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番外編投下用スレ

11ゲームオーバー・オア・つよくてニューゲーム?:2019/11/19(火) 23:47:01
【ゲームオーバー・オア・つよくてニューゲーム?(Ⅰ)】

異邦の魔物使い一行は、激戦の末に幻魔将軍ガザーヴァを倒すことに成功した。
――パートナーモンスター二体との相打ちという甚大な犠牲と引換えに。
片や美しい少女の姿をした風の精。片や額に角を持つ純白の天馬。

「行って……! 必ずバロール様を正気に戻して……世界を救って!」

風の精はそう言って躊躇う主人達を送り出した。
彼らが仕えていた異邦の魔物使い達は、それぞれもう一体パートナーモンスターを持っている。
だから、自分達がいなくなっても必ずや最後までやり遂げてくれる。そう信じて疑わなかった。

「姉さん、私達、勝ったんだね……」

「うん……」

倒れ伏した二体(一人と一匹?)は、今際の際の言葉を交わす。
種族が全く違うのでもちろん血縁上の兄弟であるはずはないが、天馬は風の精を姉さんと呼んで慕っていた。
傷ついて地に堕ちていた天馬が魔物に襲われていたところを風の精が助けた、それが二人の出会いだった。
結局力及ばずピンチに陥ったところを、通りがかったバロールが助けたのだが――
時は流れ、世界を不穏な空気が支配し始めたころ。
バロールがローウェルの死に絶望し魔王と化したと聞きつけ旅立ったところ、
地球という世界から来たという異邦の魔物使い達と出会い、彼らのパートナーモンスターとして世界を救う冒険に加わったのだった。
風の精は、先に事切れて倒れているガザーヴァとその騎馬のダークユニサス”ガーゴイル”を横目で見た。
(どうでもいいが”ガーゴイル関係ないやん!”というツッコミ待ちなネーミングだ。
多分ガ行が多いほど響きがかっこいいという程度のノリで付けたに違いない)

「残念だったね幻魔将軍ガザーヴァ……お前の野望は……ここで終わりだ……!」

(死にかけなのに何ベタい台詞言ってるんですか……)

「えへへ、一度言ってみたかったんだ……!」

彼らは、今までの旅を通してガザーヴァこそが、バロールを唆し魔王に至らしめた黒幕だと踏んでいた。
言うなれば一点の曇りも無い純然たる悪。人型をとった悪という概念そのもの――
それを倒し、世界を救う礎となれたのだから悔いはない。ただ一つ心残りがあるとすれば――

(みんなが世界を救うのを見届けられなかったな……)

ほんの少しの未練を感じつつ、風の精は目を閉じた。


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