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ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3

1名無しさん:2013/04/07(日) 12:38:07 ID:6NYUY/JY0
春です。



本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。



ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。



またの御アクセスをお待ちしております。

wiki ttp://www34.atwiki.jp/niconico3nd/
前スレ ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14759/1336579927/
したらば ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15395/

349世紀末吸血主 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 17:56:18 ID:UC4o03W.0
「くそっ面倒な事になってきやがった!」

あの黒服の男とクマから逃げる為にゲギド街を離れたロックオン。
だが彼は未だに第二の隠れ家を見つけられずに居た。
気付けば、第二放送まで迎えてしまう有様。
流石のロックオンにも焦りが見え始める。

(“民家”や“建物”だけなら幾らかあったが、少なくとも身を隠すには向いてはいなかった。
 ……あの古本屋のように“娯楽”や“調理場”があるのが理想だが、早々あるものじゃないか。
 となると、孤城して殺し合いをやり過ごすって方針は変えるべきかな)

むしろ今までが順調過ぎたのかもしれない。
あの男達の襲来まで気付かなかったが、本来あそこまで参加者に出会わなかった事自体が奇跡だった。
どこぞのボッチだって、最近は人と遭遇したのだからロックオンなら尚更だ。

(参加者との遭遇を避けるのは止めて、むしろ殺し合いに否定的な参加者と行動を共にする。
 ある意味こいつが一番現実的で理想か。フランクの件もあるんであまり他人とは関わりたくは無かったんだが)

一先ず何時でも戦闘を行えるよう銃を構え辺りを警戒しつつ歩く。
殺し合いに積極的な参加者が、待ち伏せや何らかの罠を張ってる可能性もある。
バトルフェーダーも使ってしまった以上、警戒をするに越した事は無い。

(ん? 人か。 随分とふらついてるが)

そうしてから数分後。一人の男を見つけた。
体格は優に190cmは超えており、青い衣類を纏っている。
更にただデカイだけではなく、がっしりとしたその肉体は見るだけで人を圧倒させる程だ。

(あんまし関わりたくは無いが。まあ銃があるこっちの方が有利だろう)

この判断は間違いでは無かった。
あの男は素手で武器を持っている様子も無かった。それにあの体つきを見るに格闘家の類ともみえる。
近距離ならば戦闘では不利になるが、逆に遠距離ならばこちらが有利。
つまりある程度距離を以って接すれば、例え殺し合いに積極的な者でも恐れるに足らない。
無論、最初にあった男声の女のような妙な技を使う可能性もあるが。
その時はその時、リスクなしで成果は早々得られるものではない。

350世紀末吸血主 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 17:56:57 ID:UC4o03W.0

「よお。お互い災難だな」

先ずは軽く親友にでも話しかけるような感じで話しかける。
少し馴れ馴れしいかとも思ったが、あまり暗く警戒心むき出しよりかは良いだろう。

「水」
「? 何だ水だって?」
「“水”!!」
「――!」

十分に距離は取ったはずだった。
ロックオンもプロだ。狙いを外すことはあっても間合いを見誤るようなことはしない。
ただ、それ以上に男の踏み込みが強く速過ぎた。ロックオンですら反応が遅れるほどに。
気付けば、手を伸ばせば届くほどの距離に接近を許してしまった。

「この――」

混乱に陥り、正常な思考が出来なくても無理もないこの状況で、銃を構え、狙って、打つ。
この三つの動作を僅か1秒足らずで成し得たロックオンは良くやったと言える。
だが対する男は手刀でロックオンの胸を貫くという一つの動作。

「ぐ、ぁァ」

一瞬で勝敗は決した。
ロックオンは心臓を貫かれ、血を撒き散らしながら地面へと崩れ落ちた。
ケンシロウは絶命していくロックオンなど脇目もくれず、バックを引っ手繰ると水を取り出して口に流し込んだ。

「やっとまともな水だ……」

このところ碌な水が全く飲めなかった。
誰かが毒を放り込んだのか、川の水は触れれば痛くて飲めたモノではなかったし。かなり前にあった二人組はうろ覚えだが逃げられた。
海水を飲むというのも考えたが、不味いので却下。
さらに一時期記憶も曖昧だったりと災難続きだ。
幸い赤い海が元の青い海に戻ってから、また記憶は安定してきたが。

「もう、無いのか……」

どうすれば良い。
このままでは干からびて大変な事になる。
もうこの際何か水分なら何でも……。

「……仕方ない」

この時、ケンシロウの脳裏に恐るべき思考が走る。
絶え間なく流れ続ける赤い液体。
地を赤く染めていくそれは血液。

「飲んでみるか」

とうとうケンシロウは我慢の限界ゆえその狂気に身を任せた。
ロックオンの死体を抱き上げ、胸に開けた穴に口を付けズズズッと啜っていく。

(こ、これは……)

美味しかった。
水の次ぐらいに。

「……水、血でもいい」

ロックオンの血を吸い尽くしたケンシロウはまた新たな水と血を探し始めた。

これもう(何処向かってるのか)わかんねえな。



【ロックオン・ストラトス(ライル・ディランディ)@武力介入できないCBシリーズ】 死亡

351世紀末吸血主 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 17:57:30 ID:UC4o03W.0



【D-04/1日目・午後】

【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、片腕回復、屍人化停止…
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×3
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:湧水があるなら確保しておきたい。
3:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
4:士(名前は知らない)はいいやつだ。
5:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も戻ってきています。

352 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 17:58:03 ID:UC4o03W.0
投下終了です

353名無しさん:2013/11/02(土) 19:15:51 ID:.8fe9Sk.0
投下乙です

ケンシロウは悪い意味でぶれねえなあw

354名無しさん:2013/11/02(土) 19:34:03 ID:NxlPZqR60
投下乙

血を分けてくれる参加者なんかいるかよwwwww
あと思ったんだけどケンシロウって190cmも身長ないよ
正式には185cmだよ

355名無しさん:2013/11/02(土) 20:24:31 ID:XMoK/EQc0
投下乙
世紀末求血鬼だこれ

356名無しさん:2013/11/02(土) 21:08:44 ID:RW2/7yIQO
投下乙です
ケン王、もはや悪鬼と化しているな。

357名無しさん:2013/11/02(土) 22:44:22 ID:uUfO6Mfk0
投稿乙
閣下ほどアニメやゲームについて語ってるニコニコキャラもいないだろうなあ
参加者達が自分らが「ニコニコ経由のフィルターにかかったキャラ」だと
気付く時は来るんだろうか

358 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 23:29:21 ID:UC4o03W.0
>>354
ご指摘ありがとうございます
wikiの方に直接修正しておきました

359 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/03(日) 18:52:22 ID:48YP1kxk0
投下します

360私気になります! ◆FbzPVNOXDo:2013/11/03(日) 18:53:38 ID:48YP1kxk0
「譲治までやられ、更に首輪もまた外されただと!」
「落ち着いてください。まだ殺し合いの進行は……」
「黙れ!! これが落ち着いていられるか!」

八つ当たりのように喚き散らすアリアス元大統領を宥めるベネット。
第二回放送後から同じ光景を二人は繰り返してきた。

「冗談じゃないぞ。私はあのメイトリックス大佐に、復讐出来ると聞いたから手を貸したんだ。
 私を殺した憎きメイトリックスにな!!」
「ええ、そうです。俺たちが今回の“依頼人”(クライアント)に手を貸したのはその為です」

二人に共通するのは一度死んだ後にその“依頼人”によって蘇させられ殺し合いの片棒を担ぐよう命じられたということ。
そして殺害者がどちらもジョン・メイトリックスで、その復讐が出来ると聞かされたということ。

「それがどうだ。我々は安全な場所から高みの見物の筈が……見ろ! 速水もこみちの時から薄々可笑しいとおもってたんだ!
 またカズマとかいう参加者が首輪を外したじゃないか!!」
「安心して下さい。何があっても連中はここには……」

一度目の死で、アリアスはこの世に絶対など無いという事を嫌という程思い知った。
例えどんな凄腕のプロを何人も雇い、念密な計画を立て自らの野望を達成させようとしても、それは容易く一人の筋肉モリモリマッチョマンに崩されることもある。
それを嫌という程、彼は知り死んだのだから。

「ふっ何を根拠に……一度死ぬ前にも君はメイトリックスから私を守ると言っていたな?
 それがどうだ? 私を守るどころか一緒にあの世で、気付けばこんな訳の分からん殺し合いの片棒を担がされてるじゃないか!」
「……」

だというのにこんな想定外の連続ではベネットのいう事など信じられようが無いのは無理もないことだった。

「何だ? 何か言ったらどうだ! ベネット!!」
「エンリケ」

ズドンッ

鈍く重量のある音と共にショットガンから散弾が飛び出す。
アリアスは内臓をぶちまけ、血を撒き散らしながら吹っ飛んだ。

「良いんですか?」
「構わん。依頼人からは邪魔なら消しても良いと言われてる。
 これはサリーと一緒に片付けとけ」

僅かに痙攣した後動かなくなったアリアスを、今度はサリーが担架の上に乗せてシーツを敷く。
エンリケと共に担架を持ち上げると、そのまま部屋から出て行った。

「さてどうしたもんかな」

二人が出て行くのを確認した後、ベネットはソファに腰掛けた。

(やっぱり……この殺し合いは娯楽目的か?)

二回放送の時も考えたが、この殺し合いには不自然な事が多い。
実際のところカズマが首輪を外したのも、想定内なのか想定外なのかも分からない。
アリアスが騒いだのも当然ではある。

(少し連絡を取ってみるか、依頼人と)

361私気になります! ◆FbzPVNOXDo:2013/11/03(日) 18:54:11 ID:48YP1kxk0


【アリアス@コマンドー】死亡


【ベネット@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:依頼人と連絡を取る。

【エンリケ@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:アリアスの死体を片付ける。

【サリー@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:アリアスの死体を片付ける。

362 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/03(日) 18:54:44 ID:48YP1kxk0
投下終了です

363名無しさん:2013/11/04(月) 00:28:42 ID:T.E9nFiY0
乙です

ちょっと展開が早い気もするがアリアスが死亡して主催者らもごたごたしてきたなあ

364 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:13:48 ID:sWhc5Kp.0
投下します

365D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:16:48 ID:sWhc5Kp.0
「あははははははあ!!!」
「くっ―――速い!?」
「遅い遅い。遅すぎよォ!」

プラシドの剣を振るうランサーに、それを次々といなしランサーへと拳を放つディーノ。
ランサーは歯噛みする。サーヴァントの全力を以ってしても、未だ人間一人仕留め切れないこの状況を。
ランサーもディーノの攻撃を紙一重で回避しているが、それでも自身が追い詰められていると自覚する。
基本人間はサーヴァントには勝てず、本来の武器ではないとはいえ、使い慣れた剣を手にして尚これだ。
自身の不甲斐なさび嫌気が差し、ホモの執念に軽く引く。

「何故だ? これ程の腕を持ちながら、どうしてこのような殺し合いに乗る?」
「決まってるでしょう! 私は掘りたいの!! いい男をね!!」

まるで話しにならない。
何らかの目的があるのかと思えば、ただ私欲を満たす為だけに殺し合いを利用しているだけの下郎。
ランサーはその事への怒りに任せ、力一杯プラシドの剣を振るう。
だが、そのような剣はただ直線的で大振りなだけ、隙の多い駄筋に過ぎない。
一目で剣の軌道を見切り、ディーノは体を後ろに傾け間合いを外す。
そしてディーノは、剣を振るいきったランサーが剣を引き戻す前に、開いた間合いを詰め拳を握る。

(馬鹿ね。感情に任せた一撃はかわしやすいものよ。これで―――)

ディーノの拳はランサーを捉え、ディーノの全力を以ってして叩き込まれた。
鐘を鳴らしたような鈍い轟音が鳴り、大気が振るえ、拳に痛みが走る。
―――しかし未だランサーは健在。
ディーノの拳が触れるよりも早く剣を手放し、ハイリアの盾を装備し拳を向かえ打った。
その結果起きたのは

「う、があああああああ!!」

腕に込めたエネルギーの逆流。
硬い物を素手で殴れば痛い。子供でも分かる当然の摂理。
今、それがディーノの手を襲っていた。

366D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:17:21 ID:sWhc5Kp.0

「はっ!」

更に痛みの悶絶するディーノの足を払いのけバランスを崩した後、放ったプラシドの剣を回収。
剣の切っ先をディーノに向け、何時でも止めを刺せるよう構える。

「一応、聞いておこう。考えを改める気は無いか?」
「改める! 改めるわ!! だから助けなさい!!」
「嘘だな。ホモ特有の眼光が消えてない」
「ふざけるんじゃないわよおおお!!」

やっぱホモは汚い(確信)。
意味の無い問答を終え、ランサーは剣でディーノを貫いた。

「何をやってる!?」

その前に声が響いた。
訴えているのは、現状の説明とランサーの剣の静止。
ランサーとディーノが怪訝そうに割り込んできた第三者を見る。

機械的なベルトを付け、こちらを警戒しながら近づく男。
門矢士は事態を見極められずにいた。
彼がことの一部始終を見ていたのは、ランサーがディーノへと止めを刺そうとしていた場面。
この時点では、どちらが殺し合いに乗っているのかも分からない。
放置というのも考えたが、そうもいかないと士の正義感が彼を突き動かした。

「待て、これh「助けて、助けてよ!!」

ランサーが事態の説明を行うより早くディーノが叫ぶ。
咄嗟にランサーは判断した。ディーノはこの青年を騙し、この窮地を脱しようとしているのだと。
しかし、分かったところで止める前にディーノはある事ない事を口に出す。

367D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:17:54 ID:sWhc5Kp.0

「こいつが、こいつがあそこで殺された子達と私を……」
「いやあれはお前が……」
「聞いた? 今あの子達の事“あれ”って言ったわよ!」

士から見れば一見ディーノが襲われて、ランサーは殺し合いに乗った悪意ある参加者に見える。
だがディーノが嘘を着いているという可能性も否定は出来ない。

「剣を持っているアンタはそいつから離れろ」
「……分かった。従おう」

故に先ずは二人から距離を取らせ、尚且つ自分は変身しどちらが妙な気を起こしても対処できるように備える。
二人から更に事細かく詳細を聞き、何が起きていたのか見極めようとする為の策だ。

「さて、じゃあ先ずは名を聞かせてくれ」
「俺はランサー」
「ディーノよ」

バックルに触れカードを持ち、何時戦闘が起きようが問題ない体勢。
ランサーとディーノも同じ、何が起きてもいいよう構える。

「話を聞いてもらおう―――」

ランサーはここに来てから、キルリア、キュウべえと出会い。
そして彼女らを惨殺したディーノと戦闘になった事を告げる。
対するディーノは、その反対。
ランサーが彼女らを殺し、それに激昂したディーノはランサーと戦闘になったと異議を申し立てる。

せめてこの場にケン、あるいは星君でも居れば目撃者として真実はすぐに明らかになっただろうが。
当の二人はここには居ない。その為、彼らの真相を証明できるものはない。

368D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:18:26 ID:sWhc5Kp.0

士は揺れる。
どちらが正しいのだろうか。
もうこれ以上、死者は出さない。
自分の手の届く範囲で誰も助けられない。救えないのはもう懲り懲りだ。

(だがどっちだ……。どちらが正しい?)

ランサーとディーノを交互に見た後、士は二匹の無残な死体を観察する。
白い犬のような、猫のような生き物。あれがキュウべえとやらだろう。
死因は顔を抉られた事によるショック死のようだ。
無残に散らばる肉片が、それを物語っている。

(剣なんかじゃこうはならない……。それにこの抉りようは、もしや蹴り殺したのか?)

咄嗟に士はランサー達の足元を見た。
先ずランサーの足は、多少土で汚れてはいるものの不審な点は無い。
しかしディーノはどうだ? その靴にはベッタリと赤い液体がこびりついている。
もしキュウべえを抉り殺したのが、本当に蹴りなのだとしたらこの赤い液体、血液もその時に付着した事になる。

「お前―――」
「良い推理ね。感動的ね。だが無意味よ?」

真実に気付いた士が見たものは、醜悪な笑みを浮かべ一瞬にして視界から消えたディーノ。
背後から感じる悪寒。生理的ななんか色々なモノが交じり合った恐怖。
首を腕で固定され、尻に硬い物を当てられる。
ディケイドに変身しようとするも、カードを持った手も拘束され自由に動かせない。

「貴様ァ!」
「フリーズ! 俗に言う動くなって奴よ! この子の尻がどうなってもいいの!?」

甘かったとランサーは自身の認識が誤っていたと悟る。
ディーノが暴挙に出ようとすること位は推測できたが、彼はそれを止められる自信があった。
少なくとも単純なスピードに関して、最速のクラスであるランサーの自分が遅れを取るなど思えなかった。
むしろ下手を打って士がディーノの本性に気付ければ、またとない好機だとさえ思っていた。

369D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:18:59 ID:sWhc5Kp.0

(甘かった……。つい先ほどまで俺と互角に渡り合っていたのはまぎれもない、あのホモだったというのに……!)

「ふふふ、やっと掘れそうね……」
「や、やめろ。気持ち悪い」
「直ぐ気持ちよくなるわよォ」
「待て、その青年には手を出すな……」
「あら? 優しいのね。他人の心配をするなんて」

士を心配するランサーを見て、ディーノの中の変なスイッチが入った。
自身の失態を嘆くランサーの表情は、とてもディーノの加虐心を擽った。

「脱ぎなさい」
「は?(憤怒)」
「この子を助けて欲しかったら脱ぎなさい。全て脱いで全裸になりなさい。
 そして跪くのよ」

ヤバイ。
ランサーの背筋を寒気が走る。
これはかなり妙な事になってきたというか、完璧にアダルトな展開だ。
普通こういうのは、もっとこう女の子が脱ぐべきなんじゃありませんかねえ。
なんで男なんだ……。

「いや、それはちょっと……」
「早く脱ぎなさいよォ! それともこの子のアナルが掘られても良いの!!」
「待て、話し合えば分かる」
「分からないから、言ってるんじゃない! あくしなさいよ。
 取りあえず土下座よ。それからケツこっちに抜けなさい。あくしなさいよ」

なんだこれは……。たまげたなあ。
ホモはせっかち。ディーノのペ○スが士のものへと迫っていく。
ランサーも内心脱ぐしかないか。いやしかしここで脱いではと葛藤に駆られる。
これが命令してるのが女だったら、速攻で脱いでると推測出来るにランサーはノンケだと分かる。

370D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:19:31 ID:sWhc5Kp.0

「……全部か?」
「全部よ!」
「流石に下は勘弁してくれないか」
「ふざけんじゃないわよ! あく全部脱ぎなさい! あくしなさいよ!!」

(俺は、一体何をしているんだ?)

士は何処か、他人事のように思う。
仮面ライダーとして戦う。
別に下手に正義を語るつもりは無い。
ただ目の前にある。救えるものは救いたかった。
けれども、この場での自分はただの道化と言っても良いほど無様だ。
仲間一人禄に守れず。挙句人質に取られ、変な事を言っているホモに好き放題されている。

(いや、結局俺には覚悟が、決意が足りていないのかもしれないな)

何を為すべきか。何を信じ貫くべきか。

……流されていただけだった。
ただ主催への怒りの感情に任せ、それらしい事を言い偽りの力を振るうだけ。
そんな自分に何が守れようか。何を打ち倒せようか。

ここは今までのような世界とは違う。
勢いに任せ敵を倒して、それで終わりじゃない。

(所詮俺はただの破壊者か……。何も紡げず何も為せず場をかき乱して死んでいく。
 お似合いだな……ヒーロー気取りの馬鹿には、おあつらえの最期かもしれない)

もういい。
このランサーという男には、自分に構わず後ろのホモを倒して欲しい。
別に悔いなど無いから。

「もう駄目だわ。挿れるわね? 挿れるわよ!」
「ま、待て。分かった下着一枚で妥協しよう。どうだ?」
「無理ね。……さあ、行くわよ。もう止まらないんだから!!」

(―――でも。例え間違ってたとしても、俺はただのヒーロー気取りだったとしても……)

ディーノが士を掘ろうと、腰を僅かに下げたその瞬間。
拘束は緩む。ほんの少し、時間も力も少しだけだがそれは最大の好機。

「う、おおおおおおおおお!!!」

ディーノの鳩尾へと肘打ちを叩き込み。
ディーノの体勢が崩れかけたところで、士は全身に全力を込めがむしゃらに前へと突き進む。
士を戒めていたディーノの拘束から抜け出し、よろけながらもディーノの間合いから外れた。

371D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:20:15 ID:sWhc5Kp.0

「やばっ」

少し前まで興奮してたのとは打って変わり、今度はディーノの背筋を冷や汗が伝う。
不味い。有利な状況から一転、不利に追い込まれた。
間合外の士に攻撃の態勢を取るランサー。
いくらディーノでも、ランサー相手にタイマンでは分が悪いのは最初の攻防で経験済み。
とすれば、今自分に残されたのは……

「逃げるのよォォォ!!」

逃亡。
だが速度という一点においては、それはランサーが一手も二手も上回る。
単純な逃走では駄目だ。そう何か足止めするものが無ければ。

「あー勿体無いわね!」
「何を?」

パンツから取り出した、棘棘しいキラキラ光るヒトデ型の物体。
それをディーノは投げた。
確かにこの棘棘しさなら、投げて当たれば一溜まりも無いかもしれない。
もっともランサーに、この程度の投擲かわせぬ道理は無く。無意味に終わってしまうが。

「こんなもの……」

かわされた。当たり前のように。
だがこれで良い。本命は……

「!? ぐあ、がはっ」

門矢士。
丁度胸に当たり深く刺さりこんでくれたのは不幸中の幸いだ。
恐らくあれなら足止めとしても十分。
現にランサーは足を止め、士へと向き直っている。

これならば逃げ切れる。

「―――変、身……」



KAMEN RIDE


D E C A D E ! !




FINAL ATTACKRIDE DDDDECADE



士が仮面を着けた偉業の戦士へと変わり。
ホログラム状のカードを突き抜け、その飛び蹴りを自らに当てた。
それが、最期にディーノが見た光景だった。

ランサーの目の前でディーノが爆散し炎が巻き上がる。
その爆炎の中から、ディケイドの変身を解いた士がふらつきながらも姿を見せた。

372D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:20:50 ID:sWhc5Kp.0

「大丈夫か? しっかりしろ!!」

ランサーの姿を見て士は安堵したのか、全身の力が抜け地面に倒れこむ。
胸に開いた血は止まる様子を見せない。先のディメンションキックの反動で更に傷口も開いている。

「待っていろ。すぐに治療の出来る場所に……」

―――ああ……今度は死なせずに済んだ。
それもほんの自己満足に過ぎない。
だけど、最期にこれだけは貫けた。

「世界なんて……大それたものは俺は紡げなかったが……」

小さい。あまりにもこれは小さい。
だが、それでも確かに紡げたものもあると士は信じる。
例え自己満足でも良い。この身に変えて紡いだものが、この殺し合いを破壊すると信じて……

「メイト、リックス……。俺の、仲、間……。近く、居る……。この、事……伝え……てくれ」

世界の破壊者。仮面ライダーディケイドの旅は終焉を迎える。
幾たびの世界を巡り彼が紡いだものが、何を為すのか今はまだ分からない。

373D.K. ディケイドは世界を紡ぐのか? 最終鬼畜ホモディーノ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:21:23 ID:sWhc5Kp.0






「メイトリックス、か」

士の埋葬を終えランサーは数時間前、まどか達から知らされた情報を思い出す。
仮面を着けた男に最初に主催に逆らった男、メイトリックスが殺し合いに乗ったと聞かされたが、改めて疑問に思った。
断言は出来ないが仮面の男は恐らく士だ。
しかし、殺し合いに乗った様子では無かったし、メイトリックスもその仲間だという。

「会って見極めぬ事には始まらないか」

思考を止めた。
今ランサーの中では、まどかの証言より士の言葉の方が信用できた。
関わったのはほんの数分。だがその信念は嫌という程分かった。
そのような男が、殺し合いに乗るとは到底思えなかった。

真実を見極めどうするか決める。
更に何時の間にか消えたケン、そしてケイネスとの合流もある。
やる事は多い。休む暇など無い。

「行くか」

ディーノと士の支給品を回収した際、発見したゲイボルグを二、三度振るって士気を高める。

一人の戦士の勇姿を胸に刻み。
騎士は地を蹴り駆け出した。



【男色ディーノ@DDTプロレスリング】爆☆殺
【門矢士@仮面ライダーディケイド】死亡

【残り30人】



【H-04/1日目・午後】

【ランサー@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中)、頬にかすり傷
[装備]:ハイリアの盾、ゲイ・ボルグ@Fate/stay night、プラシドの剣@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品、シーザー・カエサル・エンペラー@人造昆虫カブトボーグ V×V
   グレーテルの基本支給品一式、コンビニ弁当、スター(ちょっと匂う。二日目早朝まで使用不可)@マリオシリーズ、北米化パッチ
   ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド(2時間使用不可)、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド
   ライダーカード(スペランカー)@ニコニコワールド、ライダーカード(イーノック)
   其為右手@真夏の夜の淫夢(残り使用回数7回)、
[思考・状況]基本:殺し合いには乗らず主催を討ち取る。
1:ケイネス、ケン、メイトリックスを探す。
2:まどかの証言に疑問。
※参戦時期は不明ですが少なくともセイバーと戦った後です。

374 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/04(月) 06:21:55 ID:sWhc5Kp.0
投下終了です

375名無しさん:2013/11/04(月) 10:57:25 ID:ZPU/8BR6O
投下お疲れ様です
やったぜ。(爆発の感想)
そしてもやしもここでついに倒れたか……色んな意味で緊張感のあるいい戦いだった……!
彼の想いを受け、果たしてランサーはどこまで突き進めるのか

376名無しさん:2013/11/04(月) 17:05:45 ID:TPXgyyYA0
投下乙
士ああああああああああああああ!!
初っ端からかわいそうな目に遭ってばかりだったけど最後は守れてよかったな
あとこれでホモ勢全滅か!(歓喜)

377名無しさん:2013/11/04(月) 21:39:34 ID:8chy8JiY0
投下乙です
ホモ特有の眼光を見抜くランサーに草不可避ww

378名無しさん:2013/11/05(火) 15:33:21 ID:QaVL0ofQ0
投下乙です

そうだよ、こういう長くて濃いSSが読みたかったんだよ
よかったです、思い切りワロタw

379 ◆yZJRtWQFk.:2013/11/07(木) 00:52:05 ID:jowGsRXw0
投下します。

380暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk.:2013/11/07(木) 00:56:36 ID:jowGsRXw0
『聞こえるか? エンリケだ。これから第二回定時放送を始める』

二度目の定時放送を、早苗達はF-2の市街地にある民家の中で迎えた。

『皆が戻ってくるまで建物の中に身を隠そう』。その提案をしたのは海東だ。
なるべくここから離れるなという権兵衛の指示に反する事になるが、今ここには足に怪我を負った子供もいる。
この少年(名をムラクモというらしい)の応急処置はひとまず済んだが、まだ暫くは安静にさせてやらねばならない。
その為にも、仲間達が戻ってくるまでは少しでも安全な場所で彼を休ませた方がいい。そんな至極真っ当な意見だった。
早苗も今はとりあえず少年の安全を確保したい気持ちでいた為、彼の提案にすぐさま賛成した。
そうして三人は近くの適当な民家の寝室を借り、暫しの休息を取る事にしたのだった。


『―――次の放送はこの俺が担当する。それまで精々生きててくれ』

ベネットと名乗る男の声を最後に放送は途切れた。

「……終わり、ですか。どうやら皆様方はご無事のようですね」

見張りの為に窓際に立っていた海東は、ニコッといつもの笑みを浮かべながら言った。
早苗達が今ここで帰りを待つ者達の名前は、幸い発表された死亡者リストの中には含まれていなかった。

「…………聖さん……」

しかし海東の予想に反して、早苗から喜びの声が上がる事はなかった。
ベッドの横に置いた小さな椅子に座り、どこか哀しげに顔を伏せたままの早苗。
放送が始まるまでは騒々しい程元気に場を和ませていたというのに、今では一変して表情を曇らせている。

「早苗さん、もしやお知り合いだったのですか?」
「……私の友人でした」
「そうでしたか……申し訳御座いません、このような事をお聞きして」
「いえ、海東さんは悪くないですよ」

自分のよく知る誰かが、『死亡者』として名前を呼ばれる。
その度に早苗の心はチクチクと痛み続けていたのだが、今回の放送で受けたダメージは今まで以上に大きかったようだ。
趣味を通じて交流を深めた仲間を失ったショックは、単なる顔見知りを亡くした時とは比べ物にならない。

「お気持ちはお察しいたします。私も仮面ライダーですから、時には戦いの中で仲間を失う事もありました」

海東はゆっくりと早苗の元に歩み寄ると、彼女の白く細い肩にポンと手を置いた。
その手は大きく温かく、傷ついた心の痛みがほんの少し和らいだような気がした。

「しかし、落ち込んでいてはいけません。ご友人の為にも、今は生きてここから脱出する事に専念すべきです。
 貴女にはきっとやるべき事があります。涙を流すのは全てが終わってからでも遅くありませんよ」
「…………そう……ですよね」

早苗は一息だけ深呼吸すると、自らの両頬をぱしぱし叩いて渇を入れた。
わかっている、この仮面ライダーの言う通りだ。今はまだ悲しみに暮れている場合ではない。
死んでしまった人達を弔うのは、無事に幻想郷に帰ってからだ。
決意を固めた早苗は、椅子からすっくと立ち上がる。

「海東さん、顔に似合わずすごくいい事おっしゃいますね! おかげで元気が出てきました!」
「顔……? いえ、お役に立てて光栄です。やはりそうして元気に笑ってる方が貴女らしい」
「みんなで力を合わせて、必ずここから脱出しましょう!!」

なんて頼り甲斐のある人なのだろう。やはりこんな風に他人を思いやれる人でないと正義の味方にはなれないのだ。
そんな事を思いながら、早苗は感謝と尊敬の気持ちを込めて深々とお辞儀をする。
そして頭を上げて天使のような笑顔を見せると、部屋の窓際まで駆けていった。
窓から差し込む昼間の日差しの中で、そっと目を伏せ、天に向かって祈りを捧げ始める。



―――聖さん。そして星さんも。
―――皆さんの事、皆さんと協力してコスプレした時の事、私は一生忘れません。
―――ですから、今はどうか待っていて下さい。
―――幻想郷に帰ったら、聖さんがお好きだった魔法少女リラメル☆鈴木のコスをお供えします!



……友の為に純真な祈りを捧げる少女の背後で、海東はニヤリと笑みを浮かべる。
正義の味方にはとても出来ぬ、邪悪めいた笑みを。

381暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk.:2013/11/07(木) 00:58:47 ID:jowGsRXw0





「早苗さん、私は少しの間ここを離れます」

祈りを終えた早苗が椅子に座り直そうとすると、海東は唐突に話を切り出した。

「もこみちが倒れたようですし、そろそろ皆様方が戻ってくるかもしれません。ですから彼らと別れた場所に行ってみようかと思いまして」
「あ、じゃあ私も!」

早苗はいそいそと出発の準備を始めようとするが、海東は手で遮りそれを制止する。

「……私一人で十分です。暫くしたら戻りますので、貴女はここで彼の傍についていてあげて下さい」

そう言って海東はベッドの方向へ目配せした。
ベッドに座るムラクモは、権兵衛の考察メモを無言で読み耽っている。
眉間に皺を寄せて真剣に文書に目を通すその姿からは、この年頃の少年にしては妙に厳かな雰囲気が漂っていた。
確かに怪我した少年を一人残していくわけにはいかない。無暗に連れ回すのも傷に障るだろう。

「わかりました。でも、くれぐれもお気をつけて下さいね」
「ええ。叫べば声の届く距離ですから、何かありましたらすぐにお呼び下さい。よろしくお願いいたします」

海東は斜め45度の一礼をすると、自分のデイパックを背負って部屋から出て行った。


(海東さん……)

早苗は思った。きっと海東は自分達を気遣って自ら危険な役を買って出てくれたのだと。
それは正義の味方である仮面ライダーとして当然の責務かもしれないが、それでも感謝せずにはいられない。
自分も彼に頼ってばかりではいけない、任された務めを果たさなくては。
早苗がムラクモの方に目を向けると、いつの間にか彼もメモを読むのをやめて早苗をじっと見つめていた。

「心配は御無用ですよ、ムラクモくん。いざとなったら私が守ってあげますから!」

エッヘンと力強く胸を張りながら語りかけてくる早苗に、ムラクモは無表情のままこくりと頷いた。

「……ねえ、早苗さん」
「なんです?」
「早苗さんには……どんなものが支給されたの?」

仲間の支給品の確認。バトルロワイアルの参加者なら当然やる事だ。
早苗は微塵も警戒する事なく、椅子の足元に置かれたデイパックを引き寄せる。
そしてごそごそと中身を物色すると、一枚のカードを取り出した。

「じゃじゃーん、まずはこれ『幸運の運び手エポナ』! どんな攻撃もガードしてくれるディフェンスに定評のあるカードです!」
「玩具みたい」
「見た目で判断しないで下さい、私の命の恩人なんですから! 一度使うと二時間使えないからエポナゲーには出来ないですけどね」
「……前に使ったのは何時間前?」

これを使用したのは、あのケンシロウを名乗るヘルメット男に襲われた時。
まだ黎明の頃の出来事だから、既に半日は経過しているはずだ。
その事を伝えると、ムラクモはフム……と相槌を打ってカードを手に取りしげしげと眺め始めた。
それは子供が好奇心で玩具を眺めているというより、駒を手に入れ計略を巡らす軍師の目に近かった。

「……返すよ。これの他には?」
「二つ目は電磁サイリウムですね。よくお祭りで売ってる光る棒、わかりますか? あれに電気が流れて武器になるんです!」
「電気か。他には?」

如何にも子供が好きそうなものなのに、思っていたより反応が薄かった。
早苗はちょっぴり拍子抜けする。

382暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk.:2013/11/07(木) 01:01:16 ID:jowGsRXw0
「三つ目は、AT-4です! AT-4っていうのは、」
「携行対戦車無反動砲のこと? 使い捨て式の」
「あ、知ってるんですか。一発しか撃てないですが強そうですよね! バックブラストがあるので撃つ時は注意ですけど」

説明書にも書かれているが、AT-4発射時は反動相殺のバックブラストにより後方90°60mの範囲内は危険区域だ。
注意しなければ後方にいる味方や自らをも火傷の危険に晒す事になる。無論、屋内からの発射など出来るはずもない。

「CS型じゃないんだ」
「シーエス?」
「知らないのか。AT-4CS、市街地戦用にバックブラストを抑えたAT-4の改良型だ。
 従来型は燃焼ガスで反動を相殺するが、CS型は代わりに塩水を噴射する事で閉所でも安全な無反動射撃を実現している」

ムラクモが権兵衛ばりにすらすらと垂れ流した薀蓄を、早苗はぽかんと口を開けたまま聞き入っていた。
それは彼の知識に感心したのではなく、今までの無口さとのギャップに呆気に取られただけだったのだが。

「ムラクモくん、詳しいですね。まるで本物の軍人さんみたいです」
「……。軍事兵器はよく調べてるんだ。単なる趣味だよ」
「いーえ、わかります、わかりますよ!! 兵器は男のロマンですよね!」

何故か少々ばつが悪そうに顔を逸らすムラクモに対し、目をキラキラと輝かせながらグッと親指を立てる早苗。
別に男ではないが巨大ロボが好きな早苗には、男の子が兵器に憧れる気持ちがよく理解できた。
それに、早苗は彼の思いがけない一面を知れた事を内心嬉しく思っていた。
無口で無愛想で自分をあまり曝け出そうとしないこの少年の心にほんの少しだけ近づけたような気がしたから。
彼がどこかばつが悪そうにしているのは、ミリタリーオタクである事を隠すつもりだったからだろうと解釈した。

「わかってくれて助かるよ。AT-4、せっかくだから触らせてくれないかな。重さを知りたいから」
「今は持ってないですよ」
「何?」
「武器が足りなくて困ってた海東さんにあげちゃったんです。電磁サイリウムと一緒に」

その事実を知ると、ムラクモは途端にガッカリした様子を見せた。
海東が帰ってきたら頼めばいいだけのはずなのに。彼の落胆の理由がわからず、早苗は首を傾げる。

「それってつまり、今は何にも武器を持ってないの?」
「持ってないですけど。あー、もしかして不安なんですか?」

今この場にいるのは少女と子供の二人だけ。海東は不在で、その上武器すらない。
こんな状況ならば不安を覚えるのも仕方がないと早苗は納得した。
まだ会ったばかりで会話も碌に出来ていなかった彼は、早苗が何者であるかを知らないのだから。

「ご心配には及びません。武器がなくとも、私には奇跡を起こす”神”の力がありますから!」

その言葉に、ムラクモはぴくりと反応する。

「…………”神”?」

フッフッフ、と早苗は何やら意味ありげに笑ってみせる。
そしておもむろに椅子から立ち上がると、腰に手を当て堂々と胸を張った。

「この私をただの巫女だとお思いだったんですか? 一緒にされては困ります!
 私は一子相伝の秘術で奇跡を起こし、人間でありながら信仰を受けるようになった―――」

そこで一呼吸溜めて勿体ぶりながら、早苗は得意満面にカミングアウトする。

383暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk.:2013/11/07(木) 01:04:15 ID:jowGsRXw0


「人でもあり、神でもある―――”現人神”の末裔なのです!!」


―――沈黙。

ドヤ顔を決めている早苗。何故か言葉を失っているムラクモ。
彼は真っ赤な血色の目を見開き、早苗の頭から爪先までじろじろと凝視している。
正直彼がここまで驚くとは思っていなかった為、早苗はちょっぴり良い気分だった。

「…………げ、現人神」
「あらひとがみです」
「本気で言ってるの?」
「私はいつだって本気ですよ! やっぱり信じてませんね?」

とはいえ、疑われるのは早苗にとっても予想の範疇だ。
幻想郷ならいざ知らず、外の世界でいきなり神様宣言されて信用する人間などいない。
寧ろ頭が可哀想な子だと思われても仕方ない。それが外の世界の常識だからだ。

「ならば私が起こす奇跡の力で信じさせてあげましょう! ムラクモくん、そこにある水を手に持っていただけますか!」

早苗はビシッとベッドの宮棚の方を指差す。そこには飲みかけのペットボトルの水が置かれている。
彼は何度も訝しげな眼を早苗に向けながらも、その水を手に取った。

「その水から目を離さないで下さいね。行きます!」

早苗は目を瞑り、右手で五芒星形の印を切りながらボソボソと呪文らしきものを唱える――その時不思議な事が起こった。
ペットボトルは動かしていないのに、ボトルの中の水だけが突然ひとりでに揺れだしたのだ。
そして無色透明だった水が、見る見るうちにオレンジ色に色づいていくではないか。

「水をオレンジジュースに変化させてみました。これぞ現人神の力、これぞ八坂の奇跡です!」

ドヤァ……と得意げに胸を張る。だが彼女の予想に反してムラクモの反応はいまいちだ。

「それだけ?」
「いえいえ、これは簡単な営業用奇跡ですから! 本気になればもっと大それた事も出来ますよ」

実際それは早苗が里の子供達を相手によく使っていた手品レベルの奇跡だった。
呪文詠唱が一言で済むお手軽なもので、それでいて子供ならとても喜んでくれるのだ。
年相応でない彼に合わせて別の奇跡をチョイスすべきだったかとちょっとだけ後悔する早苗。
そんな彼女を前に、ムラクモはフッと鼻で笑う。

「なら、他にどんな事が出来るの。…………”現人神”さま?」

ひたすら抑揚がなく、感情の篭っていない声。
だが元々彼の台詞は起伏が乏しい方で、早苗は別段気にする事はなかった。

384暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk.:2013/11/07(木) 01:07:14 ID:jowGsRXw0
「雨風を喚ぶのが主ですね、快晴の日に大雨を降らせたり出来ますよ。あとは海を割ったり、客星を輝かせたり」
「蘇られる?」
「え?」
「死んだ後に何度でも蘇られるとしたら、それは”奇跡”と言っていいよね?」

唐突にそんな事を言われて唖然としない訳がない。
早苗は大きな目をぱちくりとさせるが、またすぐに笑顔を取り戻した。

「ステキですねそれ、中二感がたまりませんっ! そんな秘術があれば良かったのに」
「ないの?」
「ないですよ、守矢の秘術には。『東風谷は滅びぬ、何度でも蘇るさ!』とか言ってみたいですけどねー」

そんな先代にホイホイ甦られたら一子相伝の意味がない。
尤も幻想郷には人間が死後に復活した例も、人間が数百年単位で転生している例もある事にはある。
ただ前者はほぼ人間をやめているようなものだし、後者は色々と面倒な制約があって早苗はあまり憧れなかったのだが。

それを聞いて、ムラクモは再び鼻で笑った。


「死ねば終わりか。……それで良い」

「え?」


小首を傾ける早苗にはわからぬように。

ムラクモは、自らの体内に仕込まれた”ソレ”のスイッチを入れ。

出力を、一気に最大まで引き上げた――――――――――――――

385暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk.:2013/11/07(木) 01:09:03 ID:jowGsRXw0















「――――早苗さん、いらっしゃいますか!? 一大事です!」

窓の外から突如飛び込む鬼気迫った声。

「わっ!? な、何事ですか海東さんっ!」

突然の事に面食らいながら振り返る早苗の後ろで、ムラクモは即座にソレのスイッチを切った。
海東は開けていた窓から部屋に侵入し、慌てた様子で彼女に近づいてくる。

「実は、権兵衛さん達と別れた場所に、こんな物が……」

そう言って、ピラッと一枚の紙切れを差し出す。何かの紙の端を小さく破ったもののようだ。
その紙切れにはクッソ汚い字でこう書かれていた。

 ◇

   先に光写真館へ向かいます
   このメッセージに気づいたら追ってきて下さい
   事情は後でご説明します
                          権兵衛
 ◇

「汚い字ですね」
「汚い字、ですか。犬らしい」

これが犬の妖怪である権兵衛が書いたものだとすれば、このミミズののたくったような字も納得できる。
まさか彼らが自分達を置いて先に行ってしまうなんて。
やはり誰か一人でもあの場所で待っているべきだったのかもしれない。
果たしてどんな事情があったのだろうか。説明を省く程に時間に追われていたのだろうか。
それに、シャロやリュウセイに代筆を頼まなかった理由はなんだろうか。
もしや――。理由を考えれば考える程に、早苗の背中に嫌な汗が流れた。

「こっ、こうしてはいられません、早く追いましょう! ムラクモくん、歩けそうですか!?」
「いいよ、心配しないで」

早苗は出してあった食料や水を急いでかき集めてデイパックの中に放り込む。
ムラクモはいつの間にやら先に荷造りを終えていた。

「とはいえ、ムラクモくんにあまり無理をさせるとまた足の傷が開いてしまいます。
 ……早苗さん、こんな事を女性にお願いするのも申し訳ないですが、彼を背負っていただけませんか?」
「私がですか?」
「本来なら私の役目でしょうが、いざという時に貴女様方を守る為にも両手は空けておきたいのです」
「なるほど、でしたらお任せ下さい!」

早苗は快く引き受け、ベッドに座るムラクモに背を向けて身を屈めた。
しかし女性の背を借りるのはプライドが許さないのだろうか、ムラクモ本人は少々遠慮気味だ。

「見栄なんて張らなくていいですよ、怪我人なんですから。それに、私は空を飛べますからね!」

早苗は半ば無理やりムラクモを背に担ぐと、ふわりとその身を宙に浮かせた。
提案した海東自身もこれは想定外だったらしく、ほう……と思わず嘆息した。
ムラクモは彼女の背でほんの少しだけ目を見張ったが、奇跡に慣れ始めていたのかさほど驚く事はなかった。

「すごいですね。私の世界には空を飛べる人間なんていませんでした」
「幻想郷では常識に囚われてはいけないのです。さあ、早く権兵衛さんを追いましょう!!」

386暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk.:2013/11/07(木) 01:12:00 ID:jowGsRXw0



 ★ ★ ★



―――駄目だ、まだ笑うな……こらえるんだ、し、しかし……。

あまりに上手く事が運び、俺は笑いを押し殺すのに必死だった。

権兵衛は光写真館になど向かっていない。それどころかまだあの場所に戻ってきてすらいないはずだ。
この書置きは手駒達を動かす為についさっき俺が偽造したものだ。
いくら思慮の浅い女子供が相手とはいえ、権兵衛との約束を無下にすれば俺は反感を食らい信用を落としてしまう。
だったら餌で釣ればいい。ここにいない権兵衛に俺の手駒を誘き寄せる、まさに餌を演じてもらったんだよ。

俺はまんまと騙された早苗達を連れ、民家の外に出る。

「では参りましょう。あまり上空を飛ぶと目立ちますから、出来るだけ低空飛行でお願いいたします」
「わかりました!」

それにしても、空を飛べる人間か。ただの少女かと思ってたが、存外利用価値がありそうだ。
時々意味不明な事を喚くのが難点だが、少し優しい言葉をかけたり励ましただけですぐ従順になって実に扱いやすい。
しかも既にこの俺に厚い信頼を寄せている。この早苗はもう俺の意のままだ。
次はムラクモの使い道でも考えようか。今の所は人質くらいにしか使えそうにないが。

……全く、子守役というのもつらいな。まあ、大樹も昔は手がかかったものだが……。


―――その時、北東の方角から眩い閃光が放たれた。



 ★ ★ ★



眩しい光とほぼ同時に爆音が辺りに響き渡って、私と海東さんは同時にその方向へ顔を向けた。

「な、何でしょうか?」
「爆弾……でしょうね。気にせず参りましょう」

海東さんはそれだけ言って急ぎ足で南東へと進み始めた。
……なんでしょう。とても嫌な予感がします。
方角からして無関係でしょうけど、もし権兵衛さん達があんなのに巻き込まれる事があったら……。
海東さんも同じ思いで私を急かしてるんでしょうか。……急がなきゃ!
私は空を飛んで海東さんについていく。
さっきは何とも思わなかったけど、いつもよりちょっと疲れやすいような?

「早苗さんは、本当に現人神なんだね」

ふとムラクモくんが耳元で私に語りかけてくる。

「信じてくださいましたか? ではこうして出会ったのも何かの縁、あなたも守矢神社に一信仰を!」
「何それ、宗教臭い」
「宗教ですよ! 神の力は信仰の力です。信仰を得れば神は強くなりますし、逆に信仰を失えば力を失うんです」

背後からクスクスと微かな笑い声が聞こえる。おぶっているから表情は見られない。

「じゃあ……僕も信仰を得れば、神になれるかな」
「あははは、ムラクモくんも現人神になるんですか? そしたら私と仲間ですね!
 でも信仰を集めるのも大変なんですよ、メイド服着たり体操服着たり……」

……最初は内気で口数の少ない子かと思ってましたが、意外と冗談も言える子なんですね。
なんだか楽しくお話してたら不思議と疲れも取れてきた気がします。

神奈子さま、諏訪子さま。私は守矢の巫女として、きっとこの子を守ってみせます!

387暇を持て余した神々の遊び ◆yZJRtWQFk.:2013/11/07(木) 01:15:22 ID:jowGsRXw0



 ★ ★ ★



……済度し難き愚か者め。

現人神だと? こんな常識知らずの小娘が?
なんたる戯れ言か。先祖が積み上げた伝統と血筋の上に胡坐をかいているだけではないか。

己が使命を忘れ、俗世にまみれてのうのうと生きる神など滅びてしまえ。

海東の居ぬうちに早苗の支給品を確認し、使えるものがあれば奪い去る画策だったが……。
まさか先に手を打たれていたとはな。あの拍子に割り込んできたのも恐らく彼奴の策略であろう。
あと少し時間があれば、電光機関でこの神人くずれに天誅を加えられたというに。

……まあ良い。まだ殺せんのなら、暫くは足として利用するまで。
それにこの小娘の奇跡の力があれば、オリーブオイルも楽に手に入るかもしれん。

東風谷早苗、精々信仰を集めるがいい。
だが何れ解らせてやろう。お前の先に待つ未来は破滅しかないのだと。

全人類の信仰を手に入れるのは、この私なのだよ。





【F-2 市街地/一日目・日中】


【海東純一@仮面ライダーディケイド】
[状態]:( ^U^)申し訳ございません、このような健康体で。
[装備]:グレイブバックル@仮面ライダーディケイド、電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER
[道具]:基本支給品、電光戦車@エヌアイン完全世界、外部AI@MUGEN、AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、権兵衛の書置き(偽)
[思考・状況]
基本:優勝して、元の世界を支配する。
 1:光写真館に向かう。
 2:表向きは対主催として振る舞い、集団の中に潜む。
 3:早苗とムラクモと行動を共にする。
 4:ノーリスクで殺人が可能な武器が欲しい。
 5:グレイブバックルの制限を何とかしたい。
 6:ディケイドにも制限が?
 7:AIを搭載した電光戦車は切り札。
 8:光写真館に少し興味。
※「ディエンドの世界」編終了後からの参戦
※鬼柳とさやかを死んだと思っています。
※大変胡散臭い表情をしていますが、本人はそれに気付いていません。
※グレイブバックルは一度使うと2時間使用不可になります。
※電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER、AT-4@魔法少女まどか☆マギカを早苗から譲り受けました
※早苗のことは別の世界の仮面ライダー住民だと思っています。
※権兵衛の書置きを偽造する為、支給品のどれかの説明書の端を破り取ったようです。


【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、霊力消費(小)
[装備]無し
[道具]基本支給品
    VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
1:権兵衛を追って光写真館に向かう。
2:ムラクモを守りたい。
3:海東さんはさすが仮面ライダーだ!
4:北東から見えたあの光は……?
5:守矢の巫女として信仰を集める。
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:\  /
8:●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
9:" ▽ "
※権兵衛が光写真館に向かったものと思っています。
※海東を正義の仮面ライダーだと信じて疑っていません。
※ムラクモはただのミリオタの少年だと思ってます。
※奇跡が制限されているかどうかは不明ですが、とりあえず簡単な奇跡は起こせるようです。


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、オレンジジュース(元は支給品の水)
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:早苗はいつか絶対に殺す。
2:海東を警戒。
3:無力な少年を装い2人と行動を共にして隙を見て支給品を奪い殺す。
4:怪我の回復にも専念する。
5:早苗を利用すればオリーブオイルを入手できるかもしれない。
6:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
※海東が自分の思惑を見抜いていると思っています
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。


※E-3で権兵衛が使った地球破壊爆弾の爆発に気づきました。

388 ◆yZJRtWQFk.:2013/11/07(木) 01:16:20 ID:jowGsRXw0
以上で投下終了です。何か問題がありましたら指摘お願いします

389名無しさん:2013/11/07(木) 08:18:22 ID:rP/hHF5E0
投下お疲れ様です
表向きの和やかな雰囲気とは裏腹に、それぞれの思惑が渦巻いている……
って、早苗がエラく危険な状況だなぁ。本人は気付いてないけど
今後の海東とげんじんしんの頭脳戦に期待出来ますね……!

390名無しさん:2013/11/07(木) 12:41:08 ID:SMm.b8nw0
乙!
方略が渦巻くのはロワの醍醐味だなあ

391名無しさん:2013/11/07(木) 22:42:11 ID:E568CdSo0
投下乙です
こういうのもパロロワの醍醐味なんだよなあ
いいよいいよ、こういうのも好きなんだよw

392 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/16(土) 01:40:11 ID:DdyMRwj20
しまった……カッコつけて残り30人ってやっちゃったけど32人なのか……
wikiで修正してくれた方ありがとうございます

393 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/25(月) 18:16:21 ID:cBIGzozY0
投下します

394三人寄ればなんとやら…… ◆FbzPVNOXDo:2013/11/25(月) 18:16:54 ID:cBIGzozY0
「ほむらちゃん……?」
「目が覚めた? まどか」

目覚めたまどかが最初に見たのは、心配そうに顔を覗き込ませるほむら。
次に感じたのは頭を包む、柔らかく暖かい感触。
ほむらの顔がまどかには逆さまに見えた事から、自分はほむらに膝枕をして貰い、先ほどまで介抱されていたと気付いた。

「あの、カズマとかいうお兄さんは?」
「何とか撒いたわ」
「マミさんは?」
「砕けた」
「はぁ……」

マミの悲報を聞きながらも、まどかはそれに涙を流す様子も無く溜息を着く。
戦力が減ったばかりか、カズマに一杯喰わされたのが余程気に入らないのか。
まどかは更に静かに奥歯を噛み締めていた。

「聞いてまどか……」

そんな、まどかの機嫌を良くしようと思ったのか。
ほむらはカズマの戦いをヒントに見出した、首輪解除の方法を伝える。

「えー、いや一理あるけど……。流石にそれは無謀なんじゃないかな」
「でもカズマはやったわ。なら、私にも出来る筈」

まどかとしては、そのような話半信半疑だ。
首輪が爆発した瞬間秘孔を突いて、首を強化して爆破に耐えるなど。
キン肉マンのゆで理論じゃあるまいし。

395三人寄ればなんとやら…… ◆FbzPVNOXDo:2013/11/25(月) 18:17:27 ID:cBIGzozY0

「勿論、すぐにとは言わないわ」
「誰かで実験するってこと?」
「ええ」

ここに来て、まどかは当初の自分の目的を振り返る。
私情や私怨で参加者を襲いはしたが、基本的に自分は生存優先であったはずだ。
しかし、物事は上手く行かないもので流石に暴れすぎたかもしれない。
となると、殺し合いに否定的な連中からすれば自分達は危険人物として認識され、敵対される可能性も高い。
一応、ランサーにはガセの情報を流したが、何処まで信じてくれるか分からない。
こうなれば、いっそ優勝を目指した方が早いかもしれないとすら思える。
もっとも主催者も信用出来ないのも事実。ならば参加者を間引くのと同時に、首輪解除の方法を探るというのもありか。

「その話、聞かせてもらったよ」

「!? 下がって、まどか!」

少女の声だった。
正面より現われたその少女にまどかとほむらは声を掛けられるまで、まったく気付けなかった。

「貴女達、どちらかと言えば殺し合いには肯定的なんだよね?」
「うーんどうだろう?」
「そっちが良ければ、協力してみたいな……なんて」

協力。
殺し合いに肯定的と知ってこの態度。
彼女も同じ、乗っている参加者と考えられる。

「少なくとも、私と貴女達はある程度の所までは協力し合えると思うけど?」
「私が貴女と組んで、何か得する事はあるのかな?」
「奇襲は格段にしやすくなると思うけど。それに、さっき聞いちゃったんだけど参加者を使った実験するんでしょ?
 なら、生きた参加者の首輪の方が良い。つまり生け捕りも奇襲のがやりやすい」

言っている事は理に適っている。
彼女の気配を消す能力は可能ならば手にしたい。
しかし、気になる。何故、彼女は自分達と組みたいのか。
それで一体、何の得になるというのか。

396三人寄ればなんとやら…… ◆FbzPVNOXDo:2013/11/25(月) 18:17:59 ID:cBIGzozY0

「教えて欲しいな。どうして貴女は私達と組みたいの?」
「……私は非力だから。単純な戦闘では生き残れるとは考え難い」

なるほど。気配を消すのは得意だが、それ以外は並かそれ以下という事か。
理由は分かった。
だがそれでも、まどかは納得出来ない理由があった。

「じゃあ最後に一つだけ。ねえ、何で首輪が無いの?」

そうこの少女。アサシンの分身の生き残りである彼女には首輪が無かった。
考えられるのは二つ。
一つは自分の力で外した。速水もこみちやカズマのように。
二つ目、これが一番現実的かもしれない。
それは彼女が主催側の参加者、ジョーカーということ。

「話せば長くなるんだけど……」

元は男性だったこと、ゴンさんとの激戦にでの宝具の使用で分身である自身が生き残ったこと。
それら全てを包み隠さずアサシンは話した。

「ふーん。でもそれって首輪が無いって事は、殺し合いを強いる為の枷が無いって事だよね?
 わざわざ、主催に従う意味あるのかな」
「首輪が無いからって、連中と正面からぶつかっても勝てそうに無いし……」

見た目のわりにリアリスト……いや臆病と捕らえるべきか。
まどかの見た限り自分の意思、信念というものが感じられず。ただ死んだ本体と主催の敷いたレールに乗っているだけ。
聞いた限りでは、分身として本体の命令をこなす事が常だった様子だ。仕方の無い事かもしれないが。

(でも中々いい駒になるかも)

だからこそ扱いやすい。
下手にまだ自我を残しているほむらより、アサシンは何でもこなしてくれるだろう。
場合によってはほむらを切り捨て、アサシンと組んでいくのも悪くは無い。

「良いよ。一緒に組もうか」
「まどか?」
「大丈夫大丈夫。ほむらちゃんは私の言う事を聞いてればいいから」
「これからよろしくね」

こうして暗殺者の少女とクズな少女が交わった。

397三人寄ればなんとやら…… ◆FbzPVNOXDo:2013/11/25(月) 18:18:31 ID:cBIGzozY0


【E-7/1日目・午後】


【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)、気絶
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×2、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:アサシン、ほむらちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態、ほむトキ
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN
[道具]:基本支給品一式、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:北斗神拳を使い秘孔を突けば首輪が外れるんじゃ。
6:自分の仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
7:何か大切なことを忘れている気がする。

【アサシン(少女)@Fate/Zero】
[状態]:首輪なし 、疲労(中)
[装備]:ウィンチェスターライフル(1/7)@うみねこのなく頃に
[道具]:基本支給品一式、十六夜咲夜のナイフ×3、イカ娘の支給品(ランダム品1〜3)
ゴンさんのデイバック(ヴェルタースオリジナル一袋@現実、スタングレネード×5@現実、コンコン@JAPAN_WORLD_CUP
キャラ改変パッチ@MUGEN、ランダム支給品(0〜2))
[思考・状況]
基本:参加者の皆殺し、主催者も殺す。
1:まどか達と組む。
※基本的な固有スキル(気配遮断など)は受け継いでいますが、身体能力は人間レベルしか振り分けられていません
※分割によって首輪がなく、制限は解除されました

398 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/25(月) 18:19:05 ID:cBIGzozY0
投下終了です

399名無しさん:2013/11/26(火) 00:34:59 ID:i0.BzQE.0
投下乙です

屑まどかに更に手駒が増えた、それぞれの思惑を胸にトリオを組んだが…
みんならしい行動取ってるなあ…w

400 ◆FbzPVNOXDo:2013/12/08(日) 20:20:31 ID:InhDw1D60
投下します

401お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo:2013/12/08(日) 20:23:24 ID:InhDw1D60
「えーと学校ってこっちで合ってるよな!」
「た、多分……ぐっ」
「悪ィ、傷口に響いちまったのならすまねえ」

サーニャを背負いながらも学校に向かって行くカズマ。
シェルブリット第二形態はその速度こそ、影すら追いつかぬといわれる程の速さを誇る絶影すら捉えるほどだが
しかし、絶影と違い揺れや振動は激しい。つまりそれで飛んでいるカズマ本人はともかく、乗っているサーニャからすれば非常に乗り心地が悪い。
怪我さえしなければ程々のスリルが味わえ楽しめたかもしれないが、腹に穴が開いていてはそうもいかない。

「ベネっなんとかも、近くに医者ぐらい置いとけよな!」

それじゃ殺し合いになりませんよね、と突っ込む体力も無いサーニャがグッタリとカズマの背に寄りかかる。
さて、いよいよこれは手遅れかとカズマが焦りだした時。

「うお、人間が空飛んでる!」
「リュウセイくん? 馬鹿いっちゃあいけない……うわ!
 空飛ぶ人間、ジュラル星人に違いない!!」
「落ち着きなさい貴方達は。トイズを使えばあれくらい訳ありません」

露出度の高い女に二人の少年の姿が見えた。
こちらの姿を見て困惑している様子だが、今はそれに構っている暇は無い。

「おいアンタ達! 誰か医者は知らねえか!」
「!? 貴方は……」



――――

402お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo:2013/12/08(日) 20:23:59 ID:InhDw1D60


「悪いなアンタ。
 それにしても、ホテルの時と違ってなんでそんな格好してんだ?」
「まあ、色々事情がありまして。それよりも貴方首輪は?」
「爆発した瞬間にアルター化して何とかした」
「は?」

サーニャの傷を手当するアルセーヌにカズマは礼を言う。
アルセーヌとカズマが互いに面識があったのが幸いした。
ジュラル星人だと騒ぐキチガイを抑え、何とか戦闘に入ることだけは回避できた。
その後、背のサーニャに気付いたアルセーヌが応急手当をしたお陰でサーニャも一命は取り留められた。

「ところでお前ら、アカツキとかいうのに会ってないか? 学校に行ってるらしくてよ。
 俺もそいつらと会う為に、そこに行かなきゃならねえんだが」
「へえ、それで学校に行くのか。俺は絶対に行かないけどな」
「うんあそこには狂った殺人鬼が居るからね」
「何の話だよ?」

リュウセイと研の会話の意味が分からないカズマが疑問を口にすると二人は揃って「四人殺した殺人鬼が居るから」と言う。
ますます分からなくなったカズマが、更に聞き込んでくるとかわりにアルセーヌが答え始めた。

「放送で呼ばれた聖白蓮、有野晋哉、エイラ・イルマタル・ユーティライネン、速水もこみち。
 この四名が恐らくは学校に居た殺人鬼に……」
「強いのか? そいつは」
「……姿が見えません。正確には、一部の者には見えるようですが。
 更に狡猾で頭も回るでしょう。これだけの殺戮をしているのですから」

カズマは舌打ちをする。
面倒な事になった。どうやら、アカツキ達はそんな魔窟に向かっていっているらしい。
単純に強いだけならともかく、頭を使うタイプとなるとカズマも無闇に突っ込む訳にもいかない。
無論、己の拳だけで切り抜けられるという自身はあるが、他の連中が妙な事になっていては厄介だ。

403お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo:2013/12/08(日) 20:24:31 ID:InhDw1D60

「なあ、俺の連れてた姉ちゃん頼めるか?」
「どういう意味です」
「その殺人鬼って奴を潰しに行く」
「それは……少なくとも作戦を立ててから……」
「んな悠長な事言ってる場合じゃねえんだよ。
 一応、アカツキとかいうのに会っとかなきゃいけない訳だしな」

カズマとアルセーヌが口論を始めた横でリュウセイと研が違和感に気付く。
アルセーヌに治療を施され、横になっていたサーニャが居ないのだ。
可愛い女の子には、それなりに目が無いリュウセイと研だからこそ真っ先に気付けた。

「おい、あの姉ちゃん居ないぞ」
「なっ?」

リュウセイの報告でアルセーヌとカズマは初めて事態に気付く。

「多分、仇討ちじゃないかなあ。あのお姉さん、エイラって名前を聞いた瞬間血相変えてたしね。
 復讐からは何も生まれないというのに」
「お前、割と私怨で動いてる気がするんだけど……」
「」
「失礼するなあ!」
「今の間なんだよ」

呑気に自分の推測を語り始めた研に突っ込みを入れるリュウセイを余所にカズマは解いたアルターを再構築する。

「ちょ、ちょっと貴方! まだ作戦が……」
「ケイネスっておっさんとランサーって兄ちゃんは殺し合いに乗ってねえ!
 アカツキとかいう連中もだ。後は青い巨人に気を付けろ! 何か怪我したら、そいつになるかもしれねえんだと!」

どうにも時間は相当無いらしい。
とっとと殺人鬼とやらをぶちのめし、サーニャを連れ戻すしかなさそうだ。

404お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo:2013/12/08(日) 20:25:04 ID:InhDw1D60

「じゃあな。あとはまどかとかいうガキにも気をつけとけ!」

再構成されたシェルブリットを大地に叩きつけカズマは加速する。
その姿を見送りこそすれ、リュウセイと研は追いかけることはしない。

「殺人鬼か、許せないけどジュラル星人じゃない人にアルファガンは使えないからね」
「いや使ってたろ?」
「それより早くシャロちゃんと早苗さんって人に会いに行こうよ!」 
「そうだな。権兵衛や海東さんなら、あの殺人鬼も倒せるだろ。
 何せ仮面ライダーだからな、うん。早く会ってあの殺人鬼を倒してもらおうぜ!」
「ちょっと貴方達待ちなさい!」

そう言い走り出す研とリュウセイ。
カズマを気にしつつも二人を追いかけるアルセーヌ。

お姉さんがショタ二人を追いかける構図って結構あれだよね。

405お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo:2013/12/08(日) 20:25:49 ID:InhDw1D60
【D-03/一日目・昼】


【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:シャロと合流。
1:施設を巡り調査する。
2:シャーロック・シェリンフォードを探し出す。
4:アルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
4:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
5:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
6:黒幕は神……そんなわけないですわね。
7:オリーブオイルを一応探しておく?
8:頭の中に爆弾がある事も考慮。
※幻惑のトイズは制限により弱まっています(具現化も不可能)。
※トイズの制限に気付いています。
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。


【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、気絶
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い、2時間変装出来ません)@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
0:シャロ達(面識なし)と合流。
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:変装できない間、身を守れる武器を探す。
3:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
4:頭の中に爆弾が!
5:ジュラル星人め許さないぞ!
※全てジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※頭の中に爆弾があると断定しました。(真相は不明)
※ジュラルの魔王が生きていると断定しました。(真相は不明)
※有野達、アルセーヌと情報交換しました。


【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗るつもりはない。
0:シャロ達と合流。海東ににとり(名前は知らない)を倒してもらう。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン、勝治…… 。

406お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! ◆FbzPVNOXDo:2013/12/08(日) 20:26:22 ID:InhDw1D60


【カズマ@スクライド】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)、激しい怒り、首周りに少し焦げ跡、首輪解除
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、ケイネスのメモ、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:気に入らない奴はとにかくぶん殴るが、あのせこい男(サリー)の言いなりになるつもりはない。
0:エイラを追いかける。殺人鬼(にとり)もぶちのめす。
1:このバトルロワイアルとやらを破壊するためにも、せこい男(サリー)の思い通りにさせない。
2:男声の女(譲治)とフランクを撃った男(ロックオン)、野獣先輩を警戒。場合によってはぶちのめす。
3:雛子、響、アカツキ(名前を知らない)にケイネスのメモを渡す為、学校に向かう。
4:ケイネスに言われたので、化け物については一応気を付けておく。
5:まどかは次会ったらぶちのめす。ほむらのまどかへの態度が気に入らない。
※ミルキィホームズとデッドライジングの世界を聞きましたが、何処まで覚えてるか不明です。
※少なくとも参戦時期は君島死亡後です。
※ケイネスのメモには、ケイネスが立てた青鬼増殖の仮説。
 それと雛子、響、アカツキの名前が書かれています。


【サーニャ・V・リトヴャク@ストライクウィッチーズ】
[状態]:健康、魔力消費(微) 、精神的な落ち込み、腹部に重傷
[装備]:★Rock Cannon@ブラック★ロックシューター、黒猫のゴスロリ服@俺の妹がこんなに可愛いわけがない
[道具]:メントスコーラ(空)@コーラを開けるとメントスが落ちるトラップの作り方、
    DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D's
[思考・状況]:殺し合いには乗らずゲームを打破する
1、エイラの仇を討ちに学校に行く。
2、知り合いが居れば合流する
3、ストライカーユニットとフリーガーハマーが有れば入手したい
4、殺し合いに乗ってない参加者が居れば合流したい
5、まどか達を警戒

407 ◆FbzPVNOXDo:2013/12/08(日) 20:27:17 ID:InhDw1D60
投下終了です
タイトルはガンソードというアニメの主人公が発した台詞を一部改変したモノを引用しました

408 ◆FbzPVNOXDo:2013/12/08(日) 22:47:36 ID:InhDw1D60
すいません修正です
【D-03/一日目・夕方】

409名無しさん:2013/12/09(月) 00:07:49 ID:ZuIFeMGo0
投下乙です
ただでさえ重傷なのににちょりのとこ行くのはやばいなあ……
指摘ですけど、カズマの状態表の思考0はサーニャの間違いかな?

410 ◆FbzPVNOXDo:2013/12/09(月) 00:11:53 ID:EW4QD44g0
やっちまった
そうですサーニャです
修正版です

【カズマ@スクライド】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)、激しい怒り、首周りに少し焦げ跡、首輪解除
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、ケイネスのメモ、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:気に入らない奴はとにかくぶん殴るが、あのせこい男(サリー)の言いなりになるつもりはない。
0:サーニャを追いかける。殺人鬼(にとり)もぶちのめす。
1:このバトルロワイアルとやらを破壊するためにも、せこい男(サリー)の思い通りにさせない。
2:男声の女(譲治)とフランクを撃った男(ロックオン)、野獣先輩を警戒。場合によってはぶちのめす。
3:雛子、響、アカツキ(名前を知らない)にケイネスのメモを渡す為、学校に向かう。
4:ケイネスに言われたので、化け物については一応気を付けておく。
5:まどかは次会ったらぶちのめす。ほむらのまどかへの態度が気に入らない。
※ミルキィホームズとデッドライジングの世界を聞きましたが、何処まで覚えてるか不明です。
※少なくとも参戦時期は君島死亡後です。
※ケイネスのメモには、ケイネスが立てた青鬼増殖の仮説。
 それと雛子、響、アカツキの名前が書かれています。

411名無しさん:2013/12/09(月) 22:27:00 ID:9iM4/.Jc0
投下乙です

状況的に色んな意味で気になるぜ
復讐の為に動くサーニャにそれを追うカズマ
それ以外に研らみたいな不安定要素もどう動くかw

413名無しさん:2013/12/14(土) 00:12:34 ID:C4X26eTY0
投下乙です。

空飛ぶ人=ジュラル星人という訳ですね。わかります!

研といえば研の状態が気絶になっていますよ?

414名無しさん:2014/01/07(火) 06:20:00 ID:dGJZo3YY0
◆FbzPVNOXDo氏はなんか全体的に一人で死なせ過ぎじゃない?
齟齬無く描写できててもさすがにそろそろ違和感を感じる
書いてる人一人だけだから展開を急ぐのも分かるけど

415名無しさん:2014/01/07(火) 10:50:08 ID:ox0.jdEo0
じゃあ書きに来いよ
書いてる人一人だからって理解してるなら尚更
正直一人でこの人数を捌ききるのには限界あるし

416名無しさん:2014/01/07(火) 21:38:50 ID:dGJZo3YY0
書いた所で死んだキャラほいほい生き返らせたりするわけにはいかんでしょ
それこそさらに◆FbzPVNOXDo氏に負担掛ける事になる
何よりそういった展開を自分で捌き切れるような力と時間があるならとっくに書いてる
書かない奴が上から目線云々言われればそれまでだけどさ

417名無しさん:2014/01/07(火) 22:27:26 ID:M1y2c8gs0
負担掛けたくないなら黙ってろよ
そういう野次一つで書き手は書く気無くすもんなんだぞ

418名無しさん:2014/01/08(水) 05:53:26 ID:8kG4//8c0
展開急ぎ過ぎって言われても別に48時間使い切る必要ないと思うんだ

419名無しさん:2014/01/08(水) 06:54:13 ID:OxzzVFf60
>>416
今度余計なこと言ったらその口縫い合わすぞ

420名無しさん:2014/02/09(日) 23:38:54 ID:JucjRKF20
やっぱ終わってたか
少し期待してたけどまあキャラ選から微妙だったし仕方ないと言えば仕方ないかもなあ

421名無しさん:2014/02/10(月) 19:31:32 ID:c2rppZpg0
何というか大御所がいないんだよな
うまく言えないが

422名無しさん:2014/02/10(月) 20:22:35 ID:B8fBQD4c0
今度余計なこと言ったらその口縫い合わすぞ

423名無しさん:2014/02/10(月) 22:33:36 ID:j4AiwGH60
連れを起こさないでくれ、死ぬほど疲れてる

424名無しさん:2014/02/11(火) 07:11:21 ID:Sk41RheA0
ソートシトキマショソート

425名無しさん:2014/02/11(火) 07:52:18 ID:O5OEipDc0
「今度余計なこと言ったらその口縫い合わすぞ」←これすき

426名無しさん:2014/02/12(水) 13:38:54 ID:CXDs8KOI0
書き込みあったと思って来たらよく解らん事になってるな
これでもまだ書き手を期待してるんだぜ

427名無しさん:2014/02/12(水) 23:22:45 ID:qf3Et6Z60
期待するなら誰でも出来るんだよな
先ずは書いてみたらどうでしょう

428名無しさん:2014/02/13(木) 00:28:53 ID:0fdPflRk0
誰にでも出来る事しかできないんだよ
すまんね

429名無しさん:2014/02/27(木) 00:18:19 ID:Tq2K7uN.0
そんな自分にむかっ腹。

430名無しさん:2014/03/31(月) 06:35:43 ID:wrQ5F47I0
書きもしない癖に最後に残った書き手にすらあーだこーだ言う奴ばっかじゃそりゃ書き手は去るし来もしないわな

431名無しさん:2014/04/06(日) 00:15:53 ID:Mf0nyUM20
あーだーこーだー

432名無しさん:2014/12/31(水) 12:32:47 ID:zT2YVIh20
仕事とかで半年くらい来てなかったが案の定止まってた…
書き溜めてたネタあったんだけどな…

433名無しさん:2014/12/31(水) 22:46:14 ID:p8VSLQRU0
おかえり
溜めておくなんて勿体無い、今すぐ投稿すべき

434 ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:30:19 ID:Bp792GWg0
ただいま
弔いがてらに投下しておく
酉は適当

435大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:32:29 ID:Bp792GWg0
「だめか…」

アリアスの死亡後、依頼人との連絡を試み続けていたベネットであったがこの数時間全くの応答がない。
もしかすると定時放送の際以外依頼人への通信は受け付けない仕様なのかもしれない。
静寂の中、そういった憶測がベネットの脳をよぎる。
この半ば崩壊しかけたゲームバランスといい、それに無介入な依頼人といい、ベネットの不信感は募るばかりである。
思索するベネットが通信をあきらめかけたその間、無機質な人口音声が静けさを破り部屋に響く。

「…聞こえているか」

依頼人である。
人口音声とはいえその声色を聞き間違えるはずがない。
その声を聞いた瞬間ベネットの頭上に「!」が浮かび上がりそうになったのは言うまでもない。
即座にマイクを手に取り応答する。散々待たされた憤りからか、その声は少々荒かった。

「ああ、聞こえているぞ。今になって返事が来るとはな」
「その声調子なら前置きは不要だな。これよりゲームバランスの調整のために臨時の措置を行う」
「臨時の措置?」

ベネットが反芻する。
ゲームバランスについてはベネット含め3人とも気にかけてはいたし、依頼人がそういった物に対する解決策を考えている可能性も憶惻の内であった。
しかし、自分たちを生き返らせるような超常的なまでの力を持っているが故、そう言った問題への解決手段については全く予想がつかなかった。

「措置の実行に関してはクックに任せてある。そちらにはその実行内容を定時放送の際に知らせてもらいたい。内容に関しては措置の実行後でクックがそちらに向かうので彼から聞くように」
「クック!?あいつもいるのか」

見知った人間の存在を知り、思わずベネットは聞き返す。
クックとはアリアスが雇っていた元グリーンベレーの人間だ。
部下の殺害によりメイトリックスの居場所を炙り出す作戦に協力し、自身の死亡トリックにも加担してくれた。
その後は自分の与り知るところではないがおそらくは自分と同様メイトリックスに殺害されたと考えている。
この件で自らが蘇生されたように彼もまた蘇生された可能性も考えていたがなぜかこの場には居合せていなかった。

436大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:33:35 ID:Bp792GWg0


(っと、考えてばかりもいられねぇな、聞く事聞いとかねぇと)

ベネットはここまで情報ばかりを与えられていたが、ここに来て依頼人との連絡を試みた理由を思い出した。
もこみちやカズマが首輪を外したことが、想定内なのか想定外なのか。
主催側と内通した参加者が二人とも死亡してしまったが、ゲームの進行に影響はないのか。
青鬼や少女アサシンなど参加者でも支給品でもない人物が独立して参加者を殺害することは、問題ではないのか。

そして、この殺し合いの目的は一体なんなのか。


「それと…聞きたい事がいくつかあるんですが」
「悪いが質問は受け付けていない」


即答。そして拒否。
同時に通信が断ち切られる。この間、僅か0.1秒足らず
それは曲がりなりにも軍人であったベネットでさえ、反論の隙を得るには短すぎる時間であった。



【ベネット@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:依頼人の素性が気になる
1:アリアスの死体はどこに置いたんだろうか


【エンリケ@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:監視の続行


【サリー@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:監視の続行

437大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:35:07 ID:Bp792GWg0




---




(何だこいつは…?)

禍々しい肩パッドの付いた男・ジャギは、こちらに歩いてくる目の前の物体に対してそこはかとない好奇と、いい知れぬ戦慄を抱き、そんな言葉を心の中でつぶやいた。
その反応の対象こそがブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人こと、他ならぬ青鬼である。
ジャギは当然ながらその異様な風体からあの男の言っていた青色の巨人はこいつの事だろうと確信した。

(こうもやすやすと的が来てくれると嬉しい物だな…だが)

少しタイミングを考えてほしかった。そうも都合よくいかないのが現実ではあるのだが。
腕の応急処置こそ済ませてあるものの、立て続けの戦闘はかつての北斗神拳伝承者候補()であろうと少なくないダメージになり得る。
先程までのような対主催をほざくようなゲームに乗る気のない参加者を不意打ちすれば少ないエネルギー消費で殺せるし、派手な戦闘を起こさない分、周囲に警戒されづらい。
怪我に関してもマーダーと戦って撃退したが相応の傷を負ったと適当な題目でも述べておけば、治療を他人に任せつつ隙を作りやすくなる。
だが目の前の巨人は違う。アカツキの言う分には話の通じる相手ではないと聞かされたし、
ジャギ自身も見た目からして小細工の効かなさそうな相手とわかる。
正々堂々と戦う形になってもケンシロウと戦うまでは時間も含めて消耗は最小限に押さえたい。

そうなれば、短期決戦が望ましい。
自分にはそれだけの力がある。
その間にも、巨人は歩みを緩めず近付いてくる。


「北斗…」


ジャギは腰を落とし、技を構える。

青鬼はジャギににじり寄りつつ、僅かながら笑みを浮かべ不気味な口をゆっくりと開く。


「千手殺!!!」


青鬼はただ一言も言葉も単語も発さず、ただジャギを補食するために腕を広げて襲いかかろうとした。
そこに食欲以外の一切の感情はない。故に青鬼は恐怖を生む。

対するジャギは空中に飛び上がり貫手の構えで相手を高速で突く北斗千手殺を放った

438大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:36:15 ID:Bp792GWg0


貫手が青鬼の額を突き刺す。
それは額を砕くには至らないがわずかに青鬼の動きを阻んだ。


貫手が青鬼の頬を突き刺す。
それは頬を砕くには至らないがわずかに青鬼の口を遠ざけた。


貫手が青鬼の顎を突き刺す。
それは頬を砕くには至らないがわずかに青鬼の体勢を乱した。


青鬼は貫手に阻まれながらも怯まずジャギを補食しようと口を近づける。

この技は元より秘孔を狙った物ではないが、ケンシロウにも一定のダメージを与えられた。
しかし、この巨人の表皮は途轍もなく固く、怯むどころか呻き声一つあげない。
それでも、ジャギは手を止めなかった。

今までの彼ならば、手を止め取引だ等と理由を付け如何にも小物らしく命乞いをしていただろう。
まさに世紀末の悪党に似つかわしくない行動である。
彼自身に自覚はないが彼の心には慢心とは異なる魔法戦士としての「何か」が芽生え始めていた。

わずか数秒の出来事ではあったがジャギにはこの瞬間が一日よりも長く感じた。


ジャギは後悔した。
話の通じない相手とはいえもう少し敵を見定めておくべきであった。
だが同時にそれはジャギにある種の高揚感も生んでいた。
こういう一筋縄では行かない奴もいる。
こういう奴になら、殺されても納得がいく。

このゲームには殺しがいのある奴がたくさんいる。

楽しい。

ワクワクする。

「立て続けのピンチってのも面白ェな」

今、ジャギのその目は歪んだ殺人者の顔とは到底相応しくない、好敵手を求めて放浪する格闘家の目をしていた。



ジャギは地に斃れたブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人を一瞥し、無意識に頭を下げた。
それはかつてのジャギにはあるまじき動作であった。

439大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:37:35 ID:Bp792GWg0

〜〜〜



「クソッ…あいつまだ…」


猛スピ−ドで走るオデッセイの中で物言う上半身、プラ/シドは苦悶の表情で車のドアをたたく。
響に抱かえられている時、確かに鬼子は自らの足で立って、こちらを見ていた。
だがその顔は、先ほど突如森林から現れ、雛子を補食した青い異形の巨人の顔をしていたのだ。

一気に4人の仲間を失った。これで振り出しである。
しかし参加者の人数自体は減っているので仲間を再び集める難易度は格段に上昇している。


仲間を、愛する者を、失う事なんてもうとっくに慣れていた。

もはや失った物の大小すらわからない。

一体自分はこれまで何を失ってきたのか。

この戦いで何を得たのか。

この現実を受け入れる事は断じて易い物ではない。

だが、悔しがってばかりもいられない。

せめてでも敵の素性を知り得なければ犠牲者は犬死になる。
プラシドは未知の敵に対し、正体を考察する。プラス★思考

(あいつらは、_繁殖あるいは増殖をしているかもしれない)

不意に頭の中でアカツキの言葉が木霊する。

青鬼にはおそらく何らかの能力がある
あの鬼が鬼子の姿をしていた点を踏まえて考えられるのは他者を洗脳する能力。
だがそれなら何故、アカツキやジャギのようなより戦力になりそうな者を洗脳しないのか。
次に不完全ながら他者のコピーを生み出す能力。
これも上と同じ理由である。仮に生み出した者の能力が自信と同じであるとしてもわざわざ鬼子を選ぶ必要はないはず。
あるい他者に擬態する能力。
夜間ならともかくも昼間にあんなブルーベリー色の肌をしていたらバレてしまう。何よりそれは増殖とは言えない。この可能性も低い。

最後に、一番考えたくないが補食、殺害した者を同胞にする形で増殖する能力。
しかしながら現状では状況からしてこの仮説が最も有力と言える。
この説が正しいとすれば非常に厄介だ。おそらく補食された雛子もやがては青い異形の巨人に成り果てるだろう。
もし、鬼子だったアレにも同等の能力が備わっているとしたら響も同じ運命を辿る事になる。
そうなればこの近辺には青鬼が4体も存在する事になる。仲間を四人も失った以上、こうなってしまっては現状ではもはや手がつけられない。

440大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:38:24 ID:Bp792GWg0

ここでプラ/シドはもう一つの事実に気づく。
日は西に傾き、すでにゲーム開始から15時間近く経過している。
これまでの定時放送で青鬼の名は2回呼ばれている。
これは少なくとも青鬼による犠牲者が雛子が喰われるまでに2人もいた事になる。
他に青鬼となった犠牲者がいても何ら不思議な事ではない。

真に危険な人物は司馬宙を殺害した巨大ロボットでもなく、厳ついマスクと肩パットのジャギでもなく、青鬼であった。

何にせよここにいては危険である。一刻も早く他エリアに移った方が良い。
そう一時的に結論づけたが、さすがに行く宛て位は決めておきたかった。
だがそのためには現在地の確認も含めて地図を見直さなければならない。
地図は最初に乗り合わせた際プラ/シドになる前にダッシュボードの上に置いたのだがこの体では手が届かない。
と言うのも、

下半身がない。
シートベルトは未着用。
ルカの錯乱運転。

これにより、乗せるときこそ無難な感じであったが、いまでは座席の上に仰向けになり起き上がる事も出来ないという無理な体勢なのである。
人間が仰向けから起き上がる際は少なからずとも腹筋や背筋を使用する。それらを全く使わず手だけで起き上がるのはそれなりに難しい。
そういった筋肉の多くは下半身の骨と健で繋がっており、ロボットとは言えど下半身がないプラ/シドはそういった状況に置かれているのだ。
ましてや車の座席の上という狭い場所に置いてはそれはより困難を極める。
故に地図はルカに取ってもらうしかなかった。
前も録に見えない体勢のままプラシドはルカに話しかける。


「おいルカ」




「…伏せろ!」

441大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:39:28 ID:Bp792GWg0


----





空も赤く色付き始める頃、赤ヘルメットの魔法戦士は道を引き返し、西へ向かっていた。
つらくも何とか撃退した青鬼であったが、遺体を見るとデイバックはおろか首輪さえ付いていなかったのだ。
治療薬の類いが無い事以前に戦利品自体が勝利以外に何も得られなかったのは、彼に大きな徒労感を生んだ。
なんにせよジャギは休息の場が欲しかったので地図を確認したところ、少し北にワグナリアという施設がある事に気づく。
運良くこの場所からも一部を視認できた。
近場とあらばすぐに向かいたい所なのだがそうも行かなかった。禁止エリアの存在である。
ジャギの存在するC-05は17時から禁止エリアに指定される事になっている。
すでに夕暮れが近づいているこの状況でこの場所でゆっくり休んでいては首が吹っ飛んでしまう。
朝方立ち寄った神社も禁止エリアに指定されており、時間的にもう入れなくなっているだろう。
なぜか奇妙な事に自分の近くに存在する施設のあるエリアが3つも禁止指定されてるのだ
ここでジャギの目についた施設が小学校であった。

(ここなら休めるかもしれねぇな…)

小学校と言えば災害時の避難所という印象がある。
このゲームの場に何故そんな物が設置してあるのか全くの疑問だったが身を休めるにはうってつけである。
もしかすると殺し合いに反対する参加者達が拠点にしている可能性もある。
そうとあらばこの体は好都合だ。怪我人という弱者を装えば付け入る隙も生まれるというもの。
青い化け物を倒したという事実を餌にヒーローを騙れば周囲の信用も得られるだろう。
とは言えこの作戦には2つ問題点がある。

まず、自らを貶めた女と犬である。
自分の素性を知っている以上、あの二人に先に学校に来られていた場合、上記の作戦は破綻する事になる。
後から来たなら「仲間」に嘘を流し込んでやればいい。

次にケンシロウである。
当然ながら鉢合わせする事自体が不味い。
どのタイミングで学校に来ても戦闘は避けられないだろう。

ここでジャギは昼頃出会った人物の話を思い出す。
あのやたら怖い顔をした女はケンシロウを「危ない奴」といっていた。
単純にあの女がケンシロウと敵対していただけなのかもしれないが、これを利用して適当に話を膨らませれば信用を失う可能性は低い。

442大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:40:22 ID:Bp792GWg0

結果論として以上のデメリットをさし引いても、学校に行かない理由にはならなかった。




「しかし首輪か…」

自らにかけられた枷に指をかける。
先程の青い怪物には無かった物である。
あの時、北斗千手殺による貫手は悉く怪物の強靭な表皮に阻まれ、歩みさえ止める事が出来なかった。
もし、怪物が自らを補食せんと口を大きく開いた時、口腔内が表皮に覆われてない事に気づけなかったら
もし、自分が咄嗟の判断で貫手の狙いを怪物の口内に集中させていなかったら

自分もまた餌にされていたであろう。

今まで彼は殺した物の事を気にかけるなど毛ほども無かった。
しかし今回ばかりは気になる。
参加者名簿を見るにあの青い怪物には「青鬼」という参加者の単語がそっくり当てはまる。
だが「青鬼」という奴は2回目の放送までに誰かに殺されているはずなのだ。

そうなると考えられるのは誰かの支給品だ。
あの怪物が誰かに命令されて動く傀儡の類いならデイバックも首輪も無い事に合点が行く。
一方で疑問も浮かぶ。支給品だとしたらこんな凶悪なアイテムがあっていいのか?
自分への支給品の外れ具合を根拠として参加者の能力差を埋めるために支給品が存在しているにしても、
先程確認した自分が殺めたアカツキという軍人のデイバックには重火器の予備弾薬とよく解らない鍵とカラのもう一個のデイバックのみである。
軍人である奴に弾薬が配られたとあればその仮説は消える。物々交換を行った可能性もあるのだが。
重火器の予備弾薬は素直に有り難かった  …その重火器さえあれば。
現状では宝の持ち腐れだが持っておく事に損は無い。
「こんなところ」のタグが付いた鍵束は完全に謎である。こんなところとはどんなところなのか。
カラのデイバックに関しては完全に必要ないと判断し、途中で捨て置いた。
ともかく能力の強弱で支給品の強弱が変わる可能性は無いだろう。

あるいはそう都合の良い物ではないのかもしれない。
例えば支給者本人にも制御が効かない代物である可能性もある。
自分に支給された物のようにデイバックから得られる物が必ずしも支給者にとっていい物であるとは限らない、その延長線としての考え方である。
ただそれで良いのだろうか。
もし、支給品が自立して殺害を続け優勝してしまったらどうするのか。
もしくは自分のような人物に倒される事を敢えて想定した上で支給しているのだろうか。

443大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:41:45 ID:Bp792GWg0



青から紫、紫から橙の夕空のグラデーション。
夕日に照らされ、紅く染まる木々。
この場がバトルロワイヤルという殺し合いの場所でなければそれは幻想的かつ日常的なさぞ平和な風景であった。
だが、この場であるからこそ「ソレ」は風景の中から唐突に現れた。
ジャギでさえもいい知れぬ戦慄を抱かせた青の異形―。


何時の間にここに。どうやってここまで。倒した筈なのに。
その光景に疑問と驚愕が突沸する。


青鬼は、巨大な口を開けジャギの頭をヘルメットごと食い千切らんと迫る。
その早さは獰猛と知られるヤゴの補食でさえも霞んで見える程である。

その凶悪な牙は、ジャギの首筋の肉を―




突き破……らなかった。




人は、あまりにも悲しい時、強すぎる怒りを覚えた時、この上なく面白い時、比べようが無いほど驚いた時、却って無表情になるという。
ジャギもまたこの驚愕のあまり、却って冷静を保てていたのだ。

絵に描いたような間一髪の状況でジャギは頭を引っ込め、ヘルメットに抉り傷を作りながらも凶悪な牙から逃れた。

「てめェ、まだ生きてたのか」

すかさずローリングで距離を取りジャギが言う。
やはり青い巨人は答えない。無言で不気味な表情をして迫るのみである。

(北斗千手殺でも為留められなかったか…面倒くせェなぁ)

ジャギとしては学校に到着さえすれば良いのだが、いざという時の為にそれ也の体力を残しておきたかった。
それならば、今は撤退を強いられるだろう。
走る事は避けられないがこのまま戦うよりはマシである。戦闘が長期化すればジリ貧にもなりかねない。
元は世紀末な小悪党である為かそういった判断への実行は素早かった。

444大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:43:33 ID:Bp792GWg0


「悪ィが今は逃げさせてもらうぜ!決着は後でな!」



そういってジャギは鬼に背を向け、全速前進!した。




+++



「ふゥ、見えたな、あれが学校か」

校門まで数百メートル、ジャギは小さな声で呟く。
青い巨人もそろそろ撒いたと思いジャギが足を緩める。
息こそ切れていないがジャギは初めて全身全霊で走った気がした。

ジャギはこのゲームに参加してから奇妙な気分に覆われつつあった。
今までこんな相手の事を考えた戦いをした事があっただろうか。
今までこんなにも計略と考察を重ねたことがあっただろうか。

それがジャギのQMZの力の目覚めと自覚する事はなかったのだが。


「見る限り人気は無いな」

近くで学校を見た第一印象。
人や物は見かけによらないというが、初対面の人間や初めて見る物には正直第一印象でしか半断が付かない。
(これにはジャギの外見にも同じ事が言えるが)
とは言え、敢えて人の気配を隠している可能性も十分ある。あまり意味があるとは思えないが。


とにかく、今は中身が重要だ。



そう思ってジャギは校門を開くために手をかけようとして

445大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:44:31 ID:Bp792GWg0


誰かに肩を つ か ま れ た 。



否。



か ま れ た











「………」



もはや驚く事も出来なかった。
痛みよりも驚きよりも全てにおいて疑問が先行していた。
ジャギもまた青鬼同様無言になった。

それは諦念であろうか、後悔であろうか。
もっとも青鬼にとってはどんな事はどうでも良かった。
そこに人があるから喰らう。それだけである。
半ば人の姿をしているが故、そういった歪みがよりおぞましさを増長させているのだ。


ジャギの肩に食らいついた青鬼は顎を開き、肩肉から牙を抜いてより奥に食らいつこうとする。
自らの凶悪な牙で、心臓を貫く為に、

青鬼は最大限まで顎を開き、牙をジャギの胸に突き立てる。
強靭な筋肉さえも青鬼の顎の力には無力であった。




「…後悔も諦めも、しねェからな」




それは、魔法戦士としての抵抗。

446大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:45:20 ID:Bp792GWg0
同時に顎を閉じられる。


牙が心臓を___







貫かなかった。







青鬼の牙が空を千切る。
そのとき始めて青鬼は自分の体の違和感に気がついた。


拘束されている。


青鬼がその事実に気がつくのと青鬼がその空間から断たれたのは同時であった。


異変に気づき、ジャギが振り向く頃には青鬼もそれをつかんでいた「手」も消えていた。


【青鬼3@青鬼】一時退場



【c-03 /1日目・夕方】

【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:疲労(大)+奥義連続使用による消耗、ダメージ(大)、全身に爆発によるダメージ×2、QMZの力の目覚め、原因不明の苛立ち、右腕に裂け傷(止血済み) 左肩に大きな噛み傷
[装備]:魔法戦士の衣装一式@QMZ
[道具]:基本支給品一式、音の出るフリスピー@ミツバチ(遊助)
    こんなところの閉鎖病室の鍵の束@チャージマン研!、銃火器予備弾薬セット@オリジナル
    日本酒一升、刃物×2(全て違う種類、そこそこ大きい)
[思考・状況]
基本思考:ケンシロウの名を騙ってゲームに乗る
0:ケンシロウも気になるが、コソコソ見てた奴(譲治)も気になる。
1:参加者を探し、殺す。
2:銃火器がほしい。ガトリングとか。
3:襲撃者(にとり)は確実に殺す。
4:自分をコケにした女と犬(早苗と権兵衛)は許さない。
5:研、リュウセイ(名前を知らない)は次会ったら殺す。
6:奇跡の部屋にある新鮮な血に疑問。
7:右腕と左肩の治療を優先。
8:あの青い奴、さっきのとは何か違う気が…
※青鬼のデイバックがC-04に放置されています
※青鬼の事を支給品の類いだと考えています

447大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:47:19 ID:Bp792GWg0


***



「…伏せろ!」




プラシドがその異変に気づくことが出来たのはこの仰向けの無理な体勢だったからこそであろう。
上しか見えない、しかしそれが最大の不幸中の幸いであった。

…青い巨人という最大の不幸の。

今まで自分の周りで5人もの仲間が失われた。
その悲劇を繰り返さないのは、もはや言うまでもない
プラシドはプラ/シド也に上半身だけの状態でも自分に出来ることを絶えず模索し続けていた。

絶望を一歩分でも遠ざける為に、

希望に一歩でも近づく為に、

多くの仲間を失ってもなお挫けず、

上半身だけになってもなお諦めず、

絶望の未来を変えるため、生き残った仲間の命を救おうとするプラシドのその姿は、正に希望の番人であった。



そのプラシドの希望の声は、しかし手遅れだった。



桃色の人工的な頭髪がプラシドの顔にかかる。

プラシドにはルカの表情を伺い知ることは出来なかった。
なぜなら、ルカが座るべき運転席には、ルカの「体」だけがあった。
胸のあたりまで青黒く染まった首から上の存在しないルカの体が、そこにいたから。

その首無し死体の上に、歪な青の双眸がのぞく、
その双眸の正体こそ二人の仲間を喰らった張本人、青鬼であった。

青の異形は手に入れた餌をさぞおいしそうに咀嚼し、そして飲み込んだ。

ここでプラシドはここでやっと今起こった事を理解した。
それほど短い、一瞬の出来事であった。

448大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E:2015/01/02(金) 16:48:18 ID:Bp792GWg0

自分の呼びかけもむなしく、ルカは青鬼に食われた。

プラシドの感情もまた、ルカを救えなかった事への絶望より、疑問が先行していた。

オデッセイの天井を破るまで音もしなかった。いつの間にここに。それだけの力があるというのか。
これは鬼子か。いや、青鬼は複数いる。とすればこいつは一体元々誰だったんだ。

青鬼は自らを見つめる上半身だけのそれが生きている事に気づく。
体を車内へとのめり込ませ、その上半身という餌に腕をのばす。
プラシドの視界が青鬼の手に覆われていく。

(………っ!)


運良くまだシート上に転がっていた拳銃の存在に気づき、それを構える。

重力が歪み、視界が反転していく。

それはプラシドの幻覚でも走馬灯でもなく、他ならぬ現実であった。




ルカという運転手を失ったオデッセイは文字通り暴走している事になる。

空中に放り出されたオデッセイは。運動エネルギーを残したまま位置エネルギーを生み出し、落下していく。
そのままオデッセイが転がりながら着地し、なおも何度か回転を続け川の浅瀬に着水、その場で回転運動を停止した。

プラシドもフロントガラスを突き破って吹き飛ばされ、河原に落ちる。
それは奇しくも遊星のシューティングスター・ドラゴンのスターダスト・ミラージュ五連撃を喰らって敗北した時と同じ吹き飛び方であった。
今回ばかりは意識が残っていたが。



河原のプラシドは微睡む意識を目覚まさせ、両腕で前へ進む。

あの鬼はまだ生きてるだろうか。
下半身は無事だろうか。
どちらにせよ移動しなければ。遅かれ早かれここも危険な所になる。


ついにまた、1人になった。


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