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迷宮と女冒険者IF 3

59第二話『出会い』 ◆29oZBU0BL2:2021/10/31(日) 01:02:01 ID:S1rFne3A
>>55-58
神社を出たクリムは再びまちなかへと向かう。
そして……クリムは今ナンパされていた。

神社からバス……は暑かったので通りかかったタクシーを拾って市内へ……
とりあえず晴暁と出会ったあの駅前まで向かう。
そこで降りて、いざ探索と散策を始めようとした矢先に、おそらく大学生だろうか?少しチャラい男たち4人に声をかけられたのだ。

「おっ!めっちゃ美人!」
「ねぇ…君ぃ〜今暇〜?」
「俺達と遊ばなぁい?」

素晴らしい出会いがあった駅前。
もしかしたら彼とまた出会えるかも?とクリムが思ったかは定かではないが、その希望はこのナンパによって打ち砕かれた。
彼と違い、クリムにかけられる男たちの言葉は軽薄で……
彼と違い、正面から左右にかけて注がれる視線は好色なもの。
服を押し上げ汗で湿った胸を、スカートに包まれた臀部のラインや女の秘所があるであろう股間部分を、そのスカートから伸びたむちっとした美脚を……
いやらしく舐め回すように視線が這い回る。
その声を聞くたび、視線が這い回るたび、クリムの忍耐はバキバキと薄殻を剥くがごとく剥がれ落ちていく。
その忍耐がついに限界を迎え、威圧魔眼で追い払おうと思ったとき、背後から、その気分を一気に好転させるかのような声が耳に染み入ってくる。

「ご、ごめん!待たせちゃった?……クリムちゃん」

それはクリムが今一番聞きたかったかもしれない晴暁の声。
その声に男たちも一瞬止まる中、背後から晴暁は優しくクリムの手を掴むと、男から少し距離を取らせ、その空いたスペースに割り込むように入ってくる。
そして小さな背中でクリムを男たちから庇うように護ると、4人の男たちに向けて声をかける。

「あの……僕の友達になんか御用でしょうか?」

その若干の恐怖を感じながらもクリムのために必死に勇気を振り絞って出した言葉で、時間が動き出したかのように男たちが次々と怒りを乗せた声を発する。

「何だぁ?この餓鬼」
「俺たちはそこの彼女たちとこれからお楽しみなんだよ!」
「クリムちゃんっていうのか…その美人のクリムちゃんとちょっと遊ぶんだよ」
「てめぇには似合わねぇよ!すっこんでろ餓鬼っ!!」

どんどん上がっていく男たちのボルテージ。
その中で短気そうな男が晴暁に掴みかかろうとする。
その瞬間、クリムは魔眼を開放。
晴暁に気が付かれないよう、しっかり晴暁を回避しながら4人の男に注ぐ。
しかもその視線は最初に使おうとしたものより強く、ちょっと殺気が混じっているのは気の所為ではない。

「ヒッ!」

そんな視線に凍りつく男たち。
あ、あの…となんか男たちの変化に若干心配そうな声を出す晴暁。
そんな晴暁の手を取り、クリムはこの場を去っていくのだった。
恋人繋ぎで……

「あ、あの……クリエムヒルトさん……ゴメン!!
馴れ馴れしくしちゃって…手、握っちゃって……」

男たちから離れもう見えなくなると、晴暁は土下座でもしそうな勢いで謝りだす。
愛称呼びでなくなったことに機嫌が悪くなるが、クリムはそれに対して、涼める場所を案内するという条件で許すと言い、
晴暁はそれに笑いながらわかったと答えるのだった。


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