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凍てつく殺意@読者参加型推理サスペンス

1二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/19(木) 15:11:21
その日、白豪山は地獄と化していた。
木々に覆われ激しい吹雪に見舞われた雪山は、月の明かりも届かずに1m先もよく見えない。木々は轟音を立ててざわめき、まるで獣の咆哮のようにも聞こえる。
雪山の登山ブームにつられて軽い気持ちで参加したツアー客達は、己の浅はかな認識を悔いていた。すでに何人かの参加者がはぐれてしまっている。この猛吹雪の中でガイドもなければ、生存は絶望的だろう。
いや、ツアーガイドの顔色を見れば、我々も生きて帰れるかどうか怪しいものだ。どんどん歩いているものの、当てもなく彷徨っている事を言い出せないだけではないだろうか。
麓まであとどれぐらい歩けばいいのか、予想すらできなかった。

寒さと雪の重さに体力を奪われながら、ふと出発する前にロッジで奇妙な話を耳にした事を思い出した。
この人里離れた山の奥深くに、不釣り合いな立派な洋館があるという話だ。
なんでも、そこは幽霊屋敷だとか、化け物が住んでいるだとか、奇妙な研究をしている施設だとか、皆口々に噂話に興じていたが、この猛吹雪から身を守れるなら、いっその事その洋館にでも辿り着きたい気分だった。

2二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/19(木) 15:17:33
※これは読者参加型の推理サスペンスです。
 犯人はオリジナルのスタンド使いで、単独犯とは限りません。
 犯人を見つけ出して倒せば参加者の勝ちになります。

◎用意するもの
キャラクターの名前、一人称、口癖、語尾、趣味、クセ、2〜3行程度の略歴、キャラクターの対戦コード

(例)
名前@赤塚正一(普通の少年)
一人称@俺
口癖@ヤレヤレ
語尾@だぜ
趣味@機械いじり
クセ@話す時やたらと顔を近付ける
略歴@赤塚家の長男。親はサラリーマンで中流家庭の高校二年生。
   見た目のせいで学校では不良と見られているが、割と真面目で成績も優秀。人付き合いが苦手。
   登山ツアーで雪山に来たものの、ガイドとはぐれて遭難してしまう。
コード@1127-332246-123456

・参加できるのは総合戦力4000以下のコードでお願いします
・同じスタンド使いは同時に参加できません(ミラクルズ2人等)
・1人1キャラで、4キャラまで同時に参加可能撃です
尚、学生である必要はなく「別次元の10年後の7人目」という形で社会人での参加もOKです。
ただし、ゲームの設定には準拠します。(赤塚ならルポライター)
性格設定もゲームの性格を元に動かします。

3粉薬 ◆vY4o6ICjXk:2013/09/19(木) 18:41:21
試しに参加させてください

名前@毒島貫太郎(個性的な少年)
一人称@俺
口癖@とんでもねー
語尾@じゃん
趣味@サッカー
クセ@貧乏ゆすり
略歴@高校二年生、サッカー部所属。家庭は少し貧乏で、そのため捨てられない症候群の気がある。
家計を助ける為に、アルバイトに励んでいる。成績は真ん中あたり。痩せの大食い。
商店街の福引きでツアーを当てた事で登山に参加したが、登山経験はない。
コード@1230-332345-242627

4ワラ ◆tgL8NozhMg:2013/09/22(日) 23:27:07
それじゃあ、俺も

名前@蟻原蛍(普通な少年)
一人称@僕
口癖@もちろん
語尾@だね
趣味@読書・料理
略歴@サラリーマンの28歳。仕事は香水や化粧品を作る会社で、総務部に所属。探し物をスタンドで探したりしている。
潜水艦ルートを通り、「平和は誰かの犠牲により成り立つものだ」という考えを持っている。また、その「犠牲になる誰か」は悪人であっても敬意を払うべきだと考えている。
新商品の材料のサンプルを取るため山に来たが、他の社員とはぐれ、迷っていたところ洋館(または、上のツアー)に出会う。

こんなところでしょうか?

5ワラ ◆tgL8NozhMg:2013/09/22(日) 23:33:24
>>4
おっと、いくつか忘れていたので追加で

癖@顔の一部(鼻の頭や耳たぶ、顎など)を掻く
略歴@能力を十分に使うために虫や植物の知識はかなり多い
若干引くレベル

6ワラ ◆tgL8NozhMg:2013/09/22(日) 23:36:34
すみません。コードも忘れてました・・・orz

コード@1144−221145−867399

7二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/23(月) 14:39:20
>>3-6
参加ありがとうございます。

明日の休み明けから開始する予定ですので、もしまだ参加の方がおられたら宜しくお願いします。

8ヨリ ◆ywmVdUwUgY:2013/09/23(月) 22:04:16
間に合うかな・・・

名前@守久百合(小柄な少女)
一人称@私
口癖@素晴らしいね
語尾@です
趣味@音楽鑑賞・散歩
クセ@よく後ろ手を組む
略歴@高校2年生、平凡な家庭出身。
口下手なためあまり人としゃべらなく、友達は少ない。成績は中の下。
毎日日記を書いていて、旅行先にも持っていく。
SP達においしいものを食べさせてあげたいと思っているが、スタンドはものを食べることができるのか少し悩んでいる。
テレビで流れていた雪山の風景をSP達が興味深そうに見ていたのと、自分も少し登山に興味があったのでツアーに申し込んだ。
コード@2342-221256-417239

9つき ◆O8ZJ72Luss:2013/09/23(月) 22:06:32
では私も……。


伊佐治織絵(普通の少女)
一人称@わたし
口癖@ありゃまあ
語尾@だわ
趣味@読書と手芸
クセ@考え事をする時に髪の毛をいじる

略歴@伊佐治家の次女。医師志望の高二。
   繊細で思いやりのある性格だが、表に出さないので冷たく見られがち。インドア派なので体力はあまり高くない。
   ツアーには、アウトドア派の姉の付き添いとして強制参加させられた。が、姉は当日体調を崩し欠席。一人参加することに。

コード@2139-332146-175896

こんな感じでいいでしょうか?

10名無人目のスタンド使い:2013/09/23(月) 22:59:16
名前@影山鈴音(普通の少女)
一人称@私
口癖@うう・・・
語尾@ね? ね?
趣味@絵を描くこととメモの整理
クセ@なにかをなくしてないか、すぐ点検する

略歴@25歳。連載を持ってる漫画家。作品人気はそこそこ上の方。
   作品がひと段落し、二週間分の休暇をもらえたのでツアーに参加。
   ネガティブ思考なので面と向かって作品をけなされても「そうですよね」としか思わないが、褒められるとどう反応すればいいのか分からなくなって混乱する。
   戦いの中でも後方支援が多かったせいか、危ない場面になると自分が頑張らなければならない、と言う思考が働く。

コード@2135−322166−864597

11二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/24(火) 18:27:30
「おーい、誰かいないのか!?」
真っ暗な森の中、毒島貫太郎は力いっぱい声をあげた。
しかし、何も返事は返って来ない。吹き荒ぶ猛吹雪が、声すらも掻き消してしまうようだった。すでにツアーの一行からはぐれて、一時間近くが経過していた。
「完全にはぐれてしまったようね」
伊佐治織絵が、守久百合の様子を看ながら言った。豪雪の雪山で猛吹雪に見舞われながら彷徨い歩いた事で、3人の体力も相当消耗していたのだが、特に守久の具合は悪くなっていた。
「このままじゃヤバイじゃんか。その子の具合はどうだい?」
顔の周りの雪を払いながら、毒島が守久の顔を覗き込む。
「良くないわね、無理をしすぎだわ。吹雪から身を守る為とはいえ、わたし達ごとスタンドで覆って保護してたのだから」
伊佐治が吹雪から守久をかばうように抱えながら答える。
「頼むぜ、あんたのスタンドが頼りだからよ」
「出来る限りの事はしてみるわ。それよりも、あなたも無理をしすぎないようにね」
3人の体を、毒島が自分のスタンド・・・『ザ・ジョイキラー』で吹雪からかばっていた。
「平気さ。それに俺のスタンドじゃ、これぐらいしかできねーからよ」
そう言うと、再び大きな声で呼びかけを続けた。しかし強がりな言葉とは裏腹に、体の震えが止まらないのは目に見えて分かる。よく見れば、まつ毛は凍り、唇も色を失って紫色になっていた。
本来スタンドは物理的な干渉を受けないが、そのままでは吹雪を防ぐ事ができない為、あえて干渉させて防いでいるのだ。だが逆に干渉させるが故に、冷気も本体に影響を及ぼす。いくらスタンドが人間より丈夫とはいえ、極寒の中を何時間も立ち尽くすというのは自殺行為に他ならない。腕の中の少女は、そのせいで衰弱してしまったのだ。
遭難した場合、その場を動かない方が救助の可能性はあがるという話を聞いた事があるが、このまま留まり続けても、待っているのは凍死である事は明白だった。しかし闇雲に森を歩いても、残り少ない体力を消耗するだけだ。
「わたし達のスタンドが、遠くまで飛ばせるものだったら・・・」
有り得ないような偶然だが、この場に居合わせた全員がスタンド使いなのだ。しかし、3人ともそろって近距離型であった。もしも誰かが遠距離まで届くスタンドを持っていたら、この雪の中でも行先を探る事ができるのに。守久の体温が徐々に失われていくのを感じ、伊佐治は焦りと歯がゆさから奥歯を噛みしめる。
その時だった。
「お、おい、あれなんだ?」
毒島が森の奥の方を見ながら指をさした。猛吹雪のせいでほとんど視界が見えないが、確かに何かが漂っているのが見える。ただ、そのシルエットは明らかに『人影』ではない。大きな卵のような物から、小さな手足と、ヘビのような、尻尾のような細長い何かが見える。それが宙に浮かんでいるように見えた。この吹き荒ぶ猛吹雪の中、風の影響を受けることなくふわふわと。
「スタンドか!」
「そうでなければ、幽霊の類ぐらいでしょうね」

12二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/24(火) 19:20:28
伊佐治は、守久への応急処置をしながら警戒態勢を取り、その『何者か』の様子を探る。
周りをキョロキョロ見回して、何かを探しているようだった。
「おい、もしかして、俺達を探しているんじゃあないか?」
毒島が伊佐治に問いかける。さっきまで大声で助けを呼んでいたのだから、確かにその可能性は高い。しかし、こんな雪山の中に更にスタンド使いが現れるなんて偶然があるだろうか?どこから現れたというのだろう。
こんな時に伊佐治は、普段なら遠くから観察して接触は避けたいところだったが、今はその余裕がない。
「この子の状態も良くないし、あれが救助に来てくれたスタンドである事を願うわ」
「そうだな、俺もこれ以上耐えられるかわかんねーしよ」
そう話す毒島の歯がガチガチと音を鳴らしている。

「おーい!ここだー!」
毒島が大声で、『何者か』に呼びかけた。呼びかけられた『何者か』は、まさか声を掛けられるとは思っていなかったらしく、ビクッと跳ね上がって驚きながら、恐る恐る3人の元へと近づいてきた。
「ずいぶんと小型のスタンドだな」
「恐らく、遠距離型ね。本体は遠くなのかしら。」
伊佐治は、じろじろと観察している。敵意がないかどうか、一体何者なのかどうかを知りたげだった。
「救助に来てくれたんだと助かるんだけどな」
毒島が、『何者か』の卵状の頭部を撫でながら言う。
『・・・あ、あの、だ、大丈夫ですか?』
「うおっ!?」
言葉をしゃべるとは思っていなかったのか、毒島は大きく驚いて尻もちをついた。伊佐治はそれには意も介さずに答える。
「あまり大丈夫とは言えないわ。見ての通り、一人は衰弱しているし、わたし達も寒さで体力の消耗が激しいの。助けてもらえるかしら?」
伊佐治は冷静に状況を説明したが、『何者か』は申し訳なさそうに答えた。
『うう・・・じ、実は私も・・・遭難してしまって。声がしたから救助の人かと思って・・・』
「う、嘘だろ!?」
毒島が目に見えて落胆して、がっくりと肩を落とした。期待していた分、ショックが大きかったようだ。
伊佐治も正直、少なからず助けを期待していた為、意気消沈してしまったが、それは表には出さないでいた。
今は気をしっかり持たなければ、すぐにでも倒れてしまいそうだからだ。
「・・・そう、それじゃあ、あなた自身はどこにいるの?」
『わ、私は、ここから300mぐらいの場所にいます』
「それなら、これから合流しない?遠くまで見えるスタンドがいれば心強いし、遭難者同士協力しましょう」
『わ、わかりました!』
声の主は、慌てたような感じで答えた。受け答えの感じからすると、同年代か年下ぐらいだろうか。びくびくとした印象を受ける女性だった。どんなスタンド能力なのかは分からないが、今は生き残る為に少しでも協力者が欲しい。

『そ、そうだ。凍えているんですよね?それなら何とかできるかもしれません!』
そう言うと、『何者か』の頭部の目のような模様が光った。一瞬何が起きたのか分からなかったが、すぐにその効果に気が付いた。体の中から「ポカポカ」と暖かく感じるのだ。まるで暖かいスープを飲んだような、心地良い温もりだった。
「こ、これは・・・?」
『私の「ミラクルズ」の能力で、暖かくなる暗示をかけました。少しはマシになると思います。』
そう言うと、『ミラクルズ』は飛んできた森の奥へと飛び去っていった。

13二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/24(火) 19:30:16
こんな感じで続いていきます。
まだ冒頭部分ですので、自由行動ができる状態までは引き続きこちらで書き上げていきます。

1410の影山 ◆cR08PK3l1o:2013/09/24(火) 23:08:52
すげえええ!
とってもわくわくしてきました
続きお待ちしてます!

154の蟻原:2013/09/25(水) 08:08:56
おお!続きが気になります!
更新楽しみにしてますよ!

しかし、学生組は近距離で
大人組は遠距離なのか(笑)

163の毒島:2013/09/25(水) 14:06:56
いいですね!
これは毎日チェックしに来ねば・・・!
しかし、しっかり者なタイプが伊佐治だけなので、これは苦戦の予感・・・?

17つき ◆O8ZJ72Luss:2013/09/25(水) 14:48:58
続き! 気にならずにはいられないッ!

本当だ、学生と大人とで綺麗にわかれてますね(笑)
続き楽しみにしてます!

18二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/25(水) 15:10:33
これがあの『ミラクルズ』のスタンド能力。どうやら暗示をかけるスタンドのようだ。
おかげで3人の顔色は少し良くなったが、それでも猛吹雪の寒さは凄まじく、本当に一握りの元気が戻った程度だ。
ミラクルズの暗示はそこまで強力なものではないらしい。このまま立ち往生していれば、凍死するのが少し先になるだけだった。

「指先の感覚が戻ってきただけでも、俺は大助かりだけどな。つま先が凍傷で壊死したりしたら、サッカーができなくなっちまうからよ」
命の瀬戸際でそれどころではないと思うものの、毒島の軽口が少なからず周りの沈んだ空気を緩和してくれた。
この絶望的な状況で希望を捨てずにいられるのも、彼の醸し出すムードに助けられたところが大きい。

「さっきの子と合流して、ここの周囲を探索できればまだ希望はあるはずよ」

暗示のおかげで体温が戻りつつある守久を看ながら、森の奥へと視線を送る。凍りかけた前髪を指でときながら、視線を落として伊佐治は考えていた。本音ではあまり楽観視はしていなかったのだ。
そもそも、一緒にいたツアーの面々も無事かどうか定かではない。ガイドは明らかに不測の事態に陥ったと言わんばかりに、焦りに満ちた表情で麓へと誘導していた。すでに雪で視界もままならなかったあの時、道を間違えていた可能性も少なくない。
もっとも、今はツアーの面々よりも自分達の心配をした方がいい。今回のツアーでは、この山は都会の喧騒とはかけ離れ、自然のまま人の手もほとんど入っていない事が売りだった。そうなると、民家はおろか救助隊が通る道すらない可能性が高い。救助が来るにしても時間がかかるという事だ。

19二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/25(水) 15:11:34
「伊佐治、聞いてるのか?」
毒島のかけた声に、考え込んでいた伊佐治がハッとして驚き顔をあげた。

「あ、ごめんなさい、何だった?」
「ほれ、どうやらさっきの声の主が到着したみたいだぜ」
指を刺した森の方を見ると、先ほど出会ったミラクルズが人影を従えてやってくるところだった。スタンドの後方にいる人影は二つ。

「1人はさっきの子だろうけど、もう一人は誰だ?」
「さあ・・・わからないけど、背格好からして男の人みたいね」
ザクザクと雪をかき分ける物音を立てて、二つの人影が森の奥から姿を現した。1人は先程の声の主であろう、金髪を束ねた若い女性だ。伊佐治が思っていたのとは違い、どうやら3人よりも年上のようだった。不安げな表情を浮かべ、もう1人の男性の背後に少し隠れるようにこちらを伺っている。

「あ、あの・・・私・・・ミラクルズの、影山鈴音と申します。ツアーに参加していたんですけれど・・・」
どうやら彼女も、3人と同様にあの登山ツアーの中からはぐれてしまったようだ。

「あなたもですか・・・では、そちらの男性も?」
伊佐治の言葉に、影山と一緒にやってきた男性は首を横に振る。

「いえ、僕は仕事でこの山に来たんですが、急に天候が悪くなってしまって。1人で立ち往生している時に、彼女と出会ったんです」
男はそう言いながら、防寒着の裏ポケットに手を突っ込むと、名刺を取り出して差し出した。

「蟻原蛍、と申します」
まるで営業に来たサラリーマンのように、蟻原は丁寧におじぎしてみせる。猛吹雪の中でてきぱきとスムーズに名刺交換をしている姿は、かなりシュールに見えた。

「はあ、御丁寧にどうも。ところであなたもスタンド使いなんですか?」
毒島が調子が狂ったといった感じに、頭を掻きつつ名刺を受け取りながら問いかけた。

「ええ、一応は・・・」
そう言いながら、蟻原は手の平を差し出すと、数十匹の様々な虫がうじゃうじゃと湧き出てきた。

「うわああああああっ!?」
手の平を覗き込んでいた毒島が、それを見てまた驚き尻もちをつく。「痛ぇ、同じとこ打った!」と、腰を抑えて雪の上を転がった。

「す、すみません。見ての通り、スタンド像の虫を呼び出す能力でして。この能力を利用して、特定の植物を探して採取していたんです」
驚かせてしまった毒島に、蟻原が両手を合わせて心底申し訳なさそうに謝る。

「ちくしょう、どいつもこいつも!っつーかよ、遠距離型とか探索型の能力者が揃って遭難とか、どんだけ間が抜けてんだよ!」
毒島は痛む腰をさすりながら、訝しげに蟻原と影山を交互に見た。その視線に、2人揃ってばつが悪そうに視線を落とす。

「ご、ごめんなさい・・・つい、うっかり・・・」
「物や特定の動植物を探すのは得意なんですが・・・」
2人は声も次第に小さくなり、申し訳なさそうに答えた。その様子を見ていた伊佐治も、思わずため息を漏らす。

「御二人とも、しっかりして下さい。今はあなた達だけが頼りなんですから」

その言葉にハッとして、影山が自分の両頬をパンと叩く。
「そ、そうですよね!ともかく、この近くにツアーの団体か登山道がないか探してみます!」

そう言うと影山は、頭上に真っ直ぐミラクルズを飛ばしてみせた。周囲の様子を上空から探るつもりなのだろう。しかし、この吹雪の中では視界はほとんど効かない。何か光源でもあれば別だが、闇夜と雪で何も見えないんじゃないだろうか。
もっと他にいい方法はないだろうかと、伊佐治が再び考えを巡らそうとした瞬間、影山が小さく叫んだ。

「・・・あっ・・・ひ、光!」
その場にいた全員が、一斉に影山の方を振り返った。

208の守久 ◆HMzaQY2Xb6:2013/09/25(水) 15:52:56
み、見てないうちにこんなに更新が・・・
続きが凄く気になります!
更新楽しみにしてます!

21二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/25(水) 15:58:27
>>14-17
ありがとう御座います。
尚、彼らはジョースター一行と接触のないパラレルな存在とさせて頂いております。(関係性がおかしくなる為)
登場人物が出揃うまで、もうしばらくプロローグに御付き合い下さい。

2210の影山 ◇cR08PK3l1o:2013/09/25(水) 20:18:06
>>21
おっとそうでしたか。
旅の途中とか書いちゃったw 無視してくださいな
引き続き続きお待ちしております

23二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/26(木) 17:09:02
5人がいる場所から、ほんの数百mほどのところに、うすぼんやりと小さな明かりが見える。よく目を凝らして見ないと見落としてしまいそうなか細い光だが、それは確かに煌々と輝いていた。
「あ、あれってきっと救助隊ですよね?ね?」
影山は興奮気味に周りに問いかける。そう言われても、ミラクルズの見ている視界は他の人間には確認しようがないから何とも言えなかったが、影山のテンションに押されて皆頷いた。
「ちょっとミラクルズに確認させますから!」
話し終わるよりも早く、ミラクルズを一直線に光の元へと飛ばす。

「やったじゃん!これで帰れるぜ!」
毒島は早くも期待に胸を膨らませていたが、その横で蟻原が顎先を掻きながら訝しげにその方向を見て呟いた。
「おかしいな。あっちは山の上の方向だろう?仮に救助隊なら、麓から来るはずじゃあないのか?」
蟻原の指摘に、伊佐治も頷く。

「ヘリとかで、山の上から探索したんじゃねーの?」
「この猛吹雪の中で、ヘリコプターなんて飛べやしない。それに、救助隊が来るということは誰かが我々が遭難した事を伝えてからだろう。しかし君達がツアーや、私が同僚とはぐれてから1〜2時間程度しか経っていない。この吹雪の中、そんな短時間で下山して、更には救助隊まで駆けつけるなんて事があるだろうか?」

蟻原の答えに、毒島は言い返せずに黙ってしまう。確かに、救助隊が来るにしては早すぎるし、位置もおかしい。
「それじゃあ一体、あの光はなんなんだよ」

「民家かもしれない」
毒島の問いに、今まで黙っていた守久が答えた。暗示で体温が戻ったおかげで、意識を取り戻したようだ。
「守久!お前、大丈夫なのか!?」
すぐさま毒島は、伊佐治に抱きかかえられた守久の顔を覗き込んだ。数十分前まで血色を失っていた肌も、今は温かみを取り戻していた。まだ万全とは言えそうにないが、少なくとも会話できる程度には回復したようだ。
「ごめんなさい」
守久は、伊佐治と毒島の目を見ながら「荷物になってしまいました」と呟いた。
「馬鹿、謝るなよ!それは俺の台詞じゃんか!」
毒島は守久の冷たい手を握って暖める。自分よりも体も小さな女の子に、自分を守らせてしまった事を悔いていたのだ。
「そうよ、あなたが守ってくれたおかげで、ここまで命を繋ぐ事ができたんだから」
伊佐治も片手を握りながら、守久にお礼を言った。ここまでの肉体的負担を、彼女が一身に背負ってくれたおかげで助かったと言ってもいい。そんな2人の気持ちを察してか、守久も小さく微笑んだ。伊佐治が抱えていた守久を下して立たせる。
「だいぶ血色も良くなったわ、もう大丈夫そうね」
「そういえば、君達はどういう関係なんだい?友達なのか?」
蟻原が3人に問いかけた。
「いや、俺達は一緒の登山ツアーに参加してたんだ。たまたま3人揃ってツアーからはぐれちまったんだよ」
「なるほど。ところで、さっきの民家かも知れないというのは?」
「ツアーが出発する前、集合場所のロッジでそんな話を聞いたんです。この山に、一件だけ奇妙な御屋敷が建っているって」
守久が、ふらつきながら問いに答えた。寒さは和らいだものの、体力の消耗はやはり激しそうだ。もっとも、この中で体力を消耗していない者はいなかった。

「・・・あれ?人じゃない」
その時、影山がぽつりと呟く。
すでにミラクルズは光の元に辿り着いていたが、そこにいたのは救助隊ではなかった。暗闇と吹雪の中、森と山の闇にまぎれるようにして、それは佇んでいた。まるで西洋の城のような重厚な作りのそれは、雪山の中で一際異彩を放っている。
「これ、建物・・・洋館?」
影山が上空から発見した光は、その洋館から漏れる室内光だった。

248の守久 ◆ywmVdUwUgY:2013/09/27(金) 10:15:02
おお、ついに館が・・・
ところで参加者はコテハンつけといたほうがいいでしょうか?

258の守久 ◆ywmVdUwUgY:2013/09/27(金) 12:01:06
あ、諸事情があってコテハンが妙なことになってますが、>>20も私です。

26二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/09/27(金) 15:50:55
>>24
行動選択をしていただく時にだけコテハンをつけてもらえればいいと思います

278の守久 ◆ywmVdUwUgY:2013/09/28(土) 20:05:59
わかりました
ありがとうございます!

28二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/01(火) 16:26:16
5人は影山が発見した館の前に辿り着いた。石造りの重厚な壁と、ところどころに見える金属装飾を見ていると、まるで異国の地に来たかのような錯覚を覚える。
周囲には倉庫が二つあるぐらいで、辺りは森で囲まれており、道らしい道も分からない。陸の孤島といってもいい環境だった。
館の窓からは、相変わらず光が漏れている。5人は館の正面ドアの前にいた。ドアは年代物の木製で、これまた見るからに豪華な作りをしている。
「こんなところに人が住んでいるのかしら?」
伊佐治は信じられないといった顔で屋敷の周りを見渡している。よく見れば、不自然に盛り上がった雪の山がある。形からして

車だろうと思われるそれは、3つ程並んですっぽりと雪をかぶっていた。
「世の中にはそんな物好きもいるもんだよ」
そういうと毒島は、扉についているライオンの装飾がついたドアノッカーを打ち鳴らした。
それを見ていた蟻原が驚いて目を丸くする。
「お、おい、少しは警戒しないのか?」
「だってこのまま外にいたら、どの道凍死じゃん。出たとこ勝負さ。それに、こっちはスタンド使いの集団だぜ?」
もう一度ゴンゴンとドアノッカーを叩く。
「すみません、誰かいませんかー?」

しばらくの静寂の後、正面のドアが重たい音を立てながら静かにゆっくりと開いた。
入口から顔を覗かせたのは、きちっとした黒いスーツ姿の初老の男性だった。5人の事を訝しげに見ている。
「どちら様ですかな?」
「突然すみません、この吹雪で道に迷って遭難してまったんです。助けて頂けないでしょうか」
伊佐治が頭を下げてお願いをする。それに応じて皆も頭を下げた。
初老の男性はそれを見ながら少し考えて「少々お待ちください」と言葉を残してドアを閉めた。

29二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/01(火) 16:27:58
数分後、ドアが再び開くと、そこには先程の男性と一緒に二人の老夫婦が立っていた。
「こんな吹雪の中、大変だったでしょう。さあ、おあがりください。平林、温かいスープを用意しておくれ」
平林と呼ばれた先程の初老の男性が「かしこまりました」と踵を返し、館の奥へと歩いていった。
「私は鍵村六郎、こちらは妻の妙子だ。この屋敷は私の別荘でね。さあ、こちらへ」
そう名乗った老紳士に案内され、館の中へと通された。館の中は外とは違い、漆喰の壁とアンティークな家具で彩られ、モダンな雰囲気が漂っている。
重厚な壁が外の吹雪の音や寒さを凌いでくれるおかげか、中は意外にも快適だった。もっとも、今まで

が酷過ぎたせいもあって天国のように感じているのかもしれないが。
「こんな猛吹雪の日に遭難なんて、恐ろしい目に遭ったね。私も若い頃は何度か遭難した事があるんだが、生きた心地がしなかったよ」
六郎は笑いながらそんな事を話しつつ、6人に目をやる。珍しい客人に興味深げという感じだった。
「あなた、お話よりも早く暖炉に当たらせてあげなくちゃ。きっと凍えているわ」
夫を窘めるように夫人の妙子がそういうと、足早に歩いて手前のドアを開いた。
「さあ、こっちの客間ならゆっくりできるわよ」
妙子の案内に従って、6人は部屋に入る。部屋はすでに火を灯されていて、上にはアンティークのシャンデリアが煌々と室内を照らしている。
長ソファが3脚、それに暖炉のそばにロッキングチェア。壁には蔵書もいくつか置かれており、どれも年代物といった感じだった。
「まださっきつけたばかりだけど、すぐ暖かくなるわ。もうすぐスープもできますからね」
そう言い残して、鍵村夫妻は立ち去っていった。

「助かったー!」
ホッと一息ついて、毒島がソファに身を投げ出した。
「ちょっと、少しは手伝ってよね」
伊佐治は肩を貸してた守久を、暖炉近くのロッキングチェアに座らせる。
「それにしても、こんな山の中に別荘があるなんてね」
「相当の大金持ちなんじゃね?」
靴を脱いでソファに寝ころびながら、すでに毒島は完全にくつろいでいる。
「影山さんがここを見つけてくれなければ、かなり危なかったな」
蟻原の言葉に、影山が慌てて否定する。
「わ、私は偶然見つけただけで!」
照れているのか、顔を真っ赤にして手をぶんぶんと振っている。
「いや、影山さんがいなかったら寒さもしのげなかったしよー、ホント感謝感謝じゃん?」
その様子を見ていた毒島も、調子に乗って影山を褒め称えた。それを聞いた影山は、更に耳まで赤くなる。どうやらあまり褒められ慣れていないようだ。
「あ、あの、あわ・・・私・・・」
影山はどう返していいのか分からなくなり、おろおろと辺りをキョロキョロ見回した。それを見ながら、蟻原は不思議そうに、毒島はニヤニヤ笑っている。
「ありがとう、影山さん」
話の流れに乗じて、守久も今までのお礼を言う。守久には何の他意もなかったが、影山にとっては致命的な一言だった。影山はぷるぷると震えながら、ソファのクッションに顔を押し付けてうずくまってしまった。
「こら、影山さんをいじめてないで、あなた達もしっかり服を乾かしておきなさいよ」
強引に話題を変えるように、伊佐治が防寒服を脱いで暖炉の前にかけた。雪が解けだしてべたべたと床のカーペットが濡れている。同じように頭や顔に降り積もった雪が解けたせいか、髪や中の服も少し濡れてしまっていた。
「ういーっす」
毒島と蟻原も、防寒服を乾かした。そうこうしているうちに、扉が開いて平林が顔を出した。
「お待たせいたしました、お食事の準備が整っております。こちらへどうぞ」

30二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/01(火) 16:30:09
すみません、メモ帳から移したせいで段落やらが途中で途切れてしまってる部分がありますね。
読みにくくなってしまい申し訳ありませんが、御容赦下さい。

31二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/02(水) 13:52:59
6人が平林について行くと、何脚も椅子が置かれている大きなテーブルが見えてきた。真っ白なテーブルクロスの上に、6人分の暖かいスープと軽食が用意されている。テーブルの一角に、先程の老夫婦と男女二組が腰を下ろしていた。
1人は眼鏡をかけた、ジャケット姿の少し気難しそうな雰囲気が漂う男性。もう一人は対照的に茶髪でパーカー姿にあごヒゲを生やした、少し遊んでそうな男性だった。女性の1人は上品で清楚な佇まいをした、タートルネックにカーディガンを羽織った女性と、こちらも対照的に今時のギャル風な感じの女性だ。

「やあ、ようこそ鍵村邸へ。すでに夕食は済ませてしまっていたので、簡単なもので申し訳ないが、どうぞ召し上がってください」
六郎がパイプをふかしながら、席へと促してくれた。
「そんな、こちらこそありがとう御座います。おかげで命が助かりました」
「いやいや、困った時はお互い様だよ。それに、こんな場所だからなかなか客人を招き入れるという機会もないからね、むしろワクワクしてくるぐらいさ」
そういうと、六郎は楽しそうに戸棚を開けてシャンパンとグラスを取り出した。
「君達、お酒はいけるクチかね?」
「え、えーっと・・・」
「ええ、頂きます」
影山が差し出されたグラスを前に目を泳がせていると、蟻原がそれを取って差し出した。
「これは私のお気に入りでね。お客が来たらいつか振る舞おうと思っていたんだ」
六郎はニコニコと蟻原のグラスにシャンパンを注ぎ、ついでにもう一杯を注いで影山の前に置いた。

「あなた、お食事の前なのにお酒なんて」
「食前酒じゃよ、食前酒。乾杯したいじゃないか。君達は・・・学生さんかな?」
伊佐治達を見て、六郎はシャンパンの代わりにぶどうジュースを手に取る。
「ええ、わたし達3人は高校生です」
「高校生!わっかいなー!」
先に座っていたパーカーの男性が声をあげた。
「高校生でこんな雪山に登山とかよくやるねー。もっと面白い事が他にもいっぱいあるだろうにさ」
「ホントホント、それで死にかけるとか笑っちゃうよねー」
男の軽口に、ギャル風の女性も乗っかった。
「亮(とおる)、鈴(りん)!酷い目に遭った方々に、そんな失礼な事を言うんじゃありません」
妙子が2人を強い口調で叱った。
「すまないね、うちの弟達はどうにも口が悪くて」
眼鏡をかけた男性が、伊佐治達に頭を下げた。その様子を見ていた六郎が、コホンと一つ咳払いをする。
「そうだな、まず先に自己紹介をしておこうじゃないか。私は鍵村六郎、この屋敷の主人だ。いつもは海外で妻と隠居生活をしているんだが、一年に何回かこうして子供達と一緒に別荘で過ごす事にしているんだ」
「私は鍵村妙子、この人の妻です。ごめんなさいね、折角おもてなししようと思ったのに」
鍵村夫妻はそういうと、目を合わせて少し困った顔で微笑んだ。

「初めまして、私は鍵村修司(しゅうじ)、この家の長男です。こちらは妻の幸恵(ゆきえ)です。」
眼鏡の男性が自己紹介すると、幸恵と呼ばれた上品な女性が会釈する。
「初めまして、幸恵です。調子の悪い方もおられたそうですが、大丈夫ですか?」
幸恵の言葉に、守久が小さく「大丈夫です」と答えた。

「俺は亮、次男坊だ。職業は・・・今はフリーターだけど、そのうちデカい事をやってみせるぜ!」
「あんたはバカ言ってないで、兄貴は早く仕事見つけなよ。私は鈴、こう見えても看護師やってんだよねー」
そう言いながら、鈴は手で注射器をうつような仕草をして見せる。
「私は平林孝之(ひらばやし たかゆき)と申します。鍵村様の別荘の管理やお世話をさせて頂いております」
平林が恭しく礼をする。

32二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/02(水) 14:00:41
<行動選択>

各キャラクター、書きたい自己紹介があれば台詞形式でお願いします。
もちろん無くてもデータを元にこちらで用意するので大丈夫です。

また、「蟻原」と「影山」にはお酒が渡されました。中身は普通のシャンパンです。
飲むかどうか、また飲んだ場合に何か変化があれば教えて下さい。
他にもNPCに対しての会話や質問があれば書き込みください。

33二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/02(水) 14:03:05
>>31の一部修正
×「あんたはバカ言ってないで、兄貴は早く仕事見つけなよ。
○「バカ言ってないで、兄貴は早く仕事見つけなよ。
鈴は長女です

34蟻原 ◆XaXp325K/w:2013/10/03(木) 23:34:49
全員と名刺を交換し、みんなにした説明と同じ紹介をいいます
もちろん、スタンドについてはなしで

その他には修司さんの職業をきいたり、
電話を借りて会社に連絡をしたいです
(山の中だから携帯の電波は入らないかもしれないので)

お酒はいける口ですが、飲むと笑い上戸になるのと、スタンドが軽く制御不能になって、数十匹が勝手に飛んでいきます(本人は無自覚)

こんなところです。動かしずらかったら、無視しても結構ですよ〜

35影山 ◆cR08PK3l1o:2013/10/04(金) 01:18:44
名前と職業だけの簡単な自己紹介をして、蟻原さんに便乗する感じで電話借りたいです

お酒はたしなんでるので飲みます
意識はわりあいはっきりしてますが顔が真っ赤になるので指摘されると飲んだくれのだらしない人だと思われたかもしれない、とへこみます

36二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/04(金) 13:41:28
>>34-35
了解しました、その方向で描写していきますね、ありがとう御座います

学生組の方は大丈夫でしょうか?
週明けに続きを書きますので、もしあればお願いします

37伊佐治 ◆O8ZJ72Luss:2013/10/04(金) 19:42:07
まだ少し警戒しているので、必要最低限の自己紹介をしますが、看護師だという鈴さんの話に興味を持ちます。
それと、実家と姉の家に連絡を取りたいと考えていますが、守久の体調がまだ心配なので、離れてもいいかちょっと迷っています。


続き楽しみにしてます!

38毒島 ◆vY4o6ICjXk:2013/10/04(金) 20:42:25
いつも通り調子に乗って、あることないことベラベラ喋って自己紹介(三割ぐらいデタラメ)

幸恵さんが美人で若いなら少しデレっとする

398の守久 ◆ywmVdUwUgY:2013/10/06(日) 14:16:35
名前などの簡単な自己紹介をして、
この別荘がいつ建てられたのかを興味本意で、しかし相手が不快にならないように口下手なりに言葉を選びながらききます。
連絡をするために、電話を借りたいと思います。

こんな感じです。不快に〜のところは、無視しても大丈夫です。

40二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/07(月) 17:50:42
影山が真っ先に勢いよく頭を下げる。
「わ、私は影山、影山鈴音と申します。登山ツアーに参加していたんですけれど、はぐれてしまって・・・」
「では、皆さんそちらのツアーに?」
「いえ、僕は仕事で同僚達と共にこの山に来たんですが、急に天候が悪くなってしまって僕一人はぐれてしまったんです」
そこまで言って蟻原は「おっと」と胸ポケットを探り、名刺を取り出す。
「失礼、申し遅れました、僕は蟻原蛍と申します。○×社に勤務しています」
取り出した名刺を鍵村家に配りながら自己紹介と会釈をする。

「ああ、あの会社の方でしたか。奇遇ですね、私もそちらの会社と取引をした事があります」
修司が名刺に目を通しながら、思い出したように話す。
「そうなのですか?失礼ですが、修司様はどちらの・・・」
「私は鍵村製薬の役員をしています。父の会社でして」
そう言うと、自身の名刺を出して交換する。鍵村製薬所と言えば、テレビでもたまにCMを流しているそれなりに名の知れた製薬会社だ。
「鍵村製薬の!これは失礼しました」
再度一礼する蟻原に、修司が困った顔で手を振った。
「そんな、やめてください。今は仕事の付き合いはなしにしましょう。それにコネ入社みたいなもので、私には父のような才覚もありませんし」
そう言いながら、恥ずかしそうに頭を掻いた。
「そんな事ないわ、修司さん。皆さん、あなたに期待しているんですから、自信を持って」
幸恵が修司の背中に手を添えながら微笑んだ。それを見ていた毒島の顔が緩む。
「いいなぁ、ああいう女性って。陰で支えてくれるっていうか。美人だし、羨ましいじゃん」

ニヤニヤしている毒島を背に、伊佐治と守久が続いて自己紹介する。
「伊佐治織絵といいます。わたしとこちらの守久さん、後ろの毒島君は影山さんと同じツアーで一緒になりました」
「守久百合です。助けて頂いてありがとう御座います。すごいお屋敷ですね」
「こんなところに建ってるから、幽霊屋敷かと思ったじゃろ?」
六郎がニヤッと笑いながら守久を見る。奇妙な屋敷という噂を聞いていたのもあって、守久は慌てて否定した。
「いいんじゃよ、麓じゃそんな話をしてるのを知っとるからのう。この屋敷は、北欧の方から取り寄せた中世時代の建物でな。旅行に行った時に一目惚れして、別荘として買い取ったんじゃよ。それにむしろ楽しいじゃあないか、幽霊屋敷の主の方が」
いひひひひ、っと六郎は悪戯っぽい笑いを浮かべた。
「確かにそっちの方が面白そうッスよねー」
いつの間にか輪に入ってきた毒島が、六郎の話に乗ってきた。
「あ、俺、毒島貫太郎って言います。このお屋敷、雰囲気ありますもんね!幽霊にも人気出そうで・・・いや、むしろこの洋館を幽霊屋敷だと思って寄ってきた遭難者の霊が俺達だったりして・・・」
舌を出しながらおどろおどろしい顔をして見せる毒島に、六郎が更に白目を向いて、指で見立てた包丁を舐めるような仕草を見せる。
「いいやあー、見たとこ君達は生きとるよー。なにせとっても美味そうじゃからのおー。ようこそ人食い屋敷へ・・・」
毒島と六郎はそんなお互いのおかしな顔や様子を見て、ゲラゲラと笑っている。2人共ノリが近いのか、妙に馴染んでいた。その様子を見て、守久が少し引いている。
一方で、伊佐治はまだ警戒心を解いていなかった。親切な人達であるとは思うものの、スタンド使いがこれだけ集まるという偶然と、この奇妙な屋敷との出会いというのは、まるで何かに招かれたかのように思えたからだ。

41二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/07(月) 17:56:33
「何をそんな気難しそうな顔してんの?」
考え込んでいる伊佐治の肩を、鈴がポンと軽く叩いた。
「あ・・・いえ、なんでもないです」
「父さんの事なら放っておいていいわよ、いつもあんなノリだから」
いつの間にか毒島と変顔合戦になっている六郎を、呆れたように見ながら言う。
「そういえば、鈴さんって看護師さんなんですね」
「あら、やっぱ意外だった?」
意地悪そうにニヤッと笑う。
「いえ、そんな事はないです。ただ、私も医療の道を志望しているので、ちょっと興味があって」
「そうなの?言っとくけど、この道は厳しいしきっついわよー?勉強もそうだし、仕事もね」
確かに、人の命を預かる現場なのだから、それもそうだろう。鈴もいい加減そうに見えるが、仕事自体には真摯に取り組んでいるとの事だった。

皆の様子を見ていた妙子が、手をぱんぱんと叩く。
「さあさ、楽しいおしゃべりも一旦止めましょう。お料理が冷めてしまうわ」
いつの間にか温め直したスープを、平林が席に並べていた。
「おっと、そうだった。さっきまで遭難しとったんじゃからな」
そう言うと、六郎はシャンパンを持って自分の席へと戻る。それにつられて、皆も席に着いた。
席に着いたのを見計らって、六郎はコホンと咳払いをしてグラスを上げる。
「それでは、今宵の偶然の出会いを祝して、乾杯」
5人の前にはポテトポタージュとフランスパン、それにチーズと小さなオムレツが並べられている。暖かいスープは、冷え切った体に染み渡るようだった。
蟻原と影山は、お酒を取りあえず一口いただく。非常に美味しいシャンパンだったものの、あまり飲み過ぎてスタンドの制御に不備があっては大変なので、控えめにする事にした。
シャンパングラスを置きながら、蟻原は思い出したように六郎に質問した。
「そうだ、鍵村さん。電話をお借りする事はできますか?」
「あ!わ、私も借りたいです!この山って携帯電話が圏外ですし!」
蟻原の質問に、影山も飛びついた。そこにいる全員が、自分達の無事を家族やツアー会社に知らせておきたかった。
「ええ、もちろん構いませんよ」
妙子がテーブルの近くにある電話に案内する。
蟻原が受話器を取って、番号を押した。しかし、何の音もしない。
「?・・・おかしい、何も聞こえない」
「話し中なのでは?」
「いや、呼び出しの音も、何も聞こえないんだ」
外に屋根から落ちた雪の音が静かに響いた。

42二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/07(月) 18:02:56
そういえば、いつの間にか5人なのに間違えて6人って表記してました。

43名無人目のスタンド使い:2013/10/08(火) 02:06:17
おおおお、事件の予兆ktkr!
続き待ってます!

44二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/11(金) 17:45:19
修司が受話器を受け取り、何度か試してみたものの、一向に繋がる気配はない。
「おかしいな、今朝までは繋がっていたのに」
「電話線が切れたんじゃないか?」
亮が窓から外を覗き込んで言った。外の吹雪はさっきよりも更に強く、激しく吹き荒れている。
「断線か。まずいな、こんな吹雪の中じゃ業者も来てくれそうにないのに」
「どの道、電話が通じないんだから業者も呼べねえよ」
そうだ、この電話が途切れた今、他に外部への連絡手段は無くなってしまったも同然だった。
「他に連絡手段は無いのですか?」
蟻原の問いに、平林が答える。
「残念ながら、このお電話以外に麓へ連絡する方法はありません」
「そ、そんな・・・」
がっくりと項垂れる影山を、蟻原が慰めるように肩を叩く。
「仕方ありませんよ。しかし、これでは迎えを呼ぶ事もできない。鍵村さん、申し訳ありませんが吹雪が止んで麓まで降りられるようになるまで、こちらに御厄介になっても宜しいでしょうか」
蟻原の提案に、鍵村は快く頷いた。
「もちろんだとも。幸い、空いている部屋はいくつもあるし、しばらく滞在する予定だったから、燃料や食料も充分に用意しているからね。なに、1〜2日もすれば吹雪も止んで道も歩きやすくなるだろう。そうしたら平林に麓まで車で送ってもらいなさい」
そう言うと、平林に部屋の鍵を用意するように命じた。
「部屋は男部屋と女部屋の二部屋で良かったかな?」
「はい、色々とありがとう御座います」

命じられた平林は、すぐさま管理人室から鍵を取って戻ってきた。
「なんか修学旅行みたいだな」
鍵を受け取りながら、毒島が楽しそうに笑う。図らずも遭難登山ツアーが、豪邸宿泊プランに変更になったと、内心喜んでいたのだった。登山ツアーなんかよりも余程楽しいハプニングだ。
そんな浮かれた毒島の様子を見て、伊佐治が釘を刺す。
「言っておくけど、御厚意で泊めてもらうんだから、失礼のないようにね」
「そ、そんな事、言われなくてもわかってるよ」
「それならいいけど。部屋に入ったら枕投げでもしそうな顔してたから、ちょっと忠告しただけよ」
伊佐治の言葉に、毒島は思わずぎくりとした顔で固まった。
「・・・散々体を冷やしたんだから、部屋に行ったらすぐ寝なさい」
伊佐治は呆れた顔でそう言うと、守久と影山と一緒に平林の後へついて部屋へと案内されて行った。

「ははは!君達、面白いなー」
毒島の肩を叩きながら、亮が機嫌良さそうに話しかけてきた。近付く顔からは、ほのかに酒の匂いが漂ってくる。
「なに、あの子って君の彼女?付き合ってんの?」
「違いますよ、たまたま同じツアーで一緒だっただけで」
「それにしちゃ、すでに尻に敷かれてるな。頑張れよー、少年」
亮はげらげらと笑いながら、毒島の背中を叩いて奥の部屋へと去って行った。
それと入れ替わるように蟻原が歩いてくる。
「僕達の部屋も二階だそうだ、荷物を運ぼう」
蟻原に促され、毒島は客間に置いてある荷物を持って二階の部屋へと向かう。

「平林さんに聞いた話によると、トイレは各階の中央付近、お風呂は1階の奥、その隣にパントリーがあるそうだ。食事はさっきのダイニングルーム、朝食は8時、昼食は12時、夕食は7時。電気が通ってないから地下の燃料発電機で動力を賄ってるらしく、夜は無駄に燃料を使えないから消灯12時以降は電気が使えないそうだ。トイレに行く時は懐中電灯を使う。それと2階には僕達の他に、修司さん夫妻の部屋と亮さんの部屋がある。3階は鍵村さん夫妻の部屋と鈴さんの部屋だそうだ。僕達の部屋は二階の奥、その隣が影山さん達のいる女子部屋だ。間違えないように注意してくれ」
歩きながら蟻原が平林から聞いた情報をノンストップでまとめて話した。
「・・・えーっと・・・」
「分からない時は聞いてくれ」
毒島の顔を見て察したようで、蟻原はそれ以上説明するのをやめた。

45二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/15(火) 19:16:08
一時間後、5人は一先ず自分達の部屋に荷物を置いて、男部屋の方に集まった。
各々が携帯電話を掛けてみるが、やはり圏外で繋がらない。外の吹雪は相変わらずのものだった。屋敷の明かりで辛うじて見える範囲の木々は、強風に煽られ倒れそうなぐらいしなっている。外に出られず、連絡も出来ない以上、あとは吹雪がおさまるのを待つ以外に方法はない。例えスタンド使いであろうとも、極寒の中で長時間さまよえば死に繋がる事は、数時間前に嫌と言うほど思い知らされた。
伊佐治が暖炉に追加の薪をくべようと腰を上げた時、廊下から声が響いた。
「いい加減にしてよ!」
「なんだその言い草は、それが兄貴に対する態度かよ」
毒島が、そっとドアを開いて廊下を覗いてみる。廊下には、鈴と亮が言い争っている姿が見えた。

「何が兄貴よ。ロクに働きもしないで、家族に金をせびってばっかりのろくでなしじゃない。父さん達からお小遣いが貰えなかったからって、普通、妹にせびる?しかもこんなところに来てまで」
鈴が自分の腕を掴んでいた亮の手を振り払う。
「ふん、俺は兄貴や親父と違う、夢があるんだよ。その為には金が要るんだから仕方がねーだろ。生活費程度じゃ足りねーんだよ。どうせお前が持ってたって無駄遣いするだけだろ?俺に投資した方がマシだぜ」
「何が投資よ、ギャンブルにつぎ込んでるだけじゃない。30手前で親に何十万と生活費もらってるだけでも恥さらしなのに、どこまで落ちれば気が済むわけ?どうせ『トウシ』するなら、いっその事、外の吹雪で『凍死』してきたら?」
鈴が亮を蔑むような目で見てそう吐き捨てると、亮は苛立ちを露わにした。
「なんだと!?テメーだって貰ってんだろ、それをよこせよ!働いてんだからいらねーだろ!」
「あんたと一緒にしないでよ!私はそんなの・・・」

その時、2人の近くのドアがバタンッと勢いよく開いた。
「お前達、いい加減にしないか!」
部屋から修司が出てきて、2人を一喝した。
「に、兄さん・・・」
「幸恵が今しがた寝たところなんだ。知っての通り、あいつは体が弱い。喧嘩なら他でやってくれ」
修司の言葉に、2人はばつが悪そうに視線をそらす。
「ご、ごめんなさい」
鈴は本当に申し訳なさそうに修司に謝ったが、亮は釈然としない様子で修司の脇から部屋を覗き込む。
「ふん、そんなに弱っちいなら来なけりゃいいんだよ。どうせあいつも親父の金が狙いで兄貴と結婚したんだろうぜ」
その言葉を聞いた修司が、亮の胸倉を掴んだ。
「それ以上言ったら、外の倉庫に放り込むぞ。それと客人も来てるんだ、世間にみっともない姿を晒すんじゃない」
修司は亮を軽く突き飛ばすと、さっさと部屋の中へ戻ってドアを乱暴に閉めた。
「けっ、偉そうにしやがって・・・」
亮は壁を軽く蹴り飛ばし、そのまま自分の部屋へと去って行った。鈴は亮には目もくれず、閉められたドアを伏し目がちにしばらく見つめ、その場を後にした。

「な、なんだかすごい場面でしたね・・・」
「うわっ!」
影山の言葉に毒島が声をあげる。覗いていた毒島の周りには、いつの間にか他の4人も集まっていた。
「覗きなんて、趣味悪いわよ」
毒島の背後で腕を組んでいた伊佐治が言う。
「お前だって覗いてたんだろ!」
「私は聞いてただけよ」
涼しい顔でそう答えると、そのままソファに戻って行った。
「まあ、どこでも家の事情というものがあるさ。見なかった事にした方が良さそうだ」
蟻原の言葉に、守久も頷く。確かに、招かれざる客である自分達がどうこう言うのは、余計なお世話というものだろう。
そうこうしていると、古い置時計が11時の鐘を鳴らす音が廊下に響いた。鳴り終わるか否かというところで、不意にあくびが漏れる。空腹も満たされ、ひどく疲れた体が暖かく心地良くなった為か、すでに5人はかなりの眠気を感じていたようだった。

46二十五 ◆olN4KPV2jU:2013/10/15(火) 19:20:38
★行動選択★
各自、かなり眠い状態になっています。
眠る前に特にやっておきたい事があれば提示して下さい。
何もなければ、そのまま各々の部屋に行って眠ります。

尚、出来る行動は一つだけ、行動次第では次の日に影響が出る場合もあります。

47毒島 ◆vY4o6ICjXk:2013/10/18(金) 22:29:29
亮さん、死亡フラグ立てすぎだろjk(毒島だけに

毒島、トイレに行ってから寝ます
帰り道、スタンドで修司さんの部屋の中を覗く

48蟻原 ◆XaXp325K/w:2013/10/19(土) 11:24:11
平林さんに電話線が切れたことについて尋ねる
子供の頃から刑事コロンボが(ry
家族の関係には首を突っ込みたくないので、何か言われてもスルーで

49伊佐治 ◆O8ZJ72Luss:2013/10/19(土) 20:33:25
事件の臭いが……!

遭難中に傷を負った人・現在体調がおかしい人はいないか訊きます(伊佐治自身は守久を気にかけています)。
いた場合、悪化する前にと治します。いなかった場合、窓や扉の鍵を確認してから眠ります。

50影山 ◆cR08PK3l1o:2013/10/19(土) 23:05:01
ではスタンドを使って気配を消して、亮の様子を偵察したいです
(怖い人っぽいから調べとこう! って感じで)

51守久 ◆ywmVdUwUgY:2013/10/20(日) 10:27:16
体力を回復しておきたいので、今日の出来事を簡単に日記に書いて寝ます。
可能ならば、用心としてSP 1を出したまま寝たいです。


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