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コスプレ出産喫茶

100舒龍:2013/10/20(日) 14:55:23 ID:4FT9oY4c0

 この環境が衛生的でないとはいえ、このまま破水せずにお産が進むと、田中さんの体力の低下が懸念される。
母子ともにかなり危ない状況になることが予想された。
素人の俺でもわかるんだ。専門外とはいえ、保険医の表情もかなり険しい。
 ふと、保険医の白衣のポケットにブルーのペンが刺さっているのが視界に入った。
これしかないだろう。意を決して、保険医にそのボールペンを貸して欲しい。とお願いをした。
それだけで伝わったらしく、頷いた保険医は中身を抜き取り、簡易セットで消毒を施してから、俺に手渡してくれた。
 田中さんの陣痛の波が収まったのを見計らって、羊膜にペンを突き立てる。
破水する前のギリギリの状態にあったのか、ペンを突き立てると、バシャッと大きな水音が体育館に響き渡った。
「はぁ…はぁ……は、ぁ、んっ、んんっ……。んッ!んぅッ!んぅぅぅ……ッ!!」
 破水したので、田中さんにおもいっきり息んでいいと伝える。
俺の言葉が届いたのか、顔を真っ赤にして息む田中さん。
お腹の膨らみの頂点がヘソの下から全然動いていない。破水したものの、なかなか赤ちゃんは下がっていないようだった。
 たしか36週目で、いずれも単胎大の双子のオーダーだったよな。
すでに破水前に息んでしまったことにより、田中さんの体力は消耗しかかっている。
急がないとマズイかもな……。

101熊猫:2013/11/03(日) 21:37:21 ID:V5gBXC5E0
 体育館の中は、煌々と明かりで照らされている。
最初は夕方とはいえ明るかったものの、すでに外は真っ暗になっている。
すでに下校時刻をとうに過ぎていたため、殆どの生徒は帰ってしまっている。
 単胎、比較的安産のオーダーだった長谷川さんも救急車で病院に収容されたらしい。
しかし、残るふたりとも、小さな身体で数時間にも及ぶ陣痛に疲れ果ててしまったようで、かなり苦しそうだ。
 岡島さんにも田中さんと同じ方法を使い、破水はさせたが、胎児は全然下がってくる素振りを見せない。
やはり、こんな状況下じゃ衛生的に不安だと胎児が出産を嫌がっているせいだろうか。
しかし、そんなことを言っている場合ではない。
はやく娩出しないと、母体自体が危ないのだ。
岡島さんはいいとしても、田中さんは大きめの双子を妊娠している。一人目が産まれたところで、二人目を出産する体力が残っているのか疑わしい。
 懸垂棒にぶら下がって、胎児が降りてくるのを待っている田中さんに声をかけ、マットレスに横たわってもらう。
足を大きく開かせて、その中に手を突っ込む。
手首がまるまる入ったところで、手に何かが触れた。胎児の頭だろう。
 陣痛の波に合わせて息む田中さんに合わせて、おもいっきり引っ張る!
それが功を奏したのか、ようやく胎児の頭の先だけ出てきた。
しかし、陣痛が収まるとまたすこし引っ込んでしまう。
いわゆる排臨という状態で、一段回進んだというべきだろう。
次の陣痛の波に合わせ、保健医と俺の二人がかりで頭を引っ張る!
ようやく、陣痛の波が収まっても胎児の頭が引っ込まない、発露と言われる状態になった。
ここまでくれば、あとは胎児の身体を出すのみだ。
ちょっとホッとし、保健医の顔にも少し笑みが浮かぶ。

「んッ。くぅっ…、くぅぅんん……。ん…っ、ぅんん、んんんぁあああ゛あ゛〜〜!!」
 ホッとしたのもつかの間、岡島さんが空気を震わせるような悲鳴を上げた。
千夏さんと保健委員の生徒が着いているはずだったが、思わずそっちの方を見やる。
 岡島さんは、身をのけぞるようにして、痛みと闘っていた。
両手を抱えるようにのせたお腹は、ボコボコと波打ち、今にも突き破って何かが出てきそうな勢いだった。
一体何なんだ!?

102無明:2014/01/16(木) 05:26:09 ID:YaWgGpe60
かなり痛みが強いようだ。
声をかけても、返事できる様子とは言えない。
となるとこの動きの激しさ、胎児が暴れている?
考え込んでいる俺の目の前、それは起こった。
「ぅう………んあああっ!!」
岡島さんの悲鳴の直後、羊膜が破け破水。
丸々とふとった、赤ん坊の脚が飛び出してきたのだ。

103熊猫:2014/03/14(金) 16:08:49 ID:eLIwyxTY0
 通常、赤ちゃんは頭から産まれ出る。
それが脚から出たということは、逆子になる。
すでに数時間に及ぶ出産で岡島さんの体力はゼロに近い。息をするのもしんどそうだ。
 次の陣痛の波に合わせ、保健医と俺の二人がかりで赤ちゃんの脚を引っ張る。
岡島さんもだが、俺達の体力も限界だ。
千夏さんも心なしか、ぐったりとしているように見える。
 数回引っ張っていると、やっと赤ちゃんの頭まで抜けた!
おぎゃぁ……、ほぎゃああ。と顔を真っ赤にしてなく赤ちゃんを見て、疲労が吹っ飛ぶような気がする。

 保健医に後始末を任せて、俺と千夏さんは体育館のドアをくぐった。
これまでの経験から、ここが出口なんだろうと思っての事だったが、やっぱり出口だった。
外は夜のはずなのに、明かりに包まれると、いつもの喫茶店の部屋に帰ってきていた。
ふたりして、ソファにどっと座り込む。
「長丁場で疲れちゃったね」
 千夏さんに話しかける。
「そうですね……」
 力なく答える千夏さんは、ぐったりとソファに身体をもたれさせ、目を閉じている。
順番から言えば、次はマタニティになる。
俺は軽いメニューなら行けそうだけれど、千夏さんがダメっぽい。
俺一人で行ってくるといっても、千夏さんはついてくると言うだろう。
双子を宿した大きなお腹を抱えた千夏さんには酷な話といえる。
少し休憩していこう。

104名無しのごんべへ:2014/03/17(月) 16:57:19 ID:OYAdSVD20
アイスミルクティーを頼み、暫く待つ。
ふと横を見ると千夏さんが目を瞑っていた。寝息も立てているようだ。
邪魔するのも悪いし、折角だから珍しい寝顔を見てみよう。
しかし美しいなぁ千夏さん。まさに日本的な美人と言える。
そんなことを考えていたらアイスミルクティーが運ばれてきた。熱いお絞りも付いているようだ。至れり尽くせりだよな。

…そう言えば3頁以降を見ていない。まだ2頁目の途中だし、3頁以降書いてない可能性もあるけど…
どうしよう、気になるなぁ。千夏さんが寝ている間に確認してみようか…

105無明:2014/03/18(火) 19:05:59 ID:cYkzfvCw0
千夏さんがすっかり寝ているのを確認し、三ページ目を開いた。
するとそこには大きく、こう書いてあった。

秘密の特別コース!
当喫茶の全メニューをご利用いただいた方にのみ提供させていただく、特別コースです。
ご利用になりたい場合は、全メニューご利用後にお申し付けください。

特別コースか……。
今までもなかなかの体験だったのだから、特別となるとすごい物なんだろう。
これは是が非でも、全メニューを制覇するしかない。
気持ちを新たにしてメニューを二ページ目に戻す。
次はマタニティだけど、気になることがある。
千夏さんが起きたら、聞いてみるか。

30分くらいしたら千夏さんも目を覚ましてくれたので、早速尋ねてみることにした。
「マタニティと、その次の普段着を一度に、ですか?」
「そうそう、あり得るんじゃないかな、と思ってさ」
アイデアをぶつけると千夏さんは少し考え込み、そして答えた。
「シチュエーションが限定されますが、よろしいですか?」
それは承知の上。
頷くと、千夏さんはすぐに機械に向かった。
ちょっとうたた寝しただけでも、少しはマシだったみたいだ。

106名無しのごんべへ:2014/03/18(火) 21:52:31 ID:I1SXjKik0
目を開けるとそこは少し開けた公園だった。
滑り台やベンチ、ブランコやシーソー。懐かしさも少し感じる公園だ。
俺はベンチの1つに座っている、
そんななか、マタニティーを着た女性が一人、子供をブランコに乗せ背中を押している。
「針須川有栖(はりすがわありす)、32歳。一児の母の専業主婦ですね。」
いつのまにか隣に座っている千夏さんが説明をする。
有栖さんがブランコを押している隣で話しかけている女性が一人。
ゆったりとしたワンピースと麦わら帽子を来ている。
ワンピースの上からでもわかるくらいせりだしたおなかから見て、彼女が「普段着」の女性だろう。
「伊東可奈子(いとうかなこ)、27歳。初産で産休中の事務員です。」
千夏さんが淡々と説明をする。
あの様子だと二人は知り合い、或いは友人と言った感じかな。
動きはまだないから遠くから眺めているか、近づいて話しかけてみるか…迷うところだな。

107無明:2014/03/19(水) 03:21:17 ID:Kdvk5BQA0
怪しまれるようなことがあったら困るしなあ……。
俺が考え込んでいると、千夏さんが自分を指差していた。
成る程!

「河野さんもスゴイですよね。双子なのに入院せずに済んでるとか……」
「私も、てっきり入院必須なのかと思ってたわ」
どうしようかと考える必要も余りなかった。
千夏さんに、二人のママ友役をやってもらい、自分はその付き添いという形で難なく会話に割り込むことができた。
やがて千夏さんを含めた三人はベンチに座り、なおも話に花を咲かせていた。
「それにしても、河野さんも運が良かったのねえ。親戚の祐樹さん、お医者さん目指してらっしゃるのでしょう?」
針須川さんのほうは、口調や物腰から上品さを感じる人だ。
ちょっとお金持ち、と言った雰囲気か。
「でも医学部って難しいんでしょう?私にゃー無理だろなー……」
伊東さんは対照的に明るく快活な感じがある。

針須川さんのオーダーは経産婦と言うのもあって安産でスピード出産にしているはず。
そして、伊東さんは励まして居るうちに産気づいていく、というオーダーだ。

108名無しのごんべへ:2014/03/21(金) 16:52:00 ID:xm2FC7RQ0
暫く話し込んでいると、針須川さんの様子が変わっていた。
お腹を気にする様子を見せ、暑くもないのに汗が浮かんでいる。
…そろそろ始まったかな?
「大丈夫ですか、針須川さん?何だか辛そうですが?」
白々しく演技をする。なにが起きてるかは理解しているけれど。
「え、えぇ…ちょっと、お腹が張るくらいですから…」
そう言いながらも眉間にシワを寄せる針須川さん。
「大変!じゃ、横になる!?」
伊東さんが慌てだし、うろうろあるきだす。
俺はそれを横目にしながら冷静に針須川さんをベンチの上で横にさせた。

109名無しのごんべへ:2014/04/26(土) 17:03:55 ID:Du0NczCs0
針須川さんは、ベンチに横たわったことで幾分か安心したのか、
ちょっと余裕が出てきた表情で、時折痛むのか顔をしかめるぐらいで落ち着いた様子を見せた。
しかし俺は気づいていた。顔をしかめる間隔が徐々に短くなってきていて、痛みもだんだんと増してきているようだ。
公園の時計で確認すると、その間隔はすでに10分をきっている。
もしこれが陣痛だとすると医学的にも陣痛発来といって、医療機関に入院しないといけない頃合いだ。
まあ、ちょっと様子を見てみるか。このことをバラしてしまったら、ここで出産できないし。

「くぅぅうう……。はぁあっ……、ぅうんんん。あッ……!」
ポンッ!ジョワジュワジュワァ〜〜〜

様子を見ていたが、伊東さんや針須川さん自身も異変に気付き、ざわざわとし始めた頃。
ひときわ強い痛みが来たようで、針須川さんが、顔を真っ赤にしながらお腹を押さえていると、
シャンパンでも開けたかのような、軽い発砲音の後、針須川さんの足の間から、水が勢い良く流れてきた!
「破水だ!」
顔を見合わせた俺らの誰からともなく驚きの声が上がる。

110無明:2014/05/26(月) 01:35:19 ID:zT5sy3tI0
大丈夫だから、と針須川さんは余裕を見せる。
彼女なりに周りを落ち着かせようとしているんだろうか。
だが、彼女が一番落ち着かせたいであろう伊東さんはそうはいかないようだ。
握り込んだ手、表情。
緊張しきっているのが、見て取れる。

111名無しのごんべへ:2014/06/05(木) 18:57:16 ID:zWwlnjlo0
「ふぅ…ふぅ…だ、大丈夫よ可奈子ちゃん…、心配しないで…」
「そんなこと言っても心配だよ!…うぅ?」
「はぁ、はぁ、どうしたの可奈子ちゃん?」
「うん、なんか、私もお腹の調子が良くないかも…」
…どうやら彼女も出産が始まってしまったようだな。
「大丈夫ですか?取り合えず、隣のベンチに横になりましょう」
そういって俺は無理矢理彼女を横に寝かせていた。

112無明:2014/06/10(火) 01:33:34 ID:BxGD1.G20
「ゆっくり、ゆっくり深呼吸ですよ。落ち着いて下さいね」
針須川さんは早すぎるくらいのスピードで順調だ。
もう頭が見えている。
対して伊東さんは陣痛が始まったばかり。
ここから長丁場とみて、問題ないだろう。

「針須川さん、そろそろいきむのやめて下さいね。頭、出てきますよ」
声を出す余裕もないのか、針須川さんは無言で頷く。
一件目はあと少しだ。

113名無しのごんべへ:2014/06/10(火) 09:58:55 ID:scvVI8AE0
「おぎゃあ、おぎゃあ」
複数回の息みの後、針須川さんの胎児が産まれる。
「おめでとうございます、男の子ですよ。」
そういいながら俺は彼女に胎児をだかせた。
針須川さんも嬉しそうなかおで胎児を見つめている。

「うぅぅぅう!いたい、痛いよぉ!」
っと、どうやら伊東さんの方にも変化があるみたいだな。
俺は針須川さんを千夏さんに任せ、伊東さんの介助を始めるため伊東さんの横たわるベンチに向かった。

114名無しのごんべへ:2014/06/25(水) 03:37:42 ID:U9U.HEp60
針須川さんを乗せた救急車を背に、俺たちは伊東さんに向き直る。
伊東さんは痛みに耐えかねてか、脚を大きく開き、ベンチのフチを掴んで息んでいる。
子宮口の開きは十分なようで、奥には羊膜に包まれた赤ん坊の頭が少しずつ、陣痛のたびに見えている。
この様子では、もう一台の救急車が来る前に生まれてしまいそうだ。
どうしたものか、と悩んでいると、千夏さんが突然履いていたジャンパースカートを脱ぐと、ベンチに敷き始めた。
「ほら、赤ちゃんをじかにペンキに触れさせるわけには行きませんし」

115名無しのごんべへ:2014/06/25(水) 12:50:51 ID:0vC34rVU0
千夏さんがジャンパースカートを広げ、ベンチに敷く頃には伊東さんの胎児の頭は既に外に出ていた。
「…ほら、もう少しです、頑張ってください」
優しく俺が声をかける。
その声が聞こえたのか、ゆっくり頷きながら腹圧をかけていく伊東さん。
ズルリ、と胎児の体が現れる。

おぎゃあ、おぎゃあと公園に泣き声が響く。
それと同時に救急車も到着したようだ。
伊東さんが運ばれていくのを見て、俺は公園の入り口から一歩踏み出した。


眩しい光が開けると、いつもの喫茶店の部屋に俺はいた。
今回は楽な方だったな。続けて行ってみようか。
順番から言えば次はオフィススーツだな。
俺はオーダーをオフィススーツ、単胎、逆子の難産にして千夏さんに伝え目を閉じる。

目を開ければ、そこは会社のようだ。
パソコンがならび、プリンターやデスク、本棚や道具棚が並んでいる
そんななか、一際目立つ女性が一人。
スーツを着ているのだが、そのスーツはキツそうだ。
大きくせりだしたお腹を抱え、他人に指示を出している。
眼鏡をしていかにも知的と言ったところだ。
「若槻皐月(わかつきさつき)。三十代のキャリアウーマンです。ここの部長で、なかなかやり手みたいですね」
後ろから声がしたので振り向くと、同じようなスーツをきた千夏さんがデスクワークをしていた。
「ちょっと新人くん!はやく仕事しなさい!今日は大事な会議があるのよ!私用とプレゼン用の資料は出来てるの!?」
若槻さんが俺に向かって叫んでいる。
どうやら今回俺はここの新人役のようだ。
会議の話があるから、会議中に出産が始まるって感じかな。
俺は一応仕事をやってみながら若槻さんの仕事っぷりも見ていた。

116無明:2014/06/25(水) 15:13:04 ID:siRMp7P60
し、資料?
そんなものあったか?
慌てて探そうとすると、千夏さんがプリントの束とUSBメモリを差し出してきた。
どうやらこれのようだ。
「全く……あなたが管理するんだからきちんと覚えてなさい」
やれやれ、といった様子で俺をみる皐月さん。
「河野さんにも、無理させないでよ?」
そう付け加えると、一足先に会議室に向かっていった。

「であるからして、この計画の実行によって業績を前年比……」
何事もなく、無事に始まる会議。
資料に目を通す振りをしつつ、俺たちは皐月さんの様子を見ていた。

117名無しのごんべへ:2014/06/25(水) 16:49:21 ID:gTaXlkto0
「というわけで第一四半期の売り上げ目標と達成度は…」
ここまでの様子だと若槻さんは普通に話しているように見える。
しかし、俺は見逃さなかった。
若槻さんのお腹を撫でる回数が、会議開始中より増えてきていることに。

「っつ…と、言うことで…わが社の業績は改善しつつ…」
お、一瞬顔をしかめたな。発言もゆっくりになりつつある。
陣痛が強くなったかもしれない。
偉そうな人が資料にめを通して貰っているあいだにこっそり耳打ちしてみよう。
「それでは…資料の12ページ目一番をごらんください…」
よし、このタイミングだ。
(若槻部長、大丈夫ですか?)
(新人くん…なんだかお腹がおかしいの。陣痛かもしれないわ。)
(なんですって!?大丈夫ですか?)
俺は驚いた振りをする。すっかり慣れたものだ。
(まだたぶん大丈夫だから…)
(いいえ、無理して立つのは良くないです。進行は俺がしますから、部長はサポートをお願いします。)
(そう…ごめんなさい。少し座ったら良くなるかもしれないから…そうさせてもらうわ。よろしくね、新人くん…いえ、祐樹くん。)
そうこうしているうちに偉いさんも資料に目を通したようだ。
「では、以後は私から説明いたします。質問は部長にお願いいたします。宜しいでしょうか。」
一瞬ざわつくが、それもすぐに静まる。
大事な会議だとひしひし感じる。俺には経験がないけれど、何とかしなくちゃいけないな。
俺はとりあえず資料に沿って発言を開始した。

118無明:2014/06/25(水) 17:17:53 ID:siRMp7P60
「二番の項目にもあるように、現状売上を伸ばしているこの商品をメインに別部署とも連携をとりつつ、より一層ブランドイメージを定着させるのが今回の計画目標となっています」
資料を見つつ、俺はできる限り説明を続ける。
「質問」
そこに、明らかに偉そうな、間違いなく上層部の人からの質問がとぶ。
それに、皐月さんが答えようとした、その時だった。
「っ……あああぁぁぁぁ……」
悲鳴とともに、水をぶちまける音。
破水してしまったらしい。

119名無しのごんべへ:2014/06/25(水) 17:44:33 ID:gTaXlkto0
「だ、大丈夫かね!?若槻くん!?」
質問した上層部のお偉いさんも慌てている。周りの偉い人も心配そうだ。
「うぅぅぅ!痛い…た、助けて…」
若槻さんもパニック状態だ。
「佐伯くんは若槻さんを医務室へ!会議は以後私が担当致します。」
「河野くんがか?…わかった、よろしく頼む。佐伯くん、君は若槻さんに付いていてあげなさい。」
社長っぽい人が命令をしてくる。
言われなくてもそのつもりだったけど、千夏さんがいないと少し助産に不安があるな…
(会議が終わったらすぐに向かいます。難産とのリクエストですし、それくらいの時間はかかるかもしれませんしね。)
不安そうな顔を見越してか、千夏さんがそんな風に耳打ちをしてくれた。
正直、嬉しい限りだ。
「それでは退席させていただきます。失礼します。」
俺はそう返事をして、若槻さんを背負った。
扉が閉まると同時に、俺は医務室までの道筋を近くにあった会社の配置図で確認して走り出した。

120無明:2014/06/25(水) 23:42:20 ID:2zBKgo/g0
あまり負担をかけぬよう、最大限急ぎつつも慎重に急ぐ。
医務室は、幸いにもこの会議室からはそこまで遠くなかった。
皐月さんは、陣痛をこらえるのに必死なようでろくな反応がない。
どうやら、かなり激しい陣痛のようだ。
会議中の時点で、無理をしていたんじゃないだろうか?
考え事をしているうちに、医務室に辿り着いた。
やることはまず2つ。
皐月さんをベッドに寝かせることと、子宮口の状態を確認することだ。

121名無しのごんべへ:2014/06/26(木) 00:35:33 ID:5en8wEcE0
皐月さんをベッドに横たわらせた後、俺は皐月さんに確認をとる。
「若槻部長、子宮口の確認をさせてもらいますね…良いですか?」
「はぁ、はぁ…うん…よろしくね、今は貴方だけが頼りなの…祐樹くん…」
苦しそうな声をしながら皐月さんがそう答える。
ここまで言われたら覚悟を決めるしかないな。
俺は子宮口の確認を始めた。
目測では五センチから七センチといった所だろうか。
まだまだ子宮口の開き具合からして小さい。
さらに、難産の逆子というオーダーだ。
まだまだこれからと言った所だろう。

122無明:2014/06/26(木) 22:12:39 ID:u9ttWi920
計測できる道具があればもっと確実なのだが、あいにく使えそうな物はない。
そして、状況を鑑みるに逆子で早期破水。
気をつけないと、臍帯脱出などで赤ん坊の命か危険に晒される事もある。
やるしかないぞ、俺。

励ましたり、出来る限りの準備をしているうちに一時間経った。
皐月さんは苦しみつつも、俺が注意している事などはきっちり従ってくれている。
普段の性分と言うべきか。
子宮口の開きは今一つだが、母体の体力がちゃんとしているのは大きなポイントだ。
自分に言い聞かせ、やるべき事の整理をしていたときだった。
「すいません、やっと会議が終わりました!」
千夏さんが、その大きな胸とお腹を揺らして医務室に駆け込んできた。

123名無しのごんべへ:2014/06/26(木) 23:22:46 ID:5en8wEcE0
「会議は…会議はどうだったの…?」
荒い息をしながら皐月さんが尋ねる。
この状況で会議の心配をする…まさに仕事人間だな。
「大丈夫、無事に成功しましたよ。」
千夏さんが優しく声をかける。
「そう…あとはこの子供を産んであげるだけね…」
一瞬笑顔を見せるがすぐに陣痛に歪む。
だいぶ間隔が短くなってきてるようだな。
俺は子宮口の様子を確認する。
だいぶ広がったようにも見えるな。
胎児の様子は良くわからないが、足から出るというよりはお尻から出るという感じに見える。
この分だと経膣分娩も可能だろう。
これ以上大事な所を見るのも失礼かもしれない。
俺は千夏さんに一言断って、バトンタッチをしてもらった。

124無明:2014/06/30(月) 00:23:08 ID:LwGM.oDk0
それから、どれだけ時間がたっただろうか。
そこそこ順調かと思っていたが、難産のリクエストどおりなのか。
皐月さんと胎児のどちらに原因があるかはしらないが、どうも進みが悪いようだ。
無理をして会議に参加していたからだろうか、皐月さん自身も疲労の色が濃くなっている。
「まだ、なの……?」
「まだ、ですね……でも大丈夫、私達が居ます」
千夏さんも、必死に励ましてくれている。
俺にできることといえば手を握って、声をかけるくらいだ。
でも、それでもやるしかない。

125名無しのごんべへ:2014/06/30(月) 00:45:35 ID:kPfu4S.U0
それから数時間。少しずつ胎児の体が現れる。
膣からお尻が出るようになっていた。
問題は頭が無事に出るかどうかだ。
下手をしたらへその緒が絡まったりしかねない。
俺と千夏さんは慎重に様子を伺っていた。
「体が出てきましたよ、もう少しで赤ちゃんと会えますね。」
俺は不安を隠しながら皐月さんに話しかける。
「そう…もう少しで会えるのね…私の赤ちゃん…」
息も絶え絶えながら皐月さんがそう話す。
その時は少しずつ近づいていた。

126無明:2014/06/30(月) 00:54:10 ID:LwGM.oDk0
「いまですよー、せーのでいきんでください!」
千夏さんが言う。
皐月さんが俺の手を、ぎゅっと握りしめる。
こっちの手が痛くなるくらい、力がこもっている。
そして、ついに。
「時間もかかってるけどこのとおり健康です。おめでとうございます、皐月さん」
生まれた赤ん坊に最低限の処置を施すと、俺達は退出することになった。

次はナース服のはず。
病院なのはわかるが、どんなシチュエーションなんだろうか………。
単胎で急な出産をリクエストして、次のシーンを待った。
すると………。

気づくとそこは病棟の入り口、俺は普段着で、千夏さんは産科病棟の入院患者の格好だった。

127名無しのごんべへ:2014/06/30(月) 01:15:39 ID:94ifqfVw0
「大丈夫ですか、千夏さん?」
思わず尋ねてしまう俺がいた。なんだかんだで働かせ過ぎたのもあって、不安になったからだ。
「大丈夫ですよ、ここでは検査入院てことになってますからね。それより、ターゲットが来たみたいですよ。」
千夏さんがいう通り、ナースセンターからお腹が大きいナースさんが近づいてきた。
「あら、河野さん。すっかり大きなお腹になったわね。」
「はい、おかげさまで…ちょっと、検査入院が必要と言われたんですけどね…」
「ふふふ、私、宮坂がキチンと担当させてもらいますから心配しないでくださいね。」
ニコリ、と笑うとそのままその看護婦さんは立ち去って行った。
「宮坂智美、27才。あの年でここの産婦人科婦長さんも兼任してる人です。あ、ちなみに今回祐樹さんは私の旦那さん役です、よろしくお願いしますね。」
千夏さんの旦那役か、なんだか緊張するな…
そんなことを考えながら宮坂さんの背中も目でおっていた。

128無明:2014/06/30(月) 17:30:27 ID:LwGM.oDk0
急な出産をリクエストしたし、あの雰囲気と言いおそらくは経産婦。
文字通りスピード出産の可能性も高いから、気をつけておかないと。

「よくそのお腹で立ち仕事できるわねえ……双子なんでしょう?」
「いえいえ、宮坂さんほどじゃあないですよ」
ベッドに寝転がり、診察をうける千夏さん。
患者服のお腹のところをまくり上げて、どうやらNSTを受けているようだ。
宮坂さんも確かにこの大きなお腹でナース業というのは、凄いと思う。
そりゃあ千夏さんも、それはそうなんだけど。
やがて、宮坂さんは備え付けの椅子に座り込み、千夏さんと雑談を始めた。

129名無しのごんべへ:2014/06/30(月) 20:34:17 ID:L.o7FCew0
「最近お腹が張るのよねぇ。そろそろ出てきたいー、って言いたいのかしら?」
宮坂さんがそんなことを話す。
「確か宮坂さんはお子さんが一人いるんですよね?」
千夏さんがそう話す。
「そうなのよー!パパも娘ももうはしゃいでて、早く産まれないかー、なんて…うぅ?」
笑顔で話していた宮坂さんの笑顔が曇る。陣痛が始まったのだろう。
「…どうしたんですか、宮坂さん?顔色悪いですよ?」
俺はなに食わぬ顔で聞いてみる。
「うーん…ちょっとお腹が痛みだしたかも…ちょっと、仮眠室で休んで来ますね。」
そう言うと宮坂さんは退室して行った。
いきなりの出産じゃないのか、たぶん次出会った時が勝負だな。
俺は千夏さんを連れて病室へと戻っていった。

130無明:2014/06/30(月) 21:55:39 ID:LwGM.oDk0
病室で、俺と千夏さんはふたりきり。
ベッドに寝る千夏さんと、その傍らで椅子に座る俺、といった格好だ。
しかし、寝転がってもこんなに大きく見える千夏さんのお腹、本当に双子で済むんだろうか?
そんなことを思って彼女のお腹に目をやっていると、突然服をまくり上げてこう言い出した。
「今ならふたりきりで誰も居ませんし……触ってみます?」
そう、きれいな笑顔で言ってきた。

131名無しのごんべへ:2014/06/30(月) 22:08:55 ID:94ifqfVw0
久しぶりに言われたような気もするな。でもそんなに時間はたっていないのに。
まぁ、言われたからには取り合えず触ってみようか。
俺は恐る恐る触ってみる。
ぐるぐると、元気に動いているかんじがする。二人分のせいか狭いのか窮屈そうな感じもする。
俺は生命の神秘を感じていた。
「あらあら、仲がいいわね、二人とも♪」
嬉しそうな声が後ろからする。振り向くと宮坂さんが部屋のなかにいた。
恥ずかしそうにお腹を隠す千夏さん。…ちょっとかわいいな。
「宮坂さん、お腹の調子はどうですか?」
俺は話題を変えるために宮坂さんに訊ねてみた。
「あまり良くはないわね。歩いているうちに良くなるかと思って、患者さんの様子を見てきたの。ここが最期ね。」
という事はそろそろ出産かな?
俺は宮坂さんの様子を伺っていた。

132無明:2014/06/30(月) 23:46:16 ID:LwGM.oDk0
「河野さん、お腹の張りとかはない?」
「ええ、大丈夫ですけど……宮坂さんこそ大丈夫です?」
様子を見るついでに、またしても始まる雑談。
ふたりともおしゃべり好きなようだし、まあいいだろうか……。
出産が始まらないことには、俺の出番もないしね。
そんな感じで、雑談をしていた時だった。
ふいに、宮坂さんの顔がゆがむ。

133名無しのごんべへ:2014/06/30(月) 23:58:36 ID:kPfu4S.U0
「っつぅ…やっぱりこれ、陣痛かも…」
歪んだ顔のまま宮坂さんが呟く。
「た、大変ですね!俺用の簡易ベッド、使ってください!」
個室に備え付けの、付き添い用の簡易ベッド。
それに宮坂さんを横たわらせる。
横になってすぐに、パシャっとなにか弾ける音がした。
破水してしまったようだ。
「そうだ、ナースコール押しますね?」
千夏さんが宮坂さんに話しかける。
宮坂さんは苦痛に歪んだ顔をしながら、コクコクと首を振っていた。

134無明:2014/07/01(火) 01:50:47 ID:pjBOfC5.0
ナースコールを聞きつけて、別のナースが駆け込んできた。
「河野さんどうしました……って婦長!?ちょっと誰か!」
そして宮坂さんの様子を見るや否やおっかなびっくり、人を呼びに飛び出していった。
しかし、急な出産をリクエストした以上、間に合わない可能性も高い。
子宮口の開きも悪くない、というか適切な状態らしく、あまり手助けをする必要もなさそうだ。

135名無しのごんべへ:2014/07/01(火) 16:32:49 ID:VuhoUOHQ0
「ふぅ、ふぅ、ふぅ…ああぁっ!」
息みの具合も悪くない。すぐに発露状態にまで発展していた。
「調子いいみたいですね、さすが経産婦って感じですかね。」
俺は冷静な感じで発言をする。
「はぁ、はぁ…でも、久しぶりの陣痛はやっぱりキツいわね…」
宮坂さんは苦しそうに呟いていた。

136無明:2014/07/01(火) 19:17:44 ID:fA.vnj9s0
「たしか……上のお子さんは五歳、でしたっけ?」
「そうよ、いいお姉ちゃんになってほしいわ……んんぐっ!!」
本職故か、陣痛に合わせていきむのも上手い。
にゅるん、とスムーズに赤ちゃんの頭が出てきた。
たまたま衛生面対策でビニール製の使い捨て手袋が病室にあったので、それを手にはめて赤ん坊の頭を支える。
「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ……」
こっちが指示をしなくとも、短促呼吸までバッチリ。
まるでお手本のようだが、こういう安産も悪くない。
あっという間に赤ん坊の全身が抜けたので、ハンカチで鼻と口を拭う。
5秒とせずにその男の子は、元気な産声を上げた。

137名無しのごんべへ:2014/07/01(火) 20:05:33 ID:VuhoUOHQ0
出産後すぐに看護婦さんが来て、宮坂さんが運ばれていく。
それを確認した俺達は、ゆっくりと病室を退出していた。
すぐに、光に包まれていく−
眩しさから瞑った目を開けると、いつもの喫茶店に戻っていた。
今回は楽だったな…千夏さんもベッドに横になっていた時間が長かったからか、疲れがとれてるみたいだ。
俺はウェイトレス、双子、安産でオーダーしてすぐに目を閉じる。


目を開けると、喫茶店は喫茶店だが、いつもの喫茶店とはちがいフリフリでかわいい雰囲気の室内の喫茶店の入口にいた。
「お帰りなさいませ、ご主人様〜!」
お、お帰りなさいませ?ご主人様?
面食らっていると、目の前からフリフリのメイド服を着た少女が現れる。
…あぁ、なるほど。いわゆるメイド喫茶とか言うやつだな。
確かにウェイトレスには違いない。
今回の俺の役はメイド喫茶の客って感じかな?
「こちらの席までどうぞ〜♪」
そう話す少女のお腹は大きい。彼女が今回の相手だろうか。
席に着くと、違う妊婦さんのウェイトレスが来た。
千夏さんだ。メイド服を着た千夏さんはよくにあっていると俺は思う。
「鈴岡菜月(すずおかなつき)、19才。バイト中の女の子ですよ。」
なるほど、アルバイターか短大生、大学生って感じか。
俺は千夏さんにオススメドリンクを注文したあと、菜月ちゃんの様子を伺っていた。

138無明:2014/07/02(水) 00:45:43 ID:tWE3tWVk0
オススメドリンクを持ってきた千夏さんが、耳打ちする。
「今回はいつもの仕様じゃないんですよ、なんたって喫茶ですし。まあ、私の後輩みたいなものだと思っていただければ」
なるほど、これならすんなり受け入れられそうだ。
それにしても、さっきからあっちこっちと、せわしなく動いているなあ………。
千夏さんも別の席に向かっていったし、ちょっと飲み物一つじゃ物足りないし、何か頼むついでに呼び止めてみよう。
「あのー、ちょっといいですか?」
手を上げて尋ねると、元気の良い返事がかえって来て彼女がこっちへ駆けてきた。
とりあえずデザートのパフェプリンを頼むとしようか………。

139名無しのごんべへ:2014/07/02(水) 01:00:25 ID:7uE5lfnw0
「えっと、パフェプリンお願いします。」
俺は近づいてきた菜月ちゃんにオーダーを頼んだ。
「パフェプリンですね、畏まりましたご主人様!あ、こちらのグラスお下げしますね!」
ご主人様って言われるのはちょっと恥ずかしいな、でもなんか心地いいな。
そんなことを考えていると、トレイにグラスを乗せて菜月ちゃんは厨房へ向かった。
足元がなんかぐらついてるな、大丈夫かなぁ?
そう思っていると菜月ちゃんが思いきり転んでしまっていた。
ガシャンと音をたて、グラスが割れてしまう。
お腹もしたたか打ち付けてしまっているようだ。
おっ、これが陣痛発来になるのかな?
そう考えつつ俺は彼女に近づいていった。

140無明:2014/07/02(水) 19:11:06 ID:tWE3tWVk0
「大丈夫?」
声をかけると、彼女はすぐに立ち上がって笑顔を見せた。d
「あ、はい、大丈夫です!」
そしてすぐにトレイを置いて何処かへ行くと、今度は箒とちりとりを持ってきて、割れたグラスを片付け始めた。
凄くキビキビと働く人だが、ちょっと働き過ぎな気がしなくもない。
「菜月ちゃん、頑張るのもほどほどにね?」
千夏さんだってそう言っているわけだし、さ。

しばらくすると仕事も一段落したのか、菜月ちゃんは隣の空席に座って休憩していた。
出産抜きでもこのお腹を抱えて働いているわけだし、そりゃあ疲れるだろう。

141名無しのごんべへ:2014/07/02(水) 19:39:05 ID:7uE5lfnw0
「うーん…疲れたー、でも赤ちゃんのためだもん、頑張らなきゃ、ねー」
お腹を撫でながら話す菜月ちゃん。
事情があるのかもしれないけど、出産には関係ないから聞かなくてもいいかな。
「あれ…?赤ちゃん、どうしたんでちゅかー…?」
お、顔をしかめながらお腹に話しかけている。陣痛、始まったのかな?
俺は話しかけるかかけないか迷いながら様子を伺っていた。

142無明:2014/07/04(金) 00:58:54 ID:j0vJVBC.0
菜月ちゃんはその後もしばらく同じようなことを繰り返していたが。自分の目の前でそれは起こった。
「あっれ……ちゃんと休憩はしてるはずなんだけど……って、わわっ!?」
突如驚きの声を上げた彼女のスカートが、濡れる。
「あれ、えっ、あ、破水しちゃった!?せんぱーい!!!」

143名無しのごんべへ:2014/07/04(金) 01:22:10 ID:TNTqUy/s0
菜月ちゃんに呼ばれてすぐ、千夏さんがやってくる。
「…どうしたの、菜月ちゃん…って、あらあら、破水しちゃったのね。でも慌てないで。ここには私と、出産のスペシャリストさんがいるから。」
スペシャリストさん…誰のことだ?
「あ、このご主人様?スペシャリストなの…?」
菜月ちゃんが不安そうに指さしたのは俺の方だ。
す、スペシャリスト?俺が?た、たしかに今までで経験はかなり詰んでるけど…スペシャリストってほどじゃ…
しかし、菜月ちゃんを不安にさせるのも不憫だ。俺は取り合えず頷くことにする。
「良かった…じゃあ、安心だね!」
菜月ちゃんの顔にも笑顔が戻る。
双子とはいえ、安産のオーダーだ。なんとかなるだろう。
俺はそう考え、取り合えず菜月ちゃんの近くの椅子に座ることにした。

144舒龍:2014/09/17(水) 11:27:17 ID:V.Md4QdU0
 破水しているってことは、すでに娩出期に入っているのだろう。
千夏さんにお願いして一応確認してもらったが、子宮口はやっぱり全開大だった。
ずっとさりげなく時計で陣痛の間隔を計っていたが、安定して5分感覚になっている。
 こうなったら、赤ちゃんの頭が見え隠れする排臨まで待ったなしという感じだ。
ソファの席をひとつ開けてもらって、菜月ちゃんをそこへ横たわせる。
「ぅんん〜〜……。はぁはぁ……、んんんんぅッ〜〜!」
 5分間隔といっても、息を整える時間が少し有るか無いかといったところだ。双子だけに陣痛が強いのだろうか。
顔を真っ赤にして息む菜月ちゃん。
もともと顔が白いので、より顔が赤く見える。
「頭が見えてきました!」
 千夏さんの緊迫した声が静まった喫茶店の中に響く。
いよいよ排臨か……。
「ぅんんんン……!はぁ、あッ。んんんんンンッ!!」
 いくつかの陣痛の後、赤ちゃんのくろぐろした頭が見えたままとなった。
発露と言い、後は肩が出たら娩出完了まであと少しだ。
「いいよ、菜月ちゃん。頭が出てきた!あと少しだ!」
 菜月ちゃんを励ますように声を張る。
それからはスルッと肩が抜けていって、第一子が産まれた。さすが安産のオーダー。すんなりと産まれたな。
「産まれたよ! さぁ、菜月ちゃん。もう一人もスルッと産もうか」
「はぁはぁ……、はぁ……。えっ、もう一人……!?」
 ソファに横たわった菜月ちゃんは驚いた顔で俺を見た。
やっぱり……。「赤ちゃん」って単数形で呼んでたので、まさかとは思ったが、双子だって気づいてなかったのか……。
ありえないとは思うものの、赤ちゃんは待ってくれない。
第一子が産まれたことで膣口が拡がったのか、第二子のほうが進みは早いようだった。

145無明:2014/09/17(水) 12:02:37 ID:Bi6FV6Gs0
「ふーっ、ふーっ……も、もう一人居るなんて……」
声を上げる菜月ちゃんだが、こうやってものが言える余裕があるならなんとかなりそうだ。
「大丈夫、さっきと同じ感じでやればなんとかなる。信じて欲しい」
俺は声をかけて励ますことに徹して、事態を見守る。
「ふぅーっ、ふーっ、んんッ……ふーっ、ふーっぅううぅ!!」
「その調子その調子……そう、それでいい」
「は、はい……」
励ましてもらえると自信がついたのだろうか、彼女の表情も少しだが明るさを感じる。
安産のオーダーとはいえ気が抜けない。
でも、後少しだ。

146六道:2014/09/17(水) 18:13:30 ID:WdnKJ/eo0
「ふぅぅぅん!」
ひときわ大きい息みの後。
おぎゃあ、おぎゃあと胎児が産声を上げる。
カンガルーケアをさせた後、俺は勘定を出して出口に向かう。
「いってらっしゃいませ…ご主人様…」
疲れながらも、幸せそうな菜月ちゃんの声を聞きながら。

目を開ければそこは何時もの場所。
今回も疲れてないし続けていこうかな。
次はちょっとハードでも良いかな…
俺は「学生服、単胎×2、安産と難産、正常位と逆子」とオーダーして目を瞑っていた。


目を開けると俺は白衣を来ていた。
学生服シチュエーションなのに白衣?どういうことだ?
そんなことを考えていると、ガラガラと部屋の入口が開く。
見るとスーツの千夏さんがいた。今回は先生役だろうか。スーツ姿、やっぱり似合うな。

「千夏さん?この服どういうことです?」
俺が訪ねると、
「今回は保健室の先生役ですよ、佐伯先生」
と返ってきた。なるほど、保健室の先生か。女の人のイメージが強いけど、まあいいか。


そんなことを考えていると、またドアがガラガラと開く。
「あー、めんどくせぇー。サボりに来たぜ、佐伯先生ー。」
と、学ランを来た生徒がやってきた。

俺は思わず目を見張る。
学ランを来た生徒が女で、お腹がせりだしているからだ。
まさか、コイツが今回の主役の一人なのか!?そんな驚きからだ。
「こら、清水真ちゃん、またサボりなの?」
「げ、河野の先公かよ!いいじゃん、今日なんかお腹の調子がわりいんだよー」
清水と呼ばれた少女が返事をする。
…うん、やっぱりどうやら彼女が出産する一人らしい。
なんで学ランなんか着ているか、それとなく聞いてみるかな。

147無明:2014/09/17(水) 18:32:49 ID:Bi6FV6Gs0
「っるせぇな……俺はこの格好が良いんだよ……」
そういうと学ランの生徒、清水真はベッドに寝転がった。
やれやれ、少々面倒なタイプか?
そう思っていたところに、ノック音が響く。
「佐伯先生、まこちゃん来てませんか?」
そう言って入ってきたのは、学校指定のブレザーを着こなし、髪の毛を肩の高さでそろえた、清水真とは対照的に清楚そうな少女。
いかにも品行方正な雰囲気だ。 唯一、大きなお腹をしているのを除けば。
「あら、いらっしゃい多嶋さん」
「雪!」
多嶋雪、それが彼女の名前らしい。

148六道:2014/09/18(木) 01:03:29 ID:iIkVoAOg0
「あー、だりー…クラス委員長が何の用ですかー」
「まこっちゃんが心配でね。あと、なんか私もお腹の調子が良くないから、先生に保健室行く許可もらったからね。」
多嶋はクラス委員長か、仲が良いみたいだし一応彼女にも清水の事を聞いてみよう。

「まこっちゃんのお腹と学ランについてですか?学ランは、彼女がこの学校の女番長をしてる証拠ですね。
お腹の赤ちゃんは、私が他校の番長にレイプされてた時に助けに来たんですけど、そのときにまこっちゃんも…」
ああ、なるほど…辛い話だろうに、笑顔で話してるのが辛い。
「でも、まこっちゃんと同じ時期に出産出来るって、なんだか嬉しいんです!」
「雪…なんか恥ずかしいよ」
うん、この二人なら何とかなるんじゃないかな。
「う…」
そんなことを思っていたら、なんだか清水の様子がおかしい。
脂汗を浮かべて、お腹を必死に撫でている。
陣痛が始まったのかな?俺は清水の様子を伺いに保健室のベッドに向かう。

149無明:2014/09/18(木) 01:27:12 ID:JnLFeAZQ0
「んじゃあ、しばらく俺横になってるから……ふぁあ……」
もしや、と思ったが多嶋にそう告げると、清水は再び横になった。
「それじゃあ、私もしばらく休憩しますね?」
もう一つのベッドに、多嶋が腰掛ける。
しばらくすると、ベッドの方から色々と話し声が聞こえてくる。
子供の名前だとかなんだとか、結構盛り上がっているようだ。
見るからに対照的な二人ではあるが、仲はいいらしいな………。

そんな調子で、一時間ほど経過した頃だろうか?
「佐伯先……生………」
ふたりとも寝てしまったのかと思っていたら、多嶋が突然、俺を呼んだ。
直ぐに返事をすると、プログラムどおりとはいえ、お約束とも言える一言が飛んできた。
「赤ちゃん……生まれ、そう、です………」

150六道:2014/09/18(木) 16:12:05 ID:iIkVoAOg0
俺はすぐにベッドのカーテンを開ける。
そこには多嶋がお腹を抱え唸っていた。
「うぅ…お腹、痛いです…」
苦しそうに呟く多嶋。
どうやら破水はまだのようだ。
「間隔はどれくらいだ?」
「20分くらい…です…」
20分ならまだ時間はかかりそうだ。
俺はまだ産まれそうにない事を彼女に伝え、念のため清水の様子も伺う事にした。

151無明:2014/09/18(木) 18:28:29 ID:JnLFeAZQ0
「清水、お前は……」
「あ?大丈夫だっての。雪になんかあったらまた呼ぶからさ。まだかかんだろ?」
さっきの様子が頭をよぎるが、そんな雰囲気は何処へやら、なんともなさそうだ。
最終的にはやむをえないだろうけど、あまり頻繁に覗いたら清水が大暴れしかねない。
仕方ないといえば仕方ないが、ここはおとなしく引き下がっておくことにした。
様子を見るのは……千夏さんにしておいてもらおうか。

しばらく時間が経過していくうちに、こっちに漏れ聞こえる声から、多嶋のほうの陣痛の間隔が短くなっていることがはっきりとわかる。
清水はずっと声をかけたり、励ましたりしているようだ。

152六道:2014/09/18(木) 20:46:30 ID:OwWKWHiU0
しかし、その励ます声もだんだん小さくなり、苦しげになる。
こりゃやっぱり清水にも陣痛が来ているな。
そう判断していた俺は、
「大変だ!雪が破水しちまった!」
という清水の叫びで慌てて多嶋の元へ向かう。

カーテンを開けると、シーツがぐっしょりと濡れ、その中に多嶋がお腹を抱え叫んでいた。
「千夏さん、子宮口の開きはどれくらいですか?」
「丁度10センチくらいですね。」
10センチ。息んでも大丈夫だろう。
俺は千夏さんに多嶋に息みかたを教えて貰うことを頼み、清水の方に向かう。
「清水、大丈夫か?なんだか苦しそうにしてたが…」
「だ、大丈夫だ…お腹、すげぇ痛いけど…俺より、雪を助けてくれよ。…うぅ…」
脂汗はさっきより増えてるみたいだ。やっぱり苦しそうだが、まだ彼女には余裕があるかもしれない。
なにかハプニングが起きない限り、清水は耐えてくれるだろう。取り合えず今は多嶋に集中しよう。
そう思い多嶋の方に向かった。

153無明:2014/09/19(金) 18:18:17 ID:P5V3jn3Y0
向かったはいいが、こちらは千夏さんのサポートもあってか、比較的順調に進んでいるようだ。
多嶋本人も、先ほどと比べると落ち着いてきている。
清水の方はまだ初期段階だから、手出しはできないし、しようもない。
事態の推移を見守ることしか、出来なかった。

「その調子…多嶋さん、その調子よ」
「雪……俺もついてるから、っ……」
二人に励まされながら、多嶋はいよいよその時を迎えようとしていた。

154六道:2014/09/19(金) 18:54:49 ID:DRSTwapM0
安産なのはおそらく多嶋の方だろう。
胎児の頭が既に見え始めていた。
排臨から発露に至るまで、すぐだろう。

という事は逆算的に清水が逆子で難産という事になる。
男勝りの少女が唸る姿はちょっとそそるかもしれない。
そんなことを考えていると、多嶋の胎児の頭が隠れないようになっていた。

155無明:2014/09/19(金) 22:02:39 ID:P5V3jn3Y0
どうなるものかと考えている内に、ベッドから産声が聞こえてきた。
どうやら、多嶋の方は無事に終わったらしい。
「清水、多嶋の方は無事に終わったぞ?」
「まこちゃん……?」
呼びかけるが、清水の反応はなかった。

156六道:2014/09/19(金) 22:18:00 ID:DRSTwapM0
「いてぇ…いてぇよ、助けてくれ、佐伯先生…」
か細い声が清水から発せられる。
そうとう参っているようだ。
「千夏さん、子宮口の開きはどれくらいですか?」
冷静に、焦らずに俺は千夏さんに問いかける。
「まだ五センチくらいですね。まだまだ耐えないといけないみたいです。」

陣痛から大分経っているだろうにまだ開きは鈍い。
微弱陣痛とは言えないが、それに準じたものだろうか。
清水の様子も、だんだん疲れていくように感じられた。

157無明:2014/09/19(金) 22:33:15 ID:P5V3jn3Y0
「は〜ぁぁあ゛ぁぁ〜……うぅぅ〜………」
辛いのか、情けない声を上げながらベッド上をのたうち回る清水。
四つん這いになったり、横になったりといろんな姿勢を試して耐えている。
「まこちゃん……」
多嶋はというと、意識もはっきりしているし問題はなさそうだ。
さて、時間がかかるぞ……。

158六道:2014/09/19(金) 22:49:09 ID:DRSTwapM0
今度は先程とは変わって多嶋が清水の応援をしている。
新生児の相手をしつつ、腰をマッサージしてあげたり、手を握ってあげているようだ。

清水も、マッサージが気持ちいいのか、疲れていた顔が少しだけ元に戻る。

「七センチまで開きましたよ、もうちょっと頑張ってね」
千夏さんが優しく清水に声をかけていた。

159無明:2014/09/19(金) 23:00:59 ID:P5V3jn3Y0
「ふぅう゛ぅぅあぁ〜……出るぅ、ぅ……」
「まこちゃん、まだダメだよ。力抜いて?」
相当苦しそうな清水を、必死に励ましている多嶋。
だが、やはり耐えられるかどうかは本人次第。
「駄目……ガマンできない……ぅう゛ぅぅんんんん゛ん゛ん゛っ!!」
まだ早いが、清水はとうとういきみはじめてしまった。

160六道:2014/09/19(金) 23:11:23 ID:hVWcbzm60
「あらあら、まだ息んじゃ駄目よ。もう、九センチまで開いているわ。だから、もう少しだけ我慢してね。」

千夏さんが、優しく語りかけ、臀部の辺りのツボを強く押してあげている。

「うぅぁぁぁ…き、効くぅ…す、少し息みの衝動が無くなったぜ…」
清水にも少し笑みが浮かぶ。
だがすぐにその笑みも陣痛で歪む。
息みたいのに息めないのは辛いだろう。
多嶋は腰を優しくマッサージしてあげていた。

161無明:2014/09/20(土) 03:11:48 ID:bv9TAnk20
苦しそうに唸ったり、声を上げたり。
とにかく、陣痛に耐えている清水はやかましかった。
ふと思って多嶋に尋ねてみたが、案の定普段はケガしても弱音一つ吐かないらしい。
そんなのがここまでウンウン唸っているのだから、男には到底想像のつかない痛みなのだろう。
「ふぐぅうう゛ぅぅんんんん゛ぅぅんんんん゛っ!!」
千夏さんがあれこれ言う前に、もうこらえきれないと言わんばかりにいきみ出す清水。
羊膜が、徐々に見えつつあった。

162六道:2014/09/20(土) 04:07:47 ID:KXxv7ApA0
案の定、清水の胎児は臀部から出てくる様子をみせていた。
典型的な骨盤位分娩だ。
下手をすると臍の緒が締まり胎児に悪影響を与える。
なるべく早く娩出させなくてはならない。
さあ、忙しくなるぞ…

163無明:2014/09/20(土) 16:48:42 ID:bv9TAnk20
運良くへその緒が先にでているようなことはないが、綺麗にお尻から出てきてしまっている。
脚が引っかかり、難産になりやすい形だ。
そのため、普通は帝王切開が推奨されるが、その準備はもう遅いし、物がないからやりようもない。
とにかく、足が出るまでは母体の頑張りに賭けるしかない、歯がゆい状況だ。

164六道:2014/09/20(土) 17:18:16 ID:sbh8wacc0
「ふぅ、ぅぅぅん…」
懸命に息む清水と、先程とは違い臀部が見え隠れする秘部。
出来れば会陰を切開する補助をしてやりたいが、俺には仕方も分からないし、なにより道具がない。
彼女の頑張りにかけるしかないのだ…

そんなことを考えて暫くして。
お尻が完全に挟まり、太ももも見える。
破水はとっくにしているようだ。シーツが汗と涙と鼻水と羊水でぐしゃぐしゃになっている。
足を引き出すような介助をしたほうがいいのだろうか。
俺は恐る恐る彼女の秘部に手をいれようとしていた。

165無明:2014/09/20(土) 17:36:55 ID:bv9TAnk20
「ぅぅう゛ぅぅんっっ!」
そう思い悩む俺の眼前で、清水の大きないきみ。
一気に赤ん坊の両脚が飛び出る。
「まこちゃん……もう少し、もう少しだよ!」
多嶋がそう声をかけた、その直後。
「んんんぅぅう゛ぅぅんんんんんんんんんんんぁああああっ!?」
残る体力の全てを、と言わんばかりの長いいきみだった。
一気に残りの胴体を、そして頭をひりだす。
裂けてしまったのか、股からは血が流れている。
「へへ……雪ぃ、やったぜ……」
清水はそう言うと、疲れきったのかそのまま気絶してしまった。

166六道:2014/09/20(土) 17:58:17 ID:sbh8wacc0
千夏さんが、清水に応急措置を施す。
多嶋には病院へ電話をかけてもらった。
ここは学校、保健室とはいえ病院よりは不衛生だろう。
清水が急変したりしても困る。
VR世界とはいえ、やっぱりアフターケアは必要だろう。


暫くするとサイレンの音が聞こえてきた。
清水の寝顔を見ながら、俺は保健室のドアをあけた。

光に包まれ、目を開ければ、いつもの喫茶店。
確か次は順番通りなら車掌。
ただ、俺は疲れていないが千夏さんは介助をずっとしていたから疲れているだろう。
案の定、千夏さんは俺の隣で寝顔をさらしていた。

やれやれ、取り合えず俺も休憩するか。
俺はメニューからオレンジジュースを頼みウェイトレスに注文した。

167無明:2014/09/20(土) 18:38:59 ID:bv9TAnk20
しかしだいぶ時間がかかっているなあ………。
小腹もすいてきたし、ウエイトレスさんにもう一つ、ショートケーキを頼んでおいた。
千夏さんはお疲れの様子で、俺に寄りかかってすやすやと寝息を立てている。
やっぱり、美人だな………。
この喫茶のVRシステムも気になるけど、やはり彼女が何者なのか、それも気になる。
考え込んでいた俺のところに、ウエイトレスがオレンジジュースとショートケーキを持ってきていた。
考えるためにも、まずは脳に糖分を補給せねば。

168六道:2014/09/20(土) 22:45:48 ID:vIQN/Gds0
ケーキを食べながら俺は考える。
おそらくVRシステムはヴァーチャル・リアリティシステムの略だ。
千夏さんはその開発者か、それに準じた人、例えば資金提供者だろう。
だが、なぜそれを作り出したかまでは考え付かない。
彼女に直接聞くべきだろうか。

そんな事を考えていると、千夏さんの目が開いた。
「すみません…寝てしまいました。」
ばつの悪そうに話す千夏さん。かわいいなぁ。
良いんですよ、と言いながら俺は「車掌、単体、安産」でリクエストする。

目を開けると、駅のホームに俺は立っていた。

169無明:2014/09/21(日) 00:29:58 ID:NW..qrhw0
隣には普段着姿の千夏さん。
検診の行き帰りといった所だろうか?
先頭車両に乗り込み、千夏さんを優先席に座らせる。
健常者は立ち乗り、これ基本。
運転席には、女性の姿。
後ろから見ても、妊婦だとはっきりわかる。
彼女が、今回のターゲットらしい。

170六道:2014/09/21(日) 00:54:54 ID:DqHrvtAE0
「十六夜真紅、26歳。独身です。生活費稼ぎの為に鉄道で働いてるみたいです。」
お決まりのような千夏さんの説明を受ける。
独身、ということはシングルマザーかな。
恋人と別れたか夫が死んだのか、どちらかだろう。
まぁ、仕事をしているから聞くわけにもいかないけれど。
取り合えず仕事ぶりを眺めていよう。

「次は〜秋葉原〜秋葉原〜降り口は左側です」
取り合えず設定的には東京の駅のようだ。
俺は東京の駅については詳しくないんだよな…どうなるんだろう。

171無明:2014/09/21(日) 14:40:25 ID:NW..qrhw0
「まだですよ?もう二駅くらいですね」
千夏さんはすぐに答えてくれた。
もう二駅か……安産だし、割と穏やかにすむかな。
そう思って流れる景色を眺めて居たとき、ふと違和感に気づいた。
アナウンスが聞こえてこないのだ。

172六道:2014/09/21(日) 18:33:07 ID:DqHrvtAE0
ふと運転席をドア越しに覗きこむと、真紅さんが左手でお腹を抱え右手でレバーを握りうずくまっていた。
このままじゃ電車が危ない。次の駅で止めるか、ここで止めて、無線で本部に連絡しなくてはならないんじゃないか。
俺はそう思い運転席のドアのガラスを割り、鍵を開け運転席のなかに侵入した。

173無明:2014/09/21(日) 18:42:06 ID:NW..qrhw0
(車掌と運転士の関係についてはここを参照で。 ttp://oshiete.goo.ne.jp/qa/8031396.html)
「大丈夫ですか!?」
とにかく、まずは声をかける。
安産のはずだが、状況が状況だ。
緊急停止装置が作動して列車が停まる。
完全に停止したらすぐに、他の乗客に車掌を呼びに行くように伝えた。
いまの彼女の状況では、とても連絡など出来そうにないからだ。

174六道:2014/09/21(日) 21:08:48 ID:DqHrvtAE0
(なるほど、真紅の仕事は運転士に近かったのですね。)

数分後。男性の車掌さんが慌てて運転室に到着する。
車掌さんは無線で運転士に陣痛が起きている事と、付近の封鎖を本部に注文していた。
どうやら、これで出産の準備は整っただろう。
俺は、千夏さんと一緒に真紅さんの出産の介助を開始した。

175無明:2014/09/22(月) 00:20:18 ID:CHPogWBM0
一応、最寄りの踏切の辺りに救急車を呼びつけ、搬送してもらうつもりらしい。
が、駅の間隔が開いているため間に合うかは分からないとか。
つまり、ここにいる人たちで助産をする必要がある。
車掌さんも、そう言っていた。
とりあえずパンツスタイルの制服なので、脱がさなければならない。
ここは女性の千夏さんにやってもらった方が、抵抗感も薄いだろうか。
同時に、体を楽にさせるために上着も脱がせた方がいいだろう。
そして何より、運転席は狭すぎる。
全く、場所が場所とはいえやることが多いぞ!

176六道:2014/09/22(月) 04:00:56 ID:5zgxLvtE0
まずは車掌さんに手伝ってもらい、真紅さんを列車の座席に運ぶ。
座席なら横になれるし出産には最適だろう。
次に千夏さんに頼み真紅さんの上下の制服を脱がせてもらう。
苦しんでいる真紅さんの制服を脱がすのは一苦労だが、なんとか脱がすことは出来た。

これで出産への準備はほぼ整った。
安産というリクエストなので出産については安心なのだが、油断は禁物だ。

177無明:2014/09/22(月) 15:40:51 ID:7HLQEsaE0
千夏さんがぐっしょりと濡れたパンツを脱がせる。
ほんの少しだが、赤ん坊の頭が見えた。
安産とはいえ、進みが早い。
「ひい、ひい、ふうぅ……んんっ!」
静まり返った車内に、自分達の声だけが響く。

178六道:2014/09/22(月) 16:30:32 ID:5zgxLvtE0
排臨状態だった胎児の頭が、みるみるうちに発露に至る。
この分だともうすぐ生まれるだろう。
俺は「いい感じですよ、もうすぐ赤ちゃんと会えますからね」と真紅さんに伝えた。
真紅さんも、コクリ、とうなずいたあと、再び息み始めた。

179無明:2014/09/22(月) 18:02:50 ID:7HLQEsaE0
言ってる内に、赤ん坊がするりと抜け出て、産声を上げた。
陣痛に長期間耐えていたらしく、真紅さんは疲労困憊と言った様子だ。
それでも赤ん坊を抱きかかえ、笑顔を見せる。
ほっとした俺たちに、今度は車掌さんが声をかけてきた。
「当列車はしばらく運行不能ですので、お客様にもここで降りていただくことになるかと……」

180六道:2014/09/22(月) 22:41:36 ID:eRrn0elQ0
取り合えず言われた通り乗降口から降りる俺と千夏さん。
後ろから聞こえる赤ちゃんの泣き声が心地いい。
そんなことを考えていると光に包まれていく−

目を開けるとそこは何時もの喫茶店。ここに戻るのは何度目だろう。
随分VR世界では時間が経っているが、現実ではまだそんなに時間は過ぎていない。
この辺りも不思議だ。なんでだろう。
まぁそんな疑問は置いておいて、次はたしか警察だったはず。疲れていないしさっさと進めるか。

俺は「警察、三つ子、安産」でオーダーする。
目を開けると、そこはオフィスのように机が並んでいた。
俺は警官の服を着ているし、おそらく警察役なのだろう。ここは警察署内かな。
隣には大きなお腹の婦警が二人。一人は千夏さんなので、もう一人が今回のターゲットだろう。
俺はなにやら話をしている二人にこえをかけた。

181無明:2014/09/23(火) 00:00:10 ID:NYc.ACcw0
「あら、ごめんなさい佐伯くん」
「全く高嶋さんったら、佐伯さん、さっきからずっと後ろにいましたよ?」
高嶋というのが、この人の苗字のようだ。
どうやら、彼女は転属してきたばかりらしく、自分に向き直ると軽く自己紹介を始めた。
「南署より転属になりました、高嶋彩乃と申します」

182六道:2014/09/23(火) 01:11:49 ID:4PiNEIzU0
高嶋さんか。ショートカットで美しいな。
それよりも目立つのはお腹だろう。
大きくせりだし、制服のボタンが弾けとびそうだ。
千夏さんのお腹も大きいが、それよりも一回りも二回りも大きい。
さすがは三つ子の母体といえよう。

「部長、では3人でパトロール行ってきますね。」
高嶋さんが偉そうなおじさんに宣言する。
高嶋さんは千夏さんと話していたときからずっとお腹をなでている。お腹が張っているのだろう。
こりゃパトロール中に産気付くな。

そんな事を考えながら警察署を後にし、パトカーに乗る。

183無明:2014/09/23(火) 17:58:19 ID:93/.AMpE0
パトロール、そう、俺はパトロールに出かけたはずだ。
なのに。
「そこの車、止まりなさい!」
逃げる車を追いかけるパトカー。
そう、ただのパトロールのはずなのに、あろうことか逃げ出した車相手にカーチェイスを繰り広げている。
全くもって、予想外の現状だ。

184六道:2014/09/23(火) 18:41:13 ID:e4Bz2Dxc0
それは数分前のこと。
挙動不審な男に事情聴取をしていた時だ。
俺が謎の袋を見つけた。
確認しようとすると、いきなり俺を押し倒し袋を奪い、近くの車に乗り込んだ。
慌てておいかける高嶋さんと千夏さん、それに俺。
運転するのは俺で、無線や拡声器を使うのは助手席の高嶋さんだ。

俺は運転が苦手な上、事情が事情故に粗っぽい運転をせざるを得ない。
ガタガタした道を走ったり、急カーブでお腹が押さえつけられたり。
そのせいか、高嶋さんの無線で応援を呼ぶ声や逃走犯に呼びかける声が、だんだんと苦しげになっていた。

185無明:2014/09/24(水) 00:20:42 ID:eT5nhYhY0
まずいな……応援を呼んでおかないと、めんどくさいことになりそうだ。
「こちら西47,現在車両追跡中。不審車両は黒のセダン車、ナンバーはたの……」
無線は千夏さんがしてくれている。
つまり俺は、高嶋さんの体調を気遣いつつ、あの車を追跡すればいいらしい。
なら手段は一つ………、
安全運転で、飛ばすぞ!

186六道:2014/09/24(水) 00:55:01 ID:VXU6tP3I0
安全運転をしながら数分して、応援が駆けつける。
犯人の車の回りを囲み、逃がさないようにしているが、止まる気配はない。

「佐伯、巡査部長…ぶつけてでもアイツを止めなさい…」
高嶋さんが陣痛に苦しみながらそう話す。
「高嶋警部補、いいんですか?」
千夏さんが高嶋さんに話しかける。高嶋さん、警部補だったんだ…
「良いの!私のことより、犯人逮捕を優先しなさい!」
高嶋さんが鋭い剣幕で話す。
仕事人間って感じで嫌いじゃないな。
俺はスピードをあげ、一気に犯人の車の横につき、ガードレールに押し付ける。
「ぐうぅっ!」
勢いで、ドアに押し付けられる高嶋さんのお腹。
ポン!パシャァ…
破裂した音が聞こえる。破水したのだろう。
車はなんとか止められたが、高嶋さんはお腹を抱え微動だに出来ていない。

取り合えず逮捕は他の人に任せ、俺と千夏さんは高嶋さんの介助をしよう。

187無明:2014/09/24(水) 21:39:58 ID:oIt32DWk0
バランスを崩した容疑車両を、応援のパトカーが追っていったのを確認すると、そのまま路肩に停車。
そしてまずは、高嶋さんのタイトスカートを脱がせる。
しっかり足を広げさせなければならないからだ。
基本はさっきの鉄道と変わらないけれど、状況はさらに緊迫しているから、より手早い行動が求められる。。

188六道:2014/09/24(水) 23:34:45 ID:VXU6tP3I0
タイトスカートとストッキングをなんとか脱がせることに成功した。
高嶋さんの秘部が丸見えだ。
破水したせいかぐっしょり濡れている。
「ぐぅぅ…い、痛いぃ…」
高嶋さんが苦しみながら呟く。
安産とはいえ三つ子のオーダーなので、早く出産させないと問題があるだろう。
千夏さんには無線で救急車の手配を頼み、俺は息み逃しや息みかたを教えることにした。

189無明:2014/09/26(金) 02:11:28 ID:2EugwlnQ0
しかし、教えるよりも事態の展開の方が早かった。
安産に設定したとはいえ、かなりの早さだ。
言う暇もなく、ぐんぐんと赤ん坊の頭が見えてくる。
「あ、ちょ、ま………!!」
「んぅぅぅぅーーーー!」
脱がせたズボンを畳んでおいてよかったと、心から安堵した。
何かをする前に、一人目が柔らかい布地の上に生まれ落ちたのだ。

190六道:2014/09/26(金) 12:40:01 ID:fNka/WoA0
うぎゃあ、うぎゃあ
か細い声で産声を上げる赤ちゃん。
多少小さいのは栄養が他の胎児に行ったのだろうか。

せりだしたお腹はまだ大きい。
二人まだ、お腹の中に留まっているのだ。
高嶋さんは息みを続けていた。
これからは前に産まれた胎児の臍帯に巻き付かないように気を付けて出産させなくてはならない。
俺も気を抜けないぞ…

191舒龍:2014/10/18(土) 11:06:58 ID:zNwB4JEA0
 多胎児出産の場合は、たいていが帝王切開になるし、
自然分娩を選択しても、かなり難しいお産になることが多い。
けど、オーダーは安産だったおかげか、数回のいきみのあと、第二子も無事生まれた。
 残るは後一人だけとなったが、なかなか生まれてこない。
千夏さんと俺の二人がかりで、陣痛の波に合わせ、高嶋さんのお腹を押す。
すると、一番大きな最後の子が生まれ落ちた。
 千夏さんが呼んでくれていたのだろう。救急車のサイレンが近づくのを聞きながら、俺たちは安堵の溜息をついた。

 今までは、ドアや鳥居などをくぐると元の部屋に戻っていたのだが、今回はどうなるんだろう?
千夏さんはパトカーの中にいたが、俺は出産介助のために、車外に出てしまっていた。
後部ドアも開け放たれている。
とりあえず、高島さんと三人の赤ちゃんのことも気になるので、救急車に乗り込んだところで、光りに包まれた。

 光が収まると、いつもの部屋に戻っていた。
現実時間では、ほとんど時間は経っていないような感じだが、仮想現実の世界では、累計で一ヶ月ぐらい過ごしてるんじゃなかろうか。
俺はあまり疲れは感じないけど、双子臨月のはち切れそうなお腹を抱えた千夏さんはかなり疲れているようだ。
さっきも眠ってしまっていたしな。
「とりあえず、休憩しよっか」
 横に座った千夏さんに話しかける。千夏さんはニッコリと微笑んでくれたものの、かなり疲れが顔に出ている。
「じゃあ……。お願いがあります」
 言いにくそうに顔を真っ赤にした千夏さんがこっちに顔を向けてきた。
「だいぶ張ってるようなので、マッサージしてもらえんませんか?」
 千夏さんの手は、しきりにお腹をさすっている。
これはチャンスだ。俺はほくそ笑んだ。
「こっちもだいぶ張っているみたいだね」
 言いながら、手を千夏さんのお腹ではなく、おっぱいに伸ばす。
心なしか、胸のあたりもこの部屋に初めて入った時より、パツンパツン感が増した気がする。
「……くぅっ、はぁあん……・ひ…ぃッ、んく……ふぅん……!」
 パンパンに張ったおっぱいを揉まれた千夏さんは切なそうな声を上げる。
払いのけない辺り、もうちょっと強く揉んでも良さそうだ。

192無明:2014/10/18(土) 11:50:01 ID:j6OAM1kQ0
胸ばかり執拗に揉んでいると、千夏さんに「そこじゃない」と言われてしまった。
もう少し堪能したいけれど、これ以上やって嫌われても困る。
おとなしく、腰のマッサージを始めた。

ここからいちいち注文を付けてあれやこれやとすると、千夏さんの負担が大きそうだ。
今のうちに次の注文を考えておこう。
戦隊ヒーローと軍服は、それこそ悪の女幹部と戦隊という感じで組み合わせられるはずだろう。

193六道:2014/10/18(土) 13:30:56 ID:qbKnX7TU0
俺は軍服と戦隊スーツ、両方一度に出来ないか千夏さんに聞いてみた。
少し考えると、
「ええ、大丈夫ですよ。ただし、今回はシチュエーションは固定になります。
戦隊と、悪の女幹部、って感じですかね。
今まで通りの胎児のデータと戦隊側と悪の秘密結社側の人間、どちらかになるくらいは選べますが、どうしますか?」
と聞いてきた。
思っていたより選べる項目があるな、どうしよう。個別にやるのもありだし。
色々悩んでいたが、俺は決断した。

194無明:2014/10/18(土) 13:54:22 ID:rwGuzGYA0
悪役も魅力的だけど、今ひとつ手助けに入る流れが思い付かない。
武人タイプなんだろうけど、となると他の幹部と揃って出撃というのは……。
ここはやはり、ヒーロー側で行くべきだろう。
そうお願いして、そのときを待つ。

目を開くと、周囲は荒野。
真正面には、いかにもな黒タイツの集団とミノタウロスみたいな怪物。
そしてその後方に控える、お腹の大きな軍服姿の女性。
いかにもな女幹部だ。
対するこちらのメンバーはというと、自分の隣に立っているのは服の色からしてレッド。
昔ながらのリーダータイプっぽいなあ……。
「やいやい、そんな体で何をするつもりだ!」
威勢良く突っかかっているのは……うん、明らかにイエロー。
説明不要のイエローだ。
「私はどうなろうと、おまえたちを倒す!」
そう返す女幹部。
「だとしたら、なおさら見逃すわけには行きませんね……」
優しそうな雰囲気の、俺の一歩後ろに立つ女性。
服からするとグリーンか。
この人は妊婦ではないらしい。
ちょっと残念だが、さらに後ろを振り返ると、クールそうな男性といかにもな女の子一人。
ブルーとピンク。説明不要だ。
となると俺は……うん、この派手なギラギラした色。
間違いなく、俺はシルバーのようだ。
「みんな、気を付けて!アマゾーナ参謀は最後の賭けに出るつもりよ!」
ブレスレットから、聞き覚えのある声。
画面に映るは軍服姿の千夏さん。
ああ、なるほど。千夏さんが司令官なのか。
納得しているところに、リーダーから檄が飛ぶ。
「みんな行くぞ!変身だ!」

195六道:2014/10/18(土) 14:42:57 ID:qbKnX7TU0
「はい!」
それぞれが思い思いの返事をして、腕に着けたブレスレットに触れる。
それぞれが光に包まれ…
「迸る情熱!ガウレッド!」
などと口上を述べていくヒーロー達。
「大きな包容…ガウピンク…」
ガウピンクと名乗る彼女は少し声が小さい。
顔は仮面に隠れているが、お腹を抱えて、小さく震えている。
俺も口上だけ述べて、彼女に近付いてみよう。
「煌めく輝き!ガウシルバー!」
うん、決まった。
全員が口上を述べたところで、アマゾーナ参謀に向かう。
だが、ピンクだけはその場を動いていなかった。

196無明:2014/10/18(土) 15:26:18 ID:rwGuzGYA0
「ピンクにムチャはさせられない。後ろを頼むぞシルバー」
ああ、そういうことか………。
「ああ、任せてくれブルー。お前もお父さんらしくしっかりな!」
「う、うるさい!」
予想通り。だいたい人間関係を掴めてきたぞ。

あっと言う間に雑魚をなぎ倒し、残るはミノタウロスみたいなのとアマゾーナ参謀のみ。
「おのれ……行け!ミノタウラー!!」
「ブモォーー!!」
もうちょっと名前はなんとかならなかったのか?
まあそんなことはどうでもいい。
「フォーメーションアタックだ!」
レッドの号令に合わせ、連続攻撃。
ピンクの代わりに、自分が先鋒。
「シルバーストレイト!」
手に持った、銃型メリケンサックでジャンプしながら思い切りパンチ。
「グリーンスナイプ!」
俺の背後から、グリーンがボウガンを撃つ。
「イエロー……ストライク!どっせーーーい!」
続いてイエローが、ハンマーで怪人をぶっ飛ばし、
「ブルースティング!」
ブルーの槍が貫く。
そして最後は当然……
「真紅、両断斬り!」
レッドが怪人を一刀両断。
ダウンする怪人に、アマゾーナ参謀が駆け寄る。
その時だった。
戦場の両側で、同時に人が倒れたのは。

197六道:2014/10/18(土) 15:40:16 ID:qbKnX7TU0
『ピンク!』
ブルーを先頭に、皆がピンクに駆け寄る。
折角だから俺は、アマゾーナの方に近付いてみよう。
「ふ…フン!裏切り者が、なにようだ…あああっ!」
ふむ、なるほど。元々俺は敵側の人間だったという設定のようだ。
戦隊ものには良く有りそうな展開だな。
「いや、なんだか苦しそうだからな…昔のよしみでなんとなくな」
うん、それっぽい台詞を吐けた。及第点だろう。
アマゾーナは倒された怪物に寄りかかり、苦しそうにお腹を抱えている。
陣痛はかなり来ているようだ。

198名無しのごんべへ:2015/03/14(土) 22:06:56 ID:OgMI0YEc0
「敵の情けは受けない…さっさと倒せ!」
アマゾーナは苦しみながら俺に話しかける。
俺は黙ってアマゾーナを背負っていた。
「な、何をする気だ!」
「なーに、昔のよしみだ。助けてやろうと思ってな。」
そういって俺はピンクの方へと向かっていた。

199名無しのごんべへ:2015/04/23(木) 05:44:54 ID:4nt9bI6c0
 背負ったアマゾーナを、ピンクのそばの小岩に凭れさせた。
離れ離れになっているよりも、二人がそばにいたほうが観察しやすい。
ただ、それだけの理由だった。
陣痛でいっぱいいっぱいなのだろう。ピンク本人はもちろんのこと、他の戦隊メンバーもアマゾーナが近くに来たことに気づいていない。

 ここでオーダーを確認しておこうか。
ピンクが逆子単胎で、ちょっと難産。
軍服悪の幹部・アマゾーナが、双子の巨大児で難産。
だったか。

 ピンクの方にチラッと目をやる。
顔が仮面に隠れているせいで、まったく表情が読めない。
戦隊スーツに変身したままなので、破水しているかどうかもわからない。
でも、だいぶ陣痛が進んでいるようで、息む感覚は短くなっている。
 待てよ。破水していないのに、息んでいたらダメじゃないか。
他のメンバーも、ブルーを筆頭にピンクの腰を擦ったり、励ましたりしてはいるが、戦力にはなっていない。
妊娠・出産に関する知識も皆無と見て取れる。
「ピンク、変身を解くんだ。赤ちゃんが出てこれないぞ」
 思わず叫んでいた。
叫んでしまってから、変身を解いてしまったら、戦隊物の意味が無いじゃないかと思ったが、時すでに遅し。

 ……と思ったが、天は我に味方してくれたようだ。
「ぅうくっ……。そう……、なんだけど。戻れないのよ……。くっぅんん! はぁ、ぁあ……。んッ……!」
 焦ったよな声でピンクが叫び返す。
どうやら、陣痛の痛みと軽くパニック状態になっているせいで、変身が解けないらしい。
とりあえず、表情が見えないと進行状況もわからないので、緊急用の手段を使って、頭の仮面だけを取ることにした。

200六道:2015/04/24(金) 15:40:16 ID:fKVy9fII0
仮面の下からは短髪の少女が現れた。
以外とかわいいな、ピンク…
俺は仮面を脱がせながら考えていた。
スーツが脱げないけれど、事態は急を要する。どうすればいいか…
色々考えて俺はピンクに、「すまんが、股の部分のスーツだけ破かせて貰うぞ」と語りかける。
ピンクは苦しそうに頷いていた。

あとはアマゾーナの方だ。
軍服を脱がせないといけないが、下手に俺が動くと仲間から裏切りと取られかねない。
さてと、どうすっかねぇ…

201名無しのごんべへ:2015/04/27(月) 07:24:23 ID:vnEkDrpY0
脱がせると特徴がなくなってしまうので、できるだけ脱がせない方向で行きたいのですが……
--------------------------------------------------------------------------------------------

 一応先に断っといたものの、どうやって戦隊スーツの股の部分だけを破こうか……。
ハサミなんてものはこの場にはないし、あっても特殊な素材を使っているスーツには歯が立たない。
ブルーの槍か、レッドの剣が妥当なところか。
しかし、ふたつとも刃の部分がかなり大きく、ピンク自身も傷つけかねない。
 ……うん。とりあえず、この件は保留にしておこう。
破水もしていないようだし、まだまだ時間はありそうだ。
 アマゾーナの方も、双子の巨大児で難産になっているので、まだもっと時間はかかるだろう。
しばらく放っておいても大丈夫かな。

202六道:2015/04/28(火) 14:27:57 ID:0ggTbE8k0
アマゾーナの方は最悪軍服のズボンを破くなり脱がすなりすればいいからな。
とりあえず上半身の軍服だけは脱がせたくない。コスプレの意味が半減するし。
まずはピンクの出産に集中する。そのうちアマゾーナの方も進むだろう。
そう考え俺はピンクの様子を伺っていた。

203名無しのごんべへ:2015/06/10(水) 07:16:09 ID:5RCSGjJY0
「 はぁ、ぁ、ぁああ〜……。破水したみたい……」
 荒い息の合間にピンクが報告してきた。
股のあたりに手をやると、そこのあたりだけなんとなく湿っているような気もする。
「よし、ピンク。息んでいいぞ」
 顔を真っ赤にして、なるべく息まないように痛みに耐えていたピンクに声をかける。
逆子のちょっと難産だったな。
足から出てくるのかな……。
 オーダーを頭に思い浮かべながら、ふと気がついたことがあった。
変身を解かない限り、もし赤ちゃんが産まれて来ても、外に出れないんじゃないか?
「ピンク! もう一回、変身を解いてみよう。落ち着いて深呼吸してからやってみろ」
「んんっ……! んはぁああ! ぅうう……。出来ないわ! どうしよう!」
 ちょうど陣痛の波が来てしまったこともあるのか、うまくいかないようだ。ちょっとパニック状態にも見える。
これは、やっかいだな。
まだ排臨もしてないし、時間はありそうだ。その間に考えるかな。

204六道:2015/06/10(水) 17:43:58 ID:qsasSUKY0
おっと、アマゾーナの方も注意しねぇとな。
俺はばれないようにゆっくりとピンクの元から離れる。
アマゾーナの方に向かうと、アマゾーナはウンウン唸りながら四つん這いになっていた。
「ガウピンクも…出産してるみたいだな…うぅっ…」
「ああ。だからこっちにはなかなか来れねぇ。すまないな。」
「ふん…裏切り者に指図されるよりはマシだ…そうだ、これをアンタに渡すぞ。」
そう言うとアマゾーナは俺にメスのようなものを渡してきた。
「これは…?」
「ふん…スーツを切るためのナイフだ。本当は武器として使いたかったんだがな…今のお前には必要だろう。持っておけ。」
「すまないな。借りとくぜ。」
よし、これでピンクのスーツを切る道具は用意できた。
あとは二人を出産させるだけだ。
俺は再びピンクの方に向かった。

205舒龍:2015/06/16(火) 06:30:03 ID:rcVjCGYo0
 スーツの股の間から、こんもりと盛り上がっている部分がある。
おそらく赤ちゃんの足が出ているのだろう。足を傷つけないように注意しながら、戦隊スーツを切り裂いていく。
ちょっと興奮してしまったのは内緒だ。
 下腹部まで一気に切込みを入れる。
やはり、股の間から小さな足が見えていた。
しかし、陣痛が収まるとまた引っ込んでしまう。いわゆる排臨というやつだな。
もうしばらくしたら、ずっと出っぱなしになる発露っていう状態になるんだけど、
ピンクは逆子だ。足を引っ張ったほうがいいのだろうか?

206名無しのごんべへ:2015/06/16(火) 17:43:07 ID:iaVhYwBg0
無理に引っ張って首に負担をかけるのもいけないし、引っ張るのは止めておこう。
やや難産とはいうけれど、アマゾーナほどの難産にはならないはずだしな。
そんなことを考えながらピンクの様子を見ていた。
少しずつ足が見えてくる。
足が見えたら次は身体だ。
少しずつ身体が見えるのを俺は眺めていた。

208名無しのごんべへ:2015/09/08(火) 02:02:41 ID:4Hi3ab360
ずるり、と完全に身体が現れる。
残りは頭だけだ。身体を、首をささえながら、ゆっくりと息みに合わせて引っ張り出す。

オギャァ!オギャァ!
赤ちゃんの泣き声が響く。
ガウピンクに赤ちゃんを抱かせて、俺はアマゾーナの方へと向かっていた。

209熊猫:2016/02/15(月) 22:32:25 ID:d2ops5EI0

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当掲示板管理者の熊猫です。
直近書き込みである「2015/09/08」から5ヶ月が経過しておりますが、
その後の投稿がない状態が続いております。
今週末、02/22 0:00まで待ちます。
それまでに投稿がないようでしたら、「落ちた」ということで、過去スレに移動させていただきます。

各位よろしくお願いします。

 くまねこ
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210名無しのごんべへ:2016/02/16(火) 23:23:53 ID:6nwaMWa20
 アマゾーナは、凭れさせた小岩でまだウンウンと唸っていた。
たしかオーダは、双子の巨大児で難産だったな。
ピンクはすでに出産を終えていたが、アマゾーナはまだまだこれからといった感じだ。
陣痛の間隔は、10分ぐらいだろうか。もちろん破水もまだしていない。
ズボンで見えないけれど、子宮口の開きもまだまだといったところ。
「ピンクは無事出産したよ。今度はお前の番だ。俺が介助してやるよ」
 どう声をかけていいかわからず、当り障りのない言葉となってしまった。
「ふん、そうか……。くっ……ぅう。んぁああ!」
 鼻で笑った後、何かを言おうとしたが、陣痛の痛みに邪魔されたようだった。
陣痛の進みは、まだ始まったところという具合だし、第一回旋があったかどうかというぐらいだが、陣痛はかなり強いようだった。
双子の巨大児で、さらに難産というところが影響しているのか、アマゾーナは痛みに顔をしかめている。

211名無しのごんべへ:2016/02/18(木) 01:30:10 ID:GjkLWkEY0
難産で有名なのは微弱陣痛、肩甲難産、逆子あたりになるだろうか。
陣痛は弱くないようだし、考えられるのは、肩甲難産か逆子。
あるいは双子だから両方、って事になるな。
破水してからじゃないとわからないが、破水してからは時間との戦いにもなる。
破水してからあんまり長引いたら母子ともにヤバイだろうしな。
そんな感じで頭を整理して、俺はアマゾーナの破水をひたすら待ち続けた。

212名無しのごんべへ:2016/04/30(土) 01:57:09 ID:iwhrmk520
あれから数時間が経過した。
彼女の疲労はピークに達し痛みで目を覚ましまた寝るむことを繰り返している

213舒龍:2016/05/20(金) 22:36:18 ID:4r.YkHZo0
 遮るものが何もない見渡すかぎりの荒野。
すでに空全体が茜色に染まっている。
この世界に来た時は、少なくとも太陽がまん中より傾いていたため、すでに10時間近く経過しているのだろう。
すでにピンクたちは、産まれた赤ん坊とともに千夏さんが呼んだ飛行機で基地へと帰っていった。
 体力の限界が近いのか、陣痛の合間に寝ては醒めを繰り返しているアマゾーナはだいぶ苦しそうだ。
これだけ時間が経っているというのに、まだ破水しない。
「なあ、ちょっと提案があるんだけどさ」
 ようやく目が醒め、陣痛に顔を歪ませるアマゾーナに声をかける。
「これだけ時間が経って、破水しないというのもおかしい。お産を進める方法を知っているのだが、試してみるかい?」
 わざと軽い調子で言ってみる。
痛みを逃がすためか、お腹を擦りながら軽く頷くアマゾーナ。
双子の巨大児に設定しているせいか、そのお腹はまるで小山のようだ。
三つ子の臨月といっても、通じるほどだな。
 さて、アマゾーナに提案した、お産を進める方法。
それは、まずおっぱいを揉んで、母乳を出させる。そしてセックスにもちこみ、中出しする。
母乳と精子はどれも子宮を収縮させる作用を持つ。
 両手を伸ばし、まるでグレープフルーツが中に入ってるんじゃないかと思うぐらいのおっぱいを揉みしだいた。

214名無しのごんべへ:2016/06/23(木) 14:12:38 ID:neaKmClQ0
「くっ……、はぁんん……。貴様に触れられるのは久しぶりだな……」
 痛いのか気持ちいいのか、アマゾーナは顔をしかめながら、つぶやいた。
それは、何とか自我を保ちたいというあがきにも感じられた。
まるでグレープフルーツのようなアマゾーナの固く張ったおっぱいを揉みしだく。
最初は顔をしかめ、反応が薄かったアマゾーナだが、次第に吐息にも似た声を漏らし始めた。
「はぁっ、あふっ、ああぁ……。あっあぁん……やらぁ……っ、もっ、やめろ……ぁ、あ、くぅぅううッ〜〜……!!」
 アマゾーナは、体全体をビクンと震わせ、天を仰いだ。
手の中の乳首からは、乳白色の液体が噴水のように噴き出している。
体の震えから少し遅れて、おっぱいとお腹がブルンと揺れる。その様子はとても扇情的で、とても我慢ができるものではなかった。
いまだビクンビクンと小刻みに震えるアマゾーナを無理矢理四つん這いにし、後ろから勃起したペニスを中へ押し込んだ。

215六道:2016/06/28(火) 00:34:37 ID:ELIGeBf.0
「フ…懐かしいな。お前がいた頃はよくこう言うことをしていたな。
恐らく、この子も…ふぁぁっ!」
アマゾーナはそんなことを呟いた後、嬌声を上げていた。
そうか、お腹の子は俺の子、という設定なのか。
なんだか少し嬉しいかもな。
俺は、アマゾーナにかつてやったであろう行為を続けていた。
「うっ、出すぞ、アマゾーナ!」
「いいぞ、出してくれ!私のために、そして赤子のために!」
アマゾーナが叫ぶのと同時に、俺はアマゾーナの膣内に精液を放出していた。

216無明:2016/06/29(水) 04:00:22 ID:jUpXpg4w0
「はぁ……はぁ……っ」
弾かれるように大きく仰け反ったあと、肩で大きく息をするアマゾーナ。
「何とかなりゃあいいがな……」
そうぼやく俺にアマゾーナは疲れた笑顔で言う。
「さあ、どうだろうな……この子らは我々の次代を担う子だ……より、強いな」
より強い?
まさかと思い、尋ねてみる。
もしかして、遺伝子改造を受けた胎児なのかと。
アマゾーナは黙って頷くと、少し申し訳なさそうな顔をして話した。
「貴様の子を勝手に使ったのは確かに私の責任だ……だが、できれば私もここで死にたくはない、な……」
死にたくはない。
つまり、難産は覚悟しているというわけだ。
それに、今の俺は正義のヒーロー。
助けを求める人を救うのが仕事だ。
「安心しろ、俺がいるから死なせはしないさ」

217六道:2016/06/30(木) 18:03:16 ID:I8L7kVLQ0
「フフ…期待しているぞ、『お父さん』…ぐうぅ…」
アマゾーナはそう呟くと陣痛に苦しんでいた。
お父さん、か。初めての感覚かもな、そう言われるのは。
アマゾーナと、子供の為にも、無事に出産させないとな。
俺はアマゾーナの出産に注力する。

それから30分ほど過ぎた頃だろうか。
軍服のズボンが、ぐっしょりと濡れていた。
ようやく破水したようだ。
出産が進んだのを確認した俺は、身構えてアマゾーナの様子を確認していた。

218無明:2016/07/01(金) 03:23:46 ID:YTfcRKUo0
とりあえず様子を確認するために、アマゾーナのタイトな黒いズボンを脱がせる。
白い太ももと、豊満な尻が露わになる。
見たところ、破水はしたが見えてはいない。
「ううっ……ん、くっ!」
そうこうしているうちに陣痛の波が来て、苦しみながらいきむアマゾーナ。
お腹を見てもそうだが、胎児はかなり大きいらしい。
これは、まだまだ時間がかかるだろうな……。
「そ、そばにいてくれ……」
俺の顔を見ると、不意にそんな声を上げる。
いかにも凛々しい軍人タイプっぽいのだが、なんだかんだでこういう部分もあるようだ。
俺は隣にしゃがみ込むと、しっかりと手を握ってやった。

219六道:2016/07/01(金) 21:47:52 ID:puJFunp20
「やはり貴様といると安心する…なぜ、私の下から離れたのだ…」
アマゾーナのその言葉に俺は答える。
「ボスの信念に違和感があったからな」と。
適当に返したつもりだが、ヒーロー物っぽいかもな。
そんなことを話していると、アマゾーナの息みが強くなる。
そして、それに合わせて胎児の頭が現れようとしていた。

220D.D.:2016/09/13(火) 22:14:40 ID:LjfOlS2I0
「んんっ……、くぅぅうう、んはぁあ!」
 強い息みとともに、アマゾーナの股間から、胎児の頭がズボッと出てきた。
臨月時のbpd、児頭大横径はだいたい8cm〜9cm だと言われている。
出生時には胎児の頭の横幅がそれくらいあるということだ。
 しかし、アマゾーナの股間から出てきた胎児の頭は、明らかにそれより大きい。
片手の親指と人差指を伸ばしたぐらいあるから、15cmか16cmはありそうだ。
陣痛の波が収まり、アマゾーナが息むのをやめると、頭はズボッと大きな音を立てて、股間へと吸い込まれていった。
いわゆる排臨という状態で、このまましばらくした後、ずっと頭が出っぱなしの発露と言う状態になる。
数回息むが、まだ発露にはならない。
いいかげんアマゾーナも体力の限界が近づいている。
しかもアマゾーナは、双子難産のオーダーだから、この子が生まれても後一人いるわけだ。
 やれやれ……。前途多難だな。

221名無しのごんべへ:2017/03/26(日) 22:07:21 ID:FKq0U0Mw0
 アマゾーナの残り体力を考えると、なるべく早く一子目を産んでおきたい。
「くぅうう〜〜! はぁっ、は、ぁ、ぁあああンンッ! んぎゃぁああ゛あ゛あ゛!!!」
 次の陣痛の波が来て、また胎児の頭が出た時に、力いっぱい引っ張った。
予告してなかったせいか、アマゾーナはまるで獣のような咆哮を上げ、正直ちょっと怖い。
胎児は、お腹の辺りまで一気に出てきた。
少々強引だがしょうがない。次の陣痛の波を待って、残りの足も目一杯引っ張った。
「おぎゃぁ〜、ふぎゃぁあ〜〜」
 辛かったろうに、顔を真っ赤にしてあらん限りの力で泣いている。
よし、あともう一人。
正直俺の体力も限界に近い。
この出産が終わったら、ちょっと一休みしよう。千夏さんに膝枕してもらうのも悪くないな。

 よし、頑張ろう。
アマゾーナ、お前も頑張れ。もうちょっとだぞ!

222名無しのごんべへ:2017/04/06(木) 01:31:59 ID:6PM59gwg0
アマゾーナは、虚ろな目で天を見ていた。
体力も大分使い疲弊しているのだろう。
その目から、涙が溢れ出していた。
「ぐすっ…もういやだ…こんなに辛いなら、産むんじゃなかった…」
あまりの辛さなのか。今まで威厳のあるように見せていたアマゾーナは、俺に弱みを見せて来た。
それは、妙齢の女性ではなく、乙女が不安を見せているようで…

思わず俺は、手を握り励ます。
「俺が最後まで付いていてやる、最後まで手伝ってやるから…」
そう、アマゾーナに伝えながら。

223名無しのごんべへ:2017/07/17(月) 09:54:25 ID:W.gobMyM0
そう言った瞬間、アマゾーナに次に陣痛が来る。
「あぐっ、ぐあああいやあああ!!」
2人目は1人目より大きいのだろうか。一瞬胎児の頭が見えたが、さっきのやつより2cmほど頭がでかかった。こりゃこっちの方が長くなりそうだ。

224無明:2017/07/17(月) 18:17:00 ID:0zEdVNP60
「んんんぁあああああああ!!」
ひどい絶叫だ。
だが、一人目が生まれて体が慣れているとでも言うのだろうか。
明らかに大きな頭をしていたのに、思ったよりはスムーズだ。
少しずつだが、確実に降りてきている。
オレは、アマゾーナの手をしっかりと握ってやった。

225名無しのごんべへ:2017/07/17(月) 18:27:00 ID:W.gobMyM0
そしてそれから少しして、
「あああああああ!!!いだぁぁぁぁぁぁ!!」
絶叫とともに、頭が出てきた。
「がんばれ!アマゾーナ!」
「うがあああああ!!!」
ようやく発露まで来た。

226名無しのごんべへ:2018/01/26(金) 22:47:34 ID:9SERMGoo0
アマゾーナは一気にお腹に力を振り絞った。
「んがあああああああああああっ!!!!」

やがて、2人目の体がスルリと落ちていったのを感じると…
「やった!産まれたぞ!」
「はぁ…はぁ……マ、マジか……やっと産まれたのね……」
アマゾーナは嬉しくて涙を流している。

227謎の男yuuki:2018/07/08(日) 15:37:23 ID:g2lO4ez20
アマゾーナの出産を終え、光に包まれたかと思うと俺と千夏さんは喫茶店に戻ってきていた... すると、千夏さんがお腹を擦る様子をちょこまか見ていた、そろそろ千夏さんも出産かな?と思い、聞いてみた「千夏さんお腹大丈夫ですか?」と聞くと千夏さんが何かをいった瞬間眠くなり寝てしまったのである

228名無しのごんべへ:2018/09/02(日) 13:21:35 ID:wFJ2bDc.0
 何を行ったのか聞き取れなかっただけに気になるが、
ソファーに座り、すーすーと寝息を立てながら寝ている千夏さん。
呼吸のたびにぷるんぷるんと揺れるおっぱい。
そして少し遅れて揺れる双子を宿した大きなお腹。
自然と目が吸い寄せられ、何も考えられなくなる。
 自然とぷるんぷるんと揺れるおっぱいに手が伸びていた。
ミルクで満たされた臨月おっぱいは、ずしりと中が詰まっているような感触。
柔らかいおっぱいもいいけど、こういうおっぱいもいいな。
そんな事を思いながら、ちょっと力を入れて揉んでいく。
「んっ……、んんっ……」
 それでも千夏さんは起きないものの、顔を少し赤らめて、エロい吐息を漏らした。

229名無しのごんべへ:2019/01/31(木) 19:08:01 ID:v4F6sb9Q0
 とたんに体中の血が下半身に集中したかのような錯覚を覚える。
ズボンの股間は、まるでキュウリでも隠したかのようにパンパンに張っていた。
そういえばここに入ってから、あまりエロい事をしていないな……。
千夏さんも、結構力強くおっぱいを揉んでみるものの、起きる気配がない。
これはチャンスかもしれない。
そう思った瞬間、スカートをたくし上げ、パンティーもずらし始めていた。
ヒクヒクと誘うように蠢く秘所に手を伸ばした。

230名無しのごんべへ:2019/08/13(火) 21:00:41 ID:EqeYgos60
「んっ……。ぅんんっ……」
 千夏さんは呻くような声を上げる。起きてしまったかと思ったが、起きてはいないようだ。
指を動かすたび、千夏さんの体がビクンビクンと小刻みに振動する。
遅れて揺れ動く小山のようなお腹と、2つの大きな膨らみ。
実際に触れてみた感覚も込みで言うと、Fカップはありそうだ。ひょっとしたら、GとかHカップあるかもしれない。
古典的な黒いメイドドレスが可愛そうに思うほどパツンパツンになっている。
そういえば最初の1ページ目の終わりの方、いとこの出産が終わった後に耳かきをしてもらっている時に、
千夏さんとのいやらしい夢を見たのを思い出した。
おっぱいを直接揉んでみようかと思ったが、ワンピースタイプの服のつなぎ目はなく、どうしたらいいかわからない。
結局、千夏さんを起こすことにした。

231名無しのごんべへ:2020/03/04(水) 17:18:33 ID:HZAR8Anc0
「んんっ……。寝ちゃってました?」
 肩を揺すって起こすと、千夏さんは起きてくれたが、まだ寝ぼけているようだ。
焦点の定まらない目をこちらに向けて、恥ずかしそうにつぶやいた。
恥ずかしさからか、耳まで真っ赤になっている千夏さんはとても可愛い。
 見た所、俺より少し歳上な感じだ。20代前半と言ったところか。
それにしては、時折見せる仕草なんかが可愛すぎるな。
双子の臨月って言ってたから、旦那か彼氏さんがいるんだろう。こんな美人で可愛い女性をパートナーにできるって、どんな人なんだろうな。
ちょっとヤキモチ焼いてしまうな……。
 居住まいを正す千夏さんの、ぶるんと揺れるおっぱいと、少し遅れて揺れる大きなお腹を見ながらそんな事を考えていた。
おっと……。感傷に浸っている場合ではなかった。千夏さんに服の継ぎ目のことを聞かないとな。

232ぷに丸:2020/06/20(土) 03:24:23 ID:vVe/x/Lc0
「あれれ...?私、こんな格好で寝ちゃってたなんて...」
服装を正す中で、千夏さんは服の乱れに気が付いてしまったようだ。
・・・・ヤバイ!!
「わたしちょっと寝相悪いんですよね。ごめんなさい」
予想に反して千夏さんは"ニコッ"と屈託のないほほえみで俺に謝ってきた。
なんて可愛い女性なんだろう。と思うと同時に俺は罪悪感をわずかばかり覚えた。
それは、淡い恋心の始まりにも似た心の揺さぶりだった。

パニエ付きのようなふんわりとしたワンピースと
それに丸く覆われている双子入りの大きなお腹のせいでもちろんパンティは見えないが、
千夏さんは慣れたようにパンティを正し、髪や胸の布を整える。
「お疲れじゃないですか?少し水分補給でもしましょう。」
千夏さんはそう言いながら、柔らかくすらっとした手で俺の手を優しく握った。
まったくもって女性的で強くない力だが、心では強く引き寄せられ、
俺は元来の喫茶店然とした椅子に誘導された。

233ジャック:2021/03/02(火) 16:52:47 ID:B7IxzjTI0
 そういえば、最初の頃は、出産のオーダーと一緒に飲み物を頼んでいたが、
ずっと何も頼んでなかった事に今更ながら気付いた。
その事に気付いた瞬間、喉の渇きを覚えた。
シンプルに烏龍茶を頼んで、しばらくして千夏さんが烏龍茶を持って来た。
「素敵な服ですね。今更ですけど」
 思い切って千夏さんに声をかけてみた。そういうルールなのか、横に突っ立ったままだ。
「そうですね。気に入ってます。お腹のあたりがパツパツになってますけど」
 千夏さんは嬉しそうにその場に周ってみせた。スカートの裾がふわりと円を描く。
「そんなお腹だと、着るの大変でしょ。ワンピースみたいになってるのですか?」
 気になる事を聞いてみた。さっき、服のつなぎ目から手を入れておっぱいを直接揉んでみようと思ったけれど失敗したからだった。
「ええ。つなぎ目はないですよ。だから、エロい事には向かないです」
 ニコニコとしたまま、千夏さんは自分が言いたい事を先回りしてくる。でも、嫌そうな素振りは見られない。
まあ仕事上、嫌な素振りは見せられないというプロ根性の現れかもしれない。
「いやいや。そんな下心あって聞いたんじゃないですよ」
 あわてて取り繕った。
「ふふ。ないんですか?」
 上から覗き込むような、ニヤっといたずらっぽく笑った千夏さんにドギマギしてしまう。
「さっ、再開しましょうか。ええっと、次は何にしようかな……」
 慌てて話題を変える。千夏さんには敵わないな。
上から順番にやっていこうとすると、あとは宇宙服だけか……。
その次のページの秘密というのも気にならなくはない。まあ、時間はたっぷりあるんだ。
朝一番に出掛けてきたが、まだ昼前だ。
宇宙服という事は、スペースシャトルとか宇宙ステーションとかが舞台になるんだろうか。
どうせなら、最後にふさわしい、とびっきりの難産にしたいものだな。

234名無しのごんべへ:2021/03/14(日) 13:53:45 ID:ssxXZiyU0
千夏さんに『宇宙服、単胎、比較的巨大児、かなりの難産』とリクエスト。

「いよいよ最後ですね。次は当店の裏メニュー…秘密となっております。
 このシチュエーションが終わった時点で説明していきます。それでは…」

そんな千夏さんの声を聞きながら目を開けると、そこは機械的な場所。
おそらく宇宙船的なやつか…?
それになんだかふわふわ浮いている感覚…無重力ってやつか?

何人か宇宙船の乗組員…クルーって言うのか?そいつらがいるが…
宇宙服ではないが、宇宙開発をしている組織…わかりやすく言うとNASAの制服的な服を着た女性がいる。

金色の単発、透き通るような肌。どこか男性的な雰囲気を出しているが、明らかに大きなお腹をしている。
…しかし、千夏さんは見当たらない。

「聞こえますか、佐伯さん。こちらはオペレーターとして地球からお話している…という設定になります」

千夏さんの声がイヤホン的なものから聞こえる。
ひょっとしたら他には聞こえない回線的なものから伝えているのかも。
千夏さんがサポートしてくれないのは少し気になるが、今までの経験からもなんとかなるはずだ。
とりあえず先ずはシチュエーションの状況を確認しよう。

「はい、聞こえています」
「良かった。今回のシチュエーションを詳しく説明しますね。
 今回の妊産婦の名前は如月キャロル。26歳。日本人とアメリカ人のハーフで、日本語と英語が得意です。
 佐伯さんとキャロルさんは同じ宇宙船のクルー。
 人類が移住できる惑星を発見し、テラフォーミング…つまり住めるようにする、その第2弾で出発しました。
 出発後にキャロルの妊娠が発覚。彼女の意思を尊重し、妊娠の継続を決定。
 予定日は惑星到着とほぼ同時期、そして今は惑星に降り立つ準備をしている…とこういう設定となります」

なるほど…大体理解した気がする。
今着ているのは宇宙服という範疇ではなく、到着前に宇宙服に着替えた辺りから陣痛が強くなる…的なイメージかな。

「佐伯サン、何ボーッとしてるんデスか。
 もう数日したら惑星に着くんデスから、ミーティングしますよ」

っと、そんなことを考えてるとキャロルさんが俺に呼びかける。
真面目な性格だなぁ…例えるなら、『陣痛が来ても着陸の任務を優先する』みたいな?

「すぐ行きます」

お腹の張りを感じるのか、制服の上からお腹を撫でるキャロルさんを気にしながら
俺はミーティングするであろうスペースへと向かうのだった。

235名無しのごんべへ:2021/03/31(水) 00:45:57 ID:Qxq2.Mjo0
「惑星への突入角度なんデスが…」

そう話を切り出しクルーに説明するキャロルさん。
結構テキパキと指示を出したりしているけど、よく見たらお腹を気にするような素振りをする。
それがただの張りか、陣痛の最初期なのかはわからないから、この辺はミーティング後に聞いてみよう。

俺はそう考え、わからないなりにミーティングに参加しているフリをしていた。

「以上デス。皆さんも惑星着陸前までリラックスしてくださいネ」

キャロルさんがそうしめてミーティングが終わった。

(話しかけるならこのタイミングか?)

そう考えた俺はキャロルさんに声をかけた。

「キャロルさん、お腹を気にするような仕草をしてましたが、大丈夫ですか?」

「oh、気づいていたんデスか、佐伯サン。いつもよりお腹の張りが強いんデス。
もうすぐ予定日なので気をつけないといけないデスね」

なるほど、陣痛って感じではなさそうだな。
ただ、口ぶりからだと近いうち始まりそうだ。

まぁ、本格的に始まるのを待つのも面白そうだ。
宇宙服を着たまま着陸前に陣痛が始まって、
惑星の基地に着くまで脱ぐことができない…って可能性もあるからな。

そんなことを考えつつ俺はゆっくり時間が過ぎるのを待っていた。

236名無しのごんべへ:2021/04/13(火) 03:37:22 ID:PHXfc9YI0
惑星に近づく観点から着陸2日前から宇宙服を着陸準備に
着替える。

着替えて不足の事態に備えるため、
乗員が各々の席に着席し、着陸に備えるのだ。

俺は中央で少し高い位置で指揮をとるキャロルさんの左隣でちょうど足元が見える位置だ。

宇宙服に着替えて全員が着席して暫く経つ頃、キャロルさんは顔を赤らめ
少し息が荒くなってることに気づいた。

237名無しのごんべへ:2021/04/13(火) 21:47:35 ID:i2eI6.A20
(キャロルさん、少しずつ陣痛が強くなって来ているのか?)

衝撃を緩和するための宇宙服…
どちらかというとロボットアニメで見るパイロットスーツに近い感じの宇宙服だが、
俺の感覚でも結構ピチッと張り付く感じがする。
大きなお腹を抱えていればさらにキツく感じるだろうし、締め付けられる感覚があるのかもしれない。
となれば、当然陣痛が進みやすくなりかねないわけだから…
はっきりと口に出しそうなタイプじゃないと俺は思ってるから、ちょっと話しかけて様子を伺ってみるか…?
幸い、着陸態勢に入るまでまだ時間はあるからな。

そこまで考えて俺はキャロルさんに近寄るために席を外しドリンクを取りに行った。

「キャロルさん、アイスティー持って来ました」

密封された容器に入ったアイスティーを持ってキャロルさんの隣に立つ。

「oh、佐伯サン。サンキューデス。ちょうど喉が渇いていたんデスよ」

キャロルさんがそう話しながら右手で容器を受け取る。
何口かアイスティーを口に含む様子を確認しながら俺はキャロルさんの様子を観察してみた。
遠くからでは気付かなかったけど、うっすらと汗を浮かべているし、容器を持ってない左手でお腹を何度も気にしているようだ。

「キャロルさん、本格的に陣痛、始まってませんか」

周りに気をつけてかなりの小声で彼女に話しかける。
小声で話した俺の意図を察してか、キャロルは少し躊躇いを見せた後口を開いた。

「佐伯サンには気付かれちゃったデスね。そうデス。でも、他のクルーを不安にさせるわけにはいかないデスよ。」
「そうですか…分かりました。キャロルさんが指示するのが厳しいようにみえたら俺が全力でサポートします。
無事、惑星への着陸を成功させましょう」
「よろしくデース…」

キャロルさんと小声でそんな会話を終え、俺は元の席に戻った。
ヴァーチャル世界だから多少適当でもなんとかなりそうだが、少しはそれっぽい雰囲気を醸し出さなきゃな。
1人のクルーになりきりながら俺はキャロルさんの様子を眺めつつ惑星着陸シーケンスに入るのを今か今かと待ち始めた。

238名無しのごんべへ:2021/04/13(火) 23:49:18 ID:3/SVFF/Q0
「はぁ、はぁ、んぅ、、、」
着陸予定の惑星が見えてきていよいよ着陸準備が本格化し始めた頃、
キャロルさんの陣痛は本格的になってきたようで10分間隔は切っているように見える。
「キャロルさん、大丈夫ですか?」
陣痛で顔を赤らめて陣痛に耐えているキャロルさんに声をかけた。
流石にまわりのクルーも気付き始めている。

239名無しのごんべへ:2021/04/19(月) 00:50:22 ID:y5Yrf.bM0
「大丈夫、デス…デモ、細かい指示は出来ないので佐伯サンにお任せしマス…」
辛そうに話すキャロルさん。俺全力で代理をやらないと…

とは言えバーチャル世界だから着陸自体は問題なく進むだろうと考え、俺はその時を待った。

どれほどの時間が経っただろう。

「これより着陸シーケンスに移行する」

俺がそう宣言すると同時に周りも慌ただしく機械を操作し始める。

(しかし、かなりのGがかかるな)
着陸シーケンスに入ってすぐ俺はそんな感覚を覚えた。
周りから押し付けられる感覚というか…キャロルさん、かなりきついんじゃないか?

そう考えてキャロルさんを見ると必死にお腹を撫で続けている。
この勢いだといつ破水してもおかしくはない。
なるべく早く、慎重に着陸させるぞ!…という意気込みで俺は惑星の大気圏に突入した。

240名無しのごんべへ:2021/04/19(月) 02:37:12 ID:2kcQtygA0
「あ、あか、佐伯、サン、あぁ!!(バシャー)
アタマ、赤チャン、アタマガ!?」
大気圏に入ってスーツを着ているものの圧はかかる。
その圧のせいか出産の進み具合かは不明だが、出産が一気に進んだらしく
破水と共に赤ん坊の頭が一気に出てしまったらしく、
ピチッとしているせいかスーツ越しからでもキャロルさんの股間が膨らんでおり、
赤ん坊の頭が出てしまったことがわかる。
ただ大気圏に入ってしまった今、スーツを脱ぐこともできない。

241名無しのごんべへ:2021/04/20(火) 00:16:03 ID:g9iBMvgU0
「ぐっ…待っててください、キャロルさん!」

俺はというと体にかかる圧力に耐えながら地表へと着陸させるためいろいろと機械の操作を行なっていた。
…とは言えバーチャルなので操作を誤っても無事に着陸出来るハズ、なのだが。

ズゥウン!

…と考えているうちに宇宙船に衝撃が走る。
なんとか無事に惑星に着けたようだ。

「けどここは…予想以上にズレたな」

着陸予定地点よりかなり外れ、少し離れたところに基地が見える。
キャロルさんを何とかそこまで連れていかないと…この船には出産担当のクルーがいないっぽいからな。

「キャロルさん、あと少しの辛抱です。歩けますか」

弱々しく首を縦にふるキャロルさん。
俺は他のクルーにジェスチャーで指示して、キャロルさんの歩きを補助するように肩や腕を支えながら基地へと進むのだった。

242名無しのごんべへ:2021/04/20(火) 01:49:02 ID:n53mweQk0
「ぐっぅ!あぁあ、佐伯、サン、モウ」
既に頭が出てきてることもあり、歩いているうちに肩が出かかっているようだ。

「ウゥううん!!」
キャロルさんは立ち止まるとクルーに支えられてたまま足を開きいきみ出してしまった。

243名無しのごんべへ:2021/04/20(火) 23:28:10 ID:19xkrSWQ0
だが、そこから先はなかなか進まない。
ぴっちりした宇宙服が邪魔をして逆に押し戻されるような状態だからである。

「キャロルさん、ここで産むのは無理です。息み、我慢できないですか」

勢いよく首を縦に振るキャロルさん。息みを続けるキャロルさんを見て、俺は決意した。
キャロルさんをお姫様抱っこのように抱え、基地へと歩みを進めた。
地球より重力がないからか、腕に軽い重さを感じるものの走り出せるほどの余裕はある。
足元に気をつけながら俺は基地へと急いで向かう。

基地につき、キャロルさんを分娩室に送るのを見て一息ついていると、基地の医師が語りかけてきた。

「キャロルさん、貴方に出産に立ち合ってほしいそうです」

分かりましたと伝えて俺は手術着のような物に着替えて中に入る。

「佐伯サン、ありがとうございマース…私1人では不安で、ここに来るまでサポートしてくれた佐伯サンに立会いをお願いしたいのデス」

そう早口で伝えてすぐにいきみ始めたグリップを握る手を、俺は優しく包み励まし始めた。

244名無しのごんべへ:2021/06/28(月) 02:42:23 ID:ML.n6unM0
「次の息みででてきますよ!」
医師はキャロルさんに声をかける。
オレが運んだ時にはもう肩が出掛かっていたが、
もう片方の肩はでており、もう片方の肩も既に出かかっているのだ。

「ぁはぁは、あぁ、キましたー!!!んんんーーーー!!」
キャロルさんは思いっきりいきみでだした。

245名無しのごんべへ:2021/07/04(日) 14:38:27 ID:d7FcPoyg0
「あぁんぁああああああ!!」
ズリュリ
「っゃあ!ふぎゃぁ!」
キャロルさんの叫び声とともにキャロルさんの子は生まれた。

「はぁはぁ、ありがとうございます。佐伯サン。」

そして俺はいつものところに戻ってきた。
いよいよ秘密と書いてあるところだ。

「最後の秘密は佐伯様自身が女性の身体になり、出産を楽しんでいただくものになります.」
千夏さんが最後の秘密について説明していく。

まさか自分自身が出産できるとは。
俺は帝王切開にならない無介助で自力分娩、死なない範囲をきき、以下に設定した。
胎児二卵性の双子 胎児は3500gの正常位、単殿位
出産シュチレーションは日常にした。

「サービスで追加しときました。それでは出産をお楽しみください。」
それを入力してもらい、VRを起動した途端眠気を感じ目を閉じた。
この時千夏さんのサービスが二卵性とは別に甲骨位もう1人不全膝位を孕らせていたことと
最後が4000gのと気づいたのは双子を産み終わった時だった。

——
「おぃ。佐伯!何寝てるんだ、まだ仕事終わってないぞ!顔洗ってこい!」
あれ?今までのは夢?
目が覚めるといつもの仕事場だった。
俺の仕事場は激務な社畜で何日も徹夜なんてザラにある。
社畜だから出産中でも気にせず仕事しろってことか、、、
俺の日常って...
顔を洗いに洗面所へ行くと顔とか見た目には全く変化はないが腹は双子(千夏さんの悪戯で三つ子)だから
でかく突き出ているし、何よりペニスがないし穴があった。
どうやら体格はそのままだけど体の中は女性らしく、胸もないのに出産間近のせいか摘むと母乳が出た。
女性用スカートのスーツではなく普段俺が着てるスーツのサイズをおおきくしただけだな。
ベルトまでしててリアルだな。
パンツもボクサーパンツだし。

とりあえずいつまでもトイレにいると怒られるから業務に戻る。

246名無しのごんべへ:2021/07/08(木) 02:13:47 ID:6I4nbCAY0
「佐伯、トイレ長かったけど、大か?」
同僚の坂田が席に着こうとした時に声かけてきた。
「まーちょっとスマホみてたんだ。」
俺は苦笑いしながら応える。
この時俺は知らなかったが、同僚の坂田がこの招待をうけとって同僚の出産というワードでVR指定していたため、
坂田と俺が同じVR内にいた。
坂田は新卒時代から残ってる唯一の同期でよく泊まってゲームとか合コンしてる中だ。

248熊猫:2022/01/22(土) 08:47:53 ID:kX0jy/yY0
**************************************************************************************
当掲示板管理者の熊猫です。
直近書き込みである「2021/07/08」から6ヶ月以上が経過しておりますが、
その後の投稿がない状態が続いております。
一週間後の01/29 0:00まで待ちます。
それまでに投稿がないようでしたら、「落ちた」ということで、過去スレに移動させていただきます。
(3行以上のストーリー的に何か進展があるような投稿のみとし、それに当たらない投稿はノーカンとします)

各位よろしくお願いします。

 くまねこ
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249名無しのごんべへ:2022/01/25(火) 16:13:40 ID:tGbCKZqM0
「佐伯、さっきからずっと腹触ってるけど、やっぱ下したのか?」
俺は陣痛まではいかないが、つより張りを感じ無意識に腹をさすっていたみたいだ。
「そうなんだよ。朝に昨日賞味期限だった牛乳飲んだからな、それかもしれないな」
俺は坂田にバレないようにと、適当に嘘をつくことにした。

250名無しのごんべへ:2022/01/25(火) 17:07:27 ID:yVIsn4960
「まーどうせ今日も終電帰りだろうから、いえでのんびりできねえし、食い物買っといても一人暮らしだとなかなか消費できないよな。」
佐伯が苦笑いでいうがあー今日も残業かー。
ただの前駆陣痛ならいいけど。
というか妊婦に残業させるな、そもそも臨月の妊婦働かせてる会社ってと思ったがVRだからと目をつむることにした。と言うより気にしたら負けな気がした。
昼時になると張りが一定の期間で来るようになった気がする。
やっぱ陣痛始まってるよな?

251名無しのごんべへ:2022/06/29(水) 19:58:02 ID:ZOQ4kG8M0
昼飯を食べ終えて、再び仕事に戻ることにした。
休憩室やトイレへ行くために動いたせいか、張りが痛みに変わりつつあった。
「ふう…ふう…ふぅ…。まだ、大丈夫だよな?頑張れ、俺…」
できる限り他の社員に気づかれないようにお腹を擦りながら仕事を続けた。

252名無しのごんべへ:2022/06/29(水) 21:44:37 ID:Q7lpAK7E0
「ふぅーうぅー...んんー、あ"ーーl」
俺は陣痛が来そうなタイミングでトイレに立ち水の流れる音で声が漏れるのを防ぎ陣痛を逃していく。
まだ序盤な気がするけど結構きつい。
しかもお腹が大きいせいで内診自分出できなさそうだ。
これ、どれくらい進んでるんだろう?

253名無しのごんべへ:2022/07/09(土) 19:45:51 ID:9U73VpBM0
「あ゛ぁぁぁぁぁぁあ!う゛ぅぅぅぅぅ〜〜!」
徐々に陣痛の感覚が短くなっている。
しばらくトイレでやり過ごしているがこれ以上長くいると上司から怒られそうだ。
そんなことを考えながらいつトイレから出るかを考えてると、
「ぁ"ぁ〜....」
微かに誰かの生きみ声が聞こえた。

254名無しのごんべへ:2022/07/09(土) 23:19:00 ID:TLi9auBU0
俺は聞き耳を立てる。
もしかして俺以外にも出産してるやついるのか!
でも少し遠いからトイレじゃないのか?
俺は気になるが社用携帯から「上司が呼んでるぞ」って佐伯からメッセージがきた
から戻ることにした。

255名無しのごんべへ:2022/07/14(木) 00:06:24 ID:/I1e/K9Q0
(微修正)

自分の席に戻る途中、メッセージをくれた坂田と廊下ですれ違う。
そういや、あいつも「昨日焼肉食べすぎたみたいで、腹が痛いんだよ」なんて言ってたっけ?

「あ゛ぁ゛、痛え…」

そう呟く坂田を見ると、俺が陣痛で苦しんでいたから気づいていなかったが、俺みたいな大きな胸とお腹を抱えている。

ひょっとしたら、坂田も開店キャンペーンとやらで出産VRに参加していたのか?…だとしたら、同志みたいなものだ。

『辛いだろうが、互いに頑張ろうな』

そう心で呟き、まだ張りが完全に引かないお腹を撫でながら、おれは上司に呼び出された商談スペースへと足を運んでいた。

256名無しのごんべへ:2022/07/14(木) 01:29:37 ID:8W4FgUpk0
スケジュールを確認してみると今日はこれから商談が入ってたな。
上司と共に顧客を招き、商談スペースでプレゼンを行うことになった。
「こちらの製品についてですがーーーー」
俺は滞りなく製品の説明をしていたが、ちらりと時計をみるとそろそろまた陣痛が来る時間だ。

257名無しのごんべへ:2022/07/16(土) 21:56:08 ID:QRCy5ic20
上手く喋れなくなるだろうと考えた俺は一つ策を講じることにした。

「…続いて、こちらのスライドでメリット、デメリットを…あれ?おかしいな…」

痛み始めたお腹を気にせず、俺は資料を探すフリをする。

「申し訳ございません、資料を共有フォルダに入れ忘れたみたいで…課長、説明の続きお願いできますか?」
「…全く、次はちゃんと確認するんだぞ?…失礼。では、私から続きの説明をいたしますね。…っと、その前に…私のパソコンを画面に接続しますから少しお待ちください」

課長に説明をバトンタッチしてもらい、俺は椅子に腰掛けて自分のメモを開いた。
顔を伏せ、課長と顧客の話を聞いているフリをしながらシャーペンでメモを取り始める。

『痛みが強くなってきて、だんだんいきみたくなってきた。早く、商談終わってくれ』

当然今の状態で課長や顧客の話なんか頭に入ってこない。
俺は今の自分の状況を把握するようなメモを書き、消しゴムで消すと言うことを繰り返す。

「佐伯?商談終わったぞ、自分の席に戻らないのか?」
「…ええ、もう、すこし後、で…後片付けが…ある、ので」

陣痛が続く俺の声に少し首を傾げたが、「わかった」と課長が話して商談ルームのドアを開ける。

少し時間が過ぎて痛みが楽になったタイミングでゆっくりと立ち上がり足速に歩く。

トイレに近づいたタイミングでまた痛みが襲ってきたので、個室の中に入りドアを閉めまた俺は必死にお腹を撫でながら陣痛をやり過ごそうと画策し始めた。

258名無しのごんべへ:2022/07/16(土) 22:21:27 ID:cipW0OsE0
「ふぅーうぅー、これだいぶ進んでる気がする。」
時計をみると陣痛の間隔はまだ10分ありそうだが、
息みたい衝動が走る。
タダまだいきんでも体力使うだけだから
今は深呼吸で痛みを逃していく。
「うぅー、わぁ!?...(バシャー)....やば、まにあわなかった......」
坂田の声が洗面台の近くで聞こえたなって思うとバシャと水音がした。

259名無しのごんべへ:2022/08/02(火) 00:29:07 ID:TQoVeFJc0
とりあえず坂田が破水したんだろう、と考える俺。
不幸なのか幸いなのか、まだ俺の出産は先っぽいし、痛みが少し治まって来た気がする。
足元に気をつけながら、俺は洗面台へと歩き出す。

「うぅっ…いきみたい、出したいっ…でも、まだ子宮口開いてないかも知れないからいきむ勇気がねぇ…」

洗面台の縁に両手を置き、くの字のような姿勢でお尻や腰を動かす坂田がそう小さく呟く。

「大丈夫か、坂田」
「佐伯…?お前、なんでここに…?」
「話は後だ、触診するぞ」

苦しげに唸る坂田に声をかけた俺は、俺の状況を話すことを後回しにして坂田の触診をする。

「ひゃうん」

VRだからか女っぽい声を出す坂田に気にせず俺は指先に集中する。
そして、今までVRで経験した助産から坂田に声を掛けた。

「大丈夫、もう10センチ…全開まで開いてる。いきんでいいぞ」

その言葉を全て聴くことはなく(多分10センチって聴いた辺りか?)、坂田は必死に息み始めた。
よっぽど楽になりたかったんだな…実際、今の俺もだんだんそうなってる。

坂田が息を整えてる間、俺は自分の状況を坂田に伝えた。

『コスプレ出産喫茶』の招待状を受け取ったこと。
全てのメニューを終わらせて『秘密』という裏メニューをやっている最中ということ。
『秘密』ってのが自分が女体化して出産出来るってこと。
そして、その際に坂田が苦しそうにしているのを見て俺みたいに出産してるんじゃないかと思ったということを。

「そうか…俺も大体似たようなもんだな」

坂田から聞いた話だと、開店サービス的なものがきっかけの俺と大体流れが似ているらしい。
ただ数点違うのは、数日前に知った『秘密』のメニューを坂田は一旦保留にしてたらしい。
利用するか迷っている時に俺の『秘密』メニューが開始されたというメールが届いたらしい。
俺とは知らなかったらしいが、坂田は自分一人で出産するのが怖くて『同僚の出産』というオプションを付けたら俺が現れてお腹を気にしている様子からいわゆる「NPC」として認識していたんだと。

まぁ結局俺は「PC」「アバター」みたいなもんだったんだがな。

そんな会話をしていると、少しだけ坂田のお腹にいる赤ちゃんの頭の先が見えてきた。
けど、いきむのをやめるとすぐに戻る。
排臨に近い状態まで坂田の出産は進んでいる。

俺の出産もだんだんと近づいて来ているとは思うが、今は坂田の赤ちゃんを無事に生ませることしか頭に無かった。
陣痛を気にせず、助産することに集中しているせいか、少しずつ俺の陣痛の間隔が狭まってることに、俺は気付くことが出来なかった…

260名無しのごんべへ:2022/08/02(火) 00:58:26 ID:IO3X5JQs0
「ふぅーぅうー、んんんーーー!
はぁはぁ....そういえばお前の腹、でかいけど、どう設定したんだ?」
坂田は陣痛が来たタイミングで息みつつ、合間の時間に聞いてきた。
「あぁ、俺は、双子だ。
正常位と逆子だ。色んなシュチエーションみてたらどっちもやりたくなった。」
俺は腹を擦りながら答える。
「ふぅぅぅう、俺は、怖くて、1人、だ。うぅ、きたぁあああ!うぐぅうううう!!」
坂田は腰を突き出すようにいきんでいる。
ただ排臨まで進んでいるがそこからなかなか進まない。

261名無しのごんべへ:2022/08/21(日) 07:41:34 ID:qnqHHYaA0
「お前、胎児の設定体重いつくにしたんだ?」
「ふぅーぅうー、…んせん…ごひゃく…」
「ん?聞こえない。いくつだって?」
「…っよんせんごひゃく!!!あぁあああーー、いたいぃいい゛っ、」
1人でも巨大児にしたら一緒だろと思いながら甲斐甲斐しく介助を続けた。
その間自分の陣痛の間隔が5分にまで縮まっていることにまだ気づいていなかった。

262名無しのごんべへ:2022/08/21(日) 09:40:20 ID:RQRq0QU20
なかなか排臨から進まないな。
「坂田、お腹押して見るから仰向けになれるか?」
「ふぅーうぅうう、でづだってけえええ!」
坂田は余裕がないようだけど俺はゆっくり仰向けにした。
お腹が押しやすいよう膝をついた体制で坂田に馬乗りになった。
この体制だと俺の股間が坂田に丸見えになっていたことなどこのときは双方気にしていない。

そして俺の方も子宮口がほぼ全開になっていることに気づいてはいなかった。

263名無しのごんべへ:2022/08/30(火) 13:37:47 ID:kWQFKSC20
「はぁ、はぁぁっ……っあ゙あ゙ぁぁっ!!!」
坂田の陣痛が来たタイミングで、お腹を押していく。
何度かそれを繰り返していると…

「「う゛っ!」」
「うわぁぁぁ」
腹を胎児に強く蹴られたかと思ったらその直後に俺の股間から何かがドバッーっとでてきたのだ。

264名無しのごんべへ:2022/08/30(火) 14:21:40 ID:9G2giUys0
「うぶっ!!」
「あ、わりぃ、ふぅーふぅー。破水しちまった。」
思いっきり坂田の顔に羊水をかけてしまった。
「ぅうう、俺の方も、ヤバいかも、ぅぅうう!!」
俺は坂田のお腹を押しつつ俺自身もいきんでいく。
俺の方の胎児はゆっくりだが降りてきてるのがわかる。
坂田より下手したら早いかもしれない。

265名無しのごんべへ:2022/10/09(日) 01:40:11 ID:ijn2o0sY0
「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!ぐぅおおおっおお!!!」
俺の方の、1人目の胎児は、恐らく破水を機にものすごい勢いで産道を駆け降りている。
それゆえに、常軌を逸した激痛が、下腹部、骨盤、恥部に走る。
坂田の腹を押す手に力が入らない。足も、歯も、ガタガタと震えながら俺は息んだ、そして。
「あ゛ぉ゛ぉ゛っっ、ぐっはあぁあああっ、さっ、えきっ!!頭、みえ…てるぅぐあ゛あ゛あ゛あ゛アア!!!」
陣痛と陣痛の、ほんのわずかの間に、坂田がそう叫んだ。

266名無しのごんべへ:2022/10/09(日) 01:58:39 ID:1iXDw3/E0
「うぅ....ぐぅぅぉおおお!?」
俺は陣痛が来て息む反動で坂田のお腹をグイグイ通した。
「ゔぉぉおお、いでぇええ!」
陣痛とかも関係なく俺のタイミングでお腹を押すため、坂田とはタイミングが合わず、苦しみもがいていた。

267名無しのごんべへ:2022/10/17(月) 02:43:26 ID:1chWfLkI0
「ひぎぃっ!あっ、ぎああああっああああああああ!!」
坂田の出産を待つことなく、俺の腹からは1人目の子供がずるりと抜け出してきた。
1人生み出したことで、一旦陣痛に余裕が出た俺は、坂田の腹を押す力を一層強める。
「ヤ゛ッ…やめ、ヤ゛メ゛デク゛レッッ、ア、イヤダ、イタイ、イタアアアアアア!!!」
坂田は、あまりの激痛に身をのけぞらせ、腕をバタバタと暴れさせた。

268名無しのごんべへ:2022/10/17(月) 03:42:52 ID:mwMDX8QI0
「ぐぅう、うぅ、ギャァあああ!?オオギィい、オオギィいいい!!」
坂田は

269名無しのごんべへ:2022/10/17(月) 03:47:21 ID:mwMDX8QI0
坂田は骨盤を通る痛みにミシミシ痛み苦しんでいた。
「そりゃあ、4500gなんだから大きいわ!」
俺は苦笑いをしながら言った。
「ふぅーうぅーー、ごじ、ごじが、くだけるぅううう!」
俺は坂田のお腹をぐいぐい押しているが一向に息むのを止めると引っ込んでしまう。
「うぅ、俺ももう1人始まった、かも。」
2人目も漸く出てくる気になったのか陣痛が再開したようだ。

270名無しのごんべへ:2022/10/17(月) 15:19:26 ID:1chWfLkI0
「いっ、でえええ!!!」
しばしの間を置いてからの陣痛は、より身体に堪える気がした。次の胎児は逆子なので、さっきよりも進行は遅い。
一方で、坂田の胎児は排臨を終え、発露に入ろうとしている。こりゃあ、俺より坂田が先に出産を終えそうだな。
陣痛の間の短い時間で、そんなことを考えながらお腹を撫でる。
「ん?あれ、なんで…」
そこで俺は、さっき3500gの胎児をひり出したのに、腹部が馬鹿でかいままであることに気づいた。

271名無しのごんべへ:2022/10/17(月) 15:56:47 ID:NMYtXvog0
今まで双子って少しは腹凹んだ気がするけどな。
俺は少し気にかかるものの今はまだ次の破水に備えて陣痛に耐えつつ坂田の方の介助を続ける。
坂田も実際これで終わりではなく、千夏さんがサービスしていることに気づくことはなかった。
「おおぎぃい!おおぎぃい!むりだぁ!!」
坂田会陰は極限まで伸びており、吸い付くように頭を包んでいる。
「はぁはぁ、頭、でてきてる、から、いきめ!」
裂ける恐怖と極限まで伸びた会陰の燃えるような痛さに坂田は先程から強くいきめていない。

272名無しのごんべへ:2022/10/18(火) 01:02:39 ID:I12cr40E0
「いぐ、ふぐぅぅ、うぐぃいいいい!!」
坂田は、顔を真っ赤にして息み始めた。
「う゛あ!!ああ、無理ッッ!!」
「バカ言うな、俺がまだ余裕あるうちに産んじまえっ…!」
剛を煮やした俺は、坂田の腹に全力を込めて力を入れた。
「ギエッ!!!」
グリン!と白目を剥いた坂田の膣からは、胎児の頭が大きく見えていた。発露だ。

273名無しのごんべへ:2022/10/18(火) 09:24:29 ID:VPhh/AWM0
流石に俺の子と1kg差があるだけあって胎児の頭もでかいな。
「ふぅ〜ふぅ〜、ほら、頭、引っ込まなくなったぞ!ほら、もっと息め!(ズルっ)やべっ!?」
坂田のお腹を押す際に汗で滑って腹を床に押し付けるように転けてしまったせいかプチンという音を立てて二人目の羊膜が破れてしまい、バシャーと勢いよく羊水が俺のまたから流れ出る。

274名無しのごんべへ:2022/10/18(火) 19:04:53 ID:Vy/mE7Kw0
坂田は骨盤を通る痛みにミシミシ痛み苦しんでいた。
「そりゃあ、4500gなんだから大きいわ!」
俺は苦笑いをしながら言った。
「ふぅーうぅーー、ごじ、ごじが、くだけるぅううう!」
俺は坂田のお腹をぐいぐい押しているが一向に息むのを止めると引っ込んでしまう。
「うぅ、俺ももう1人始まった、かも。」
2人目も漸く出てくる気になったのか陣痛が再開したようだ。

275名無しのごんべへ:2022/10/18(火) 20:36:03 ID:VPhh/AWM0
破水させてしまったしホントなら早く出さなきゃいけないんだけど。
「ふぅ〜ふぅ〜うぅー!」
俺は腰を揺らしつついきむ体制に入る。
お尻で子宮口がせき止められたのか破水したはずだが羊水は止まっていた。
「その、かっこ、そそる、あ”ぁああああ!」
坂田は陣痛の合間に俺の腰の動きを見て萌えてるようだが、すぐに陣痛で現実に戻されたようだ尻のせいか俺の方も先程とは違いなかなか出てくる気配がなかった。
へその緒が体に絡まっており、進みが遅いとは全く考える余裕がなかった。

276名無しのごんべへ:2023/01/14(土) 05:32:42 ID:WUq89UPU0
ふと陣痛に対する逃避なのか、ある思考が頭にに浮かぶ。
この洋館を訪れてから、ずっと傍らにいて、自分を支えてくれた女性のことだ。
VRでこんなに大変ならば、これから近い将来にリアルでお産を迎えることになる千夏さんは、ホントに大丈夫なのだろうか?
見慣れた彼女のお腹は、同じ双子(と思っている3つ子)でも自分より一回りは大きい・・・。
きっと、母胎から胎盤を通して沢山栄養をもらった子宮内の赤ちゃん達は普通より大きく育っているのだろう。

なってみてわかるが、赤ちゃんをお腹に抱えた体は思いもよらなかったほど負担が大きい。
千夏さんがちょくちょくお腹を気にしていたり、すぐ眠ってしまったのも仕方のないことだ、今更ながら申し訳ないと思う。
そして、そんなの臨月の千夏さんをこんな店で働かせて、そばにもいない旦那か、彼氏には少なくない殺意を覚えた。

もうじきお別れになってしまう自分は、千夏さんの出産に立ち会うことはできないが、せめて彼女と赤ちゃん達が無事に・・・

「ッッッふぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーん!!!!!!」

いまは千夏さんを気にしている余裕はなさそうだ。

277名無しのごんべへ:2023/06/21(水) 12:59:26 ID:U5h8Ukz.0
「ああ゛あ、ああああ!いでぇええ!」
自分のいきむタイミングでその痛みを坂田の腹にぶつけていた。
そのおかげなのか、やっとの思いで坂田の赤子は肩まで出てきた。
「ぐっううううっ、さ、さっかたっ!!肩、みえ…てるぅぞぉぉっ!!!
あと、すこしだぁぁあああ」
陣痛と陣痛の、わずかの間に、坂田にそう伝えた。

278名無しのごんべへ:2024/01/20(土) 12:28:45 ID:ESAf7T5g0
「出るッ、出るッ出るッ、ぅんんっ、ぁあああーーーーーッッ!!!」
バッシャーーン
「っふ、ふぎゃあぁ!」
肩まで出ていた坂田の赤子は、残りの羊水と共に豪快な音を立て出てきた。

279名無しのごんべへ:2024/01/21(日) 02:15:42 ID:IERtGKZA0
「ふぅーふぅー、おつか、れ、休んだら、手伝って、くれ」
出産の余韻で坂田はぼーっと天井をみてるが、
俺の子も手伝ってほしい。
「はぁはぁ、あぁ、ただ、待ってくれ」
さすがにでかい赤ん坊を生み出しただけあるな。
坂田のコンディションが戻るのは少しあとだな。
俺の次の子は単殿位だったな。

280名無しのごんべへ:2024/02/20(火) 19:57:24 ID:EUfMHHIU0
「…っんん゛、はあーっ!…あ゛あ゛あ゛っ、痛い痛いっ、いたぁあああいぃいいっ!!」
坂田の子どもが生まれた安堵感からか一気に陣痛が強くなった。
それと同時に、陰会が張り裂けそうな感覚の痛みが生じた。

281名無しのごんべへ:2024/02/21(水) 09:51:57 ID:iZE4Dw3Q0
胎児は臍の緒を絡ませたせいか暴れてるのだ。
「お前の、こ、足の片方見えててうごいてるz」
少し現実に戻った坂田が実況してくれる。
「げ、げんいん、見てくれ」
俺は暴れる原因がわからず坂田に頼んだ。

282名無しのごんべへ:2024/03/11(月) 19:26:33 ID:HK7oW8P20
「はぁ…、ぁ、、あぐぅううう…っ、いたいぃいい゛!
さかだぁぁ!!見でぇぇえ!!」
陣痛が来る中、坂田にどつなってるかを見てもらおうと必死に叫んだ。
「ああ!!」
坂田に見てもらったところ、どうやら臍の緒が絡まって息苦しい為に暴れている様子であった。

283名無しのごんべへ:2024/03/12(火) 01:34:40 ID:MD0waGNA0
「臍の緒が絡まってるみたいだ。
どうする?」
「ふぅふぅ、うぅう、ほどげぇえ」
俺はどうする?ってきいてくる坂田に解くように言う。
「ちょっと痛いかもだけど、我慢しろよ。後で恨みっこなしだからな」
坂田はそういうと俺の股に指をゆっくり入れた。

284名無しのごんべへ:2024/03/17(日) 20:23:19 ID:V7BVnG8U0
「うぐ…っ、あ、ぐ、ぐ…っ!痛っでぇぇぇ!!」
まるで内蔵を捻られるような強烈な痛みであったが、臍の緒が絡まっているとどうしようもない為何とか耐えた。
「解けたよ!」
その言葉を聞いて、俺は再び息んだ。
「…あ、佐伯!、出てきたぞ!!」
段々と降りていく感覚が自分自身でも分かった。
「つ、次で、出す…っ。…ふっ、ふっ、…ぅぐ、ぐ、ぐ、ぐ、…ぐ、ああああ!!」
最後の力を振り絞り約束どおり赤ちゃんの頭を娩出した

285名無しのごんべへ:2024/03/17(日) 21:55:34 ID:xw7a6AJ60
「ふぁあ、あぁ、はっ、はっ、はぁ。。。」
俺は一気に抜け、脱力する。
こ、これで、終わった?

俺は疲れ果て、子供を佐伯から受け取ってぐったりする。
「さてと、これで俺たち2人とも産み終わったし終わりかな?」
佐伯の言葉に俺も安堵しているが、いつまで経っても終わる気配がない。
それもそもはずで最後のプレゼントの子が残っていたから終わるはずはない。

286名無しのごんべへ:2024/03/19(火) 13:42:14 ID:yItr25ts0
「ぅうう〜、何か〜、…いてぇええ〜…」
先に陣痛が再開したのは坂田だった。
「ん?、どうした?」
先程終わったはずの坂田が再び腹の痛みを訴えだした。
この頃、俺たちはまだ千夏さんがサービスを追加しているとは思ってなかった為、後産まで楽しめるようなシステムにでもなっているのだろうとくらいにしか考えていなかった。

287名無しのごんべへ:2024/03/20(水) 01:18:23 ID:bLdiehTk0
「胎盤引っ張ってくんない?
多分出てくると思う」
坂田は自身から出ている胎盤を引き抜けば終わると思い、俺に頼む。
俺はゆっくり引き抜こうと思ったが全く下がってきてる気配はない。
「これ胎盤まだじゃね??」

288名無しのごんべへ:2024/03/24(日) 21:39:14 ID:bQ5ge90s0
「くっそー、またきたぁぁあ、いてぇぇええ」
坂田は再び痛みを訴えた。
変なところに引っかかってるのではないかと思い、再び胎盤を探したが見つからない。
痛がり方的にまるで陣痛のようだと感じたのは、その痛みが定期的に来ていると気づいたからであった。

289名無しのごんべへ:2024/03/25(月) 15:22:11 ID:gVYV25GQ0
そして確信に変わったのは、俺の方だ。
パシャーっと俺の股から勢いよく水が流れた。
「これ、羊水だよ、、、な?」
「お前もう一人いたのか!?」
「知らない!俺は双子にしてたぞ!」
「ってことは俺の今のこれも、、、うぅううう!!」
漸く坂田も自分のまだ中に胎児がいることを認識した。

290<削除>:<削除>
<削除>

291名無しのごんべへ:2024/05/27(月) 07:29:37 ID:G8/XL46Q0
「あ゛あ゛あ゛っ、痛ってぇぇ!!」
破水とともに骨盤の方にきっちりとハマる感覚があったがそこからビクともしないのだ。
1、2人目は体重や体位を自分で選んでいたが、3人目は千夏さんからのプレゼント。
更なる巨大児でさらに甲骨位まで追加されてるなんて考えもしていなかった。

292名無しのごんべへ:2024/05/27(月) 09:40:49 ID:1jg1h/.M0
「はぁーー!あぁーー!!でねぇーーーー!!」
坂田もさっき巨大児を産んだばかりだから出てくるところは
緩くなってるはずなのに一向に見えてくる気配がない。
「うぅーー俺の方も、降りてくる気配、ないわ、うぅ、きたたぁぁあああ!!」
全開だからさっさと息んでしまって産み落としたいのに出てくる気配がない。


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