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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章
173
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2020/07/17(金) 00:29:35
そうこうしている間にも、敵はわらわらと湧いてきてはなゆたたちの行く手を塞ぐ。
レプリケイトアニマに突入して、すでに三十分ほどが過ぎている。あと三時間半でコアを破壊しなければ、アルフヘイムは終わりだ。
レプリケイトアニマはそれ自体が巨大なドリルであると同時、爆弾でもある。
霊仙楔に到達したレプリケイトアニマは爆発し、その威力でもって霊仙楔を完全に粉砕する。
そうなれば当然、レプリケイトアニマの中にいるなゆたたちも木っ端微塵だ。
制限時間内にコアに辿り着くためには、ブラッドラストの強大な殲滅力が必要不可欠だ。
しかし――
>ガザーヴァ、ちょっと競争しようぜ。あ、俺とお前がじゃなくてね
「んゅ?」
明神の提案に、ガザーヴァは小首をかしげた。
さらに、明神はジョンへ向けて声を張り上げる。
>――ジョン!ブラッドラストを使うなとは言わねえよ。お前が力を受け入れるのなら、お前の選択を否定しない。
だけど……ブラッドラストなんざ必要ねえんだよ。そんなもんアテ込まなくても、俺たちはフリントに負けねえ。
そいつを今から証明してやる。俺とガザ公でなぁ!
ブラッドラストは外法だ。
殺人者が殺人の衝動に身を任せることにより、恐るべき力を手に入れる外道の呪詛だ。
そんな人倫に悖る邪法の助けを借りずとも、自分たちはやっていける。勝てる。先へ進める――
それを。証明しようとしている。
>勝負をしようぜ。コアに辿り着くまでに、お前と俺たち、どっちが敵を多く倒せるか。
お前がブラッドラストに頼るより速く、全部片付けてやるよ
そう言うが早いか、明神は群がるアニマゾルダートの只中へヤマシタ共々突っ込んでいった。
「ちょっ……! 明神さん!」
リーダーのなゆたが止めるいとまもあらばこそ。
明神の指示を受けたヤマシタがシールドバッシュで魔物を弾き飛ばし、明神がすかさず呪霊弾で心臓を射貫く。
無謀にも程がある。今しがた消耗は可能な限り抑えろと言ったばかりなのに、これでは意味がない。
だが――
この、一見無策で無計画な吶喊をしなければならない理由が、明神にはあるのだ。
「きひッ! なんだそれおんもしろそー! 乗ったぜ明神!
でも勝負になんのかなー? だって、ボクと明神のタッグに敵なんていやしねぇーんだからなァーッ!」
派手好き、楽しいこと好き、そして命を懸けた火事場好きのガザーヴァである。
すぐさま明神の提案に乗った。その全身をたちまち禍々しい靄が包み込み、漆黒の甲冑を形成してゆく。
本気の幻魔将軍モードだ。それからガーゴイルを呼び、鞍に飛び乗ろうとして、ガザーヴァはふとジョンを振り返った。
兜のバイザーを跳ね上げて素顔を覗かせながら、ジョンに対して口を開く。
「ジョンぴー、それさ。そのブラッドラストさ。
それ見たとき、スッゲェカッコイイなって。ボクも欲しいなーって、羨ましいなーって一瞬思ったんだけどさ。
すぐ考え直したんだ。やっぱいらねーやって」
にひっ、と白い歯を見せて、ガザーヴァは屈託なく笑う。
人を殺すことがブラッドラスト習得の条件のひとつであるなら、ガザーヴァにも習得の資格がある。
が、幻魔将軍はそれを拒絶した。
「だってさ。それ、悪役のスキルじゃん。わりーヤツが使うヤツじゃん。
パパみたいな魔王でモノホンの悪党ならともかく、オマエらは違うじゃん。セーギのミカタじゃん。
なのにオマエ、なんでそんなスキル使って喜んでんだよ?」
ガザーヴァは無邪気に、素直に思ったことを口にする。
その言葉に煽る意図は一切ない。煽り気質が平素から沁みついているという点はさておき。
「カガミ見てみろよ。今のジョンぴー、すっげぇブッサイクな笑顔してんぜ。
ボクの明神はな、世界を救うセーギのミカタなんだ。
世界を救うセーギのミカタってのは、眩しいくらいに笑顔がきらきらなヤツって相場が決まってんだよ。
そんなキッタネェ笑顔じゃ、出来ることだってタカが知れてるぜ」
ふん、と鼻白むと、ガザーヴァはバイザーを下げて身軽にガーゴイルに飛び乗り、馬腹を蹴った。
ガーゴイルが甲高い嘶きを上げて棹立ちになる。バサッ、とその巨翼が一度羽搏く。
「ボクもセーギのミカタになりたい。明神とずっと一緒にいたいから。
だからさ。それ、もう全然羨ましくねーや! んじゃな!
――おらおらァーッ! 明神、ボクを置いていくなよなァーッ!!」
ガザーヴァはガーゴイルに跨り、黒い波動を纏って一気にアニマゾルダートの群れへと飛び込んでいった。
ミサイルさながらの強力無比な突撃(チャージ)に、モンスターたちが苧殻のように吹き飛ぶ。
そうして、明神&ガザーヴァvsジョンのモンスター殲滅戦が始まった。
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