したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

カオスロワ避難所スレ3

396シシャの想い:2019/07/15(月) 18:37:51 ID:1sfJCahU0
ギャアアア!


じりじりと……


グオオオオ!?


じりじりと、都庁の魔物は押され始めていた。
如何なドラゴンハートの恩恵といえども、それはあくまで『強者』に対しての恩恵。
死線を潜り抜け、それでもなお歩みを止めずに戦いに身を置くものに送られる一種の祝福。

「ヒャッハー!」

今は亡き雷竜や裁断者に劣らぬほどの、強い想いがあったとしても。
名前も書かれない魔物は、そもそもの基礎の力に限界がある。
対して、狂信者の駆る兵器は機械である故に、確実に均等な強化ができるのだ。
ただの人間と魔物の皮膚を比べれば、魔物に軍配があがる。
しかしこれが兵器とであれば、今度は兵器の勝ちとなる。

そんな条件下で、人質を救いながら、数で劣る魔物が、勝てるかと言えば……無理なのだ。

「クラウザーさんの為の生贄になるのだぁ!」

ぐしゃりと、また魔物が潰される。
これでも魔物は遥かに善戦してはいるのだ。
指揮官であるドリスコルはともかく、その配下の兵達よりも魔物達は統率と連携がしっかりとしている。
逆に言えば、それのおかげで急速な瓦解を防いでいるだけとも言えてしまうのだが。



「くっ……!!!」



ダオスは、それだけで人を殺せそうな程の殺意を込めた視線を狂信者へと向ける。
人質さえいなければ、いますぐこの馬鹿な群れを消し飛ばしてやると言うのに。
雷竜、赤竜、そして氷竜……
魔物を統べていた長は、とうとう全員が命を落としてしまった。
もはやこの世界樹が抱える戦力は当初とは比較にならないほど減衰している。
それでも、退くわけにはいかない。退けないのだ。
もはや魔物達のためだけでなく、世界の命運を自分達が担ってしまっているのだから。


それなのに……


「私は、なんのために……!」
「ダオスさん、堪えて……!」

震えるダオスを小鳥が窘めるが、小鳥とて腸は煮えくり返っている。
このままでは待つのは――緩やかな死だ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板