイは聖杯戦争というデスゲームを肯定し、戦いの末に聖杯戦争の参加者を殺すことも厭わなかった
人を殺める覚悟の違いがあるがゆえに、GGOとは違った結末を迎えるのであった
【レン@ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン(アニメ版) 死亡】
3565
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 04:18:47
>>3560
眩い光が夜の闇を引き裂く
太歳星君に向けて放たれた膨大な魔力は対象物の背後にあった二の丸本殿すら飲み込み、射線上にあった全てを消滅させた
オーバーキルされてしまった太歳星君は視肉を全て消費して更地の中から復活を遂げるが、もうこれで後がなくなった
「…くくく、あはははは!星の内海にて鍛えられた神造兵装!その輝きをこの身で受けようとは!」
「面白い…!もっと僕を楽しませろ、アーサー・ペンドラゴン!それにソリテールや神に挑もうとする英傑達よ!」
「まとめてかかってこい!ここからは一撃も食らわん、技術戦を見せてやろう……!」
※視肉を全て消費しました。ここからは陰陽術を解放し、さらに『族滅の化身』となって戦う可能性があります
3566
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 04:19:54
>>3564
名護さん「レンくん!!」
レンの死に、名護さんが叫び声をあげる
彼女は自分が元の世界に戻そうとしてたマスターだ。
そしてピトフーイと仲が良いとも聞いていた
レン『名護さん。私、絶対にピトさんを止めるよ。こんな殺し合いは絶対に間違ってるから!』
――ピトフーイに挑む前にレンはそう口にしていた。
彼女はピトフーイのことを想っていたし、聖杯戦争に否定的だった。
そんな少女が、命を落とした。
ピトフーイとレンは仲が良いと聞いていたのに――ピトフーイは容赦なくレンを殺した。
そして名護さんは正義感が非常に強い。それゆえに父親を自殺に追い込んだこともある(キバ本編でそういう描写はないが、そういう設定がある)
今の名護さんは音也から遊び心を教わり、そういう危険思想ではなくなったが――ピトフーイがレンを殺したという事実が。
殺人鬼が善良な少女を殺したということが――名護さんの正義感を熱く滾らせる
名護さん「ピトフーイ、李書文!貴様らだけは、許さん!」
――瞬間、名護さんはライジングイクサになった。
いきなり目の前のサーヴァントの姿が変わり、李書文は笑い――ライジングイクサはイクサカリバーで猛攻を仕掛ける。
こういう時の名護さんは、異様に強い。それこそ格上の敵――ビショップを殺したように。
凄まじい覇気で攻撃を仕掛ける名護さんに李書文は押され気味になり――しかし眼前の強者に口角を上げると同時にその勢いに吹っ飛ばされる。
すぐに起き上がる李書文。
――だが次の瞬間、ライジングイクサは急にバックステップした
名護さん「ピトフーイ!」
レンによってナイフが刺さり、出血多量で意識が朦朧とするピトフーイ。
そんな彼女の眼前にライジングイクサがやってきた。
ピトフーイ「レンちゃんが死んだ後はサーヴァントか!そういうのもいいわね!本当は私がやり合いたいところだけど――」
――いきなりサーヴァントが自分を狙ってきた。絶体絶命の状況だ。
されどもピトフーイは笑う。彼女は狂人であるがゆえに。
ここで死ぬならば、本望。
しかし残念ながらサーヴァントには現代兵器が通用しない。
眼前の相手と全力でやり合えないことに落胆しつつ、この状況を打開する策は既に思い付く。
名護さん「魑魅魍魎跋扈するこの地獄変……俺がここにいる。――ピトフーイ!その命、神に返しなさい!」
名護さんがマスター狙いだと理解した李書文が走る。おそらく間に合わないが。
しかし令呪を使えば瞬時にワープ出来るだろう。きっとそれをピトフーイも理解してるはずだ。
ピトフーイ「令呪をもって――」
名護さん「――天魔覆滅!」
――イクサカリバーがピトフーイの身体を斬り裂いた。
ピトフーイは令呪で李書文を呼び寄せる算段だったが、至近距離の名護さんが令呪で命令を言い終えるよりも早く行動したのだ
ピトフーイ「か、は!流石は……レンちゃんのサーヴァントね……」
その言葉を最期にピトフーイは命を落とし、マスターを失い単独行動スキルも持たない李書文も消滅する。
ピトフーイは最期の瞬間まで満足気だったが、李書文は決着をつけられなかったことを惜しむような表情で。
名護さん「……すまない、レンくん。だがピトフーイという殺人鬼を止めるには、これしか手段がなかった」
――この決着は、ピトフーイと名護さんの性格が招いた結果だ。
名護さんは悪人を決して許さない。殺人鬼ならば尚更だ。
レンがピトフーイを止めていたら。ピトフーイが止まっていたら結果はまた違っただろう。
しかしレンが殺害された瞬間、名護さんの正義感と怒りが爆発。
正々堂々とした戦いから、殺人鬼を断罪するための戦に変化した。
――相手が殺人鬼ならば、マスターだろうと容赦なく殺す。
レンが止められなかった分まで。
レンはきっとこの結果を不満に思うだろうが……名護さんはピトフーイを許せなかった。
ゆえにマスター狙いという戦法を行ったのだ
しかしピトフーイに悔いはない。むしろこういう戦いを望んでいたのだから。
……ピトフーイという狂人に召喚された李書文はある意味、運が悪かったのかもしれない。
気の合う相手ではあったが、彼女の性格がこんな結果を招いたのだから。
【ピトフーイ@ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン(アニメ版) 死亡】
【李書文@Fate/Grand Order 消滅】
3567
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 04:24:37
>>3558
自己利益と保身のために今の契約者を蔑ろにしてイニシアチブとり続けたディエゴにツケが回ってきた
本来であればマスターと交流し相互理解を深めることで意識の違いから生まれる齟齬を埋めるべきところをこの主従は行わなかったがゆえに、アズラエルの不信感を募らせてしまった
だから二条城を目前にした段階で戦いの気配を感じて様子見し始めたディエゴの背後にいて、アズラエルは片手を掲げて呪言を発した
アズラエル「令呪で命じる、嘘偽りなく僕の質問に答えその真意を教えろ、ライダー」
ディエゴ「なにっ!!」
不意打ちを食らってしまったディエゴは一瞬固まってしまい、すかさずメアリーをここまで連れてきた理由をアズラエルに問われてしまい、令呪の強制力もあり今まで隠してきた本心を語ってしまった
3568
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 09:39:29
>>3567
ちなみにこの時、アズラエルはもう片方の手に銃を構えてたんだよね
ディエゴの回答次第ではメアリーの処分を考慮していたから
そしてディエゴの本心を知ったアズラエルはぶちギレてメアリーへ発砲
メアリーは最後の力を振り絞り、憎悪を爆発させて隠し持っていたパレットナイフでアズラエルを突き刺すが、それが限界でこの世を去った……
しかしアズラエルはまだ生きている。
息絶え絶えだったメアリーが正確に彼の胸や心臓、頭を狙えるはずもなく……パレットナイフによる一撃は彼の左脚に刺さったからだ。
激痛が走り絶叫するアズラエルだが、ただそれだけ。
今後の行動に支障をきたす可能性はあるがディエゴの肩を借りれば歩けるし、そもそもアズラエルは別に彼自身が強いというわけでもない。
……結局、この段階ではメアリーの復讐は失敗に終わったのだ。もしかしたら今後それが原因でアズラエルが痛い目を見るかもしれないが、それは現段階ではわからず。
しかし突き刺した時には既に意識が朦朧としていたメアリーは彼を殺せたと錯覚して多少は復讐心を満たせたのが、ある意味救いである。
そしてアズラエルの行動に苛立つディエゴだが、令呪がまだあり、メアリーという替えのマスターを失った以上、彼を裏切ることは出来ない
そしてディエゴがどれだけ危険なサーヴァントか改めて知ったアズラエルはディエゴ同様、彼に対して苛立ちを募らせるが……サーヴァントを失いたくないので自害はさせず我慢する
そしてディエゴに不審感を募らせたアズラエルは更に令呪を使用して、ディエゴに自分に従うように命令した
これでディエゴはもう何があっても、彼に従う他ない
アズラエルはディエゴに肩を借りながらも、二条城へ入った
【メアリー@Ib 死亡】
※アズラエルが令呪を使用しました。残り1画です
3569
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 09:43:16
(伊織がどういう対応をしたかどうかは他の人に任せます)
>>3565
アルトリア「おそらくキャスターはこれから本気を出してきます!イオリとシロウは後ろに下がってください!」
美遊兄「俺にアスナの仇を討たせるなっていうことか!?セイバー!」
アルトリア「冷静になってください、シロウ!あなたはマスターの中では確かに強いかもしれませんが、キャスターはサーヴァントの中でも特別強い相手だ!それが本気を出したら、もうサーヴァント以外が戦うのは危険です!」
美遊兄「だが……!」
アルトリア「先程の話、少し聞こえましたよ。ユウキという存在を守るとあなたは言ったはずです!ならば無謀なことはやめてください!」
美遊兄「くっ……!わかった……!」
美遊兄は悔しそうな声を出しながらも戦闘をやめて、下がった。
そんな美遊兄にキリトが声を掛ける
キリト「お前の悔しさは、俺にもわかる。俺も戦って、アスナの仇を取りたい……!でもあそこはもう、サーヴァント以外が介入出来る戦場じゃないんだ!」
キリトは美遊兄同様、悔しさで拳を握り締める。
SAOの英雄といえども、今は戦いを見ていることしか出来ない。
大切な存在であるアスナを失ったのにアリス達に託すしか出来ない。
3570
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 11:27:08
太歳星君はソリテールに呪縛呪を使い、彼女の動きを封じる
数多のメンバーから彼女を選んだことには理由がある。
まず、マスター達は論外だ。彼らが戦うのは面白いが当然サーヴァント達には劣るし、優先順位は落ちる
ゆえに必然的にサーヴァントの中から選ぶことになるが、呪縛呪の対象は対魔力を持たない相手が好ましい
そしてこの中で対魔力を持たないのはアサシンであるソリテールのみ
ソリテールのことは以前会話した時点で興味があったし、彼女を試す意味でも使った
ソリテール「え……?」
いきなり肉体が動かなくなったことに流石のソリテールも動揺する
そして動けなくなったソリテールに消滅の凶星を使い、掌に凶星を配置して掌打と一緒に凶星も叩き込む
致命傷という程じゃないが、いきなり大きなダメージを受けたソリテールに蓮子は動揺した
3571
:
代理投下
:2025/04/20(日) 12:09:07
>>3569
アズラエルの発砲音を近くにいたカブキ達がきいていたんだよね
3572
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 12:24:03
>>3570
「ん? ああそうか、霊地の奪取か。力が少し落ちてしまっていたな」
魔力の防壁により致命傷を避けたソリテールの様子を見て自身の弱体化に気付き、同時に各地の霊地が奪われ始めてるのを感じた太歳星君
おそらく別行動で動いていた主従だろう、自身の真名からあの戦いを参考にしたとでもいったところだろうか。
そんなことを考えながら彼は令呪の存在を思い出した。
(このままでも構わないが、せっかくあるものを使わんのも癪だ。一つ切らせるか)
『シロッコ、令呪一画で凶星の精度を上げろ。ここからさらに縛りを外すぞ』
視界共有で戦いを見ていたシロッコは太歳星君から指示を受ける
興が乗り始めた太歳星君がここからさらにギアを上げ、更に戦いが激しくなることをシロッコは察する
『第3の宝具はまだ使わないのかね?』
『アレは僕の身体が削られてからだ、まだ早い』
『よかろう、令呪を以て命ずる。神の御業、存分に見せるがいい』
令呪により太歳星君の消滅の凶星が先ほどより圧縮速度が増していく。
さらに縛っていた陰陽術を解放し、存思と手印で自身にバフをかける。
「どうやら霊地が取られたらしいな、まあこの程度は織り込み済みだ。気張れよ、ここからはタダでは済まんからな」
3573
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 16:59:22
>>3572
「ふうん、令呪まで使ったのね。もう"これ"で防ぐのは無理かしら」
自身の身体を――正確には身に纏う魔力の防壁を撫でながら呟くソリテール。衣類はズタズタになり出血しながらも、貼り付けたような笑みは変わらない
「真っ先に狙われるなんて何か恨みを買うようなことでもしたかしら?」
わざとらしく肩を竦めながら苦笑するソリテールに太歳星君も嗤いながら返した
「何、霊地の礼をしてやったまでだ。お前達の入れ知恵だろう?」
「さて何のことやら」
「それにお前も騎士王と同じく楽しめそうだ。この地に集ったサーヴァントの中で最も血の匂いが濃いしな」
「あら、それは見込み違いね。私は人間の研究が好きなだけの『平和主義者』なのに」
「ならもう少し上手く魂に染み付いた血の匂いを隠すことだな。分かる奴にはすぐ分かるぞ!」
言うや否や再びソリテールに襲いかかる太歳星君。周囲には令呪により輝きを強めた消滅の凶星を星座の如く展開している
「『流星群』」
太歳星君の号令とともに無数の凶星が弾幕となり、ソリテールに襲いかかった。ソリテールもまた剣の弾幕で対抗するが、尽く打ち負け砕け散る。高速で飛行し弾幕を回避するが避けきれなかった一発がソリテールの顔面に迫った
「ふふっ、危ない危ない」
衝突音が響くが、ソリテールは手から血を流しながらも無事。彼女の身を護ったのは手に纏わせた超高密度の魔力の盾だ。普段戦闘時に全身に纏っている魔力の防壁と異なりその都度手動で防御する必要があるが、その防御力は折り紙付き。かつて戦ったフリーレン達ですらこの護りの上からソリテールにダメージを与えることが出来なかった
ソリテールとて魔王軍最強の一角と同格の実力者。凶神相手とて易々と斃されるつもりはない
「やるものだなソリテール!だがこれでも己を護りきれるか?」
如何に強力な防護であろうと"手動"による防御、ソリテール自身の身動きが取れなければ発動できない
太歳星君は再び『呪縛呪』をソリテールにかけ動きを封じ、同時に接近。先のように凶星を叩き込まんとする
「させるかッ!」
しかし、間一髪の所でソリテールは呪縛から脱した。アルトリアが跳躍し横合いから太歳星君を切りつけたのである
陰陽術が誇る護身法『六壬神課』による予知で斬撃で回避する太歳星君だが、護身法は一度に使える術は一つのみ。故にソリテールの束縛を解除せざるを得なかった
「我々がいる事を忘れるな!」
アルトリアとアリス、二人の女騎士が並び立つ
何とか消滅の危機を免れたソリテールに小声でアルトリアが耳打ちした
「……アサシン、あの時の狼藉について敢えて今は問うまい。だが、あの凶神を滅ぼしたら覚悟しておけ」
「これまた何のことやらさっぱりだけど、どうぞご自由に。最もお互い生きてたらだけどね」
アルトリアはソリテールの攻撃方法からこの聖杯戦争の序盤に不意打ちで攻撃を仕掛けてきたサーヴァントの正体が彼女であることを看破していた
本音を言えばそんな者と肩を並べて共闘などしたくはないが、今は四の五の言ってられない
太歳星君を前に内輪揉めなどしていたら瞬く間に全滅するからだ
一方でマスター達もまた、己がすべきことを模索する。戦う力を持ったものもいるが既に戦闘は自分達が直接介入できる領域を超えている
――ならば、マスターとしてサーヴァントにしてやれることは一つだけ
お互いの顔を見合わせ、マスター達は頷き合った
「「「令呪を持って命ずる」」」
3574
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 17:02:48
>>3573
(途中で切れてしまったので残りを投下)
「勝利しろ、セイバー!!」
「太歳星君を討て、ライダー!!」
「全力で神様を倒して、アサシン!!」
伊織、キリト、蓮子三者の令呪が一斉に輝き、各々のサーヴァントに活力を与える。太歳星君は霊地を失い、互いに令呪を一画使用。これでサーヴァントの条件は五分である
さらに激しさを増す死合いに太歳星君は口が裂けんばかりの笑みを浮かべた
「さあ来い!僕を失望させてくれるなよ!!」
3575
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 20:13:58
(ちょっとした補完)
>>3520
、>3527
ここで太牙の話から舞衣が14歳だった事を知るカブキ
(たしか…明日夢もそれくらいの年頃だったな。……その舞衣ってマスターも…まだ子どもだったじゃねえか……!)
とキャスター・太歳星君へ憤りを抱いてたね
聞かされたアタランテも
「…そうか。あの神を名乗るキャスターは……子供を……!!」
と怒りを隠さず、それもあって討伐へのモチベは高かった
アタランテについては元々神話の時代の英霊だが、聖杯から得た現代知識もあって舞衣がまだ子供と分類出来る年だと判断している
3576
:
名無しさん
:2025/04/20(日) 20:14:32
(こちらもちょっとした補完)
>>3544
後、
>>3548
の時に太牙に舞衣について聞いたりもしてるんだよね夏油は
>>3411
の時に会い少し話はしたものの、少しだけなのもあり
>>3538
で触れた通りよくわからなかった、強いて言うなら聡明さを持った少女だというくらい…という認識だったけど、諸々の話を聞いて
「…もし彼女が生きていれば、きっと対立する事になっていただろうね」
的に称しながらも、だとしても術師やそれに類する存在だったと思われる彼女を殺した太歳星君は倒さなければと、そうリベンジの決意を更に固めていた
玉藻(念話)『ご主人様、心なしかあの激ヤバキャスターへのリベンジを志してからの方が…なんと言いますかこう、イケメン度が上がっているように思えるのですが…元からイケメン魂ではありますが』
夏油『そうかな。…合理的に考えればだ、リベンジなどせず視に回った方がいいんだろうけど…失望したかい?キャスター』
玉藻(念話)『いえいえ全く!この良妻玉藻、ご主人さまの選択にとやかく言うつもりはありませんとも』
夏油『だから私は君を妻にした覚えはないんだが…』
3577
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 04:24:26
>>3571
マヤ「何か銃音みたいなものが聞こえたけど、聞き間違いかな?」
ザンキ「いや、聞き間違いじゃないな。俺にも確かに聞こえた」
カブキ「俺にも聞こえたぜ。何があったんだ……?」
夏油「私にも理由はわからないが、誰かが誰かを襲ったのは確実だろうな」
マヤ「それ、かなりヤバい状況じゃん!みんな、なんでそんなに冷静なの!?」
ザンキ「マヤ。残酷だが聖杯戦争とはそういうものだ」
カブキ「子供のマヤにはわかんねえかもしれねぇが、これは他人が他人を蹴落とす戦いだからなァ。マスターが他のマスターを狙った可能性もあるぜ」
夏油(やれやれ。本当にマヤちゃんは、昔の私と少し重なるな――)
夏油「マヤちゃん。授業でも言った通り、世界は意外と残酷なんだ。まあでも――急いだ方がいいのかな」
マヤ「そうだよ、夏油先生!誰かが襲われてるなら助けなきゃ!それが鬼の使命だよね、師匠!カブキ!」
ザンキ「フッ……。そうだな、マヤ。お前の言う通りだ」
カブキ「そうだなァ。誰かが襲われてるなら――鬼として守らなきゃなァ!」
マヤとザンキは純粋な正義感で。
カブキとアタランテは子供が襲われた可能性を考慮して、守るために。
夏油はもしも術師が襲われているならば、保護して相手を倒すために。玉藻は夏油が好きだから。
そして太牙は――
太牙「マヤ。お前はまだ子供なのに、立派だな」
マヤの言動に、彼女に渡を重ねる。
渡もきっとこの状況なら急ぐはずだ。
それぞれの想いを胸に走り出すが、彼らが見たのは残酷な光景だった。
マヤ「そん、な……」
ザンキ「……間に合わなかったか」
カブキ「くそっ!」
そこにあったのはメアリーの死体。
血溜まりの中に、彼女の死体が放置されていた。
あまりにも残酷な光景にマヤは言葉を失い。
鬼としての使命を果たせず、間に合わなかったザンキは悔しさを滲ませ。
子供が殺されたことにカブキは心の底から怒り、やり場のないその気持ちを地面を殴ることでぶつけ。アタランテも子供の死に怒りがこみ上げる。
太牙「また俺は、守れなかったのか……」
真衣に次いで、またもや守れなかった。
もっとも今回は見知らぬ子供だが――渡の影響を受け、多少は正義感が強くなっている太牙は目の前の死体に何も思わないでもない。
マヤ「で、でもまだ生きてるかもしれないよ!」
動揺しながらもマヤはメアリーの死体を揺さぶる
死体に近寄るために血溜まりの中に入り、嫌な感触がしたが――グッと我慢する。
しかしメアリーの死体は揺らせば揺らすほど、血を流すばかり。
当然だ。彼女は死んでいるのだから。
ザンキ「マヤ、残念だがこいつは死んでる……」
マヤ「じゃあ私達はこの子を守れなかったの……?そんなの、嫌だよ!」
夏油「……私達は最善を尽くしたが、間に合わなかった。この世界は残酷で、聖杯戦争の過酷だ。……だからこれが現実さ、マヤちゃん」
マヤ「みんな……。私、悔しいよ!せっかく鬼として修行したり、呪術師になるために頑張ったのに……この子を守れなかった!それがすごく、悔しいよ!!」
自分の無力さを嘆くマヤ。
その悔しさはザンキにも、カブキにも、アタランテにも、太牙にもよく伝わってきた。
そして――誰よりもその悔しさを理解出来たのは、皮肉にも非術師の殲滅のために行動してきた夏油だった。
彼も元々はマヤのように善良な性格だった。呪術師として、人々を守るために活動していた時期もあった。
ゆえに夏油こそが一番マヤの気持ちがわかる
3578
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 04:25:14
>>3577
夏油「マヤちゃんの悔しさは、よくわかるよ。私もマヤちゃんのような思想の時期があったからね。だからその悲しさを知る者としてあえて言わせてもらう。
――マヤちゃんは、その苦しみに負けないでくれ」
――マヤが非術師を憎めば、おそらく自分と似たような思想になるだろう。そうしたら仲間が増える。そのメリットを理解しながらも、されども――マヤには自分のようになってほしくない。
それは生前の夏油ならばあまりにも〝らしくない〟考え方だ。
しかし五条が最期に心の底から笑わせてくれたから。
そして紆余曲折の末に、何故だか昔の正義感でも多少は取り戻したというのだろうか?
その理由は定かではない。
しかし夏油は、マヤに昔の自分を重ねて、今の自分のようになってほしくないと思った
夏油(まったく……私も焼きが回ったかな)
マヤ「……うん。夏油先生が言ってた通り、この世界が残酷なことはよくわかった。でも私は、その苦しみに負けない。負けたくないよ……!」
世界の残酷さを知った。聖杯戦争の過酷さをよく理解した。
それでも負けたくないと。人々を守り続けたいとマヤは改めて決意するが――溢れ出る悔し涙は止まらず。
マヤのことをそっとアタランテは抱き寄せた。
アタランテ「……強いな、マヤ。私にはこれくらいしか出来ないが……無理して気丈に振る舞う必要はないからな……」
マヤ「……ありがとう、アーチャー」
そしてマヤはアタランテの胸で、いっぱい泣いた。
鬼の修行をしたと言えども、まだ中学生の子供だ。それにずっと日常を生き抜いてきたマヤにはこの光景はショッキングだし、鬼として強くなったからこそ守れなかったことが悔しいし、辛い。
そんな色々な感情がごちゃ混ぜになって、それでも気丈に振る舞おうとしたけど、やっぱりキツいのだ。
だからアタランテが抱き寄せてくれたことは、マヤには素直に嬉しかった。その優しい言葉も。
だからマヤはいっぱい泣いた
マヤ「私……絶対にもっと強くなるから。立派な鬼になるから……!でも……助けられなくて、ごめん。ごめん……!」
ザンキ「……マヤ。お前はもう立派な鬼だ。……鬼でも泣くことはある」
カブキ「ああ、そうだなぁ。鬼でも泣く時は泣くもんだ」
夏油「……マヤちゃん。君は君のまま、強くなればいいよ」
3579
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 04:38:28
>>3574
アリス(キリト。私はあなたに救われた身です。だからあなたが望むならば――このキャスターを倒してみせます!)
アリス「武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)!」
それはアリスの宝具、金木犀の剣を用いて使う必殺技だ。
宝具由来の必殺技ゆえに魔力もかなり消耗する。
だからこれまで使用は控えていたのだが――キリトが令呪を使った今こそがチャンスであり、なによりキリトとアリスは聖杯戦争になる前からの友人ゆえに。そして共に戦い抜き、UWを救ってくれたキリトに恩義があるゆえに。
彼女はこの瞬間、全力を出す
金木犀の剣の刀身が黄金色の幾千もの花びらに変わり、太歳星君へぶつける!
アルトリア(宝具の連発は危険ですが、状況が状況だ。それにこのキャスターを倒すなら、今この瞬間しかない!)
そう決意した彼女に――よく知った声が聞こえていた
美遊兄「がんばれ、セイバー!」
アルトリア「フッ……。やはりシロウはシロウですね」
彼の行動が自分のよく知る衛宮士郎と重なり、僅かに笑う。
伊織と士郎。この二人を守るためにも。そして危険なキャスターを討伐するためにも、宝具を使う
先程使ったばかりゆえ、伊織にはかなりの負担を強いるだろうが――彼は令呪を使ってまで勝利を望んだ。
ならば――遠慮する必要はないだろう
アルトリア「約束された勝利の剣(エクスカリバー)!」
そして攻撃的な宝具を持たないソリテールだが、かなりの魔力を消耗することを理解した上で高密度の魔力を太歳星君へぶつけた!
全力と令呪で命令されたら全力を出さざるを得ないからこそ、必然的に大量の魔力を消耗することを知ってもなお全力を出す。隠し球だって使う。
そしてちょうどこの頃アズラエル組が到着。
凄まじい光景にアズラエルは僅かに動揺するも、勝利を確信した
アズラエルもディエゴも決して善人ではないが、この勝負には勝ってもらわなければ困る。勝たなければ困る。
ゆえに全員が宝具を放ち終えた瞬間――アズラエルは確実に仕留めるために令呪を使う。
アズラエル「令呪を以て命ずる。あのキャスターにトドメを刺せ、ライダー!」
令呪を全て使い果たすことになるが、2つ目の令呪によりディエゴはもうアズラエルに従うしかなくなった。
ゆえに裏切られるリスクも無くなり、死にたくないがゆえにこのチャンスを逃さないアズラエルではない
ディエゴ(より確実な『勝利』を欲するか、アズラエル。だがそれは俺も同じ気持ちだ。まさかお前と気が合う時が来るとはな)
凄まじい猛攻により、煙が発生してキャスターの姿こそ見えないが――そこにキャスターが居るのはわかっている。
ゆえにディエゴは宝具を使って時を止め、キャスターが余計なことをする前に確実にトドメを刺すことを選ぶ!この瞬間ばかりはアズラエルとディエゴ、奇遇にもどちらも同じ考えだった
ディエゴ「無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」
時の止まった世界で、大量にスタンドの拳をぶつける。いわゆる無駄無駄ラッシュ。
当然、全て命中したという感触はあった。ディエゴはこの瞬間、確実な勝利を確信して――時は再び動き出す
3580
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 06:33:34
>>3573
、
>>3574
ちょうどこの辺りでカズマ組とユウキ組が五箇所の霊地の奪還に成功したんだよね
お互いに連絡をとりあって作戦の成功を確認できたからそれぞれ二条城に向かうことにした
カズマ組は地獄兄弟が合流してから二条城に向かうから先にユウキ組が到着しそうだ
3581
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 08:13:03
>>3579
一斉攻撃の寸前に太歳星君は「六壬神課」を使い、各騎の攻撃を予言視しつつアルトリアの『約束された勝利の剣』を回避する
数々の脅威を薙ぎ払ってきた聖剣の必殺技は先に受けている、視肉なしに受け止めるのはさすがの神霊でもひとたまりもないのでこれだけは確実に躱す
「六壬神課」を使い切ったところで、続いてはソリテールの高密度による魔力の攻撃を「一掃返し」で跳ね返した
本来は敵の呪いを数倍返しで跳ね返す呪い返しの法なのだが、聖杯戦争においては魔術的な攻撃にも適応していた(その代わり倍率は下がっている)
アリスの『金木犀の剣』による花吹雪は「披甲護身」で対処。神聖術という魔術に類するものであるため、霊的エネルギーでその身を守った
ただし呪いとは違うため完全防御とはいかず、多少は被弾して軽傷くらいは負っていた
そして遅れて放たれたディエゴの『THE・WORLD』に対しては「存思」による身体と回復を強化するバフを機能させて、スタンドによる無駄無駄ラッシュをその身で受けていた
先の「六壬神課」にてディエゴが時を止めて連続殴打をしてくるところまでは読んでいた、ゆえに太歳星君は肉体強化で耐えることを選択する
また時が動き出した後に備えて、ディエゴや他の英霊に追従するように設定した消滅の凶星を既に解き放っていた
そのため、時止めを連続して放つことができず時止め後の隙を突かれたディエゴは複数の凶星によってズタボロにされてしまう
3582
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 09:29:15
>>3580
カズマ『ユウキ、アサシン兄、何個くらい終わった?』
ユウキ『ボク達は2つだよ!』
矢車さん『俺も2つだ……」
カズマ『俺達は1つだから……これで全部終わったのか?』
ユウキ『そうだね!じゃあボク達もお城を目指さなきゃ!』
カズマ『俺達はアサシン兄と合流するけど、ユウキはどうする?一緒に行った方が安全だと思うんだけど』
ユウキ『うーん。カズマの言いたいことはわかるんだけど、キリトや蓮子だけに無理させるわけには行かないし、ボク達は先に行くよ』
カズマ『お前ならそういうと思った。まあ俺達も出来る限り急いで行くから無理はするなよ?』
ユウキ『うん、わかったよ!』
そんなやり取りをスマホでしたんだよね
そしてカズマ組は念話で会話する
カズマ『影山、矢車。とりあえず俺達もなるべく急いだ方が良さそうだな』
影山『そうだな。他のみんなが心配だ』
矢車さん(他のサーヴァントが脱落したら有利になるが……今は相棒とカズマに合わせるか……)
矢車さん『ああ。俺も出来る限り急ぐとする……』
3583
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 17:54:47
>>3581
ディエゴ「グハァアアア!ば、バカなァアアア……!」
複数の凶星をその身に受け、一瞬にして満身創痍になったディエゴ。
あまりにもわけのわからない展開と激痛に絶叫すると同時に、目を見開く。
キャスターはサーヴァント達による一斉攻撃を受けたし、その後に時を止めて安全に、確実に始末したはずだった。
なのに何故か相手は生きてる上に、ディエゴが致命傷を受けた。
あまりにも唐突にやってきた攻撃に対処するのが無理難題という話だし、そもそも時を止めれば相手は何も出来ないと思うのが必然だ。
ディエゴには何の非もない。ただ相手が規格外過ぎた、それだけだ。
しかし運の良いことにディエゴは吹っ飛ばされた場所は扉の付近だった。
『THE・WORLD』が通用しない規格外の存在など、勝ち目がない。
この場で取れる手段は逃走あるのみ。
ディエゴは急いで逃走するためにシルバー・バレットを呼び出し――乗ろうとするが、何故か急に動けなくなった
ディエゴ「これは、どういう――」
ディエゴが言い切る前に猛スピードで迫ってきた太歳星君が掌に凶星を配置して掌打と一緒にディエゴへ凶星を叩き込む。
せっかく楽しい状況なのだ。逃がす気はない。
だから逃走なんてつまらない行為をしようとしたディエゴの動きを呪縛呪で止め、存思で身体能力を上げて猛スピードで迫り、『消滅の凶星』を即座にぶつけた
それがトドメの一撃となり、ディエゴは驚愕しながらも消滅する
他のアリス、アルトリア、ソリテールも消滅の凶星の直撃を受け、ダメージを受けたがゆえに誰も咄嗟に動けなかった間の惨劇である
ディエゴを失ったアズラエルの絶叫が響く……
【ディエゴ・ブランドー(並行世界)@ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン 消滅】
3584
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 18:34:02
>>3583
サーヴァントを失ったアズラエルは半ば錯乱しながらその場から逃げ出した
それに太歳星君は追撃をかけずに放って置く。サーヴァントならいざ知らず力無きマスター一人どうでもよいからだ
だがアズラエルは諦めた訳では無い。そもそも逃げた所で京都にいる限り太歳星君による祟りからは逃れられない
彼の狙いはキャスターのマスターの殺害。あわよくばキャスターとの再契約である。マスターさえ殺せれば如何に強力なサーヴァントも長時間の現界は不可能、首尾よく強力なキャスターの力が手に入れば聖杯の獲得も確実だと見込んでの行動だった
皮肉にもアズラエルは先程までディエゴが企んでいたことと同様の策に縋ろうとしていた
3585
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 18:53:34
>>3584
アズラエル、メアリーから左脚を刺されたこともあって走ることに支障があるんだけど脱走する時は生への執着心と恐怖心がアズラエルの身体を突き動かしたんだよね
だからその道中でコケたりするけどそれでもなんとかその場から逃げ出すことには成功した
ただやっぱり左脚の負傷のせいで動きは普段より鈍いからここにきてメアリーの復讐が効いてきている
アズラエルはメアリーと彼女を早急に処分しなかったディエゴを怨むのだった
3586
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 21:53:16
アズラエルを見逃した太歳星君だけど念のために一人マスターが逃げ出したことをシロッコに念話で伝える
そのマスター(アズラエル)が既にサーヴァントを失い大して脅威にならないことも同時に教えた
そして必死にキャスターのマスターを探すアズラエルだが、そんな彼は偶然シロッコは見付ける
なにやら謎の存在(十二神将)を従わせているから何らかのサーヴァントのマスターであることを察し、銃を構えるとシロッコにキャスターのサーヴァントか問い掛ける
するとシロッコは何ら銃に臆することなく、アズラエルのことを彼が太歳星君の話していた相手だと察すると自分こそがキャスターのマスターだと答えた
3587
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 21:56:12
>>3583
「今のは効いたぞ…有言実行を阻止されたのはこれで二度目だな」
サーヴァント四騎もの総攻撃を凌がれたことに驚愕するアルトリア達。だが、太歳星君とて無傷ではない。その身にはディエゴによる無数の拳痕をはじめとした大小様々な傷が刻まれ、陰陽術の構えの動作が目に見えて遅くなっている。決して少なくないダメージを負っているのだ
「褒美に痛みなく消してやろう。誰から逝きたい?」
しかし、アルトリア達の消耗はそれ以上。各々の最大の攻撃による魔力消費に加えて太歳星君の反撃によるダメージ。万全であれば負傷により弱体化した陰陽術の間隙を突くことが出来ただろうが今のアルトリア達の体力ではそれも困難。迫る太歳星君にもはやこれまでかと思われたその時――
「真打ち遅れて参上!有象無象はそこのけそこのけ良妻狐が通る!選手交代の時間ですよ!!」
「やあ、まだまだ元気そうで安心したよキャスター。危うくリベンジの機会がなくなるかと冷や冷やしていた所さ」
「何時ぞやの呪術師と女狐か。それにあの女狩人に鎧のアサシンまで…どうやらまだまだ楽しめそうだな?」
――新たな一団、夏油達をはじめとした主従が戦場に馳せ参じた
太歳星君が気を取られた隙にアルトリア達は僅かでも体力の回復に努めるため一端マスター達の所まで退く
役者を入れ替え凶神との戦いは新たな局面を迎えようとしていた
3588
:
名無しさん
:2025/04/21(月) 23:56:39
>>3587
夏油「ところでキャスター、以前君に奪われた音叉をそこの彼に返してくれないかな」
夏油はカブキを指さしながら、太歳星君にそう言った。
太歳星君の性格を考慮して、彼なら元の持ち主を知れば返してくれると判断しての行動だ
そして夏油の読み通り、太歳星君はカブキに音叉を返した
本気を出した太歳星君の前ではマスターは戦力外だが、それでも何らかの理由でマスターが死亡してそのサーヴァントまで脱落するのは萎える。それを防ぐためにもマスター達には万全の状態でいてくれねばならない
カブキ「よっしゃ!これで鬼に変身出来るぜ!」
マヤ「良かったね、カブキ!」
ザンキ「だが先にあいつと戦ってた奴らの話では、もうマスターでどうにかなる強さじゃないらしい。……お前達は下がってろ」
マヤ「そんな……やっと私、一人前の鬼になれたのに!」
ザンキ「マヤ。たしかにお前は一人前の鬼になったけどな、これは俺達サーヴァントの戦いだ。――とりあえず俺の戦いを見て〝鬼の戦い方〟を学べ」
カブキ「俺も一流の鬼って自信はあるが……ここは下がるぞ、マヤ。俺達マスターが死ねばサーヴァントも消滅する。死なないことも、マスターとしての立派な仕事だァ」
マヤ「……わかったよ。師匠、カブキ」
そしてカブキとマヤは下がる。
夏油『相手のキャスターは魔法を使うと逆に危ないらしい。さて、どうするかな……』
警告ついでに玉藻に念話を送りながら、夏油は思考する。
自分も戦うべきか否か。当初は自分も戦う予定だったが、相手はあまりにも規格外。玉藻達サーヴァントに一任するという手もあるが、とりあえずキャスターを見付けたら言っておきたいことがあったので先に口に出しておく。
夏油「待たせたね、キャスター。ここからは私達の――リベンジだ」
3589
:
名無しさん
:2025/04/22(火) 06:41:25
>>3587
一旦身を引いた3騎の内、ソリテールが一番ボロボロな状態であった
様々な魔法を学んだ探求の果てに編み出した魔力をぶつけるだけの単純な魔法、最上位の魔法使いであるフリーレンすら防げない自己最強の魔法を「一掃返し」によって跳ね返されてしまい傷を負ってしまったのだ
その上で消滅の凶星による追撃もあり、幾らかは防いだものの全身至る処が赤く染み出ていた
唯一幸いなことは、その攻撃が呪いではなかったため「一掃返し」が数倍返しではなかったこと。もし本来の効力であったならばソリテールは脱落していたのかもしれない
「ソリテール、大丈夫!?」
「えぇ、これくらいならまだ戦えるわ。以前に魔法使いのエルフと殺し合いをした時にも負傷を気にする暇もないくらいに戦い続けたこともあるし」
「でも、さすがに見ていられない…今、令呪を使って回復してあげるから」
蓮子はさらに令呪一画を消費してソリテールの傷を癒やすように願い、一番深手だったソリテールはある程度回復することができた
「ありがとう、マスター。もう少し様子見してから、彼らと共闘して太歳星君に挑んでみる」
「…ねぇ、ソリテール」
「さっきセイバーが言っていた狼藉、ってなんのこと?」
3590
:
名無しさん
:2025/04/22(火) 08:30:15
(
>>3523
をベースにしつつ、太歳星君が縛りによって「一掃返し」を使わず、単純に力比べで玉藻の前が押し負けた、という展開に修正した内容です)
選手交代とばかりにザンキ達が前に出てアルトリア達が後退する最中、ソリテールが玉藻の前に向けて声を掛けてきた
「いいことを教えてあげる。相手は太歳星君、私の魔法を跳ね返す術を使ってきたから、貴方も気を付けることね、獣耳のキャスター」
「…はい?太歳星君、ですって!それはマジヤバな情報なんですけど!」
これを機にキャスターの真名を知らなかったカブキ達にも伝わり、これから挑もうとするザンキ・太牙・アタランテも戦慄する
特に玉藻の前にとっては衝撃的だ。祟りの凶神にして陰陽術の祖、あの暗黒イケモンこと安倍晴明すら小僧扱いできるほどの大物である
英霊化して本来よりは弱体化しているとはいえその身に纏う膨大な霊力は本物であることを示している
ソリテールの情報からして自分との相性は最悪、馬鹿正直に正面から殴り合っても勝ち目がない
だから玉藻の前はサポートに徹することを決める
「ええい、見知らぬ英霊ばかりですが今回ばかりの大出血サービス!貴方達が全力で戦えるように、私の宝具をお見せします!だから、死に物狂いで星神に勝ちなさい!」
ここは我が国、神の国、水は潤い、実り豊かな中津国
国がうつほに水注ぎ、高天巡り、黄泉巡り、巡り巡りて水天日光
我が照らす。豊葦原瑞穂国、八尋の輪に輪をかけて、これぞ九重、天照らす……!
『水天日光天照八野鎮石』
開帳された宝具より常世の理を遮断する結界を展開し、呪力行使コストをなくし、あるいは無限の魔力供給を行う
魂と生命力を活性化させる力でもって、数ターンの間だけ太歳星君に立ち向かう英霊達に効力をもたらした
※今回は『水天日光天照八野鎮石』の効果を「数ターン継続のHP回復&魔力回復(ただし宝具連発を補えるほどの魔力回復はない)」という風にしてみます
※それと『水天日光天照八野鎮石』には「戦闘では飛ばして相手に叩き付ける事で攻撃する」「あらゆる宝具による攻撃や魔術をも軽減する障壁を発生させる事も出来る」という効果もあるそうです。(自分はEXTRA未プレイなのでそれらの効果は未把握です、場合によってはこの部分はなしにします)
3591
:
名無しさん
:2025/04/22(火) 15:07:54
>>3586
サーヴァントを失ったマスターなど取るに足らない存在だ。ゆえにシロッコは不遜な態度を隠さない
それがアズラエルを苛つかせる。相手は謎の存在を従えているが、ここで殺すしか自分の生きる道がないことも自覚している。
仮に誰かがキャスターを討伐したとしても、サーヴァントを持たないマスターなど聖杯戦争では勝ち目がないからだ。それに幸いにも相手は謎の存在こそ従えているが、アズラエルには武器はない。対してアズラエルには銃がある
妙に決断力のあるアズラエルは迷うことなく銃を発砲する――が皮肉にもここで才能の差が出てくる
アズラエルの行動をニュータイプ能力で先読みしていたシロッコは余裕の態度を崩すことなく、十二神将の一人を用いて銃弾を防ぎ同時に他の十二神将達にはアズラエルを襲わせた
これが戦闘能力のあるマスターならともかく、アズラエルには拳銃しかない。当然だが拳銃なんかで十二神将に対抗出来るはずもなく、アズラエルはシロッコの見下すような視線を感じて苛立ち、憎悪しながらも、ひとまず逃げ出そうとする
しかしここで不幸にもメアリーの一撃で片脚を負傷していることが災いして情けなく転んでしまう
そんなアズラエルを十二神将達は容赦なく襲い、ディエゴとメアリーとシロッコを怨みながら呆気なく命を落とした
何の因果か、コーディネイターを憎悪するアズラエルがニュータイプ能力者のシロッコに殺されるという皮肉的な構図だった
こうして間接的にもメアリーの復讐は果たされたことになる
【ムルタ・アズラエル@機動戦士ガンダムSEED 死亡】
3592
:
名無しさん
:2025/04/22(火) 15:08:25
>>3589
ソリテールの真名は太歳星君が普通に真名で呼んでたせいでもう周囲にバレてるから蓮子も普通に真名で呼ぶようになったんだよね
更に畳み掛けるように蓮子はソリテールに問い詰める
蓮子「キャスターが言ってた最も血の匂いが濃いっていう言葉も気になる」
3593
:
名無しさん
:2025/04/22(火) 15:09:05
>>3566
名護さん(レンくんを殺されたが……この魔力尽きるまで、俺の聖杯戦争は終わらない)
ピトフーイを殺した名護さんは、少しの間、感傷に浸った後――走り出していた。
レンを殺されたことは名護さんにとって悲しいことだ。彼女を殺したピトフーイに対する怒りは今でも消えない。
だがそれ以上に正義感が昂る。今の名護さんを突き動かすのは、レンが残してくれた魔力と己が正義感。
そして――
レン『名護さん。私、絶対にピトさんを止めるよ。こんな殺し合いは絶対に間違ってるから!』
(レンくんはピトフーイを止めることこそ失敗したが、その信念は本物だった。ならば俺がするべきことは、レンくんの死を無駄にしないために――キャスターの野望を止めることだ。そうだろ?レンくん、渡くん――)
脳裏に浮かべるのはこの聖杯戦争で散った少女――レンと共に協力してファンガイアと戦ってきた心優しい男――紅渡だ。
レンは最期まで聖杯戦争に否定的だったし、渡ならば必ずキャスターの野望を止めてみせるだろう。
ゆえに身体中の全細胞を正義が焚き付け、名護啓介は走り出す
3594
:
名無しさん
:2025/04/22(火) 15:09:45
霊地を5つ奪えたこと
そして今、ユウキ組が向かっていること。カズマ組は地獄兄弟が合流した後に向かうことをキリトと蓮子はカズマとユウキの連絡で知った
キリト(ユウキ――)
キリトはアスナが消滅した時のことを思い出す。
アスナにとって大切な存在、ユウキ。アスナとユウキはとても仲が良かった。
……だからこそキリトは悩む。
キリト(俺はユウキに、アスナの死をなんて伝えたら良いんだ……!)
ユウキにはアスナがサーヴァントとして参加していたこと、そしてアスナはユウキのために戦っていたこと。
そしてアスナが消滅したことを……伝えねばならない。
だがなんて伝える?
自分が遅れなければ、アスナは死ぬことはなかったかもしれないのに。
それにユウキがアスナとすごく仲良くなったことを知ってるからこそ、キリトはユウキにアスナの死をなんて伝えたら良いのか悩んでいた
3595
:
名無しさん
:2025/04/23(水) 16:35:34
ザンキなんだけどマヤと絆が生まれた結果、固有スキルである師弟の絆の条件を満たして筋力、耐久、敏捷がワンランクアップしてるんだよね
3596
:
名無しさん
:2025/04/23(水) 16:36:47
>>3593
そうして太歳星君と他のサーヴァント達が居る場所に名護さんは辿り着いた
しかしレンが同行してないことに美遊兄は疑問を抱いた
……過去に聖杯戦争に参加した経験のあるアルトリアはその意味を察していたが。
アルトリア「レンはどうしたんだ?アーチャー。たしかお前のマスターだろ?」
名護さん「……レンくんは、ピトフーイに殺された。だがレンくんの想いは、正義は――俺が引き継ぐ」
美遊兄「アスナだけじゃなくてレンまで死んだのか……」
美遊兄はレンと関わりこそ薄い。
なんなら聖杯戦争の当初はマスター狙いを検討していたくらいだが、実際に面識ある善良な少女が命を散らしたと知ると表情が曇る。
本来、衛宮士郎とは心優しい男だ。
しかし妹の美遊を幸せにするためだけに自分の世界で聖杯戦争に参加し、様々なサーヴァントと戦ってきた。
悪になってもいいと、心を鬼にして。
だがいきなりルールの違う此度の聖杯戦争に巻き込まれた。
とりあえず此度の聖杯戦争でも心を鬼にして願いを叶えるつもりだった。
だからマスター狙いも視野に入れていたが……いざ元の世界に帰りたがっていて、それでもなお自分の友人を止めようとした勇敢な少女――レンの死には心を痛める。
ピトフーイのことはレンの話でだいたいわかってる。……だからこそ狂人のせいでレンが犠牲になったと思うと流石の美遊兄でもキツい。
美遊兄(もうレンは元の世界に帰ることすら出来ないんだな……。あいつはただ元の世界に帰りたがってただけなのに……それでも勇気を振り絞ってピトフーイに挑んだ。……俺みたいな悪人とは大違いだ)
アスナを失い、レンを殺された。
(アスナもレンも……最期までいい奴だったな)
アスナは最期までマスター狙いには否定的なまま、消滅した。
レンも正義感を胸に戦って命を散らしたことは名護さんの様子を見ればわかる。
(正義、か――)
その言葉は、衛宮士郎にとって特別なもので。
しかし美遊を幸せにするためならと――切り捨てたはずのものだ。
美遊兄「アーチャー、俺にはどうしても叶えたい願いがある。……そのためならマスターを狙うことも厭わないつもりだったけど、考えが少し変わったよ。
レンみたいな善良なマスターは襲わない。だから――身勝手な頼みだと思うけどさ。俺と契約してくれないか?」
名護さん「その言葉から察するに、キミもバーサーカーを失ったのか……」
美遊兄「ああ。バーサーカーは……アスナは、最期まで自分の正義を貫いて死んだ」
名護さん「そうか……。たしかに俺が全力を出すためにもキミと契約してもいいが、キミの願いだけ聞いておきたい。答えはそれ次第だ」
美遊兄「俺の願いは妹を幸せにすることだ。……でも最悪、マスター達を元の世界に帰すだけでもいい」
元の世界に帰り、聖杯戦争に参加することで願いは叶えられる。
だから最悪、マスター達を元の世界に帰すだけでもいい。そこら辺は妥協しなければ契約してもらえない気もした。
名護さん「……わかった。キミと契約しよう、士郎くん」
美遊兄の瞳を見れば、彼の真剣さが伝わりその願いが嘘じゃないこともわかる。そして彼が邪悪な人間じゃないこともなんとなく理解した。
美遊兄「ありがとう、アーチャー。俺もお前がレンの意志を継いで〝正義〟を貫けるように出来る限りサポートするよ」
――そして名護啓介は衛宮士郎と契約を果たした。
一度は正義を捨て去った男が、正義を胸に戦う青空の戦士と共闘することを決意したのだ
3597
:
名無しさん
:2025/04/24(木) 01:39:11
>>3589
、
>>3592
ソリテール「ああ、その件ね。それは彼女達が聖杯を狙ってたみたいだから先手を打ったまでよ。あれ程の実力者と正面から戦いたくはない」
「血の匂いがするというのも、元々同じように自衛のために長い生の中で何人か手に掛けてきたわ。私だって死にたくはないもの」
蓮子「嘘。本当に自衛のためならマスターに報告しないはずがない。そうね直接話したくないのなら、ここからは――」
『――念話であなたの大好きな"お話"をしましょう』
ソリテール『……ええ、そうさせてもらうわ』
念話による対話、即ち蓮子にこの場でソリテールのことを直ぐには晒し上げる意図がないことを悟ったソリテールは意外にも素直に自身や魔族について語りだした
そこに合理的理由があった訳では無い。ただ目の前のマスターに自分の本性を話せばどんな反応をするのか見てみたかっただけである
3598
:
名無しさん
:2025/04/24(木) 05:32:12
>>3582
一護「ほんとに良かったのか?ユウキ。カズマ達と一緒に二条城を目指した方が安全だったんじゃねぇか?」
ユウキ「それはそうだね。でもカズマにも言った通り、キリト達が心配だからさ。キリトが死んだらボクにとって大切な存在――アスナが悲しむし、そんなのは嫌だからね!」
一護「なるほどな。まあお前もキリトも、この京都も――俺が護ってやるよ。だからちょっと急ぐぜ、ユウキ。振り落とされんなよ!」
ユウキ「うん!ありがとう、セイバー!」
一護はユウキを抱えながら瞬歩で二条城へ急ぐ
3599
:
名無しさん
:2025/04/24(木) 05:32:52
>>3588
ザンキ「俺は特にリベンジとかそういうのはないけどな。鬼の使命は人々を守ることだ。キャスター、お前が京都の人々を祟るというなら、見過ごしておけないな」
そしてザンキは鬼に――斬鬼に変身する
アタランテ「京都を祟られたら、マヤを始めとした愛すべき子供達が大量に命を落とす。それを阻止するためにもキャスター、汝はここで仕留める……!」
太牙「キャスター、お前は真衣の仇だ。それに放っておけば大量の被害が出る。そして俺の弟なら――間違いなくお前を放置しない。だから俺は戦う」
太牙はサガの鎧を纏った
3600
:
名無しさん
:2025/04/24(木) 05:33:33
>>3590
太歳星君と戦うザンキ、太牙、アタランテだがその中で最も弱いのはマスター不在で負傷も大きな太牙だった
サガのスペック自体は決して低くない。しかし前回の戦闘の負傷が癒えてないので全力を出し切れない
太歳星君「どうした、以前よりも弱くなったか?鎧のアサシン」
太牙「くっ……!」
太歳星君の攻撃を受け、片膝をつくサガ。
宝具ですらないただの一撃がここまで重く感じるのは、やはり太牙が既に重傷というのが大きい
太牙(俺は――このまま何も出来ないというのか!?)
現状が悔しくて、太牙はサガの鎧――マスクの下で歯噛みする
しかしそんな太牙に不思議と力が湧き上がる。
それに重傷だったはずの肉体が、不思議と回復していく
太牙(これは――)
玉藻の宝具による効果だ。
だが太牙は、そこで渡と真衣を思い浮かべる。
太牙(渡……。お前なら、こんな時も諦めないはずだ。弟のお前のおかげで……俺は変われた)
ゆえにサガは立ち上がり、ジャコーダーで太歳星君へ猛攻を仕掛ける
急に動きが良くなった太牙に、太歳星君はまだまだ楽しめそうだと喜ぶのだった
3601
:
名無しさん
:2025/04/24(木) 05:34:37
太歳星君戦が始まって真っ先に攻撃を繰り出した
太歳星君だがアタランテが追い込みの美学により天穹の弓(タウロポロス)で彼をも上回る速度で攻撃する
耐久の低い太歳星君は存思で身体能力を上げようとするが、先程の戦闘の負傷で動きが鈍っていた影響でアタランテの一撃が先に命中した
もっともあまり引き絞ってない攻撃ゆえにそこまで大したダメージは無かったがその一撃に攻撃を阻まれ、集団戦ではアタランテも十分に厄介だと太歳星君は認識するのだった
なにより自分の攻撃速度を上回ったのが面白い
3602
:
名無しさん
:2025/04/24(木) 06:26:27
>>3600
ただし、マスターという要石があってこそサーヴァントは十全に戦えるので、単独行動スキルでギリギリ留まっている太牙は舞衣がいた時より本来のスペックを出せずにいる
玉藻の前の宝具が加わって魔力事情が多少緩和されてもやはりマスター不在では厳しい事には代わりない
それでも、仇討ちのために無理やり奮い起たせて己が霊基を燃やし尽くそうとも太歳星君に追い縋ってみせる太牙であった
3603
:
名無しさん
:2025/04/24(木) 06:54:16
>>3596
(念のための確認ですが、一番最初の台詞はアルトリアではなく美遊兄ですよね?)
3604
:
名無しさん
:2025/04/24(木) 07:48:17
>>3603
(すいません、当初はアルトリアに何か言わせるつもりでアルトリアのままになってたけど美遊兄です)
3605
:
名無しさん
:2025/04/24(木) 20:01:05
一護がユウキを抱えて瞬歩で二条城へ向かってる最中、カズマ組も急いで走り、なんとか合流を果たした
矢車さん「待たせたな。相棒、カズマ」
影山「おかえり、兄貴!よし、俺達も急いで二条城へ向かおうぜ!」
カズマ「おーおー、弟は随分とやる気に溢れてるなぁ。どこぞの兄と違って」
矢車さん「……今、俺のことを笑ったか?」
カズマ「はいはい。笑ってない、笑ってない。とりあえず弟の言う通り城に急ごうぜ」
矢車さん「ああ、わかってる……」
カズマ「珍しくやけにものわかりがいいな。何か変なもんでも食ったのか?」
矢車さん「マスターのカズマが死んだら、俺も困るからな……」
こうしてカズマ組も二条城へ向かうのだった
3606
:
名無しさん
:2025/04/26(土) 12:06:27
名護さんは美遊兄達から太歳星君の性能を知ってる限り教えられた
これは太歳星君に挑む前のザンキ、太牙、アタランテ、玉藻の前も同じだ
太歳星君がそれを妨害せず、許容したのは彼の性格ゆえである
3607
:
名無しさん
:2025/04/26(土) 12:07:06
名護さん、サガに変身して戦ってる太牙を目撃して軽く驚いたんだよね
名護さん(アレは、登太牙か?まさか彼も聖杯戦争に召喚されたというのか!)
もっとも名護さんと太牙はお互い最終回後というのもあり、もう敵同士ではない
ゆえに名護さんは太牙の存在が頼もしくすら思えた
3608
:
名無しさん
:2025/04/26(土) 12:08:18
>>3602
まあそれもあって、本調子じゃないからやっぱり太牙が一番弱くはあるんだよね
しかし扉が勢いよく開いた音を聞き、チラリとそちらを見れば自分の知る青空の戦士――名護啓介がサーヴァントとして駆け付けてきたことを知った
太牙(名護も参加していたのか。それなら何があってもあいつに託せる。渡の信じる男、名護啓介に――!)
そして太牙はここで更なる覚悟を決める。
魔力の消耗だとか、そんなことを気にしている暇はない。
それに魔力が玉藻の前の宝具で回復する今だからこそ、本気を出すしかない
太牙「キャスター――いや、太歳星君!王の判決を言い渡す。――死だ」
ジャコーダービュートが太歳星君へ迫る。
物理的な技を回避したり、防御する技は太歳星君になく、当然ながら避けようとする
ザンキ「アサシンはもう先が短い。そんなやつが全力で戦ってるんだ。俺も気合いを入れなきゃな」
――ザンキが攻撃を加えた。
更に弓をかなり引き絞っていたアタランテが太歳星君へ追撃。2つの攻撃を受けた太歳星君は存思で身体能力と回復力を強化しようとしたが、先程の戦闘によるダメージで動きが鈍り――ゆえに直後に迫るジャコーダービュートを躱しきれず、胸に突き刺さった。
そしてサガはそのまま太歳星君を吊るし上げる。
上空には紋章が出現、太牙は自身の魔皇力を直接送り込む。
魔皇力とは呪術でも魔力でもない。
ゆえに太歳星君は対策出来ず、サガの必殺技――スネーキングデスブレイクを受けたのだ
しかしそれでもなお、太歳星君は消滅しない。耐久が低いゆえにスネーキングデスブレイクが直撃したことで多大なダメージを受けたが、それだけのこと。
太牙「これでもダメか。それなら――」
太牙が一瞬だけ変身を解除し、その直後に闇のキバに変身する。
出し惜しみして勝てる相手じゃないことを理解しているが、スネーキングデスブレイクまで耐えられるとは思わなかった。
ならばこそ、消滅が早まるリスクがあろうとも最大限の力を発揮出来る闇のキバに変身するのみだ。
運の良いことに玉藻の前の宝具で魔力は回復してゆく。おかげで魔力による消滅という意味では、多少は寿命が延びた。
もっとも今、戦っているメンバーで一番傷を負ってるのは太牙だし闇のキバに変身したことでかなり魔力を消耗したのには変わりないのだが。
3609
:
名無しさん
:2025/04/27(日) 04:01:21
>>3608
マヤ(太牙が闇のキバになっちゃった……)
マヤ達は太牙から性能を聞いた際、闇のキバに変身したら消滅が早まることを聞いていた
ゆえに太牙がダークキバに変身した途端、マヤの表情が曇る。
たとえサーヴァントといえども、異能が存在せず平和に暮らしてきたマヤにとっては人間とほとんど変わらない。
そんなマヤの表情の変化に真っ先に気付いたのは子供に優しいカブキだ。
カブキ「マヤ。そんな表情してどうしたんだァ?」
マヤ「どうしたって……このままじゃアサシンが死んじゃうよ!」
カブキ「そうだなァ。でもあいつにはこの戦いで死ぬ覚悟がある。だから俺達に真名を教えたんだ」
マヤ「それは、そうかもしれないけど……!」
カブキ「わかってるなら、応援して、アサシンの覚悟を見届けてやることだなぁ。俺達にはそれくらいしか出来ねぇ」
マヤ「……わかったよ」
自分が戦えないことを悔しく思い、自分の無力さを痛感しながらも――太牙の覚悟を無駄にしないためにマヤは叫ぶ
マヤ「アサシン〜!がんばれ〜!」
3610
:
名無しさん
:2025/04/27(日) 06:18:52
>>3597
ソリテールの告白を蓮子は驚き半分、納得半分で受け入れた。周囲の反応から正統な英雄ではないことを薄々予感していたが、これ程までに危険な存在とは予想外であった。蓮子が召喚したサーヴァントは文字通りの人でなしであったのだ。
『私のお話はこれでお終い』
『……それで、これからどうするつもりかしら。私を令呪で服従させる?それとも――自害でも命じてみる?』
――断頭台のアウラのようにね
念話を飛ばすソリテールの表情は一切変わらないが、心なしか威圧感が増したように思える。
だが、臆してはいけない。ここからが大事だと蓮子は自分に言い聞かせた。
『生憎と私が求めるのはどちらでもないわ。私が求めるのはあなたとの交渉よ』
『ソリテール。幸いこの聖杯戦争であなたはまだ人を手にかけていない。サーヴァントだけを攻撃対象に限定して今後も私達に協力することを約束するなら、私も令呪であなたを切り捨てるつもりはないわ。勿論、約束を違えるなら容赦しない』
3611
:
名無しさん
:2025/04/27(日) 15:45:35
>>3610
蓮子の提案にソリテールは首を傾げた。
一人でも戦力が欠ければ全滅しかねないこの土壇場で自害の命令を出されない公算はあったが、服従の令呪を使われないのは意外だった。
『へえ、今の話を聞いても随分余裕なのね。魔族が怖くないのかしら』
『あなたはとても恐ろしいし、私が見てない所で随分とんでもないことを仕出かしてくれたとも思ってる。……それでも今は可能な限り一人でも多くの戦力が必要なの。あの神様や私達をこの聖杯戦争に招いた仕掛け人を相手にするにはね』
『それでも服従くらいは令呪でさせるべきじゃないかしら。例えばそう、"悪意を持つな"とか』
『冗談きついわ。最初から無い物に持つなも何もないでしょ……それにやれるならやってるわよ。私覚えているのよ、あなたがした令呪の説明。マスターの能力で令呪の効力は変わるってね』
令呪はサーヴァントへの絶対命令権であるが、その効力はマスターによって上下し、長期間の命令や曖昧な命令では効力が下がる。対魔力などの抵抗を可能にするスキルをサーヴァントが有しているなら尚更である。
ソリテールは対魔力こそ持たないが卓越した術理解明スキルを有している。七崩賢のように絶対性を持つ魔法を有していない彼女を彼らと同格足らしめる最大の要因。短時間で術式を理解し対応、時にはその術式を己のものにしてしまう。
元来魔族は個人主義。束縛を嫌うソリテールが令呪の仕組みを解析していないはずがない。対魔力を持たないが故に短期間なら効果を発揮するだろうが、魔術師ですらない蓮子が絶対服従のような長期にわたる命令をした所でいつかは必ず解除されることを蓮子は理解していた。
令呪を重ねがけすれば話は別だろうが生憎と残り令呪は一画のみ。それを理解しているからこそ先程からソリテールは蓮子に令呪の使用を勧めているのだろう。全ては自身が自由を得るために。
『少しお話し過ぎたかしら。やっぱり面白いね君。でも魔族が強制力を持たない約束を守ると本気で思ってる?
――それにいざという時、自害させる隙を与えるとでも?』
『思ってないわ。でも、あなたは約束を守らざるを得ない。もし先んじて私を殺したらあなたは消えるしか無い。利己的な理由でマスターを殺す奴なんて危険すぎて乗り換えたいと思うマスターはまずいないもの』
『令呪の宿った腕を奪おうとしても同じよ。マスターに牙を向いた危険人物としてこの場に集ったサーヴァントから集中攻撃を受けることになる。ただでさえ色んなサーヴァントから警戒されてるしね』
『少なくとも利害が一致してる間は、そんなリスクを犯してまで裏切るメリットはない。話を聞く限り魔族はすぐに嘘を付くし善悪も存在しない人喰いの怪物だけど自分の欲望に対しては実に素直みたいね。ソリテールだってこの宝の山みたいな世界に一秒でも長く留まりたいでしょ?』
一気に捲し立てる蓮子にソリテールは苦笑する。
個人主義の魔族が他者に協力するケースは原則二つのみ。一つは絶対的な力による恐怖。かつて魔王はその圧倒的な力により魔族を軍として束ね統率した。
もう一つは利害の一致。七崩賢の一人、黄金郷のマハトはとある目的から一都市の領主に長年協力していた。
ソリテールといえども自殺志願者ではない。長く愉しむためにもある程度の妥協は必要だった。
『そうね、蓮子が言う通り私もこの場で他のサーヴァントを敵に回して生き残れると思える程自惚れていないわ。
それに他の世界から集められた人間達を観察できる機会を棒に振りたくはないもの』
『それにしてもこの世界を宝の山と称するなんて素敵ね。やっぱり君の"好奇心"が縁になって私が喚ばれたのは間違いないみたい』
『物凄く遺憾なことだけど…ね』
あまり認めたくないが、ソリテールは自身に充てがわれただけあって共通する点が少なくないことを蓮子は認めていた。
飽くなき探究心とそれを満たす為の行動力。
――そして危険を承知の上で好奇心を満たそうとする性(サガ)。
『私にとってこの聖杯戦争は恐ろしくもあったけど魅力的でもあった。非科学的な幻想の産物として存在を否定された者達と直接触れ合うことができる貴重な機会だったから』
蓮子はユウキ達と異なり純粋な正義感だけで聖杯戦争の秘密を暴こうとしているのではない。
未知という名の花を求め、封じられた秘密を暴き、幻想を真実に、夢を現に変える秘封倶楽部の延長線上の活動といえた。
『ふーん、じゃあ太歳星君の討伐に積極的に志願したのは…』
『そうよ、察しの通りこの眼で見たかったの。幻想に消えた英雄や神様が織り成す神秘を。勿論、戦力的にベストな戦力配分であることが大前提だったけど』
『…ふふ、私も魔族の中では変わり者の自覚があるけど、君も中々どうして…流石は私を召喚したマスターといった所かしら?』
『狙って召喚した訳じゃないし、あなたに褒められてもちっとも嬉しくないけどね』
蓮子の告白にソリテールもまた得心がいった。当初は魔術の心得もない平凡な人間だと思っていたが、考えてみれば自分を召喚できてしまうような人間がまともであるはずがない。
かつて太歳星君に挑んだとある男女が"恐怖愛好家"であったように蓮子もまた重度の"神秘愛好家"とでも言うべき本質を持っていたのだ。
十分お話したことでそろそろ乗り換えを考えていたが、もうしばらくは観察を楽しめそうだとソリテールは思った。
『分かったわ、取り敢えずはあなたに協力してあげる。まさかこの私がマハトの真似事をするなんてね』
『でもサーヴァントだけが攻撃対象ね…"アサシンらしい"運用はしないのかしら。その方が効率的だと思うけど?』
『…何を言われようが、その一線を越えるつもりはないわ』
蓮子は暗に敵マスターの暗殺を勧めるソリテールにきっぱりとNOを突きつけた。
蓮子とて殺人は心の底から忌避している。例え相手のマスターが悪人であったとしても、自分が直接手にかける訳ではなくとも。実際太歳星君討伐の作戦会議中もマスター暗殺の案は決して出そうとしなかったのだから。
倫理観。それが人並み程度にはある蓮子と最初から存在しないソリテールを隔てる最大の一線。或いはこの一線を容易に踏み越えた人間を昔の人は"妖怪"と呼んだのだろうか…。
『頭の回る君がそこまで非効率に拘るなんて興味深いわ。まあ私にとってはどちらでもいいけど。それじゃあ改めてよろしく』
『…ええ、よろしく』
ソリテールから差し出された手を一瞬躊躇いながらも蓮子は握り返した。恐ろしく冷たい手を。
何にせよ利害の一致で協力関係を築くことが出来たが、油断はできない。魔族は本質的に人間と共存不可能な種族。頼れる相棒には決してなり得ないのだから。
『この最後の令呪があなたの命を絶つことに使われないことを祈るわソリテール』
『私も君の死に顔を見届けるのはそれなりに後にしたいと思っているよ蓮子』
3612
:
名無しさん
:2025/04/27(日) 15:58:30
夏油(私のキャスターでは他のサーヴァントを支援するのが精一杯か)
他のサーヴァント達を支援するという選択をした玉藻の前を見て夏油はそう判断する。
もっとも今回の相手は玉藻の前にとっては天敵のような存在だ。下手に呪術で攻撃したら逆に危ういし、その判断が間違ってるとは思わない
夏油(彼女の判断は正しいが……支援するだけなら私がここにいる必要もないかな)
マスターは状況に応じて令呪でサーヴァントをサポート出来るが、支援に徹するなら特に支援する必要もない
ゆえに夏油は歩き出すが、そこをマヤに呼び止められる。
マヤ「夏油先生、どうしたの?」
夏油「私には私のやるべきことがあるだけさ、マヤちゃん」
マヤ「夏油先生のやるべきこと……?」
夏油「さっきの死体からしてこの城には危険なマスターが潜んでる可能性がある。そいつを倒すだけだよ」
マヤ「それなら、私も……!」
夏油「マヤちゃんには自分のサーヴァントのサポートをしながら、彼が言ったように〝鬼の戦い〟を学んでほしい。私のサーヴァントは支援に徹するはずだから、フリーになった私が動く」
マヤ「でも、夏油先生一人じゃ危ないよ……!」
夏油「私はこれでも元々〝最強〟だったんだ。それでもマヤちゃんは信じられないかな?」
カブキ「……行かせてやれ、マヤ。俺達は俺達に出来ることを、夏油は夏油がやるべきことをするべきだ」
マヤ「……わかったよ。でも絶対に戻ってきてね、夏油先生!」
夏油「大丈夫だよ。私は〝最強〟だからね」
そう言って夏油だけ別行動に出る
その理由をマヤ以外のマスターは察していた。
夏油の目的。
それは太歳星君のマスターを見つけ出し、倒すことだ。
そうすることで太歳星君は消滅するだろうし、リベンジを果たしたことになる。
そしてこういう役割は自分こそ向いてるだろうと理解しているからこそ、夏油は動き出したのだ
3613
:
名無しさん
:2025/04/27(日) 17:36:10
>>3608
太歳星君「ははは…いいぞ!これ以上なく追い詰められている…!」
太歳星君「滾らせるじゃないか…!」
スネーキングデスブレイクを受けて大ダメージを受けたはずなのだが未だ余裕を崩さず、むしろ愉しんでいる太歳星君は一旦下げていたギアを再び上げ始める
一方で太牙・ザンキ・アタランテは相手の態度に警戒しつつも攻勢を掛けるべく再度攻撃を仕掛ける
再び複数の矢が目にも留まらぬ速さでその身体を射止めようとし、太牙はさらに強力な必殺技・キングスバーストエンドを放ち、ザンキも音撃技『音撃斬 雷電斬震』を太歳星君に打ち込もうとする
だが太歳星君は再び陰陽術を使用、「六壬神課」でアタランテの攻撃を躱し、自身の姿を霊から知覚できなくさせる「護身隠行法」で太牙の必殺技を不発に終わらせ、「呪縛呪」で烈斬を突き刺そうとしたザンキの動きを止めてしまった
ザンキ「なに…っ!」
太歳星君「悪くはなかった、がまだ足りないな!」
そして太歳星君は多数の消滅の凶星を纏わせて体術を繰り出し、目の前にいたザンキに致命傷を与えた
3614
:
名無しさん
:2025/04/29(火) 06:19:28
>>3613
多数の消滅の凶星を喰らったザンキは、アスナやディエゴのように間もなく消滅するはずだ
そう確信した太歳星君は他のサーヴァントを狙おうと考える
マヤ「師匠!!」
カブキ「落ち着け、マヤ!」
マヤ「落ち着いてなんていられないよ!だって師匠が、師匠が……!」
今にも走り出そうとするマヤをカブキは力づくで抑える
同じ鬼でありながら、マヤのサーヴァントと共闘出来なかった悔しさに歯噛みしながら。
そしてマヤの声はアタランテにも届いていた。
アタランテ「マヤのことは任せたぞ、カブキ!」
サーヴァントが全滅したら京都の子供達やマヤが死ぬ。
ゆえにこの戦をなんとしても勝たなければならないアタランテは、確実に宝具を当てられそうな策を思い付きあろうことか弓を引き絞りながら、前線に出る。
そんなアタランテの動きを呪縛呪で止めるが――その時には既にアタランテが『訴状の矢文(ポイボス・カタストロフェ)』を発動していた
太牙やザンキに当たらないようにアタランテ自身の意志で範囲を狭めた光の矢が太歳星君のみに降り注ぎ、命中する
更にダメージが蓄積する太歳星君だが、ソレすらも愉悦
そして弓矢を自在に扱うアタランテの存在を厄介でありながらも愉しく感じた太歳星君は光の矢を食らいながらも、消滅の凶星を複数アタランテに放つ
アタランテはその凄まじい威力に、吹っ飛んでしまう
残るサーヴァントは太牙のみ。
呪縛呪を使い、動きを止める。
太牙「くっ……!」
アルトリア「このままではまずい!イオリ、私も――」
――しかしその瞬間、誰もが驚いた
致命傷を負ったはずのザンキが走り出したからだ。
ザンキは戦闘続行スキルにより、未だに息があった
咄嗟に対応しようとする太歳星君だが、美遊兄達から相手の能力の説明を受け終えた名護さんがイクサに変身して駆け付け、イクサカリバーによる猛攻で太歳星君に隙を与えない
そして斬鬼は烈斬を太歳星君を突き刺し、音撃斬 雷電斬震を発動。今度こそ必殺技が決まったのであった
それでもなお太歳星君は倒せず、再び消滅の凶星をザンキに放つが――勢い良く扉が開かれる音が聞こえ
「月牙天衝!!」
月牙天衝により、消滅の凶星が相殺される
一護「わりぃ、待たせたな」
ユウキ「すごい!いろんなサーヴァントが勢揃いしてる!」
――ユウキ組、参戦
カブキ「良かったな、マヤ!まだお前のサーヴァントは無事だ!とりあえず令呪を使えば少しくらい回復するんじゃねぇか?」
マヤ「わ、わかった!令呪で命ずる!師匠の……オニの傷を回復させて!」
ソリテールの時のように、ザンキもまたマヤの令呪で致命傷から回復する
ザンキ『ありがとうな、マヤ。どんな逆境でも諦めない。――それもまた鬼として大事なことだ』
マヤ『うん!わかったよ、師匠!』
3615
:
名無しさん
:2025/04/29(火) 07:28:29
>>3614
太歳星君「さすがは名だたる英雄たち、そう簡単に仕留められないか…そろそろ頃合いだな」
太歳星君は闘志尽くさず一護達と戦闘を続けるが、さすがにダメージの蓄積もあり身体の鈍りを感じていた
これでは満足できる死闘も難しいと判断し、シロッコに念じて神言を送る
太歳星君『シロッコ、令呪二画だ。その魔力源を神の霊力として焚べろ、その上で最後の宝具を解放する』
シロッコ『御意、御心のままに』
この時、シロッコもまた身体の辛さを感じ始めていたところであった
二条城という霊地を陣地かしたことで幾らかは魔力供給の負担は減ったものの、ここまでの激戦を続ければ消耗するのは必須であった
だが神の依り代として己が身体の変調を口にすることはしなかった
シロッコ『令呪をもって命ずる。令呪の秘めた力、それをキャスターに捧げよう』
シロッコ『重ねて令呪をもって命ずる。真なる御業を示したまえ』
シロッコは躊躇いなく令呪二画を使用し、契約の証である痣が消えると同時にその身にのし掛かる重荷が軽くなる感覚を得ていた
令呪の効果で太歳星君に膨大な魔力が巡ったためシロッコからの魔力供給も和らいだのだろう
そして太歳星君は『族滅の化身』を解放し、全てを滅する超高密度な光を纏っていた
3616
:
名無しさん
:2025/04/29(火) 14:59:01
>>3615
アルトリア「キャスターの様子が変わった!?」
アリス「これは……何かありそうですね……」
太歳星君の様子の変化に控えていたアルトリアとアリスすらも危機感を覚えた
アルトリア「イオリ、私はもう十分に回復しました。前線に復帰します!」
アリス(相手は圧倒的に強いですが、このキャスターを倒さなければキリトは殺される。ならば……!)
アリス「キリト、私も戦線に復帰します!今のキャスターは全力で迎え撃った方が良さそうです!」
そしてアルトリアとアリス、二人の女騎士が戦線に戻る
マスターが死ねば困るのはソリテールも同じで、彼女もまた戦線に戻った
3617
:
名無しさん
:2025/04/30(水) 01:12:58
族滅の化身を解放した太歳星君が真っ先に狙ったのは、意外にも玉藻の前だった
太歳星君「お前だけあまり何もしてないな。英霊になったからには強いはずだ。その強さを試してやろう」
そして玉藻の前に凄まじい勢いで接近する太歳星君
しかし一本の弓矢がそれを妨害した
限界まで弓を引き絞っていたアタランテが追い込みの美学により相手を上回る速度で弓矢を放ったのだ
ちなみに彼女が立ち上がり、弓矢を引き絞れたのはカブキが令呪で回復させていたからだ
太歳星君「はははは!面白いな、お前!」
アタランテの強さを認め、愉しい相手だと考えた太歳星君はアタランテに迫り、光のオーラが触れるとアタランテが昏倒して地に伏した
そのままトドメの一撃を受け、アタランテが消滅間際になる
3618
:
名無しさん
:2025/04/30(水) 01:37:00
複数の消滅の凶星が直撃したアタランテは致命傷を負ってしまった
アスナがそうだったように、こうなったらもう助からない。
肉体が消滅しかける中、それでもアタランテは最後まで弓を引き絞って太歳星君へ向けて放った
その一撃は見事なもので太歳星君に炸裂したのを見届けてからアタランテはこの世を去った
【アタランテ@Fateシリーズ 消滅】
3619
:
名無しさん
:2025/04/30(水) 04:14:42
>>3617
この太歳星君の襲撃は玉藻の前の宝具『水天日光天照八野鎮石』の効果が切れていたタイミングと重なっていたんだよね
玉藻の前は再度宝具を使おうか考える暇もなく襲われたからしばらくHP回復と魔力供給の効果を展開できない状態に
というか生前にはないキャスターの特性「陣地作成」の恩恵で玉藻の傍に転移するとか太歳星君容赦ねー
3620
:
名無しさん
:2025/04/30(水) 08:05:37
太牙(きっとこの攻撃が最後になるが……それでも俺は――)
脳裏に浮かべるのは自分が守れなかった少女、舞衣。
そして自分に大切なことを教えてくれた弟――渡。
太牙「キャスター!これが俺の全身全霊を込めた、最後の攻撃だ!お前に受け切れるか……!」
太牙の言葉を聞き、太歳星君は心底楽しそうに笑う
『ウェイクアップ2』
名護さん「アサシン、君はまさか……!」
太牙「あいつがどれだけ強化されたのか、俺が確認する。みんなはそれを見届けてくれ」
ザンキ「……わかった。アサシン、お前の最期は無駄にはしない」
ザンキも名護さんも、アルトリアやアリスでさえも太牙の決意を見届ける
太歳星君相手に不発に終わった必殺技だが今度こそ当てるという決死の覚悟を胸に――キングスバーストエンドを使う
自分に向けて繰り出された跳び蹴りを、太歳星君はあえて避けない
サーヴァントの死に際の一撃だ。期待せずにはいられず、族滅の化身状態の太歳星君と僅かに拮抗
カズマ「遅れたけど俺達もきたぞ。……ってすごい状況だな」
影山「これがサーヴァント同士の本気の戦いか……!」
矢車さん(俺達が来るまでにサーヴァントの数は減ってそうだが……あのキャスターを倒さなければいけないのが厄介だな)
そして光のオーラに触れた瞬間、太牙に激痛が走る
太牙「う、ぉおおおお――!」
それでも気合いを入れて乗り切ろうとする太牙だが、気が付けば血にひれ伏して戦闘不能になっていた
太牙「みんな……光のオーラに気を付けろ。これは、かなり危険だ……」
その言葉を最期に太牙の消滅は始まっていた
太牙(名護、後は託した。渡、俺は――)
最期に思い浮かべるのはやはり弟、渡の顔。
太歳星君という巨悪こそ倒せなかったが、どこかやり切ったような表情で太牙は逝く
【登太牙@仮面ライダーキバ 消滅】
3621
:
名無しさん
:2025/05/02(金) 11:32:56
単独行動していた夏油は遂にシロッコを発見する
夏油「や。君がキャスターのマスターかな」
皮肉にも十二神将の存在がシロッコが一般人ではないことを物語っていた
3622
:
名無しさん
:2025/05/02(金) 20:01:49
>>3620
太歳星君「見事な一撃だったぞアーチャー、アサシン。だが僕を落とすには至らなかったな」
アタランテと太牙の最期の一撃は確かに太歳星君に届いていた
その証拠に太歳星君の左腕はアタランテに射抜かれ千切れ飛び、右腕は太牙により無残に拉がれていた。最早手で印を結ぶことは叶わないだろう。これで披甲護身(無敵)、呪縛呪(金縛り)、護身隠行法(透ける)は封じられた
未来視による回避も陰陽術による透過も許さない速度だからこそ成し得た結果である
ソリテール「外傷はないけどアサシンが光に触れた瞬間、霊基が致命的な損傷を受けた…」
「本質は消滅の凶星とやらと同じね。超高密度のそれを全身に纏うことで生半な攻撃は打ち消され、触れれば致命の攻防一体の技と化した」
アルトリア「だが、無敵ではない。アーチャーとアサシンの一撃は確かに届いた」
「それにあれ程の魔力の放出、令呪を使用したとしても長期間の維持は不可能なはずだ」
淡々と『族滅の化身』について分析するソリテール
高密度の消滅の凶星は素粒子大の消滅効果を齎す。外傷こそないが霊体であれば霊基を、生身であれば遺伝子を破壊し尽くし次代に生命を繋ぐ力すら無慈悲に奪い去る。これこそが太歳星君が司る"族滅の祟り"の正体である
無敵の矛と盾を体現したような技だがアルトリアが看破したように決して完全無欠ではない
アタランテと太牙の一撃が通ったように消滅波を突き破る破壊力があればダメージを与えることが出来る。さらに、神威の象徴とでも言うべきこの形態はサーヴァントまで霊格が落とされている以上あらゆる手段を用いても長時間の維持は不可能
アルトリアは長期戦に活路を見出していた
太歳星君「くくく…その通りだ。この状態を維持するのは中々骨が折れる…」
「もう少し遊んでいたいが、一気に決めさせてもらおう」
太歳星君の言葉とともに極光が渦を巻く。宛ら広大な銀河を思わせる様相を見せ――
「棒旋星系…族滅の化身…重なり交じり合え…」
『螺旋星雲』
――この場の者全てを飲み込む規模の銀河の渦が放たれた
3623
:
名無しさん
:2025/05/03(土) 01:10:52
>>3622
この大規模な攻撃に対応出来る者は限られてくる
アルトリア『イオリ、このままでは全滅を免れません。令呪を使用して宝具を強化してください!』
アルトリアの念話を聞き、伊織は令呪でアルトリアの宝具にブーストをかける
そしてアルトリアは他のサーヴァント達より一歩前に出る
アルトリア(これで対処出来るかわかりませんが……やるしかない!)
意を決したアルトリアは3度目の宝具を使用する
「約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!」
螺旋星雲とエクスカリバーが激突する……が、まだ少し威力が足りない
アルトリア『仕方ありません。イオリ、3つ目の令呪で更に宝具を強化してください!このままでは誰もキャスターに勝てない!』
アルトリアの言葉を聞き、伊織は重ねて令呪で宝具の強化をする
するとエクスカリバーが螺旋星雲を呑み込み、太歳星君の攻撃は失敗に終わる
振り向けばサーヴァントもマスターも全員無事で、アルトリアは胸を撫で下ろした
前に出たことで螺旋星雲に少しでも触れたアルトリアはかなりのダメージを受けたが、ひとまず危機を乗り越えたことは確かだ
3624
:
名無しさん
:2025/05/03(土) 03:20:32
>>3621
「やれやれまいったな……」
遭遇後に互いを敵と認識して戦闘になった夏油とシロッコ
追い込まれているのは夏油の方であった
十二神将は夏油でも一対一であれば十分撃破可能なレベルの力しか持たないが如何せん数が数。十二対一では流石に天秤はシロッコ側に傾く
「たった一人で来るとは甘く見られたものだ。マスターが狙われる想定をしていないとでも?せめて他のマスターでも連れてくればここまでの無様を晒さずに済んだだろうに」
嘲笑するシロッコに夏油も苦笑で答えた
「まさか。困ったことに他のマスターは甘ちゃんばかりでね。残念ながらこんな事が出来るのは私だけだったのさ」
「だから一人で立ち向かうと…尚更愚かだな。一時の感傷で判断を誤り命を落とす。貴様のような俗人に相応しい最期だ!」
「ほざけ、私の運命を猿が勝手に決めるなよ!」
3625
:
名無しさん
:2025/05/03(土) 13:51:21
>>3623
「まさか、これを凌ぎ切るとはな…!」
勝負を決するつもりの大技を凌がれたことでさしもの太歳星君も驚愕する。さらに螺旋星雲による消耗で全身に纏う光の波が弱まった
全滅の危機は一転して反撃の起点となったのだ
「今だ!!」
「くっ…!」
太歳星君の機先を制し、集ったサーヴァント達の一斉攻撃が襲いかかる。負けじと太歳星君も反撃に移るが想定を越えた過度の魔力の消費によりその動きは鈍い
そして過度の魔力の消耗は自らの眷属――即ちマスターであるシロッコと十二神将のコンディションにも影響が出ていた
3626
:
名無しさん
:2025/05/03(土) 18:27:49
>>3625
「あいつらが今回の聖杯戦争の参加者達か。茅場はあのキャスターを倒さなければ京都に祟りが起きて、マスター共々皆殺しになると言ってたな」
エクスカリバーと螺旋星雲の激突により城の一箇所に穴が空き、そこから一人のサーヴァントが戦場を眺めていた
彼の名は、秋月信彦。クラスはアヴェンジャーだ
3627
:
◆QUsdteUiKY
:2025/05/04(日) 14:00:08
『マイキー。目的のキャスターは発見出来たが、どうする?』
『どうするも、こうするもねぇだろ。俺達は優勝するって決めたんだ。それを邪魔する奴には――わりィけど退場してもらう』
『そうか。お前ならそう言うと思っていた』
そして信彦とマイキーは合流を果たし、太歳星君や多数のサーヴァント・マスターのいる城内に入る
コツ、コツ、コツ――と。
足音を隠すこともなく、威風堂々と
3628
:
名無しさん
:2025/05/04(日) 17:15:58
>>3624
シロッコ「何!?体が……!」
十二神将に追い詰められた夏油。とどめを刺されかけた瞬間にそれは起こった
突如シロッコは凄まじい疲労感と虚脱感を覚え動くこともままならなくなる。シロッコのみならず十二神将もまるでブリキ人形のような鈍重な動きになってしまった
シロッコ「おのれ…魔力か……!」
直ぐにそれが太歳星君による魔力の消費により齎された現象だとシロッコは気づくが令呪を使い切ってしまった以上、シロッコに出来ることは何もなかった
――今しかない!
自身に纏わりついた十二神将の群れを游雲で打ち払い駆け出す夏油
太歳星君との初戦でこの世界で得た呪霊のストックも殆ど使い切ってしまった以上、決着を着けるには游雲による近接戦が最も確実。全力疾走でシロッコとの距離を一気に詰めていく
シロッコ「くっ…!動け十二神将!私を守れ!」
シロッコの号令にぎこちない動きながらも十二神将が彼を庇うように立ち塞がる。しかし、夏油は足を止めない。ここで足を止めれば犬死にするしかない故に
游雲を振り回し1体、2体、3体と十二神将を弾き飛ばし距離を詰める夏油だが、当然無傷とはいかず反撃により大小様々な傷を負う。さらにシロッコも護身用に隠し持っていた拳銃で援護射撃を行うが、呪力によるガードで必要最小限の傷に抑えた夏油は尚止まらない
全身傷だらけになろうが致命傷さえ負わなければ問題ないのだから
夏油「お前の言う通り、確かに今の私は愚かだ」
夏油「…でも不思議と今だけは心の底から笑える気がするのさ」
最後の十二神将を打ち倒し、シロッコを射程内に収めた夏油は憑き物が落ちたような〝笑顔〟とともに游雲を一気に振り抜いた!
シロッコ「うおあああ……!!」
腹部を打擲され凄まじい形相で断末魔の叫びを上げるシロッコ
ニュータイプといえども肉体的には常人と何ら変わりなく、全力で特級呪具である游雲に打ち据えられて耐えられる訳がない。明らかに致命傷だった
ガクリとその場に崩れ落ちるシロッコだったがその目はまだ死んでおらずある一点を――サーヴァント達と太歳星君の戦場を憎悪の籠もった目で睨みつけていた
シロッコ「私だけが死ぬわけがない…貴様らも一緒に連れて逝く…!」
シロッコ『太歳星君…!木星の鏡像よ!私の最期の願い(のろい)を叶え給え!』
シロッコ『全力の神威を以て…敵対者を全て滅ぼせ!』
既にシロッコに令呪はない。しかし、ニュータイプとして全力の祈り(のろい)を念話という形で太歳星君に飛ばすのであった
3629
:
名無しさん
:2025/05/04(日) 21:08:12
「いいのかしら、こんな所でのんべんだらりとしていて。あなたのお気に入りの子たちが皆消されてしまうかもしれないわよ?」
太歳星君と戦う主従を神妙に見つめる茅場に道士服を着た不気味な雰囲気を漂わせる女が興味深そうに話しかける
女の正体はかつての聖杯戦争で彼が召喚し自身を優勝に導いたキャスター、八雲紫。人が大人になる過程で捨てる幻想を未だに抱き続ける茅場が"幻想郷"の創設者である彼女を召喚したのは果たして偶然か必然か
彼らは二条城から離れた場所から紫のスキマを使って刻一刻と変わる戦況を見守っていた
否、実際は二条城の戦いだけではなく今回の聖杯戦争が始まってから京都に忍ばせた式神たちやスキマを使って今に至るまでの参加者たちを監視していたのだ
「ここで潰えるのであれば所詮それまでの存在だっただけのこと…最も君の指摘は杞憂に終わるだろうが」
「ふーん、随分彼らを買っているのねえ」
「そういう君はどうなんだ、幻想郷の賢者よ。君にとって見所のある存在はいるのか?」
「うふふ…どう思う?」
彼らはもう一組の黒幕であるアベンジャーたちと違って太歳星君との戦いに介入するつもりはない。あくまで戦いの結末を見届けるスタンスである
3630
:
名無しさん
:2025/05/05(月) 04:31:24
茅場はシステムを上回る人間の意志の力を知らしめ、未来の可能性を悟らせたあの聖戦をもう一度、この聖杯戦争という舞台で行いたいと考えてるんだよね
だから自分はヒースクリフのアバターなのにキリトにはリアルの肉体という〝理不尽〟を押し付けた
アスナやユウキ、アリスといったキリトの仲間や自分の知らないGGOのプレイヤー――レンやピトフーイを呼び寄せたのは、興味本位とこの〝聖戦〟を盛り上げるためだ。
残念ながらアスナとGGOのプレイヤー達はロストしてしまったが――
(〝聖戦〟への準備は順調に進んでいる。またあの時のような〝人間の意志の力〟を見せてくれ、キリト君。いや――他のプレイヤーや聖杯戦争でも良いが……楽しみだ)
3631
:
名無しさん
:2025/05/05(月) 15:52:07
>>3628
その念話は確かに太歳星君に届いた
もっともかなり深傷を負い、弱体化しているが……それでも太歳星君は最期まで楽しもうと決めた、その瞬間
勢い良く扉が開かれ、マイキーと信彦がやってきた
「頼んだぜ、アヴェンジャー」
「ああ。もうお前の闘いは終わりだ、キャスター」
信彦は冷酷にそう告げると変身ポーズを取る
「変身……!」
必然的に新たな乱入者に視線が集まった
3632
:
名無しさん
:2025/05/05(月) 21:11:07
>>3628
「……そうか、僕の負けか。見事だ」
遠方より放たれたシロッコの断末魔の思念を感じ取った太歳星君は素直に敗北を認める
マスターの殺害、それも引っくるめての聖杯戦争だ。見事にそれを成し得た呪術師を称賛こそすれど祟るつもりはない
この戦場では太歳星君本体の横槍も入らない以上この場の分霊・太歳星君の消滅は確定した。最も本体の勝ちに手段を選ばない姿勢を唾棄する分霊にとっては望ましいことであるが
「お前達がコソコソと動いていた輩か。死力を尽した戦いの漁夫の利を狙いに来るとは程度が知れるな」
突如として現れたアヴェンジャー主従に吐き捨てる太歳星君。太歳星君は各地の霊地を制圧する過程で朧気ながらその気配を感じ取っていた
もしもこの戦いに勝利し、祟りを完遂した暁には手ずから葬ってやろうと考えていたのだ
「ほざいてな、テメェの役割はもう終わりだ。オレ達の願いのためにとっとと消えな」
侮蔑する万次郎に太歳星君は静かに返す
「確かに終わりだが、ただで消えてやるつもりはない…自身への祈り(のろい)に応えずして何が神か…」
そう、まだ終わりではない。光の波動が弱々しくも輝きを見せ集束する
シロッコは最期の執念で未だ生を繋いでいる。自分が応えなければ神の名折れ。ましてや自身に打ち勝った者達ならいざ知らず、最後にしゃしゃり出てきた姑息な輩に討たれるつもりはなかった
力を振り絞り最期の一撃を見舞わんとする太歳星君の前にずいと信彦が立ちはだかる。おもむろに肩のパーツをぶちりと力任せに引き抜き、剣状に誂えたそれを大きく振りかぶり――
――一瞬の交錯の後、太歳星君は両断され消滅した。同時にシロッコの命も燃え尽きる
月と太歳。星と星のぶつかり合いを制したのは影に浮かぶ月であった
信彦が振るったのは世紀王シャドーブレード。自身の一部にしてこの世に二振りしかない最強の剣である
血を拭わないまま生き残った主従達に信彦は剣を向けた。彼がこの剣を抜いたということはこの場の者を皆殺しにするという意思表明に他ならない
【太歳星君@ダークギャザリング 消滅】
【パプテマス・シロッコ@機動戦士Ζガンダム 死亡】
3633
:
名無しさん
:2025/05/05(月) 21:24:34
(代理投下です)
>>3632
突然の乱入者が太歳星君を倒す場面を目撃した面々は、強大な脅威が消え去ったことに安堵を抱く暇もなく警戒心を解かずにはいられなかった
カブキ「なんだぁ、お前らも聖杯戦争の参加者かぁ?」
伊織「…いや、あのキャスターの口振りでは、違うようだな」
キリト「…まさか、お前達がこの聖杯戦争の黒幕なのか?」
3634
:
名無しさん
:2025/05/06(火) 06:40:44
>>3633
この時大半のサーヴァントもアヴェンジャー陣営の次なる言動に対応すべく戦闘態勢を解いていなかったな
ただ消耗し過ぎたアルトリアは戦意を保ちつつも戦闘が発生した場合はすぐには動かず少し様子を見るつもりであり
また玉藻の前は夏油との合流を優先してしれっと戦線から離れていたな
余談だが消耗が少ない順で並べると地獄兄弟、一護、名護さん、ザンキ、アリス、ソリテール、アルトリア、ってところかな
3635
:
名無しさん
:2025/05/06(火) 17:16:54
余談だが太歳星君とシロッコが脱落したことによって彼らが掴んでいた聖杯戦争に関する情報は喪失したね
最もマイキー組や茅場組が干渉し始めたからそこから色々情報を得られるかもしれないけど、まぁ何処まで喋るかな?
3636
:
名無しさん
:2025/05/07(水) 10:36:24
>>3633
マイキー「違うな。俺達はこの聖杯戦争で〝シード権〟を得ただけだ」
ユウキ「シード権って……そんなのあったの!?」
カズマ「俺もユウキと同じで初耳だな。他の奴らはどうだ?」
マヤ「私も知らないよ。でもアヴェンジャーとそのマスターは何かヤバい気がする……!」
マスター達は皆、シード権なるものを知らないと口にする。それはサーヴァントも同様だった
マイキー「とりあえず黒幕はキリトって奴とその仲間には特に期待してるみたいだぜ。それがヒントだ。あいつは正体を隠すつもりがねェらしい」
キリト「……まさか、茅場か!?」
ユウキ「えっ!?でも茅場晶彦は死んだはずだよね!?」
キリト「ああ。だけど俺に特に期待してて、こんな舞台を用意出来るのは茅場くらいだと思う」
信彦「とりあえず黒幕に辿り着きたいなら俺とマイキーを倒すことだな。俺が優勝したら――怪人がありのままの姿で生きていける世界を創る」
マイキー「俺もダチや妹を生き返らせるために負けられねぇ」
美遊兄「妹のため、か……。皮肉にもお前の願いは俺と同じだな」
マイキー「ああ。でも俺は甘くないぜ。本気でお前達を殺す」
――マイキーがそう口にすると、バイクに乗った不良達と異形達がやってきた。
マイキーには不良としてのカリスマと、なにより圧倒的な強さが。
そして信彦には異形の士気を上げるカリスマと、マイキーと同じくサーヴァント以外の異形の中では圧倒的な強さを持つ。
もちろん不良や異形でサーヴァントをどうにか出来るとは思っていないが、多人数のマスターが相手では流石のマイキーでも殺されかねない。ゆえにこの世界で出来た仲間を引き連れてきたのだ
3637
:
名無しさん
:2025/05/07(水) 10:37:00
(補完)
>>3617
>>3618
アタランテ『すまぬ、マスター……。私は直に消える……』
カブキ『……しょうがねェよ。あのキャスターの野望が叶ったら京都中の子供やマヤが死ぬ。だからアーチャーも本気で戦ったんだろ?
アタランテ『ああ。だが死ぬ間際に……あのキャスターに全力の一撃をぶつけたい』
カブキ『わかった。アタランテ、お前の意志は無駄にはしねェ!』
カブキ「令呪で命ずるぜ!少しでもいい、アーチャーを回復させてくれ!」
カブキが令呪を使うまでにこんなやり取りがあったね
そして全てをやり遂げたアタランテは、消滅間際にカブキに託す
アタランテ『マスター……。マヤや京都の子供たちのことは託したぞ』
カブキ『ああ、任せろ!』
3638
:
名無しさん
:2025/05/07(水) 19:15:18
>>3634
「ご主人様!?ご無事ですか!!」
「やあ、キャスター。ごらんの通りの様だけど、まだ問題なく動けるよ」
「っ…申し訳ございません、マスター」
「謝らなくていいさ、これは僕自身が行動したことによる結果だから、気にしなくていい」
アヴェンジャーによって太歳星君が撃破された後に戦線から離脱した玉藻の前は魔力供給のパスを頼りに夏油の元へと向かい、傷だらけになった彼の姿を目撃する
己がマスターを危険な目にあわせてしまい良妻として寄り添えなかったことを悔やむが、当の本人が無事であり平気そうな表情を浮かべているのである程度の安堵も覚えていた
「とりあえず僕の方でマスターを仕留めたけど、そっちも決着はついたようだね」
「ええ、確かに太歳星君は倒されました。ただし、ですが途中から乱入したぱっと出の黒幕の小間使いみたいなのに、ですが」
「へぇ、このタイミングで姿を現し直接干渉してくるとは…何か意図があっての行動なのかな?」
「して、この後は如何様に動きましょうか」
3639
:
名無しさん
:2025/05/07(水) 20:39:17
不良と異形の群れがマスター達を襲い、必然的にマスター達もそれぞれの技術で対処する形となる
中には蓮子のような非戦闘員や魔力を大きく消耗する宝具を使った負担で動きが鈍くなってる伊織もいる
更にマイキーの凄まじい威力の蹴りがこの場で最も弱い連子に炸裂。命こそ落とさなかったが、大ダメージを受けてしまう
ソリテールは咄嗟にマイキーを狙って攻撃するが、持ち前の運動神経の良さと茅場から事前に知らされていた此度の聖杯戦争に参加するマスター、サーヴァントの情報も相俟って避けることに成功する
カズマ「蓮子!くそっ、狙撃!」
マイキー「遅いな、そんなんじゃ俺を仕留められないぜ」
マイキーはカズマに攻撃を加えようとするが、キリトが咄嗟に剣で攻撃して妨害。
しかしキリトがそういう〝剣士〟だと知っていたマイキーはそれすらも躱してキリトにカウンターの如き蹴りを放つ
キリト「ぐっ……!」
それはあまりにも重い一撃だったが、幸いにも意識は保てている。戦意も衰えていない
キリト「みんな、気を付けろ!こいつの蹴りはかなりヤバい!」
そしてこの戦況を黙って見過ごせるアルトリアではなく、彼女も他のサーヴァントと同様にシャドームーンに変身した信彦と戦う決意をする
3640
:
名無しさん
:2025/05/07(水) 20:39:52
カズマ『そういえばあのアヴェンジャー、変身って言ってから姿が変わったけどお前らの仲間なのか?』
矢車さん『俺は知らないな……』
影山『俺も知らないよ。そもそもゼクター無しで変身出来る奴なんて初めて見たくらいさ』
名護さん(変身だと……?後からやってきたアサシン兄弟といい、どうなってるんだ?』)
信彦の発した変身という言葉に疑問をいだく仮面ライダー勢
それは奇しくも仮面ライダーを仮面ライダーと呼ぶ作品のキャラがいないからこそであった
3641
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 11:23:43
伊織(くっ、身体が思うように動かない。無頼漢や異形相手ならまだしも、あの頭目を相手には防戦一方にならざるおえない)
盈月の儀では破格の性能を持つヤマトタケルの魔力消費にものともしなかった伊織であったが、同等レベルのアルトリアが3回も宝具を放ったことによる負担が重くのし掛かっていた
その状態でも雑魚相手に無双することはできるが、合間に攻め込んでくるマイキー相手にはその攻撃に対応するぐらいで反撃するほどの余裕を得ることはできなかった
そこをカバーするかのようにカブキが攻撃を仕掛けるが、マイキーはそれをうまくいなして不良たちと入れ替わるように後退する
カブキ「くそっ、ちょこまかと動きやがって。そこの浪人、大丈夫か」
伊織「ああ、なんとかな。助太刀感謝する」
カブキ「そりゃどうも。しかしこのまんまじゃ埒があかねぇ、早くあの野郎をぶっ飛ばしたいところだが」
伊織「その通りだが、この暴徒たちがいる状況では苦戦は必須。他の契約者もあまりよろしくないようだ、ひとまず彼らと合流して態勢を整えた方がいいだろう」
カブキ「仕方がねぇ、仲間を守るのも鬼の務めだ。こいつらを蹴散らしていこうぜ!」
3642
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 11:25:06
集団戦となり混迷を極める中、ユウキの剣技は些か鈍っていた
元々生死を賭けた争いなんてものを好んでいない彼女にとって、生身のままに襲いかかってくる暴徒や学校で交流してきた魔物・怪人に似ている存在を斬り捨てることに迷いが生じていた
なるべく傷付けないように手加減をして攻撃を加えるものの、その度に相手は血を流し自分の行為に対する嫌気が蓄積していく
戦場にありながらその士気の低さと付け入る隙を見せたがゆえに、死角から放たれたマイキーの強烈な蹴りを受けてしまう
ユウキ「ぐはっ!?」
マイキー「願いを賭けた殺し合いに相手を気遣う余裕を見せるだなんて、とんだ甘ちゃんだな」
一護「ユウキ!!」
信彦「させん!」
ユウキが吹っ飛ぶ様を目撃した一護が彼女の元に駆け寄ろうとするが、その前にシャドームーンが立ち塞がる
他のサーヴァントやマスターは不良や怪人の対応におわれて殆どが救助に向かえない
3643
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 13:23:17
>>3639
、
>>3642
蓮子「げほっ…がはっ……!」
キリト「クソッ…ライダー頼む!」
万次郎の強烈な蹴りを腹部に受けた蓮子は吐血しながら倒れ込む。このままでは危険な状態なのは明らかだ
見かねたキリトはアリスに処置を任せた
アリス「傷を見せて!」
アリス「システムコール・ジェネレート・ルミナス・エレメント・リコンストラクト・ロスト・オーガン!」
アリスが手をかざした先から暖かな光が溢れ、同時に蓮子の呼吸が落ち着いていく。アリスは神聖術による治癒を行ったのだ
治療が成功したことに胸を撫で下ろすアリスだったがその表情は明るくない。神聖術は力の根源が異なるため、魔力の消費こそないがそのリソースは無限ではない
只でさえ強敵太歳星君からの連戦、何度も味方を回復し続けるのは難しいとアリスは思った
蓮子「はあはあ…死ぬかと思った……」
蓮子「ありがとう…今回ばかりは自分の無力さが恨めしいわ…」
キリト「気にするな。何もできていないのは俺も同じだ」
思うように戦えずに悔しい思いをしているのはキリトも同じである。アバターではなく現実世界の肉体ではこの大集団を相手にするのは困難だ
サーヴァントであるアリスや他の仲間たちに命がけの戦闘を任せきりになっている現状にキリトは不甲斐なさを感じていた
蓮子「それでもやれることを探さないと…ソリテール!」
ソリテール「やあ、危ない所だったね。君の苦しむ顔は初めてみたよ」
蓮子「危なかったのは貴方もなんだからちょっとは焦りなさいっての!」
マスターが消えれば自分も道連れになるというのに相変わらずの調子なソリテールに蓮子は突っ込む。ひょっとして魔族は生存欲求も人間に比べて薄いのだろうか?
蓮子「それはともかく防御魔法って私達を覆えるくらい広く展開はできる?」
突っ込みも程々に蓮子はソリテールに魔法で戦闘力のない自分や傷付いたマスターを保護できないか提案をした
現状で危惧すべきなのはマスターの死亡とそれに伴うサーヴァントの消失による戦力低下。仮に死ななかったとしても怪我人は戦場では足手まといになるし、最悪人質にされる可能性すらある
逆に言えばそういったリスクさえ解消できれば戦況は大分マシになるのだ
ソリテール「出来ないことはないけど防御魔法はそれなりに消費が重いしマスター全員を保護するのは無理ね」
ソリテール「カバーできるのは2人か3人まで。それですら雑魚はともかく防御魔法を展開しながらのアヴェンジャーの相手は無理だけど」
蓮子「そっか…そんなに上手くいかないか…」
キリト「いや、それで十分だ。蓮子はアサシンに護られててくれ」
落胆する蓮子だが、キリトは焦らず指示を出す。裏を返せば数人のマスターの身を護ることはできるのだ
蓮子「キリト君は?」
キリト「俺はまだ大丈夫だ。俺より他のマスター達を………ユウキ!?」
キリトの目に窮地に陥るユウキの姿が見えた。他の仲間達はアヴェンジャーに阻まれ助けに行けそうもない。キリトの脳裏に目の前で息絶えたユージオの姿がよぎった
キリト「令呪を以て命じる!『ユウキを助けてくれ』!」
貴重な二画目の令呪だが躊躇わず使用に踏み切るキリト。大切な人の命が目の前で失われるのは二度とご免だった
キリト「アサシンと蓮子はここで防御を固めててくれ!俺とライダーはユウキを助けて連れて来る!」
蓮子の返事を待たずにライダーとともにユウキのもとへ向かうキリト
残された蓮子も今の自分に何が出来るか考える。力のない自分に出来ることは――
蓮子「ソリテール、あの集団の何人かを気絶させずに無力化できる?…もしかしたら何かあの主従の情報を聞き出せるかもしれない」
ソリテール「大した情報は持っていないと思うけど。まあ私もそろそろ『お話』を楽しみたかった所だしいいけどね」
戦いが彼らの役割なら自分の役目は太歳星君相手にそうしたように情報を集めることだと蓮子は思う
無論ソリテールの言う通りサーヴァントの真名に繋がるような重要な情報を持っているとは思えないが、僅かでもあのアヴェンジャーの情報を得られれば今も戦っている仲間たちの助けになるかもしれない
各々の決意を胸に戦場はさらなる局面を迎えようとしていた
3644
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 13:43:12
マヤは轟鬼に変身して異形や不良達を相手にしてたね
マヤ(すごい数だけど……師匠と修行してたおかげで戦える!)
モブ達を倒しながらも、ようやく鬼として人々を守れることを実感するマヤだった
今まで色々な死を見てきたが、マスターのマヤはせっかく鬼の修行をしていたのに無力だったり、メアリーの時のように遅れたりして間に合わなかった
だからこそ仲間たちと共に戦えることが嬉しい
3645
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 15:18:14
信彦なんだけど、サーヴァント化した影響で生前より強くなってるね
多人数のサーヴァントによる攻撃をスキル化した超感覚器(アラームポイント)や即応触角(センサーアンテナ)で躱し、防御しながらしっかりとカウンターを決める
なにより〝あの頃に戻れるかもしれない〟という聖杯により起こる奇跡に縋っているから覇気が凄まじい
信彦(光太郎。俺はあの頃に戻って、また皆と過ごす。もちろんお前ともだ……!)
3646
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 15:19:09
>>3642
一護「退けよ!俺はもう誰も失いたくねぇんだ!」
信彦「俺にもお前のような退けない理由があるんだ!」
一護「……やっぱりただじゃ退いてくれねぇか。そうだろうと思ったぜ。――卍解」
卍解をして、斬月が天鎖斬月へと変化する。
黒衣を纏う衣装へ姿も変わった一護を信彦は〝変身のようなもの〟だと認識した
信彦「それがお前の変身した姿か。だが俺や光太郎、怪人達とはまた違う見た目だな」
一護「変身?それは違うぜ」
一護が凄まじい速度で斬撃を加える
これには流石の信彦も回避が間に合わないと考え、シャドーブレードをぶつけて防御することにした
天鎖斬月とシャドーブレードがぶつかり合い、鍔迫り合いする
そこへ戦線復帰したアルトリアが駆け付け、信彦に一撃を食らわせようとしたことで信彦は回避するために僅かにバックステップした
アルトリア(宝具をあれだけ使ったから仕方ないが……やはり動きが鈍くなっているか)
アルトリアは自分の体調が万全じゃないことを改めて実感するのだった
もっとも万全だったとしてもシャドームーンは攻撃を回避するのに成功していただろうが、スキルなどを知らないアルトリアにはそんなことわからない
3647
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 17:52:35
雨縁に乗り、戦場を駆け抜けるキリトとアリス
令呪を使用したことによりユウキの居る場所まで瞬時に辿り着き、キリトがユウキに手を差し伸べる
キリト「捕まれ、ユウキ!」
ユウキ「わかったよ、キリト!」
ユウキは駆け付けたキリトの手を取り、キリトがユウキを持ち上げることで雨縁に乗せると蓮子が居る場所まで戻る。
キリト「蓮子、ソリテール。ユウキのことを頼む」
蓮子とソリテールは断る理由もなく、了承した
ユウキ「え?でもボクはまだ戦えるよ」
キリト「それはわかってる。……でも俺はもう誰も大切な人を失いたくないし、ユウキが生きることはアスナの願いでもあるんだ」
ユウキ「アスナの願い?それってどういうこと?」
キリト「……それについては、こいつらを倒した後に教えるよ。ユウキにとってもかなり大切なことだと思うから。
それにユウキがこの不良や化け物達に手加減してたのは、わかる。君は俺に勝ったくらいの剣士だからな。……だからこの勝負はユウキにはあまりにも向いてない」
3648
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 17:53:06
衛宮士郎として優しさを取り戻した美遊兄だけど、不良や異形達のことは容赦なく殺す
異形はともかく、生身の人間を殺すことに多少の嫌悪感はあったが京都聖杯に巻き込まれる前から元の世界で聖杯戦争を生き抜いてきた
その参加者の中には桜の兄すらも居たが、それでも殺した。
ゆえに美遊兄は命を狙ってくる彼らには殺人を厭わない。
美遊兄(見たところ洗脳とかじゃない。こいつらは明確な意思をもって殺しに来てる。……それなら、殺してでも止めるしかない!)
3649
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 17:55:34
カズマ「『クリエイト・ウォーター』!そんでもって『フリーズ』!」
暴徒達に追いかけられて必死に逃げながら初級魔法の組み合わせでなんとか凌ぎつつ戦況を確認するカズマ
(ちなみに彼の傍に近寄ろうとするヤバそうな異形たちは地獄兄弟が大体対応していた)
そこでマイキーから重い一撃を受けるユウキの姿を目撃して焦るが、直後にキリトとライダーが彼女を救出する場面も確認していた
カズマ「よし、ナイスだキリト!」
彼らが少し離れたのを見届けた後、大きく鳴り響く剣戟の音に誘われて振り向いてみる
するとセイバー達がアヴェンジャーと戦っているのを目撃するのだが、二騎がかりで攻撃しているのに復讐者に有効打を与えられずにいた
カズマ(相当強いのか、あのサーヴァントは!…それじゃあ)
カズマ「アサシン一号二号!セイバー達に加勢してあの銀色鎧を倒してくれ!」
影山「おいカズマ、なんだよその呼び方は」
矢車「俺も気になるところだが、確かにずっと雑魚を相手している場合ではないな。行くぞ、相棒」
この時カズマの周囲にいた敵はあらかた片付いたため、地獄兄弟はクロックアップしてシャドームーンを一気に仕留めようとする
3650
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 19:48:59
>>3644
鬼として成長しザンキやカブキ程ではなくとも戦えるようになったマヤは不良達を殺めぬように攻撃したりザンキと共に異形の存在を連携して倒したり仲間を助けるために独自に動いたりしていた
しかしマイキーと信彦の元に集結した不良達や異形達は続々と姿を現し、マヤとザンキは各々対応に追われて徐々に離散していく
そんな最中、不良達に取り囲まれたマヤは臆することなく対抗するものの、さすがに物量相手に手数が追いつかず少し押され気味な状況になっていた
ザンキは他のサーヴァント同様に脅威となる異形を退治して助けにこられない中、見かねた美遊兄が不良達を蹴散らしてくれた
美遊兄「大丈夫か?」
美遊兄にしてみれば妹とそう大差がなさそうな少女が苦戦していると思い助けるべく不良たちを斬り倒したのだろう
しかし、目の前で人の命が散りゆく様を目撃したマヤにはどのように映っていたのだろうか
3651
:
名無しさん
:2025/05/08(木) 23:16:28
>>3650
マヤ「助けてくれたことは嬉しいけど……殺す必要まであったのかな……?」
美遊兄「……こいつらは殺さなきゃ止まらない。だから殺したんだけど……子供に見せるような光景じゃなかったな……。悪い……」
マヤ「私はさ、人を守るために鬼になったんだよ!それなのに、こんなのって……こんなのって……!」
美遊兄「……人を守るため、か。お前は優しいんだな……。でも俺はそんな正義の味方になれないんだ。俺の行動が悪だと思われるなら、悪でもいい……」
マヤ「……でも悪人は私を助けようとしないと思うんだ」
美遊兄「……俺には、まだ子供の妹が居てさ。だからお前のことが妹とちょっと被ったのかもしれない」
マヤ「そうなんだ……。まあ人を殺すのは良くないことだと思うけど……悪人じゃないと思うよ。そういえば名前はなんていうの?」
美遊兄「衛宮士郎だ。お前の名前も教えてくれるか?」
マヤ「私はマヤ。条河麻耶だよ!」
3652
:
名無しさん
:2025/05/10(土) 16:23:29
>>3649
クロックアップには流石のシャドームーンも抵抗出来ず、地獄兄弟からの猛攻を受けた
そして最後にそれぞれの必殺技を決めるつもりの地獄兄弟だが、矢車さんが待ったを掛ける
矢車さん「待て、相棒。今、あいつに攻め込むのは危険だ。ひとまず距離を開けろ」
影山「じゃあこのセイバー達も……っと!」
影山がアルトリアと一護を両手に抱え、矢車さんと共に後ろに下がる
そしてクロックアップが終わった時、地獄兄弟やアルトリア、一護が居たであろう位置へ信彦はシャドーブレードで勢い良く一閃していた
地獄兄弟の姿は目視出来なかったが超感覚器(アラームポイント)で身に迫る危機を察知して、自分を攻撃するであろう敵にシャドーブレードを一閃していたのだ
ベテランの戦士である矢車さんだから慢心せず信彦がシャドーブレードを真横に動かそうとしているのに気付けたが、もしも気付けなければ二人の必殺技で仕留めきれなければ危うかっただろう
そして矢車さんは未だに優勝狙いだから、用心深く行動したのだ
信彦「少し痛いが、そのくらいだな。そんな半端な覚悟じゃ俺は倒せんぞ」
矢車さん(あのキャスターを倒せば優勝が近付くと思ったが……こいつもかなり出来る。面倒なことになったな……)
そしてクロックアップの多用は出来ない。
矢車さんはそれを〝カズマに負担が掛かる〟と影山に言い聞かせているが、実際は優勝するためにまだ魔力を温存しておきたいというのが矢車さんの本心だ
もっともマスターのカズマの死は自分達の消滅を意味するので、カズマに負担を掛けたくないというのもまた本心ではあるのだが
3653
:
名無しさん
:2025/05/11(日) 19:41:22
シャドームーン相手に一護、アルトリア、地獄兄弟が戦っている間、ザンキや名護さんはマスターでは対処しづらい異形の存在達を掃討していて加勢できる状況ではなかったね
ソリテールは蓮子やユウキの護衛に当たっているし、アリスもユウキ救出後はキリトと共に不良や異形の討伐しているようだ
3654
:
名無しさん
:2025/05/12(月) 08:14:22
「ちっ、逃げられたか」
現代京都に似つかわしくない飛竜に騎乗し離れていく少年少女の姿を見届けながらマイキーは悪態をつく
剣士みたいな姿の少女ユウキに強烈な一撃を加えてトドメを刺そうとしていたのだが、流石に高速で飛翔してくる巨体の幻想種に対抗する術はなく折角の機会を取り逃したことに苛立ちを覚えるしかなかった
(茅場達がいればもっと楽に戦えるんだが、あの野郎。どうにかして引きずり出せないか)
さらにはこの終局に際しても姿を現さずに傍観を決め込んでいる男とキャスターにも怒りの矛先が向く
如何に軍勢を率いて足止めには成功しても、相手は一騎当千のサーヴァント、そして手練れたマスターを複数相手にしているのだ
マイキーとアベェンジャーが奮闘してもどうにかしてカバーされてしまう程の戦力差がある、せめてこちら側にももう一組味方がいれば戦いやすくなり敵を仕留めやすいと考えずにはいられなかった
しかしないものねだりしても仕方がないと割り切り、マイキーは一度乱戦を俯瞰しつつ己が従者と念話をし始めた
『アベェンジャー、そっちの状況はどうだ』
『少し面倒な奴らを相手している。二人一組のアサシンだ。超高速か時流操作で目にも留まらぬ攻撃を仕掛けてくる。一発一発は対したことのない攻撃だが、その間に必殺技や回避の行動をされると目障りだな』
『そっちも手こずっているんだな。分かった、今から令呪を使う。だから俺たちの願いを邪魔する奴らを仕留めろ!』
「令呪をもって命ずる!感覚を研ぎ澄ませ!敵対者に起こる異常事象に対抗し、その首を討ち取れ!」
念話で戦況を確認した後にマイキーは躊躇いなく令呪を切ると、契約の縁によって伝達する絶対命令がシャドームーンに力を与えた
その効力により超感覚器(アラームポイント)や即応触角(センサーアンテナ)がより強化され、さらにはタキオン粒子が全身を駆け巡るようになる
つまり一時的にだがシャドームーンもクロックアップができるようになり、地獄兄弟の独壇場を崩して攻勢に出ることも可能となった
そして、その光景と自分の手の甲から痣の一部が消えるのを確認したマイキーは再び自分の戦いに戻る
今度はアサシンのマスターであり、何かと支援してこちらの行動を乱し、なおかつ孤立しているカズマを狙いを定めていた
※令呪の効力は地獄兄弟との勝負がつくまで持続しますが、その後は効力が切れる感じ。クロックアップできない相手に一方的な戦いにならないような塩梅です。
3655
:
名無しさん
:2025/05/12(月) 14:52:53
>>3654
カズマ「お前なら俺に来るだろうと信用してたぜ!」
カズマは敵感知スキルでマイキーが自分に向かってくることを察知した。しかしこれは想定の範囲内だ。
相手は着実に潰せる奴から潰すだろうと考えていた
カズマはこれでも歴戦の冒険者であり、経験値が豊富なのだ
カズマ「狙撃!」
カズマは狙撃スキルでマイキーの右脚を狙った。まさか右脚を狙われるとは思わずマイキー躱し切れず右脚を少し負傷してしまう
マイキー「……てぇっ!このォ――」
それでもカズマを狙おうとするマイキーだが
カズマ「逃走!」
カズマは逃走スキルを使ってマイキーから逃げ出した
マイキー「おい!お前、それでも聖杯戦争の参加者かよ!」
カズマ「生憎と俺は生きて元の世界に帰りたいだけだからな!それに接近戦は苦手だ!だから――」
カズマが逃走する方角――それは伊織とカブキが居る地点だ。
カズマはずっと突っ立っていたわけじゃない。戦局を把握し、個々の強さを確認していた。
そして接近戦のスペシャリストは彼らだと思ったのだ
カズマ「今、アヴェンジャーのマスターに追われてる!接近戦はお前ら得意だろ?頼んだぜ」
カブキ「とんだヘタレだなァ。まあでも人間を守るのが鬼の仕事だ。わかったぜ!」
また伊織も断る理由がなく、受け入れた
そしてマイキーは動きがカブキより鈍い伊織に蹴りを放つ
カズマ「クリエイト・ウォーター!そしてフリーズだ!」
マイキーは蹴りを放つために片足立ちに一瞬なる。
その瞬間を逃さず、カズマが地面を凍らせることでマイキーは転び、攻撃が不発に終わってしまう
カブキ「やるじゃねえか!」
カズマ「まあ伊達に異世界で経験を積んできたわけじゃないからな」
これがカズマ流の戦い方だ。団体戦でこそ、カズマは真価を発揮する
3656
:
名無しさん
:2025/05/13(火) 11:25:31
>>3655
カズマの小賢しいスキルに翻弄されてマイキーは隙を晒してしまい、その好機を逃さず伊織とカブキがすかさず剣を振るう
躱せぬ状況、動かぬ身体、刃がゆっくりと迫る光景を見つめながら、己がしくじりを後悔し――マイキーは死を覚悟した
しかし、マイキーの身体は切り裂かれることはなく
金属同士が激しくぶつかる音が大きく鳴り響いた
瞑っていた眼をゆっくりと見開いたマイキーは、憎たらしげに目の前にいる男に言葉を放った
マイキー「茅場、どういうつもりだ」
茅場「なに、頑張っている君の手助けさ。そう簡単に倒されてしまってはこれまで便宜を図った意味もなくなってしまうからな」
マイキー「だったら、最初から俺達と一緒に戦っていればいいだろう!」
茅場「私としては傍観するつもりだったが、少し気が変わってね」
突如マイキーの前に現われた茅場は構えた盾で剣士と鬼の刀を防ぎ、虚を突かれた二人に向かって剣を振るった
しかして歴戦の猛者たる伊織とカブキは攻撃を防がれた時点で思考を切り替えており、無理に力押しせずに後退することで彼の攻撃を躱した
一旦距離を置いてから前衛を担う二人は手練れの盾使いに警戒する。この時、後方支援に徹していたカズマも増援の登場には驚きを隠せなかった
カブキ「なんだコイツは!一体どこから現われた!イリュージョンってやつか!?」
伊織「茅場…先程の問答で出てきた、黒幕とやらか」
???「黒幕、ねぇ。確かにこの異変の中核にはいるけど、果たしてどうなのかしら」
不意に背後から声が聞こえ、背筋がぞくりとする伊織とカブキ
警戒を怠っていなかった二人は突如として現われた妖しき気配を感じ取り、反射的に刀を振るっていた
しかしその攻撃も結界らしき障壁により防がれてしまい、同時に正体不明な存在の姿を目撃する
紫「まったく、武士(もののふ)というものは容赦がないわね」
伊織「…貴様は、何者だ」
カブキ「どうにも妖しげな雰囲気がプンプンしているな」
紫「キャスター、とだけ言っておきましょう。とりあえず、貴方達には別の場所にいってもらおうかしら」
妖怪の賢者がそう口にするやいなや、伊織とカブキは宙から落ちる感覚に陥ってしまう
それはキャスター・八雲紫が彼らの足元に展開したスキマが原因であり、二人は為す術なく別の空間へと呑み込まれてしまった
そして別の場所、あるいは異空間へと引き離されてしまった伊織とカブキ、すぐ近くには巨体を有するあやかしが彼らを標的として狙い定めていた
カブキにしてみれば魔化魍のような存在、伊織にしてみれば大怪異のような存在であるため、ひとまず二人はそれを対峙することに専念する
※紫のスキマ送りで伊織とカブキは強敵との戦闘する羽目になりました。
人々を襲う怪異と戦ってきた二人なら倒すことはできますが時間がかかるでしょう。
ちなみにスキマ空間を維持する魔力消費を抑えるため紫はこの強敵を要石にしています。つまり強敵を倒せばまた元の場所に戻れるでしょう。
※ちなみにカズマをスキマ送りする・しないについてはご自由にどうぞ。
3657
:
名無しさん
:2025/05/13(火) 18:05:36
>>3656
紫は小細工が面倒なカズマもスキマ送りにしたんだよね
カズマ「……なんだ、ここ?まさかまた違う異世界に転移されたのか?」
カブキ「わからねェ。とりあえず目の前の魔化魍を倒すしかなさそうだなァ」
カズマ「まあ、そうだな。俺はサポートするから前衛はお前らに任せたぞ」
カブキ「ああ、任せろ!」
一方、京都の方では――
キリト「カズマ!!茅場……お前のサーヴァントはカズマに何をした!?」
ユウキ「カズマ……!どこに行ったの!?」
カズマがスキマ送りにされたことでキリトやユウキは困惑していた
マヤ「あれ?カブキが消えた!?」
またカブキのスキマ送りにもマヤが反応していた
3658
:
名無しさん
:2025/05/13(火) 21:09:16
シロッコを倒した夏油も玉藻と共に黒幕戦に参戦したね
辿り着いた時にちょうどカブキがスキマ送りにされて鬼は術師に近しい存在だと思ってる夏油は静かに怒りを燃やす
3659
:
名無しさん
:2025/05/14(水) 00:05:44
茅場「やはりここまで生き残ったか、キリト君。それと私の死後、ALOで〝絶剣〟として名を馳せていた天才剣士、ユウキ君。よくここまで頑張った」
キリトとユウキを眺め、茅場――いや、ヒースクリフは二人に惜しみない賛辞を送る
茅場「他のプレイヤー達も、よくここまで辿り着いたよ」
まるでゲームであるかのように聖杯戦争の参加者やサーヴァントを〝プレイヤー〟呼ばわりする茅場
茅場「さぁ、これからがラスボス戦だ。私とマイキーくん、そしてそのサーヴァント達を乗り越えて――願いを叶えたまえ。私達に負けるようでは、残念ながら君達の願いは叶えられない」
マイキー「茅場、お前どっちの味方だよ!」
茅場「もちろん私はマイキー君達の味方だ。――だがGGOのプレイヤー達やアスナ君が脱落したのは残念だな」
3660
:
名無しさん
:2025/05/14(水) 19:16:17
>>3659
「え?」
――アスナが脱落?
茅場晶彦の言葉を聞いた瞬間、ボクは思わず動揺してしまった。
「アスナが脱落したって……どういう、こと……?」
ボクがキリトにそう聞くと――キリトは悔しそうに歯噛みしながら、俯いていた。
そういえばキリトはボクが生きることがアスナの〝願い〟って言ってた。
それに茅場の言葉を合わせると――キリトの言葉の真意が読み取れた気がする。
「もしかしてアスナはこの聖杯戦争に参加して、死んじゃったの……?」
ボクの言葉に、キリトは首を縦に振る。
キリト「……ごめん、ユウキ。アスナはサーヴァントとして召喚されて、キャスターのヤツに殺されたんだ……。俺が、もっと早く間に合ってれば……!」
ユウキ「そん、な――」
まさかアスナがサーヴァントとして召喚されてたなんて。
その願いが〝ボクが生きること〟だなんて。
茅場「アスナ君はキリト君とユウキ君の真価を発揮するために重要な存在だ。だからサーヴァントとして召喚されるように、私が仕組んだ。……だが安心するといい。アスナ君はあくまでサーヴァントだ。君達の世界のアスナ君には何にも関係ない」
ユウキ「そうだね……。サーヴァントならたしかにボク達の世界のアスナは無関係かもしれないよ。でも――」
サーヴァントのアスナと実際のアスナは無関係。そんなことはわかってるよ。
でも、だからって――サーヴァントだって生きてる。アスナはこの世界で精一杯生きた。一護もこの世界で必死に生きてる。
そんなみんなを――〝サーヴァントだから〟の一言で済ませたくない。
だからボクは――理屈じゃなくて心に従うよ!
「サーヴァントだって生きてる!それなのに、まるでサーヴァント達を道具みたいに言うことは絶対に許さない!茅場晶彦――お前はボクが倒す!」
――この相手には手加減しない。
アスナやキリト――みんなを巻き込んだこの元凶だけはボクが倒す!
キリト「俺も一緒に茅場と戦うよ、ユウキ。あいつのやってることは――俺も許せないんだ」
茅場「それでいい。これこそが私の望んだ〝聖戦〟だ」
3661
:
名無しさん
:2025/05/14(水) 19:17:27
(ごめん
>>3660
は仮投下スレに仮投下するつもりが誤爆した)
3662
:
名無しさん
:2025/05/15(木) 11:46:39
>>3645
令呪によりクロックアップができるようになったシャドームーンは、早速体内のタキオン粒子を励起して2人1組のアサシン達へと向かって行った
このあり得ざる神秘の力が一時的なものでありいつまで保つのか分からないため、地獄兄弟に余計な行動をされる前に仕留める必要があったのだ
一方、シャドームーンのクロックアップに呼応してキックホッパーとパンチホッパーもクロックアップするが、装着者たる矢車と影山は驚きを隠せなかった
影山「あいつ、なんでクロックアップできるんだ!」
矢車「令呪の力で一時的にできるようになったのか!クソ、厄介だな」
信彦「まずは目障りなお前達から消し去ってやる」
こうなっては優勝を狙うために力を温存する訳にもいかず、矢車は影山と連携して攻めてくるシャドームーンに対応する
一護やアルトリアが感知できぬ時流の流れにて一進一退の攻防を繰り広げる三者であるが、地獄兄弟の手数の多さを研ぎ澄まされた知覚で捌ききり的確に反撃するシャドームーンの方が徐々に押し始めていた
やがて攻撃を見切ったシャドームーンがシャドーブレードで切り裂き、それをもろに受けてしまった矢車と影山は盛大に火花を散らしながら吹っ飛ばされてしまう
だがそれで矛を収めることなく、シャドームーンは即座に追撃となるシャドーキックを放ち矢車を亡き者にしようとした
影山「兄貴は、やらせない!」
矢車「影山!?」
だが、同じく負傷していたはずの影山が深い絆で繋がっている大切な兄貴を守るべく、力を振り絞って立ち上がっり矢車の前へと割って入りこんだ
そしてシャドームーンの必殺技を矢車の代わりに喰らってしまい、間もなく爆発四散してしまった
矢車「影山ぁぁぁーーーーー!!!!!」
【影山瞬@仮面ライダーカブト 消滅】
3663
:
名無しさん
:2025/05/15(木) 12:41:53
(
>>3660
は許可出たので通しということにしてください)
3664
:
名無しさん
:2025/05/17(土) 09:31:28
>>3658
(あの耳に尻尾、藍と同じ狐の妖怪のようね。それにしては尾の数が少ないけれども、九尾の状態ではサーヴァントという枠には収まらないから本数を減らされた状態で現界しているのかしら?)
(それに、あの鏡と雰囲気。狐の妖怪以外の要素がありそうだけど…ふふふ、一体なにかしらね?)
茅場達が登場後に遅れて参じた玉藻の前を見て、妖怪の賢者たる紫はその容姿に注目してその素性と謎に興味を抱いていた
なにせ使役している式神・八雲藍と同じ妖獣とそっくりなのだから、九尾の狐に思い至るのは自然なことであった
ただし、「人間に興味を持った日本神話に主神である太陽神・天照大神が、記憶を消して人間に転生した存在」という独自設定を引っ提げている玉藻の前であるため、そこら辺までの事情を一発で見抜くには至っていなかった
余談だが、本来の八雲紫であれば強力な式神である「八雲藍」を使役できる
しかし今の彼女はサーヴァントの身であり、強大な力を持つ九尾の狐を引き連れられる程のスペックを与えられなかったがために此度の聖杯戦争では式神の八雲藍を召喚できなかったようだ
3665
:
名無しさん
:2025/05/17(土) 23:01:28
>>3660
ユウキ「やぁあああ――!」
茅場「なるほど、これが〝絶剣〟の攻撃か。噂に違わぬ実力だ」
ユウキの怒涛の攻めを、ヒースクリフは盾で防ぐ
ユニークスキル〝神聖剣〟は健在であり、流石の〝絶剣〟でもこの守りを崩すことは難しい
加えて茅場は血盟騎士団の団長として戦ってきた経験がある。もっともシステムの保護で敵からの攻撃でHPが0にならないように小細工していたが、その実力は非常に高い。
そしてユウキと同時に攻撃を仕掛けてくるキリトに少々、茅場は驚いた
茅場「噂には聞いていたが本当にソードアート・オンラインのスキルを身体が覚えてるようだね、キリト君」
3666
:
名無しさん
:2025/05/17(土) 23:02:12
ソリテールはモブの不良や異形達と『お話』した結果、アヴェンジャーがかつて『護流五無(ゴルゴム)の一員だと判明した
それを蓮子に伝えると、蓮子はアヴェンジャーの攻略のヒントを他の主従に伝えるためにその情報を叫んだ
しかし新たに乱入してきたキャスター達のことをモブ達は全く知らず、そちらの情報は得られなかった
そしてカブキ達がスキマ送りにされたのを見てソリテールの知的好奇心が刺激され紫と『お話』したくなるように思う
3667
:
名無しさん
:2025/05/17(土) 23:02:53
>>3662
ここに来て影山を失った矢車さんはシャドームーンに憎しみを募らせる
ちなみに影山が死亡したことで令呪の効果は切れ、シャドームーンはクロックアップが不可能になった
しかし矢車さんは手負いであり、魔力の消耗を考えるとクロックアップは多用出来ないとマイキー及びシャドームーンは判断。しかも何やら虚空に向かってブツクサと呟いている
そこでこの中で一番弱ってるアルトリアをまずは排除しようと考えたシャドームーンは一護の攻撃を回避しつつ、遅れてやってきたアルトリアの攻撃を必要最低限の動きで躱し、シャドーブレードでアルトリアを切り裂き、大ダメージを与える
一護「――ッ!避けろ、セイバー!」
アルトリア「私は大丈夫で――」
大ダメージを受けたことで反応が遅れたが、眼前にはシャドーキックを放つシャドームーンの姿
それをモロに受けたアルトリアは爆発四散してしまった
一護「アヴェンジャー……テメェ、どこまで殺したら気が済むんだ」
信彦「俺には叶えたい願いがある。そのために戦うのが聖杯戦争だろ?」
一護「ふ、ざけんな!」
またここに来て玉藻の前は夏油と共に紫と戦うことに決めた
夏油としては呪術師に近いであろうカブキがスキマ送り(=夏油視点から見ると死亡したようにも見える)にされたことで紫に対して静かに怒りを燃やしているのと、放置すると危険なサーヴァントという合理的な判断の結果だ。
幸いなことに今回は呪術が効く相手だ。玉藻の前の本領発揮が出来るだろう
【アルトリア・ペンドラゴン@Fateシリーズ 消滅】
3668
:
名無しさん
:2025/05/18(日) 08:26:20
ソリテールも紫戦に参加して弾幕ごっこならぬガチの弾幕戦になってたね
3669
:
名無しさん
:2025/05/18(日) 08:58:06
異形の集団の大部分を片付けたザンキさんも紫討伐に動き出したな
見た目は人間そのものだけど魔化魍に近い気配を感じ取ったらしい
3670
:
名無しさん
:2025/05/18(日) 11:35:27
茅場達が割り込んだ頃には、モブ達はマスター達だけでも対処出来るくらいの数までだいぶ減ってたんだよね
3671
:
名無しさん
:2025/05/18(日) 16:40:42
>>3669
同じ鬼であり、マヤと仲が良かったカブキに危害を加えられたのも理由だったね
マヤ『師匠……。カブキが、あのキャスターに何かされちゃった!』
ザンキ『落ち着け、マヤ。何人かのマスターが行方不明になったがサーヴァントは無事だ。きっとあのキャスターのスキルか、宝具だろ。あのキャスターを倒せば戻って来ると、俺は思ってる』
それは熟練の戦士としての〝勘〟だった
3672
:
名無しさん
:2025/05/18(日) 16:42:11
>>3666
名護さん「何?ゴルゴムだと!?ならばアヴェンジャーは、シャドームーンだというのか!」
名護さんはゴルゴムや護流五無(ゴルゴム)の知識を聖杯から与えられてる。
ゆえにシャドームーンの情報も齎されており、アヴェンジャーの特徴はシャドームーンと見事に合致していた
しかしシャドームーンは並行世界に複数存在しており、どのシャドームーンかまでは特定出来ていない
流石に護流五無(ゴルゴム)のシャドームーン――秋月信彦が〝変身〟するシャドームーンという情報までは聖杯から与えられてなかったのだ
矢車さん「シャドームーン。お前が俺の相棒を……!」
そして矢車さんもシャドームーンに怒りと憎しみを募らせるが、彼の実力を知っているがゆえにそう簡単に倒せないことも理解してしまっている
そして茅場が現れるまで、キリトの傍で戦いを見守っていたアリスが口を開く
アリス「シャドームーンはまるで相手の行動を先読みしているかのように戦っていました!そこに勝ち目があるのかもしれません!」
矢車さん「先読みか……。だが俺のスキルや宝具にそれを対処する術はない……」
悔しそうにやさぐれた態度で矢車さんが零す
一護「たしかにあいつは天鎖斬月の軌道を読んでるみたいだった。なかなか厄介だな……」
アリス「そこで私に秘技があります。――武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)!」
瞬間、金木犀の剣の刀身が黄金色の花びらになる。
攻撃を先読みされるなら、それでも対処出来ない広範囲攻撃を。それこそがアリスの願いだった
事実、超感覚器(アラームポイント)や即応触角(センサーアンテナ)は反応したが信彦に出来たことは、少しでもダメージを減らすための防御のみ。
しかし武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)はアリスの必殺技ともいえる技術であり、あまり連発するとマスターであるキリトへの負担が大きいのがネックだ
3673
:
名無しさん
:2025/05/18(日) 18:12:27
「さて、そろそろ動かなきゃねえ。茅場が色々とうるさいし」
周囲を俯瞰しながら宙に浮いていた紫がゆっくりと戦場に降り立つ
アヴェンジャー達が率いていた集団は既に半壊状態。茅場晶彦は因縁のある者達と戦闘に入った
ここでいよいよ最後のサーヴァントが戦いに介入しようとしていた
近くに降り立った新手のキャスターの顔を見て蓮子は驚愕した
今までは遠目でよく見えなかったが、その顔が見覚えのあるものだったからだ
「……メリー……?」
呆然と呟く蓮子。新手のキャスターの顔は彼女の相方にして親友であるメリーことマエリベリー・ハーンにあまりにもよく似ていた
「あらあら、私の顔に何かついてるかしら?」
「蓮子、あのキャスターに見覚えでも?」
まじまじとキャスターを凝視する蓮子にソリテールが声を掛けた
聡明な彼女らしくもない反応に興味深く思うソリテールだが、流石に戦場で呆けていられては困る
ソリテールの呼びかけに蓮子もはっとした
「ご、ごめん…ちょっと知り合いに似てただけ…私の勘違いだったみたい」
頭を振りながら意識を切り替える蓮子
確かにキャスターの顔はメリーに似ているが髪の長さなどは異なるし、何より漂う雰囲気が違いすぎる
妖しげで胡散臭いキャスターのそれとのんびり屋で少し抜けている所があるメリーでは似ても似つかない。偶然顔が似ていただけだろうと蓮子は結論づけた
「そうそう、駄目よ気を逸らしてたら。せっかくのラスボス戦なのに」
「ふん、随分と余裕ですねえあれだけのことをやっておいて…!」
紫の飄々とした態度にこの場のもう一人のキャスターである玉藻の前が怒りを見せた
自身のマスターである夏油ははっきりと言葉に出さずとも目をかけていたカブキが奪われたことに怒りを抱いている。マスターの怒りは玉藻自身の怒りである
「ああ、私がスキマ送りにしたマスター達ならご心配なく。あの子達はまだ生きているわよ。彼らのサーヴァントが消滅していないのが何よりの証拠」
――最も帰って来られるかは彼らの努力次第だけど
不穏な一言を入れつつ事実を述べた紫はさらに続ける
「それに余裕も何も私は茅場の酔狂に付き合ってあげてるだけだもの」
「酔狂ね。茅場とやらは結局何が目的なのかしら」
紫の発言にソリテールは疑問を呈する
茅場晶彦なる人物の行動ははっきり言って支離滅裂だ
状況からいってアヴェンジャー達を差し向けたのは茅場だろう。しかし、アヴェンジャーを勝利者にしたいのであれば最初から共闘すればよいのにそれをせず、
共倒れを狙って聖杯を独占するにしても中途半端な戦況で介入するという非効率的なことをしている
その上、先程見せたキャスターの能力からしてマスターを容易に暗殺することが可能だろうに、態々何人かを拉致して分断などというこれまた回りくどいことをさせている
マスターの何人かは茅場晶彦を知っていたそうだが既に戦闘に入って事情を聞けそうもないため何がしたいのか全くソリテールには見えてこなかった
「そうね…せっかくの機会だしここでネタばらししておきましょうか。"ラスボス戦"を前に何も分からないままじゃ締まりが悪いでしょうし」
へえ、と目を細めるソリテール。思いの外、目の前のキャスターは話したがりらしい。お話を楽しみたいソリテールにとっては願ったり叶ったりである
臨戦態勢に入っていた玉藻の前やザンキ達も重要な情報に耳を傾けざるを得なかった
「一部のマスターや茅場の姿を見て察している者もいるかも知れないけれどここは現実世界ではない。そして地球上ですらない」
「ここは地球から約38万km離れた天体――月に座す古代遺物(アーティファクト)、ムーンセル・オートマトンが創り出した仮想空間の中よ」
3674
:
名無しさん
:2025/05/18(日) 18:59:36
>>3662
、
>>3667
スキマ空間で強敵と戦っている3人は前衛と後衛に分かれて上手く戦っていたが、やはり一筋縄で倒せる相手ではなく少しダメージを負っていても未だ健在であった
そんな最中、伊織とカブキをサポートしようとしていたカズマが疲労感に襲われ膝を突く
カズマ「ぐっ…あいつら、派手に宝具を連発してるのか…っ!」
急激に生命力を奪われる感覚に襲われ前後不覚に陥るカズマ
彼のサポートが失われた事により魔物が勢いを増し、同じく疲労状態の伊織を撥ね除けてカズマに襲いかかろうとする
が、寸前にカブキが割って入り化物の攻撃を受け止め、未だ不調のカズマに声を掛ける
カブキ「おいお前、大丈夫か!?」
カズマ「た、助かったぁー…ありがとうな、えーっと…緑と赤の変な奴」
カブキ「カ・ブ・キ、だ!てめぇはとっととどっかに退きやがれ!」
カズマ「あぁ、ちょっと気怠いけどそうするぜ。ちなみに俺はカズマ、覚えといてくれよな」
カブキ「なんでこんな状況で自己紹介してるんだよ!」
カブキが変身音叉を用いて敵と戦う合間にカズマは少し苦しげながらも彼の邪魔にならないように退避し、一旦様子見をする
地獄兄弟の状況が分からず、念話での情報共有を試みても何故か交信ができない、これはこの異空間による影響なのだろうか?
一方アサシンとの繋がりは残っているように感じ、一時は激しかった魔力消耗も今では小康状態に落ち着いている
しかし、また彼らが宝具を使うようならば自身が再びガス欠状態に陥るかもしれないという心配もあり、目の前の戦いにおいて安易に魔法を使うわけにはいかなくなった
せめて暴れている怪物が大人しくなった時にドレインタッチで魔力を奪えればこの欠乏状態を解消できるのだが……
一方、怪異に吹き飛ばされた伊織は何とか立ち上がり二本の刀を構え直す
幸いにして追撃されることはなかったが、やはりこの状況の不味さを痛感せざるおえなかった
とにかくあの強敵を倒さなければこの状況を打開できない、ゆえに足を踏み出そうとしたその直前に伊織は感じ取ってしまった
自身と契約しているサーヴァントとの縁が消えてしまったことを
伊織(そうか、セイバーは…)
この数日間を共にした異国の少女にして高潔なる騎士道を体現した剣士、この京都聖杯戦争にて共に戦った相棒の姿を見ることなく喪った感覚だけを得たことにもの悲しさを感じていた
かの者が振るうは華麗にして他を圧倒する剣技であり、己が師匠や盈月の儀のセイバーと時と同様に剣を極めようとする身としては見とれてしまい、同時に超えてみたいとも思っていた
伊織(すまない、セイバー…貴殿の分まで、後は俺が戦い抜こう!)
己が力不足ゆえに彼女に負担を負わせてしまったのではという責任感を抱きつつも、サーヴァントを喪い聖杯戦争の勝者になりえなくなったとしても、宮本伊織は生き抜くために戦うことを選び取った
未だ身体が鈍っている感覚が抜けきらないものの、セイバーへの魔力供給がなくなったことにより幾らか楽になり、標的に向かって素早く駆け抜ける
伊織「カブキ殿、遅れてすまない。一気に片を付ける、一旦離れてくれ」
カブキ「なんだ、とっておきでも見せてくれるのか?」
伊織「あぁ」
カブキ「よし分かった、なんだか知らないが任せた!」
先の不良集団との戦いで共闘した際に名前を把握していた伊織はカブキに合図を送り、カブキも見物とばかりに化物から一旦距離を置く
代わりに伊織が二、三撃ほど打ち込み敵の注意を引きつけたところで、伊織は日本の刀を手にした両腕を交差させて必殺奥義を放つ
伊織「秘剣・燕返し 比翼の段」
それは、全く同時に繰り出される六つ斬撃による絶巧絶技
これにより堅牢な外殻を貫き・破壊し、強烈な一撃を受けた怪異は一時的に気絶してしまった
伊織「ぐっ…後は、たのんだ」
そして秘剣を放つのに気力を使った伊織もまた、これまでの疲労やダメージが祟って気を失い倒れてしまった
3675
:
名無しさん
:2025/05/18(日) 19:00:09
>>3674
カズマ「えっ、えっ…?一体何が…?」
伊織が奥義を放つ一瞬を見ていたカズマは何が起こったのか理解が追いつかずに驚くしかなかった
一方鬼として闘い続けていたカブキも全ては理解できているわけではないものの、それがとてつもない絶技であることを感じ取っていた
カブキ(あれが、伊織の秘剣…はは、俺が鬼ならば、あいつは剣の鬼、ってか)
もしマスター同士で戦う際にあの秘剣を使われていたら…躱すことは不可能であり、防ぐのも困難であっただろうとカブキは内心思っていた
そもそも一時的に共闘していた際にも魔化魍を倒す鬼と遜色ない武士であり、そこはかとなく異様さみたいな気配と感じてはいたのだが
ともあれ、今は味方として強敵をノックダウンさせてくれたのだ、この好機を逃すわけにはいかなかった
カブキ「行くぞ、カズマ!ここでケリを付けるぜ!」
3676
:
名無しさん
:2025/05/18(日) 19:55:53
呪詛師の類縁であり自身と同じような気配を隠し持つカブキをスキマ送りにした黒幕のキャスター(八雲紫)、そのマスターである茅場を許すわけにもいかず
黒幕のキャスターの相手を玉藻の前に任せて、夏油はそのマスターを討ち取ろるべく動き出したが
マイキー「おっと、そうはさせない!」
夏油「くそっ、只の猿が邪魔をするな!」
マイキーが夏油を蹴り飛ばそうとしてきたため、やむなく夏油は游雲で受け止め彼と交戦することになってしまった
この時マイキーといては不本意ながらも一応は助けられた義理もあるため、茅場が因縁の相手と戦うのを邪魔させないように夏油を妨害したのだ
ついでにいえばシロッコ戦の負傷を残したままなの夏油ならば倒しやすいのではとマイキーは考えていたが、やはりそう易々と事が運ぶことはなかった
この程度の手負いであれば数々の呪霊と戦ってきた夏油にしてみれば少しハンデであるという認識であり、呪霊なしでも体術と游雲でマイキーと互角に戦っているのであった
余談だが、
>>3670
のようにモブ不良達の相手をマヤと美遊兄が担っているため彼女彼らはまだしばらく黒幕戦に参加できないようだ
3677
:
名無しさん
:2025/05/18(日) 22:04:28
>>3673
ここで紫の口から今回の聖杯戦争が行われた理由が明らかになるんだよね
茅場はSAO事件後に電脳世界に自身のデータを写した際に、偶然異なる世界まで観測領域を広げたムーンセル・オートマトンによって拾われ聖杯戦争の舞台に招かれてしまう(茅場晶彦候補話より)
キャスターである八雲紫を召喚した茅場はあらゆる手を尽くして聖杯戦争に優勝。願いを叶える権利を得る
元の世界に戻ることも可能だったが、元々異世界に恋い焦がれていた茅場は様々な異世界を観測しつつ人間の可能性を試すためにムーンセルと契約して聖杯戦争の運営と観測に携わることになった
茅場は次の聖杯戦争として自分自身で参加者を選定、紫の境界操作を利用することで霊子ハッカーの素養がない人間もムーンセルに招き入れることが可能になった(夢の世界を通して各マスターの精神だけをムーンセルに招いた…らしい)
茅場は目をつけたマスター候補の中で最も願いへの渇望が強かったマイキーこと万次郎に接触。彼と秘密裏に交渉を行って『シード枠』として参加させた
また、太歳星君のような強大な神霊を召喚させたのは各々願いを持つ主従が強敵を前に協力し合えるのか『中ボス』としての役割を充てがったというのが真相。そして『中ボス』が倒されるまで万次郎はシード枠として身を潜めることを許すという契約を茅場と交わした
また万次郎が他の参加者に先んじて召喚したアヴェンジャーの希望により茅場は聖杯戦争の舞台は人間と人外が住まう世界として設定した
アヴェンジャー曰く手駒を増やして聖杯戦争を有利にするためとのことなんだけど本音としては人と異種族は本当に相容れないのかムーンセルにシミュレートさせたかったかららしい
……結果は見るも無残、人とそれ以外で対立し合う環境になってしまい信彦は優勝する決意をさらに固めることになった
以上が紫の口から語られた聖杯戦争の実態である
3678
:
名無しさん
:2025/05/19(月) 09:44:43
>3675
カズマ「あー、もう!なにがなんだかわからないけど、しょうがねぇなあ!」
気絶した怪物に対してカズマが近付いていく。念の為にカブキという護衛をつけて。
そして気絶した怪物の眼前まで来ると、カズマは容赦なくドレインタッチして魔力を吸収。必然的に気絶している怪物は弱る
カズマ「これで弱くなったはずだ!カブキ、後は任せた!」
カブキ「任せろ!」
そしてカブキは音撃打 業火絢爛により怪物を撃破、三人は元居た場所に戻った
カズマ「アサシン兄弟、ユウキ、キリト、蓮子〜。戻ったぞ――って何かすごいことになってんな!」
ユウキ「ごめん、カズマ!今は話してる余裕がないんだ!」
カズマ「そりゃ見ればわかるって……」
3679
:
名無しさん
:2025/05/20(火) 09:45:32
カブキ達が戻って来るまでの間の話
>>3676
夏油は焦る気持ちでマイキーを早急に排除しようとした
しかし夏油は知らないことだが運の悪いことに相手は〝無敵のマイキー〟だ
精神的に焦り、シロッコ戦の負傷がある夏油の動きは本来より鈍い
そして優勝という確固たる目標と、そのために夏油を仕留めようと殺意を剥き出しにするマイキーでは必然的に差が出てくる
夏油の認識不足、負傷、焦りなど様々な要因により精彩を欠いた夏油の腹に核弾頭のようなマイキーの蹴りが見舞われ、夏油の口から胃酸が溢れ落ちる
夏油「ただの猿だと思ったら、なかなかやるようだな……」
マイキー「当たり前だろ。俺は〝無敵のマイキー〟だ。ダチや妹を生き返らせる願いを持つ俺とお前じゃ背負ってるもんが違うんだよ」
夏油「背負ってるもの、か……。今の私も多少は背負ってるつもりなんだけどね……!」
3680
:
名無しさん
:2025/05/24(土) 18:59:26
>>3677
「これが今回の聖杯戦争の実態よ。理解できたかしら?」
扇子で口元を隠しながら語り終えた紫を前に暫し沈黙する蓮子達。あまりの突飛な情報を受け入れるのに彼女達も時間を要した
「……正直色々と言いたいことがあるけどここが仮想空間ならまさか京都の結界って…」
「察しの通りムーンセルが設定した世界の境界線ね。この京都の外なんて最初から存在していない。違和感のないようにNPCとして造られた住民には記憶にロックがかかっているけど」
「成る程、私達(サーヴァント)にまでムーンセルについての知識にロックがかけてあったのはマスターのより自然な反応を茅場が見たかったからかしら」
「そして、増加した"凶暴な魔物"の正体。これは例のアヴェンジャーの手勢のことね」
「うふふ、御名答」
蓮子とソリテールの推察に満足そうに頷く紫。さらに"聖杯"の核心について紫は語り出した
「疑っていた子もいるからもう一つだけ言っておくけど聖杯の機能は本物よ。聖杯の正体はムーンセルの使用権。人間が想像する範疇の願いであればいくらでも万能の願望機として機能させられますわ」
「待て」
やる気が出てきたでしょ、と胡散臭い笑みを浮かべながら話す紫にザンキが待ったをかけた。表情こそ変身しているため見えないがその声には静かな怒りが籠もっている
「マヤは…俺のマスターには他人を犠牲にしてまで叶えたい願いなどない。なぜ彼女を聖杯戦争に巻き込んだ」
「あら? うーん、茅場は強い渇望や願いを持つ人物を集めたと言っていたけど……」
ザンキの問い掛けに暫し考え込む紫。その素振りから本当に理由は知らないらしい。僅かな沈黙の後、目を細めながらザンキに答えを返した
「私は参加者の選定には関わっていないから想像になるけど、その子が内に願いを隠しているのでなければ或いは―――」
「―――巻き込まれただけの人間を自分の願いのために犠牲にするのかどうか茅場は知りたかったのかもねえ」
「何だと……!」
紫の回答に激怒するザンキ。真意はどうあれ茅場晶彦は筋金入りの狂人には違いないとザンキは判断した
百歩譲って願いのために戦う意志を持った者同士で争わせるならまだしも、平穏に生きていた無垢の人間を巻き込むなど断じて許すことはできない
「あらあら、そんなに怒らないで頂戴。マスター想いの貴方に朗報もあるのよ」
「私達とアヴェンジャー主従を倒した後、本心から願えばこの聖杯戦争からログアウト…つまり生きて離脱することが出来る。その場合は願いを諦めることになるけどね。何でも茅場曰く自分達に勝った者には等しく然るべき"報酬"が渡されるべき何ですって。彼、基本的に理不尽だけど変な所でゲームを律儀な設定にするのよ」
「最も……脱出にせよ優勝にせよ私達を倒すことが出来ればの話だけど」
薄気味悪い笑みをうかべていた紫だがパチンと扇子を閉じ、腰掛けていたスキマから立ち上がる
その瞬間、夜の闇が一層深まった錯覚を蓮子達は覚えた。話はここまでということだろう
「ふん、言われなくてもやってやりますよ。優勝するのは私の御主人様。ラスボスっぽく振る舞ってるけどお前達なんてただの通過点に過ぎません!」
玉藻の前の目的はマスターを支え、優勝に導くこと。聖杯戦争の真実を知ってもその意志に一点の曇りもない。むしろ聖杯が"本物"であることを知ったことでさらにやる気に満ち溢れている
「必ず俺はマヤを生かして帰す。そのために茅場晶彦は止めてみせる!」
ザンキには最初から願いはない。悔いのない最期を迎えたが故に。今の彼は新たな弟子となった少女を生かして帰す、ただそれだけを考える
「もう少し楽しみたかったけど、仕方がないわね。せっかくだから君の死に際の言葉でも聞かせてもらおうかな」
ソリテールは一切ぶれない。聖杯戦争が始まってから今に至るまでその胸にあるのは利己心のみ。魔族とはそういう生き物である
戦意に満ちた三騎のサーヴァントを前にしても紫の不敵な態度は変わらずその笑みを深めた
「果たして貴方達はこの夜を乗り越えることが出来るかしら―――さあ、本気で愉しみましょう」
3681
:
名無しさん
:2025/05/24(土) 21:47:41
>>3680
紫との戦いではキャス狐とソリテールが後衛、ザンキさんが前衛で戦っていたな
太歳星君戦である程度互いの戦闘スタイルが分かっていたから自然とそうなっていた
一方で紫は…
紫「まずは小手調べね。幻巣『飛光虫ネスト』」
紫の背後に生じた大量のスキマから無数の弾幕が3人に襲い掛かった
3682
:
名無しさん
:2025/05/25(日) 01:14:11
『カズマ!』
スキマから戻ってきたカズマに、矢車さんが念話で声を掛ける。
そこには悲哀やアヴェンジャーに対する憎しみが込められており、瞬時に周りを見渡したカズマは1つのことに気が付く
『矢車……影山は、まさか――』
『ああ。相棒は逝った。こんな俺を庇ってな……』
矢車さんは虚空を見上げ、哀しく呟いた
3683
:
名無しさん
:2025/05/25(日) 13:40:59
>>3681
「おっとぉ!?」
「チィッ……!」
無数の弾幕を前に玉藻は呪層・黒天洞による防御に徹し、ザンキは弾幕を烈斬で切り払う。しかし、防げど防げど弾幕の雨は止まず反撃に移れない
「あらあらもうギブアップかしら?」
これ程の魔力の放出を続けながらも紫には疲労一つ見えない。このままでは圧倒的な物量に押し潰されてしまうだろう
「これが君の戦い方? 随分と無駄が多いのね」
だがソリテールのみこの場のサーヴァントで余裕を保てていた
紫が放った光弾は数こそ圧倒的に多いが太歳星君の消滅の凶星と異なり一発一発の威力は然程でもない。ソリテールが戦闘時身に纏う魔力の防壁で十分防ぎきれるものであった
「それじゃあ、今度は私のやり方を見せようかしら」
ソリテールの手に小さな光球が浮かび上がる。紫の弾幕に比べれば弱々しく見えるが、その光球には恐ろしい程の魔力が籠められていることに見る者が見れば気付くだろう。自身の魔力を極限まで圧縮したそれをソリテールは紫にかざし──
──一筋の閃光が弾幕を突き破った
轟音とともに土煙が舞い上がり、紫の姿が見えなくなる。同時に弾幕の雨も止んでいた
今の一撃は大魔族が持ちうる魔力を可能な限り圧縮して敵に放つシンプルだが強力なソリテールの切り札。さしもの紫も大きなダメージは避けられないと思われたが………
「あらあら何とも単純な突破方法ねえ」
………土埃から現れた紫には傷一つついていなかった。前方に編まれた四重の結界がソリテールの一撃を防いでいたのだ。自身の誇る最強の魔法を事もなく受け止められたことにさすがのソリテールも僅かに顔を顰める
「様々な魔法を学んだけど結局これが私にとっての最強の魔法だったのよ。皮肉でしょう?」
「強力なのは認めるけど美しさでは落第点ね──おっと」
他の二騎も黙って成り行きを見ている訳では無い。玉藻は呪術による炎や氷の嵐を、ザンキは紫の死角に回り込みに音撃斬を叩き込もうとする
しかし、玉藻の攻撃はソリテールと同様に防がれザンキは結界そのものに強烈に弾かれ吹き飛ばされる。紫の代名詞でもある『四重結界』は攻防一体の技なのだ
「むう…思ったより手強いですねぇ……!」
三騎がかりで予想以上の苦闘を迎えていることに歯噛みする玉藻
太歳星君のような分かりやすい圧倒的な暴力はないが、紫の変幻自在の戦い方に太歳星君とはベクトルの異なる厄介さを感じていた。残念ながら後先考えて勝てる相手ではないらしい
「仕方がない、掟破りの出血大サービス第二弾!もう一回私の宝具を披露してやりますから、私の御主人様のためにも死ぬ気で頑張りなさい!」
出雲に神在り、是自在にして禊の証、神宝宇迦之鏡也――『水天日光天照八野鎮石 』!
3684
:
名無しさん
:2025/05/25(日) 18:32:17
>>3683
キャス狐の援護を受けてザンキさんとソリテールもさっきより紫の動きに対応できるようになっていたな
さすがの紫も宝具バフを受けたサーヴァントの全力の攻撃を結界で受け止め続けるのは難しいから回避を中心に立ち回るようになっていた
そんな中ザンキさんは紫が自分の攻撃、特に音撃武器である烈斬によるものはかなり慎重な回避を行っていることに気づいた
敵はやはり魔化魍と同じ"魔"に属するサーヴァントであると確信したザンキさんは、未だ有効打をあたえられていないが元々脆弱な肉体で召喚されるキャスター、必殺の音撃斬を直撃さえさせれば勝機はあると判断していた
紫「貴方が一番厄介かもしれないしそろそろ座に帰ってもらおうかしら」
一方で紫もザンキさんをこの場で最も厄介なサーヴァントとして優先的にターゲッティングしていた
3685
:
名無しさん
:2025/05/28(水) 00:09:20
>>3682
『カズマ……。俺の最期の願いだ――』
矢車さんはこれまで利己的な理由。というよりも影山のために戦ってきた。
だが影山は最期まで自分やカズマを想って死んだ。
『兄貴……俺をまた人間に戻してくれてありがとう。カズマのことは――兄貴に頼んだよ』
影山は死ぬ間際、そんな念話を矢車さんに送っていた
ゆえに矢車さんは願いを変える必要かあった。
たしかに影山は生き返らせたいが、聖杯で生き返らせたところで――彼は本当に喜ぶだろうか?
影山の秘めた〝燃えカスのような正義感〟がほんの僅かに矢車さんの背中を押した
『あぁ。なんだ?矢車』
〝最期の願い〟と聞いて彼が何か覚悟を固めたことをカズマは悟る。
それでも矢車をサーヴァントのマスターとして止めず、彼の願いを聞こうとするのはカズマが根はお人好しだからだろう
『俺はアヴェンジャーを――シャドームーンを倒したい。そのために令呪を2つ使ってくれ。……残り1つは俺を怪しんでるだろうから無理しなくても良い』
3686
:
名無しさん
:2025/05/28(水) 00:10:13
>>3684
ザンキ『マヤ。これは同じ鬼のカブキや他のマスターに共有した方が良い情報だからお前に託すけどな……このキャスターは魔化魍と似たような〝魔〟の気配を感じる。それをみんなに伝えてくれ』
マヤ『わかったよ、師匠!』
そしてザンキは紫に対して挑発する
「俺が厄介というのは、俺がお前にとっての弱点だと言ってるようなものだぞ。かつて〝魔〟を相手にしたサーヴァントは苦手か?」
3687
:
名無しさん
:2025/05/28(水) 00:12:01
>>3660
キリトとユウキ
もちろんキリトは生身ゆえに身体能力が大幅に劣るが、それでも一流の剣士
そんな二人に茅場――ヒースクリフは一歩も引かずに戦っていた
戦況は茅場が有利というわけではないし、当然ヒースクリフにも傷が付く
しかしそれすらも今の茅場は望んでいる展開だ
〝絶剣〟と呼ばれた未知の剣士――ユウキ
そして黒の剣士、キリト
この二人を相手にラスボスとして立ちはだかることのなんと愉快なことか
カズマ達が帰還したのも見えた。彼らが加勢するかもしれない
だが楽しい。何故なら茅場はこの一戦をするためだけに、色々と仕組んできたのだから
ユウキ「どうしてそんなに楽しそうなの!?人を殺すことの何が楽しいのさ!」
キリト「違うんだ、ユウキ。こいつは多分、誰かを殺すことを楽しんでるわけじゃない」
茅場「そうだとも。ラスボスとして君たちと剣を交えてる時間が、なにより楽しい。この〝聖戦〟こそが私の願いだ」
ユウキ「なに、言ってるの!?頭がおかしいよ!」
キリト「ユウキが驚くのも仕方ないけど……茅場はそういうやつだ。だからこいつだけは倒さなきゃいけない!」
ユウキ「……! わかったよ、キリト!」
3688
:
名無しさん
:2025/05/28(水) 18:18:05
>>3686
ザンキの挑発に紫は言葉を返さず手招きをした。来るなら来いと言うつもりだろうか。
「おい、話がある」
一旦ザンキは紫から距離を取り、玉藻とソリテールに話を持ち掛けた。当然この間も紫からの弾幕による攻撃は続いているが宝具による支援を受けた玉藻達は然程苦も無く捌けている。
「このままでは埒が明かない。俺があのキャスターを仕留めるから奴の足止めを頼めるか」
今でこそある程度優勢に戦えているが、玉藻の宝具は長時間維持できないことは先の太歳星君戦で実証済み。宝具の効果が切れれば再びジリ貧に陥るだろう。
故にザンキは短期決戦を仕掛けることにした。紫が逃げられないように他の二騎が足止めをしつつ、ザンキが接近して必殺技『音撃斬 雷電斬震』を叩き込む。危険だが宝具による支援を受けている今の三騎ならそれを成せるとザンキは判断した。
もしも紫が宝具の効果が切れるまで完全に逃げに徹したり、蓮子らマスター狙いに動かれればそうもいかないが、幸いそのような行動をとる素振りはない。茅場の意向か紫自身の矜持かは不明だが。
「ふむ……御主人様以外の者が指図するのは気に入りませんがいいでしょう。やるからには必ずあのいけ好かないあの目玉女をギッタギタにしてやりなさい!」
「へえ、もしかして相打ち覚悟かしら。 たまにいるのよね貴方みたいな人間」
優勝を狙う玉藻にとっては危険な役目をザンキが負い、力をある程度温存しつつ敵のキャスターを倒すことができる悪くない作戦だ。聖杯に然程執着のないソリテールも特に断る理由はない。
「奴は奇妙な空間を通り自在に転移する。俺が合図をしたら奴の周囲を取り囲むように攻撃して退路を断て」
段取りは決まった。後は機会を待つのみ。そうこうしている内に魔力消費の影響か紫の弾幕が途切れだす。一際弾幕の密度が薄くなった瞬間、ザンキは叫んだ。
「いくぞ…!」
ザンキの号令とともにソリテールが無数の剣で紫を取り囲み、玉藻が呪相・密天で周囲に嵐を巻き起こす。さらにザンキが一直線に駆け出し距離を詰める。二騎の包囲を紫が破る前に勝負を決めなければならない。
一方で取り囲まれた紫は狼狽するでもなくただ微笑むのみ。戦いを見守ることしかできない蓮子はその様子に一抹の不安を覚えるのであった。
3689
:
名無しさん
:2025/05/30(金) 17:08:18
>>3683
にて玉藻の前が宝具を使用したことによる紫の反応
(…あぁ、そういうことだったのね)
玉藻の前の宝具開帳時における口上を聞いたことで紫は相手の素性を把握した
宝具の基点となっているあの鏡は十中八九八咫鏡であり、出雲大社に祀られる神宝にして、天照大神の御神体であるならば――紫の博識たる頭脳と高精度な推察により、それを扱う彼女の由縁へと結びつけていく
あれなるは、絶世の美女にして白面金毛九尾の狐が化けたものであるとも言われた日本三大化生の一角“玉藻の前”であり、どういうわけか神霊“アマテラス”の御魂を宿した転生体である、と
何故神の一面が人間へと転生し大妖怪に至ったのかまでは憶測しかできないものの、英霊の座から与えられた知識により“神性を宿した玉藻の前”が存在していること把握したために確証を得るに至っていた
3690
:
名無しさん
:2025/05/31(土) 10:25:50
>>3688
無数の剣と嵐に囲まれた紫は時に結界や傘で凌ぐがその場から身動きが取れない。だが紫は動じず静かに宣言する。
──『弾幕結界』
紫に接近していたザンキを包囲するように無数の弾幕が出現し一斉に殺到した。その数は今までの攻撃の比ではない。
──やはり罠か
だが、ザンキもこの程度の妨害は想定内。そもそも先程紫に出来た隙は少々不自然であった。最初からザンキが他の二騎から離れるのを狙って意図的に作った隙なのだろう。
『頼めるかマヤ』
『うん!令呪で師匠を応援するよ!』
マヤの令呪が一画消失すると同時にザンキの全身に活力が満ちる。そのまま上昇した身体能力で強引に弾幕結界の突破を図った。
時に妖力弾を撃ち落とし、時に僅かな隙間に体を滑り込ませすり抜ける。全てを躱しきることは出来ずいくつか被弾するが足は止めない。止めれば圧倒的な物量による圧殺が待つのみである。
そうして、最後の一陣を突破したザンキは紫に肉薄した。紫は丁度結界で玉藻らの攻撃を打ちはらった直後。サーヴァントになったことで紫は長時間結界を維持することが出来ず、ザンキはこれまでの戦いで既にその弱点を見切っている。またとない好機だった。
「終わりだ!」
結界が解除され無防備になった紫の胴に烈斬を突き立てる。服を裂き肉を断つ感触。勝負あった──
「ガハッ……!?」
「何……!?」
烈斬を突いた瞬間、苦悶の声が上がる──紫ではなく後方の玉藻から。見れば裂けた紫の服の下には不気味な空間──スキマが顔を覗かせていた。そして、そのスキマは玉藻の背後に繋げられ烈斬の剣先は玉藻の背中を穿っていた。
「うふふ……惜しかったわねぇ」
紫は最初からこれを狙っていた。紫は玉藻の正体についてほぼ確信を持っている。即ち日本最大の妖狐“玉藻の前”。音撃武器である烈斬は確かに紫のような魔に属する者に対して有効であるが、それは玉藻も同様である。寸の所で清めの音を送り込まなかったため消滅こそ免れたが重症を負い玉藻は膝を突く。
そして衝撃に一瞬硬直したザンキを逃す程紫は甘くない。玉藻が欠けたことで包囲から脱した紫から光の線が放たれ、それに触れたザンキの身動きが取れなくなった。その様は蜘蛛の巣に絡め取られた哀れな虫の様。
紫が使ったのはスペルカードルールにおいて『八雲の巣』と名付けられた技。妖力の糸に触れた者の動きを封じる魔の糸である。平時であれば直ぐにザンキも抜け出せただろうが弾幕結界による負傷と無理を通したことによる膝の古傷が脱出を阻んだ。身動きの取れない獲物を前に紫は空中で手を上げて──
───カンカンカンカンカンカン
突如戦場に響き渡る場違いな音。ある筈のない踏切の音がけたたましく鳴り響く。音源は上空。ザンキが見上げればそこには一際巨大なスキマが開いていた。
「ぶらり廃駅下車の旅、終点は英霊の座になります。ごゆるりとお楽しみくださいませ」
紫の言葉とともにスキマから巨大な鉄塊──廃電車が飛び出す!
身動きの取れないザンキを押し潰した後、紫はパチンと指を鳴らし──大爆発が起きた。
───『無人廃線車両爆弾』
「そんな…師匠ーーー!!」
「少しばかり派手な葬送になったけど楽しんで頂けたかしら」
師が無慈悲に押し潰される瞬間を目にしたマヤが絶叫をあげる。もうもうと煙が上がる爆心地にはザンキの姿は影も形もなかった……だが、マヤも紫もこの場の誰もが気づかなかった。電車に押し潰される瞬間、ザンキの腕に"奇妙な痣"が刻まれたことを。
3691
:
名無しさん
:2025/05/31(土) 16:25:17
(ソリテールの台詞が一部途切れていたのでそこだけ修正)
>>3690
「どうやらゲームセットみたいね」
ザンキの消滅を見届けた紫は悠然と蓮子の前まで降りてくる。もう勝った気かと蓮子は思ったが三騎いたサーヴァントは一人は消え、一人は重症、唯一戦えるソリテールも太歳星君から続く消耗は無視できず一人では到底抗えない。
他のサーヴァント達はアヴェンジャーの相手で手一杯で援軍は見込めそうもない。こちらのサーヴァント達を全滅させたら紫はアヴェンジャーに加勢するだろう。そうすれば、均衡は破られ何もかも終わりだ。
──敗北。その2文字が蓮子の脳裏を掠めた。
「うふふ、そんな顔をしないで頂戴。私は貴方と交渉しに来たのだから」
「……どういうつもり?」
敵の意外な提案に疑問を覚える蓮子だが、意図は分からずとも少しでも時間が稼げるかもしれないと先を促した。
「──最後の令呪でアサシンを自害させ、ムーンセルに残りなさい。そうすれば茅場に頼んで貴女は生かしておいてあげる」
紫の発言とともに、ソリテールの周囲を弾幕が取り囲み包囲する。蓮子の選択を邪魔させないとでも言うように。
「別に迷うことはないでしょう? 貴女がこの局面で最後の令呪を使わなかったのは恐らくそのアサシンが信用できなかったから。ならばいっそ、そんなサーヴァントは切り捨てても問題ないでしょうに」
「それに私は知っているのよ"蓮子"。貴女が誰よりも神秘を──封じられた幻想を追い求めていることを。そんな貴女のことが私は気に入ったの」
「元の世界に帰れないとはいえそれの何が問題かしら。このムーンセルには貴女が求めるものが全てある。遍く世界の謎を解き明かすことができるのよ」
──さあ、どうする?
紫の問いに沈黙する蓮子。僅かな、しかし永遠にも思える静寂が訪れる。やがて意を決したように蓮子は口を開いた。
「──これが私の答えよ、『アサシン、
全力でキャスターを倒しなさい』!」
蓮子の腕から最後の令呪が消える。同時にソリテールからかつてない勢いの魔力が放出され、弾幕の包囲はぶち破られた。反応が遅れた紫は結界で防ぐことも出来ず吹き飛ばされる。
「ははっ、随分大胆なことをするね。良かったのかしら私を自由にして」
「……覚悟の上よ。でもせめてあのキャスターを倒すまではしっかりと協力してもらうわ」
「そうね、どうもあのキャスターは私のことが気に入らないみたいだし今回ばかりは積極的に戦おうかしら」
無論ソリテールの令呪という箍を外すことに迷いはあった。だがマスターすら命がけで戦っている中で、自分だけ無力を理由にやれることをやらない訳にはいかない。蓮子も腹を括ることにしたのだ。……それに何より紫の一方的な交渉という名の強制が気に入らない。
「正直いってかなり迷ったけど──私は帰ることにしたわ。世界の秘密は自力で解き明かすものよ、秘封倶楽部を舐めないで頂戴!」
「それに私には大事な相方がいるの。メリーを放り出して勝手に解散することなんて出来ない!」
3692
:
名無しさん
:2025/05/31(土) 21:22:11
>>3691
吹き飛んだ紫が復帰する前に何とか玉藻も体制を立て直していた
烈斬を刺されたことで大ダメージを受け、宝具の効果も時間経過で切れてしまっていた。このままでは令呪を使ったとはいえアサシン一人では勝ち目が殆どないだろう
玉藻「ぐぬぬ…この私一生の不覚……」
勝利を前にした油断を呪う玉藻。優勝を見据えて後先考えていたことが祟ったか。ともかく玉藻は自身に不甲斐なさを覚えていた
玉藻『…ご主人様、申し訳ありません。どうか不甲斐ない私の我儘を一つ聞いて頂けないでしょうか。あのキャスターを仕留めるために令呪が必要なのです』
夏油『いいだろう、君には今まで無茶に付き合わせてきた借りがある。出来る範囲で援護するよ』
玉藻『ああこの玉藻なんという果報者か!ご主人様のためにも全力全霊を持ってあのいけ好かないキャスターを座に叩き返してやります!』
マイキーと戦いながらも夏油は念話に応え、玉藻に令呪を使う。内容は『宝具を再び使い維持せよ』。
玉藻「目にもの見せてやりますよ……!」
再度発動する玉藻の宝具。令呪の補助を受けても相当な無茶をしている自覚はあるが構わない
何故なら"重症を負った"今だからこそ使える切り札があることを玉藻は知っているからだ
3693
:
名無しさん
:2025/06/01(日) 05:30:43
>>3690
マヤ「師匠……」
師匠の死を目にしたマヤはショックで項垂れる。これまで自分を支え道を示してくれた師が居なくなった自分は一体どうすればよいのか
粗方敵集団を片付けた士郎はそんなマヤの様子を見かねて声を掛けた
士郎「お前はここで隠れているんだ……俺は奴を殺しに行く」
鋭い顔でキリトたちの戦場を睨みながら士郎はマヤに告げる。奴とは言うまでもなく元凶である茅場晶彦のことだ
マヤ「こ、殺すって…」
士郎「言葉通りだ。あのキャスターには俺たちでは勝てない。だがサーヴァントである以上マスターを失えば消滅する」
士郎の考えはキャスターを討つのに最も確実な方法だ
しかし黒幕といえども人の命を奪うという行為は、理屈では理解できても平和な世界で生きたマヤにとって心情的に到底受け入れられないものであった
マヤ「そんなこと私できないよ……」
士郎「そうだ、それでいい。お前が手を汚す必要なんてない。そんなことをするのは俺みたいな人間だけで十分だ」
そう言い残すとマヤが止める間もなく士郎はキリトたちに加勢すべく彼女を残して駆けていった
一人取り残されたマヤはどうすることもできず蹲る
マヤ(師匠…私どうしよう…)
考えても考えてもその答えは出そうになかった――
3694
:
名無しさん
:2025/06/01(日) 15:12:42
>>3691
「やれやれ、振られてしまいましたわ…」
ソリテールの攻撃で吹き飛ばされた紫が復帰する。体はボロボロだがその歩みは淀みない。精神に依る生命体である妖怪は謂れのある武器以外には強い耐性があるため、少なからずダメージを負ったが致命傷には遠かった。
「悪いけど全力でと言われたから手加減抜きで殺らせてもらうわ」
再び発動した玉藻の宝具と令呪の支援を受けたソリテールはともすれば生前以上の力で猛攻撃を開始した。無数の剣と魔力の放出が容赦なく紫に向けられるが、紫も千年以上生きた大妖怪。結界術や境界操作で攻撃を凌ぎ互角に渡り合う。
「ねえ、聞きたいことがあるのだけれど」
「何かしら?話せることは話したはずだけど」
互いに撃ち合いを続けながらもまるで世間話をするかのようにソリテールが話しかける。紫もそれに対して日常会話のような調子で続きを促す。
「この聖杯戦争の舞台を選んだのってもしかして茅場ではなく君かしら」
「…ええそうよ、それが何か?」
「どうして"京都"とやらを舞台に選んだの?」
ソリテールの疑問、それは何故京都を舞台に選んだのか。紫は聖杯戦争が始まるまでの経緯や参加者の選定については話したが舞台選びについては一切触れていなかったのだ。
「私が知る限り最も発展した都市と霊地の豊富さを併せ持っていた場所だったからよ。実際茅場が選定したマスターは日本人が多かったし召喚された太歳星君の分霊も京都に根差していたから悪くないチョイスだと思ったけど」
「そうね、実際蓮子は京都の霊地に詳しかったから大いに助かった──残念ね、せっかく彼女のためにこの舞台を用意したのに拒絶されちゃって」
「…………」
ソリテールは紫の舞台選びの真意に確信をもっていた訳ではない。だが言葉を弄び他者を餌食にするのは魔族の最も得意とする所。紫に生じた僅かな動揺と隙を幾人もの人間の観察を続けてきたソリテールは見逃さなかった。
一気に紫に接近し至近距離で魔力の放出を行うソリテール。紫も咄嗟に結界で弾こうとするが急場凌ぎの結界は硝子のように破壊され魔力の放出は紫の腹部を大きく抉った。
「────ッ!!」
「へえ、どうやら私より君の方がずっと"人"に近い感情を持ってるみたい」
だが紫の反撃は速かった。接近したソリテールの周囲に突如妖力の糸が出現し、その体を縫い止める。そのまま紫はお返しと言わんばかりに大きく手を振りかぶりソリテールに振り下ろした。その顔に笑みはなく、ゾッとする程冷たい視線をソリテールに向けている。
身の危険を感じたソリテールは前方に強固な魔力の盾を出現させ、攻撃に備えるが──
「──疾く去ね」
──魔力の盾ごと体を横一直線に両断された。上半身と下半身が泣き別れになり飛行魔法を維持できず、落下するソリテール。明らかに致命傷だった。
これも紫の境界操作の一端、スペルカードルールでは『知能と脚の境界』と名付けられた技である。直線状に境界を走らせそこに存在する物を分断したのだ。全てに境界を引けると言う事は二つに分けられぬ物は無いと言う事である。
これ程の技、当然魔力の消費が少なくないため今まで使用を控えていたがソリテールへの怒りが戦術的判断を上回ったのだ。
3695
:
名無しさん
:2025/06/01(日) 15:36:10
>>3693
一人で無為な時間を過ごすマヤ。一人で考えても答えはでない。ならばいっそ沸々と湧き上がる昏い情動――憎しみに身を任せてキャスターと戦えばいいのではないか
無謀だとは分かっていてもこの感情を止めるのは難しい。キャスターの方へ向かおうとしたその時――
マヤ「えっ、し、師匠!?」
サンキ「言ったはずだぞ、マヤ。鬼にとって最も大事なのは自分の中の鬼を殺すことだと」
――その手を消滅したはずのザンキが掴んだ。幻かと思ったがその姿も声も確かに彼女が尊敬した師匠その者だ
歓喜に涙を浮かべたマヤ。声を掛けようとしたがふと違和感を覚えた。ザンキの手が酷く冷たい。まるで死人のように――
マヤ「師匠…その、手が……」
ザンキ「説明していなくて悪かった。二度と使うまいと思っていたからな…」
ザンキは自身の再起を可能とした鬼に伝わる禁呪――返魂の術についてマヤに説明する。一時的な蘇生を果たすが、やがて意識を失い最終的に永遠の闇に魂が囚われる禁断の術である
サーヴァントと化したザンキにとっては術のデメリットも気にする必要はないが、術師としての才能があるマヤがまかり間違って使うことのないように今までこの術について黙っていたのだ
ザンキ「どの道俺はただの死人、気にするな。消えるのが多少早くなっただけのことだ」
マヤ「師匠……」
師が生き返ったわけではないと知って悲しむマヤだが感傷に浸っている時間はない。ザンキは戦場に行かなくてはならないのだ
ザンキ「マヤ、お前はあの男が言ったようにここで隠れていろ。俺がキャスターと決着をつける」
マヤ「でも…!」
ザンキ「あのキャスターはお前の手に余る相手だ。かといってマスターの命を奪うことも出来ないだろう。何より俺もそんなことは望んでない」
先の士郎と同様のことを話すザンキに悔しさに震えるマヤ。だがザンキは弟子と共に戦ってこそ真価が発揮されるサーヴァントだ。このまま戦っても再度返り討ちになる可能性だってある。果たしてこのまま師匠を見送るだけでよいのか?
――意を決してマヤは初めて師匠に反抗した
マヤ「…やっぱりやだ!師匠『私と一緒に戦って!』」
マヤは最後の令呪を切りザンキに共闘を命じた。対魔力のないザンキはこの命令に抗うことは出来ない。そして令呪を失ったマヤはこの命令を取り消すことも出来ない
ザンキ「馬鹿な…!お前自分が何をやったか理解しているのか…!?」
マヤ「分かってる…!私足手まといにならないように頑張るよ!」
マヤの決意は固い。なにより令呪を使われては問答も無意味だ。観念したザンキはため息をつき最後の確認を行った
ザンキ「……お前に令呪はもうない。後戻りはできないぞ」
マヤ「うん…!」
ザンキ「ならばついてこい…!キャスターを必ず倒すぞ!」
マヤ「分かったよ師匠!」
二人の鬼は最初で最後の師弟揃い踏みの戦いに臨もうとしていた
3696
:
名無しさん
:2025/06/01(日) 22:14:59
>>3694
「はは…油断、した訳じゃなかったけど…ま、しょうがないか……」
紫によって両断されたソリテールは地に落下した。
いかに魔族とて上半身だけで生存することは不可能、もう間もなく彼女は消滅する。
「ソリ…テール……」
無残な姿になって転がったソリテールに蓮子の胸も苦しくなる。
本質は人心を持たぬ怪物であったとしても、自身の令呪による戦いの結果でこのような姿になってしまったことに蓮子は罪悪感を抱いていた。
『ねえ、蓮子…最期にお願いがあるの…』
『何かしら……』
『君に私自身の口で伝えたい言葉があるわ…私はもう動けないから近くに来てくれる?』
ソリテールの念話に一瞬逡巡する蓮子だが、ソリテールの方へ歩みを進めた。
蓮子もまた、曲がりなりにも相棒として戦ってきたサーヴァントを看取りたい気持ちはあったからだ。
『そうそう、もっとこっちへ…後一歩…』
言われるまま蓮子はソリテールに近付き最後の一歩を踏み出す──
「……残念、最後に外しちゃったわ」
──フリをして足を止めていた。蓮子の目の前にはソリテールが飛ばした剣が突き刺さっている。
もしも蓮子がソリテールの言う通り足を踏み出していたら、間違い無く剣に刺し貫かれ命を落としていただろう。
「やっぱり何も変わっていないのね貴方は……」
失意と哀しみを滲ませた声で蓮子はソリテールに語りかけた。既に二人は念話抜きで話せる距離にいる。
蓮子は生前のソリテールの所業を忘れてはいなかった。
ソリテールが関わった人間は最終的にほぼ全員彼女自身の手によって殺されている。決して人が心を許してはならない悪魔。
それでも、それでも結果としてソリテールはこの聖杯戦争で誰も殺めず、蓮子という人間と共に戦い抜いた。
だから蓮子はこの経験によってソリテールに何らかの心境の変化があったのではないかと微かな期待を抱いた。──抱いてしまった。
故に蓮子はソリテールを試したのだ。結果は見ての通り、魔族という種の業の深さを証明するだけに終わってしまったが。
「『君に会えて良かった』、『人と魔族は分かり合える』、『掛け替えの無い親友』──そう言ってほしかった?」
果たしてこの戦いを通してソリテールに何か変化があったのか──否、何一つ変わらない。
結局彼女は最期まで己の好奇心の赴くままに戦っただけなのだ。生前から今に至るまで、人の心を持てないモノ。それが魔族。
「………………うん。さよなら、ソリテール」
気付けば蓮子は涙を流していた。頭の中では本当にどうしようもない存在だと理解しているのに、ソリテールの死に悲しみを覚えている自分がいる。
或いはこれも並外れた探求心という共通点を持つ蓮子とソリテールを隔てる人間性の一つなのだろうか。
そんな蓮子の泣き顔を見たソリテールは満足そうに微笑みながら目を閉じた。
蓮子に初めて出会った時と何一つ変わらない張り付けたような笑顔で。
「素敵。君の末期の言葉が聞けなかったのは残念だけど…ま、その顔が見られただけ良しとしようか…な」
その言葉を最後にソリテールの姿はこの世界から消失した。
【ソリテール@葬送のフリーレン 消滅】
3697
:
名無しさん
:2025/06/01(日) 23:49:48
>>3694
ソリテールを仕留めた紫であったが、ふと不気味な呪言を耳にした。
──いざや散れ、常世咲き裂く怨天の花……
声の方へ顔を向ければ玉藻の前が両手を紫の方へと突き出していた。手中には紫色の禍々しい気。そのまま力の塊を
──
「──常世咲き裂く、大殺界(ヒガンバナ セッショウセキ)!」
──紫に向かって思い切り投げつけた。
玉藻とて宝具を発動した後、ただ黙ってソリテールと紫の戦いを見ていた訳ではない。
呪層界・怨天祝奉で魔力を練り上げつつ、機をうかがっていたのだ。
瀕死の時のみ発動できる己が持ちうる最強の呪術、『常世咲き裂く大殺界』を放つ機会を。
そしてついに機会はやってきた。
紫がソリテールに手傷を負わされたことで玉藻への注意が逸れたのだ。
そうして放たれ迫る呪毒の塊に対し、紫はいくつもの対処法を恐ろしい速さで頭の中で選び吟味する。
──スキマによる退避
否、退避するより先に攻撃が命中する。
──敵の飛び道具を吸収し撃ち返す技『枕石漱流』
否、それで防げる規模の攻撃ではない。
──『四重結界』による防御
己の最も信頼する防御。目前の魔力塊相手でも十分防ぎきれる見込みあり。
それに敵は瀕死、この一撃に耐えさえすれば次の攻撃を仕掛けることは最早出来ないだろう。
──答えは決まった。
瞬時に紫の周囲に結界が張られ、呪毒と衝突する。その瞬間、忽ち毒気が周りに溢れ出した。
「ぐっ……!瀕死の状態でここまでやるとは見上げた根性ね…!」
「当たり前でしょう、愛の力こそ最強!そして逆境でこそ愛は激しく燃え上がるってもんですよ!」
想定以上の毒気の強さに紫も舌を巻く。
瀕死のサーヴァントに根比べで負けるつもりはなかったがこれでは暫く動けそうにもない。
「愛ね。傾国の妖狐の発言とは思えないわ」
「ふん、あれだけ宝具を使えばさすがに真名はバレてますか。ですがいつまでも古い認識でいるからそんな目に遭うのですよ、ざまぁみさらせ年増女!」
「いや、どう考えても貴女の本体の方が私より年う」
「あーあー聞こえない!聞こえない!」
どこか緊張感のないやり取りを繰り広げながらも内心玉藻は焦っていた。
毒気の侵攻が止まっている。
結界すら浸食した呪毒により紫の体の一部が爛れ始めるが、そこまでだ。致命傷には至らない。
玉藻自身強がってこそいるが相当な無茶を押し通している自覚がある。
このままでは先にこちらが力尽きると玉藻が絶望を感じ始めた矢先──
「待たせたな。さっきは済まなかった」
──紫を倒すための最後のピース、ザンキ師弟が戦場に馳せ参じた。
驚く玉藻だが今は理由を聞いている場合ではない。
「どんな手品を使って切り抜けたかは知りませんが、まあいいでしょう。見ての通り奴は今身動きが取れない状態。倒すなら今しかないです。それでこの背中の傷は今回だけ特別大サービスでチャラにしてやりますよ!」
「そうか感謝する。行くぞマヤ!」
「うん、一緒に戦おう師匠!」
これが正真正銘のラストチャンス。
二人の鬼は決着をつけるべく全速力で駆け出した。
3698
:
名無しさん
:2025/06/02(月) 09:49:56
>>3697
紫が玉藻の呪毒に手こずっている隙に距離を詰めるザンキたち。
その姿を確認した紫もまた全力で迎撃することを決意する。
『深弾幕結界 ─夢幻泡影─』
師弟の周囲にこれまでの比ではない規模の弾幕が出現する。
その威容は間違いなくこれがキャスターの切り札だとザンキに確信させる程。
だが、ザンキは怯まない。先の戦いで対処法は学んでいる。
凄まじい物量の攻撃だからといって足を止めるのは逆効果、むしろ恐怖を克服して進み続けるからこそ活路が見出だせるのだ。
「俺の後ろに着いてこい!足を止めるな!」
「はい、師匠!」
ザンキはマヤに貸し出していた分も含めてディスクアニマルを総動員し、弾幕の突破を図った。
前方に展開したディスクアニマルたちは時に妖弾を叩き落とし、時に頑強な体を盾代わりとしてザンキたちの道を作る。
だが圧倒的な物量を前に一体、また一体と傷付き破壊されていく。
そんな彼らの姿に内心謝罪しながらも足は止めないザンキたち。気が付けば全てのディスクアニマルは破壊されていた。
──後は自力で突破するしかない!
今度はザンキがマヤのために道を切り開く番だ。
一瞬で弾幕の抜け道を見抜き、時には己の体を盾として差し出し、決してマヤへ累を及ばせない。
本来であれば、ここまで強引な突破を仕掛けるのは無謀な切り札(ラストワード)であったが度重なるダメージと消耗により紫の弾幕操作にも乱れが生じている。
ソリテールと玉藻の奮戦は決して無駄にならなかった。
ボロボロになりながらも最後の一波を突破したザンキたちの目の前には丁度玉藻の毒気を振り払った紫がいた。
──今こそ決着をつける時!
「くっ……!」
ザンキたちの動きを封じようとする妖力の糸を切り払い、紫に肉薄したザンキは烈斬を突き立て──ずに止めた。
紫の前にはスキマが口を開けていた。
さらにもう一つのスキマがザンキの後ろに出現している。
そのまま烈斬を突いていれば自分で自分を刺し貫いていただろう。
「同じ戦法が二度通じると思うな!」
ザンキは刺突ではなく、斬撃で攻撃。
紫は傘で受けようとするが身体能力で劣り、消耗し切った状態では受けきれず傘ごと腕を切断された。
「今だマヤ、合わせろ!」
「うん、行くよ師匠!」
致命的な隙を晒した紫にザンキとマヤ、二人の鬼は同時に音撃弦を突き立てる。そして──
「音撃斬・雷電激震!」
「音撃斬・雷電斬震!」
──同時に清めの音を送り込んだ。
「かっ……は……!」
摩多羅神に比肩するとされた大妖怪も絆を最大限まで高めた師弟の同時攻撃には耐えられず、吐血しながらゆっくりと崩れ落ちる。
紫に致命傷を与えたことを確認したザンキは静かにマヤに語りかけた。
「……マヤ、帰ったらこの聖杯戦争のことは全て忘れろ。鬼にしろ、呪術師にしろ本来お前のような平穏に生きる者が身を置いていい世界じゃない」
「ううん、私ぜったいに忘れないよ。鬼のこと、呪術師のこと、師匠のこと!この聖杯戦争で経験した全部のことを!!」
「そうか」
──強くなったなマヤ。一言そう言い遺した瞬間、ザンキの姿は消えていた。
返魂の術で黄泉帰りを果たした者は、意識が永遠の闇に堕ちる前に悔いがなくなれば成仏することが出来る。
成長したマヤの姿を見届けたザンキは、最早この世界に未練はなかった。
「ありがとう師匠……」
今度こそ師匠との永遠の別れになったマヤ。
だが今度は泣かない。遺された烈雷を師への葬送曲としてただ静かに鳴らすのであった。
【ザンキ@仮面ライダー響鬼 消滅】
3699
:
名無しさん
:2025/06/02(月) 22:43:05
>>3699
「これで終わり、ですね……」
ザンキたちの勝利を見届けた玉藻は重い足取りでその場を立ち去った。
行き先は当然夏油の元。ご主人様(マスター)に最後までが尽くすのが良妻賢狐の努めである。
魔力をほぼ使い果たし煙一つ出せない程の消耗で、夏油を援護どころか彼の元に行くまでに消滅しかねない有り様だったが確固たる意志で歩みは止めない。
一方で倒れ伏した紫の前には蓮子が立っていた。
紫が倒されたことを確認した蓮子は、彼女が消滅する前にどうしても聞きたいことがあったのだ。
「うふふ…私を笑いに来たのかしら…見ての通り…間もなく消えるわ…」
「その前に聞きたいことがある。貴方は一体何者で何がしたかったの?私のことを知っていた…?」
蓮子の質問に何が可笑しいのか薄く笑いながらポツリポツリと紫は答えた。
「私の真名は『八雲紫』、しがない土地の管理人に過ぎない」
息も絶え絶えになりながらも紫の笑顔は消えない。
今際においても真意を悟らせないつもりだろうかと蓮子は思った。
「正直目的なんてなかった。茅場と一緒に他の世界を観測するのが楽しかっただけ。
幻想郷はとっくに賢者たちの手を離れても機能するようになってたから、態々ムーンセルに頼るまでもなかったし、月の技術で幻想郷に介入するのも気に入らなかったもの」
でも、と紫はそこで言葉を区切る。
その顔に笑みはなく感情の読み取れない神妙な顔をしていた。
「茅場が聖杯戦争の参加者に貴女を選定した時、何となく気に入った。ただそれだけのことよ。
京都を舞台に選んだのも霊地が多くて色々と都合が良かっただけ。他意はないわ」
「……本当に?そもそも気に入ったって言うけど私と貴方は初対面じゃない」
「さて…正直に言って私自身も貴方への感情はよく分からないわ。
所詮サーヴァント(わたしたち)は英霊の座という分厚い書から一部のページを切り取った存在に過ぎない。私も厳密には『八雲紫』その人ではないの」
八雲紫の正体は依然として明らかになってはいない。
ムーンセルといえども観測していない事象を再現することは出来ないのだ。
だが"有力な説"をベースに情報を抽出することならできる。それは即ち──
「私に話せるのはここまで……それに世の中には語られない方が良いこともありますのよ」
「ならそれを解き明かすのが私たち秘封倶楽部よ。ムーンセルの力を借りなくたっていつか暴いてやるわ」
「ふふっ…それは楽しみね……」
一時の対話を終えた紫の姿が薄れていく。
そろそろ時間切れねと紫は静かに目を閉じた。
「さようなら蓮子。いつかの夜にまた逢いましょう」
「あっ……」
紫は最期にもう一度笑った。胡散臭い笑みではなく穏やかな表情で──
蓮子には不思議とその表情が親友であるマエリベリー・ハーンと重なって見えた。
不意に朝日が差し込む。夜が明けのだ。
ムーンセルにより再現された偽りの日の出とはいえ、その美しさは本物と何ら変わりない。
眩しさに蓮子が一瞬目を閉じ、次に目を開けた時には既に紫は消えていた。夜の闇が朝日に掻き消されるように。
その光景に蓮子から一筋の涙が零れる。
涙の理由は蓮子自身にも分からなかった。
【八雲紫@東方project 消滅】
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