したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

コスプレ出産喫茶

44熊猫:2012/12/24(月) 20:51:52 ID:D5XkQyo20
 目の前のドアを開けると、そこは産院だった。
ネットで探して付き添った妊婦と来た産院によく似てる。
中央には、くるぶしぐらいの高さのある水色のプールが設置されていて、
その中には、Tシャツ一枚になった産婦がお腹を抑えて横たわっていた。
 あれが西端あかねさんか。
今度は知り合いではないようだ。
西端という苗字にも、長い髪からのぞき見える顔にも憶えがない。
何となくホッとするような、物足りないようななんとも言えない気持ちを味わいながら、産婦に近づく。
 先ほど千夏さんが読みあげてくれたこの産婦のデータを思い出す。
陣痛の間隔が5分てことは、だいたい子宮口は5〜7cmぐらい開いてるかな。経産婦ということで、今回は少し早いかもしれない。
そう思いながら、時計で時間を図ると、だいたい2分間隔になっていた。
 破水したらしく、股間の水が噴水のようにボコッボコッと沸き立つ。
「西端さん〜。もうちょっとだよ。がんばれ!」
 千夏さんが腰の辺りをさすっているのを横目に見ながら、プールの中に入り、産婦に声をかける。

 おぎゃあ、ほんぎゃああ…!
それからだいたい2時間後ぐらい。
元気な男の子が誕生した。
さすが安産だな。
経産婦ということもあるだろうけど、すんなりと産んでいた。

 ドアを開けると、いつも通り喫茶店へ戻っていた。
ソファに座り、目尻を揉み込む。
おかしいな。休憩もたっぷりしたし、さっきのお産も記録的な安産だった。
疲れが取れない…。
ソファの背もたれにもたれかかると、そのまま寝てしまいそうだ。
 お店の時計では、来店してから数時間しか経っていない。
でも体感時間では一日中お産を手伝っていたような感じがある。
 千夏さんと別れるのは、気が引けるけれど、今日はもう帰ろう。

「だったら、ここで一眠りされてはいかがですか?」
 もう帰りたいと言うと、千夏さんは俺を引き止める。
返事も聞かないで、壁際に設置されて電話で何か言っていたかと思うと、
ドアが開き、二人の女性が入ってきた。
 二人とも、千夏さんと同じような古典的な黒いウエイトレス姿だ。
そして、千夏さんと同じくらいお腹が前に突きだしている。

 二人は、大きなお腹を抱えているとは思えないほどのスピーディーな動きで、
ソファーの背もたれを倒すと、ソファーは忽ちのうちにベッドへと早変わりした。
 ソファーベッドだったのか…。
そんな事を思っている間に、枕と掛け布団が用意され、二人の女性は一礼をして下がっていった。
「ご希望なら、子守唄でもお歌いしましょうか?」
 微笑む千夏さんの言葉をやんわりと断ってから、床につく。
ふかふかの布団が気持ちいい。これどこのメーカーのだろう。あとで聞いてみよう。
そんな事を考えているうちに、あっという間に眠りについた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板