したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

迷宮と女冒険者IF 3

1名も無き冒険者:2021/08/28(土) 02:12:35 ID:YiA.8Qo.
このスレは、あの時こうなっていたらなどのifや既存のロールのもしもを描くスレです。

59第二話『出会い』 ◆29oZBU0BL2:2021/10/31(日) 01:02:01 ID:S1rFne3A
>>55-58
神社を出たクリムは再びまちなかへと向かう。
そして……クリムは今ナンパされていた。

神社からバス……は暑かったので通りかかったタクシーを拾って市内へ……
とりあえず晴暁と出会ったあの駅前まで向かう。
そこで降りて、いざ探索と散策を始めようとした矢先に、おそらく大学生だろうか?少しチャラい男たち4人に声をかけられたのだ。

「おっ!めっちゃ美人!」
「ねぇ…君ぃ〜今暇〜?」
「俺達と遊ばなぁい?」

素晴らしい出会いがあった駅前。
もしかしたら彼とまた出会えるかも?とクリムが思ったかは定かではないが、その希望はこのナンパによって打ち砕かれた。
彼と違い、クリムにかけられる男たちの言葉は軽薄で……
彼と違い、正面から左右にかけて注がれる視線は好色なもの。
服を押し上げ汗で湿った胸を、スカートに包まれた臀部のラインや女の秘所があるであろう股間部分を、そのスカートから伸びたむちっとした美脚を……
いやらしく舐め回すように視線が這い回る。
その声を聞くたび、視線が這い回るたび、クリムの忍耐はバキバキと薄殻を剥くがごとく剥がれ落ちていく。
その忍耐がついに限界を迎え、威圧魔眼で追い払おうと思ったとき、背後から、その気分を一気に好転させるかのような声が耳に染み入ってくる。

「ご、ごめん!待たせちゃった?……クリムちゃん」

それはクリムが今一番聞きたかったかもしれない晴暁の声。
その声に男たちも一瞬止まる中、背後から晴暁は優しくクリムの手を掴むと、男から少し距離を取らせ、その空いたスペースに割り込むように入ってくる。
そして小さな背中でクリムを男たちから庇うように護ると、4人の男たちに向けて声をかける。

「あの……僕の友達になんか御用でしょうか?」

その若干の恐怖を感じながらもクリムのために必死に勇気を振り絞って出した言葉で、時間が動き出したかのように男たちが次々と怒りを乗せた声を発する。

「何だぁ?この餓鬼」
「俺たちはそこの彼女たちとこれからお楽しみなんだよ!」
「クリムちゃんっていうのか…その美人のクリムちゃんとちょっと遊ぶんだよ」
「てめぇには似合わねぇよ!すっこんでろ餓鬼っ!!」

どんどん上がっていく男たちのボルテージ。
その中で短気そうな男が晴暁に掴みかかろうとする。
その瞬間、クリムは魔眼を開放。
晴暁に気が付かれないよう、しっかり晴暁を回避しながら4人の男に注ぐ。
しかもその視線は最初に使おうとしたものより強く、ちょっと殺気が混じっているのは気の所為ではない。

「ヒッ!」

そんな視線に凍りつく男たち。
あ、あの…となんか男たちの変化に若干心配そうな声を出す晴暁。
そんな晴暁の手を取り、クリムはこの場を去っていくのだった。
恋人繋ぎで……

「あ、あの……クリエムヒルトさん……ゴメン!!
馴れ馴れしくしちゃって…手、握っちゃって……」

男たちから離れもう見えなくなると、晴暁は土下座でもしそうな勢いで謝りだす。
愛称呼びでなくなったことに機嫌が悪くなるが、クリムはそれに対して、涼める場所を案内するという条件で許すと言い、
晴暁はそれに笑いながらわかったと答えるのだった。

60第二話『出会い』 ◆29oZBU0BL2:2021/10/31(日) 01:02:38 ID:S1rFne3A
市内某所にある喫茶店。
そこへと入るクリムと晴暁。
小さな店ではあるが木製の建物は派手さはないものの落ち着いた建物で、装飾品なども趣味が良く、クリムの目に叶うものだった。
その喫茶店内の一角にあるテーブルに案内され、二人は注文を頼む。
冷房が効いていて涼しく、そして出されたお冷はレモンが入っていてとても美味しい……

そんな中、まずどうして出会った場所と同じあの場所で聞いてみると……

「実は買い物に来ていてね……」

どうやら買い物に来ていて、あのクリムとの出会いのあと色々店を回っていたようだ。
そしてお昼が近づき、どこかで食べようか帰ろうか考えているときに、ナンパされているクリムを発見したとのこと。

「まあ、そんな感じでね。
どうしようかと思っていたらクリムさんを発見したんだ。
ところで、クリムさんこそ、一体何を……」

晴暁の言葉を聞きながらも、さんづけで呼ばれたくないクリムは、クリムと呼び捨てで呼ぶようにとまず言う。
すると少し顔を赤くしながら、ハルはうん…良いよと返してくる。
それに嬉しさを感じながらもクリムは出歩いている理由を語る。
その大きな理由は人探し。
山吹という人物を探していると伝え、師である悠美から教えられた山吹の特徴を伝える。

「うーん…見たこと無いなぁ……山吹さんかぁ。
見つけたら教えるね…あ、でも……
その…クリムさ……クリムの連絡先を教えて頂ければと…点」

二人は当然お互いの連絡先を知らない。
恥ずかしながらもハルは顔を赤くしながらクリムに連絡先を聞いてくる。
それに対して、クリムとハルはお互いの連絡先を交換するのだった。

「ところで山吹さんって日本人っぽいけど、金髪ってことは外国の人なのかなぁ
そういえば、クリムは外国の人…だよね?
日本語…すごく上手いね」

それに対し東欧が故郷と答えるクリム。
日本語はかつて眠りにつく前に家庭教師が日本人だったこと、親が日本語を話せたことと、
目覚めた後は師である悠美とその悠美の知人に教えられたのだが、そこを吸血鬼であることを仄めかす部分を除いて、説明していく。
そしてハルについても聞いていくが……

「ここが生まれたところというわけじゃなく、もうちょっと東の方……らしいかな」

なんか変な言い方をされた。
どういうことか聞いていくと

「実は僕は養子で、両親は幼いときに亡くなったんだ。
だから生まれた場所とか知らなくて……」

どうやら実の両親は亡くなっっており、引き取られたようだ。
少し空気がしんみりしていく。

「そ、そうだ!
クリムって何歳なの?僕と…同じくらいなのかなぁ。
僕は…今中二で…まだ誕生日迎えていないから13だけど」

それに対しクリムは実年齢を伏せて同年代ということにしていく。
ちなみに誕生日を聞いたら6月だった。
そしてそこから学校のこと、その他雑談をしていくのだった。

61第二話『出会い』 ◆29oZBU0BL2:2021/10/31(日) 01:03:46 ID:S1rFne3A
ハルとの会話という素晴らしい時間。
だがそれは無限に続くわけではなく終わりのときが来た、
時刻は夕刻を廻り、ハルは時間を確認すると、申し訳無さそうな顔で、そろそろ帰らないと…と呟く。
その言葉にクリムとの別れが寂しいものだという感情を感じる。
実際、この会話で二人の距離は縮まり、仲が深まったと言っても良い感じになっていた。

最初は言葉が詰まったり、ぎこちなさが目立った会話だったが、今ではもう普通に話していた。
それはハルが聞き上手な点もあり、少しきついことを言っても気分を害せずに話を続けていたからもある。
養子であるという関係上、他者の感情に敏感なところがあり、クリムの言葉に害意や敵意がないことはなんとなく察知していたのかもしれない。
そしてクリムの方も、ハルに対して良い感情を抱いている。
会話では誠実にクリムの方を見ており、そこにいやらしい感情は感じない。
今までの大半の男はいやらしい視線で顔や身体を舐め回したりしていたが、ハルからクリムに向けられるものには邪な感情を感じないのだ。
まあ、時折、クリムの動きで胸が強調されたり、涼もうとして肌が見えたとき、ハルの視線が向けられるが、すぐにハルは頭を振って性欲を振り払っていた。
なお、そのあと申し訳無さそうな感情が言葉に出ていた。
クリムはその視線やハルが抱いた感情に、ハルになら良いかも…と、今までの男には決して抱かなかった感情を持ち出したかもしれない。

とまあ、そんな会話は終わり、二人は席を立つ。
そして会計をすまそうと、ハルがお金を出そうとしたところで、その腕を掴み、クリムは全額払う。
この程度のお金は問題ないが、ハルは養子だ。
あまりお金を使って義理の両親との間に諍いが生まれてしまえば問題になってしまうだろうし、そんな要因をクリムが作ってしまうのは嫌だった。

て会計が終わり喫茶店を出る二人。
陽は落ちかけ夜が近づいてくる街道を二人は歩いていく。
そしてとある寂れたビルの近くを通りかかったとき、そのビルと別のビルにある路地から聞いたことのある声が聞こえる。

「なんだったんだあの女」
「チッ、あのエロボディを楽しみたかったのに……めっちゃエロい匂いもしてたし」
「やってらんねぇ…飲もうぜ」
「そういやこのビル、空なんだよな…誰もいないし、ここで飲もうぜ」

どうやらあのナンパ男たちらしい。
しかしそれ以上に気になったのは、ビルに差し掛かったとき感じたビル内に巣食う魔性の気配。
それと顔を青ざめ具合の悪そうなハルだった。
足を止め、ハルに大丈夫か聞くものの、ハルは血の気が引いた顔を引き締め、クリムの手を掴むと

「大丈夫……ここは、あまりよくない……早く行こっ!」

そう言って、駆け足気味にクリムの手を引き、足早にビルの前を過ぎていく。
そしてバス停の前まで来ると、手を握っていた事に気が付き、ゴメンと謝りながら手を離そうとする。
が、クリムはその手をしっかり握ると、ハルの身体を支えながら、
バス停の椅子へと座らせ、自身も隣へと座る。

その一連の行動で、ハルは青い顔を今度は真っ赤にしていた。
クリムによって慈愛の感情とともに掴まれた手は柔らかく、支えるために寄り添うクリムの身体からは、その柔らかさやら暖かさやら匂いやらが漂ってくる。
特に汗かきなクリムはこの街の高温多湿にあてられ、今でもたっぷりと汗をかいており、しかも流した汗は下着や服にたっぷり染み込んでいる。
そのためむわっと漂う強いクリムの匂いが一気にハルの嗅覚を支配したのだ。

(う、うわぁ…すごく…いい匂いっ!!)

クリムは結構気にしているがその体臭は異性ならば引き寄せられるほどの匂いで、いや下手したら同性すらも引きつけてしまうかもしれないものだ。
実際、近くの人や通りすがりの人は、結構視線やら意識やらを向けられていたが、ハル一筋と言ってもいいほど彼に意識を集中していたので、彼女自身は気がついていなかった。
しかも今クリムはハルに寄り添い、すぐ至近距離に、実際身体が触れる状態で座っており、もうすごく良い匂いとか熱とか感触がどんどんハルに送られてくる。
そしてクリムは心配しすぎてその状況に気がついていない。

そんな顔色を変えまくるハルに対し、どんどん心配になってくるクリム。
声をかけてみると、こんどはハルの意識はクリムの顔に集中し……そこにいる夜の姫君を直視してしまった。
日が落ち、ネオンや街灯、ヘッドライトに照らされるクリム。
その常人離れした美しい姿はまさに夜の世界に君臨する姫。
一瞬ハルは、クリムのさらに成長した、美しき女王の姿を幻視する。

そんなハルに再度声をかけるクリム。
それで見惚れていたハルは我に返り

「ゴメン…あまりにも綺麗で美しくて……見惚れてた」

と本音が口から漏れ出し、それを聞いたクリムは一瞬止まるも、一気に真っ赤になる。
そして微妙になんとも言えない時間が僅かに生まれるが、ハルは咳払いをしながら謝ると、さっきのビルのことを話し出す。

62第二話『出会い』 ◆29oZBU0BL2:2021/10/31(日) 01:04:37 ID:S1rFne3A
「実はあのビルの前通ると、なんか気分が悪くなるんだ。
あそこ、多分あまりいい場所じゃないと思う……
色々と悪い噂があってさ……出るらしいんだ、幽霊。
昔あそこは墓場で悪霊とかが住み着いて、あそこに入った会社の社員は、皆おかしくなっちゃうらしい。
そして会社も倒産し、今ではもう廃ビル。
でも売ろうにも買い手がつかず、解体しようにも事故が多発しているとか」

そんないわくつきの場所だがそれでも前を通ったのは、このバス停がクリムが出会ったときに向かおうとしていた場所と、自分の家の近くを通るバスが来るところだったからだ。
ハル自身、自覚しているかはわからないが、本音ではもっとクリムと一緒にいたいと考えているようだ。
そしてそんなハルの話を聞いたクリムは、話はともかく、少なくともあのビルに魔に属するものが住み着いているのは確実と考えていた。
それを感じ取ったハルもおそらく霊感のようなものを持っているのだろう。
それらを考えながら、クリムは決心する。

そして僅かな時間がたち、バスが来る。
さてとと立ち上がるハルに対し、クリムはそのまま座ったまま。
あれ、乗らないの?と聞いてくるハルに対し別れを告げる。
その言葉に「え”っ!?」っと言いながら、寂しそうな表情を浮かべるハル。
彼に対しクリムは再会を約し、ハルをバスに載せ、見送るのだった。

ハルを乗せたバスが見えなくなる。
それまではハルへと意識を向けていたクリムだったが、その意識を思考をあのビルへと向ける。
ハルの気分を悪化させたビル。
おそらくその原因はあそこに巣食う魑魅魍魎の類だろう。
野放しにしていては、ハルに悪影響、あるいは害を齎すかもしれない。

さらにビル側面の路地から入っていったナンパ男たち。
おそらく路地からビルの裏手に回り、中へ入ったのだろう。
良い感情は持たず、好感度はむしろマイナスだが、流石に一般人がそんなところに自ずから入っていったとはいえ、見捨てることは出来ない。
それに彼らがナンパしてくれたおかげで、ハルとこう出会えたとも言えなくもない。
今後のことなどを考え、クリムは退魔師として動き出す。
バス停の椅子から立ち上がると、再び来た道を戻り、ビルの前へ。
そして件のビル西側とその隣のビルの間にある路地、そこへと入っていくのだった。

〜行動選択+ダイス(2〜9)〜

【お待ちしていました〜】
【そしてヒロインポジの男の子登場!】
【クリムちゃんとハル君の高感度上げ上げシーン】
【会計で今回は僕出すから、次はクリムちゃんが払ってねとかいう次回デート予約のようなことを言う能力は、今のハル君には無いのだ】
【でもまあクリムちゃんはウインクしながら言っても良いかもしれない】


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板