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カオスロワ避難所スレ2

1混沌な名無しさん:2013/09/05(木) 20:26:58 ID:XVx2BHo60
こちらは投下スレです。

468死に花を咲かせたかった夜:2014/03/02(日) 03:51:42 ID:BcEF01Yo0
主催者達が首輪を外し侵入者に対処していた頃、もう一人の参加者が九州ロボに乗り込んできていた。
だがその強さは圧倒的だった。
モブ兵の乗るロボット達をいとも簡単に撃墜し、周囲にはスクラップとなったロボ達が倒れ伏している。
そんな中、襲撃者は葉巻に火をつけて一服していた。
彼の名は衝撃のアルベルト、衝撃波を操りスパロボαでは使徒さえ圧倒する男。
彼は放送で孔明と十傑集の死を知り、彼らへの手向けのために単身九州ロボに特攻を仕掛けてきたのだ。
アルベルトと対峙するクラウディウスの乗るロードビヤーキーも所々火花を上げている。
アルベルトは葉巻を吐き捨てると次はお前だと言わんばかりにロードビヤーキーに乗るクラウディウスを睨みつける。

「おい小僧、貴様ではワシを倒すには力不足よ。大人しく退けば見逃してやらんでもないぞ」
「この糞ジジィがぁ…!絶対にぶっ殺してやる!!」
「あまり強い言葉を使わんほうがいいぞ?そこいらの雑魚と変わらん」
「てめえぇぇぇぇ!!」

激昂したクラウディウスはハスターの爪による真空刃攻撃を行うがアルベルトは目にも止まらぬスピードで避ける。
これは今に始まったことでなかった。
この衝撃のアルベルトという男は運動性能に優れているはずのロードビヤーキーの動きについていってるどころか圧倒しているのだ。
そして死角から衝撃波を発射し、ロードビヤーキーにダメージを与えていったのだ。
そういえば聞いたことがある。数々のMSの素手で撃墜した東方不敗という男を、襲撃のアルベルト…彼はそいつと同レベルの猛者なのか。
ロードビヤーキーの攻撃を避けたアルベルトは両手を横に広げた構えを取る。
その両手の中には真紅の衝撃波がフラスコ内の竜巻が如く渦巻いていた。

「貴様程度の役者ではワシは倒せん。これで決めてやる…」
「糞がぁ!スクリーミングバード!死ねぇぇぇぇ!!!」

クラウディウスはロードビヤーキーの全身に風を纏わせて突進を仕掛ける。
その時、アルベルトの衝撃波が彼の手から解放される。
暴れ狂う真紅の巨大竜巻。ロードビヤーキーの四肢は瞬く間に竜巻に飲み込まれズタズタに切り裂かれていく。

「てめえは一体……何なんだ……」

爆発する乗機の中、クラウディウスは衝撃のアルベルトに対する畏怖を最後に主催側での人生を終えた。

【モブの部下×10@色々 死亡確認】
【クラウディウス@機神咆哮デモンベイン 死亡確認】


クラウディウスを倒したアルベルトは次の敵と対峙していた。
戦闘民族サイヤ人バーダック。ベジータを倒した後、新たな侵入者の気配を感じて赴いてきたのだ。
その全身から溢れる気に衝撃のアルベルトはこの男が今まで戦った誰よりも強いと実感させるに十分だった。
それほどの敵を相手にしてもアルベルトは不遜な態度を崩さない。

「フン、貴様ほどの者が出てくるとはな…」
「他の特務機関の連中じゃお前を倒せそうにないんでな…。幹部である俺を引きずり出したことを誇りに思え」
「そうか、特務機関というのは随分と人材不足のようだな!」
「俺の名はサイヤ人の戦士バーダック…。
 お前には敬意を評して、いきなり全開で戦ってやる…はぁぁぁぁぁぁっ!!」
「面白い、この衝撃のアルベルトを倒すというか!」

バーダックは超サイヤ人に変身しアルベルトに猛攻を仕掛ける。
互いに飛び交う拳、拳、拳……両者の実力はほぼ互角であった。
その事実にサイヤ人の本能かバーダックはこれ以上ないほどの笑みを浮かべた。
それはアルベルトも同様だった、こんな戦いは九大天王のあの男以来だった。

「ハハッ…ハハハハハハハハ!!」
「フ、フハッ…フハハハハハハハ!!」

互いは周囲のことなど眼中にないと言わんばかりに拳を打ち込んでいく。
もはや二人の拳の軌跡は残像すらもない。
拳と拳がぶつかり合ったときの衝撃と火花が二人の攻防の壮絶さを語る。
まさに彼ら二人だけの男の世界!

469死に花を咲かせたかった夜:2014/03/02(日) 03:57:36 ID:BcEF01Yo0

が、それ故にアルベルトは気づかなかった。
バーダックと同じく駆けつけたデウスが掌を光らせ、ビームの照準をアルベルトに向けていることに。

「おのれ、小癪なぁっ…!」

デウスの掌から発射されたビームに気づいたアルベルトは掌から赤い衝撃波を発射。
ビームと衝撃波が相殺し合い爆発の閃光が上がる。
…が、相殺したのは悪手だったのかもしれない。
爆発により周囲が見えなくなっていたのだから。
そして、煙の中からバーダックが姿を現し殴りつける。
バーダックはスカウターによる探知のおかげで、ビームと衝撃波の相殺による煙の中でもアルベルトを探知できていたのだ。
周囲が見えなくなっていたせいでアルベルトは拳をまともに喰らい吹っ飛ぶ。

「ぐぅっ…なんて重い拳だ…」

致命傷にこそなっていないが、その状態では戦うには辛すぎる。
かろうじて立ち上がるが誰が見てもフラフラのよろよろで戦闘続行困難だと分かる。

「…デウス」
「言いたいことはわかる。だからとて一人の侵入者にいつまでも構ってはいられまい。
 その男がS級の実力者ならなおのこと。止めを下すのだ」
「チッ…」

バーダックは舌打ちをしてアルベルトに止めを刺さんと近づく。

「おのれぇ…貴様!」
「お前ほどの実力者はそうそういねぇ。お前を実力を評し、一撃であの世に送ってやる」

バーダックは右手に気をこめる。
最大のエネルギー波でアルベルトに止めを刺すつもりだ。
アルベルトは目を瞑り、最期の時を待った…。




「いいえ、その男に死なれては困ります」
「ッ!?」

声が聞こえると同時に何者かの蹴りがバーダックを襲う。
バーダックは右腕で防ぐが、その蹴りの威力は思いのほか強く、バランスを崩した。

「バカな、何故貴様が生きている…?」

デウスはいきなりの乱入者の姿に驚愕する。
何故ならその男は先ほど一刀両断したはずの男だったのだから。
男は鬼灯。地獄の閻魔の第一補佐官を務める鬼神。
鬼灯はデウスの疑問に無表情で答える。

「デウスさんと言いましたっけ、貴方主催者の一人なんですよね?」
「それがどうした」
「だったら参加者の支給品くらい把握したほうがいいですよ?私の不明支給品がリバースドールだったことを…」

リバースドール…戦闘不能に陥った時に所持していれば復活できるアイテムである。
それにより彼は生き返った。首輪の反応で生死が分かるはずだが、戦いに赴いているのなら話は別だ。
確かに主催者という参加者を監視できる立場なら把握していたはず。
先程彼が回収した支給品は既に使用済みのリバースドールだった。
バーダックは彼の迂闊さを咎める。

「迂闊だったな、デウス」
「ならば再び殺すまで」

デウスが再び斬馬刀を奮い鬼灯に襲い掛かる。
鬼灯を一刀両断せんと迫るものの、鬼灯は刀をひらりとかわした。

「避けた?」
「生憎同じ攻撃を二度くらうほど私は愚かではありません」
「図に乗るな、自分の都合のみでバトロワを終わらそうとする愚か者め」
「何故私の考えを知っていたのやら。人の支給品の管理は出来ないのに人の独り言の管理は完璧なんですか?
 ええ、確かに私は自分の都合で終わらそうとしています。ですが…
 独善的な理由で殺し合いを強いるのもどうかと思いますがね?貴方は確実に無間地獄逝きでしょうね」
「黙れ」

再び鬼灯に斬馬刀が奮われるが再び避け、デウスの頭部に着地し、踏み台にして飛び上がる。
そしてアルベルトの近くに着地し、彼の肩を持って立ち上がらせる。

「貴様…」
「アルベルトさんですね?先ほどの竜巻を周囲に展開できませんか?」
「何のつもりだ…?」
「いいから、もはや猶予はありませんよ。そして竜巻を展開したら…」
「フン、勝手にするがいい…」
「ちぃっ…逃がすか!」

バーダックとデウスが阻止しようとするがもう遅い。
アルベルトは周囲に真紅の衝撃波を巨大竜巻の如く展開。
流石の彼らもこれでは近づくどころか自身が吹き飛ばされそうになるのを防ぐのが精一杯だ。
そして竜巻が収まった頃には既に二人の姿は消えていた…

「クッ、逃がしたか…」

そして、後にはデウスとバーダックが残された。
悔しがるデウスに対し、バーダックは笑みを浮かべていた。
衝撃のアルベルトという強敵に会ったことに対する笑みだった。

470死に花を咲かせたかった夜:2014/03/02(日) 03:59:39 ID:BcEF01Yo0

【一日目・23時40分/九州ロボ・福岡県】

【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】疲労(小)、首輪解除
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す
2:超弩級戦艦『死国』の面々等の強敵に備えて、超サイヤ人を超えた高みを目指す
3:アルベルトとは再戦したい

【デウスエクスマキナ@スーパーロボット大戦UX】
【状態】普通、身長2.3mになるまでスモールライトで縮んだ、首輪解除
【装備】デウスの斬馬刀@スーパーロボット大戦UX
【道具】支給品一式、スモールライト、不明支給品×1
【思考】基本:人類絶滅及び人類の想像力喪失の阻止
0:逃がしたか…
1:命令に従う
2:殺し合いによって人類の想像力喪失を阻止する
3:死んだクルル曹長の代わりとして技術開発班を手伝う
4:強敵に対抗する為にもビアンと共に艦載機の開発・制作・量産を進める


日本海上空にて、衝撃のアルベルトは鬼灯を抱え衝撃波を足からジェットのように噴射し空を飛んでいた。
先ほどの竜巻は逃走するための布石。竜巻を展開している間に足から衝撃波をジェット噴射、あの九州ロボから一瞬にして離脱したのだ。

「何のつもりだ鬼灯とやら。何故ワシを助けた」
「…そうですね。貴方がいなければ脱出できなかったというのがまず一つ。
 主催者の本拠地にいきなりついたことに浮かれ、一人だったのにも関わらず突撃したのがまずかった…。
 私は何故そのような愚考を犯したかはさておき…反省しましょう」
「ハッ、ワシを利用したということか」
「それに、あのデウスという機械が気になることを言っていたので…。気にしたままあの世に帰るのは惜しい」
「気になることだと?」

そう、彼はデウスと交戦したときの台詞が妙に引っかかっていた。
人類の滅びの道がどうたらと言っていた。嘘をついているような様子はない。
察するに人類が滅ぶのを防ぐために殺し合いが必要だということだろう。
その事にアルベルトはムゥ…と唸る。

「この殺し合いと人類の滅亡がどう関係しているのか私には分かりません…。
 もしかしたらただ殺し合いを止めるだけでは駄目なのかもしれませんね、面倒くさい」
「ワシには関係のないことだ。ワシ以外の十傑集は既に死んだ、真実を知っていそうな孔明もな。
 だからせめてもの手向けに主催の連中と戦い、最期の死に花を咲かすつもりだったのだ…。だのに貴様、余計な邪魔をしおって」
「カッコいいことを言っておいて不意打ちのせいで死んでは負け戦に花は咲きません。
 互いにここは一度死んだ身と思って協力してみる気にはなりませんか?する気がないなら私を突き落として結構。私が死ぬだけですから」

アルベルトは黙って葉巻を咥えて考える。
そして、考えがまとまったところで口から葉巻の煙を吹き出した。

「ふむ、それも一興よの。ワシの気まぐれだがな」
「ありがとうございます。それではこれを一つどうぞ」

鬼灯は懐からアイテムを取り出す。
リバースドール、先ほどデウスの攻撃に死んだ鬼灯の命を救ったものだ。
残りの二つはあらかじめ下着の中に隠しておいたので奪われることはなかった。

「私にはこれが三つ程支給されてましてね、一つは先ほど発動してしまい丁度二個なんですよ。
 お互いに持っておきましょう。何があるか分かりません」
「フン、ワシにはそんな人形必要ない…と言いたいが好意は素直に受け取っておくとしよう」

二人は俗に言う戦える男なので戦闘には不自由せずいちも簡単に命を奪われる程ではない。
が、バトロワの秘密を調べる以上主催者は何かしらの手を差し向けてくる可能性は高く、いつ危険が迫るか分からないのだ。

「後はどこに上陸するかですね…おっと、中国地方は禁止エリアですからね。間違っても上陸しないように」
「分かっておるわ」

そして鬼灯と衝撃のアルベルトは虚空の闇を飛ぶ。
二人が通った後は真紅の軌跡が残っていた…。

471ズカンされた名無し:2014/03/02(日) 04:06:32 ID:BcEF01Yo0

【一日目・23時40分/日本海上空】

【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ】
【状態】ダメージ(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式 、葉巻、リバースドール
【思考】
基本:死んだ仲間への手向けに主催者を皆殺す
1:鬼灯と共にカオスロワについていろいろと探る
2:できれば死んだ十傑集の仇もとりたい
3:自分から殺しはしないが邪魔な奴は容赦しない
4:後でバーダックに借りを返す

【鬼灯@鬼灯の冷徹】
【状態】健康、若干不機嫌
【装備】なし
【道具】支給品一式、リバースドール
【思考】
基本:なるべく早く殺し合いを終わらせる
1:バトロワと人類の滅びの関連を調べる
2:間違っていると思った奴には説教
3:できれば新たな武器が欲しい
4:後でデウスに借りを返す

472Cの食卓:2014/03/02(日) 13:05:10 ID:OGCW7Gt60
放送が流れたと同時にとある二人が玉ねぎ頭と落ち武者ヘアーの男たちを惨殺し、二人でらぁめんにして食べたとさ。
ついでに二人は植物耐性(強)を手に入れた。

【熱狂的なファン@OBLIVION】
【ルイス・レットラッシュ@SKYRIM】
死因:翼とぼのぼのに捕食され死亡。 なぜ植物耐性が上がったか、知らない人は検索してみよう!


「立花……」

亡くなった親友のシンフォギアを受け継ぎ、後輩として大事にしてきた立花響の死は、今や食人鬼と化した翼の心にもショックを与えていた。
寂しそうにらぁめんを啜っていた彼女をぼのぼのは心配する。

「ツバサおねえさん……後輩のひとが死んで悲しいんだね……」
「……ああ、だがこれで良かったのかもしれない。
あの子の性格じゃ、仮に私に出くわしても私を殺せず傷つけられず躊躇しそうだったしな。
正義感溢れる子だし、きっと人々を守る名誉ある戦いの中で死んでいったに違いない……食人鬼となった私と違ってな」

心配するな、と言わんばかりに翼はぼのぼのの頭を撫でた。

(立花、安らかに眠れ。 そして天国で先輩の奏と仲良くしてくれ)

修羅に身を落としても、散った後輩の冥福を祈る元・防人であった。
冥福を祈る暇もなく、二人の体内にある四条化細胞は新たな肉とらぁめんを要求するように腹を鳴らした。

「くっ、まだ足リンカッ!!」
「おなかのむしさんたちがなき止まないね」

人肉らぁめんを食べてから間もないというのに、二人はもう空腹になっていた。
先ほど都庁でお預けを喰らったツケが出ているのかもしれない。
強すぎる空腹は二人を一層ケダモノに近づける。

「このままではお腹の空きすぎで自分のニクすらクイカネナイぞ」
「ぼく、しんじゃいそう……」

できるだけ早く強烈な飢えを満たしたい二人は急いで獲物を探す。
もはやダオスに対抗するために水耐性の獲物を探すことは頭から抜けている。
……と、それだけ必死に糧となる参加者を求めていた二人だったが、翼がここで何かを嗅ぎつけた。

「クンックンッ……」
「どうしたのツバサおねえさん?」
「匂いがスル……こっちだ!」
「やった! お肉やらぁめんをたべられるんだね!」

歓喜の表情で、駆け出した翼の後ろについていくぼのぼの。
翼はきっと自分たちの胃を満足させる何かを見つけたに違いない、彼はそう思っていた。

■□■□■□

二人は渋谷にたどり着いた。
そして渋谷の路上まで翼に連れられてきたぼのぼのは驚きの表情をしていた。

「えっ……なにこれ?」

473Cの食卓:2014/03/02(日) 13:05:38 ID:OGCW7Gt60
二人の食人鬼の前には肌が変色し悪臭が立ち込め、蠅も少々たかりだしているほど廃れた女の死体があった。
明らかに死後から十数時間は立っている遺体だが、それを見た風鳴翼はぼのぼのに一言だけ言った。

「喰うぞ」
「ええええええ!?」

基本的に呑気なラッコであるぼのぼのですらドン引きする発言であった。
死後から対して時間の経ってない死体なら散々食べてきたが、腐った肉は食べる気がしないのだ。

「ツバサおねえさん、いくらなんでもこれは……おなか壊しちゃうよ?」
「わかってないなぼのぼの、腐りかけが旨いとどこかで聞いたことはあるだろう?」
「いや、どう見てもこれは腐ってるうちにはいるとおもうんだけど……」

アライグマやシマリスが見たら驚くであろう、珍しくツッコミに回っているぼのぼの。
しかし、彼の忠告を押しきるように風鳴翼は死体を頑なに食べようとするのだった。

「ふっ、これをタベロと囁くのだよ、私のゴースト〈魂〉が」
「……ちゅうにびょう?」
「次それを言ったらおまえをクウゾ」
「ごめんなさい」
「まあ、魂というのは冗談だ。 おまえは貴音の細胞のタカブリを感じないか?」

バトロワが始まって約一日、死体自体はそこらじゅうに転がっている。
もし新鮮さを欠いた肉でよければ、その死体を食べれば良かったものの、二人は今まで無視していた。
しかし、四条化細胞がこの死体だけはどうしても食べろと命令を下している気がするのだ。
翼はこの死体を前にして言葉では言い表せない高揚を感じており、同じく四条化したぼのぼのもそれは感じていた。

「ぼくも薄々だけど感じているよ。 でも、それと一緒にこわいんだ」
「……なるほど、警戒心の方が勝っているトイウことだな」
「うん……」

一方、ぼのぼのはこの死体を食べることへの恐れを感じており、どうにも食べる気が起きないようだ。

「仕方ない、私が先に味見をシテやろう」
「あぶないよツバサおねえさん!」
「心配するな。 まずいと思ったら吐き出せばイイダケの話だ」

怯えるぼのぼのを尻目に死体の前にたちに手を合わせてから食事に入った。

「いただきます」

らぁめんにする時間が惜しいのでそのまま死体にかぶりつく。
翼は匂いがキツくなっている肉を歯で食いちぎり、咀嚼して飲み込んだ。

「これは………」
「?」
「………………」
「つ、ツバサおねえさん?」
「………………」

いきなり黙りこくってしまった翼にぼのぼのは恐る恐る声をかける。

すると。

474Cの食卓:2014/03/02(日) 13:07:26 ID:OGCW7Gt60

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       l::l   V: :l: : !l::! 7r=ヶ /从l l'  l l l Viソ.l:l.ノl :l: .:::::/ !::l  イl l| |::::l::::l:::: : : :l: : : :l
       ヽl  l/ l∨lハl,i!  ,i!  .:j l l   l l !tゥzzzヘl  Vl:.:::::/ ゚ ∧l/ /:レl| |::::l::::l:::: : : :l: : : :l
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         / / l::|:::::|l ;i! ,, ;i!       N ,i!  洲;/.::::::l:::/l /// レ'l  l| |::::l::::l: : : ,′: イl
        /  /'  l::|:::::|l,;i!  i! 、__       ,i! ,洲/.::::::/:∧l/// レ l /l| |::/.:/ : : ,' : イ//
.       /  /   l:ハ::::|l ヘ ;i! i!  :.`iァzッ ゙ ,i!  洲.:/l/.:/lVl‐ 'レ   l/.::::l| |'.::/. : : ,' イ V/
      /    ト、_.j/:lハ::::l戈i>i! i!   i! ;i!  ;i!彡洲/ィ l:::::l/l l ノ} ゙/ ..::::: l| | /. : : / : l/イ
.     /  -ri'  / l::l:::::l : 戈i>,i!   i! ;i! ,,;;i!ヌ // l/l:::::l八 j' イ::::::::::::  / l/.: : :/l:/ : l
    / <ニ'゙  /   !:lヽ::l : : : 戈i>ェェj!ェ'爻ヌ   Ν / l:::::l  ´,, l:::::::::::  /l/l::: : /: l:::. : : l
.   /  _,.},.- 、__   lノ ヽl\: : : :¨ i!¨  ,;i;."  </ /l/ハ   j':::::::: /:/:::l::: /: : l:::::. : :l
  /   //:::/::://`ー 、  \ .   i!  ,;;i!ィミミミミミxl//    ,「.::::: : : : .:/.::::l/: : : l::::::::.: :l
. /   //:::/::://////l}ュ   __,,zzxi!  ;;;i/⌒;⌒ ー ミ    |::::: : : : .::/.::::∧: : : : :l:::::::::::. l




次の瞬間に翼の表情はぶわりっと目や口から血を流し、瞳孔を極端に萎縮させたものに変わっていた。
俗に言う絶唱顔である。
そんなトラウマになりそうな顔を見てぼのぼのは半ばパニックになった。

「ひいいいいい! ツバサおねえさん!?」
「……きゅう」

壮絶な絶唱顔の後に、翼は眼を回して倒れてしまった。
意識を失った飼い主にパニックから立ち直ったペットは呑気に呟いた。

「あ〜あ、だから危ないって言ったのに、いわんこっちゃない」

気絶して変身の解けた翼をどこか安全な場所へ運ぼうとして、ぼのぼのは彼女を背負おうとする。

「よいしょっと……あれ?」

そこで彼は気づいた。
自分たちが何者かに囲まれているということに。
ぼのぼのは自分たちの身を守るために、そして獲物を狩るためにジャキリッと銃を構えるのだった。


■□■□■□

「!!」

翼が目覚めたのは渋谷にあるショッピングセンター、渋谷109の屋内であった。
彼女の体には毛布がわりにオシャレな服がかけられていた。

(ここはどこだ……? 私は確かあの死体を食べて……)
「あっ、ツバサおねえさん目が覚めたんだね!」
「ぼのぼの!」

475Cの食卓:2014/03/02(日) 13:10:32 ID:OGCW7Gt60

しばらくすると、相棒のラッコが湯気の立つ大きな鍋を持って現れた。
匂いから察するに鍋の中身はらぁめんであろう。

「おまえが私をここまで運んでくれたのか?」
「うん、あのまま寝てたら風邪をひいちゃうと思ってここまで運んでおいたんだ。
おなか空いてると思うかららぁめんも作っておいたよ」
「かたじけない……ん?」

よく見てみると翼はぼのぼのの変化に気づいた。
腰には見慣れぬ剣を装備しており、体のあちこちには大小様々な怪我があった。

「傷だらけじゃないか! どうしたんだ!?」
「ツバサおねえさんをここまでひきずろうとしている時に、おそわれたんだ。
ぼくはツバサおねえさんほどつよくないし、おそってきたひとは何人もいて、しばらくしたら大きな巨人さんまで出てきてたいへんだったけど、もってた銃と拾った雷をだす剣でたたかったらなんとか勝てたよ。
倒したひとたちは皆このらぁめんに変えておいたからね」
「ぼのぼの……おまえって奴は……」

翼はぼのぼのの優しさに感動する。
襲いかかってきたなら気絶した自分を放っておいて逃げても良かったのに、ぼのぼのはたった一人で戦い抜いたのだ。
幾多もの獲物を食べつづけ、かつテラカオス化進行で強化された見た目に反する高い戦闘力を手に入れているとはいえ大変だっただろう。
そう思うと勝手に気絶した自分が恥ずかしくなる。
例え四条化細胞を持つ者同士の本能によるものだとしても、彼の優しさには涙を禁じえなかった。

「きずはらぁめんを食べていれば治るよ。 だから、さめないうちに一緒にたべよ?」
「ああ、そうだな……」

二人は渋谷109の一角を陣取り、遅くなったディナーをいただき始める。
残念ながらこの食事で得られた耐性は何もないが、ぼのぼのが命懸けで狩った獲物で作られていると思っただけでも翼は胸が熱くなった。



「ごちそうさま。
そう言えば、さっき食べた死肉についてだが、なんだか不思議な感じがしたな。
旨い不味いとはまた違った……食べると身体に電気が走った気がしたぞ」
「ふーん、でもあの時はほんとうにしんぱいしたよ、やっぱりくさったお肉は食べちゃだめだよ」
「以後気をつける」

彼女たちは知るよしもないが、翼が喰らった死体は二人と同じテラカオス候補者である結月ゆかりである。
ついでにぼのぼのが拾った雷を出す剣は彼女が生前に使っていたエンシェントソードなのだ。
テラカオス化が進行している者が同じく進行している者の肉を喰らうとどうなるか……それはこれから明らかになるだろう。

(しかし、あの肉を食って何らかの耐性を得たようには思えない。
身体能力が上がったようには見えないし……ん? 待てよ?)
「Imyuteus amenohabakiri tron〜♪」

何を思ったのか、翼はシンフォギアの起動詠唱を唱える。
彼女は解けた変身をもう一度し直すのだ。
歌の後に彼女は光包まれ、その身にシンフォギアが纏われる。
だが、翼の鎧として顕現したシンフォギアは、彼女らの知るものとはだいぶ違っていた。

「ツバサおねえさん、なにかいつもと姿がちがうよ」
「変化は、ギアの方に現れたか」

持ち主が候補者の肉を食べたことによってテラカオス化の進行がさらに強まったことにより、使用するギアが影響を受けたのだ。
外見としては全体的に色合いが黒くなり、刺々しいデザインに変わっている。
刀は獲物への殺傷能力を高めるために歪な形状になっており、相手を引き裂けそうな尖った爪が指部分に何本か追加されている。
元から体のラインを強調されていたデザインだったが、さらに扇情的になり胸の谷間部分が空いている。
具体的に言えば、悪堕ちした魔法少女のようなデザインに変わっていた。
おまけに戦いながららぁめんを作成できる器具が、各部に備え付けられていた。
外見だけではなく、全体的なスペックの向上も翼は肌で感じていた。
シンフォギアは総数301,655,722種類のロックが施され、技量やバトルスタイルに応じて限定解除されるような造りであるが、それだけではこうはならないだろう。
全てはテラカオス化進行の影響である。

「蒼ノ一閃ッ!!」

力試しに技の一つを109の向かいのビルに向けて放ったら、足のブレードから出た斬撃はビルをいくつもいくつも貫通していった。
限定解除状態でもない限り、普通は蒼ノ一閃でこんな威力は出せない。
この力に二人は驚かざるおえなかった。

「すごいね〜」
「蒼ノ一閃でこれほどの威力が出るとは……
貴音の細胞があの死体を食えと言っていたワケも頷けるな」

いわば、あの死体は彼女らにとってのパワーアップアイテムだったのだ。

476Cの食卓:2014/03/02(日) 13:12:13 ID:OGCW7Gt60

「少しの肉片でここまで変わるとは、では全部平らげたらどうなる?
ぼのぼの、あの死体は今どこにある?」
「ああ、ごめん…さっきのたたかいの途中で剣から出した雷が当たってくろこげになっちゃった……」
「そうか……まあ、死体を齧って簡単に強くなれるほど、この世は甘くはないか」

ゆかりの死体は戦闘の余波で炭に変わってしまった。
ついでに回収済みのエンシェントソードを除いたゆかりの支給品も全て雷に当たって焼き砕けてしまっている。
その死体を食べ続ければ更なる力が手に入るかもしれないと思った翼は期待したが、炭になってはもう食べられないとして諦めた。

「それでツバサおねえさんはとっても強くなったけど、また都庁にいく?」
「確かにギアが強化され強くはなったが、この程度でうぬぼれてはいけない。
特にダオスとレストは強大だ。 水耐性……いや、他にも隠し種があることを想定してもっと多くの耐性を得てから挑んだ方が良いだろう」

自分たちを撃退した都庁の二人の強さはまだ覚えている。
物理攻撃しか効き目がないレストと、強力な魔法を使うダオス。
彼らに勝つにはパワーだけではダメだと翼は確信している。
より多くの耐性を得て、相手のカードを潰していかねば敗北して今度こそ死ぬだろう。
そんな彼らに勝つために彼女は狩りの続きを始めようとする。

「サア、行くぞぼのぼの!
夜の闇が支配するコノ時間は、私たちにとって絶好のジカンだ。
エモノをたべて、食べて、タベマクッテ、どんどんツヨクなるぞ!
この世のスベテを喰らい尽くすツモリでな!」
「うん、いこう」

大量のらぁめんを食べて多少は飢えが満たされるも、まだまだ足りない。
獣のような言葉をねじ込みながら翼は従者に言いつけ、新しい獲物とらぁめんを見つけるために東京へをさすらわんとする。

「……その前に、ぼのぼの」
「ん」


渋谷109を発つ前に翼はぼのぼのと目を合わせ……唇を重ねた。
数時間前にぼのぼのが翼を助けるために口内の食物を分けた口移しではなく、これは口吸いというものである。
しばらくして翼は唇を放して語りかける。

「おまえには二回も命を助けられているからな……こんなものしか返せなくてすまない」

四条化した翼にとっての仲間は、同じく四条化したぼのぼのしかいない。
そして唯一の仲間であり命の恩人でもある、すなわち翼にとって特別な人物である彼へのお礼が、この口吸いであった。
が、ぼのぼのにはこれの意味がよくわかってなかったようで頭に「?」マークを浮かべて首を傾げるだけだった。

「??? ぼくの口にまたナルトでもくっついてた?」
「……ぼのぼのには私のコウイを理解するには難しかったか。 まあいい、出発するぞ」
「???」

苦笑しながら翼はぼのぼのの手を握って、今度こそ渋谷109を後にした。
東京という狩場〈グルメスポット〉を巡るために。


(それにしてもあの死体は結局なんダッタンダ?
死体に限らず、生きてるものの中に私をパワーアップさせてくれたものと同じ肉を持つ者はイルノだろうか?
もし、いるならばモウイチド食べてみたいナ。
あの肉は私をキット強くしてくれるハズだろう。
どうやってサガス?
されはおそらく、さっきと同じように四条タカネの細胞があの肉のありかをまた教えてくれるだろう……)

477Cの食卓:2014/03/02(日) 13:14:20 ID:OGCW7Gt60
【一日目・0時00分/東京都・渋谷区】

【風鳴翼@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】空腹、炎・聖・植物耐性(強)、闇・風耐性(弱)、四条化、きゅんっバンパイア化
【装備】シンフォギア・天羽々斬(禍々しく変化)@戦姫絶唱シンフォギア
【道具】支給品一式
【思考】基本:四条貴音の意思を継ぎ、空腹を満たす
0:夜の闇に紛れてツギのエモノをサガス
1:食べられればなんでも良いが、特にらぁめんを食べたい
2:貴音の失敗を鑑みて、より多くの耐性が得られそうなものを優先して食す
3:ぼのぼのに特別な感情……?
4:雪音たちが今の私を見たらどう思うか……
5:都庁の敵を警戒、水耐性をはじめ、もっと多くの耐性を得てから挑む
6:あの肉を持つ者(テラカオス候補者)を見つけたらもう一度食べたい
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化の進行度合いも受け継がれています。さらに本人も気がつかないうちに現在も進行しています
※テラカオス化候補者の結月ゆかりの死体を食べた事により、テラカオス化進行度がさらに上昇しました。
それに伴い、シンフォギアの形状が禍々しく変化し、全体的な能力が上がっています。

【ぼのぼの@ぼのぼの】
【状態】ダメージ(小)、空腹、炎・聖・植物耐性(強)、闇・風耐性(弱)、四条化、きゅんっバンパイア化
【装備】ウィンチェスターM1912、エンシェントソード@Minecraft
【道具】支給品一式、ヒョウヘンダケ@ぼのぼの×10
【思考】
1:とってもおなかすいたなあ
2:「ころしあい」っていうのはたべることなんだね!
3:ツバサおねえさんについていく
4:みんなどこにいるのかなぁ
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化の進行度合いも受け継がれています。さらに本人も気がつかないうちに現在も進行しています


【大神さくら@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【レイ@北斗の拳】
【カイ・シデン@機動戦士ガンダム】
【天津飯@ドラゴンボール】
【ストレイツォ@ジョジョの奇妙な冒険 part1 ファントムブラッド】
死因:ぼのぼのによりらぁめんにされる

※渋谷に放置されていた結月ゆかりの死体が炭になりました

478燃えよドラゴンズ:2014/03/04(火) 14:38:08 ID:MbMj5FfE0
「これからどうすんだよお前wwwww」
「都庁を攻略するのに必要な仲間を探してるに決まってるホル!
 お前は誰か知り合いとかいないんでホルか?」
「知り合いねぇwwwww」

バトロワ二日目の夜中、仲間集めに奔走するホルスコンビ。
彼らは既に神奈川県にまで飛んでいた。すると…

「久しぶりだなホルス、何やってんだよ」

駄目ドラゴン筆頭、オシリスの天空竜が現れた。

「オシリスさんwwww久しぶりwwwww9期以来wwwww」
「お前の知り合いホルか?こいつ」
「ロリコン野郎だけどなwwwww」
「ロリコンとは言えばさぁ、さっき氷竜がまどかを拉致して飛んでるの見たんだけど」
「マジかwwwwwあいつのロリコンっぷりはドラゴンネットワークじゃ有名だからなwwww」
「でも妥協しない限りまどかはロリじゃないと思うんだよねえ、中学生だし…正直氷竜にはがっかりだよ。
 まぁ何が言いたいかっていうとさやっぱ小学生は最高だぜってことかな!」
「知らねーよwwww」
「それはそうと今回主催側にはロリがいなくて残念ったらありゃしないな。何がゆうかりんだよ…あんなんもうBBAだろうが」
「お前死んだわwwww」
(話についていけないホル…)

オシリスとホルスの黒炎竜のハイレベルな会話に戸惑う中、オシリスが本題に入る。

「それとそうと野球やろうぜお前ら!!」
「は?」
「ちょwwwwなんでwwwww」
「野球で世界を救うのは誰だ…?俺だよ!!そして世界を救った俺はロリにモテモテなのだ!」
「ねーっつってんだろwwww前回ドゥバイ討伐するって言ってwwwwそのままスルーされて終わっただろwwww」
「今回は大丈夫だ、都庁の軍勢のおかげで今期はまさにドラゴンブームと来てやがる。
 そして野球で世界を救うという流れ…乗るしかねえ、このビッグウェーブに!!」
「乗んなくていいからwwwww」
「ていうか竜がどうやって野球をするんでホルか?」
「多分気にしたら負けだと思うwwww」
「とりあえず今のところは俺とホルスとホル…名前ダブってんな黒炎竜じゃないほうは『B』でいいや。仲間集めんぞ」
「ホルもやることになってんでホルか…」
「てか『B』ってお前wwwwwニコロワのピエモンかよwwwww懐かしいwwww」
「じゃあホルホルうるせぇからホル・ホースにするか」
「『B』でいいホル…」
「俺拳王チームとやりたくねぇwwww昔ラオウにコテンパンにされてんだよwwww(6期参照)
 その後背中に乗られてwwww乗り物扱いwwww(6期参照)」
「今更6期をステマする必要あるホルか…?」

と、その時一つの影が現れた。
彼らの後輩であるヴァンガードのドラゴニック・オーバーロード“The Яe-birth”だ。

「あ、久しぶりっすね先輩達。9期ぶりっすね」
「ちょwwオバロwwwwwЯしてるwwww大丈夫かお前wwww」
「それがねホルス先輩。Я化してるのは最新弾の宣伝のためなんすよ。
 そして俺のは自分を見失わず完全に呪縛の力を自分の意思で制御したЯって設定だから大丈夫っす。他のЯユニットとは違うんす」
「宣伝は基本だからねしょうがないね」
「よかったなwwww強化されてwwww」
「ていうか先輩ら野球やるってマジっすか?俺も混ぜてくださいよ。今期こそ主要出場者紹介に乗ってやりますよ!」
「お前の使い手の方は乗ってるけどなwwww」
「やる気あるのは相変わらずだな。いいよ」
「コラ!オーバーロード、何をやってるんです!」

479燃えよドラゴンズ:2014/03/04(火) 14:40:01 ID:MbMj5FfE0

突如響くどこか母性溢れる声がドラゴニック・オーバーロードを叱る。
すると上空からソウルセイバー・ドラゴン(♀)が現れた。
着地と同時に彼女の大きな乳が激しく揺れる。

「あ、ソウルセイバーさん」
「ソウルセイバーwwwwおっぱいドラゴンwwww
 聖域の騎士達がwwww眠れぬ夜を悶々と過ごしているのはwwww大体こいつのせいwwww」
(うわ、大きなおっぱいホル…)
「何を言ってるんですか貴方は…ゴホン、オーバーロード!野球なんてやってる場合じゃないでしょ!
 私達は都庁の軍勢を止めるために東京に向かってるんじゃないですか?」
(ソウルセイバーが動くたびにおっぱいが揺れるホル…)
「あ、そうだった…先輩達との再開に浮かれて忘れてたっす。
 でも向こうの方はなるかみのディセンダントさんに任せていいんじゃないっすか?」
「オバロは知らんけどソウルセイバーが都庁に行くのはやめとけ。ドラゴンフェチが都庁の№2にいるから。
 ♀、巨乳、溢れ出る母性…この三点セットが揃ったお前が突撃してみ?
 レストの股間のブラスター・ブレードはたちまちスタンドアップ・THE・ヴァンガード…手篭めにされちまうから」
「なっ…///私が人間のオチ○ポに負けることは決してありません!」
(ソウルセイバーのおっぱい…)
「うはww立ったwwww即落ちフラグが立ったwwwww」
「やかましい!大体なんですかさっきからオチ○ポ、オ○ンポ、オチン○って…下品ですからやめなさい!」
「連呼してるのはお前だろwwww」
(ソウルセイバーのおっぱい…)
「何騒いでんだお前ら…こんな真夜中によ」

また上空から一つの影が舞い降りる。
それはモンスターハンターの看板モンスターリオレウスだった。

「お前嫁のレイアに逃げられたへたレウスじゃんwwww」
「ハッ、あんなビッチくれてやるってんだよ。ていうかへたれ言うなや」
「丁度いい、お前も野球やる?世界を救ってやろうぜ」
「いいぜ、世の中のふんたー共に俺がヘタレじゃないことを見せてやるぜ!
 レイアの奴が惚れ直したって言っても聞いてやんねーぞ!」
「本当はwwww未練たらたらなんじゃねーのかwwwww
 女々しくてwww女々しくてwww女々しくてwww辛いよwwww」
「うるせぇ!歌うな!下手くそなんだよてめーの歌はよ」
(何かキャラの濃い奴らが集まってきてホルの立場が危ういホル…というか話がぶれてきてるホル…)

「ま、これで6匹だな。最低でも後3匹集めねぇと。キメラテックとボルシャックはそこらにいるか?」
「オオナズチは仲間にすんなwwwwキャラが被るwwww」
「これから倒そうとしてたとこっすけど、都庁の軍勢の竜からスカウトするってのはどうっすか?DMC狂信者は?」
「都庁の竜は人間の文化嫌ってそうだからな。聞く耳持たなさそうだからやめたほうがよくね?
 まぁ竜同士だし駄目元で誘ってみるのもありかもわからんね」
「鎖国状態wwww江戸時代のJAPANかwwww」
「DMC狂信者とか論外だろ、キチ○イの集まりだろうが。俺はワールドツアーで逃げるぜ」
「できればロリもチームにほしいわ」
「自重しろよてめえwwww」
「何で私が野球なんか…でも、世界を救うためですから仕方ないですね」
(ソウルセイバーのおっぱい…イカン、キャラがおかしくなってるホル)

こうして新たな野球チームが生まれたのであった。

「せっかくチームができたんだから名前付けるか。じゃあ全員ドラゴンだからシンプルに『ドラゴンズ』で」
「パクリじゃねーかwwww」
「ホルはドラゴンじゃないでホル…」

480燃えよドラゴンズ:2014/03/04(火) 14:41:11 ID:MbMj5FfE0
【二日目・0時30分/日本・神奈川県】
【ドラゴンズ】
【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ】
【状態】ロリコン
【装備】バット、グローブ、ボールを多数
【道具】支給品一式
【思考】基本:ロリにモテるためにドラゴンズを優勝させて世界を救う
1:戦力を集める、ロリもほしい
2:どっかで練習しようぜ

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:主人の代わりに都庁を攻略する…はずだった
1:流れでオシリスに着いていく
2:ホルスがうざいホル…
3:ソウルセイバーのおっぱい…

【ホルスの黒炎竜Lv8@遊戯王】
【状態】健康、常時魔法無効
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:オシリスの野球に付き合う
1:とりあえずホルスとはどちらが真のホルスかはっきりさせる
2;オシリスに着いていく
3:オオナズチは仲間にすんじゃねぇぞwwwwてか殺すwwww

【ドラゴニック・オーバーロード“The Яe-birth”@ヴァンガード】
【状態】健康、Я状態
【装備】オバロの二丁拳銃、オバロの剣
【道具】支給品一式
【思考】基本:ドラゴンズを優勝させる
1:オシリスに着いて行く
2:都庁軍討伐は後

【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】
【状態】健康、巨乳
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにドラゴンズを優勝させる
1:何で野球なんか…
2:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない
3:都庁軍討伐は後
※♀です

【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:へたれイメージ払拭のために野球で優勝する
1:オシリスに着いて行く
2:実はレイアと仲直りしたい

481休息と疑問:2014/03/04(火) 16:38:42 ID:8qsOO07w0
「うーん…これは骨がおれるなぁ…」

パソコンとにらめっこをしつつ、ハス太は唸っていた。
彼が現在操作しているパソコンは、首相官邸地下にあったものだ。
幾重にも張り巡らされたプロテクトは、解除にも相当な手間がかかっている。

「そんだけ厳重ってことは、やっぱりなんか隠してるんだろうな」
「そもそもこの地下豪邸も隠してやがったわけだからな。ったく、野田総理の野郎め…
 てめぇのためにこんな金無駄遣いするくらいなら、国民に配るなり減税しろってんだ!」

レオリオと桑原はその隣でやはりパソコンを操作している。
彼らが担当しているのは一般の掲示板、カオスロワちゃんねるでの情報収集だ。
戦闘続きであり、休まる暇もなかった一同のようやくの休憩時間を有効に利用しているのだ。
幸いなことに食糧は無駄に高級なものが大量に保管されており、寝室もある。休むにはこれ以上適した場所はないだろう。
さらにハス太が結界を張り、外部からの侵入者は察知可能。
護衛として眠らなくても活動に問題のない神樹がいるため、ここは一時だけとはいえ安全圏とも言える。
それでも彼らは油断せず、交代で睡眠をとることにしていた。
現在は娘の死に落ち込むなのはと、彼女にもっとも近しい者であるユーノが休んでいる。

「しかし、くまなく探してみたが、あのヤクザをけしかけてきた黒幕は結局見つからなかったな」
「やっぱり、最初の神樹の一撃でぶっ飛んだじゃねえか?」

「いや、今さっき瓦礫を全部どかして確認してみたが、見つかったのはクローン生物だけだった。
 ち…この俺としたことが、みすみす逃げられたってことか…?」

遥か上の方から、神樹の声がかかる。
本来であればとてつもない身長差で会話は難しいが、そこはハス太が風の流れを操作しているためである。
彼らは知る由もないが、ここにはつい最近までちゃんと管理者がいた。
まさかどこでもドアで仲間が助けに来ていたなど、夢にも思わないだろう。

「でもぎゃくによかったよ。もし強い人がたくさんいたら、こうやってじっくりパソコンもいじれないもん」
「ま、確かにな…」
「しっかしまあ、情報を集めれば集めるほどやばいぞ、これ…」

レオリオはげんなりとした顔でおもわず溜息をついた。
無理もない話だろう、自分たちの現在地は首相官邸。つまりは東京都だ。
そして東京都周辺の情報だけでも絞って調べてみれば…
世界中からキチ○○集団がビッグサイト目指して集まっているだの。
東京都庁は巨大な樹に変貌し、今も成長を続けているだの。
からくりドームは血と屍で真っ赤に染まっているだの。
国会議事堂まで都庁と同じように魔物に占拠されているだの。
分裂と巨大化を繰り返す珍生物が暴れているだの。
人をらぁめんにして食い尽す恐ろしい化け物が徘徊しているだの。
首相官邸を粉砕する怪物…これは自分たちであるが。
とにかく、どれか一つでも十分な衝撃の情報が大量に出回っていた。
これらの点からして、いくら守りを固められても首相官邸に長居しすぎるのは危険だろう。

「ちっくしょう、都庁の世界樹、俺よりもでかくなってやがる。きっといい養分吸ってるんだろーなー…羨ましい」

この内都庁の世界樹化に関しては神樹がある程度のことを知っている様子であった。
彼曰く、下手に刺激しなければ一番襲われる危険性は低いらしい。

「問題はこのDMC信者か…」
「どの書き込みも、やはり一番こいつらを警戒しているな。遭遇=戦闘確定、しかも大量に湧いてるってなぁ…」
「一応、まともなファンもいるみたいだが…ん?」

そんな時、ひとつの書き込みが目にとまった。

482休息と疑問:2014/03/04(火) 16:39:32 ID:8qsOO07w0
450:影無し名無し 22:20:44

空気中に、よくわからないけど『何か』が漂っているそうっす。
非常に危険なものらしいんすけど、誰か何か知らないっすか?

「何かって…なんだ?」
「これへの返信も、知らないってのばかりだな」

結局、すぐに別の話題により流されてしまったこの書き込み。
しかしこれに、神樹が反応を示した。

「俺も、それは感じていたな」
「あら、そうなんですの?」
「どうして黙ってたんだよ!?」

飲み物を注いで持ってきたエリカも、驚いた様子だ。
トレーナーであるエリカにさえ秘密にしていたということなのだろうか?

「いや、感じるって言っても…本当に微かなもんだ。
 ただ俺の、世界樹の勘というか本能が、これを嫌ってるんだが…なるほど、危険と言った方が正しいな。
 おそらくだがこれは、かつて俺を弱らせるために使用された薬と同じような…
 自然界には本来存在しない『人工的に作られた』何かだ。それ以上は俺にもわからねえよ」
「人工的に作られた危険な何か…猛毒兵器でしょうか?」
「だが、俺たちは別になんともないぞ?」

大気中に漂うという、危険な何か。
一体誰が、何の目的で?
首相官邸での調査もまだ完了しない中、新たな疑問が彼らの中に生まれるのであった。

【二日目・00時15分/首相官邸・地下情報室】


【ハス太@這いよれ!ニャル子さん】
【状態】健康、結界展開中
【装備】なし
【道具】支給品一式、ガソリンの入った一斗缶
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:首相官邸のパソコンから情報を手に入れる
1:ニャル子ちゃんたちは大丈夫かな
2:次の戦闘は神樹より先に敵を倒したい

483休息と疑問:2014/03/04(火) 16:40:42 ID:8qsOO07w0
【桑原和真@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、大量の食糧
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:カオスロワちゃんねるで情報収集
1:怒鳴りつけた借りを返す為にも、ハス太を護る

【レオリオ・パラディナイト@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:カオスロワちゃんねるで情報収集
1:主催と大災害に関係があるのだろうか?
2:東京都のカオス具合に少し恐怖
※ゴンの死に気づいていません

【エリカ@ポケットモンスター】
【状態】健康 、歪みし豊穣の神樹のトレーナー
【装備】モジャンボ、キノガッサ、他不明
【道具】基本支給品一式、モンスターボール×3
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:余裕があれば、神樹も休ませる
1:ポケモンと一緒に生き残る
2:珍しい植物タイプはゲットしておく

【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】
【状態】健康、エリカのポケモン
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:仲間たちが交代で休んでいる間、首相官邸を守り抜く
1:エリカに従う
2:エリカの敵を楽園(死)に導く
3:グンマーの民の死に疑問
4:大気中の人工物に疑問

484ドラゴン=残念のイメージを払拭する!:2014/03/05(水) 20:02:15 ID:pEITRJaE0
 野球で世界を救う……
 正確には野球の優勝は古の予言の一節でしかないが、とにかく壮大な目的のために集まったドラゴン達。
 しかし問題はまだあった。

「仲間足りねえwwwwww」
「どうするんだホル! 野球は最低9人集まらないと始まらないホル!」
「それに、カオスロワ方式野球なら確実に試合中に死人でるっすからね……予備のメンバーも欲しいっす」
「ナルガとか走るの得意だったんだが、もうやられてるしなぁ……」

 そう、メンバーが足りないのだ。
 現時点で6人、最低あと3人は必要であり、かつ謎のドラゴン縛りまで発生している。
 まず、ある程度の知性を持つドラゴンを集めるのも大変だが、そこからさらに野球をやりそうなメンツを集めるのは至難の業だ。
 優勝を目指すためにもまずは早急にチームを作り、ポジションを決め、練習をしなくてはならないというのに。
 欲を言えば、からくりドームで死闘を演じたというチームのように必殺の打法やボールも習得したい。

「やはり、都庁に行きましょう。大丈夫です、この私が人間のオチン○に負けることなどありえないのですから。
 都庁の竜を強引にでもチームに参加させて、頭数を揃えるのです」
「だから無理だってwwwwwむしろソウルセイバーリタイアで人数減るwwwwww」
「何度言えばわかるのです! 私は人間のオチ○ポには負けません! オ○ンポに負けるような竜はただの○○です!」
「だwwwかwwwらwww連呼すんなやwwwww純粋に力比べでも勝てねえって言ってるんだよwwwww」
「……仕方ない、こうなったらあれだ。【ドラゴンネットワーク】に頼るしかないな!」

 そう言うとオシリスは、謎の神パワー的な何かで近隣のドラゴンのみを対象に呼びかけを行った。
【野球を知る者よ来たれ!】と。
 なお念のため、都庁やDMC所属のドラゴンには届かない様にピンポイントでブロックしておいた。
 オシリスの天空竜……ロリコンだからといって、雑魚というわけではないのである。
 というか、腐っても神の一柱だよ。忘れちゃいけない。

 するとその時、不思議なことが起こった!

「フハハハハ! ワレを呼ぶはキサマらか?
 ワレは真竜フォーマルハウト……丁度いい暇ツブシだ。野球とやらにつきあってやろう」

 闇夜を切り裂き、虹色の翼を持つドラゴンが舞い降りたのだ。

「うはwwwww本当に来たwwwwww」
「お前とは初対面だな。しかし真竜というと……」
「アアそうだ! あの不甲斐無いニアラの盟友よ! あの馬鹿者、とうとう台詞無しで都庁で討たれおって!
 ここはワレが野球で優勝して、真竜の大幅なイメージアップをはからねば……食事も満足にできぬワ!
 ちなみにワレは人型形態があってナ……手なのか翼なのかよくわからない部位でバットを持つことが可能ダ!」
「よし採用!」

 こうして、7人目の仲間が生まれた。さらに……

485ドラゴン=残念のイメージを払拭する!:2014/03/05(水) 20:03:48 ID:pEITRJaE0
「……野球をするのは、貴方達?」
「き、綺麗な子ホル……」

 続いて現われたのは、紫色のローブを纏った少女であった。
 しかしその佇まいと空気から、彼女もまた竜であることがわかる。

「……私はイドゥン。かつて魔竜とよばれた、神竜族の一人です……参加条件は、満たしていますよね?」
「大丈夫だが、レイアと違って随分大人しそうな奴だなお前。なんで野球やりたいんだ?」
「……私を暗闇から救って下さったロイ様も野球に目覚めたと聞いて。
 以前の戦いではフルドーピングしたロイ様に申し訳ないほど情けない姿を晒したので……野球なら同じ土俵で戦えるのではないかと思いました。
 ……ご安心ください。魔竜石も持っていますし、この姿ならバットもグローブもボールだって扱えます」
「採用ぅ!」

 こうして、8人目の仲間が生まれた。さらにさらに……

「へえ……本当に野球をするつもりみたいだねぇ……」
「な、なんですかあなたは! その邪悪さ、きっとさぞかしオ○ンポも真っく「お前もうちょっと黙ってくれない?」

 イドゥンと反対方向から、黒いローブを纏った青年が現われた。
 こちらも人型ではあるが、全身から凄まじい邪気が溢れているあたりからして人間ではないと判断できる。

「僕は邪竜ギムレー……この姿は器の姿を借りているだけで、本当はお前達よりも遥かに巨大だぞ」
「いや、野球をやるとなるとむしろ小型の方が小回りきくんだが……」
「まあいいだろ。とにかく、この世界の宗教はDMCばっかりで、我がギムレー教の信者がろくにいなくて寂しいのだ。
 ここは野球で優勝して、他の選手を敗北の絶望に叩き込みつつ僕の凄さもアピールしようと思ったわけさ。
 ああ、器の身体は無駄にハイスペックだから、このまま普通にホームランだって量産してみせるよ?」
「おいキサマ、ワレと微妙に目的かぶってないカ?」
「とりあえず採用っすね!」

 こうして9人目の仲間が生まれた。
 テッテレー! チーム【ドラゴンズ】が誕生しました!

「よし、これで最低限必要な9人が集まったぞ」
「さすがオシリスさんwwwwww一瞬で仲間を揃えるとかwwwww」
「イドゥンがロリじゃないのが残念だが、贅沢は言ってられないしな。
 欠員に備えて今後も仲間集めたり、応援団も用意しなければならないし、そっちでロリを狙おう」
「まずはチームとして成り立たないと、試合もできず忘れ去られる危険性があるホルからね……」
「それじゃあ、仲間も集まったところで早速練習っすよ!」
「とりあえず新規の三人は実力もみたいし、試しになんかボール投げてくれる? 適当でいいから」

 オシリスが大量に持っているボールを、新たなメンバー達に配っていく。
 彼らはボールをしばらく見つめて考えた後、適当なビルに向かって思い思いに、投げた。

「魔槍フォーマルハウトボォォォォル!」
「……では、リザイアボール」
「造作もないねぇ、トロンボールッ!」

 結果、ビルは炎と闇と雷のボールの直撃により倒壊した。
 普通の選手が受けたら間違いなく致命傷になりうるボール。
 オシリス達は知らないが、オシリス同様にこの三人も腐ってもラスボスであり、単純なステータスだけは非常に高いのである。
 それぞれどこかしら残念なのだが、野球にはそんなの関係ない。

「予想外にすげえwwwwwwww」
「よし、俺たちも行くぞ!」

 こうして、ドラゴンズは正式に野球界への第一歩を踏み出したのであった。

486ドラゴン=残念のイメージを払拭する!:2014/03/05(水) 20:04:49 ID:pEITRJaE0
【二日目・1時00分/日本・神奈川県】
【ドラゴンズ】
【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ】
【状態】ロリコン
【装備】バット、グローブ、ボールを多数
【道具】支給品一式
【思考】基本:ロリにモテるためにドラゴンズを優勝させて世界を救う
1:欠員に備えてさらに戦力は集める、ロリもほしい
2:これで練習ができるぜ
3:ポジションどうするか……

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:主人の代わりに都庁を攻略する…はずだった
1:流れでオシリスに着いていく
2:ホルスがうざいホル…
3:ソウルセイバーのおっぱい…
4:キャッチャーやりたくないホル……

【ホルスの黒炎竜Lv8@遊戯王】
【状態】健康、常時魔法無効
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:オシリスの野球に付き合う
1:とりあえずホルスとはどちらが真のホルスかはっきりさせる
2;オシリスに着いていく
3:オオナズチは仲間にすんじゃねぇぞwwwwてか殺すwwww

【ドラゴニック・オーバーロード“The Яe-birth”@ヴァンガード】
【状態】健康、Я状態
【装備】オバロの二丁拳銃、オバロの剣
【道具】支給品一式
【思考】基本:ドラゴンズを優勝させる
1:オシリスに着いて行く
2:都庁軍討伐は後

【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】
【状態】健康、巨乳
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにドラゴンズを優勝させる
1:何で野球なんか…
2:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない
3:都庁軍討伐は後
※♀です

【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:へたれイメージ払拭のために野球で優勝する
1:オシリスに着いて行く
2:実はレイアと仲直りしたい

487ドラゴン=残念のイメージを払拭する!:2014/03/05(水) 20:06:15 ID:pEITRJaE0
【神体フォーマルハウト@セブンスドラゴン2020-Ⅱ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:真竜のイメージアップのために野球で優勝する
1:ドラゴンズの一員としてまずは練習
2:ニアラとは格が違うところを見せる

【イドゥン@ファイアーエムブレム 封印の剣】
【状態】健康、人間形態
【装備】魔竜石、リザイアの書
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、過去のふがいない自分と決別する
1:ドラゴンズの一員としてまずは練習
2:ロイ様どこかな……

【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】
【状態】健康、人間形態
【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜の鱗
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、自分の信者を増やす
1:ドラゴンズの一員としてまずは練習
2:どいつもこいつもDMCなんか信仰しやがって……
※外見はデフォルト設定の銀髪青年です

488星野監督、野球がしたいです……:2014/03/07(金) 00:13:41 ID:gMVGH./E0
未だにDMC信者たちがうろつくからくりドーム周辺。
そこで周囲の様子をうかがう、一人の男がいた。

「うーん、もう終わっちゃってるみたいだなあ……。間に合わなかったか……」

そう呟く男の名は、田中将大。日本の頂点にいるといっても過言ではない、超一流ピッチャーだ。
我々の世界ではメジャー移籍を果たした田中だが、この世界ではアメリカが消滅したためその夢を叶えられずにいた。
今の彼は、非常に野球に餓えているのだ。
このからくりドームで野球が行われているという情報を手に入れた田中は急いで駆けつけたのだが、間に合わなかったのである。

「ああ、悔しいなあ……。せっかく野球ができると思ったのに……。
 この胸でくすぶる思い、どうしたものか……」
「じゃあ、俺と組まねえか?」
「うわっ!」

突然後ろから声をかけられ、思わず飛び退く田中。
そこにいたのは、彼もよく知っている顔だった。

「あなたは……佐々木さん!?」
「佐々木様だ。そう呼べ」
「あっ、はい」

田中に話しかけてきた男の正体は、佐々木主浩。
かつて「大魔神」の異名で恐れられた、日本球史に名を残すストッパーである。

「それで佐々木……様。あなたと組まないかっていうのは、どういうことです?」
「おう、イチローのやつが野球でなんかしようとしてるみたいだからな。俺もチーム作って、対抗しようかと思って」
「なるほど……」

視線を落とし、田中は考える。
常識で考えれば、この頃試合の真っ最中に野球などやっている場合ではない。
しかし、他でもないイチローのことだ。
何か自分では思いもつかない考えがあるのかもしれない。
それにもう、野球をやらずにいるのは我慢の限界だ。

「わかりました! 佐々木……様のチームに入らせてもらいます!」
「そうかそうか! 歓迎するぜ、田中!」
「それで、他のチームメイトは……」
「今、タカシが集めに行ってるところなんだが……」
「佐々木さん!」

そのとき、まるでタイミングを合わせたかのように一人の男が駆け寄ってきた。
彼は斎藤隆。中学、高校、大学、そしてプロとずっと佐々木のパシリ……もとい、後輩だった男だ。

「おう、タカシ! どうだった?」
「いやー、この辺はダメですね。なんかやばい連中が集団でうろついてて、スカウトどころじゃないです。
 それでも、何人かは連れて来られましたよ」

斎藤が手招きをすると、さらに数人の男たちが姿を見せる。

489星野監督、野球がしたいです……:2014/03/07(金) 00:14:15 ID:gMVGH./E0

「おおっ!」

それは田中の目から見ても、充分に豪華なメンバーであった。

水島漫画ナンバー1投手との呼び声も高い豪腕、不知火守!
怖いのは目にゴミが入ることだけだ、茂野吾郎!
敵はみんな呪っちゃうぜ、クワタ!
絶賛アニメ放送中、沢村栄純!

「……いや、ちょっと待ってください」
「どうした、田中」
「たしかに豪華ですけど……全員ピッチャーじゃないですか!」
「そうなんだよねー」
「いや、そうなんだよねーじゃなくて!」


はたして、マー君が野球をできるときは来るのか!
それは誰にもわからない!


【二日目・0時40分/東京・からくりドーム周辺】

【田中将大@プロ野球】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:野球がしたい
2:このチームで大丈夫かな……


【佐々木主浩様@ササキ様に願いを】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:イチローに対抗できるチームを作る


【斎藤隆@ササキ様に願いを】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:佐々木に従う


【不知火守@ドカベンドリームトーナメント編】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:佐々木に協力する


【茂野吾郎@MAJOR】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:佐々木に協力する


【クワタ@かっとばせ!キヨハラくん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:佐々木に協力する


【沢村栄純@ダイヤのA】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:佐々木に協力する
2:アニメも見てくれると嬉しい

490生き残るためには…!:2014/03/07(金) 16:10:23 ID:tHrxJShE0
「もう駄目だ…おしまいだぁ…」

一人のMッパゲ…もう説明不要だろう、サイヤ人の王子ベジータはへたれていた。
彼はどこぞのニート騎士のように、ずっととあるビルに引きこもっていたのだ。

「皆殺される…逃げるんだぁ…」

彼も、最初からへたれていたわけじゃあない。
放送でブロリーの名前が呼ばれた時など、実は高笑いしつつ踊り狂っていたりする。
しかし都庁に近づいたのが駄目だった。

金色のまるで超サイヤ人のような男が、まるでブロリー…いやもう完全にブロリーの台詞で暴れ狂っていた。
そんな光景を見てしまったベジータは全力でビルに飛び込みパソコンを起動。
ツイッタ―でへたれた発言を繰り返したりしたわけだが…
しばらくすると、ブロリーっぽい奴は氷のカマキリに叱られて大人しくなった後、中に引っ込んでいった。
これによりベジータは再び元気を取り戻すが、直後やっぱりへたれることとなる。

「超サイヤ人のバーゲンセールゥゥゥ…」

入れ替わるように入り口に現れたのは金髪の青年と少女。
そう、金髪のである。
気を抑えているが実力者であることはすぐにわかり、少女の方にいたっては常時光を纏っており、こころなしか雷も見えた。
これらからベジータが導き出した結論は、あの少女も超サイヤ人であるというものだった。ここでまず1へたれ。
さらにその超サイヤ人を手懐けられる青年も必然的に超サイヤ人以上の存在であると誤認し、2へたれめ。
ツイッタ―でこのことを呟くが、彼はここでさらにおそろしいものを見つけてしまう。
『その金髪はナンバー2らしい。さらに上に金髪巨躯の魔王がいるらしい』
『魔物のリーダーも常時雷を纏ってしょっちゅう地形を変える怪物だったらしい』
との呟きだ。これにより、さらに都庁には2人の超サイヤ人がいると勝手に思い込んだ。3と4へたれめである。

「助けてくれぇ…」

一応ネット上では、都庁の怪物は近寄らなければ安全という認識が広まっているが、実はベジータの執拗なおしまいだぁコールのせいだったりする。
過剰な思い込みにより、もう金色というだけで恐怖の感情が暴走してしまう哀れなベジータ。
彼はひたすらにツイッタ―や掲示板でへたれな発言を繰り返す機械へとなり果てていた…

しかし、彼に希望の光が差し込んだ!

『なんかナッパが野球をやってたらしいよ。イチロー選手と』

ナッパ!同じサイヤ人の生き残り!しかもあのイチローと一緒!
イチローと言えば、レーザービームで世界滅亡可能な恐ろしい地球人だ。(引き籠ってる際、気を紛らわせるためにベジータは動画を漁っていた)
イチローならば、超サイヤ人にも対抗できるだろう。
同族のナッパの口添えがあれば、自分もイチローに保護してもらえるかもしれない!

491生き残るためには…!:2014/03/07(金) 16:11:25 ID:tHrxJShE0
「だ、だが…俺はナッパの奴を…」

確かに自分は、ナッパに対してあまり良い態度はとってこなかった。
ナッパが気をつかってくれても、それを無下にしてきた。
いまさらのこのこ会いに行って、助けてくれるだろうか?
無理だろう、多分。しかし書かれている、野球というキーワード。
球を投げて打って走ってなスポーツ。ナッパがこれをやっているなら、自分もこれをやってみたらどうだろう。
同じ趣味の相手には気を許しやすくなるというし、なにより…

「俺さまはサイヤ人の王子ベジータ様だ…今までどれだけエネルギー球(弾)を投げてきたと思ってやがる…!」

密かに、投球には自信があったベジータ。
そして彼は決意した。

「生き残るには、野球をするしかないんだ…!」


【二日目・1時10分/日本・東京都】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、へたれ、金髪恐怖症
【装備】なし
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
0:まずは野球を覚える
1:ナッパとイチローを探して保護してもらう
2:絶対に都庁には近寄りたくない
3:多分ピッチャー向きだと思う
4:移動しつつツイッターはやる

492巨星堕つ:2014/03/07(金) 16:49:08 ID:yg2D.CY20
2日目初のフレミングによる犠牲者が出た。

【ラオウ@DD北斗の拳】死亡確認

だがそれだけではなかった。

ガサッ…

「!?」

フレミングは戦闘体制となる。
そして音のした草むらに出た顔に向けて真・フレミングの法則を放つ。


歴史に「もし」は無い。
だがもしフレミングがこの時ダブルフレミングバスターを放っていたら。
もし敵が「本当の」顔を出していたら。


フレミングが貫いたのは生首だった。
草むらから影が飛び出す。
フレミングはその影と対峙する。

493巨星堕つ:2014/03/07(金) 16:50:35 ID:yg2D.CY20
佐村河内守。
「貴様はDMC信者か?」
「そこの君、この手の法則を知っているかね?」
「「…」」
「質問に答えろ!」
「それはこっちのセリフだ!ダブルフレミングバスター!」

だが、佐村河内は両手に持った石で受け止める。

「知ってるか…石は電気を通さない」

佐村河内は距離を詰め、頭に石で殴りかかった。
フレミングは手で防御する。

「「ぐおっ!」」
2人はせめぎあっていたが、フレミングが押される。
そして、フレミングは手も頭も切り裂かれた。

【ジョン・フレミング@現実?】死亡確認

何故フレミングはただの石に切り裂かれたのか。
実は佐村河内もテラカオス化が進行し、音波、つまり振動を操る事が出来るようになった。
石を振動させると鉄は切れないが、骨は切り裂ける程度まで振動させることが出来る。
要するにエヴァのプログ・ナイフと同じ原理である。

【二日目・2時10分/埼玉県】

【佐村河内守@現実?】
【状態】健康、テラカオス化進行中、振動能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に携わる者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:DMC辺りから血祭りに上げる。
2:証拠隠滅
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜6の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました

495聞く耳もたぬ混沌:2014/03/08(土) 16:56:55 ID:aEOCLHg60
敵を抹殺した佐村河内は、証拠隠滅をしようとしていた。
無残に殺されたフレミングはもうほとんどが土の中だ。

「ふぅ……」

ところで、プラズマというものを御存知だろうか?
物質の第四態とされたり、怪奇現象の正体とされたりするあれである。
地球上で身近なプラズマといえば雷であるが、殺されたフレミングはまさにこれの化身であったと言える。
それはつまり、プラズマの化身であったともいえ……

『こ、こんな意味不明な奴に殺されてたまるか!』

佐村河内の真後ろで、プラズマ霊魂状態でフレミングが浮いていたりする。
フレミングがすることは決まっている。もちろん佐村河内の身体を乗っ取るのだ。

『ダイナミックエントリィィィィィ!』
「はぅん!?」

耳から脳天直撃の突入をされ、佐村河内は悶える。
しかしまがりなりにもフレミングを倒す程のテラカオス化進行者である彼も負けてはいない。

『出てけこらぁ!?』
『こ、こいつ抵抗する気か!?』

侵入してきたフレミングの魂を追い出そうと、第二ラウンドが始まった。
もちろん、佐村河内の体内でである。


……


「……えーと、私は何をしていたんだったかな?
 ああそうだ、DMC信者かどうかを聞いた後に、フレミングの法則を知っているかどうかを聞くんだった。

 ま あ 私 は 耳 が 聞 こ え な い か ら 何 と 答 え よ う が 血 祭 り だ が ね 」

結果としてはドロー試合だった。
二人の魂は妙な具合に混じり合い、テラカオス化はさらに進む。


【二日目・2時20分/埼玉県】

【佐村河内フレミング@現実?】
【状態】健康、テラカオス化加速中、振動能力会得、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に関係する者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:三種のフレミングの法則を知らない奴も全て抹殺する。
2:もうぶっちゃけいらついたら誰でも抹殺する
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜6の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました
※ジョン・フレミングのテラカオス化進行度が加算されました
※真・フレミングの法則などのフレミングがこれまで体得した技も引き継ぎました
※他のテラカオス化進行者を倒す、或いは返り討ちにされた場合も勝者の方に進行度が加算されます

496黒の通訳者:2014/03/08(土) 20:23:38 ID:k/XzoNF.0
色々あって爆誕した佐村河内フレミングは更なる獲物を探していた。
道中、DMC信者やフレミングの法則に答えられなかった者達を次々と殺害し、歩み続ける佐村河内フレミング。
ざっと三人殺しただろうか。ふと見ると前方に黒人男性が立っていた。
日本以外が全部沈没したのだから、別に黒人が居ても不思議ではない。

「君はDMC信者かな? それとこの手の法則を知っているかね?」

佐村河内フレミングは何時も通りの台詞を口にして黒人に問いかける。
だが、どのような返答をしようが黒人男性の死は免れない。何故なら佐村河内フレミングの耳は聞こえないのだから。
真・フレミングの法則を放てるよう佐村河内フレミングは構えを取り、獲物を狩ろうと待ち構える。

「何?」

だが次の瞬間、黒人男性は目にも留まらぬ速さで両手を動かし始める。
一瞬気でも狂ったのかと見紛うたが、違う。顔は真剣そのもの、これは―――佐村河内に縁のある存在、手話だ。
黒人男性は手話にて自分はDMCとは何の関係も無いこと、そして真・フレミングの法則を良い当てたのだ。
佐村河内フレミングは感動し、手話で黒人男性にありがとうと礼をする。黒人男性もどういたしましてと手話で返す。
初めてだった。ちゃんと真・フレミングの法則を言い当てたのは、世の中まだまだ捨てたものじゃない。
こうなれば、とことん真・フレミングの法則を広めつつ、DMC信者とかぶっ殺そう。新たな希望を胸に抱き佐村河内フレミングは駆けるのであった。


【二日目・2時40分/埼玉県】

【佐村河内フレミング@現実?】
【状態】健康、テラカオス化加速中、振動能力会得、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に関係する者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:三種のフレミングの法則を知らない奴も全て抹殺する。
2:もうぶっちゃけいらついたら誰でも抹殺する
3:あの黒人男性は良い奴だ。
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜6の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました
※ジョン・フレミングのテラカオス化進行度が加算されました
※真・フレミングの法則などのフレミングがこれまで体得した技も引き継ぎました
※他のテラカオス化進行者を倒す、或いは返り討ちにされた場合も勝者の方に進行度が加算されます

【でたらめな手話の黒人男性@現実?】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:殺し合いに優勝する。
1:一先ず佐村河内フレミングの手話通訳をする。
※彼の手話はでたらめです。そして佐村河内フレミングの手話もでたらめです。


【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡 死因:DMCの騒動に便乗して世界征服しようとしたら佐村河内フレミングに殺害された。
【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡 死因:耳聞こえてるじゃないかと突っ込んだら佐村河内フレミングに殺害された。
【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡 死因:心臓発作。

497メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:51:15 ID:8mZiKjnw0

軽く一万人を超すDMC狂信者に占拠された東京ビックサイト。
その内部はいつの間にやら怪しい装置がいくつも組み込まれ、連結している。
これらの装置はビックサイトが占拠されてから数時間の間に狂信者たちが手を加えたものだと伺える。
都庁が世界樹と化して自然のダンジョンになりつつあるのに対局するかの如く、ビックサイトはさながら機械のダンジョンと化していた。
そしてビックサイトの中央の空間には、装置の中枢であると思われる設備と狂信者たちをまとめる『上層部』という者たちがいた。
ちなみにその部屋のBGMにはもちろんデトロイト・メタル・シティが用いられている。


「このような装置で本当にクラウザーさんが蘇るのか?」

装置に向けて、そう疑問気に言ったのはセルベリア・ブレスという女傑だった。
黒い軍服に白銀の髪と血のように赤い瞳、スタイルは抜群の上にそのバストは豊満であった。
彼女は東ヨーロッパ帝国という国の軍人でヴァルキュリアという存在であり、ラグナイトという力を用いて単身で大部隊と渡り合える戦闘力から敵対国にとっては驚異の存在となっていた。
しかし、大災害によって所属していた国家が消滅してしまい、流れ着いた日本で心の拠り所となっていたのはクラウザーの歌であった。

「私はオカルト的な物はあまり信用できないんだがな」

セルベリアの問いに便乗したのはドリスコルという男である。
緑の軍服を着た金髪の美人ではあったが、氷のような冷酷な雰囲気を醸し出していた。
彼はザーフトラという国家の軍人であり、ハフマン島という島でとある任務を受けていたが大災害でハフマン島そしてザーフトラが沈んでしまったため、愛機のヴァンツァー(ロボット兵器)であるレイヴンと共に日本へ避難することに。
目的のためなら手段を選ばぬ卑劣漢ではあるが同時に愛国者でもあった彼は忠誠を尽くしていた国家を失い、途方に暮れていた彼にはクラウザーの歌によって新たな生きる意味を見つけたのだった。

「フンッ、できないのなら俺が首をへし折るまでだ」

そのように吐き捨てたのは格闘家・三島一八であった。
幾多もの戦いを乗り越えた証である傷跡の数々を刻まれた筋骨隆々の身体を持つ元日本人(国籍は捨てた)。
かつては三島財閥の冷血御曹司もしくは冷血当主と言われ、現在は財閥からは追い出された代わりに遺伝子工学で名を馳せたG社を操る立場となっている。
今は人間の形をとっているが、デビル因子という力によって悪魔の如き姿と力を行使できる恐るべき男である。
そんな彼は鉄拳トーナメントという格闘大会では試合前に必ずDMCを聞くほどのクラウザーの大ファンであった。

「不安を持つのは仕方ないと思うけど、僕の作ったマシンは完璧だよ。
……あとは、この中で一番強いかもしれないカミサマが裏切らないことを祈るばかりだね」

狭間偉出夫という少年は仲間たちにそう言った。
彼は黒いウェーブの髪を持つ白い学ランを着た怪しい雰囲気の少年だ。
この中でも得に若いがIQ256を持ち、悪魔召喚を可能にするアームターミナル型COMPを独力で開発できる天才的頭脳の持ち主だ。
しかし、恵まれた頭脳に反して学校では孤立し、他生徒からのイジメも受けていた上に愛のない家庭で生活をしていた。
そんな彼の生き甲斐はDMCだけであり、クラウザーの歌がなければ大災害より先に学園を生徒ごと魔界に封じ込めるようなテロを引き起こしてただろう。

「セルベリア、ドリスコル、三島、狭間。私のクラウザーさんへの敬愛と畏怖は本物だ、そこだけは信じて欲しい」

そして中央の玉座にいるディーという男は仲間の疑問に答えた。
一見すると髪や衣装や生えている翼まで白づくめの、まるで天使でも意識したような出で立ちの青年だったが、その正体は大いなる神とうたわれるもの『ウィツァルネミテア』……の片割れ、分身である。
彼は闘争こそが進化の本道であるとし、人間の感覚を超越した愛を持って戦乱を引き起こして人間をより高い存在へと導こうとする存在である。
そして種を進化させて自分と同等かそれ以上の高次的な存在を作り出すことによって「無限の孤独から解放される」己の願いを叶えるために、元の世界では歴史の裏舞台から様々な闘争を引き起こしていた。
だが、何かの力が働いたのか、大災害後の世界に彼は転送され、そこで彼はDMCそしてクラウザーに出会ったことによって状況は一変する。
彼の歌は既に高次的なものになっており、すなわち神をも魅了するレベルにまで至っていた。
よって、ウィツァルネミテアの目的である孤独からの解放は果たされたも同然であり、もはや闘争を生み出す意味もなくなったのだ……クラウザーが生きている内までは。

498メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:53:45 ID:8mZiKjnw0
今はもう一度、自分を孤独から解放したあの歌を聴きたいがために、殺し合いには不干渉を貫くつもりだった彼は再度血染めの世界に身を投じることになる。
ついでに神の片割れである空蝉の方はとっくの昔に死んでいるが、今の彼にとってそんなものよりクラウザー復活の方が大事であった。

彼らこそDMC狂信者を総括する上層部である。
いかに人数が多くとも指導する者なくして組織は成り立たない。
力だけではなく知力や指揮力に冷酷さ、そしてクラウザーへの多大なる忠誠を持っている彼らは、信者たちを統率する権利を持つ上層部として信者たちから認められた者である。
彼らがいなければ、DMC狂信者たちは祐一郎や都庁軍に並ぶ驚異にはならなかっただろう。



ここで彼らの考えるクラウザーさん復活計画を教えよう。
この世界では大災害以降、死者を蘇生する手段がほとんど使えなくなっている(byフォズ大神官)。
瀕死までなら魔法やアイテムでどうとでもなるようだが、完全なる死からの蘇生は難しくなっている。
どういうわけか黄泉から魂が戻らないのだ。
その気になれば一国をまるごと滅ぼせる力を持ち、人間の体細胞を変化させてスライムに変えてしまうこともできる万能の神であり、その気になれば人間の蘇生もできる筈だったディーもといウィツァルネミテアですら、それは例外ではなかった。
いちおうサイボーグ化することで蘇生した人物もいるらしいが、クラウザーは遺体の損傷が激しすぎたために機械化による蘇生は不可能であった。
では、どうやって復活させるというのか?

神であるディーと、神話や霊的なものの知識が深い狭間は互いに知恵を出し合い、考えた。
その結果、一つの案にまとまった――『黄泉から魂を呼び戻せないなら、こちらから黄泉に出向いてクラウザーさんの魂を取り戻す』と。

これだけでは荒唐無稽な話にしか聞こえないので詳しく説明しよう。
死後の世界には、天国地獄といった冥府の前に中継地点である『霊界』が存在する。
霊界については読み手の方々には『死者スレ』と言い変えた方がわかりやすいかもしれない。
クラウザーも地獄に帰る前には必ず死者スレにいるだろうと想像がつく。
その死者スレにいくための装置を狭間はその頭脳をフルに使い、ディーからの入れ知恵や法術、他の三人からは資金、資材、人材を提供してもらい、完成させたのであった。

装置の名は『黄泉レ○プシステム』、彼らの目の前にある装置がそれである。
この装置が起動すれば現世と死者スレとを結ぶゲートが開き、その門を潜れば死者スレへと行けるのだ。
術がダメなら、死後の世界そのものを犯した方が早いと見た結論である。
狂信者の誰かが死者スレへと向かい、そこでクラウザーの魂を見つけ、またゲートから現世へと戻らせる。
クラウザーの肉体は大阪のライブハウスで滅茶苦茶になったが、一八がG社に楽屋から彼の体毛を発見回収させ、体毛から再生したクローンの肉体を用意させている。
クローンだけでは彼の美しく狂っている歌声や人格は再現できず、魂だけではまた死者スレに帰ってしまう。
だが肉体を完全にコピーしたクローンに、彼自身の魂が宿るとどうなるか?
二つが合わされば、ヨハネ・クラウザー二世は現世へと完全復活を果たし、狂信者たちの悲願は果たされる……それこそが計画であった。

しかし、この死者スレとの境界を無くす黄泉レ○プシステムを起動するには莫大なエネルギーが必要であった。
発電所から大量の電力を回してしまうと、そこを辿って他の参加者や主催の手勢に妨害される恐れがある。
かといってディーやセルベリアのような超能力を持つDMC狂信者全員がエネルギーを結集させても起動にはまだまだ足りないことが狭間の計算でわかった。
計画は暗礁に乗り上げるか……否、狭間は自分の知りうる中で使えそうなエネルギーを思い出し、それを装置の動力に使うことにした。

「狭間、現在までで生体マグネタイトはどれくらい溜まっている?」
「まだまだ規定量には届かないけど予定していたペースよりは早いぐらいだよ、ディー。
信者たちがしっかりと『殺し』『殺されている』おかげだね」

499メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:54:29 ID:8mZiKjnw0

生体マグネタイト――それは磁鉄鉱のことではなく、召喚された悪魔が人間界に実体化するために必要なエネルギーである。
そして生体マグネタイトや人間や魔物などの生きとし生けるもの、すべてが持っている。
これに目をつけた狭間は黄泉レ○プシステムマシンの他に、COMPの要領でビックサイトを超巨大なマグネタイト収集マシンに変えた。
収集範囲は北海道・沖縄・中国・九州(どれも諸事情で不可侵領域である)を除いた日本全域まで届き、日本で死んだ者のマグネタイトはほぼ全てビックサイトに集まるようになっている。
死ねばマグネタイトを抽出されるのは狂信者たちも例外ではなく、彼らは自分たちが死んでも、クラウザーさん復活のための生贄になると信じている……サバトに必要なエネルギーになっているという意味では、その考えは間違いではない。
発電所などの大掛かりな設備が必要なく、狂信者たちは本拠であるビックサイトだけを守り、ひたすら他の参加者を殺して、死ねばいい。
もっとも計画については、情報が漏れると主催をはじめとする他の組織に狙われる危険が予想され、クラウザーさんが復活するその時までは上層部間での秘密となってため、他の信者たちは何も知らないが。

「では、あとどれくらいかかる?」
「このペースなら放送に換算するとあと二回分…どんなに早くても半日は無理だ」
「よろしい、信者たちには引き続きSATUGAIを続けてもらおう。
さて、クラウザーさんの復活計画も大事だが、我々のいる日本の情勢にも目を向けなくてはな」

上層部はクラウザーとSATUGAIのことしか考えていない他の信者に比べれば冷静に事態を見つめられる者たちだ。
この組織の行く末にもしっかりと見通しを立てている。

「日本海の巨大ロボを拠点としているらしい殺し合いの主催たち、都庁を巨大な樹に変えた魔物の軍、四国には超危険人物の祐一郎たち、不気味な沈黙を保っている議事堂の魔物たち……現状で目立った勢力はここいらだな。
だが、どれもこれも危険な集団であることには違いない。
クラウザーさんに危害を加える可能性がある以上、いずれは残らず排除しなけばなるまい」

ディーはそう言った。
仮にクラウザーさんが生き返っても、もう一度死んでは意味がない。
クラウザーさんの安全のためにもそういった組織には残らず消えてもらうしかないのだ。

一八曰く「総理が死に、主催は参加者の攻撃でダメージを受けていたらしいが、その割にはピンピンしている印象だ。
第二回放送でデモンストレーションを行ったバーダックも、あれで全力とは思えんし相変わらず底の知れない連中だ」
ドリスコル曰く「都庁の魔物たちは刺激しない限り、仕掛けてくるつもりはないらしいが、どれも凶悪な魔物ばかりだ。
幸いにも二匹の工作員をうまく送り込めた。戦いになれば大いに役に立てるだろう」
セルベリア曰く「祐一郎は行動の先が読めない怖さがある。最近、危険な戦艦と人員をこしらえたとの噂があるな」
狭間曰く「他の勢力に比べれば圧倒的に数が少ないけど議事堂の魔物の動きにも注意するべきだ。
あそこにいる魔物たちは冥闇に堕した者レベルじゃないと歯が立たない」
ディー曰く「ふむ、その者たちが相手では、今まで通りの人海戦術だけでは心もとないな……」

DMC狂信者の人数は異常と言えるほど多いが、人材自体は有限だ。
強者たち相手に無為に攻めさせて虐殺の憂き目を受けるわけにもいかない。
死ねば生体マグネタイトが取れるとはいえ、狂信者たちが減れば殺し合いも減速しマグネタイトは集まりにくくなり、さらにはクラウザーさん復活の要であるビックサイトを守る人員もいなくなる。
されど、今のDMC狂信者たちには他の組織と渡り合える決定打が少なかった。

500メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:55:17 ID:8mZiKjnw0

「では、クラウザーさん復活の計画と並行して、他の勢力との殺し合い…いや、戦争に備えるために組織全体の強化に取り掛かろう。
それぞれの才能に合わせて、狭間は魔界魔法を、三島は格闘技を、セルベリアは銃の扱い方を、ドリスコルは機動兵器の操縦方法を教えるんだ」
「わかったよ、アギラオやブフーラぐらいは使えるようにする」
「了解だ」
「了解した。ついでに死んだ狂信者たちの脳をブレインデバイスに加工し兵器に装備させれば、性能が向上するだろう」
「俺に指図するな……と言いたいところだが、全てはクラウザーさんのために腕に覚えのある奴は三島流喧嘩空手を教えてやろう」

ディーの示した提案は上層部をトレーナーに名も無きモブ信者たちの訓練をさせ、強化することであった。
これにより組織全体の力は上がる見立てである。

「私はここで情報を統括し、必要に応じて信者たちに指示を出す。それでは信者たちの強化を任せるぞ」
「「「「全てはクラウザーのために! SATUGAIセヨ! SATUGAIセヨ! SATUGAIセヨ!!!」」」」

ディーを除いた上層部の者たちは狂った掛け声をあげ、クラウザーへの忠誠を胸にビックサイトの外へと向かっていった。



四人が見えなくなった所で玉座に座るディーは考えていた。

(しかし、なぜ蘇生術が使えないのだ?)

彼は某騎士と同じく、別世界から来た存在である彼はこの世界のことについて考えていた。
ウィツァルネミテアの力は流石にロワ及び日本を滅ぼしかねないとでも思われたのか、主催にはめられた首輪によって制限はされている。
だが、蘇生術に関しては首輪による制限だけでは説明できない事柄がある。
狭間のCOMPにはリカーム・サマリカームという蘇生魔法を使える悪魔がいるが、呼び出された悪魔には首輪はついていないにも関わらず、蘇生魔法でモブ一人生き返せなかった。
もし、使えてたら黄泉レ○プシステムなんて作らずともクラウザーさんは復活でき、そもそも狂信者たちの暴走自体あり得なかっただろう。
蘇生術を使えないのは首輪以外の要因があるようだ。

(何か大きな力がこの世界で働いているようだが…いったい誰が、どうして?)

ディーは考える、そして目星を立てる。

(主催者たちによるものか……いや、もっと怪しいのは大災害とやらだな)

この世界の大半を滅ぼした大災害……ディーはそれが起きた後にこの世界に来たため、詳しい事情はわからない。しかし。

(私にはどうも大災害がただの天災には思えない。
話を聞くところによれば宇宙にまで被害が出ている……大規模な地殻変動でもこうはならんな。
きっとその大災害こそ蘇生術が使えない原因なのではないか?)

大災害について考察するディー、だがしかし彼の手元には大災害絡みの情報があまりにも少なすぎた。

(……やめよう、考えても埒があかない。
クラウザーさんを甦えらせ、敵対勢力を駆逐した暁にはいくらでも調査できる。今はそんなことよりクラウザーさんだ)

大災害への考察を早々に打ち切り、自分の役割である組織運営の仕事に戻ることにした。
だが、二度目の大災害による危機が迫っていることを彼はまだ知らない。
クラウザーさんへの狂った『愛』が、彼の視野を狭めてしまっているのも原因だ。
他の四人の上層部の者たちや下々の狂信者たちすら、それは同じであった……

501メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:56:01 ID:8mZiKjnw0


【二日目・1時00分/東京ビックサイト】

【DMC狂信者上層部】
※ビックサイトは日本中の生体マグネタイトを集められるように改造されており、日本中のほぼ全域における死者のマグネタイトはここに集まる仕組みになっています。
※集めた莫大なマグネタイトをのエネルギーで現世と死者スレを繋げるマシン『黄泉レ○プシステム』を起動させ、クラウザーさんの魂を現世に戻す計画を立てています。

【ディー@うたわれるもの】
【状態】健康
【装備】刀
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:他の狂信者たちにマグネタイトを集めさせ、黄泉レ○プシステムを用いてクラウザーさんを復活させる
2:クラウザーさんのために、いずれくる各勢力との戦争に備えて戦力を増強する
3:大災害などに疑問はあるが、後回し
4:空蝉がSATUGAIされたのは坊やだからさ……
※制限によりウィツァルネミテアの力がある程度制限されていますが、蘇生関連の能力制限だけは首輪とは別の力が働いていると見ています。


【狭間偉出夫@真・女神転生if...】
【状態】健康
【装備】アームターミナル型COMP(悪魔数体入り)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに魔界魔法を使えるようにする
2:クラウザーさんを死なせたこの世界への裁きとして、より多くの者をSATUGAIする
※召喚できる悪魔の種類や数(少なくとも一体は蘇生呪文が使える)については次の書き手氏にお任せいたします。


【三島一八@鉄拳6】
【状態】健康
【装備】己の肉体、デビル因子
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに格闘技を教える
2:親父(三島平八)を見かけたら容赦なくSATUGAI


【セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア】
【状態】健康
【装備】ラグナイト製の槍と盾
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに銃の使い方を教える
2:マクシミリアン殿下が生きてたらクラウザーさんとSATUGAIの素晴らしさを伝える


【ドリスコル@フロントミッション】
【状態】健康
【装備】Type 11 DS(レイヴン)
【道具】支給品一式、カレンデバイス
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちにロボット操縦技術を教える
2:SATUGAIされた信者の脳はブレインデバイスにして再利用

502メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:57:12 ID:8mZiKjnw0
>501修正

【二日目・1時00分/東京ビックサイト】

【DMC狂信者上層部】
※ビックサイトは日本中の生体マグネタイトを集められるように改造されており、日本中のほぼ全域における死者のマグネタイトはここに集まる仕組みになっています。
※集めた莫大なマグネタイトのエネルギーで現世と死者スレを繋げるマシン『黄泉レ○プシステム』を起動させ、クラウザーさんの魂を現世に戻す計画を立てています。

【ディー@うたわれるもの】
【状態】健康
【装備】刀
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:他の狂信者たちにマグネタイトを集めさせ、黄泉レ○プシステムを用いてクラウザーさんを復活させる
2:クラウザーさんのために、いずれくる各勢力との戦争に備えて戦力を増強する
3:大災害などに疑問はあるが、後回し
4:空蝉がSATUGAIされたのは坊やだからさ……
※制限によりウィツァルネミテアの力がある程度制限されていますが、蘇生関連の能力制限だけは首輪とは別の力が働いていると見ています。


【狭間偉出夫@真・女神転生if...】
【状態】健康
【装備】アームターミナル型COMP(悪魔数体入り)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに魔界魔法を使えるようにする
2:クラウザーさんを死なせたこの世界への裁きとして、より多くの者をSATUGAIする
※召喚できる悪魔の種類や数(少なくとも一体は蘇生呪文が使える)については次の書き手氏にお任せいたします。


【三島一八@鉄拳6】
【状態】健康
【装備】己の肉体、デビル因子
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに格闘技を教える
2:親父(三島平八)を見かけたら容赦なくSATUGAI


【セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア】
【状態】健康
【装備】ラグナイト製の槍と盾
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに銃の使い方を教える
2:マクシミリアン殿下が生きてたらクラウザーさんとSATUGAIの素晴らしさを伝える


【ドリスコル@フロントミッション】
【状態】健康
【装備】Type 11 DS(レイヴン)
【道具】支給品一式、カレンデバイス
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちにロボット操縦技術を教える
2:SATUGAIされた信者の脳はブレインデバイスにして再利用

503都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:28:24 ID:VrCfRdBs0
「ぜぇぜぇ……ここが、都庁ですぞ……」
「ごくろうさま。思ったよりも時間がかかったわね……」

全速力で都庁まで飛ばされたオオナズチは、息も絶え絶えであった。
それに対して、ほむらは一応労いの言葉をかけるが文句も忘れない。

大阪からこの都庁までの所要時間はおよそ3時間半、常識的に考えればかなりの速度だ。
これは運悪くオオナズチの不明支給品が大量の強走薬グレートに加速装置であったことが原因である。
もう最初から『お前は女の子の尻に敷かれて移動手段になれ』と言わんばかりの支給品。
一同もさながら安全装置のついていないジェットコースターを長時間体験したようなものであり、疲労の色は隠せない。

「ここに……まどかが……」

合間合間で時間停止まで行い、ほむらはひたすらに都庁を目指していた。
少しでも早く、1分1秒でも早く、あの氷の竜に追いついてまどかを取り戻す……
それだけを考えて動いていた。同じ時間軸を何度も繰り返した時と同じように。

「しっかしまぁ……かなり前から見えてはいたけど……立派なもんだねぇ……」
「こまっちゃんに同じくだぜ……こんなにでかい樹は見たことがないぞ」
「あたしたちもだよ……ここが本当に元は東京都庁だなんて信じられない……」

仲間達は例外なく大樹の存在感に息を呑む。
桃子の情報により、大樹になっていることは理解しているつもりであったが、予想以上だ。
大樹とは関係なしに、地面にもかなりの草が生い茂り始めている。
これが大樹の力なのか、いずれ新宿地方は草にまみれることだろう。

「それにしても、ネット上であれだけ騒ぎになった場所にしてはおかしいっす。魔物がいないっすよ……?」
「モンスターさんも、やっぱり夜は眠いのかな?」

ステルス状態を維持したまま、まどか救出隊は妨害にあうことなく順調に都庁の入り口に辿りついた。
そこでついに、一人の魔物を発見する。

(女の子……? いや、角に尻尾があるし、あの子も魔物か?)
(入り口で待ち構えているってことは、門番みたいなものかしら?)

「……! ここから先は通しません!」

「なっ!?」

その瞬間、入り口にいた魔物は強烈な閃光を放った。
あまりに突然、かつ闇夜に目が慣れた人間にはたまったものではない。
そして当然……

「ちょwwww開幕閃光玉とか聞いてないですぞwwww」
「うわぁ!?」
「きゃあ!?」

一行を乗せたオオナズチも閃光の餌食となりふらついた。
乗り物がふらつき、閃光目潰しもされたとなっては、乗っている一行も次々に地面へと落ちていく。
幸いにも既に飛行はしていないため、大惨事にはならなかったが地味に痛い。

「今度は随分と……人数が多いですね。それにここまで気配を感じにくいなんて……」
「っぅ〜! あんた、ここの番人!?」

いち早く復帰したさやかが、閃光を放った魔物を睨みつける。

504都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:29:05 ID:VrCfRdBs0
「極光の麒麟、サクヤと申します。これ以上進むのはどうかご遠慮ください」
「ふん、それではいわかりましたって引き返すわけないでしょ?」
「美樹さやかの言う通りよ。どんな手段を使ってでも、私は……!」
「ま、待つっすよ二人とも!」

武器を構える二人の魔法少女に対して、桃子は慌てて止める。

「麒麟と言えば、東南西北の各地を守護する四神を束ねる長、中央を守護する最強の聖獣っすよ!?
 でも同時に麒麟は、とても殺生を嫌う心優しい獣のはずなのに……」
「……ええ、殺生は嫌いです。だからどうか、これ以上進むのは止めてください。
 けれど、そのことを知っているなら、当然麒麟のもう一つの性質も知っていますよね……?――必要に迫られれば、私も全力で戦います」
「っ!?」

さやかとほむらは思わず一歩後ろに下がる。
サクヤの言葉と同時に、彼女の周囲に光と雷が集まったのだ。
さらに立てかけてあった巨大な戦鎚までも軽々と持ち上げ、一気に臨戦態勢となる。

「……四神乱舞っ!」

次の瞬間には、四神を模した闘気がその場にいた全員を容赦なく襲った。

「うわっ……って、思ったより……」
「痛くないで、これ?」

しかし黒子やケルベロスといった面々は怪我こそすれ、軽傷程度であった。
最強の聖獣が放つ仰々しい攻撃にしては、いささか威力が低すぎる。

「ぐあああああぁぁぁぁっ!? こ、これは……っ!?」

そう思った矢先、日之影の苦しそうな声があがった。
見れば彼は盛大に血を吐き出し、それより程度は軽いが魔法少女やプリキュア達も同じ症状だ。
これは四神乱舞という技が、相手の体力の多さに比例して威力をあげる性質であるためだが、それを知る者はいない。

「その様子から察するに、貴方がこのチームの最強格みたいですね」
「ぐおっ!?」

苦しむ日之影に対して、光の戦鎚が叩きつけられる。
体勢を立て直し蘇った腕で受け止めるも、その衝撃は凄まじいものだった。

「あたい達がいることも忘れないで貰いたいね! 射殺せ、『神槍』ッ!」
「くっ……!」
「た、助かったぞこまっちゃん……あの細腕で、なんて威力してやがる……」
「いやはや、あの子も幻想郷なら大妖怪の類だろうねぇ……
 まったくなんであたいらの戦う相手は、こんなに厄介な連中ばかりなんだい……!」

お互いが飛び退き、一度距離をとる。
人数では圧倒的に有利だが、相手の力も相当なものだ。

(どうする……また距離を操るか……? いやこれだけの人数、魔法少女たちと連携をとった方が……)

たらりと汗を流しながら、小町は考える。
自分の能力を使えば、多分勝てるだろう。しかし下手をすれば仕留め損ない、自分が死ぬ。
かと言って仲間達と共に戦って勝てるかどうかはわからない。何しろ戦えない者までいるのだ。
彼女らを狙われた場合、戦いはより厳しくなるだろう。仲間を誰も失わずに切り抜けるには、どうすればいいか……

「んんwwwここは我の出番ですかなwwwww」
「はぁ!?」

そんな小町の耳に、耳障りな言語が飛び込んできた。

505都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:29:47 ID:VrCfRdBs0
「……いやいや、あんたあたし達に散々ボコボコにされたでしょ?」
「確かに皆で協力しなきゃ勝てそうにない相手だけど、ねぇ……?」
「うん、オオナズチは正直邪魔になるかなーって……」
「ひどいですぞwwwww」

サクヤを押さえ込もうとする魔法少女とプリキュアからも、どこか生暖かい視線を送られるオオナズチ。

「……」
「ちょwwwwwと、とにかく我にお任せなのですぞ! 我の真骨頂は1対1、ソロハンター相手の時に発揮されるwwww」

見れば、あのワドルディまでもが可哀想なものを見る目で見つめている(ように見える)
それでもオオナズチは、自信満々で自分に任せろと言い張り、サクヤの前に躍り出るのであった。

「魔物……しかし都庁の方々とは無関係のようですね。何故、彼女達に……」
「言葉は不要wwww今こそ我の真の実力を見せてやるのです
「せいっ!」

「「うわぁ……」」

凄まじく嫌な音が響く。
見ればサクヤの戦鎚はオオナズチの顔面を真横からしっかりと捉えており、素人目で見てもクリティカルヒットは明らかだった。
もともと酷い顔のオオナズチであるが、今の一撃によりさらに顔面は大変なことになり、もはや潰れたアンパン以下である。
期待はしていなかったが、ある種期待以上に派手にやられたオオナズチを見た一同はただただ呆然とするだけだ。

「ごべは……ふふふ、どうですかな我の攻撃はwwww」
「え? 攻撃をしたのは私の方ですが……」

それだと言うのに、オオナズチは歪んだ顔で笑みを浮かべていた。
それは、もうまるで戦いに勝利したような、そんな笑み。

「ど、どうしてそんな顔を……はっ!?」


【下着を盗まれた!】

「「!?!?」」


「ふひひひひひひwwwwwどうですかなどうですかなwwww
 我の強力スキルその1【龍殺しの実だろうが秘薬だろうがありとあらゆる物を盗む力】はwwwwww」
「な……あっ……!? か、返してください!?」
「いやですぞwwwwwwうーwwwwwまーwwwwwいーwwwwwぞーwwwwwww」

あまりに一瞬、神速の一手。
オオナズチは顔面偏差値をさらに下げる代償を払うことにより、舌でサクヤの下着を盗んだのである。
さらに盗んだものはもちゃもちゃと咀嚼して楽しんだ後、飲み込む。
このオオナズチの略奪スキルはメラルーのそれと異なり、盗まれたら取り返すことは不可能なのだ。
このいやらしい能力の前に、どれほどのハンターが殺意を覚えたか推してしるべし。

この予想外の一手に、オオナズチ以外の誰もが凍りつき、身動きがとれなくなっていた。
それはつまり、このままオオナズチの独壇場であるということ。

506都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:30:37 ID:VrCfRdBs0
「んんwwww明らかに動きが鈍くなってますぞwwwwwこれを見逃すとかありえないwwwww」
「あうっ!?」

伸ばされた舌はぐるぐるとサクヤに絡みつき、その身動きを封じる。
さらにその口内には緑色の嘔吐物が蓄積されており、容赦なく身動きのとれない獲物に浴びせかけた。
するとどうだろうか……

「ふ、服が溶けて……!?」
「これぞ強力スキルその2【相手の防御力をがくっと下げる緑色の何か】ですぞwwwwww」
「こ、この……うっ……!?」
「ぷはぁぁぁ……そしてこれが強力スキルその3【相手のスタミナを根こそぎ奪って回復もできなくする息】wwwwww」

がくりと脱力したサクヤは戦鎚を落とし、もはや一切の抵抗ができない状態となっていた。
あのオオナズチが、最初の一撃以外は一方的に攻めきり、勝利したのだ。

「し、信じられないっす……麒麟を相手にここまで……」
「ええ。ですけど、ちょっと目のやり場が……」
「あたし達はよってたかってボコったけど、確かに1対1じゃあいつの能力は半端なくいやらしいわ……二つの意味で」

「これでフィニッシュとかありえないwwww我は一度絡みついたら離さないんですぞwwwwww」
「「!?」」

しかし、それでもオオナズチの動きは止まることはなかった。
驚く仲間達を尻目に、オオナズチの長くぬめぬめとした舌はサクヤの身体を這いずり回る。
その動きはダメージを与えるためのものではない。残された衣服を引きちぎり、直接肌の感触を楽しむためのものだ。

「い、いやぁ……!? な、何をするんですか……!?」
「もちろん、同人誌みたいなことですぞwwwwww
 我がこれまで、どれだけキリン装備やアスール装備の女ハンターを食べてきたと思ってるんですかなwwwww
 四神を束ねる麒麟だろうが、古龍のキリンだろうが、ついでに首の長いきりんや芸人の麒麟でも、キリンになら我は絶対無敵wwwww
 人間だってキリンを眠らせた後に集団で襲いかかって爆殺するのですから【キリン=蹂躙される存在】の法則は崩せませんなwwww」
「〜〜〜〜〜っ!?」
「おっと、念のために強力スキルその4【声帯麻痺】もかけておきますぞwwwwww
 おまけで同人誌によくあるExスキル【媚薬効果を持つ粘液】もなすりつけておきますかなwwwwww」



そこからはあまりにも惨い光景が続いた。
辺りに響くのはおぞましい舌が這いずり回り、麒麟の身体を嬲る音のみ。
オオナズチの舌は獲物の胸を好き放題に弄りまわし、尻をなで、口内奥深くまで侵入した。

麒麟を倒さなければ先に進めないとわかってはいても、誰もが思わず目をそむける。
それでもまだ足りない。ぬちゃぬちゃぐちゃぐちゃと淫猥な水音とくぐもった悲鳴が聞こえてくる。

「久々に極上の獲物に出会えたんですぞwwwwwこれで我のガンランスが滾らないわけがないwwwwwww砲撃準備wwwww」
「〜〜〜っ! 〜〜〜〜っ!」

耳を塞いでなお、実にいきいきとしたオオナズチの声が聞こえ……


「それではwwwwwwキリンの貞操も盗んでやるとしますか――っ!?」

その声は、途中で途切れた。
代わりに、何かが折れる音が響く。
何が起きたのか振り向けば、そこには無惨な姿で横たわる麒麟と、舌を踏まれたまま強烈な蹴りを受けて吹き飛ばされるオオナズチ。

「……覚悟はできているのかな?」

そして、凄まじい気を纏った青年がいた。

507都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:31:19 ID:VrCfRdBs0
◆ ◆ ◆


暁美ほむらは目の前の光景に言葉を失っていた。
確かに先程の麒麟の攻撃は凄まじかった。まともに戦えば相当な苦戦を強いられただろう。
だがそれも、あまりいい手段ではないがオオナズチの手により戦闘不能に追いやれた。
最強の聖獣を倒せたのだから、この先もなんとかなる……一瞬でもそう考えた自分を、ほむらは内心罵りつくす。

かつて、ワルプルギスの夜と戦う際にも、同じミスをしてしまったことがあった。
巴マミと佐倉杏子を失わずに挑めた時間軸では、頼れる仲間がいた喜びから銃火器の準備が不十分で……最終的に火力不足に陥り、敗れてしまった。
この殺し合いでも、彼女達は命を落としてしまった。それはとても辛いことであったが……
紆余曲折の末、美樹さやかとの合流に成功し、桃園ラブらプリキュアと呼ばれる戦士達とも一応の友好関係を築けた。
少し会話をしただけだと言うのに、彼女たちはまどかの救出に快く同行してくれ……口には出さないがとても感謝していた。
さらに道中たまたま出会った影の薄い集団さえもが、見ず知らずの自分に協力してくれるなど夢にも思わなかった。
こんな殺し合いの最中だと言うのに、自分が思っている以上に人間とは捨てたものではなかった。
新しい、頼もしい、そして優しい仲間達。あとは、まどかがいてくれたならば。

喜びと、焦り。そして油断。
決して犯してはならないミス、致命的な準備不足。

少し冷静になるべきであった。
まどかが絡むと、自分はあまりにも周りが見えなくなってしまう。それは十分わかっていたはずなのに。
逃げ惑う他の参加者から、東横桃子から、聞かされていた筈なのに。
【東京の都庁は屈指の危険地帯】
それを抜きにしても、あの氷竜がまどかを連れ去っているのだ。普通に考えれば、氷竜との再戦は当然だろう。
一瞬にして致命傷を負わされたあの氷竜。それに対抗するための準備を、全くせずに、ただまどかの身を案じてここに来てしまった。

あの氷竜がかわいく思えるほどの、さらなる化物への準備など、しているわけがない。

「なん……だと……!?」
「……ぬるいね」

あの日之影空洞が、拳の打ち合いで押し負けてそのまま吹き飛ばされ、そのまま樹の幹に磔状態にされる。
そのまま敵は反対側の拳を振り上げ、上空から切りかかる小野塚小町の腹部に重い打撃を打ち込んだ。
その瞬間に美樹さやかが高速の剣技を放つが、あろうことかそれは口で受け止められ……そのまま噛み砕かれた。
あまりに異常な光景に思わず固まってしまった美樹さやかは蹴り飛ばされて、地面を数回跳ねる。

「これなら……!」

今度こそ、拳も脚も頭も全身の攻撃が終了している。
その隙をつかんと相田マナ、桃園ラブ、蒼乃美希の三人は力を集結させて特大の攻撃を打ち込んだ。
魔法少女よりも魔法少女らしい、プリキュアの煌びやかにして苛烈な必殺攻撃。

「……属性反応あり、か」

だが、敵はそれをかわすそぶりすら見せず……自らすすんで直撃を受けた。

「嘘……そんな……!?」

そして土煙の中からは何事もなかったように、無傷の敵が飛び出し……文字通り、プリキュア達をまとめて蹴散らした。

気がつけば、残された戦える者は自分一人。オオナズチはずっと痙攣したまま。
なんなのだ、この悪夢のような光景は。
絶望してはいけないとわかってはいても、あまりにも理不尽な暴虐の嵐。
心が、折れそうになる。

508都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:32:00 ID:VrCfRdBs0
銃を構える手が、震えていた。
あの驚異的な反応速度、脚力では至近距離から撃ってもかわされかねない。
引き金を引く前に……殺されるかもしれない。
全て、自分の軽率さが招いた結果だ。

「あ、あぁ……!」
「残るは君ひとりかい……っ!?」
「!?」

その時、敵の動きが止まった。
一体何が起きたのか……目を凝らしてみれば、僅かに景色が揺らいで見えた。

「!」
「……っ、なるほど、三重ステルスか。霊的な存在すら見える僕が、反応しきれないとはね……」
「こ、これ以上みんなを傷つけることは、許さないっすよ……!」

途中から姿が見えないと思っていた、非戦闘員の東横桃子、黒子テツヤ、赤座あかり。
その三人が、戦う力など持っていない三人が、斬鉄剣を敵の腹部へと突き立てていた。
それぞれが固まることで、より強力なステルス状態となり……あの化物への懐深くまで忍び寄れていたのだ。
だが……
斬鉄剣、鉄を易々と斬るはずの刃は、服の一枚も貫通できずにいた。
明らかに異質、外見に反した超硬度の服が、一切の攻撃を受け付けていない。
決死の不意討ちで、この結果。
一度解除したステルスは、強敵を前にした場合は再度消えるのに時間がかかる。
もう回避不能、絶対射程範囲。三人が、あの強烈な拳や蹴りを受けたらどうなるか。想像に容易い。

「っ!」

ほむらは、思わず目を瞑った。

「……仲間を傷つけられるのは、嫌かい?」
「あ、あたりまえっす!」
「ああ、僕もそうだ」
「……!」

だがほむらの予想に反して、三人が攻撃されることはなかった。
東横桃子が震える手で握っていた斬鉄剣はやんわりとどけられただけ。
残る二人がそれぞれ猟銃と肉を構えるが……

「どうして、君たちは戦う? どうして、魔物を攻撃する?
 この都庁に魔物がいたから、魔物が悪だと決め付けてるからかい?」

投げかけられる、問い。

「全ては、まどかのためよ……! まどかは私の……!」

返す、答え。

「……君の考えはわかったよ。それじゃあ、残りの人間にも聞いてみようか」
「え?」
「……キュアオール」

次の瞬間には、辺り一帯を癒しの光が覆った。
自分の、そして仲間達の傷がかなりの速度で治っていく。
美樹さやかの治癒魔法の効果と範囲を思いきり広げたような、高位魔法。
それを発動しているのは、紛れもない、つい先程まで自分達を叩きのめしてきた恐ろしい化物。
理解が追いつかない。
暁美ほむらは目の前の光景に、再び言葉を失っていた

◆ ◆ ◆

509都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:32:42 ID:VrCfRdBs0
「げほげほ……あたし達……助かったの!?」
「……いいえ、見逃されただけよ」
「その言い方も語弊があるな。あれ以上の時間サクヤを放置することなんてできなかったからだよ」
「あ、あんた……今度こそ……!」
「やめなさい美樹さやか。……今度攻撃を仕掛けたら、私達全員今度こそ殺されるわよ。それがわからないほど、あなたも馬鹿じゃないでしょ?」
「うぅ……」
「ものわかりがいいね。さて……君らを殺そうと思えば簡単だけど、殺さないでおいてあげたんだ。全員、僕の質問に答えて貰おうか」

都庁の入り口に座った青年、レストの言葉に反抗する者は誰一人としていなかった。
いくら回復されたとはいえ、完治まではしていないのだ。全快の状態であの戦闘結果であれば、今は万にひとつも勝ち目はないのだから。

「問い1。何故、ここに来たんだい?」
「……あたい達は、東京都の惨状を聞いてね。なんとかそれを止められないかと来たはいいが……ご覧の有様だよまったく」
「あたし達は、ほむらちゃんの友達のまどかって子を助けられないかなって……それに、魔物が暴れてるなんて聞いて放っておけないよ」
「あたしとほむらもそうだよ。氷の竜がここの軍団の一員かもしれないって聞いて……」
「なるほど、つまり【まどかを助ける】と【僕らを止める】ために来たってことだね?」
「ええ、そうよ……」
「……とりあえず、そっちの物騒な黒髪の子、君には朗報だ。君らの予想通り、探している鹿目まどかはここにいる。そして無傷だ。
 彼女を傷つけようとする存在が現れたら、ここの魔物がその存在を許さず攻撃するからね。下手な場所よりよっぽど安全と言えるよ」
「ど、どういうことなの!?」

一同は、まどかの無事を聞き一応の安堵の表情を浮かべる。
しかしその後に語られた内容には、驚かずにはいられなかった。魔物がまどかを守るとは、どういうことなのか。

「氷竜さんから聞いてないのかい? 彼女はグンマー……今は滅ぼされた民の血をひいているらしくてね。
 彼女がいればここの世界樹はもちろん、踏み躙られたグンマーの森も元の聖域に戻せるかもしれないんだってさ。
 そしてそのまどかは……人間と、魔物の共存を説いた。人間も魔物も争うな、何か方法がある。
 まったく実に甘い考えだとは思うんだけど……中には彼女に賛同する魔物もいるから困ったものさ。
 あげく僕に対して、ほむらちゃんが来たら殺さないでください! もちろん他の人も! なんて釘を刺してくるし……手加減する身にもなってほしいよ」
「おいおい、あれだけ暴れて、特に俺だけ妙にダメージが大きい気がするんだが……それでも手加減だと……?」
「ああ、あなたは厄介そうだから割と本気で殴ったよ。他の子達はある程度加減してあげたけど」
「い、痛かったよ!?」
「問い2。サクヤをあんなになるまでいたぶる必要性はあったのかな?」
「「それは全部あのオオナズチの単独行動です」」
「わかった。彼は魔物だから一応殺さないけど、罰として後で屋上から吊るしておくよ」

自分達が殺されずにすんだのは、まどかのおかげ。
そしておそらく、一度殺されかけたのはオオナズチのせい。
それを理解した一同は複雑な感情が混ざり合うのであった。

「で、でもまどかがそんなことを言うなんて……」
「あなた達に無理矢理従わされていると考える方が普通じゃない?」
「まあ、その反応は当たり前だよね。実際、僕も面と向かって言われた時は驚いたよ。
 さて、問いその3だ。君たちは、魔物をどう思っているのかな?」
「そ、そりゃあ人を殺してまわる奴らでしょ!? 実際、被害報告もいっぱい出てるんだから!」
「そうよ、プリキュアとして人々の平和を脅かす存在は無視できない!」
「……それは、思い込みじゃないかな?」
「だって、人間と違って
「はぁ……なら、君が抱きかかえているその丸っこい子は? 横の犬だか狸だかわからない子は?」
「……!」
「な、失敬なやっちゃな! わいはケルベロスや!」

レストは、少女達が抱えるワドルディとケルベロスを指差した。
確かに彼らの外見は人間とはかけ離れ、どちらかといえば魔物に分類される。
しかし彼らは人間に危害を加えたことは一度たりともない。それどころかずっと行動を共にしている。
思い返せば、あのオオナズチもどうしようもない変態ではあるが、人を殺そうとまではしていなかった。

510都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:33:22 ID:VrCfRdBs0
「確かに人を襲う魔物はいるけど、そうじゃない子だっているんだ。偏見はやめて欲しいな」
「それは……」
「それに環境のことも……まあ今はいいか……君たちの目的はあの子、まどかなんだろう? まずは会って直接話してくるといい」
「っ! ここを、通すということ?」
「ああそうさ。どの道サクヤをこのままにはしておけないし、君たち程度の装備と力じゃここを攻略するにはあまりにも力不足だし」
「こ、この……!」
「……早く行くといいよ。僕の気が変わらないうちにね。さっき僕が使った磁軸から彼女や氷竜さんのいる部屋に飛べる」

レストが指差す先には、ピンク色の光の柱があった。
迷宮内の移動をスムーズに行える、本来であれば都庁に属する存在だけが使用可能な樹海磁軸だ。

「くれぐれも魔物には手を出さず、彼女と会うことだけを考えるんだ。ああそれと、そこの三人は悪いけどちょっとここに残ってもらおうか」
「僕たち……ですか?」
「あかりも!?」
「し、従うほかなさそうっすね……」

◆ ◆ ◆

非戦闘員の三人が残され、残る戦う力を持つ面々は磁軸へと追いやられ、転送される。
素直に従う者、渋々といった様子の者、悩んだ様子の者。
それぞれの思いを抱きながら、あっという間に目的地に飛ばされた一行は固唾を飲んだ。

「ほ、本当にこの扉の向こうにまどかがいるっての……!?」

飛ばされた先が、何階かはわからない。しかし目の前の扉からは尋常ではない威圧感を感じた。
大阪で戦った氷竜の気配、そしてそれと同類の雷の気配に、まだ見ぬ魔王の気配。
間違いなく、ここはこの都庁の魔物を束ねる者達の部屋だ。果たして本当に、この扉を開けて大丈夫なのだろうか。

(……もしさっきの話が本当なら、ここの魔物はまどかに手を出さないどころか、守ってくれる存在。
 インキュベーターだろうがなんだろうが、倒してくれる。それならいっそ……私も魔物側についた方がいいの……?)
(あいつは気に食わない……罠の可能性だってある。
 どんな理由があっても、ここの魔物が沢山の人を殺してることには違いないんだ! あたしは正義の魔法少女、それならどうするべき!?)
(……考えもしなかったけど、確かに人間と違う姿だからって魔物をすぐに攻撃するのは、間違っているかも……)
(さっきは、まるで歯がたたなかったけど……一応、いつでも戦える準備はしておこう。みんなを、守るためにも……!)
(駄目だ、考えがまとまらない……今、プリキュアとしてなすべきことは、何……?)
(やれやれ……さながら妖怪の山の大天狗……いや天魔とご対面って感じかね。
 こんな連中に加えて、DMC信者まで蔓延っているなんて本当に東京どうなってんだい……ここだけでもうお腹いっぱいだよ)
(間違いなく、さっきの男はここの戦力でもトップクラスの奴だろう。だがこの先にいる連中が、それよりも強かったら……俺は、仲間たちを守れるか……?)

さあ混沌の世界の冒険者たちよ、覚悟ができたならその扉を開くといい。

【二日目・2時20分/日本・都庁深部】
【小野塚小町@東方Project】
【状態】小ダメージ、中疲労
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH
【道具】舟
【思考】基本:もう仲間を誰も失わない為にカオスロワを終わらせる
0:警戒は怠らない
1:もう二度と仲間を置いて行こうとしない
2:幽香と戦う事を覚悟する
※飛竜たちと情報交換して、主催達が九州ロボにいることを知りました。
【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】大ダメージ、中疲労
【装備】己の拳
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を倒す
0:まずは扉を開ける。全てはそれから
1:仲間を守る
2:混沌の騎士が遺した謎を解く
3:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。

511都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:34:02 ID:VrCfRdBs0
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ小、中疲労
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ45パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾95)、レミントンM870(残弾20)、ミニミM249(残弾50)、M16クレイモア×10、L16 81mm迫撃砲×5、M84 閃光手榴弾×20、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守る
0:まずはまどかの無事を確認する。その後は……
1:自分の準備不足を痛感
2:桃園ラブに僅かに罪悪感

【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【状態】健康、小疲労
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:桜を探す
1:ほむらについていく
2:魔物と一緒にせんといて!

【相田マナ@ドキドキ!プリキュア】
【状態】ダメージ小、中疲労
【装備】キュアラビーズ@ドキドキ!プリキュア、ラブリーコミューン@ドキドキ!プリキュア、ラブハートアロー@ドキドキ!プリキュア、シャルル@ドキドキ!プリキュア
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:警戒は怠らず、戦えるようにしておく
※前回のロワとは関係ありません。

【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】ダメージ小、中疲労
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ピーチロッド@フレッシュプリキュア!
道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
1:誰かを探しながら、ワドルディを守る。
2:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
3:ここの魔物にもワドルディみたいな子が……?
4:ほむらはまだ少し怖いが、仲良くしたい
※9期とは関係ありません。

【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】
【状態】ダメージ小、中疲労
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ベリーソード@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:さやかが何だか他人のような気がしない。
3:死んだキュアピースの分も頑張る。
4:今何をすべきか、よく考える
※放送の内容をラブ達から聞きました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ中(回復中)中疲労
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ約50パーセント)
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:美希が何だか他人のような気がしない。
3:とりあえずはまどかの保護を優先
4:都庁の軍勢を警戒
※8期、9期とは関係ありません。
※放送の内容をラブ達から聞きましたが、上条恭介の死を知りません。

512都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:35:27 ID:VrCfRdBs0
【ワドルディ@星のカービィ】
【状態】健康、小疲労
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いには乗らない。
1:ここにいるみんなと一緒に行動する。
2:みんなの役に立ちたいけど……
※6期とは関係ありません。
※アニメ出展なので、喋る事ができません


◆ ◆ ◆


「おーよしよし、泣かない泣かない。オオナズチは後で紫葡萄の横に吊るしておくから……」
「ひっく……レストさまぁ、申し訳ございませんん……」
「その……止められなくて、申し訳ないっす……」
「ごめんね、麒麟さん……」
「その……僕の服でよければ、どうぞ」

その頃、影の薄い三人とレストは、オオナズチの被害にあったサクヤを慰めていた。
ちなみに当のオオナズチは未だにぴくりとも言葉を発さない。先程の回復魔法も使われていないためである。

「助かるよ。とりあえずサクヤ、これとさっき持ってきた布切れで身体隠して……」

影薄三人は、ただ黙って目の前の光景を見つめる。
すすり泣く麒麟も、布切れを器用に服のようにしていく魔人。
両者とも、つい数十分前までは圧倒的な力を見せつけた存在だが、こうしてみるとごく普通の人間に見えた。

「とりあえず今はこれで……さて、君たちに残ってもらったのは他でもない。
 ……どうしてさっき、ステルスアタックを仕掛ける際に、僕の脇腹を狙ったのかな気になってね」
「ひぃっ!? ご、ごめんなさいっす! みんなを守らなきゃと思って、その……」
「いや、それは別に構わないよ。敵なんだからさ。ただどうして……顔を狙わなかったのかなって思った。
 あの時、斬鉄剣を僕の顔に向けていれば……あの距離じゃ反応しきれずに僕は重傷か……あるいはそのまま死んでいたのに」
「……え?」

不意に声をかけられ、桃子は思わず悲鳴をあげるが、返ってきたのは予想外の言葉だった。
あの局面で、自分たちの非力な攻撃で、この圧倒的な強さを誇る青年を殺せるとは到底思えない。
それは黒子もあかりも同じようで、頭に疑問符を浮かべている。

「僕も無敵じゃないってことさ。ちょっと種明かしをすると、僕は常時透明化させた錬金装備で身を固めている。
 君たちと違って、装備だけがステルス状態みたいなもので、こう見えて脚も胴も腕も頭も、相当な防御力の装備で守っているんだ。
 ……ただ一か所、顔面だけは装備がとどいていないんだけどね。だからあの時、君たちは僕を殺すことができたってわけさ」
「「「!!」」」
「まあ前なら顔面でも素の防御力で弾けただろうけど、首輪のせいか僕の身体もだいぶ制限がかけられていてね……
 どうだい、もう一度さっきのステルスアタックを僕にしかけてみるかい?」

自分の顔面を指差しながら、レストは三人を煽る。
斬鉄剣は未だ桃子の持ち物であり、三人揃っている状態のため実際にステルスアタックをしかけることは可能だ。

「いえ、遠慮しておきます」

しかしすぐさまに三人は首を横に振った。
レストの顔が、僅かに歪む。

513都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:36:04 ID:VrCfRdBs0
「カウンターを警戒して、かい?」
「いやいや、そんなことしなくても今こうして話している間に十分殺せるはずっすよね?」
「僕らは基本的に、影が薄い以外は普通ですからね。日之影さんが吹っ飛ぶようなパンチされたら、まず首がもげますよ」
「もし本当に殺しちゃったら、麒麟さんもっと泣いちゃいそうだもんね」
「……はぁ」

あかりの言葉を受けて、とうとうレストは深いため息をついた。
なんとなくわかってはいたが、この三人……特にこのあかりという少女はある意味でまどか以上に扱いにくい相手だった。

「なんなんだい君たちは……まったく……致命傷を負わされかけたかと思えば、僕を怖がるでも憎むでもなく……」
「そりゃあ最初は滅茶苦茶怖かったすよ……でもなんだかんだで皆の怪我を治してくれたし、意外と普通に話せるっす!」
「同じくです。たまたまあなたが守ろうとする仲間が魔物だったということみたいですし」
「ねえねえ、麒麟さん以外にもたくさんのモンスターさんがいるんだよね? 誰かあかりを乗っけてくれるモンスターさんいないかな?」
「いるわけないだろう!? ここをなんだと思っているんだい!?」
「サ、サクヤでよろしければどうぞ……でも、一番最初はレスト様に乗って頂きたいです……」
「サクヤ、復活したなら安静にして冷静になるんだ。今の君に僕が乗ると画的に非常にまずい」
「ま、まさか自ら人間と魔物の共存をこの場で実演するつもりっすか!?」
「しないよ! やっぱり君たちは斬っておくべきだったかな!?」
「さすがにそれは困りますので、今度は三人ステルスで逃げさせてもらいます」
「でもあかりも、人間とモンスターさんの共存っていいと思うな。きっと毎日楽しいと思うよ。 わあ、麒麟さんの尻尾気持ちいい!」
「あ、尻尾は……!」
「こらそこぉ!?」

まどかと同じように、魔物への恐怖心を持っていないのか共存を平然と口にするあかり。
残る黒子と桃子も、都庁内部に送った面々と比べれば明らかに魔物や自分への敵対心が少ない。
戦う力を持たない、ただの人間。ぬるい考えの、いつでも殺せる存在だというのに。
魔物に敵意を向けないその姿勢が、つい刃を鈍らせる。
都庁を守護する最強の番人は、影の薄い最弱の少女達に振り回され続けるのであった。

【二日目・2時20分/日本・都庁入り口付近】
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】ダメージ微小
【装備】猟銃@現実
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:意外と人間と魔物の共存は可能なのでは?
1:友人たちと生き残る
2:混沌の騎士の言っていた空気中に漂う何かが気になる
※実はゴゴの死体から猟銃を回収していました。

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】ダメージ微小
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式、スマホ
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:思ってたよりも話しやすいっす
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:混沌の騎士が言っていた空気中に漂う何かを都庁軍にも聞いてみる?
3:スマホを使ってネットで情報を探る
4:DMCファンだけど信者の暴動にはドン引き

【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】ダメージ微小
【装備】なし
【道具】マムルの肉×2@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
1:混沌の騎士の分も頑張る
2:まどかと同じく、人間と魔物の共存に賛成
3:オオナズチ以外の都庁のモンスターの背中に乗ってみたい

514都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:36:40 ID:VrCfRdBs0
【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】精神疲労、小疲労、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減、サクヤの飼い主
【装備】天ノ村雲ノ剣、草原のペンダント
【道具】支給品一式、不明品、謎の壁材、水晶の壁材等の素材
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:あかり達に対処
1:都庁樹の施設と素材を使い、戦闘準備を整える
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビ、鬼灯、影薄と魔法少女組を警戒
4:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
5:まどかに自決されて魔物の士気が下がっても困るので、しばらく敵は半殺しで我慢
6:オオナズチは吊るす
7:サクヤは竜じゃなかったけど、角と尻尾があるから無問題

【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】超絶精神ダメージ、調教済み
【装備】戦鎚、黒子の服、布切れ
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
0:レストが影薄三人を殺しそうになったら止める
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:オオナズチにはいずれお返しする

【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】超絶ダメージ、角破壊
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:美少女を都庁にお持ち帰りたい
1:気絶中
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います

515加速するカオス:2014/03/14(金) 19:43:49 ID:NCTXT4Lc0
結果として桜田ヒロム達はジャイ子を倒せず、逃走した。

それから放送が流れ、日をまたぎ、数時間してジャイ子の前に佐村河内フレミングが現れた。

「ちょうどいいわね……あの3人の代わりにあなたを殺してやる!」
「君はDMC信者かな? それとこの手の法則を知っているかね?」

だがジャイ子は襲い掛かる。

「ダブルフレミングバスター!」

…そしてジャイ子は電撃に体をズタズタにされ死んだ。
だがジャイ子は旧テレビ版のジャイアンの犠牲により復活した。

「お、お兄ちゃんが2人に……殺しt」
「!?ダブルフレミングバスター!」

…再びジャイ子は電撃に体をズタズタにされ死んだ。
だがジャイ子は旧映画版のジャイアンの犠牲により再び復活した。

「お、おお、お兄ちゃ…」
「消えろ!」

だがジャイ子は新映画版のジャイアンの犠牲により三度復活した。

「あああああああお兄ちゃんがああああ…」
「!!ダブルフレミングバスター!」

ジャイ子は死んだ。
間髪入れず攻撃を仕掛けてくる相手にはジャイ子は弱かったのだ。

そのような特徴を持つ佐村河内フレミングに完敗した。

【剛田ジャイ子@ドラえもん】 死亡確認

「…東京に行こう。DMC信者達を抹殺するために…」
佐村河内フレミングは看板を見て東京方面へと向かった。

516加速するカオス:2014/03/14(金) 19:44:17 ID:NCTXT4Lc0
【二日目・3時00分/埼玉県】

【佐村河内フレミング@現実?】
【状態】健康、テラカオス化激加速中、振動能力会得、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に関係する者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:三種のフレミングの法則を知らない奴も全て抹殺する。
2:もうぶっちゃけいらついたら誰でも抹殺する
3:あの黒人男性は良い奴だ。
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜6の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました
※ジョン・フレミング及び剛田ジャイ子のテラカオス化進行度が加算されました
※真・フレミングの法則などのフレミングがこれまで体得した技も引き継ぎました
※他のテラカオス化進行者を倒す、或いは返り討ちにされた場合も勝者の方に進行度が加算されます

517聖帝の野球!:2014/03/19(水) 00:20:16 ID:9vw4I/oo0
「おのれラオウめ………よもやこの聖帝を差し置いてこれほどの軍勢を作り上げるとは!」


場所は東京都・両国国技館。
その観客席の一角で、ノートPCを操作しつつ憎々しげに吐き捨てる男が一人。
ご存じ南斗の聖帝サウザーである。

彼もまたこの殺し合いを主催する野田総理を打倒しようと当初は息巻いていたのだが、あまりにも目まぐるしい
状況の変化に焦りを覚え、現在この国技館に潜伏し様子を見ている最中である。
なにせここまでの間に主催者の野田総理は死に、東京都庁は魔物の巣窟と化し、日本中のDMC信者達が
クラウザーさん復活の為に暴れまわり、九州が空を飛び、からくりドームが血に染まり、etc.etc………
更には自分が目をつけていた国会議事堂までもが制圧されたと聞きサウザーは当時血の涙を流した。
「2代目聖帝十字陵に改造しようと思ったというのに!」とは彼の弁である。
そして現在、支給されたノートPCで拳王軍の動向に関する状況を調べつつ、サウザーは今後の方針を
決定するために頭を悩ませていた。


「(……これ以上奴に後れを取る訳にはいかんが、この東京都一帯には既にトチ狂ったDMC信者の連中が
 ウヨウヨしている。迂闊に外に出ては数の暴力で連中になぶり殺しにされるのがオチだ。とはいえこの
 SUMOUの殿堂・国技館にもいずれ連中の手が及ばんとも限らん。くっ、せめてもう少し我が軍勢を強化して
 おくべきであったか!)」

サウザーとて何もどこぞのMッパゲの王子のように今まで引き籠っていた訳ではない。
各地を転々と周りながら、拳王軍に匹敵する軍勢を生み出さんとスカウトを地道に続けていたのだ。
だが今にして思えば最初の方針が不味かったかもしれない。
そうサウザーは思い返した。


「サウザー! いつまで悩みこんでいるつもりですか? こうしている間にも罪もない人々が命を奪われて
 いるのですよ!? 彼らの愛を守るためにも私達も動くべきですわ!」
「ええい、貴様はまたそれか! 何度も言わせるな、この俺に愛などいらぬ!」
「どうでもいいがオッサン、これからどうするか早く決めようぜ。今俺達がいる場所も相当やばくなってんだろ?」
「レイジの言う通りですよ。ネットでも東京は相当危険な場所になってるって言ってましたし……」
「全くです。帝王を名乗る貴方がまさかこのまま穴熊を決め込むなどという情けない手を打つとは思えませんが、
 どうなんですか?」
「二人の言う通りです! 悪者は僕達が早く退治しないと!」
「そうだよせーてー! あたいもうガンプラ作るのもアニメ見るのも飽きちゃったよ!」
「……ルビー、あたし達連合組む人間違えちゃったかな?」
『まあこのオッサンを当たりとみるか外れと見るかと言われれば、まあ十中八九大ハズレでしょうねー。格ゲー
 だったらきっと酷い紙キャラですよこの人? 病人と相性最悪だったりして』
「ぐむむ………」

518聖帝の野球!:2014/03/19(水) 00:21:19 ID:9vw4I/oo0
小学生か中学生にしか見えない少年少女達(と、なんか変な喋るステッキ)に散々ボロクソに言われ流石に
サウザーもキレかけたが、今ここで激おこぷんぷん丸した所で彼らの不信を買うだけだと思いとどまり、何とか
怒りを鎮めた。


『反逆する大人よりも従順な子供を部下にしていく』

その方針で仲間を集め続けた結果がこのざまである。
ここにいる面子のほとんどは子供でありながら実力者が多かった事に喜んでいたら、いつの間にか軍団の中で
自分のランクが底辺になりかけているのだ。
このままでは主催者を打ちのめすどころか目指すべきラオウに『聖帝(笑)』と鼻で笑われるのが目に見える。
どうにかしなければと思い、先ほどまで情報集めに利用していた掲示板にふと目を向けてみると、サウザーの目に
ひとつの書き込みが映った。


『なんかドラゴンの一団が野球チーム結成したらしいよ?』


「これだ!」

その時サウザーの脳に電流走る!
自分は肝心な事を失念していた。
そもそも拳王軍は野田総理を野球で倒そうとしているという情報もある。
からくりドームで行われたという血の試合、そしてドラゴンの野球チーム結成。
これを利用しない手はない。

「決めたぞお前達! これより我が聖帝軍は野球チームを結成する!」
「「「!?」」」

あまりにいきなりの発言に一同は動揺しつつもサウザーの次の言葉を聞いた。

「あのラオウが野球をし、ドラゴンまでもが野球を始めたのだ。連中にできる事がこの聖帝に出来ぬ訳がない!
 そうと決まれば早速特訓だ、ゆくぞお前達!」
「ちょっとお待ちなさい! いくらなんでもいきなりではありませんか!?」
「そもそも野球は9人必要です、僕達だけではあと一人足りません!」
「それに野球をする道具もないよ?」
「野球ならガンプラ使って一度やった事あるんだがなぁ……」
「野球って何? サッカーならやった事あるけど?」
「……貴方は馬鹿ですか?」

その一言がトドメだった。

「ええい貴様ら、いい加減にしろーーっ!! この俺の軍団に入ったからには俺はアリの反逆も許さぬ!!
 命が惜しくなければ黙って俺の指示に――――」
「鉄人! ハンマーパンチだ!!」
『ガォォォーン!!』
「すみません、調子に乗りました、お願いですから付き合ってください」
「分かりました。だったらまずは残りの一人と野球道具を探しに行きましょう。話はそれからです」
「あ、相変わらず容赦ないね、正太郎君……」

少年の操る巨大ロボットに危うく殴られかけ、速攻で平謝りする聖帝であった。
もはやどっちがリーダーかわかったもんじゃなかった。

「(おのれこのガキ共めぇぇっ! いずれ必ずこの俺が目に物見せてくれるわ! 最後に笑うのはラオウでも
 主催者でもない、この聖帝サウザーよ!! フハハハハハハハ!!)」
「何を土下座したままニヤついてるんですか!? 早く行きますよ!」
「アッハイ」

こうして、色々と立場的におかしい聖帝軍は本格的な野球チーム結成の為に動き出すのであった。

519聖帝の野球!:2014/03/19(水) 00:22:03 ID:9vw4I/oo0

【二日目・3時10分/東京都・両国国技館】

【サウザー@北斗の拳】
【状態】健康、心労(中)、内心マジギレ
【装備】なし
【道具】支給品一式、ノートPC
【思考】
基本:主催者を打倒し日本を支配、そしてラオウも倒す
1:聖帝野球軍を結成し、拳王軍を打倒する
2:そのためにも自分の現状の地位をどうにかしたい(血涙)
3:配下のガキ共にはいずれ思い知らせる(今はとりあえず下手に出る)
4:愛などいらぬ!
5:退かぬ!媚びぬ!省みぬ!

【円亜久里@ドキドキプリキュア!】
【状態】健康
【装備】ラブアイズパレット、ラブキッスルージュ
【道具】支給品一式、アイちゃん
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:とりあえず野球チーム結成の為に残り一人を探す
2:さしあたって野球道具も探す
3:サウザーは頼りにならないので自分がチームを引っ張る
4:他のプリキュアとも合流したい

【金田正太郎@太陽の使者 鉄人28号】
【状態】健康、強い意志
【装備】Vコン
【道具】支給品一式、鉄人28号
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:悪い奴は許さない
2:野球チームを結成するための準備をする
3:サウザーには(一応)従う

【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【状態】健康、ちょっと先行き不安
【装備】マジカルルビー
【道具】支給品一式、クラスカード全種、魔法少女マジカル☆ブシドームサシDVD-BOX
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:や、野球チーム……?
2:組む仲間を間違えたかもしれない
3:このおじさん(サウザー)は当てにならない
4:お兄ちゃんや美遊達が心配

【金色の闇@ToLOVEるダークネス】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、たい焼き×大量
【思考】
基本:主催者を打倒する
1:とりあえず今は野球チーム結成に尽力する
2:野球のルールを把握しておく
3:サウザーは当てにしない
4:美柑達が無事か気がかりですね

【チルノ@東方project】
【状態】健康、やる気十分
【装備】アイスソード@ロマンシングサ・ガ
【道具】支給品一式、ガイアメモリ(アイスエイジ)@仮面ライダーW
【思考】
基本:『だーすべいだー』を倒す
1:野球って何?
2:とりあえずみんなに着いていく
3:せーてーは頼りないからさいきょーのあたいが皆を引っ張る

【イオリ・セイ@ガンダムビルドファイターズ】
【状態】健康、不安
【装備】HGスタービルドストライクガンダム、HGビルドガンダムMk-Ⅱ
【道具】支給品一式、ガンプラ用工具一式、その他ガンプラ(大量)
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:とりあえず野球チーム結成を手伝う
2:大丈夫かなぁ……
3:サウザーさんの声、ギレン・ザビを思い出すなぁ
4:知り合い一同が心配
5:歴代ガンダムキャラ達の死に悲しみ

【アリーア・フォン・レイジ・アスナ@ガンダムビルドファイターズ】
【状態】健康
【装備】HGビギニングガンダム
【道具】支給品一式
【思考】
基本:主催の連中をぶっ潰して殺し合いを止める
1:セイと共に殺し合いを止める(まずは野球)
2:野球か……
3:オッサン(サウザー)は信用しない
4:ガンプラで戦う方法を探したい

520野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:09:06 ID:jm2G8LRg0

死国・特設スタジアム。
祐一郎さんたちが作った死国に何故か作ってある野球場(スタジアム)である。
マウンドもベンチもナイター設備もすっごく充実している。
まあスタジアムと言っているけど厳密にはドーム球場だ。
そこに集まった私ら(拳王&熱斗少年&祐一郎さん一行)計22人+ネットナビとか色々。
全員の体力は回復してる、流石祐一郎さんが作った施設だ。
……ここまで集まると、何が心配かって? パーティ内での空気化だよ。
申し遅れたが、シグナムだ。

「皆さんに重大発表があります……」 

 ざわ……

     ざわ……

という擬音が聞こえてきた。
どことなく、タクア……ムギさんの顎と鼻が尖がってきたように見えたが、そんなことはなかった。

「スタメンを白紙に戻したいと思います!」
「なん……だと……?」


驚愕の発言だった。
監督兼オーナーをしているからしょうがないかも知れないが、まあそれはそれで驚いた。

「ぬぅ……どういうことだ、ムギちゃんッ!!」
「拳王さん、今のままでこのチームでは主催チームを……いえ、恐らく軽音部最弱を誇る田井中さんにも勝てません」
「な、なにィッ!?」

今、田井中さん関係ないだろ! いい加減にしろ!!
と、言いたくなったが、言葉の重みが違う。

「そこで新しいスタメンの座を掛けて皆さんには今から、ころし……じゃなかった紅白戦をしてもらいます」

レギュラー争奪のために殺し合いとか物騒すぎるだろ。
まあ、しゃーないかな。試合は六回まで。延長はなし。
けが人が出たら即試合終了というルールで行われることになった。
そりゃあ、安全第一だわな。
以下、チーム分け。

紅組
MEIKO
琴吹紬(紅組監督)
川崎宗則
プニキ
クロえもん
光熱斗
シグナム
ディオ・ブランド―
翔鶴
ルドル・フォン・シュトロハイム
エルンスト・フォン・アドラー

白組
ラオウ
平等院鳳凰
殿馬一人
緑間真太郎
デューク渡邊
シャーロック・シェリンフォード
櫂トシキ
上条当麻
光祐一郎(白組監督)
ダイアーさん
野比のび太

チーム分けはタクア……ムギさんの独断と偏見で行われたわけだが……
さて、どうなるかねぇ……?

521野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:09:38 ID:jm2G8LRg0

【紅組ベンチ】

「言っておくけどマウンドは誰にも譲らないから」
『こう見えても、僕は甲子園にも出場したことあるんだよ!』
「ロックマン、それって本当なのか?」
「パワポケ7か!」
「提督は別チームですか……」
「我がドイツの技術力をもってすれば野球など造作もないィィィィ!!」
「こんなチームで大丈夫なのだろうか?」

【白組ベンチ】

「ぬぅ……まさかMEIKOと勝負することになるとは……」
「ですなぁ、監督も向こうチームですから」
「はっ、関係ねぇ、蹴散らすぞ!」
「人事は尽くした……今日のラッキーアイテムは『ヴァンガード』もばっちりなのだよ」
「それは……?」
「2014年05月16日発売予定の『竜剣双闘』のカードです!」
「緑間、一体どこでそのカードを……?」

まあ、そんなわけで電光掲示板に両チームのスタメンが発表された。


紅組
一番 ショート   川崎宗則
二番 ライト    シュトロハイム
三番 レフト    光熱斗
四番 サード    クロえもん
五番 ピッチャー  MEIKO
六番 キャッチャー 琴吹紬
七番 センター   翔鶴
八番 セカンド   アドラー
九番 ファースト  シグナム

白組
一番 レフト    ダイアーさん
二番 セカンド   殿馬一人
三番 センター   平等院鳳凰
四番 ライト    ラオウ
五番 キャッチャー デューク渡邊
六番 ファースト  緑間真太郎
七番 ショート   上条当麻
八番 サード    櫂トシキ
九番 ピッチャー  シャーロック・シェリンフォード


「解説はジャイアンズが誇るクソレフト野比のび太君、実況はこのディオだッ!」
「僕はクソレフトじゃありません、打たれまくるジャイアンとちゃんと糞みたいなリードしかしないスネ夫が悪い」
 
実況席にディおじさんとのび太少年が座る。
まあ、ベンチで二人っきりとかいやだろうねぇ、絵的に。
あっ、審判はデカオと呼ばれたネットバトルガチ勢たちがやるらしい。

球審   大山デカオ
一塁審判 大山デカオ
二塁審判 大山デカオ
三塁審判 大山デカオ

きっとこのために四人になっていたのだろう。

 ◆ ◆

522野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:10:21 ID:jm2G8LRg0
「サインは……」
「つーか、アンタにキャッチャー出来るの?」
「勿論、軽音部ですから、どんな球でもこのミットで受け止めますよ(ニッコリ)」
「へぇ〜、ま、怪我だけには気を付けるのことね、つーか、プニキはベンチでよかったの?」
「私にいい考えがありますからね」

キャッチャーの格好したムギちゃん。
決して体格はよくないし、運動もあまり得意ではないと言ってはいたが……

一回の表、白組の攻撃は一番サード、ダイアーさんから
右のバッターボックスに入り、バットを構える。
雰囲気や鍛え方は流石に波紋戦士と言ったところである。

「我が名はダイアー……野球はしたことないがトップバッターを任せれられている」
「まあ、お手柔らかに(ニッコリ)」

マスクの下から笑顔魅せるムギさん。
しかし、ダイアーさんはMEIKOの方をにらんでいる。

「プレイボール!」

球審のデカオが試合開始を告げる。
そして、MEIKOは投球モーションに入る。
大きく振りかぶり、身体を捻る。全身のバネを使いボールに勢いを付ける。
左足を踏み込み、それと同時に右腕からボールが放たれる。

「ストライク、ワンッ!!」
「ッシ!」

ダイアーさんの胸元に鋭い速球が決まる。
速さ、キレ、球威共に悪くはない普通のストレート。

(へぇ、やるじゃない……半分以下の力で投げたけどちゃんと取れてるじゃない
 ……すこし、ギアを上げるか)

少し感心したが、これくらいしてもらわないと困る。
続いて、二球目を投げ……

ギュイーン!!!

「ファッ!?」

ファーストのシグナムの顔面近くを凄まじい速度で通過していった。
これには思わず、ファースト・シグナム驚愕!

「フフフ……波紋入りバットはよく飛ぶであろう……」

ライト方向への弾丸ライナーのファール。
二球目で芯を捉えられたが、速さと球威に負けて若干振り遅れた。
バットを伝わる波紋―――『打棒の波紋疾走(バッティング・オーバードライブ)』。

(彼は間違いなく、波紋の呼吸をしているッ!)
(……やれやれだわ)
(ですが、追い込みました……一番バッターがこんなにあっさりツーストライクになったらね)

三球目を放る。
だが、二球目と全く同じコース、同じスピードである。

「また同じボールだと! このダイアーに同じ手は通じん!!」

ダイアーさんのバットのヘッドが出た瞬間にボールは大きく軌道を変える。
バットをすり抜けるようにアウトコースに向かって急激に逃げていくッ!

「ストライッ、バッタッ、アウトッ!!!」
「何ィ!?」

ダイアーさんのバットは空を切った。
ボールはミットに収まっていた。

「インコースからアウトコースへのスライダーです。三球同じコースに同じ球が行くなんて甘い考えですね」
「くっ!」
「まぁ、ドンマイづら」

凡退したダイアーさんに入れ替わり、二番打者殿馬がバッターボックスに入る。

(厄介なバッターよね)

嫌らしい二番打者であることは重々承知している。
あのイチローとオリックス時代に一、二番コンビを組んでいただけある。

523野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:10:55 ID:jm2G8LRg0

(さぁて、どう攻略するづらか)
(秘打が怖いですね……)
(ストレートでゴリ押すわ)

バッテリーとバッターの間で様々な思考が交錯する。
そして、それを切り裂くように殿馬に対して第一球が放たれた。

カァン!!!

「なっ!?」
「秘打じゃない!?」
「秘打・なんもなし……づら」

普通に打ってきた。
しかし、芯で捉えて、しっかりと打ってきた。
白球はライト方向に高々と上がっていった。
フェンスを越えるか、どうか微妙なとこ――――


「我々の守備はそう簡単に破れないィィィィ!!!


ライトから騒がしい球場全体に響き渡る大声。

「アドラーッ、俺を腕を踏み台にしろォォォ!!」
「シュトロハイム!! ドイツにだって友情はあるんだッ!!」
「「ベルリンの赤い壁だッ!」」

ライトから大声でシュトロハイムが指示を出す。
それに従いアドラーがライトに走りこむ、そして、アドラーを空中に放り投げる。
サイボーグの力を舐めたらだからね? きっとすげーよ?
そのままアドラーはホームランボールをガッチリとキャッチした。

「アウトォ!!」
「まあしょうがないづら」

セカンドキャンパス付近で殿馬は止まっていた。
もし、アウトに取られていなくてもスリーベースヒットにはなっていただろう。

「さて……」
「問題はここからよね」
「来な」

その威圧感は極めた強者の強さの証。
右のバッターボックスに入る平等院鳳凰。
しっかりと右手でバットを握り、MEIKOに睨み付けるような視線が向かう。

(隙が無い構えですね)

ちらりとキャッチャーマスクの下から見る。
流石にテニスのU-17代表のNo.1だけあり、鍛え方も精神力も化け物クラスだ。

「アンタとやるのを少し楽しみにしてたわ」
「さぁ、殺(や)ろうぜ、命の殺(と)り合いをよ」
「……ただ、負ける気はさっぱりしないのよ、これがッ!」

ズドォン!!

「ストライッ、ワンッ!!」

ど真ん中に渾身のストレートが決まった。
恐らく150㎞/hくらいは出ていただろう。
しかも、スピードだけではなく伸びと球威も抜群である。
だあ……

「あぁ? 遅すぎじゃないか?」

平等院は余裕であった。
時速150㎞/hなど彼の世界ではテニスのサーブで中学生でも出せる。
寧ろ、コースがフォアハンド側のみに来るのであれば、打ち返すのも造作もない。

しかし、やらない。
高みを目指すのならば、相手の上限を己の力でねじ伏せる。

そして、平等院は若干バッターボックス内で姿勢を変える。
腰を落とし、バットを正面で構える。

524野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:11:20 ID:jm2G8LRg0

「やっぱ、こいつだな」
(テニスのリターンの構えですか……)

このフォームが平等院にとっての自然体。
七つの海を越えてきたこのテニスの構えこそが彼にとって一番打ちやすいのだ。

「シッ!」

瞬間、ランナーはいないが、セットアップのクイックモーションで投げる。
いつも同じフォームの同じタイミングで球を投げるとは限らないのだ。

だが……

「オラよッ!」

片手でテニスラケットと同じようにバットを振る。
そのスイングがボールをとらえたのだ。
しかし、クイックモーションで投げたのが幸いしたのか若干振り遅れた。
そして、打球は再びファーストのシグナムの顔面近くを凄まじい速度で通過していった。
これには再び、ファースト・シグナム驚愕!

「ファール!」

(投げる球がなくなったわけじゃない……色々と試してみるか)

息を大きく吐き、一度呼吸を整える。
そして、再び投球モーションに入る。


…………

……



パァン!

「ボール、スリー!!」
「嘘でしょ?」
「ボール一個分内側だ」

決めに行ったインローのMEIKOシュートの判定はボールであった。
カウントはツーストライクスリーボールになった。
フルカウントにまできっちり粘られてしまった。

(勢いを出すには三者凡退がベストなんですけどねぇ……)
(……まあ、『アレ』が実践で使えるかどうか……使うとしたら、ここね)

MEIKOは大きく振りかぶり、背中が見えるくらいに身体を捻る。
この一球で決めるという気迫をボールに込めるように押し出す。
コースはさっきと逆のアウトハイ。
右バッターの平等院さんに対してのクロスファイアー。

「甘いぜッ!!!」

平等院は外側に思いっきり足を踏み込む。
所謂、オープンスタンス打法と言われるものである。
丁度、身体とボールが平行になった。
配球を読んで、山を張りあてたのだ。
あとは真芯に捉えて、振り抜くだけ……のはずだった。



ボールがバットの芯を抉り抜いた。



(何だ、今の球は……!?)

どんづまりのピッチャーゴロ。
平等院の手は未だにしびれている。

「(新球……いや、MEIKOスライダーVer.2……)名付けて『MEIKOカッター』……!」

切れ味抜群のカット・ファスト・ボール。
打者の手元でボール一個分スライドして、絶妙に芯から外れる。
あのスライダーとは違い変化量はないがほぼストレートと同じスピードでくる。
速さがストレート≧カットボール>スライダーといった感じだ。
これで平等院の真芯(スーパースイートスポット)を僅かながらさけたのだ。


「言っておくけど、この試合、一点もやらないから」
「MEIKOォ! さっきの我々の守備を忘れたのかァ!!」
「バックを信じずに、エースが務まると思うわけ? 頼りにしてる」


一回の表終了 0−0

525野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:11:47 ID:jm2G8LRg0


「あの体格差と見た目じゃ完全に親子よね」
「ですねぇ」
「それはデュークさんの口癖……」
「いや、アイツは【ですなぁ】だから」

白組の先発はシャロ。
受けるキャッチャーはデューク。
見た目からして危険な香りが漂うバッテリーだ。

「あのう、デュークさん本当にノーサインでいいんですか?」
「ストライクゾーンに入ればと身体を使って止めてでもします」
「ぬぅ、貴様のような小娘が先発とはこの拳王にも先見の明がなかったぞ」
「祐一郎さんのことだ、きっと何か考えがあって送ったんだろう」
「系統も視野にいれているな」
「うぅ〜頑張ります!」

「プレイッ!」

左のバッターボックスにムネリンが入る。
リーディングヒッターとしては定石として置かれ、一番バッターとしての使命を果たすべく打席に入った。

「えいっ」

シャロの女の子投げからボールは力なく投じられた。
山なりのTDNボール……ではなく、超スローボール。
これにムネリンは焦ることなく、しっかりとボールを引きつける。

だが、次の瞬間。
カクン、カクン、カクン……とボールは物理法則を無視した曲がり方を始める。
MEIKOのような鋭い変化ではなく、一度だけではなく二度も三度もグネグネと曲がる球である。

「!?」
「ストライク、バッタッ! アウトッ!!」

これに対して、ムネリンは手が出ず三球三振。
続くシュトロハイムも演算が間に合わず、得意の技術力を生かすことなく三振に終わった。

(なんかズルしてる様な気がしますけど……)
(ばれなきゃイカサマじゃないんですねぁ)

種を明かすと使っているのはシャロのトイズ【念動力】。
重さ1㎏程度なら目に見える範囲内なら自在に動かせるのだ。
その球を抜群の反射神経でデュークはキャッチしている。
デュークはただのパワーオンリーの男ではないのだ。

「『主役にはいいところが回ってくる!!』」

三番のロックマンとクロスフュージョンした熱斗が入る。

「『僕の』」

ブン!(ストライクワン!)

「『いいところを!』」

ブン!!(ストライクツー!!)

「『見ててよね!!! 翔鶴さん!!!』」

ブン!!

「ストライク、バッタッ! アウトッ!! チェンジッ!!」

だが、あえなく三振に終わった。
ゲームは投手戦の模様を醸し出していた。

一回の裏終了 0−0

526野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:12:10 ID:jm2G8LRg0

【二日目・1時00分/日本・香川県】


【超弩級戦艦『死国』】


【MEIKO@VOCALOID】
【状態】健康、首輪解除
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】
基本:殺し合いに乗った者達を殺す
 1:ラオウ達に協力してもらう
※今までとは別人です。
※『黄金の回転』を習得しました


【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる、首輪解除
【装備】超弩級戦艦『死国』、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】
基本:生き残ることを最優先
0:新スターティングメンバーを選考する
1:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!
※核ミサイルは超弩級戦艦『死国』に改造されました。


【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康、首輪解除
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:ダース・ベイダ―たちを倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
3:トキ似の男を配下にしたぞ!
4:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
5:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
6:なんかいろいろ配下にしたぞ!


【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】健康、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
1;マーダーも滅ぼす
2:ラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする


【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX、首輪解除
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、最高級ハチミツ、その他不明
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために主催者たちを野球で潰す
1;ホームランを打つ


【川崎宗則@現実?】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
1:戦力を集める


【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:主催者たちに野球で挑んで勝つ!
0:矢部君の意志を継ぎ、殺し合いを打破する
1:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
2:イチロー選手を仲間に引き入れたい


【殿馬一人@ドカベンシリーズ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式、グランドピアノ@現実
【思考】基本:生き残る
1:イチローと合流したい


【デューク渡邊@新テニスの王子様】
【状態】健康、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、キャッチャー用具一式
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:お頭(平等院)たちについていく
1;デュークホームランを打つ

527野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:12:33 ID:jm2G8LRg0

【緑間真太郎@黒子のバスケ】
【状態】冷静、首輪解除
【装備】ハンマーブロスの無限ハンマー@マリオシリーズ
【道具】支給品一式、ホワイトボードとサインペン、ヴァンガードのデッキ
【思考】
0:赤司に勝つ
1:野球をするのだよ
2:今日のラッキーアイテムはヴァンガードのデッキなのだよ

【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、大山デカオ@ロックマンエグゼ、大山デカオ@ロックマンエグゼ2
    デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    大山デカオ@ロックマンエグゼ3(BLACK版)大山デカオ@ロックマンエグゼ5チームオブブルース、
    各種ナビカスタマイザーパーツ、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:主催者たちにネットバトルを挑んで勝つ!
0:パパがサイボーグになってて驚いたなぁ……
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む



【ロックマン@ロックマンエグゼ】
状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
0:僕に妹が出来たぞォ!
1:主催者たちがネットバトルを受けてくれるか、心配。
※PETの中にいます


【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、SPW財団以上の資金とか多数のレアチップ、シンクロチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
1:熱斗たちについてくる
2:主催者たちは倒す
3:上条(ジョジョ)か……一理ある
※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。


【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

528野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:18:18 ID:jm2G8LRg0
【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康、不幸、首輪解除してもらえた
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】エスパー伊東@現実、シンクロチップ、他人のデッキ(「ぬばたま」デッキ)
【思考】
基本:


                    いいぜ ヘ(^o^)ヘ
                            |∧
                            /
                主催者たちが
             何でも思い通りに
             出来るってなら
                 /
             (^o^)/
           /( )
          / / >


      (^o^) 三
      (\\ 三
      < \ 三
..\
(/o^)
( / まずは
/く そのふざけた
   幻想(ロワ)をぶち殺す




【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:上条に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
※PETの中にいます


【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労、全身にダメージ、首輪解除
【装備】PSP(デューオ入り)
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:シンクロチップを手に入れたし、デューオとクロスフュージョンする。


【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオを見守る
1:カオスロワでもそれは無理そう。
※PSPの中にいます


【櫂トシキ@カードファイト!! ヴァンガード】
【状態】ヴァンガ脳、首輪解除
【装備】自分のデッキ、やきそば
【道具】支給品一式
【思考】
1:強いファイターと戦う
2:上条達についていく


【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラ ミルキィホームズ】
【状態】謎ミルキィ、首輪解除
【装備】かまぼこ、自分のデッキ(「ロイヤルパラディン」デッキ)
【道具】支給品一式、テニスボール×∞
【思考】
1:櫂に着いて行く

529野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:18:39 ID:jm2G8LRg0

【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、自作爆弾
【思考】
基本:息子たちをサポートする。
1:主催者について調べる
2:できれば九州ロボを取り戻したい
※九州ロボの制作を提案した人物がいるようです
※カオスロワちゃんねるにより、危険人物扱いのレッテルを貼られました
※砲撃によりノートPCは全壊しました


【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明
【思考】
基本:主催共に一泡吹かせる
1:祐一郎達と行動する
2:雷電は確実に倒す


【野比のび太@ドラえもん】
【状態】健康、首輪解除、怒り、称号『クソレフト』
【装備】バスターガンダム@機動戦士ガンダムSEED、龍星座の紫龍@聖闘士星矢、
【道具】支給品一式、ボーリングの玉@現実、キン肉マンのコミックス全巻@現実
【思考】
基本:生き残る、できる限り祐一郎さんたちを手伝う
0:僕はクソレフトじゃないぞぉ! 
1:ドラえもん……
2:クロえもんってドラえもんにそっくりだな
※ミノフスキー粒子の影響で通信がしづらくなっています
※デュエルガンダムのパイロットが出来杉だと気づいてません
※バスターガンダムにはサテライトシステムが搭載されています。


【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割と健康、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:アドラー達と行動する。
※ディオを『吸血鬼ディオ』と思っていません。
※何か見ましたが、別に物語とは関係ありません。


【アドラー@エヌアイン完全世界】
【状態】それなりに健康、首輪解除
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界、四次元ポケット(中身入り)@ドラえもん
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダイアー達と行動する
0:俺は……アドラー……えもん


【翔鶴@艦これ】
【状態】損傷回復
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】
基本:提督(祐一郎)に従う
1:襲い掛かる者たちを殲滅する

530凶悪非童:2014/03/24(月) 20:12:54 ID:Gzz5jYCo0
キュゥべえと黒神めだかは玉子の死を悲しみながらも、三重県に移動していた。
そこで彼女達が出会った男は凶暴を絵に描いたような男、浅倉威だった。
浅倉は仮面ライダー王蛇に変身すると、ミカルゲという不思議な生物と共に突然攻撃を仕掛けてきた。

「よせ!私達が戦わねばならないのはこの殺し合いを仕組んだ者達だろう!」
「うるせぇな……城戸みてぇなことを言いやがる!」

めだかは懸命に説得を試みるも、王蛇は執拗に攻撃を仕掛けてくる。
その一撃一撃は油断すれば命を一瞬で刈り取りかねない物だった。

「”あくのはどう”だ!」
「おんみょ〜ん」

加えてミカルゲの攻撃もある。こちらにも注意を払わねばならない。
王蛇の天性の戦闘センスにより、彼はミカルゲを完全に使いこなしていた。
魔法少女の力を得ためだかであっても苦戦を強いられる相手。
それが仮面ライダー王蛇とミカルゲだった。

(何とか反撃しなければ…だが!!)

『アドベント』

王蛇がベルトから出したカードを杖に挿入すると、突如現れた毒蛇がめだかに向かってくる。
王蛇の契約モンスターのベノスネーカーだ。
こいつの出現によりめだかは更なる苦境へと立たされる事となった。




(う〜ん…これは逃げたほうがいいかな)

その戦闘のさなかキュゥべえは冷静に状況を見ていた。
状況は王蛇達が有利。
めだかは素養は高いものの、ためらいがあるのかその力を使いこなせていない。
そしてついに、キュゥべえの視線の先でめだかがミカルゲの攻撃を喰らってしまう。
何とか立ち上がり戦闘を続けるも、ダメージの為明らかに動きが鈍くなっている。
ここらが切り時だろうか?
めだかの力は惜しいが、女性参加者は彼女だけではない。

(…どうしようかな)

531凶悪非童:2014/03/24(月) 20:24:15 ID:Gzz5jYCo0
【二日目・1時50分/日本・三重県】

【黒神めだか@めだかボックス】
【状態】ダメージ(中)
【装備】箱庭学園の制服(めだか仕様)、ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ無し)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを叩き潰す!!
1:浅倉とミカルゲに対処
2:善吉……

【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
【状態】健康
【装備】王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎、モンスターボール×5
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI
1:めだかをSATSUGAI
2:クラウザーさんが死んでイライラする

【ミカルゲ@ポケットモンスター】
【状態】健康、浅倉にボールごと拾われた
【装備】かなめいし@ポケットモンスター
【道具】支給品一式
【思考】
基本:おんみょ〜ん
1:とりあえず浅倉の指示通りめだかを攻撃
2:ヤバい奴に拾われたっぽい

※ミカルゲは「あくのはどう」が使えます



【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、他の個体が全滅
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:女性参加者全員を魔法少女にする。
1:黒神めだかを見捨てて逃げる?それとも…
2:必ず鹿目まどかとも契約してみせる。
3:母星と連絡出来るまでは生き残る。

532残念だったな、桜トリックだよ:2014/03/26(水) 16:05:03 ID:XBohXUlg0

高山春香と園田優。
彼女たちは早々に合流し、カオスロワで誰にも真似できないことをしようとしていた。
そして、二日目の夜が過ぎた辺り、ヨハネ・クラウザーI世と名乗るおっさんとものすっごくガタイのいいDMC狂信者に襲われた。

たまたま近くにあった特設リングで戦った。
試合時間も一時間近くは経過していた。そしてそろそろそれも終わりに近づいていた。

「優ちゃん!」
「春香!」

春香はヨハネ・クラウザーI世をキン肉バスターの体制に持ち込んだ。
それと同時にものすっごくガタイのいいDMC狂信者をキン肉ドライバーの体制に持ち込んだ。


「「マッスル・ドッキング〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」」


あーっとキン肉バスターとキン肉ドライバーの夢のドッキングだ――――っ!!
その威力は単体で掛けるキン肉バスターとキン肉ドライバーの二倍……いや、十倍!!

「ま、まさか!!」
「キン肉バスターとキン肉ドライバーのドッキングなんて……」
「こんなことが……!!」
「ただの女子高校生たちが物理的に可能なのか」
「これが桜trickだ……! 彼女たちの場合……威力はマッスル・ブラザーズ、ザ・マシンガンズ以上だ」
「「「「何という冷静で的確な解説なんだ!」」」」

それを見ていた超人血盟軍のみなさんは冷静に筆頭であるアタル兄さんを讃えると共に。
その技を掛けた女子高生二人をさらに強くするために、もっと鍛えることを固く決心した。

【二日目・1時/神奈川県・特設リング】
【高山春香@桜trick】
【状態】ダメージ(大)
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:優ちゃんとイチャイチャする
1:なんだろうこの人たち……?

【園田優@桜trick】
【状態】ダメージ(大)
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:春香と一緒
1:なんだろうこの人たち……?

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:二人を鍛える

【ブロッケンJr.@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】ドクロの徽章
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー
【装備】ロングホーン
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】誰かの腕×6本
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える
2;ところでこの腕は誰の何だ?

【ザ・ニンジャ@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】忍者着
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【北原元気@デトロイト・メタル・シティ 死亡確認】
【ものすっごくガタイのいいDMC狂信者 死亡確認】
死因:マッスル・ドッキング

533大魔神軍始動のお知らせ:2014/04/08(火) 19:30:55 ID:WwXHjnJY0
数時間後、マー君(田中将大)と佐々木様たちが必死に選手集めをした結果、とうとう8人目と9人目が揃ったのだった!


チームの紅一点となりえるパワプロ球界からやってきたオテンバ女性選手、橘みずき!
スパロボにおける参戦枠に新たな可能性を開拓したロボット選手、マグナムエース!


(って、また投手だーーーーーッ!? orz)
「これで9人揃ったな! チームとして試合ができるぞ」
「やりましたね佐々木様!」
「いや、本当にいいんですかこれで!?」

結局ピッチャーしか集まらなかったことにショックを受けるマー君だったが、佐々木様とパシリ(斎藤)は特に意に介さず、むしろ野球ができるとご満悦な様子であった。
まあ、何はともあれ彼らはこの激戦区の東京で、無事に選手を集めることができたのである。


9人揃ったところで佐々木様はポジション決めを始め出した。

「それじゃあ全員よく聞け、オレ様が監督兼ピッチャーをやろう、異論はないな?」

だが、その言葉にマー君とパシリの斎藤以外が難色を示した。

「あん?(怒)」
「おいおい、冗談だろ?」
「なんだオレ様が監督をやることがそんなに不服か?」
「違ぇよ! なんでアンタがピッチャーなんだよ!」
「なんだと! 大魔神と言われた俺以外投手を務められるわけないだろ!?」
「「「「「「はあッ!?」」」」」」

今まで佐々木様に協力的な姿勢だった選手たちが一斉に反抗的な態度を示しだした。

「まてまて、イナズマや超遅球を投げられるおれのほうがピッチャーに向いているハズだ!」
「俺はロボットだ、人間と違って故障は修理すれば直る上に、44のような人間には投げられない球も投げられるぞ」
「いいや、キレのあるジャイロボールを投げられる俺のほうが適任だね! だいたいおまえを修理する時間が勿体無い」
「目にゴミが入る奴は黙りなさいよ! 変化球なら私の右に出るやつはいないわ」
「それなら俺のムービングファストボールでも似たようなことができるぞ!」
「おまえはバントをやってろ、俺は相手の選手を呪い殺せるぞ」
「ふざけるな! 監督はまだしも投手はこのオレ様以外にありえない!」
「いいや、投手にふさわしいのは「おれだ!」「俺しかいない」「俺さ!」「私しか考えられない!」「俺に決まっている!」「俺だけだ!」

――ギャーギャーギャーギャー


「あわわわわ、これはまずいことになったぞ……」


ピッチャーのポジションを巡って乱闘寸前になりつつあるチームにマー君は頭を抱えだす。
皆が皆、野球をやりたいのと同時に本来のポジションであり誇りであるピッチャーをやりたくてチームに入ったのだ。
そして、そんな連中ばかりが集まった結果、ピッチャーのポジション一つで喧嘩に発展してしまった。
誰も頑なにピッチャーのポジションを譲ろうとしないため、チームの輪に大きな亀裂が入りだしている。
このまま放置するとせっかく集めた野球チームは本格的に始動する前に解散、危険な殺し合いの中から再び選手の集めなおしに戻る。

(このままじゃ危ないぞ、どうすれば……)

マー君自身も目の前のポジション争いには入ってないものの本心ではピッチャーをやりたいと思っている。
他の選手の気持ちも十分にわかるのだ。
だが、それ以上になんとしても野球をやりたいところである。
投手ばかりとはいえ面子も豪華ではあるし、彼らと同じチームで戦える機会も滅多にないだろう。
チームを解散させるには勿体無いと考えたマー君はここで行動に出ることにした。

「皆さん! 争いはやめてください!」
「どうする田中、パシリ以外ピッチャーを譲る気はないようだし、俺は譲りたくないぞ!」
「そうですね、ですからコレで決めましょう」

マー君が取り出したのは9本のくじが入った筒であった。

534大魔神軍始動のお知らせ:2014/04/08(火) 19:33:44 ID:WwXHjnJY0

「おいまさか、そのくじ引きで決めろというのか?」
「何言ってんだコラ! 運任せのくじ引きのどこが公平だ!」
「付き合ってられん」

マー君の提案に誰もがブーイングを出したが、彼は続けて言った。

「落ち着いて僕の話を聞いてください。
これで決めるのは誰がこのチームで誰がピッチャーをやるかじゃなくて、一イニングごとにピッチャーを交代する順番です!」
「つまり?」
「野球の試合は基本的に9回まで、僕らは9人、くじで順番を決めてしまえば全員が一回ごとにピッチャーをできるので公平になります」

ちなみに9回も投手を交代させるのは本来の野球の試合では前代未聞だが、『カオスロワ式』野球なら何の問題もない。

「そんなことしなくても実力勝負で一番上手い奴が投手をやればいい話じゃないか?」
「佐々木様、それだとピッチャーになれなかった人は不満に思うだろうし、そうなるとチームワークにヒビが入ります。
それにせっかく集まったピッチャーばかりのチームの強みも殺してしまうと思います」
「このチームの強み?」
「一口にピッチャーと言っても得意分野が違います。
佐々木様は200キロの球速を簡単に出せる強肩、不知火さんはイナズマやハエが止まる魔球を出せるし、直線ならジャイロボールの茂野さんがモノを言う、パワーなら全身機械のマグナムエース、同じ変化球の使い手でも『打たせない』沢村君と『打たせて捕る』橘さんじゃタイプが違う、あとは……クワタさんの呪い攻撃も捨てがたいですね」
(あれ? ぼくは?)

一人だけ説明をハブられたパシリの斎藤の視線を他所に、マー君は熱く語る。

「こんな個性に溢れた面子が一堂に会したのに、その中から1人だけに投手を任せるのは他の8人の個性や戦術を使わないのは宝の持ち腐れじゃないですか。
全員の力を結集させればイチローさん以上にどんな球でも投げられるチームになると思うんです。
ピッチャーがコロコロ変われば相手チームのバッターを振り回すことだってできる!
優勝したいのならチームの特色を生かさない手はないでしょう!」
「なるほど、一理あるな。
できればオレ様が全試合通して投手で活躍したかったが、おまえの提案も面白そうだ。
いいだろう、おまえの提案に乗ってやろう」

佐々木様や他の選手たちも納得したようだ。
マー君は自分の提案を受け入れられ、選手間の諍いを沈め、何より自分も投手として活躍できる機会が生まれたことにホッと胸をなで下ろした。
こうしてこのピッチャーオールスターチームは、試合前にくじでピッチャーをやる順番を決めることでまとまったのである。

「いよいよもってチーム『大魔神軍』の始動だな!」
「佐々木様の異名から取っただけに強そうな名前ですね!」
(大がついている分、大正義巨人軍と被っているのは黙っておこう……)

チーム名は佐々木様によって大魔神軍と付けられた。
パシリが称賛し、マー君以下の選手もよっぽど変なチーム名でない限り突っかかる必要は無いと見て異議を唱える者はいなかった。
チーム名より大事なのは野球の試合ができること、この事実のみである。

「さてと、チームが出来上がったことだし、さっそく試合と行くぞ!」
「え? 佐々木様、どこと戦うんですか?」

マー君の質問に佐々木様が笑顔で答える。

「決まってんだろ、初戦の相手はイチローチームだ」
「いきなり強豪のイチローさんたちと戦うんですか!?」
「当たり前だ。 このチームは今、誰ひとり怪我も疲労もないベストコンディションだぞ。
最良の状態で最強の敵にぶち当たればこれ以上なく楽しい試合ができる」
「それもそうですけど、イチローチームはウルトラマンに乗って既に他県に移動してるハズ、近くには聖帝軍やドラゴンズっていうチームもいますけど、そのチームとは戦わないんですか?」
「ふんッ、そいつらの事は俺様もついさっき知ったが、オシリスのホニャララとかいうトカゲと額に小豆くっつけたヘタレ臭いサンダーだかシャウザーだかの画像を見たが……あれは野球を舐めてるとしか思えない顔立ちだった。
きっと俺たちのように選手として気高いプライドや碌な目的も持ち合わせずに野球チームを作ったに違いない、おまえはそんな奴らと肩慣らし程度でも戦いたいか?」
「う〜ん、僕もあの2チームとはイマイチ良い感情を持っていないのは佐々木様と同意見です……」
「だろ? ドラゴンズと聖帝軍は後回しだ。 そいつらといずれ戦うにしろ消化試合のノリでいい、みんなもそうだろ?」

535大魔神軍始動のお知らせ:2014/04/08(火) 19:34:59 ID:WwXHjnJY0

佐々木様以外の大魔神軍の面子全員が静かに頷いた。
聖帝軍もドラゴンズもスペック的な意味では弱くないのだが、モテたいとか比較的安全に日本を支配しようなど芯にある下心を大魔神軍は見抜いていた。
大魔神軍にとって野球自体が崇高な目的であるのに対し、野望の手段程度にしか野球を考えていない下賎な連中とは本気を出して戦う気になれないのだ。

「拳王軍ならイチローチーム並に楽しめそうだが、流石に東京と四国じゃ距離が離れすぎているし、こいつらとの試合はイチローチームの後になりそうだな。
……となると現状で大魔神軍の対戦チームに相応しいのはイチローチームのみとなるわけだ。
それに……メインディッシュは冷める前に喰いたい、最高の相手は手の届く内に戦いたい、おまえもそうだろ?」
「それは、もちろんです!」

マー君は今までの佐々木様の発言の中でも最も強く同意した。
イチローチームは諸事情で他県へと移動したが今のうちならそう遠くはない隣県にいるはずだ。
今から追えば対戦もできるまたとない好機である。
逆に見逃せば二度と対戦できなくなる恐れがある。
何より野球がしたい欲求を満たすにはドラゴンズや聖帝軍では不足と見て、手の中の疼きを満たすのは先の対戦で大正義巨人軍を下したイチローチームしかないとマー君は思えたからだ。
そんなマー君の様子を見て佐々木様は青筋混じりに大声でチームに伝える。

「よし、決まりだな。 対戦相手はイチローチームに決定だ! 気張っていくぞ!!」
「「「「「「「「オオーーーーッ!!」」」」」」」」

号令に全員が腕を振り上げる。
もうすぐ試合ができるということによって士気は皆十二分だ。
そこへパシリが佐々木様へ告げた。

「佐々木様、カオスロワちゃんねるでイチローチームの居場所を特定できました」
「でかしたぞタカシ!
さっそくバスを出してイチローたちのいるところまで俺たちを乗せていけ!
ここに来て万が一、交通事故やマーダーに襲われてチーム全員ズガンとか下らないことやらかしたら承知しねぇぞ!」
「はい、もちろんです」

斎藤が支給品のホイポイカプセルでバスを出し、斎藤を運転手に他の選手たちが乗車していく。
そして大魔神軍は東京を出発した。
バスの中でマー君はグローブを握り締めて考える。

(イチローさん、待っててください。
大災害でアメリカが無くなってメジャーリーグでの対戦はできなくなったけど、その変わりにこのカオスロワで正々堂々勝負しましょう。
若手投手の力、見せてあげます!)

大魔神軍を載せたバスは東京とイチローたちがいる他県との県境に入った。
時刻は三時半を過ぎているのでイチローチームとの対戦は最低でも次の放送後だろうが、その頃にはイチローの疲労もあらかた取れていると思われる。
すなわち、両チームが試合をできれば、お互いに全力でぶつかりあえるだろう。



【二日目・3時30分/東京の県境】

【大魔神軍】
※試合を申し込むためにイチローチームを追っています。
※一試合前にくじをすることでピッチャーをやる順番を決めることになりました。


【田中将大@プロ野球】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
0:イチローさんに勝つぞ!
1:野球がしたい
2:このチームで大丈夫かな……


【佐々木主浩様@ササキ様に願いを】
【状態】健康、監督兼選手
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:手始めにイチローチームから倒す
2:後に関西方面へ向かった拳王軍も倒す
3:野球を舐めてそうなドラゴンズと聖帝軍は後回し


【斎藤隆@ササキ様に願いを】
【状態】健康
【装備】バス@現実
【道具】支給品一式
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に従う

536大魔神軍始動のお知らせ:2014/04/08(火) 19:35:48 ID:WwXHjnJY0


【不知火守@ドカベンドリームトーナメント編】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力する


【茂野吾郎@MAJOR】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力する


【クワタ@かっとばせ!キヨハラくん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力する


【沢村栄純@ダイヤのA】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力する
2:アニメも見てくれると嬉しい


【橘みずき@パワプロシリーズ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力する


【マグナムエース@疾風!アイアンリーガー】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力して活躍しもう一度スパロボ参戦する

537生き残くためにも…!:2014/04/09(水) 00:21:55 ID:rOPOida.0

「こ、ここが横浜スタジアムか……」

 危険地帯・東京都を抜け出し、ベジータがやってきたのは横浜DeNAベイスターズの本拠地横浜スタジアム。
 ここならば、野球道具は揃うと信じてここにやってきたのだ。(明治神宮野球場は都庁が近いからスルーした)
 とりあえず、スタジアム内に踏み込むベジータ。

「桜色パワープラス!」
「桜色パワーマイナス!」
「「桜色クロス・ボンバー!!」」
「なっ!?」

 と、同時に前と後ろから同時に桃色に光る腕のラリアットを食らった。
 それは女子高校生の力とはとても思えないほどの威力だった。
 それを食らったベジータは顔面が外れそうになったが、寸での所で耐えた。
 だが、ベジータの身体は凄まじいまでの大ダメージを受けて、ボロボロだ。

「ねぇこの人誰? アシュラマンさんでもソルジャー隊長でもないよ!?」
「優ちゃんの知りあい?」
「違うよー」
「カーッカッカッカ! 甘いぞ二人とも!」
「むっ、この男は……」
「ゲエェ〜〜ッ! クロス・ボンバーを誤爆しちゃった!」

 ここでようやく本来の特訓(スパーリング)相手であったアタル兄さんとアシュラマンが出てきた。
 というわけで、超人血盟軍と女子高校生二人も横浜スタジアムに来ていた。
 もちろん、身体を鍛えるためである(彼らはプロの野球場ならトレーニング機材は沢山あると踏んだのである)
 
「皆少し、放れててくれないか?」
「?」

 アタル兄さんは仲間たちから少し距離をおく。
 そして、ベジータを抱きかかえ、徐に自身のマスクを捲りあげた。

「フェイス・フラッシュ!」

 アタル兄さんのマスクの下から眩い光が放たれた。
 すると、その光を浴びたベジータの傷が徐々に治っていった。
 
「貴様ら! 今一体何をしたッ!」

 全快したベジータは再び立ち上がったのであった。
 そして、ベジータはアタル兄さんにすぐに飛びかかろうとした。 

「「ごめんなさい!!」」

 だが、その寸前だった。
 先程、クロス・ボンバーを誤爆した女子高校生二人が頭を下げた。
 誤解を解くのは謝罪が一番。
 
「……ふん、まあいいだろう」

 昔のベジータなら、すぐに殺していただろう。
 だが、今のベジータは違う。
 少なくとも、地球暮らしが長くなり、カオスロワ補正もあり、性格が丸くなったんだろう。

 そして、彼らは情報交換を始めた。

「ツイッターの情報によると九州ロボのコクピットは福岡ドーム……つまり、ここと同じ野球場らしい(ソースはガチのツイッター)」
「そうか!」
「どうした、ソルジャー!」
「つまり、野球の決戦はこの福岡ドームでするということだ!」
「だが、ソルジャー……福岡ドームは恐らく最も厳重な警備なはずだ! なんて言ったって九州ロボなんだぞ!」
「…………私にいい考えがある!」

 アタル兄さんは自分の上着を破き、近くにあった白いペンキの缶に突っ込んだ。
 そして、そのペンキが塗り立ての上着を羽織った。
 すると、どうであろうか!

「な、なんだ。あれはホークスのユニフォームじゃないか!!」
「ソルジャー隊長、そんな格好してどうしようっていうんだ!?」
「そうか!!」

 ブロッケンJr.はあることに気づいた。

「他の者なら福岡ドームの警備員を刺激するかもしれんが、ホームチームであるホークスの選手なら警備員も気を許してしまう!!」
「「「「「「「なんという冷静で的確な判断力なんだ!!(AA略)」」」」」」」

 とりあえず、みんなで上着を脱いでペンキを塗り、ユニフォームを作った。
 ペンキを塗っただけなのに何故ユニフォームに出来たのか春香と優は疑問に思ったが、気にしないことにした。
 だが、ほぼ半裸のバッファローマンとアシュラマンと自身の忍者着に誇りを持つニンジャはやらなかった。
 こうして、また新たなる野球チームが結成した。
 
「でも、八人しかいないよ、野球って九人でやるんじゃないの?」
「なぁに、七人の悪魔超人も『八人いたり』、『次の話でメンバーが入れ替わってたり』したから大丈夫だ、きっと」
「それなら問題ない……のかな?」

 が、人数が足りなかった。
 でも、アタル兄さんの『冷静で的確な判断力』と彼らの『ゆで理論』があればきっと大丈夫でしょう。
 
 そして、彼らは一先ず野球の練習を始めたのであった。

538生き抜くためにも…!:2014/04/09(水) 00:22:41 ID:rOPOida.0
【二日目・2時00分/神奈川県・横浜スタジアム】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、へたれ、金髪恐怖症
【装備】野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
0:まずは野球を覚える
1:ナッパとイチローを探して保護してもらう
2:絶対に都庁には近寄りたくない
3:多分ピッチャー向きだと思う
4:移動しつつツイッターはやる
※瀕死状態から回復したので少し戦闘力が上がったかもしれません。

【高山春香@桜Trick】
【状態】健康
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:優ちゃんとイチャイチャする
1:超人血盟軍についていく
2:野球……?

【園田優@桜Trick】
【状態】健康
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:春香と一緒
1:超人血盟軍についていく
2:野球よりもバレーボールがしたい

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:野球チーム(超人血盟軍)を率いる。
1:二人を鍛える
2:ついでにベジータも鍛える

【ブロッケンJr.@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】ドクロの徽章、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー
【装備】ロングホーンで出来たバット
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】誰かの腕×6本にミットが5つ
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える
2;ところでこの腕は誰の何だ?

【ザ・ニンジャ@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】忍者着
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

539傲慢なる偽神、動く:2014/04/20(日) 23:50:01 ID:zIxsRzYc0
 魔物。
 一口にそう言っても、実際のところは非常に種類が多い。
 それぞれの種が、多種多様な生活をしている。
 外見や性格だって、みんながみんな違っている。
 このカオスロワの会場を見わたせば、それが理解できるであろう。

 たとえば、グンマー・都庁の軍勢の魔物。
 彼らは自然と共に生活することを好み、外見は一般的な動物が進化、巨大化したような者が多い。
 自然を壊す人間は憎むが、逆に自然を大切にする人間とは友好関係を築いている。

 たとえば、DMC狂信者の魔物。
 彼らは少々頭がよろしくないというか、残念と言うか、もう狂っている。
 しかしながら、一人のメタルモンスターが生み出す歌で繋がれた縁は、種族の枠を超えて非常に強大だ。

 たとえば、チーム・ドラゴンズの魔物。
 彼らは非常に社交的な性格であり、人間の文化もどんどん取り入れて独自のコミュニティを形成している。
 その影響か完璧に人語を操り、下手な人間よりも人間らしい。そして人間と同じように欲望に忠実だ。

 たとえば、今は亡き不思議のダンジョンの魔物。
 彼らは何故かいつもダンジョンをぐるぐると回り続ける。何者かに操られたように。
 だが一歩一歩がダンジョニストとの駆け引きであるスリリングな生活を彼らは気に入り、挑戦者を待ち受ける。

 たとえば、ポケモンやスライム。
 彼らはボールや馬車に入り、主人と定めた人間の命令に従い行動する。
 中には勝手に行動したり、反逆するものもいるが、基本的には人間と良好な関係といえるだろう。

 他にもまだまだ色々な魔物が存在するが、これらの例を見て何か気づかないだろうか?
 そう、どの魔物も程度に差はあるが人間と関係があるのだ。
 ある時は友、ある時は崇拝する存在、ある時は性欲の対象、ある時は好敵手、ある時は仕えるべき存在。
 人間を殺してきた魔物も数多く存在するが、彼らは決して、人間という種族そのものをこの世から消そうとまでは考えていない。

 だがほとんどの人間は、そんな魔物達の違いが理解できない。
 自分達と違う姿、大抵の場合は巨大であったり爪や牙が鋭いというだけで、魔物だと認識し、逃げ惑う。
 武器を持っていれば、自分の身を守るために斬ったり撃ったりするのだろう。
 その魔物は、本当に危険な存在だったのか。敵意はあったのか。
 そんなものは知ったことではない。魔物は悪であり、倒すべき存在。
 それがこの世界の人間の大多数が抱く感情である。
 力なきモブは魔物に怯え、力ある名有りは魔物や危険人物を倒そうと奮闘する。

 さて、長々と魔物について語ってきたが、ここで一つ思い出してもらいたい。
 
 からくりドームの死闘を生き延びたイチローチームは、空から東京都の惨状を目の当たりにした。
 今期のカオスロワちゃんねるは利用者が多く、参加者の情報収集や誤解に一役買っており、東京都の惨状もリアルタイム更新だ。
 東京都はかつてないほど濃密混沌空間であり、放送で名前を呼ばれない名無しの死体はいくつあるだろう。
 一度戦闘が起きれば、東京都の建築物は大抵被害に遭い、倒壊し、地獄絵図に拍車をかける。
 それらの原因は『マーダー』と『狂信者』と『魔物』とされているが……
 
 違和感に気がつかないだろうか?

 都庁の軍勢は専守防衛の戦略を基本とし、樹木が拡がった都庁周辺のみを行動範囲としている。
 新たな指導者である魔王の言葉を受け、魔物達は統率もとれている。単独行動する者はまずいないだろう。
 DMCの魔物は、そもそも人間と比べた場合はやはり人数が少ない。そしてその魔物は現在、都庁に潜伏中である。
 圧倒的な力と残虐性を持つ冥竜は負傷により未だ東京都へは辿りつけていないため、東京都での虐殺は不可能。
 チーム・ドラゴンズ。彼らは野球による世界救済とそれにより手に入る名声などを目的としている。
 東京都の一般参加者を根こそぎ焼き払うだけの力を持ってはいるが、それを実行するメリットはどこにもない。
 不思議のダンジョンは崩落済み、ポケモンはそれなりの数が死亡して数が減っている、スライムは対主催思考。
 そう……東京都を闊歩し、参加者を殺しまわれる魔物は、彼らの中にはいないのである。

540傲慢なる偽神、動く:2014/04/20(日) 23:50:37 ID:zIxsRzYc0
 だが、魔物が東京都の地獄絵図に一役買っているのは紛れもない事実。
 その理由は――これまで挙げた魔物達とはまた違う、別の軍勢が存在していたためである。
 カオスロワちゃんねるの情報網を欺き、目立つことなく参加者を殺していた凶悪な魔物の軍勢が。


「……」

 それに貢献していたのはこのサングラスをかけた男――平山幸雄である。
 彼は天魔王オルゴ・デミーラに拾われ一命を取り留めた後、生き延びるために天魔王へと忠誠を誓っていた。
 とはいえ、文字通り魔物が犇きあうカオスロワにおいて平山の戦闘能力など塵芥に等しい。
 そこで天魔王が彼に命じたのは、情報の収集及び操作であった。
 
 ヘルクラウダーを始めすぐにかつての配下達と合流していた天魔王は、すぐさま参加者狩りを命じていた。
 価値のない人間を排除し支給品を奪い、価値のある参加者や魔物をこちら側に引き入れるためである。
 勿論、凶悪な魔物がそんな真似をしていれば、いつかは正義感の強い参加者……特に警察組辺りに目をつけられた筈だ。
 しかしそんなことはなく、今の今までほとんどの参加者に気づかれることもなく目的は遂行されていた。
 その理由が、平山が行った情報操作である。
 この度のカオスロワにおいて、非常に重要な情報共有掲示板であるカオスロワちゃんねる。
 彼は手始めにそこに、こう書いたのだ。
「都庁の魔物が各地で暴れて参加者が次々に犠牲になっている」と。
 都庁の魔物と天魔王の配下の魔物――魔族――はかなりタイプが違うため、すぐに嘘であるとばれそうだが……
 先に言った通り、普通の参加者に魔物と魔族の区別などつくわけがない。
 元々都庁を乗っ取り世界樹へと変貌させ目立っていた都庁軍勢はこの書き込みにより、完全に凶悪な集団と認識された。
 あとは簡単である。平山の嘘の情報を信じ、魔物討伐に参加者が都庁に向かえば……世界樹防衛を基本とする彼らは必ず迎撃する。
 その光景を別の参加者が目撃すれば、嘘の情報すら本当のものになる。
 その後もどれだけ天魔王軍勢が暴れようとも、既に巨悪と認識された都庁軍勢の仕業ということにしてしまえる。
 自分達が狙われることはなく、同時に敵対勢力である都庁軍勢を包囲させてその戦力をじりじりと減らせられる……一石二鳥の作戦だ。

 麻雀牌の位置を瞬時に全て覚える、いわゆる瞬間記憶能力に優れた平山はずっと国会議事堂のパソコンの前に座っていた。
 複数のウインドウを開き、同時に複数の掲示板を確認、情報収集と操作をまとめてこなしてみせた彼の功績は大きいだろう。

「だが……そろそろ限界……ッ!」

 だが彼の言う通り、情報収集はともかく操作の方は限界であった。
 誤算は、都庁の魔物に味方する金髪の人間と、それに恐怖したと思われる者の執拗な書き込みである。
 金髪の人間の戦闘能力は都庁を統べていた魔物すら軽く凌駕し、参加者の誰もが都庁に近寄ることを止めてしまったのだ。
 定期的に「勝てるわけがない……」「みんな殺される……」という書き込みがあり、それがまた拍車をかけた。
 さらにそれだけ強い番人も、都庁の入り口付近から自ら動くことはないため、むしろ都庁は近寄らなければ安全と言う認識まで広まった。
 いくら平山が情報操作を行えども、それよりも遥かに多い人数が実際に都庁の現状を見ているのだ。
 そこから、都庁の魔物が実際には防衛が基本思考であると気づかれるのも最早時間の問題だ。

 これ以上、都庁の魔物の名を語り暴れまわることも、都庁軍勢に参加者をぶつけて戦力を削ぐことも難しい。
 どうやら現在の都庁のトップも魔王であるというし、都庁軍勢との戦いはおそらく双方、魔王の軍勢同士の真っ向勝負になるだろう。
 オカマ口調であり、やたら胸をはだけて香水と口紅を愛用する天魔王だが、その強さは折り紙つきである。
 元々その時に備えて、参加者から支給品を奪い戦力を確保しているのだから、負ける気はしない。

「……落ち着け、都庁は勝てる相手だ。あのドラゴンだって、デミーラ様にかかれば一捻りに違いない。これ以上、無理に操作して怪しまれるのは愚策。
 こっちは情報の収集だけに集中して……本当に問題なのは……こいつら……ッ!」

 頭を抱えながら、平山は別の掲示板……DMC狂信者達が主に使用している掲示板を確認する。
 基本はカオスロワちゃんねると同じだが、書き込まれる内容は全く異なる。
 誰を生贄に捧げられたか、レイ○できたか……敬愛するクラウザーさん復活のためのSATUGAI報告板状態なのだ。

541傲慢なる偽神、動く:2014/04/20(日) 23:51:11 ID:zIxsRzYc0
〜〜その頃・東京都某所〜〜

「SATUGAI、SATUGAI、またSATUGAIデス!」
「オラオラ、お前の首も捻り切ったろうか!」
「いけませんねえ……こんなに生贄が湧き出てくると、蜂の巣にせずにはいられませんよ!」
「これが俺のドリブル技、ゴー・トゥ・ヘルだあああああぁぁぁぁぁぁ!」
「クラウザーさんへの生贄のくせに生き延びやがってよぉぉぉ! 何がク○ニだよレ○プすんぞオラァァァ!」

【バリクナジャ@DS版DQ7】【グラコス@DS版DQ7】【ボトク@DS版DQ7】【セト@DS版DQ7】全員クラウザーさんへの生贄としてSATUGAIされて死亡

「いやー助かったデスよ右京さん達。こっちの兵隊は全員殺られるし、流石に都庁の魔物は強敵が多いみたいデスね……」
「そのようですねぇ。しかしここで貴女と合流できたのは幸いでした。これでさらにSATSUGAIしやすくなるというもの。
 嫌らしい僕の上司に非情なるギターをぶちかまし、クラシック以上に素晴らしいメタルの世界を教えてくれたクラウザーさんのためにも……」
「もっともっとみんなでSATSUGAI、しようぜ! 待っててくれよ、クラウザーさん!」
「どいつもこいつもクラウザーさんのために○イプされろよオラアアァァァ! そして私は蘇ったクラウザーさんにレイ○されるんだヨッシャァァァァ!」
(……やっぱこいつら、狂っとるな)

【DMC狂信者】
【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】小ダメージ、小疲労、変身中
【装備】シンフォギア「イガリマ」
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
1:東京中を練り歩いて生贄を見つけ次第SATSUGAIしまくるデス
2:他の信者とも合流しておく
3:調やマリアに会えたら説得してこちら側に引き込む

【松本人志@現実】
【状態】小ダメージ、小疲労、DCS状態
【装備】浜田雅功人形
【道具】支給品一式、メトロン星人人形
【思考】基本:浜田の蘇生
1:DMC狂信者に手を貸し、隙あらばクラウザーの蘇生手段を奪って浜田を生き返らせる
2:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る

【杉下右京@相棒】
【状態】健康
【装備】ガトリングガン、ショットガン、スマホ
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
1:切歌と共に行動し、参加者をSATSUGAIしていく

【円堂守@イナズマイレブン】
【状態】健康、ゴー・トゥ・ヘル習得
【装備】イナイレ仕様サッカーボール
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、しようぜ!
1:切歌と共に行動し、参加者をSATSUGAIしていく

【河名コトミ@エデンの檻】
【状態】全裸
【装備】グラコスの槍
【道具】支給品一式
【思考】基本:参加者をレイ○したうえでSATSUGAIする
1:切歌と共に行動し、参加者をSATSUGAIしていく

〜〜〜〜

542傲慢なる偽神、動く:2014/04/20(日) 23:52:09 ID:zIxsRzYc0
「また殺害報告が……くそっ、やはりあっちの魔物部隊も殺されたか……っ!」

 更新された掲示板を見るやいなや、平山は思わず机を叩いた。
 書き込まれた参加者の特徴はどう見ても天魔王が送り出した配下の者達であり、しかも名有りの上級魔族である。
 これはかなり手痛い損失と言えた。都庁やDMC、そして主催者を殺すための貴重な戦力だったのだが……

「どうやら、旗色が悪いようねぇ……」
「デ、デミーラ様!?」

 そんな時、平山に背後から声がかけられる。
 それこそ天魔王オルゴ・デミーラその人であった。
 彼は大量の部下を失い続けているというのに、余裕の表情を崩さない。

「でも別に問題はないわ。あのコ達は既に十分な数の参加者を殺し、道具を集めてくれたのだから」
「し、しかし現状、壊滅的な損害……っ! 作戦の続行も厳しいものと思われますが……」
「オーホッホッホッ! 人間なぞ、一部を除けば神が創りし無能なデク人形なのよぉ?
 この天地を統べる私の敵じゃないわ。こうして、我が手に闇のルビーも戻ってきたことだしねぇ……」

 そう言う天魔王の手には、暗い色をしたルビーが二つ握られていた。
 強力な闇の力を宿した、天魔王の力をさらに引き上げる宝珠だが、これも配下達が参加者から奪ったものである。

「それにそろそろここに潜んで暗躍するのも限界のようよ?
 どうやったのかはわからないけどDMC信者の上層部には、ヘルクラウダーだけじゃなくて私の存在もばれているみたいだから。
 あともう少ししたらミケが例のものを完成させて持ち帰ってくるだろうから、そうしたら……」

「……ただいま、戻りました」

「あらぁ、本当にいいタイミングね。やっぱり美しい男達は仕事も美しいわぁ!」

 床に膝をつき、平山とは別の人間が天魔王に頭を下げる。
 かつては人類の尊厳のために戦っていた戦士であるミケも、この死臭溢れる世界では生に縋らずにはいられなかったのである。
 彼の手には、奇妙な石版が二枚あった。

「さきほどすれ違った参加者で、おそらくこの2枚の石版の価値は最大になったものかと……。
 それと、配下のデスマシーンと思われる参加者も発見したのですが……」
「ああ、マシンマスターが作った殺戮マシンね。でも正直、今頃デスマシーンじゃ……あら?」

「ウイーン、ウイーン……」

「……それデスマシーンはデスマシーンでも別のデスマシーンじゃない!? でもむしろ褒めてあげるわ! そっちの方が強いもの!」
「ありがとうございます!」
「折角だから緑のペンキで後で塗装しておいて。そしてこの二枚の石版から……出てきなさい、私の最強の部下達よ!」

 二枚の石版が天魔王に手渡され、それに魔力が込められた瞬間。

「グゴゴゴゴゴ……!」
「ピピッ、アルジ、オルゴ・デミーラヲニンシキ。ゴメイレイヲ」

 巨大な怪物兵器、エビルエスタークとキラーマジンガが姿を現した。
 これで連れて来れれたデスマシーンとあわせて、三体もの極悪なマシンモンスターが揃ったことになる。

「醜いDMC信者に都庁の魔王よ、知りなさい? 真に美しい者は大軍を連れることはしない。少数精鋭こそが、美なのよ!
 さあ、あなた達も準備なさい? もう遊びの時間はおしまい……都庁もDMCも、そして主催者のダースベイダー達も……
 全員骸にして、私の名前を刻みこんであげるわぁ! オーホッホッホッホッ!」

 深夜の国会議事堂に、魔王の笑い声はしばらく響き続ける。
 それは、東京都がさらなる混沌とした地獄と化する合図でもあった。

543傲慢なる偽神、動く:2014/04/20(日) 23:52:39 ID:zIxsRzYc0
【二日目・2時45分/東京都・国会議事堂】
【天魔王軍】※議事堂外の配下の生存率は不明
【オルゴ・デミーラ@ドラクエ7】
【状態】健康、美しい人間形態
【装備】不明
【道具】支給品一式、香水、口紅、闇のルビー
【思考】
基本:主催者を美しく皆殺しにして自分が支配者となる
0:どこから向かおうかしら……?
1:都庁、DMC、主催者その他、邪魔な勢力を一掃する
2:首輪も処理できれば処理しておきたい
3:部下にふさわしい参加者がいれば、新しい魔王軍として美しくスカウトする
4:日本以外を潰した首謀者がいるなら、そいつも美しく殺す
5:できれば醜い本気形態にはなりたくない
※美の感じ方は人それぞれです
※平山より、主催者が九州ロボにいる情報を手に入れました

【ミケ・ザカリアス@進撃の巨人】
【状態】健康
【装備】立体機動装置一式
【道具】支給品一式、大量の不明支給品、緑色のペンキ
【思考】
基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う
1:デスマシーンを緑色にしておく

【平山幸雄@アカギ〜闇に降り立った天才〜】
【状態】健康
【装備】サングラス、雀稗
【道具】支給品一式、大量の不明支給品
【思考】
基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う
1:戦闘は無理なので、後方支援に徹する
2:参加者から奪った大量の不明支給品の確認をしておく

【ヘルクラウダー@ドラクエ7】
【状態】健康
【装備】ベビークラウド×いっぱい@ドラクエ7
【道具】支給品一式
【思考】
基本:オルゴ・デミーラに従う

【エビルエスターク@DS版DQ7】
【状態】すれ違い通信によりレベルMAX状態
【装備】不明
【道具】無し
【思考】
基本:オルゴ・デミーラに従う

【キラーマジンガ@DS版DQ7】
【状態】すれ違い通信によりレベルMAX状態
【装備】不明
【道具】無し
【思考】
基本:オルゴ・デミーラに従う

【デスマシーン@FF・SaGaシリーズ】
【状態】健康
【装備】大量のかくばくだん、大量のミサイル
【道具】支給品一式
【思考】
基本:オルゴ・デミーラに従う

544ストロングメロン:2014/04/22(火) 00:25:04 ID:b/cbLIuk0
「や、やっとここまで辿りついたぞ……」

くたびれた様子で、おいしそうなカラーリングの仮面ライダーがひとりごちる。
彼の名は呉島貴虎。またの名を仮面ライダー斬月・真。
カオスロワのごたごたで潰されてしまったが、ユグドラシルコーポレーションの主任も務めていた若きエリートである。
そんな彼がやっとの思いで辿りついたのは、東京都のある意味名所と化している都庁樹の迷宮のある新宿区であった。

「急激な植物による侵食……間違いないな。見た目は美しいが、これもヘルヘイムの森の侵食に違いない!」

冷徹に思われがちな貴虎であるが、彼の望みは人類種の存続。
明らかに国民選別以外の目的を持っているであろう主催者に、突如都庁を巨大な樹木へと変えた魔物達も、自分の手で止めて見せようと奮起していた。
していたのだが……今に至るまで、なかなか思うようにことが運んでいなかったりする。
決意した矢先に、謎のヴイ字型の怪人に「キャッチマイハート!」だの「ベリーメロン!」だのと強烈な求愛行動を受け続けたのが災難だった。
あしらえどあしらえど尋常じゃないストーキングをされ、先刻ついに堪忍袋の緒が切れて貴虎はストーカーどもを射殺したのだった。

【華麗なるビクトリーム@金色のガッシュ!! 死亡確認】
【バルバトス・ゲーティア@TOD2 死亡確認】

相手が妙に手強く、それだけでも相当に疲れたが、この程度ではへこたれない。
ヘルヘイムの森がこうも表舞台に侵食してきたのであれば、自分が止めなきゃ(使命感)
とか言っていたら……

「なあなあ兄ちゃん、正直に言えよ。俺のファンなんだろ? サイン欲しいんだろ?」
「いらん!」

今度は土下座ポーズの妙なドラゴンにうざったいストーキングをされ始めていた。

「またまたぁ、さんざんヘルヘイムヘルヘイムって、俺の名前を連呼していたじゃないかぁ」
「お前のことではない!」
「隠さなくていいんだよ。わかる、わかるよ兄ちゃん! やっぱ俺ら闇のドラゴンってかっこいいもんな!
 なんかホルスの野郎に産廃とかなんとか言われたことあるけど、きっと僻みだしな!」

これがただのインベスあたりなら速攻でぶちのめしたであろうが、先のストーカー戦で体力を消耗している。
今回のストーカーは巨大なドラゴン。これも倒すとなるとまた面倒な相手だ。
ストーキングはうざいが、敵意はない様子なので放置するのが一番安上がりだろうという判断から貴虎は我慢しているのである。

(そうだ、ここで余計な力を使うわけにはいかない……)

なにしろ貴虎は絶賛危険度最高クラスの都庁を一人で踏破しようとしているのだ。
いかに斬月・真が非常にハイスペックであるとはいえ万全の態勢で挑みたいのである。

(……この自称ヘルヘイムとやらも、いざと言うときの肉盾になるか)

使えるものは何でも使う。貴虎は戦闘以外の面でも優秀だった。

(念のため、再びカオスロワちゃんねるを確認してあの森の現状を確認しておくか。
 さてパソコンパソコン……パソ……コン……?
 …………
 ……前の潜伏場所に置き忘れたか! しかもロックした記憶もない! 今から戻ってまだあるか!?)

だが残念ながら、彼は微妙に抜けている男でもあった。
溺愛している弟の露骨で見え見えな窃盗や不法侵入に気がつかない程抜けていたりする残念な強者なのだ!
ついでに重要データひらっきぱなしでパソコンを放置したりもしちゃうお茶目さんだよ!

ちなみに彼が置き忘れたノートパソコンは同じく残念な強者であるベジータに置き引きされているが、当然知る由もないのである。

545ストロングメロン:2014/04/22(火) 00:25:39 ID:b/cbLIuk0
【二日目・2時00分/東京都・新宿区】

【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】
【状態】中疲労、斬月・真に変身中
【装備】ゲネシスドライバー、メロンエナジーロックシード
【道具】支給品一式、夕張メロン×5
【思考】基本:人類種を守るため、危険な存在を倒す
0:パソコンを取りに戻らねば……
1:自称ヘルヘイムはとりあえず放置
※都庁の変貌をヘルヘイムの森の侵食だと思っています
※ベジータが所有しているパソコンの本来の持ち主です
 パソコン内に何かしらのデータが保存されているかもしれません

【究極邪龍・ヘルヘイム@パズドラ】
【状態】健康、防壁展開
【装備】不明
【道具】支給品一式、何らかのロックシード
【思考】基本:ドラゴンこそナンバー1と思われるような行動をとる
0:自分の熱烈なファン(貴虎)についていく
1:自分のファンを増やしたい
※防壁効果により、自身と貴虎への闇属性攻撃を半減します

546焼肉だと思ったか?残念火事だよ:2014/04/29(火) 08:02:06 ID:1vQZAJs60
佐村河内フレミングは何故か道に迷い、その結果煙の立っている方に向かおうとしていた。

「あちゃー、ここは長野県との県境か、っっ!?」
そこに在ったのは放置されたカール・フリードリヒ・ガウス、◆02GOODMe2、サキエルの成れの果てだった。
なんと放置された焼肉の器具が発火し、それが燃え移りガウスと02とサキエルを焼いていたのだ。

「グゥ〜」
そして、ここに腹が減った男が一人。
そう、佐村河内フレミングは、ガウスと02とサキエルの焼かれた肉を食ったのだ!

ところで、エヴァのテレビ版では、ゼルエルを喰った初号機がS2機関を獲得したという。

【二日目・3時45分/埼玉県と長野県の県境あたり】

【佐村河内フレミング@現実?】
【状態】健康、テラカオス化加々速中、振動能力会得、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に関係する者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:三種のフレミングの法則を知らない奴も全て抹殺する。
2:もうぶっちゃけいらついたら誰でも抹殺する
3:あの黒人男性は良い奴だ。
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜7の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました
※ジョン・フレミング及び剛田ジャイ子のテラカオス化進行度が加算されました
※真・フレミングの法則などのフレミングがこれまで体得した技も引き継ぎました
※他のテラカオス化進行者を倒す、或いは返り討ちにされた場合も勝者の方に進行度が加算されます
※S2機関を獲得したかもしれませんし、獲得していないかもしれません

547死者冒涜の報い:2014/04/29(火) 19:58:15 ID:nSB7opzY0
その直後、突如として佐村河内フレミングは腹を抱えて動かなくなった。
考えてみてば分かる話である。数時間放置された人間だったもの肉だぜ?
それも死後の処理を全くしていない状態だ。衛生状態が最悪である。

幾らテラカオス化したからって胃袋は変わらない。
死因は『食中毒』だ€。


【二日目・3時45分/埼玉県と長野県の県境あたり】

【佐村河内フレミング@現実? 死亡確認】

548お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:26:45 ID:XMk3BdWA0
新潟県のとある民家。
ここには二人の人間と、二人の妖怪、一人のウルトラマン(スパークドール)がいる。

三回目の放送以降、タヌキスーツを纏う魔道士・八神はやての表情は誰から見ても暗いものであった。
先の放送で家族同然の者たちと、親友の愛娘の名が呼ばれたのだ。
それで落ち込むな、という方が無理があるだろう。

「はやて殿……」
「心配せんでええで、マミゾウさん。 私はこんな若年でも機動六課の課長や。
悲しんでいる暇があるなら、こんな悲しい殺し合いを一秒でも早く終わらせるために力を注ぐで。
それが死んでいった人たちへの私の義務や」

心配そうに話しかけた狸の妖怪少女・二ッ岩マミゾウに、はやては気にするなと気丈に振舞った。
しかし、纏う悲しみのオーラは覆い隠せるものではなかった。

(ヴィヴィオが死んでしまうなんて、私はなのはちゃんにどんな顔をすればいいんやろうな?
シャマル、ザフィーラ、堪忍な……本当はあなたたちのために泣きたいところやが、今はできへんのや。
一回でも泣き出したらそのまま立ち止まってしまいそうで怖いんや。
今はどうしても泣けへん、許してや二人共……)

悲しみの感情と涙をグッと堪えるはやて。
そんな彼女の背中を後ろから見守るマミゾウは沸々と静かな怒りを滾らせていた。
その憤りはこの殺し合いを開催した主催陣、特に風見幽香に向けられている。

(主催者たちめ、正気の沙汰とは思えぬ殺戮ゲームによって死を振りまいては、はやて殿のように悲しむ者を作り出して何をする気なのじゃ?
それに風見幽香め、この殺し合いで博麗の巫女を殺しおった以上は覚悟しておれ!
もう幻想郷にお主の帰る場所はないと思えよ)

先の放送で幻想郷を守る結界の維持に関わる巫女・霊夢の名前が呼ばれた。
彼女の喪失により妖怪たちの楽園である幻想郷は混乱に包まれるであろうとマミゾウは見ており、故にこの殺し合いの一翼を担っている幽香への強い怒りを感じていた。
ちなみにこのロワでは霊夢が二人以上もいることをマミゾウは知らず、死んだ霊夢もマミゾウの知る博麗の巫女かは不明である。

『痛たたたたたたた! ま、マミゾウ、爪がツメが!』
「おお、タロウよ、すまぬ!」

怒りで手に握っていたソフビ化しているウルトラマンタロウの存在を忘れ、うっかり爪を立ててしまったマミゾウ。
そんな彼女の腕の中に握られているタロウも、少女たちの怒りや悲しみの前に何もできない己への無力感を感じていた。

549お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:27:24 ID:XMk3BdWA0

(人々を守ってきたウルトラマンの一人でありながら今は目の前の少女たちの心一つ救ってやれないとは我ながら情けない……)

どれだけ悔いたとしても死んだ者が戻ってくることはない……普通はそうなのだ。
生者にできることは三つ、冥福を祈ることと死者が生きられなかった分も生き残ること、そして各々の使命を全うすること。
彼女らの使命は専ら、この殺し合いの破壊である。
悲しみを糧にしてでも殺し合いを終わらせないといけないのだ。

「お嬢さん方、色々思うところがあるんじゃろうが、少しでも気分を紛らわせるためにお茶でもせんか?」

そんな彼女らに老科学者のブリーフ博士が人数分のお茶を一つの盆に乗せて持ってきた。
殺し合いの最中だというのうに随分呑気であるが、このご老人なりに気を使ったつもりなんだろう。

「ありがとうなぁブリーフ博…士?」

博士の心遣いに感謝するはやてだったが、その視線はブリーフ博士と後ろについていた銀髪の妖怪・殺生丸……の手に持っている字が書かれたメモ用紙に向いていた。

「勘違いするな、いつまでもウジウジしていても邪魔で仕方がないからな」
「まあそう言うなて、殺生丸くん」
『話を合わせろ。 演技をしろ』
『そのまま情報交換すると盗聴される可能性があるんじゃ。 以降は筆談で頼む』
(盗聴……? ハッ!)

メモを読み、はやては理解した。
お茶はただのカモフラージュであり、二人の本当の目的は情報交換である。
情報交換を筆談で行う意味は首輪に備えられた盗聴器の可能性や、はやてとマミゾウが九州ロボで入手した主催陣営の人員・特務機関の構成員がどこかで聞き耳を立てている可能性を考慮してだ。

『盗聴の危険についてはわかりましたが、カメラか何かで監視されている可能性はないんか?』
『首輪は見た所、盗聴器はともかくカメラが付いている様子はなさそうじゃ』
『機械工学の専門家が言うんやからそうなんやろが、それじゃ人員や小型ロボットによる監視は?』
『監視をさせないために情報交換の場所にこの密室を選んだ。 窓も完全に閉め切り、鼠一匹入れないようにしてある』
『万が一虫サイズの小型監視ロボットが入ってきても警報がなるように部屋に細工をしておる。 準備は万端じゃ』

出会ってから数時間以上立っていたのに情報交換がほとんどなされていなかったのは、安全性の確保のために博士たちが手間をかけていたからだ。
カメラに関して言えば、はやてたちが福岡ドームのモニタールームに入った時点で首輪は爆破させられているハズだ。
ブリーフ博士の首輪にカメラはついていないという発言は信じても良いだろう。

「マミゾウさんも座って飲みましょう」『わかりました、博士たちを信じます』
「ほほう、美味そうな茶じゃな」『それじゃあ情報交換と行きましょう』

一つのテーブルを四人と一体の人形が囲う。
そしてお茶を交えた筆談による情報交換が始まった。
表向きはどうやって対主催の仲間をつどるか今後どこにいくのかを適当に、裏では殺し合いの根幹に根差すかもしれない内容を持ち出しながら四者はペンを立てていた。



550お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:27:59 ID:XMk3BdWA0

はやてたちはまず、部屋に備え付けのパソコンにUSBメモリを通して手に入れた情報を画面上に展開する。
一つ目は日本海の上空に浮かぶ九州ロボが主催陣営の拠点であり、粗悪な部品によって一日二日で墜落すること。
二つ目は主催陣営の面子。
三つ目ははやてたちの知らないTC観測値という単位である。

『ううむ、残念じゃが九州ロボの墜落はなさそうじゃな。
科学技術班にロボット兵器開発の大御所であるビアン・ゾルダーク博士がおる。
そんな彼がロボの欠陥に気づいていないハズはないじゃろうし、むしろ改良を加えられてそうじゃ』
『そうか……』
『野田以外は有能な奴らばかりじゃ。そう簡単には墜ちぬか』
『まあ、九州に取り残された人たちもいるし、前向きに考えればその人たちが墜落の巻き添えを喰らわずに済んだとも考えられるで』

実際、九州ロボはビアンを始めとする卓越した技術力を持つ者によって難攻不落の要塞ロボと化した。
同時に時間経過による墜落はなくなり、望んでいないのに九州ロボに残されてしまった人々の身を案じて必要以上に焦る必要も無くなったのだ。
敵の強大さに驚きつつ、肩の荷も降りた複雑な気分をはやて・マミゾウは味わっていた。

次に一同は主催陣営のリストを見る。

『あの泥鰌顔の主催が死んでも殺し合いが続いている……奴は傀儡でこの中の誰かが殺し合いの糸を引いていると見るべきか』
『黒幕はおそらく幹部の五人の内一人か、科学技術班長のビアン・ゾルダーク、特務機関隊長のデウスエクスマキナとかいうロボットが怪しいのう』
『その七人を打倒しなければ殺し合いは終わることはないということか』
『じゃろうな』

そう書き連ねるのは殺生丸とマミゾウ。
主催者が殺害されても殺し合いは終わりを見せないどころか、平然と運営している主催陣営。
野田総理が傀儡に過ぎなかったのは火を見るより明らかだった。

『ブリーフ博士はこの中で知っている人物はおるんか?
私たちが知っている内では風見幽香はマミゾウさん曰く幻想郷の実力者である大妖怪らしいですが』
『ビアン・ゾルダークは言わずもがな、HCLI社の令嬢であるココ・ヘクマティアルと、傭兵でありテロリスト集団バーテックスのリーダーであるジャック・Oについての噂をワシもいくつか聞いたことはある。
二回目の放送で姿を見せたバーダックは知り合いと顔が似とるし、あのパワーや尻尾のあるところからして少なくともサイヤ人であるのは間違いないじゃろう』
『サイヤ人?』
『宇宙の戦闘民族サイヤ人。かくいうワシの娘の旦那のベジータくんもサイヤ人じゃ。
彼らサイヤ人のエリート戦士はたった一人で惑星を破壊することもできるらしい』
『え゛!?』

第二回放送時のデモンストレーションにて、核兵器を超えるパワーを見せたバーダックだったがあれでも本気ではなかったというのか。
そんな敵が相手では闇の書の力を全開に振り絞っても戦いになるかどうかも怪しいと、はやては驚愕する。

『だが、サイヤ人も生き物。食料と水が絶えれば飢えて死んでしまう。
生存において最後の砦になっている以上、地球を破壊する真似は流石にせんだろう』
『せ、せやろな』
『ちなみにベジータくんも昔はともかく、今は角が取れて丸くなっているから殺し合いに乗ることはまずないじゃろう。
孫くんが死んでしまった今、戦闘力でバーダックに対抗できる数少ないサイヤ人じゃ。
とても勇敢な男じゃし、できるだけ早く合流したいところじゃな』

ブリーフ博士はそのベジータがめっちゃヘタレてる上に金髪恐怖症に陥っていることを知らず、彼の中でのベジータ像は勇猛で頼れる漢のままであった。

551お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:29:29 ID:XMk3BdWA0

『あとは幹部級で出自がわからないのは放送にも出ていたダース・ベイダーとデウスエクスマキナってところやな』
『外見からして地球の技術で作られたものではない装備をしておるな。
地球外か異世界から来た可能性があるな』
『人物像が掴みきれない分、こいつらには注意が必要やな』

他にも拠点の防衛やジョーカー参加者として日本に紛れ込んでいる特務機関の隊員についての情報も映される。
暗殺者、テロリスト、魔法少女、魔術師、傭兵、軍人、スパイ、忍者、人狼……情報を見る限り、各方面で腕の立つ者の多くが主催に組みしていた。

『こやつらの顔は覚えておいて損はないな』
『マミゾウさんの言うとおりや、一般参加者のフリをして対主催集団に潜伏された挙句に壊滅にでも追い込まれたら目も当てられへんわ……ん?』
『どうかしたのか、はやて殿?』
『この子って確か……』

情報を読み漁っていると、ある一つの名前に当たることは必然だったのかもしれない。
リストには主催者に名指しで指名手配されて死亡した野球少年・千石うぐいすの名前があった。
彼のプロフィールには造反と死亡の烙印が押されている。

『対主催かと思いきや主催の一味やったんか! でも裏切り者って……』
『どんな理由で裏切ったのか知ったことではないが、指名手配してしまえば褒美目当ての参加者に付け狙われ、対主催からも白い目で見られる場合も考えられる。
そうすれば他の参加者との合流は慎重にしなければならず、情報の漏洩は防ぎやすくなるだろう。
ついでに犯人の奪い合いで参加者同士が殺し合ってくれれば御の字となる。 下衆共の考えそうなことだな』
『生きていれば主催側に関してもっと貴重な情報を手に入れることもできたかもしれへんのに……保護できなかったのは残念やな』

死んでしまった以上、彼への詮索は無意味ということで千石うぐいすのページを閉じた。
一同は特務機関の隊員たちの情報全てに目を通した。
情報を覚えた以上、対主催への潜伏を防ぐことができ、戦闘になってもある程度の対策を練ることができるようになっただろう。

最後にTC計測値という謎の値が付随した世界中が沈没した瞬間の映像が再生された。
その映像をブリーフ博士が固唾を飲んで見ている。

『ふむ、これは……』
『博士、何かわかりますか? 特にTC計測値について』
『いや、残念だがTCという言葉はワシも知らない。
なんらかのエネルギー数値なのは間違いないようじゃが、少なくとも地球には存在しないエネルギーじゃろう』
『そうですか……』
『しかし、何となくわかることもある。皆、ここに注目してくれ』

博士が指を指したのはTC計測値の部分であった。

552お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:32:35 ID:XMk3BdWA0

『この値が最も低いのはワシらがいる日本。 他の国は日本の何倍もの数値をたたき出しておる。 そして全ての映像の中で数値が最も高いのは――』

地震が起こるはずがない宇宙空間において、サイド3などの多くのスペースコロニー郡が前触れもなく「大災害」に襲われた。
内部は大きく揺れ、外部からひしゃげ、最後には盛大に爆散する。
その衝撃的な映像には最も高いTC計測値を示されていた。

『――宇宙じゃ』
『科学的なものはサッパリだが、大災害による多くの大陸の沈没はただの天変地異ではないというのか?』
『おそらくな。
これはワシの仮説じゃがTCというのは地球外のエネルギーであり、宇宙のどこかから地球に降り注いだ影響で地殻変動を誘発して多くの国々を沈没させたのかもしれん』
『宇宙規模の災害……なんらかのロストロギアの暴走やろうか?』
『わからん、TCに関してワシには憶測しかできん。
エネルギーの専門家や他の科学者たちと知恵と技術を合わせればもっと詳しいこともわかるかもしれないがな』
『主催を打倒して情報を根こそぎ奪うのが一番手っ取り早く思えるがな』
『それも一つの手じゃな、殺生丸くん』

ホイポイカプセルを開発した天才であるブリーフ博士でもTCについてはわからなかった。
より多くの科学者と手を合わせるか、大災害について何かを知っているであろう主催を倒すしか情報を得る手段は無いようだ。

『私たちが主催から潜入して入手した情報はこれで全部です』
『ありがとう、はやてくん。
君たちが命がけでこれらのデータを手に入れてくれてきたおかげで、主催打破への近道になるはずじゃ』
『ここにいる私たちだけの力じゃありません。
このデータを取ってこれたのは尊い犠牲があったからなんです……』
『なるほど、なおさら無駄にするわけにはいかんな』

あなたの犠牲は無駄にしない――はやては先刻、自分たちを庇ってくれた名も知らぬパイロットに心の中で言った。

『さて、次はどうやってこの殺し合いを打破するかじゃが。
主催と戦える者を集めるのはこれから地道にやっていくしかないとして、首輪の解除ならワシに任せてくれ。
見たところ、ワシの知らない技術は使われてなさそうじゃ』
『本当ですか、博士!』

博士の言葉にはやてたちは殺し合いを終わらせられる可能性を見た。
首輪という枷させ外れれば、主催からの首輪爆破や盗聴の危険を無くすことができる。
戦力の問題は残るが、この拘束がある限り主催に反抗など夢の話である。
ブリーフ博士は自分の腕なら首輪解除に役立てると見たのだ。
しかし、そこでマミゾウが疑問を口にした。

『大した自信じゃが、それならどうしておぬしらは未だに首輪を付けたままなのじゃ?』
『首輪を外すには解析のためのサンプルが欲しいんじゃ。
いくら腕が立つといっても解析無しにいきなり外そうとするのは気の触れた者のすること。
綿密な解析には最低でも10個、より簡単で技術力のない者でも簡単に外せるように解除法を模索したいなら20個は欲しいところじゃ』
『その首輪集めのために俺と博士は新潟中を練り歩いたが、この新潟では骸を探すのも困難なくらい殺し合いが活発でないようでな。
首輪は一つたりとも集まらなかった……生者から首輪を毟ろうとすると博士が拗ねて首輪の解除に協力してくれなくかもしれんしな』

物騒な発言は敢えて聞き逃し、マミゾウは話を続ける。
殺生丸が対主催なのはあくまで自分に首輪をはめた主催の思惑通りに動きたくないためだと、事前に本人から聞いているのだ。

『では、どうするのじゃ?』
『決まっている。 場所が悪いなら変えればいいだけのこと。
東京ではこことは比べ物にならぬほど参加者たちが多く、さらに血みどろの殺し合いが繰り広げられている危険地帯となっているらしい。
そこへいけば、首輪の十や二十はすぐに集まるだろう』

東京は強力なマーダーに魔物や狂信者まで跋扈する伏魔殿だ。
少し歩けば嫌でも死体に接触するほどの地獄は、危険と引き換えに首輪集めも容易になるというわけである。

『ここを探す利点は首輪集めだけではない。
東京でここまで正気を保ちつつ生き残っている奴らは、間違いなく戦闘力もしくは胆力に優れた猛者だ。
過疎地に引きこもっている腰抜け共に比べれば役に立つだろうし、戦力集めも関東で行うべきだろう』
『なるほどなー、虎穴に入らずんば虎子を得ず……危険っちゃ危険やけど殺生丸さんの意見も最もや。
首輪解除と仲間集めはなるべく早急にやっておきたいし、私は賛成や。
でもマミゾウさんはどうなんや?』
『ワシは化け狸の頭領じゃ。 マーダーだろうがなんだろうが倒してしんぜよう』
『ワシは戦いの心得はないが、自分の身ぐらいは自分で守れる』

553お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:33:24 ID:XMk3BdWA0
『一般人の博士には危険です。 この新潟に殺生丸さんと一緒に残っていたほうが……?』
『いや、こうしている間にも沢山の人が死んでいる。
一秒でも早くこの殺し合いから皆を解放するためには、ワシや殺生丸くんも付いていった方が早かろう。
危険は承知の上だ、是非同行させて欲しい』

博士の強い覚悟を受け取ったはやては、断るわけにもいかず博士と殺生丸を同行させることにした。

『……それじゃあ、決まりやな、仲間と首輪を集めるために東京に向かいましょう』



一先ずの目的地が定まった一行はさっそく出発の準備に取り掛かった。
ブリーフ博士が首輪の解除に使えそうな機材をまとめ、はやてとマミゾウは情報収集に使えそうなインターネットに繋げられる携帯電話を近くの民家から拝借。
一通り準備が済んだところで殺生丸が巨大な化け犬に変化し、三人を載せる。

「よし、出発進行や!」

はやてが声高に告げると殺生丸は天へと昇っていき、関東に向けて飛んでいった……


ふと、殺生丸の背中の上ではやては考える。

(しかし、大災害が宇宙規模の天災とは……話がでっかくなってきたな。
TC計測値ついてはブリーフ博士ほどの人でもわからへんかったし、謎は尽きへんね)

博士の検証によってわかったのは、TCは宇宙から降り注いだ何かということだけ。
具体的に何なのかはわからず終いだ。
出発前に博士がTCについて余裕があれば調べると言っていたが、宇宙に飛ばせる観測機を作るには資材も時間もないため、調べるのはとても難しそうだ。
殺生丸の意見の通り、主催者たちを倒して情報を手に入れた方が早いのかもしれない。
はやては夜空を見た。

(特に変わった様子は無さそうやが、宇宙に何かあったんやろうか?
……今は情報もないし、考えるだけ無駄かもしれへん。
だが、大災害に関して主催者たちが参加者に隠し事をしてることも事実や。 秘密は必ず暴いたるで!
そんで良からぬことを考えてたり、主催が大災害の原因やったりした暁には時空管理局の名のもとに、裁きを入れたるわ!)



八神はやて一行は、こうして新潟で首輪を解除できる博士と出会った。
彼が後に主催の魔の手から参加者たちを解放する希望になるかは誰にもわからない。
彼女らが東京に踏み込むことで何を得て何を失うかは誰にもわからない。
大陸沈没の謎を知ることができるかどうかは誰にもわからない。
わかるのは東京は間違いなく地獄であり、熾烈な試練が待ち受けているということだけであろう。


【二日目・1時00分/新潟県・上空】

【八神はやて@魔法戦記リリカルなのはForce】
【状態】健康、タヌキはやて、死んだ仲間たちへの悲しみ
【装備】シュベルトクロイツ@魔法少女リリカルなのは、タヌキスーツ@スーパーマリオシリーズ
【道具】基本支給品一式、夜天の書@魔法少女リリカルなのは、携帯電話
【思考】基本:殺し合いを止める
1:仲間と首輪を集めるために東京へ
2:殺し合いを打破するために仲間を集める
3:大陸沈没の謎の鍵は宇宙にある?
4:死んだ仲間たちや赤い翼のMSのパイロットの為にも主催を倒す
5:それにしてもこのスーツ、実に馴染むで!
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※PSP版の技も使えます。


【二ッ岩マミゾウ@東方project】
【状態】健康、主催たちへの憤り
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ギンガスパーク@ウルトラマンギンガ、
スパークドールズ(ザラブ星人、ババルウ星人、ダークガルベロス)
【思考】基本:殺し合いを止める
1:仲間と首輪集めるために東京へ
2:殺し合いを打破するために仲間を集める
3:大陸沈没の謎を探る
4:TC計測値とは一体……
5:殺し合いによって博麗の巫女を殺した幽香は許さない
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※霊夢が複数いることに気づいていません

554お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:33:52 ID:XMk3BdWA0


【ウルトラマンタロウ(SD)@ウルトラマンギンガ】
【状態】健康、スパークドールズ状態、マミゾウのデイパックの中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:仲間と首輪を集めるために激戦区とされる東京へ
2:殺し合いを止めるために仲間を集める


【殺生丸@犬夜叉】
【状態】健康、化け犬に変身中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式 、不明支給品
【思考】基本:対主催
1:仲間と首輪を集めるために激戦区とされる東京へ
2:自分に首輪をはめた主催の存在が不愉快
3:2の理由により殺し合いには乗らない
※はやてたちとの情報交換により、主催陣営のメンバーの情報を知りました


【ブリーフ博士@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式 、機材一式
【思考】基本:対主催
1:仲間と首輪を集めるために激戦区とされる東京へ
2:首輪のサンプルを集めて解除に役立てる
3:主催打破のためにベジータ君と合流したい
4:見た目はそっくりだったが、バーダックは孫くんの血縁者?
5:余裕があればTC計測値について調べる
※はやてたちとの情報交換により、主催陣営のメンバーの情報を知りました
※首輪を外せる技術を持っていますが、解析のために10〜20個ほど回収する必要があるそうです

555嵐の様な混沌も旗から見りゃただのクロニクル:2014/05/05(月) 15:55:16 ID:ey2HWnLI0

   〃//  ト,_ノ    / /|ミ|
   / /  ,-''")  ,..-| .|,,...,,,, `"''ヽ
  / /  / /  .;/~|i^|   `"、  ヽ,,    人,_,人,_,人,_,人,_,人,_,_,人,_,人,_,_,人,_,人,_,人,_,人,_,人,
 ,ノ..-!、 (_ノ   ,.l'  i'U|     ヽ   'l  < 仮面ライダー555アクセルフォームが           >
『(o■ )ロ[][i   {  |「:i|       }   } < マッハスピードの速さを考慮して!!>>555ゲットだ!!>
 i。|ミ|。にニコ   'l..  |V|       i   i   Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
/| | | |ヽ ||   'l. '|| |       l'  /\
| |  ̄.| |.|   ヽ、"iヘ    ,〃l"  /  〉、
|「  o  ~i 「|     ヘ...,ゞヽ三彡''"ヽ>'   /
、L __  」 |」     ヾ/^|^\〃、__,./」_ノ.,,
ヽヘ V | 77 ー―ァ ヾニニ/ ム∠´__ノ、
 ヾT~''Tミヽ   _ノ オ  ノ           オオオオォォォォ!!!!


 その頃、デイバックの中、支給品『乾巧』はアクセルフォームになった自分を想像していた。
 思い返せば、この状態になった当初何か撃たれたような気がした。
 そのままデイバックの中に詰め込まれて、早一日……誰にも気付かれずこの状態が続いた。

(外に出てぇ……熱いもの以外のなんか食いてぇ……ん?)

 一筋の光が見えた。
 そして、手が出て自分が取り出されたのが分かった。
 やっと、外に出れた、それと同時に身体が元の状態に戻った。
 そこで巧は見た。

「………」
 
 オートバジンが三人分の墓を作っていた。
 そこにはサングラスとスマートブレイン社が作ったものではないベルト、そしてカーナビみたいなものが捧げられていた。

「……そうか」
「…………」

 巧はオートバジンがしていた『埋葬』を手伝った。
 ただ、死体を埋めるだけならば『死体処理』である。
 だが、彼らが行ったのは『埋葬』である。

「……行くか」
「…………」
「行先はどこでもいいか」

 オートバジンをビークルモードに移行させ走らせる。
 行先は西の方、なんとなくそう決めた。


【二日目・1時20分/日本・埼玉県】

【乾巧@仮面ライダー555】
【状態】健康、首輪なし
【装備】ファイズギア@仮面ライダー555
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:西に向かう
2:草加……
※支給品だったので首輪はありません。

【オートバジン@仮面ライダー555】
【状態】損傷無し、バイクモード
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:たっくん(乾巧)についていく


【桜田ヒロム@特命戦隊ゴーバスターズ 死亡確認】
【照井竜@仮面ライダーW 死亡確認】
【チダ・ニック@特命戦隊ゴーバスターズ 死亡確認】
死因:ジャイ子戦でのダメージ

556深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:44:45 ID:9P2xBe.w0
真夜中の東京都庁……

「――から、魔物にも好物はしっかり存在するのさ。
 別に血の滴る肉なんかじゃなくていい。魚の塩焼きやケーキが好物の子だっているんだ」
「へえ〜……モンスターさん、思ってたよりも全然身近なんだね!」
「そうさ。ちなみに撫でると喜ぶのも人間と変わらないよ。毛や鱗で覆われた子はブラシで、人型の子はこうやって素手で……」
「ふにゃ……」
「おお、麒麟さんの尻尾がまるで犬のようにぱたぱたしてますね」
「美味しいご飯を作って、スキンシップをかかさない。これだけでも、だいぶ仲良くなれるはずだよ。
 一番大切なのは、敵意を向けないことだけどね」

そこでは、都庁を守る最強の番兵たるレストの魔物講座が開かれていた。
とは言っても、彼の発案ではない。
モンスターさんと仲良くなりたいからその方法を教えてくれと、再三あかりに詰め寄られた結果、根負けしたのである。
闇夜に紛れてマーダーが動きやすいというこの時間帯に、なんとも暢気な提案である。
この都庁が抱え込む戦力を考えれば、まずマーダーは攻め込んでこないだろうが。

「それと環境も大切だね。部屋が用意できないなら、広々とした自然は欠かせない。だからこそ僕らはここを世界樹にしているわけなんだけど……」
「……高層ビルがこんなあっという間に大樹なるなんて、本当に驚きっすよ」
「いや、うーん……まあ喋っちゃってもいいか。ここには……元々世界樹があったそうなんだ。
 それが切り倒されて、都庁が建設されたみたいだけど……地下深くの、世界樹を生み出した核は無事だったらしい。
 それを雷竜さん達が再度活性化させて、僕が植物由来の成長促進剤を調合して定期的に撒いたんだよ。この、はげしくノビールを……」
「そのネーミングセンスはちょっと……」
「う、うるさいな。とにかく、この世界樹も後は内部の余計な都庁の残骸を廃棄すれば、完成する。
 魔物はもちろん、君たち人間にだって恩恵はあるんだよ? ほら、すでに今でも空気がおいしく感じるでしょ」

言われて改めて空気を吸い込んでみれば、一同はなるほど確かにと納得をせざるをえなかった。
都会のど真ん中とは思えない、新鮮な空気は確かに気持ちのいいものだ。
何かが焼け焦げる臭い、思わず顔を背けたくなる腐臭、巻き起こり続ける土煙……そして鮮血。
この場所でも幾多の血が流れたが、それらは既に土に還っているのか不快な臭いはしない。
地獄と形容するのが相応しいこの東京都において、ここ以外に美味い空気を吸える場所は存在しないだろう。

「は、空気で思い出したっすよ! 騎士様が言っていた、空気中に漂う瘴気のようなもの……!」
「あ!」

ここで影薄三人は、短い間だが仲間であった騎士の言葉を思い出す。
彼の正体は結局不明であり、自らを罪人と称していたが……騎士に窮地を救われたのは紛れもない事実だ。
この殺し合いを憎み、自ら犠牲となった彼のためにも……その遺志を継いで、殺し合いを終わらせる。
何よりも強い、その願い。

「その……魔物のことじゃないっすけど、いくつか質問して大丈夫っすか?」
「ん?」

すでに人間を殺し、これからも人間を殺そうと考えている相手に相談するような内容ではないだろう。
それでも、少しでも可能性があるのであれば……
影薄三人は、意を決して口を開いた。





557深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:45:16 ID:9P2xBe.w0
「……なるほどね。できればその騎士本人に会ってみたかったな。残念だけど、それについては僕も知らないや」
「そうですか……」

結果として、騎士の遺言の正体はやはりわからずじまいであった。
ネット上でも知る者はおらず、謎の物質への疑問は尽きることはない。
だがあの騎士の遺言である。彼が偽りを述べるメリットはどこにもなく、確かに謎の物質は存在しているのである。

「でも話を聞く限り、君たちやその騎士が嘘を言っているとは思えないね。そうなると……あまり放置できる問題じゃなさそうだ」
「え、やっぱり危険な物質なの!?」
「一応、これでも長いこと自然と共に過ごしてきたからね。大気の状態は大体把握できるし、薬学も齧ってるから毒とかにも詳しいつもりさ。
 その僕が全く気がつけないとなると……人工物、造られた自然界に存在しない物質だと思う。この状況下だと、主催者が造って撒いたと考えるべきかな」
「やっぱり、その線が濃厚っすか……」

ううむと桃子は唸る。
騎士の遺言を聞いたときから、彼女は空気中の物質について主催者を疑っていた。
しかし、そこから先がわからない。
じわじわと命を削り取る遅効性の毒を考えてはいたが、まさに今それは否定された。
そもそもそんなものを撒いてしまえば、この地球上に住める場所がなくなってしまう。

「瘴気のような、それでいて無味無臭の不可視物質……でも毒ではない……難しいですね」
「ねえねえ、ここの世界樹がこの辺りの空気を浄化してくれてるんだよね? それならそのよくわからない物質も……」
「確かにある程度は世界樹が浄化してくれると思うよ。だけど僕らの予定は、あくまで行き過ぎた科学による汚染を取り除いての環境改善……
『追加』で大量に正体不明の物質を撒かれていたとすると……世界樹一本じゃ処理しきれないどころか、逆に世界樹が枯れてしまう可能性すらある……!」
「えええええええぇぇぇぇぇぇ!?」
「ああ、もう! だから人間は自然と共に生きるべきなんだよ! 普段からもっと自然を大切にしていれば……!
 こうなると、北海道や九州でも世界樹を育てないと大地の再生は難しそうだな……」
「あ、途中で出会った忍者さんから聞いた情報なんすけど、九州は主催者の手でまるごとロボットにされたそうっす……」
「レスト様、残念ながらその情報は確かなようです……ネット上でも『無敵要塞キュウシュウ』などと……」
「残り少ない貴重な大地になにをしてるんだよっ!?」

憤り吼えるレストに、残りの面々は無言でうんうんと頷く。
彼の怒りの理由は九州の豊かな大地が穢されたことであろうが、それを抜きにしても誰もが怒りを覚える事態なのである。
なにしろこの殺し合いの一応の目的は『残された土地で人間が最低限の暮らしができるようになるまで人類総数を減らす』ことなのだから。
そもそも住む土地、それも県どころか九州丸ごと改造するなんて頭がおかしいとしか思えない。
数少ない陸地を減らすなど本末転倒もいいところだ。

「冷静になって考えると、九州をロボットにするって発想普通じゃないよね……」
「発想もそうですけど、それを実行できる技術力も普通じゃないっすよ。ここまで現実離れしていると……
 なんだか空気中の物質も、実は主催者に都合のいい殺し合いを促進させる物質だったり……」



その瞬間、空気が凍りついた。
あははと笑い飛ばすつもりであった桃子も、残る面々も、言葉を失ってしまう。
普段であれば、なにを馬鹿なことをと笑い話になっただろう。
だがしかし。
既にこの世界に今までの常識は通用しないということを、彼女らは身をもって知っている。
『日本以外沈没、さらに国民選別のために殺し合い』
『ふざけた歌詞とは裏腹に、乳も皮膚も腕も何もかも全てもぎとる乳もぎ魔』
『圧倒的な戦闘能力を誇った巨大殺戮ロボットに、それを見事止めて見せた死神』
『誰かの命と引き換えに、仲間全員の傷を完治させたメガザルの腕輪』
『まるでアニメキャラのような魔法少女にプリキュア、そして喋るドラゴン』
『ありえない速度で成長する世界樹に、狂った信者が闊歩する魔境東京都』
『手加減されてなお、自分達がまるで歯が立たない程の強さだった目の前の青年』
大災害前、せめて殺し合いであれば、冗談で済んだであろう話の数々。
これらは、僅か二日の間に起きた紛れもない真実なのだ。

もう、この世に、ありえないという言葉は通用しない。

558深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:46:00 ID:9P2xBe.w0
「……あ、あはは……やだなぁモモちゃんたら。そんな……」

凍りついた空気を溶かそうと、なんとかあかりが口を開く。
しかしいつもの明るさは失われており、それは彼女も冗談として流しきれていないことを表していた。

「そ、そうっすよね。そんな、そんなこと……あっちゃいけないっす……」

口では否定しながらも、桃子は内心では妙に冷静でいられた。
どうして今まで気がつかなかったのだろうか、と。
あの騎士がわざわざ死ぬ直前に、念入りに警告するほどの物質。
主催者の仕業だったとして、次に考えるべきはその目的だった。
毒殺目的でないのだとしたら、何が狙いなのか。
何故わからなかったのだろう。こんな狂った殺し合いを開く主催者の目的など決まっている。
殺し合い、それに関わる何かしかないだろう。
いくら住処が限られる、非国民のレッテルを貼られるとはいえ、ほとんどの人間は理性を持っている。
殺しあえと言われてそれに素直に従う奴の方が少ないはずだ。
だからこそ自分達は当初、仲間と共に船で雑談を楽しみ……死神はさぼりたがっていた。
だが予想に反して、死者は増え続けている。どうしてだろうか。
もし。もしも主催者が、たとえば理性を無くさせるような薬を日本全土に撒いていたとしたら。
なんて残酷、なんて非道な行為だろう。
だが主催者のこれまでの行動を考えれば、それが一番しっくりくる。ここまでくるともう、そうだとしか思えなくなっていた。

「ひっ……あ……」

存在を忘れつつあったが、自分たちの首には、冷たい首輪だってつけられているのだ。
言いようのない恐怖が襲いかかってくる。
主催者は、この光景を眺めて楽しんでいるのだろうか?
妙な物質をばら撒き、強制的に人々を殺し合わせ……それを愉快愉快と。
いや、事実あの総理大臣は楽しんでいなかっただろうか?
そして彼が死んでなお、平然と運営を続ける残りの主催者も……きっとそうなのだろう。

怒りと悲しみと恐怖と、様々な感情がごちゃ混ぜになり、叫びだしたい衝動にかられる。

「あはははは、いくらなんでも漫画とかの読みすぎじゃないかな」
「そうですね。レスト様の仰るとおりですよ」
「なっ!?」

だがその前に、レストの笑い声と、それに賛同するサクヤの声が響いた。
思わず俯いていた桃子は顔をあげ、言い返そうとするが……
差し出されたスマホを見て、思いとどまる。

『これ以上の深入りは危険です。首輪に盗聴器がつけられている可能性があります。
 スマホもいつかは遠隔操作される危険性があります』

おそらくこれは、サクヤが打った文なのだろう。
盗聴という言葉にぞわりとするが、確かに十分ありうる話だ。

「まったく、これだから俗世に塗れた人間は駄目なんだよ。やっぱり自然と触れ合うのが一番さ。
 まあ、折角の世界樹なんだから煩悩を振り払う呼吸法と精神統一の方法を教えてあげよう」
『君の予想は多分正しい。サクヤの言う通り、スマホは情報漏洩の危険性が高いからね。
 ここから先は表向きは適当に雑談しつつ、この紙を使って筆談するとしよう。うん、こんな機械なくても対話はできるいい例だ』

続いて差し出された紙を見て、全員が無言で頷く。
レストがデイパックから紙束と筆記用具を素早く無音で取り出すが……

『いや、無言すぎてもまずいよ』
「うーん……あかりにはその呼吸法難しそう。それより、さっきのモンスターさんのお話の続き聞かせてよ!」『これでいいの?』
「お望みならばどんどん語ろうか。そうだねまずは……」『その調子で頼むよ』



559深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:46:40 ID:9P2xBe.w0
「――から、全く喋れない魔物とも目と目で通じ合うことは可能なんだ」
「へえ〜……いいなぁ。あかりでもできるかな?」

レストが魔物や自然に関しての知識を語り、そして主にあかりがはしゃぎつつ相槌を入れる。
それは少し前に開かれていた魔物講座となんらかわらないが、あくまで表向きだ。
くしくも先ほどの講座は丁度いい隠れ蓑の役割を果たし、裏では筆談が続いていた。

『やっぱり、私の思い込みってオチにはならないっすか?』
『うん、あかりもできれば信じたくないかな。それに本当にそんな都合のいいものなんて』
『僕は直接見たことはないけど、ここの魔物達の話だと狂竜ウイルスというものがあるらしい。
 なんでも無自覚に周囲の生態を狂わせ、感染者はとても凶暴になるそうだよ』
『凶暴に、つまり相手を傷つけることに躊躇いがなくなるということですか?』
『ああ。人体にも影響があるそうだけど、克服は可能。ばら撒くのはシャガルマガラという古龍。
 自然界に大昔からいる存在だ。つまり、理性を奪い凶暴化させる未知のウイルスも自然界に存在しているわけだね』
『それじゃあ、騎士さんが言っていたものは、そのウイルスでしょうか?』
『いや違う。狂竜ウイルスは時間経過で治せるわけだし、抗体も存在する。
 推測の域を出ないけど、多分主催者が造ったのはこのウイルスをさらに凶悪にした感じのものじゃないかな』

自然界に既に生物を狂わせるウイルスが存在している以上、殺し合いを促進させるウイルスの存在もありえなくはない。
むしろ主催者の持つ技術を考えれば、ウイルスの改良に散布程度朝飯前なのではないだろうか。
なにしろ九州ロボを拠点にするような連中なのだから。

『でも、どうやってそんなものを大気中に?』
『一般的に薬の広範囲散布となると、戦闘機が空から撒いているイメージがありますね』
『でも、オオナズチに乗っている時にはそんなもの見なかったっすよ』
『もし怪しい戦闘機が飛んでいたら、僕らが撃ち落している』

仮に主催者が本当に殺し合いを促進させる物質を造り、撒いたとして。
次に問題となるのはその方法だ。日本列島は狭いようで、意外と広い。

『方法がわからないけど、存在はしているんだよね』
『いや、思いつく限りで最悪な手段はあるよ』
『え?』
『魔物や人間、あらゆる生物が生きていく上で欠かせないもの。それは水さ。
 各地の重要な水源に、いやこの殺し合いの状況ならもっと手っ取り早く――支給品の飲み水に入れてしまえばいい』
『?!』

レストが記す衝撃的な言葉に、思わず全員が息を呑んだ。
水に毒物を混ぜ込むなど、戦争においても非人道的とされる行為である。
だが同時に最も簡単であり、そして非常に効率的だ。

『でも、それじゃあ体内に入っても大気中には
『生物の殆んどは汗をかくだろう? そして殺し合いともなれば大量の血が流れる』
『まさか、それが蒸発して!?』
『効果は薄くなるだろうけど、水を飲んでない参加者でも呼吸で無意識のうちに体内にその物質をいれてしまうだろうね』

「……っ!」

思わず、表向きの会話すら途切れてしまう。
それほどの内容であり、もしこれが事実であるとすればもう何もかもが手遅れだろう。
人間誰もが腹は空くし喉は渇く。呼吸をしなければ死ぬ。
個人差はあるだろうが、もうこの世界に謎の物質を取り込んでいない参加者など存在しないのだから。

『それじゃああかり達も?』
『少なからず体内に入ってるね。でも一般的な病気と同じように、人によってはまるで影響がでないってことだと思うよ』
『僕らは運よく、謎の物質への抵抗があったというわけですか』

560深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:47:45 ID:9P2xBe.w0
『多分ね。むしろ問題なのはここからだ。君たちがおとなしいのは、ただ単にとりこんだ物質が少ないせいかもしれない』
『!!』
『この世界樹は大気の浄化を行いつつ、内部に濾過されたとてもおいしい水を供給する泉やそれで育った果物がある。
 だけどさっきも言ったとおり、世界樹の浄化にも限界はあるからね。このまま謎の物質を放置すればいずれ……』
『世界樹そのものが謎の物質に侵され、そこに住む魔物達にまで影響がでる可能性がある……ですね?』
『それだけじゃないよ。世界樹がなければここの大地は再生不可能だ。この国全域の植物や水は一瞬で汚染される。
 そうなればもう、あらゆる生物が謎の物質を嫌でも大量摂取して暴れ狂うことになるだろうね』

それは今以上の地獄絵図に他ならない。
自分や大切な人たちまでもが狂い、殺し合いに興じるなど断固阻止しなければならないと、一同は改めて決意を固める。

『止める方法はないんすか!?』
『方法その1として、世界樹の量産がある。分担して処理すれば世界樹が汚染されることもないからね。
 だけどこれは現状不可能。ほとんどの人間は協力しないだろうし、時間もない。まず首輪を外さないと禁止エリアにも入れないし。
 方法その2は、主催者本部に乗り込んで、この謎の物質の正体を把握する。そしてそこから中和剤が作れれば……』

そこまで書いて……ペンの動きが止まった。
いやペンは投げ捨てられ、代わりに巨大な剣が握られる。
突然どうしたのだろうか。


「ハハハ、また会ったなレストよ。今度こそ――お前たちのニクをイタダクぞ」
「ほかにもおいしそうなご飯があるよツバサお姉さん?」


そんな言葉を口にする前に、その場にいた全員が本能的に理解した。

突如現れた、禍々しい武装をした少女とそれに付き従うラッコ。
彼女達こそ、先ほどまで話し合っていた謎の物質を大量に取り込みすぎた結果生まれた……
絶対無比、極悪な殺人鬼なのであると。

――風鳴翼にぼのぼの――名前こそ明らかにされていないが、カオスロワちゃんねる等でも話題になる食人鬼。
彼女らはさらに多くの参加者を喰い……今再び世界樹の入り口に舞い戻ったのだ。

「悪いけど……お引取り願おうか!」

そんな彼女らに向けて、レストは殺意を隠すこともせずに灼熱の火炎魔法を発射する。
相手は狂った殺人者であり、自分の友人を喰い、ここの門番を瀕死においやり、今もなお世界樹を狙ういわば害獣。
生かしておく道理など、どこにもない。

「ムダだ、私達に――」
「それならこれはどうかな!」

炎を突き破りレストに迫る二体の食人鬼。
それに対し今度は風の刃が放たれ、追撃として地面から岩槍を繰り出す。
僅かに間を置いて、かつてこの食人鬼を撃退した水魔法を叩き込んだ。
魔王ダオスの扱うタイダルウェイブ程ではないが、それでも圧縮された激流、水のレーザーは殆んどの参加者を貫けるだろう。

だが……

「ワルイが、お前たちヲ相手にするんダ。コチラが何の準備モしていないわけがないダロウ?
 アアそうだ、外をウロツイテいたエイとトリの魔物はココの魔物カ?

 ジツに美味だッたゾ? おかげデこうして、お前ほどの使い手が放つ魔法スラかすりキズで済む程の耐性を得らレタしな」

【コロトラングル@世界樹シリーズ】翼たちに捕食され死亡。
【イワオロペネレプ@世界樹シリーズ】同上

561深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:48:28 ID:9P2xBe.w0
「……っ! そうか、そんなに……そんなにこの世界樹の養分にされたいなら、お望みどおりにしてあげるよっ!」

食人鬼は樹海守護獣まで喰らいつくし、完全とまではいかないがあらゆる属性に強い耐性ができていた。
さらに適当な食事で手に入れた植物耐性は大きく、その大本が大地の恵みルーンであるレストの魔法を著しく弱めていたのだ。

(まさか本当に、あらゆる属性に耐性がつくまで捕食行為を続けるなんてね……!
 僕は威力はともかく魔法を4種連続発動なんて器用な真似はできない以上、サクヤの援護を受けることはできない。
 魔法主体のダオスさんでもあれだけの耐性を突き破るのは難しいだろうし、なにしろあのラッコが持っている剣からは雷の気配を感じる。
 ダオスさんの唯一の弱点とも言える雷まで用意するなんて……これはダオスさんを狙ったのか、それとも彼を呼べなくして僕を狙ったのか……)

「どんなに策を練ってきたところで、無駄だよ……レベルを上げて、物理で殴ればいいんだからさぁ!」
「それハこちらのセリフだナ!」





その戦いは、あまりにも凄まじいものだった。

(これが……本当に人間の戦いっすか……?)

振るわれる剣によって発生する暴風は、弱者を寄せ付けることすら許さない。
ほんの少し前、自分達はステルス能力を駆使して懐深くまで接近できたが……あれは相手が手を抜いていたためだと今なら影薄三人は断言できた。
さっきよりもさらに速く、重く、鋭い斬撃の嵐。

「ナラバ、これデどうだ!?」

それを受け止め、かわすあの食人鬼も普通ではない。
もう魔法という存在には驚かないが、突然空中から剣の雨が降り注げば驚かずにはいられない。
さきほどは巨大な剣を蹴り飛ばしていたし、剣は無制限に湧き出るのだろうか?

「甘いね、吹き飛べっ!」

そんな無数の剣も、力を込めた剣の一振りで明後日の方向へ吹き飛ばされる。
双方共に、その攻撃の射程範囲が剣という武器の常識から遥かに逸脱しているため、影薄達は入り口付近に避難せざるを得なかったが……
素人目、遠くから眺めるだけしかできないが、剣の腕前はレストが勝っているように思えた。

「蒼ノ一閃ッ!!」
「くそっ!」

だが、勝負は中々つかない。
それは戦場が世界樹の前であるということが大きな理由であった。
放たれた巨大な刃は、相手を狙わず……世界樹そのものを狙っているのだ。
いかに世界樹が巨大かつ龍による防壁が張り巡らされているとはいえ、基本は植物。
高層ビルを連続でいくつも貫通するほど強化された蒼ノ一閃を受ければ、折れないまでもざっくりと痕をつけられることだろう。
それを防ぐために、レストはたびたび後手に回らされ、思うように攻めきれていない状態である。

「そろそろあたってくれないかなぁ」

そしてその隙を狙うように、ぼのぼのの援護攻撃が飛ぶのだ。時に銃で、時に剣で。
それも執拗なまでに頭部を狙って。
あの援護攻撃がなくなるだけでも、だいぶ戦況は変わってくるだろう。

(……どうしましょうか)

そんな中で黒子は、猟銃に手を伸ばしていた。
もし、あのラッコが倒れたならば……おそらく剣士の戦いはレストに軍配があがるだろう。
だがここで彼の手助けをすることは正しいのだろうか?
彼もまた、危険人物であることには変わりない。いくら自分達とは会話を許してくれても、基本は人間を嫌っているのだから。

562深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:49:07 ID:9P2xBe.w0
(……いや、悩む必要もなかったですね)

だが、黒子は躊躇わず銃口をぼのぼのへと向けた。
まだ出会って間もないが、レストにはまだ説得の余地があり……あの食人鬼達にはそれがないと思えたからだ。

(それに麒麟さんも大分慕っていましたし……本来は悪い人じゃないんでしょう)

銃を撃った経験はない。それでも方法は知っているし、この銃はかつて自分達を苦しめたあのベンが使っていた代物。
威力は十分であろうし、仮にラッコを仕留め損なっても動きを鈍らせることぐらいはできるだろう。
何しろ自分達は、トリプルステルスによって見えないのだから。じっくりと照準を合わせることが……


(……?!)


突然、ぼのぼのの首がぐりんと動き……
そのつぶらな、しかし狂気を感じる眼と黒子の眼が、がっしりと合った。

(まさか……!)

そしてぼのぼのは、その愛らしい顔のまま呟く。


「さきにらぁめんにしてほしいの?」


ステルスは、完全に見抜かれていた。
翼には及ばぬものの、ラッコ離れした速度でぼのぼのは一気に獲物へと接近する。
口を開き……ラッコにはありえないほど鋭い牙を覗かせながら。
黒子は引き金に手をかけるが、間に合いそうにない。


「いただきます――」
「っ!」


その瞬間、ぼのぼのの口は新鮮な肉にかぶりついた。

「チチッ?」

黒子の背後から投擲された、新鮮なマムルの肉に。
確かにいい肉であり、一番美味いとされる尻尾の部位だ。
一瞬頭の中が『おいしい』という言葉で埋め尽くされるが、すぐに自分の異変に気がつく。
そしてすぐに本能的に、元の姿に戻らねばと思う。

「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「――え?」

だが、その反応の遅れがぼのぼのの致命的なミスであった。
元の姿に戻ると同時に、桃子が振り抜いた斬鉄剣をその身体に受け……

「あ――れ――?」

消え行く意識の中、ぼのぼのは真っ二つにされた自分の身体を呆然と見つめることしかできなかった。


【ぼのぼの@ぼのぼの】 死亡

563深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:49:49 ID:9P2xBe.w0
「はぁ……はぁ……油断は駄目っすよ黒子くん……ステルスは匂いでばれることもあるんすから……うちの部長もそのタイプっす……」
「マムルの肉が間に合ってよかったよー……」
「すみません……」

肩で息をする二人の少女に、黒子は謝罪する。
相手は元は野生の動物だ。それが食べることに重点をおいて進化しているのだから、匂いは最も警戒すべき点であった。
危うく今度は顔面の皮だけでなく肉もなくなるところであったが、とにかく今回も大切な仲間に救われ、そして敵は死んだ。
結果的には上々と言えるだろう。


「ぼ――の――ぼ――の――?」


逆に。
大切な仲間……いや、特別な感情を向けていた男を目の前で殺された翼にとって。
この結果はあまりにも残酷であり、受け入れがたいものであった。


「ぼのぼのぉおおおおおおおオオオオオオオオオオォォォォォォォァッッッッッ!!!!!!!!?」


狂ったような、ケダモノのような声で絶叫する翼。
いや、血の涙を流し、牙も殺意も隠そうとしないその姿はまさにケダモノそのものであった。
戦っていた相手に背を向け、別の獲物を狙う行為など本来の翼であれば決してしない行為。
だがぼのぼのを失い、我を忘れた彼女はそこまで頭がまわらない。

「……君は神話を知っているかな?」
「ガアアアアァァァァァ!??」

そしてそれを逃がすほど、この男も甘くない。

「天羽々斬は須佐之男命の剣。だけど彼が退治した八岐大蛇の尻尾を斬った際に刃こぼれする。中にあった天叢雲剣のせいでね。
 ――天羽々斬は、天叢雲剣には敵わない」
「ガッ!??」

――剛剣一閃。

それだけで翼のシンフォギアは粉砕され、肩から腹部までを深く深く切り裂かれた。

「ゴフ……ガ……ぼ……の、ぼの……」

普通の人間であれば文句なく即死の一撃。
それでなくともレストの作り上げた天叢雲剣は、本来であれば掠っただけで敵を即死させることもある剣なのだ。
それでもまだ翼が息絶えることなく、零れ落ちたハラワタも気にせず地面を這いずりもがくのは……
既に事切れているとはいえ……ぼのぼのを、最後に一目見たいという願いのせいだろう。

「……」

あの傷ではもう長くない。それは誰の目にも明らかだ。
だからこそ、その場の誰もが追撃をすることもなく。
食人鬼の……いや哀れな少女の最期を看取ろうとしていた。




564深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:50:24 ID:9P2xBe.w0
「まさか、君たちに助けられるとはね……礼を言うよ」
「黒子くんもモモちゃんも武器構えるからびっくりしたよ。でも、あかりも肉で助けられたよね!? 主人公っぽいかな!?」
「あはは……まるでアゼルみたいだね。うん……君たちのおかげで、彼の仇も討てたよ」
「仇って、まさか……」

「ぼ……の……ぼ……の……」

かつてぼのぼのというラッコであった二つの肉塊を抱き上げる翼を、レストは無言で見つめる。
それだけで、彼とあの食人鬼の因縁は理解できた。

「ノ……ニク……」

「?!」

だが、その行為はまずかった。
どうみても死人同然の翼への警戒心が、無くなり過ぎていた。
誰に責任があったわけでもない、誰も咎めることはできない。だが事実として、そこには確かな油断と反応の遅れが存在した。

「ボノボノノニク、ニクにクニクニくにく、肉、肉ニックゥゥゥゥゥゥァァァアアアアアア!!!」

ぐちゃり、ぐちゃり、がりがりぼりぼり……

目の前の異常な光景に誰もが言葉を失ってしまう。
雄叫びをあげながら、獣が獣の死骸を貪り喰っているのだ。
それだけならまだいい。
ぼのぼのを喰らった翼の身体から黒い霧のようなものが立ち込めたかと思えば……先ほど負った致命傷が塞がっていっている。

「ば、馬鹿な……!?」

レストが飛び出す。今度こそ、この醜悪な化物を八つ裂きにして確実に息の根を止めるために。

「ふ、ハァ……」
「な――!?」

だが、相変わらず腹部から腸をこぼしたままの状態で、翼は笑っていた。
そして彼女もまた飛び出した。死に損ないとは思えぬほどの速さで。
――レストの横を、すり抜けていった。

「ハ、ハ、フ、ぼの、ボノの、カタキィィィ……!」

狙いは、先ほどと変わっていなかった。つまり、ぼのぼのを殺した三人の影薄。

マムルの肉はまだあった。
しかし、あまりの事態にあかりはもちろん残りの二人も身動き一つとれない。
当然だろう。彼らは戦闘経験もろくにない、ただの人間なのだから。

ぼのぼのを喰らい、真っ赤に染まった牙が迫る。

「あっ――」

565深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:52:12 ID:9P2xBe.w0
「く、おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ……っっっ!!!!」

だが、牙が彼女達を噛み砕くことはなく……代わりに、無理矢理身体を捻って飛び込んだレストの右腕に食い込んでいた。
本来であれば、盾を装備している左腕を伸ばしただろう。しかし、そんなことを考えている時間もなかった。
それでも剣の刺突で翼の頭部を破壊しようとしたレストは、さすがと言える。

(ぐ……こいつ、いくら苦し紛れに出したとはいえ……僕の刺突を、この距離でかわすなんて……明らかに身体能力が向上している……!)

だが、それは運悪く、最悪の悪手となっていた。
突き出された剣にあわせ、腕も伸びきった状態。さらに肘間接を巻き込んで噛み付かれては、思うように力が入らない。

「あ……? レ、レストさん……?」
「っ! いいからすぐに逃げろっ! こいつは……ぐぅ!?」

ぶしゅりと、レストの腕から初めて血液が噴き出した。
普通の人間では堪える間もなく、豆腐のように腕を喰われていただろう。
それがこの程度で済んでいるのは、彼の鍛え上げられた肉体と装備、そして大地の加護のおかげだ。

それでも、牙の一本が筋繊維の深くまで突き刺さった。
瞬間、本人の意思とは関係なく指の力が弱まり……剣がその手から零れ落ちる。

「しまっ――」

レストが左腕を動かすのと、翼が剣を拾うのはほぼ同時。

そして次の瞬間。
怪物の手に渡った天叢雲剣は。
その本来の主の右腕を切り飛ばした。

同じ名工が作った装備であれば、怪物の力が上乗せされている剣の方が勝るのは当然の結果と言える。


「――――っ!!!」


後ろから少女の悲鳴が聞こえた気がするが、腕を失ったレストはそれを気にする余裕などない。

(左腕、盾のガードは間に合った……! 右腕が無くなっても、胴体と両足は無傷、同時に拘束もなくなった……それなら……!)

すぐさま蹴りを翼の腕に打ち込み、剣を宙に飛ばさせる。
相手も腕を切断するためだけに振り上げた隙だらけの構えだったのだ。
そのまま空中の剣を左手で掴み、振り下ろす。

今度は翼の右腕が宙を舞う。
だが彼女はそれをまったく気にしたそぶりもみせず……切り飛ばされたレストの腕に齧りつこうとする。

「そう、簡単に、食わせてたまるか……! これでも、食べてろっ!」

レストは残された左手に力を集中させ、料理を生み出す。
ただし材料は都庁の引っぺがした壁材であり、それらから生み出された料理はいわばダークマター。超失敗作といわれる物質だ。
それを翼の顔面に叩きつけ、同時に自分の腕であった肉塊も蹴り飛ばして世界樹の中へ。

「オゴ、オゴァァアア、アアアアアアアアッ!?」
「サクヤ、合わせてくれ!」

超失敗作のあまりの不味さに翼は悶えるが、続けざまに天から降り注ぐ聖光にその身体を焼かれてさらに苦しむ。
そんな翼に対して、レスト渾身の正拳突きが撃ちこまれ、浮き上がったその身体にサクヤ渾身のフルスイングも叩き込まれ……
翼はそのまま遥か彼方まで飛ばされていくのであった。



566深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:54:22 ID:9P2xBe.w0
「レスト様、レスト様ぁ……!」
「泣くなってばサクヤ……ほらまだ左手は残ってるから、撫でてあげられるからさ……」
「ひっく、ひっく……」
「そしてなんで君たちまで泣くのさ……」
「だって……あかり達を庇って……!」

おびただしい量の血液で辺り一帯を真っ赤に染め上げ、様変わりしてしまった世界樹の入り口。
そこにはほんの少し前まであった和やかさは微塵も残っていない。
主催者が造ったかもしれない未知の物質の脅威、そしてそれを考えている最中に強襲して来た食人鬼。手痛い傷を受けた番人。
目まぐるしくかわる怒涛の展開に、誰もが混乱していた。

「……そうだね。確かに君たちを庇わなければ、少なくとも僕はここまで傷を負うことはなかっただろう」
「……!」
「でもね……動いたのは僕の意思だ。それに不思議と後悔はしてないよ。
 なんでだろうね、君たちと話してたら……昔を思い出したんだよ。あかりはアゼルみたいなこと言うしさ……
 気がついたら身体が勝手に動いてた。まあ、その前に僕も君たちに助けられてるし……おあいこでいいんじゃないかな?」
「で、でも……!」
「あー大丈夫大丈夫。僕は双剣も使える両利きだし、もう傷口は塞いでおいたし。多分首輪外せたら回復魔法で腕もまた生やせるんじゃないかな?
 むしろこれからのことを考えて起きている今の頭痛の方が辛いね」
「これから……ですか?」
「うん。……あいつは多分まだ、生きているからね」

その言葉に、泣いていた者達の涙も一瞬で引っ込んでしまう。

「ど、どうしてっすか!? だって、さっき……」
「ああ、あれは超失敗作で身体能力を一時的に奪って、さらに聖属性の耐性も下げたところをサクヤにかっとばして貰ったわけだけど……
 さっきはとにかく僕の腕を食べさせないことに必死だったんだよ。だって多分あれは……」
「……?……?!」

『謎の物質は殺し合いを促進させる物質じゃない。
 多分、体内の蓄積量が増えると徐々に身体を作り変えて化物にするんだと思う。
 だからあの時、ラッコを食べたあいつは傷が回復したし、身体能力が一気に上がったんだ。
 これ以上、謎の物質やあいつを放置すると――この世界が呑み込まれるかもしれない』


【二日目・3時30分/日本・都庁入り口付近】

【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】中ダメージ、中疲労、右腕喪失、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減、サクヤの飼い主
【装備】天ノ村雲ノ剣、草原のペンダント
【道具】支給品一式、不明品、風鳴翼の右腕
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:まずはダオス達に未知の物質、進化する翼の存在などを伝え、今後の行動方針を決める
1:ここの影薄三人は、とりあえず助ける
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:鬼灯、影薄と魔法少女組を警戒
4:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
5:まどかに自決されて魔物の士気が下がっても困るので、しばらく敵は半殺しで我慢
※影薄との情報交換により、大気中の物質の存在を知りました
※少なくとも首輪を外さない限り、通常手段では右腕の再生はできません
※都庁の世界樹はナノマシンの浄化も可能ですが、限度があります

567深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:54:56 ID:9P2xBe.w0
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】健康、混乱、落ち込み
【装備】猟銃@現実
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書、ウィンチェスターM1912、エンシェントソード@Minecraft
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:これからどうすれば……
1:友人たちと生き残る
2:空気中に漂う物質への対処法を考える

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康、混乱、落ち込み
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式、スマホ、謎の物質考察メモ、筆記用具
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:空気中に漂う物質への対処法を考えたいけど……
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:スマホを使ってネットで情報を探る
3:DMCファンだけど信者の暴動にはドン引き

【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康、混乱、落ち込み
【装備】なし
【道具】マムルの肉@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
0:主人公らしく活躍できたと思ったのに……
1:混沌の騎士の分も頑張る
2:まどかと同じく、人間と魔物の共存に賛成
3:オオナズチ以外の都庁のモンスターの背中に乗ってみたい

【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】健康、混乱、落ち込み、調教済み
【装備】戦鎚、黒子の服、布切れ
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
0:もっとレスト様を支えられるようになるには……
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:オオナズチにはいずれお返しする





――ああ、痛い。痛い。腕を落とされて、まだ腸もはみ出たままだ。殴り飛ばされた衝撃で全身の骨も砕けたみたいだ。
――でも何故かな……ぼのぼの。
――君が私の中にいると思うと、すごく安心するんだ。とても満たされて幸せな気持ちになる。
――ぼのぼのを食べてから、妙に身体の調子がいいんだ。相変わらず腹は減るがな?
――なんというかこう、ちょっとの怪我ならすぐに治るような……そう、再生能力にでも目覚めたのかな。
――これも、ぼのぼののおかげなんだろう?
――ありがとう。いつも私は助けられてばかりだな。
――レストの腕を食いそびれたのは辛いが、血液と肉片だけであれだけ美味しかったんだ。きっと全身はもっと……
――そうかそうか、ほんとうにぼのぼのは脳味噌が好きなんだな。わかったわかった。今度こそきっとご馳走するよ。
――私の好きな部位?そうだな、やはり最初に食べたからか腸だな。歯ごたえがたまらなかったよ。
――あ、一心同体になったから半分この必要もないのか。やったなぼのぼの、たくさん食べられるじゃないか!

――ところでぼのぼの、少し聞いてくれるか?




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