したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【15周年記念】ジョジョの奇妙な問題集【自由参加企画】

196名無しのスタンド使い:2024/12/03(火) 23:13:28 ID:bQtobIkE0
【課題名】
>>78 危険性証明問題 その②
【使用オリスタ】
No.113 アークティック・モンキーズ
No.678 アークティック・モンキーズ:ハムバグ
本体名:城嶋 丈二
No.5302 フレンドリー・ファイア
【解答】

アークティック・モンキーズSS1+2 2次創作

危険性証明問題 その②



〜バンコク カオサン通り PM15:17〜

 色鮮やかな建物や看板が入り乱れる雨上がりの街並みに甲高い悲鳴が響き渡り、現場は喧騒と混乱に包まれる。

 サイボーグ女が突如暴れだし、たまたま近くを通りすぎたオートバイの運転手を惨たらしく一刀両断、路面の水溜まりを血の海に染め上げる。

 何も知らない人々は、現場に立ち尽くす半裸の日本人のことなど目もくれず逃げ惑う最中……事の発端を知る2組の男性は、遠く離れた建物の屋上で高みの見物をしている。


男A「尖兵の姿が消失……司令より、Bプランの始動が宣言された」

男B「OK……それで?もう一度確認したいんだが、俺等は突然消えていなくなった機械仕掛けの『メリー・ジェーン』と、これから颯爽と現れてくれるタイ生まれでタイ育ちな『ジャンキー・チェーン』たちの尻拭いをすればいいんだな?」

男A「おい、口を慎め……丸聞こえだぞ」

男B「ハッ、モルモットのお茶目な鳴き声にいちいち反応するリアクターはいね〜ぜ。それとも何だ?そうだな例えば、お仲間は一目惚れしたお相手にストーキングしながら、24時間細やかなスケジュールが記載された観察日記を嬉々としながら送りつけるような気持ち悪ぃド変態……みたいなヤツだって言いたいのか?」

男A「お前はいったい何を言ってるんだ?仕事だ。下らん話しは止めろ」

男B「アイ・アイ・サー」


 軽口の狙撃手はスナイパーライフルのスコープ越しからターゲットの様子をうかがう。シニカルな口先とは売って代わり、その眼光は猛禽類のように鋭く、標的の急所に狙いを定めている。

 もう一方の寡黙な観測手は、相方の戯れ言を馴れた調子で冷静に捌きつつ、フィールドスコープや光学機器で一帯の状況を数値化しながら俯瞰する。

 彼等が共に狙い済ますのは、スタンド使いのジャパニーズだが、そいつはただの日本人ではない。日本を裏で支配していたあの『組織』を壊滅に追いやった英雄にして規格外の怪物。

 彼が果たした偉業は、裏社会にも噂となり流布されて……今回のような騒動に発展してしまったのだろう。

 世界は広い、様々な人種、様々な思想を持つ人々が、同じ空の下で入り乱れているが、その中にはミュータントを快く思わない者たちも当然存在する。


観測手「ワーカーが動きだした。これより非スタンド使いによるスタンド使い抹殺のテストケースを開始する」

狙撃手「イエッサー」


〜同時刻、カオサン通り〜

 喧騒と混乱の真っ只中、騒動に巻き込まれた当事者・城嶋丈二は辺りを見渡し、伏兵の存在を警戒する。様々な死闘を経て身に付けた直感が、生存本能のスイッチを入れる。

 謎の襲撃者を血の海に沈めて無力化できたが……サイボーグ化された改造女、アレは個人でどうにかできる兵装ではない。得たいの知れない徒党が裏で蠢いているかもしれない。


丈二(早速お出ましか!)


 丈二の予想通り伏兵が現れた。そいつ等は黒いロングコートにサングラス姿の露骨に怪しい三人組の男で、示し合わせたかのようにコートを跳ね除けたかと思えば……散弾銃の銃身を丈二に向けると、容赦無く引き金を引く。

 さらに丈二の意識外からも狙撃手の凶弾が襲いかかろうとしている。


 射程外から繰り出される散弾銃の3挺同時掃射は、並のスタンドでは流石に捌き切れず、丈二の逃げ場は血の海しかない。

 紙一重のタイミングでA・モンキーズに引き込んでもらうが、赤の世界には厄介極まる改造女が潜んでおり……

 丈二が血の海に侵入した瞬間……真っ赤な水中内で、改造女は両腕を関節ごと回転、そのふたつの拳から生じる圧倒的な推進力はまさに歯車的渦潮のオンスロート!

 赤色の世界に着水したばかりの丈二の無防備な臀目掛けて、人間魚雷と化したサイボーグ女が激突する!

丈二「クッ!?」

改造女「目標との接触に成功、赤色の世界から脱出……完了」

A・モンキーズ『ムヒーーーーーーッ!!』

改造女「ッ…」

 赤色の世界から無理やり吹き飛ばされた丈二だが、何とか改造女をA・モンキーズで殴り飛ばして、強引に距離を取る。

 しかし、地上にはトリガーハッピーたちの滅茶苦茶な乱射が待ち構えている。近場にはただのアスファルトが広がるだけ、先程まで着ていた赤色の半袖は改造女との攻防で、どこかにいってしまった。目ぼしい赤色は皆無。

 丈二は、覚悟を決める他ない。

197名無しのスタンド使い:2024/12/03(火) 23:14:59 ID:bQtobIkE0
丈二「うおおおぉおおおぉおおおお!!」

A・モンキーズ『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!』

 丈二は雄叫びを上げながら駆け出した。A・モンキーズの拳打のラッシュで迫り来る弾幕を弾き飛ばすが、散弾銃の3挺同時攻撃は全て捌けない。

 急所は全力で防いでも、手足に散弾の雨粒が食い込む。激痛が全身を駆け巡るが、それでも構わず、丈二は弾丸を避けるため、建物の中に侵入しようとするが……

 丈二の動きを先読みした観測手は、狙撃手に指示を出す。


観測手「目標652m、風は左から」

狙撃手「照準良し」

観測手「撃て」

狙撃手「撃て」


 遠く離れた屋上から放たれる凶弾は、丈二の右側頭部、筋肉と頭蓋骨を貫通した。激烈な痛みと血液を迸らせながら丈二はアスファルトに倒れ込むが……その瞬間、全身から流れる自分自身の血液に身を沈める。


観測手「ヒット……しかし、スタンド能力により目標消失、まだ生存している!」

狙撃手「チッ、運のいいヤツだ!直前でよろめきやがって!!」


 それはまさに不幸中の幸い。A・モンキーズが防ぎきれず、丈二の手足に被弾した散弾は、狙撃手たちの精密射撃を着弾寸前で狂わせてしまった。

 そして、この好機を逸した瞬間、とことん追い詰められた手負いの獣は、狩人たちの喉元に容赦なく牙を突き立てる。


改造女「目標発見、活動限界時間まで残り100秒、ワーカーと連携します」

 丈二が再び血溜まりから浮上した瞬間、襲撃者たちは相変わらず散弾銃をの波状攻撃を仕掛ける。

 それに合わせるように改造女も身に纏う黒いドレスの胸部を引き剥がし、両腕を頭上まで上げて、突然大胆不敵なポーズを披露――否、体内に内蔵していた銃機関砲を露出させ、徹甲弾を連射する!

 しかし、飛び交う弾丸の嵐は、丈二の肉体をズタボロにはせず、改造女と散弾銃の襲撃者たちは、いつの間にか互いの銃撃が直撃して、血溜まりを作りながら路上に倒れ伏せていた。

 ★

 その様子を安全圏で観測していた狙撃者たちは当然困惑し、無線越しの男は怒り狂う。

観測手「馬鹿な!いったい何が起こっている!?」

狙撃手「も、もしかしてよぉ〜〜〜あの『組織』を………『柏 龍太郎』を………ぶっ壊した切り札を切ったみたいだなぁ〜〜〜ヤベーぞ」

観測手「仕事は失敗したが……契約は遂行した。速やかに退くぞ」

狙撃者「おう」

指令『待て、敵前逃亡は許さんぞ』

観測手「前金分の働きはした。これ以上アレに関わる理由はない」

狙撃者「おい、やっぱりこいつド級の変態だったな」

観測手「知らん、どうでもいいから早く泥舟からずらかるぞ」

狙撃者「アイ・アイ・サー」

指令『クソッ!どいつもこいつも役立たずばかり!プランCだ!アレを動かせ!』

 無線越しの男、ミュータントを忌み嫌う純粋人類至上主義者は、憤慨しながら新たな策を発動する。


 ★


 血溜まりから浮上した丈二と共に並び立つ、人型のフォルムのスタンドは、その手に『Humbug』と書かれたキャンディの袋を抱えているが、非スタンド使いの狙撃者たちにはその変化を正確に認識できない。

『アークティック・モンキーズ:ハムバグ』

 それは『アークティック・モンキーズ』の進化形態にして完成体……柏 龍太郎の強大なスタンド能力に対抗するべく、丈二が試練を乗り越えて会得したスタンド能力の極致。その能力はハムバクが生み出すキャンディに触れた者に、丈二が考えたオリジナルスタンド能力を与える。

 血の海で沈黙する屍の肩には、小さな人型スタンド『フレンドリー・ファイア』がひょっこり乗っかっていた。味方を同士討ちさせてしまう能力を秘めたオリジナルスタンドは、本体になってしまった男が死亡したため、今にも音もなく崩れようとしている。

 生き延びた丈二は狙撃者を警戒して、すぐに遮蔽物の影に身を隠すが、緊張が解けたのか肉体が悲鳴を上げ、その場に崩れ落ちる。


丈二「痛ぇ……何とか仕留めたがよぉ……ハチャメチャが過ぎんだよ!ラリッてんのか馬鹿野郎!?……あとはどこかに隠れてるスナイパーだけだが……付き合いきれねぇ」

 辛勝を勝ち取った生還者は、世界旅行を台無しにされたことにぼやきながら血の海に沈む。バンコク旧市街で勃発した未曾有のテロ、準用参考人である謎のアジア人は一目散に姿をくらました。


 この物語は、数奇な運命に立ち向かった青年が歩んできた道筋の断片、一欠片の可能性。

 夢見た世界旅行の道中、なんやかんや色々あって、彼女のヒモになってしまった青年の物語。



※謎の指令Xが発動したプランC、ガトリングガンを装備した軽トラくんは目標を見失い、地元警察に確保されました。その③ルート省略ごめんなさいm(_ _)m

198名無しのスタンド使い:2025/01/07(火) 22:34:34 ID:LQ2IdWns0
【課題名】
 >>111 コンテニュー
【使用オリスタ】
 No.8438 バギー・ボーイ 本体名『常葉 碧(ときわ あおい)』
 No.8462ファイア・イン・マイ・ハート 本体名『凰 明良(おおとり あきら)』

【解答】

 ……これは酷い。

 赤黒い血溜まりの中心には、手足があり得ない方向に曲がり、皮膚から折れた骨が突き出てて、叩き割られたスイカのような頭部を晒す惨たらしい死体がある。

 生まれて初めて、アスファルトに脳漿をぶちまける自分の死体をお目にかかることができた。

 これが、どうやら死後の世界なのだろうか?

 私は確か……いつものように自宅を出て、出勤中だったハズだが……その道中、不運にもトラックに轢かれてしまった。

 電源が落ちたかのように、目の前が真っ暗になり、うら若き乙女の人生が儚く終幕した。

 と、ばかり思っていたが、どうやらこの世の理は私が考えていたよりも、カオスだった。

 何故かって……こうしてるうちにどこからともなく謎の声が聴こえてくる。


『常葉……常葉よ……!』

「その声は……誰?」

 懐かしさを感じる女性の声、どこかで聞き覚えがあるような気がしたが……それはすぐに錯覚だと気がつく。

『そんなことは……どうでもいいのです。重要なのは……常葉、貴女の意思よ。今から貴女にチャンスを与えます。貴女はご覧の通り凄惨な事故死を遂げてしまいましたが……3日間限定で現世に蘇り、期限内に3人に『善行』を為せば……特別にそのまま生き返らせましょう』

「は?ちょっと……いったいどういうことなの?」

『聞いたままの通りに受けとりなさい。重要なことはイエスかノー……今この瞬間を決断する貴女の意思表示です………………幸運の女神には前髪しか残されていないのです』

「えぇ……」

『………………』

 人(?)のことをとやかく言えないが、この声の主は説明が雑過ぎる。新手の詐偽か何かと疑いたくなるが……目下には物言わぬ私自身の遺体が、差し迫る非現実を誇張してくる。選択肢なんてあって無いようなものだ。

「そ、それじゃあ……イエスで」

『Good!賽は投げられました!その決断と……勇気を称賛して……ささやかながら…助力しましょう。現世に………降りたい場所を貴女自身が宣言しなさい。会いたい人がいるなら……か、顔を思いうかべなさい』

 何か知らないけど気に入られたのかしら?……と、言うか何だか口調の歯切れが悪くなってきているような気がすると思っていたら……事態が急変する。


「う、うわああああああああああ!?」

『も、もうじか、がありま、ん。ときわ……碧、あ、あな……のけ、けんと……いのり、ま―――』

 あ、ありのままに今起こっていることを言語化すると!明らかに死んでいるハズの私の死体がひょっこり起きあがったかと思えば、私に襲いかかってきた!?

「バ、バギー・ボーイ!こいつを殴り飛ばして―――」

 私は自身のスタンド能力……熱帯雨林の植物を擬人化したような姿をしているやや小型の人型スタンド【バギー・ボーイ】を呼び出して、迫り来る私自身の死体(リビングデッド)を引き離そうとしたが……どういう分けか【バギー・ボーイ】は私の死体側に現れて、まるで助けようとはしてくれない!?

「ひっ――――――」

 私の死体は全身から夥しい量の弦や根・枝・葉・花が湧いて出てきて、私を抱擁するように包み込み、世界は真っ白に染まった。





【バギー・ボーイ】の能力―――直接的・間接的に触れた対象を宿主とし、そこから植物を生やし操る力。

 本体の女性『常葉 碧』の不慮の事故で死亡した際、スタンド自身……或は本体の無意識下の生存本能が一か八かの賭けで自分自身に能力を発動した結果……本体の死体から生えた植物は新たなスタンド能力を発現、或は能力が拡張・進化したのかもしれない。

 世界のどこかには本体が死亡した後、怨念の力で動き出すスタンド能力も確認されており、今回の事象もその類かもしれないが……死体と産み出された植物は常葉の魂を取り込んだ瞬間、瞬く間に塵となり消え去り、再検証は不可能だろう。



 そして、時と運命は歪みながら巻き戻る。


 ★

「常葉さん、貴女いつからそこにいたの?」

「はっ!?」

 ふと気がつくと、目の前には訝しげに部下を見つめる……私の上司、『大瓜ここのつぼし動物園』で園長補佐として働く女性『凰 明良』がいた。

 自分自身の死を体験して、未だに何をされたのか分からず、正直頭がどうにかなりそうなぐらい混乱しているからこそ……冷静沈着なこの人に頼るしかない。

「あ、明良さん!私死んじゃった!どうしよ!」

「は?」

 ……まずは説明からだ。


To Be Continued

199コンテニュー 続き:2025/02/04(火) 22:20:43 ID:Kh2f.X.g0
 小綺麗な内装の園長室、そこに主の姿はないが、きっと動物たちや従業員たちに気を配りながら園内を散歩しているのかもしれない。

 その代わりに室内で事務業務をしていた明良さんは……文字通り突然湧いて出てきた私に困惑している。至極全うな当たり前のリアクションである。でもここで臆して引き下がる訳にもいかない。私は重たい口をこじ開けて事情を説明する。


「……あ、ありのままに起こったことを話します!私はいつのように出勤しようとしていたらその道中トラックに轢かれて死んじゃったんです!幽霊になって自分の死体も見ちゃいました。バチクソグロかったです!でも……何か急に謎の声が聞こえてきて、3日間だけ特別に復活してもらえたんですが、その期間中に3人に良いことをしなければ、また死んじゃいそうなんです!助けてください!」


 私は可能な限りに自分の身に起こった出来事を分かりすく説明したつもりだ。しかし、まぁ……うん。黙って話を聞いてくれていた明良さんの目、すっごく泳いでる。


「えぇと………………うーん、そっ…かァ……いつも頑張って働いてくれてありがとうね………リフ休とろっか」

「違う、そうじゃない!疲れてるワケでも、ヘラってるワケでもな〜〜い!私の言葉通りのことが今起こってるんですよ!冗談なら4月1日に言いますから信じてください!」


 私を朝っぱらから上司に何を話しているのだろうか?普通ならまず信じて貰えない与太話だろう。でも『大瓜ここのつぼし動物園』の職員なら……この手の奇妙な話を無下に扱わないハズだ。

 私と同じスタンド使いである明良さんも、私の真剣な様子を次第に察してくれたのか、髪をかきあげながら、真っ直ぐな眼差しを向けてくれる。


「もしかして……新手のスタンド使いから攻撃を受けたのかしら?」

「わ、分かりません。でも……攻撃というよりは、本当にトラックに轢かれた私を助けてくれたような気がします……………ここに来る直前、幽霊の私は自分の死体とバギー・ボーイに襲われたんですけど……気がついたらここに、明良さんの前で復活したんです」

「復活か……まったく、突拍子もない話ね。でも常葉さん、私は貴女の誠実な働きぶりを知っていますし、くだらない嘘を悪戯につく人でもないでしょう。貴女はこれまで積み上げてきた信頼を賭ける心づもりで、私に助けを求めていると認識していいのかしら?」

「はい、勿論です!」

「あ〜ぁ、断言しちゃう……いっそのこと冗談の方が良かったよ。それで、今からどうしようか?私は何をすればいいのかしら?」


 互いに真剣な眼差しを向けながら言葉を交わす内に、明良さんはようやく私の話を信じてくれたが、話の内容が取って付けたような話なだけあり、あまり乗り気ではなさそうだ。

 しかし、まぁ……交渉の余地が出来ただけ御の字である。あとはこちらがどれだけ要望を示して通せるかだ。


「えーと、まずは、信じてくれてありがとうございます。お願いしたいことがいくつかあります。1つ目はリフ休……じゃなくて可能であれば有給を3日ください。制限時間内に問題を解決できたら早急に復帰します」

「……あぁ、それは構わない。アマゾンエリアのガイドは何とかしよう。遠慮なく休んでくれていい」

「た、助かります!あとお願いはもう一つだけです。期限内に3人の相手に良いことしないといけないようなのですが、私1人だけじゃ手に負えないことが起こったとき……園内のスタンド使いたちに協力を要請できるよう口を利いて貰えないでしょうか!」

「それくらいならお安い御用よ。何かあれば私に連絡しなさい。話は私が通しましょう」

「あ、有り難うございます!こんなに良くしてくれるなんて……感激です!」

「困ったときはお互い様よ。その代わり園に何かあったときには、貴女を頼りにするかもしれないから、そんなことがあるときは宜しくね」

「は…ははァ〜〜ッ!」


 明良さんは二つ返事で私の要望を受け入れてくれた。こんなことされてしまっては、お殿様に平伏する家来にならざる得ないだろう。


「何だかよく知らないけど、健闘を祈ってるよ。頑張ってね」

「有り難うございます!そりじゃ、行ってきます!」


 私は一礼して園長室を退室した。後ろ楯になってくれる心強い人と早急に出会えたことは紛れもなく僥倖だろう。あとは私が足を使うだけだ。

 ひとまず、あの謎の声の言うとおり、3日以内に誰か3人に善行を為してみる他ない。まずは顔馴染みのいる園内を回りながら良いことをしてみよう。

 
 困っていると言えば……いつも困ってそうな子がいたような気がする。確か園内のアジアエリアで展示されている巨大なイリエワニ、あの子はいつも顎が外れていて大変そうだ。



To Be Continued

200コンテニュー続き:2025/03/04(火) 22:33:56 ID:PtH7r6lU0
【課題名】
 >>111 コンテニュー
【使用オリスタ】
 追加オリスタ
No.8418 モンスター/スーサイド 本体名『潮(うしお)』
No.8440 ミニドラゴン 本体名『隠岐 亘(おき わたる)』

【解答・続き】

『大瓜ここのつぼし動物園』には多数のエリアが存在する。例えば私が普段ガイドを担当しているアマゾンエリアは、南アメリカエリアに属していて、実際のアマゾン川周辺に生息する動植物を展示している。

 これから向かうアジアエリアも複数のエリアで形成される大規模なエリアで、そこに属する東南アジアエリアには『潮(うしお)』……天然バカというべきか……妙な愛嬌を振り撒く巨大イリエワニがいる。

 水辺の放飼場には無数のイリエワニが、口を開きながらじっと動かないで日光浴をしているが、一匹だけ様子のおかしいヤツ……『潮』がいた。

『潮』は口をパクパク上下に動かしたり、何かに噛みついたような素振りを見せたかと思えば、急に体を回転するようなことがあり、まるで見えない何かを捕食しているように見えることがある。

 この様子が来園客には受けが良く『エア補食』・『夢の中で食事中のワニ』とかなんとか言われたり、ストレスによる異常行動、飼育の仕方がなってない等SNSで叩かれたこともあったが………………でも実はこれ、本当に何かを食べている。

『大瓜ここのつぼし動物園』は世界各国の動物愛護団体と繋がりがあり、保護という名目で不思議な力を宿した動物を引き取ることがよくある。『潮』もその類……私と同じスタンド使いだ。

 目を凝らしてよく見れば本体の巨体に紛れ込むように潜伏している……口が二つあるワニのような姿をした『潮』のスタンド『モンスター/スーサイド』は、なんでも食べることができる能力らしい。

 ああやって何もないのに何かを食べている素振りを見せる時は、大抵の場合は太陽光や気温を捕食して、変温動物らしく体温を調整しているそうだ。

 でも、スタンド能力なら本体が動くこともないのだが、『潮』の場合は、スタンドの動きにつられて本体も体を動かしてしまう癖がついてしまっているらしく、このような事態になっているらしい。

 まぁ……太陽光や気温を食べる分には問題ないかもしれないけど、時より『よく分からないとんでもない大物』に食らいつくことがあり、大抵そういう時は顎が外れて戻らなくなる。

 例えば、今みたくデスロールなんて厳つい捕食行動を繰り返ししている時は、もしかしたら『大物』の捕食に苦戦しており、十中八九顎なんてガバガバに外れちゃう。

 周囲のイリエワニたちは、そんな様子のおかしい群れのボスを目の当たりにして、しこたまビビり散らしながら、放飼場の隅っこに避難しており不憫でしょうがない。

 あれを治すには人手がいる。全長8メートル近い筋肉の塊と本能で動く動物スタンドの動きを止めるには、スタンド使いの力が必要になりそうだ。

 飼育員も事態を察知したのか、放飼場に人が一人入ってきた。眼鏡をかけた細身の男性スタッフ……南雲さんだ。


「南雲さーん!良かったら顎治すの手伝いますよ!」

「常葉ちゃん!?いいの?すごく助かるよ!」


 協力を申し出ると南雲さんは大変喜んでくれた。南雲さんはスタンド使いではないが、スタンド使いの動物と人が集まる動物園で働き続けている古株で、この手のトラブルには馴れているのか柔軟な対応がとらざるを得ないことを知っている。

 南雲さんは早速、園内の獣医に連絡を取りしばらく待っていると……肩を落としながら気だるそうな雰囲気をこれでもかと放出する隠岐さんがやってきた。


「やぁ、南雲さん。僕はまた朝っぱらから潮くんと楽しいプロレスをすればいいのかな?」

「い、いつも申し訳ない。でも今日は助っ人に常葉ちゃんが来てくれているからきっと大丈夫!」

「へぇ、こんなところに珍しいね常葉君、どういう風の吹き回しなのかな?」

「ども隠岐さん、これには色々と事情がありましてね。平たく言えば一日三善です。ごはんのことじゃないですよ。善行です」

「ふーん………………そりゃまた殊勝な心がけだね。でもまぁ、僕が一人で潮くんを相手にするのは、骨が本当に折れそうだから助かるよ」


 隠岐さんが素直に感謝してくれるのは珍しい。普段どんな荒治療をしているのかは分からないけど、言動の節々が滲み出てくる哀愁か苦労を物語っている。私もこの手の荒事には馴れているつもりだが、気を引き締めなければならないだろう。

 この場に集まった人たちで軽く打ち合わせをした後、早速作戦を実行する。

 放飼場にいる『潮』を室内の獣舎に誘導し、隠岐さんと私はスタンド能力を発動しながら出迎える。



To Be Continued

201名無しのスタンド使い:2025/04/01(火) 18:55:43 ID:CJ6GqYVM0
どうも、ジョジョな奇妙な問題集の運営をさせていただいた者です。
今回はコンテニューの続きではなく、本企画から私が一度離れることをご報告しに来ました。
理由としては、単純に私のモチベーションが最近維持できなくなってきてたので、一度離れてまたやる気が沸いてきたら再開しようと思います。

本企画は自由参加スタイルですので、私が不在中であっても、興味がある方はオリスタと問題集で好きなように遊んでくだされば幸いです!

丁度今日は4月1日だけどそーゆーネタではなく、書いてある通りのままですので悪しからずご容赦くださいm(_ _)m

202名無しのスタンド使い:2025/06/22(日) 23:33:17 ID:H.NjoJeE0
【課題名】サメが来たぞ
【あらすじ】
あなたはボートで海の上にいます。
港(岸)からそんなに離れてはなく、頑張って泳げば自力で辿り着けます。
しかし、人喰い鮫が、こちらへ向かってきます。
【クリア条件】
生き残ってください。
鮫を倒すのもよし、倒さずに逃げ切るのもよし。
【使用オリスタ】
なんでもOK
【補足情報】
ボートには救難用の飲料水、信号弾、ライフジャケットがあります。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板