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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第九章

162カザハ&カケル ◆92JgSYOZkQ:2023/01/30(月) 21:36:33
テュフォンとブリーズのことを忘れたわけではない。
この先に踏み出していいんだろうか、彼女達の二の舞にならないだろうか、と今も胸の奥が棘が刺さったように傷む。
でも、こんな大き過ぎる感情を無い事にするなんて、もう出来ない。だったら道は一つしかない。
あの二人には取り合って貰えなかった我儘を聞いてもらうしかない。
昔から思っていることを言葉にして伝えるのが苦手で、真面目な局面ほど、つい意味不明な事を言って相手を呆れさせてしまう。
これはもう病気のようなもので。なゆを引き留めようとしたときには盛大に爆死したけど。
今度こそ――ちゃんと伝えたい。
ジョン君の瞳を真っすぐに見つめる。本当は相手の目を見て話すのも苦手な陰キャだからすごく緊張するけど……!

「お願いがあるんだ……。
キミには立派なパートナーがいるのは分かってるけど、ぼくのこともキミのパートナーだと思ってくれたら嬉しいな。
守られてるだけは嫌だ。ぼくにもキミを守らせてほしいよ。
隣に並び立つのは無理でも、少しだけ後ろでいつも見てるよ。
突き進む時には、背中を押すよ。倒れそうな時には、そっと支えるよ。
行っちゃいけない時には、飛びついてでも止めるよ。
だから安心して。これからいつもいつだって、この風精王の加護がキミと共にある――」

ジョン君の右手を両手で取って、自分の左胸に押し当てる。
風の元素で出来たこの体は、人間とは全く違う素材で出来ていて、中身が全部人間と同じ仕様とは限らない。
だけど、ドキドキしすぎて心臓の在り処は嫌でも分かってしまう。
触ってみたら見た目では分からない程度に微妙にあるなんてことはなく当然見事に何も無いのだが。(何がとは言わない)
それだけに心臓の鼓動がダイレクトに伝わる。

「ぼくも、安心して命をキミに預けるよ。体も心も、何もかもキミ達とは違うけど、心臓はキミと同じここに――
ほら、鼓動を感じるでしょ? ……このリズム、覚えておいてほしい。
たとえぼくの存在自体が仕組まれた罠だったとしても……この鼓動は、きっと本物だから……」



私はあまりの展開に驚愕しつつ、事の成り行きを見守っていた。
でも今となって思い返してみれば、カザハはジョン君のことをずっと気にかけてたような気がしなくもありません。
カザハの場合、自分の気持ちに気付かないまま行動だけ伴っていることはよくある。
ジョン君は、カザハが本人すら無自覚のまま立てていた普通なら誰も気付かないようなフラグに気付いてくれたんでしょうか。
あ、ジョン君と激闘しながら叫んでたアズレシアにマイホームを建てるとかいう意味不明な宣言はそういうことだったんですか!?

>「盗み見はよくないな?ガザーヴァ?…君が一番カザハの事は心配してるのはみんなも…なによりカザハが一番分かってるよ。
…それとも羨ましいのか?君は明神にもっとすごい事してもらってるんだろ?」

「えっ!? 嘘……。見てた……?」

はっと我に返ったらしきカザハが、こっちを見る。私と目が合う。

「う、うわぁあああああああああああああ!! そ、そそそそそんなんじゃないから!」

私、別に何も言ってませんけど!?


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