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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章
167
:
明神
◆9EasXbvg42
:2020/07/13(月) 06:36:50
「あ?お前まさか――」
>「フン!」
いつの間にか傍らに出現した大剣――アジ・ダカーハの首をぶった切ったアレを掴み、
ジョンは敵の渦中へと飛び込んでいく。
瞬きすら追いつかない間に、鋼の旋風が巻き起こり、血潮が床を赤黒く染めた。
倒れ伏す敵の残骸は、バターみたいに平滑な切り口。
あの大剣が凄まじい切れ味をもっているにしたって、人間業じゃない。
「ジョン……ジョン!そのエフェクトは!!」
ジョンの肉体を赤く包むオーラは、ブラッドラストのエフェクト。
あれだけ忌避していたスキルを、意図的に発動している――
止める間もなく、ジョンは次の獲物目掛けて跳躍した。
血の匂いのする風が起こるたび、何かがひしゃげる音が響き、その数だけ敵の死体が積み上がっていく。
作動したトラップが八方からジョンに襲いかかるが、全てをその大剣で断ち切った。
>「ふふふ・・・いくらバロールが作った兵器といえども僕みたいなイレギュラーは計算外だったみたいだな?」
気づけば、フロア内の敵は全滅していた。
血潮と、臓物と、よくわからない液体に塗れて、ジョンは口端を上げて見せる。
「お前は――」
>「それ以上は駄目! もうやめて!」
俺がなにか言うより早く、カザハ君がジョンの懐に飛び込んだ。
>「ボクは知ってる気がする……。ブラッドラストに侵された者の末路を!
夢を見たんだ……。そいつは殺戮の化け物に成り果てて最後には殺されるんだ……!」
「どういうこった……」
カザハ君は確信をもったように言う。
なんでこいつがブラッドラストの最期を知ってる?
ただ『そういう夢を見た』ってだけじゃ説明のつかない迫真性が、カザハ君の言葉にはあった。
>「どうしたんだ?早くいこう。時間がないんだろう?僕なら大丈夫!まだまだ壊したりないくらいさ!」
>「ロイを倒すのにこんな程度の力じゃ足りないしね」
「受け入れちまうのかよ、その力を……」
ブラッドラストが、俺たちにとってワイルドカードになり得るのは確かだ。
超レイド級の装甲すらぶち抜く攻撃力。フロアを埋め尽くすような数の敵相手に一歩も引かない殲滅力。
戦力として、これ以上頼りになるものは他にないだろう。
だから――もしもジョンが、フリントと決着をつけるために力を望むのなら。
俺たちにそれを止めることは出来ない。戦力の増強で助かるのは、俺たちも同じだ。
ブラッドラストの力は欲しいがそれに染まるななんて、そんな都合の良いことは……言えない。
>「バロールさん、ヴィゾフニールの格納庫はどこ?」
さらに次の階層へ歩を進めると、カザハ君が不意にバロールに問いかけた。
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