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パラレルワールド・バトルロワイアル part2
319
:
接触
◆qbc1IKAIXA
:2012/02/09(木) 20:27:28 ID:eSEoQ3Xs
などと、心にもないことをいう。今の目的はこの男から離れること。
すでに相手はこちらの切り札に警戒を払っているが、このギアスを避けれる奴はいない。
頬に手を当てるふりをして、いつでも眼帯を取れるようにする。
「オルフェノクになるのも悪くわないわ……なんて、ボクが言うとでもおもった?!」
素早く眼帯を上げ、隠された左目を晒した。
C.C.細胞に侵食されて体が痛むが、音を上げず続ける。
今、この期を逃すほどマオほど頭が悪くない。
「ボクのギアスで幸福の監獄へ行くといい!」
左目に刻まれた刻印が村上へと放出される。
ギアスの光を通じて、永遠の夢へと意識を案内された。
「ぐぅ……くっ」
マオは魔女因子に蝕まれた右手を掴み、歯を食いしばる。
抑制剤を今消費するわけにはいかない。やはりいつもより消耗が激しくなっていることを自覚しながら、今後のことを考える。
これで村上は無力となったはずだ。今どのような過去を見ているか、仕上げに入る。
「さて、君は……えっ?」
戸惑いのつぶやきが上がる。ギアスをかけたはずの相手は優雅ささえ感じる佇まいのまま、こちらに近寄ってきた。
「幸福の監獄。なんのことかと思えば、過去の幸せだった記憶を見せる能力なのですね。
確かに人間相手ならば効果的でしょう。ですがひとつ覚えてください」
コッ、コッ、と硬い床を革靴が叩く音を聞きながら、マオは左頬に手を添えられるのを黙って見ていた。
「オルフェノクは例外なく、未来にしか幸福はありません。
それさえ理解すれば、あなたの力はもっと上に行けます」
優しい口調で語りかける村上峡児から、必死で離れた。
相手は追いかけず、こちらがどう動くか観察している。
マオは小さなボールを握りしめ、地面に叩きつけた。
「ほう」
感心する村上の声が聞こえる。
ボールの中から飛び出したのは、二メートル近い大きさの怪獣だった。
鼻の上に存在する角が、ドリルのように旋回する。
「あいつを足止めしろ!」
マオの指示通り、サイドンが村上に突進を開始した。
「サイドン、でしたか。おやめなさい」
だが、その進みはあっさりと止まる。
村上峡児の雰囲気が変わったのだ。
「くっ……」
無意識にうめいてしまうほどの、圧倒的な殺気。
気圧されながらも、サイドンの方へ視線を動かす。
背中しか見えないポケモンは、まったく動かなかった。目を見ずともわかる。
野生の生物であるからこそ、目の前の男に絶対勝てないと理解してしまったのだ。
「私としては貴重なポケモンを失いたくありません。そしてあなたに危害を加えるのも気が進まない。
ポケモンを収めて、私たちとともに行動をしませんか? 上の上たるあなたの能力なら、我々とも対等な関係を結べる。そう信じています」
村上峡児は笑顔を浮かべ、手を差し出してきた。
本心を読まれているというのに、豪胆な男だ。
もちろん、仲間になって欲しいというのは本心だ。ただ、危害を加えない、というのは若干怪しい。
彼には自分をオルフェノクにするつもりだからだ。若干、とつけた理由は、村上峡児本人はそのことを『危害』と認識していないゆえである。
マオはため息を小さくつく。迷う余地などない。
「戻りなさい、サイドン」
ボールを握ったまま、降参のポーズを取る。相手は満足そうに頷いていた。
「歓迎します。それではお嬢さん、あなたの名前をお聞かせください」
□
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