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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

201明神 ◆9EasXbvg42:2020/08/03(月) 04:43:01
加えて、音であるがゆえに攻撃が目視できないことも大きい。
先の包囲網では、知らずのうちにシェケナベイベの射程に入った討伐隊が何人も消し飛んでいった。
俺はまず、展開した『迷霧』の挙動によって音響攻撃を可視化した。
攻撃範囲を確認するためだ。

霧で視界を塞がれたシェケナベイベは、それがどうしたと言わんばかりに音響攻撃を連発する。
そりゃそうだ。近接殴りならともかく範囲攻撃なら霧ごとぶっ飛ばせばそれで終わる。
俺は足を止めないことでどうにか範囲から逃れちゃいるが、アタリを引かれるのも時間の問題だろう。

――だがこれで、分かったことがひとつある。
アニヒレーターの音響攻撃は、術者を中心とした前方扇状の範囲に広がっていく。
音の威力を底上げするために、スピーカーである程度の指向性を加えているのだ。

ゆえに、音響攻撃を『避ける』ことができる。
できるが、近づけばそれだけ範囲攻撃を踏むリスクが増大する。
音響攻撃は当然音源に近いほど威力が上がるから、至近距離で直撃すりゃお陀仏だろう。

「怨身換装――モード・『重戦士』」

インベントリからバルゴスの大剣を喚び出し、ヤマシタに握らせる。
瞬間、身に纏っていたピンクの法被が虚空に溶けて、革鎧の体格が膨れ上がった。

ぶりぶり★フェスティバルコンボと闇属性魔法を下敷きに編み出した、
俺のオリジナル死霊術『怨身換装』(名前は雰囲気でつけた)。

『恨み』や『想い』といった残留思念の籠もった道具を装備させることで、
同じく残留思念からなるリビングレザーアーマーの機能を一時的に拡張する改造技術だ。
バルゴス本人を取り憑かせるわけじゃないからステータスは準レイド級にも満たないが、
マジックチートによるダブルATBを経由しなくてもちゃんと言うことを聞いてくれる。

スキルでも、魔法でも、パートナーの戦力ですら、俺はおそらくこの世界の最底辺だ。
だから、組み合わせる。他の連中が思いつくより先に、俺だけの手札を作り上げる。
バロールの語った『ブレイブにしかできないこと』。こいつが俺なりの答えだ。

「よおく見とけよ!ただスペルを手繰るだけがブレイブの戦い方じゃねえってことをなぁ!」

>――「う、うわあああああああああああああああああああああ!!!!」

いざ吶喊せんとヤマシタに身構えさせた刹那、横合いから耳を劈くような悲鳴が聞こえた。
思わず振り返れば、視線の先に真っ赤な花が咲いていた。
吹き上がる鮮血。そしてその根本にあるのは――

「ジョン――!!」

>「僕の・・・僕の右腕がっ・・・」

跪くジョンの右腕は、半ばから失われていた。
足元に転がる血まみれの何かが、何であるのか、もう考えたくない。

ジョンが腕を切り落とされた。
ロイ・フリントと演じたナイフ戦の果てに。

人間の筋肉や骨は頑丈だ。ナイフ一本で切断出来るようなもんじゃない。
だから、フリントが纏うエフェクトを見て、全てに理解がいった。

――ブラッドラスト。
フリントもまた、殺人者の呪いをその身に受けている。


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