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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第十章
535
:
ジョン・アデル
◆yUvKBVHXBs
:2025/03/14(金) 21:09:11
>「ガザーヴァ!……大丈夫だ、絶対助かる。俺が助ける。
お前が命懸けでここにいる全員を守ったんだ。俺だってお前のために命を懸けられる」
全員を救うヒーローになると宣う自分が情けなくて…どこまでも効果のない回復を続ける明神が見ていられなくて。
僕はただその場に座り込むことしかできなかった…。
そんなとき
>「そうか――みんな、聞こえるか」
繋がらないはずの通信から…エンバースの声が聞こえた。
なぜかわからないが通信が回復したのだ!僕は急いでみんなに通信を掛ける
エンバースが何か重要な事を喋っていた気がする…でも今はそれどころじゃないんだ!
「カザハ!カザハ!大丈夫か!?…そうか…よかった」
カザハののいつもの声を聞いて安心するも明神の悲痛な叫び声で現実に戻される。
「聞いてくれ!ガザーヴァが!大変なんだ…大けがして…もう姿も消えかかってて…それで…!」
もう少し疲れていなければ…貧血じゃなければ…明神の狼狽え姿をみても冷静にいられただろう。
戦いで疲れ果てていたのは体だけじゃなかったと…思い知る。
>「……みょう、じん……」
ガザーヴァの消えそうな声の前で僕はただ涙を流し…明神を見つめる事しかできない。
>「寿命なんかいくらでもくれてやる。戻ってこい、戻ってこいガザーヴァ!!」
確かに…その方法があった…!生命の直に渡す方法が…!
無意識に僕が取ったカザハを助ける為の方法。ラスベガスに来るために使った方法。
僕が使った時とはわけが違う!確かにカザハは弱ってはいたがまだ猶予がある段階だった。
でもガザーヴァは文字通り…消えかかってる…もう傷口を中心に崩壊は進み…肉体という概念すらも曖昧になってきている。
崩壊してて実行できるかどうかすらもわからない…もし出来たとしても……
当たり前のことだが…一つの体に命は一つだけだ。
生命エネルギーは…「命」は…例外を除けば全員が等しく持っているが増やすことはできない。
どれだけ生命力にあふれていようと限界がある。
崩壊する体を本気で止めようとするならば…明神の命は…
「や…………」
やめろという言葉がでなかった。もし倒れているのがガザーヴァではなく…カザハだったら僕も同じ事をしていたから。
明神だってそんな事百も承知だ…なら僕がこの場でできる事は…。
二人が無事でありますように
そう祈りながら周囲の警戒をする事だけだった。
536
:
embers
◆5WH73DXszU
:2025/09/02(火) 04:47:37
「『拒否権ないだろ…な』
「んなこたないけど……でも、多分やってみた方がジョンも楽しいぜ」
『俺はやるぜ。そこの色ボケCEOをキングに勝たせりゃ良いってこったろ。
しかもガチンコ、正々堂々正面きってのスデゴロで。……クソ難易度コンテンツだ。最高だな。
まぁ実際の格闘指導なんかはジョンアデル氏におまかせするとして』
「ほら見ろよ、明神さんなんか何事にも斜に構えて一言余計な事言わないと気が済まないくせに
最終的にはノリノリで参加してくるんだぜ。ああいうのでいいんだよ、ああいうので」
『マホたんファンならぐーっと☆グッドスマイルはマスターしないと!』
「そうそう。そういうので……ああ?ちょっと待て。どうしてそうなる。
確かにこの世界はゲームだがアイドル育成ゲームじゃないんだぞ」
練習が終わった!
煌帝龍のダンス力と歌唱力が上がった!
体力が減った!
「おいざけんなバロール。期間限定のミニゲームで仮組みのシステムを試そうとしてんじゃねえ。
感触良かったら本実装するつもりか?そんなの……意外と面白そうだな。
ジョンにカザハに明神さん、マル様。わりと駒も沢山あるし……」
『地獄の歌唱訓練合格! 次は明神さんによるレスバ特訓だよ!』
「……短いアイドル路線だったな。いや、独自要素としてアリなのか?SNSでオタクとレスバするアイドル育成ゲーム」
『レスバの練習ったってよぉ……好き好んでしょうもねえ口喧嘩鍛えようとする奴がいたらそれは間違いなくやべえ奴だぜ。
まぁ一個だけアドバイスするなら、そうだな。相手の痛いとこ突くにはまず痛いとこ知らなきゃならん。
的はずれなこと言ったってなんも響かねえし、反撃のチャンスをくれてやることになる』
「けど根も葉もない事をまるでホントみたいに言われるとムカつかないか?
最近フォーラムに俺を野試合で三回はケチョンケチョンにボコったって言い張るヤツが
頻出しててクッソムカつくんだよな。なんか知らないか?なあ明神さん」
『こんな平原のど真ん中で修行なんか100年やったってレスバは上手くならねえよ。
敵を知り己を知ればなんとやらってな。これはレスバに限らずスデゴロバトルにも言えることだ。
ガチでやるなら、まずはアコライトに潜り込もうぜ』
「潜り込む?簡単に言うけどあそこは一応城塞だぜ?」
『アコライトに潜入する。アテは……ある。
俺達がここに着いて、シナリオが動いた。そろそろイベントが発生するはずだぜ』
明神が城壁の方を見やる。現れたのは――半目で覇気のないマホたん。
『来ると思ってたぜ。絶対君主がバリバリ元気なら……こういう奴も、居ると思ってた』
『ケヒヒッ、なんのことでございやしょう……あっしはただのケチな戦乙女でさぁ。
そちらの帝龍のダンナをお迎えに上がりやした。アコライト外郭へお招きいたしやしょう』
『……あの傲慢な王を、打倒していただく為にね』
「なんだなんだ、急にダークソウルが始まったぞ。戦乙女の誘いに乗って敵の懐に飛び込めって?それって……かなり不吉じゃないか?」
エンバース=口ぶりとは裏腹に楽しげな笑み。
537
:
embers
◆5WH73DXszU
:2025/09/02(火) 04:49:09
『煌帝龍だっけ?君は筋がいい…才能を感じる…前の時は卑怯な手ばっか使ってた気がするけどなんてもったいないんだ!
磨けば輝く宝石になれる…!…1時間…いや10分僕に筋肉の動かし方をレクチャーさせてくれないか』
『素質があるのにそんな雑な筋肉の使い方じゃ筋肉が可愛そうだ…』
『キングマホたんは僕達にお前を鍛えてくれといった!才能を感じるからこそ!その才能磨いてくれと頼んだのだ!』
「なんだなんだ、急に……何が始まったんだこれ?茶番か?茶番だな……。
けど、ジョンがそこまで言うなんて珍しいぜ。試してみろよ、帝龍」
『君には才能がある…間違いない!もしかしたらあのアコライトにいる全部のマホたんを惚れさせる事も出来るかもしれない!!』
暫くジョンと煌帝龍による荒野の汗だくトレーニングをお楽しみ下さい。
『さぁ!では行こう帝龍!アコライトに!』
ジト目マホたんの案内に従って一行はアコライト外郭へ潜入した。
勿論特に変装とかはしていない。主人公はたとえ指名手配されたっていつもの格好を崩さないのだ。
ところでさっきから煌帝龍が全く喋っていないがお使いのモニターは正常である。
元が高慢なエリート気質だったが故に気安く会話に応じる事が出来ず、
さりとて現在進行形で世話になっている相手に平時の――横柄な態度を取る事も出来ない。
そこから導き出されたのが黙々と指示に従うというスタイルなのだ。察してやろう。
「とは言え、レスバの材料集めって何するんだよ。ていうか冷静に考えたらレスバに強くなってどうするんだよ……」
『――ねえ、ぶっちゃけ煌帝龍ってさ、どう思う?』
「お?」
相変わらずのマホたんカーニバルの中、気になる話題が聞こえた。
振り返ってみるとなんだかギャルっぽいマホたんが数人でたむろっている。
『正直ちょっとウザくない?』
「おいおいヤバいぞカメラ止めろ!マホたんのこんなとこ見られたら今度こそサ終ものの炎上――」
『――ホンットにそれ!何回挑んでも律儀に戦ってくれてる時点で脈アリだってフツー分かるじゃんね!?
手段なんか選んでないでさっさとボコボコにしてあげなきゃレオたんいつまでも生殺しじゃん!』
「……流れ変わったな」
『やー、でもアレはレオたんも悪いよ。脆弱いとか飽きちまったとか言って好き避けしちゃってさ〜。
ロンちゃんどー見たって戦乙女心とか分かるタイプじゃないし』
『てかそもそもウチら戦乙女なんだから負かしたらそのまま昇天れ帰っちゃえばよくない?
最終的に負かして欲しいにしてもヴァルハラでやった方が効率的じゃん』
「……また流れ変わったな。帝龍お前ヤバいんじゃないか」
『えー?お臨終ち帰りは流石にちょっと重いよ〜。ヴァイキング時代じゃないんだからさ〜』
「……戦乙女心か。さっぱり分からん……そもそも心っていうか生態じゃないか?」
ぼやくエンバース――ふと視線を感じて振り向く。
ジト目マホたんがじっとり加減を強めた視線でブレイブ一行を見ていた。
『乙女の密談を盗み聞きたあなかなかいい趣味でいらっしゃる……お気が済みやしたらどうぞこちらへ』
更に案内された先は――外郭の隅にある屋外練兵場。
そこにはキングマホたんがいた。ぐーっと☆グッドスマイルを踊っている。
ただし両手に身の丈ほどもある戦斧を握りながら。
辞書のような分厚さの戦斧が踊り子のヴェールさながらに揺らめく。
踊りは緩急を付けながら、しかし次第に加速していく。
ただの舞踊が、次第に武術の型稽古めいた威容を帯びていく。
そして――――不意に強烈な薙ぎ払いを伴って、キングマホたんが振り返った。
斧を突きつけ睨む先には――咄嗟に物陰に身を隠したブレイブ一行。
「そこにいるんだろ。出てきな」
538
:
embers
◆5WH73DXszU
:2025/09/02(火) 04:50:19
観念したかのように物陰から歩み出る――ジト目マホたん。
後ろ手でしっしとブレイブ一行を追い払う仕草。
『ケヒヒッ、お気に障りましたならどうかご容赦を。あんまりにも見事な舞だもんだから、つい……』
『なんだ、手前か。別にいいぜ。盗み見くらい気にすんなよ……それより、丁度いいや。そっちの調子はどうだ?』
『……調子、ですかい?一体何の――』
『どうせまた裏でセコセコやってんだろ?頼むぜ、今度は楽しませてくれよ』
『……へ、へへ、一体何の事だか。すいやせんが、あっしはそろそろお暇させて頂きやさあ』
『クキィ〜〜〜〜〜! ご、ご覧になりやしたか!?お聞きになったでしょう!あの憎ったらしい……!
「そっちの調子はどうだ」「今度は楽しませてくれよ」ですってよ!
男一人意のままにも出来やしねえ戦乙女がなーにを偉そうに!』
ブレイブ一行と合流するや否や、ジト目マホたんは顔を真っ赤にして地団駄を踏んだ。
そうして明神に縋り付く。
『あ、あっしは、あっしは悔しいんですよ!
あの王様気取りの唐変木の顔を真っ赤にさせて泣きを見せてやらねえと気が済まねえんです!
頼んます、頼んますよ旦那方!どうかあの傲慢な王を――ケチョンケチョンに負かしてやって下せえ!』
エンバースが気まずそうに頭を掻く。
「……まあ、とりあえず次のトレーニングに進むか?とは言え……
俺からお前に教えてやれる事なんてあんまりないんだよな。
ホラ、俺達って天才だしさ……テクニックなんて今更共有するまでも……」
エンバースは暫く考え込むと――
「……まあ、結局ゲームが上手くなる方法なんて決まってるんだよな」
そう呟いた。
『やっとその結論に辿り着いたのかい?僕はもう待ちくたびれたよ。ホラ、さっさと行こう』
ミハエルがやれやれと伸びをして歩き出す。
『ム……その、ミ……ミハエル……この先は……』
向かう先は――先ほどの練兵場。
思わず煌帝龍も難色を示す。
『君……ヘイローだっけ?いつも正午に勝負を挑んでるんだろ?
ならレオたんも明日に響くようなハードトレーニングはしない。
とっくにいなくなってるよ。それくらい分かるだろ?』
有無を言わせぬミハエル――練兵場に到着。
キングマホたんはいない。
『効率よく上達するには座学やコーチングも大事だけどさ。結局のところゲームが上手くなるには――』
エンバースが不意に煌帝龍の背中を蹴飛ばした。
体勢を崩した煌帝龍は何歩か前につんのめって、それから急速に振り返った。
その表情には流石に怒りが見える。
『何を――!』
だが次の瞬間には言葉を失った。
喉元にダインスレイヴが突きつけられていた。
「――ゲームをやり込まないとな。新しく覚えたテクニックは実戦で噛み砕いて自分のモノにしないと意味がないぞ!ってな」
エンバースはそう言って不敵に笑うとダインスレイヴを収める。身を翻す。
「まっ、まずは俺の一勝と。それじゃ、次は誰が相手する?
ジョン?明神さん?一旦カザハに自信付けさせてもらってもいいぜ?」
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