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バトルロワイアル - Invented Hell – Part2
304
:
『01(ゼロイチ)』
◆ZbV3TMNKJw
:2025/02/08(土) 23:00:32 ID:xjzPINJo0
「...わ、私は...」
「...クオンさんは?」
返答を戸惑う早苗の様子に、これ見よがしにため息を吐きつつ、久美子はクオンへとかぶりをふる。
「わたくし、は...」
瞼を閉じ、考える。
この殺し合いを否定し無かったことにすれば。
この催しで出会った者たちとの縁や覚悟、今の自分たちをも否定することになる。
それを良しとしない者も多いだろう。
例えば、散ってしまった中ではミカヅチにビルド。
例えば、生きている中では隼人やブチャラティ。
彼らの想いや信念とて、蔑ろにしたい訳ではない。
けれどそれ以上に。
自分には、ハクのいない世界など耐え切れない。
そもそも。
マロロの言を信じるならば、本来は、もっと早い段階で自分はオシュトルの正体を知っていたのだ。
でなければ、オシュトルの下に着いて共に戦うなどあり得ないのだから。
それを、理不尽な横やりで無かったことにされたのが今なのだ。
例え我儘で傲慢だと罵られても―――それを運命だと受け入れられるはずもない。
「私は...久美子に、賛成、するかな」
「!」
「私も...久美子と同じ気持ちだから」
遠慮がちでありながら、しかしここにきて真っ当な賛成意見に久美子の顔は綻びた。
そう。そうなのだ。
こんな理不尽で出鱈目な異変に唐突に巻き込まれて、その中で一生懸命に生きて、それでも殺される。殺してしまう。
そんなものをどうして受け入れる必要があるのか。
だって、本当なら、そんなことをすることもされることもなかったはずなのに。
だから、彼女たちはその運命を否定し、拒絶する。
「ありがとうクオンさん!...それで、早苗さんは?」
お礼を言ったクオンに対してとは対照的に、早苗に対しては露骨に声音が下がる久美子。
さっさと答えを出せと言わんばかりの久美子の視線に早苗の胸が締め付けられるような息苦しさを覚える。
「わ、私は...その...」
「早苗さんはハクさんを殺したことに後悔はないんですか?」
「!!」
久美子の言葉に動悸は更に早くなる。
後悔が無い、だなんてそんなことは口が裂けても言えない。
あの瞬間まで時間が巻き戻せるなら、どんな手段を使ってでも止めたいと思っている。
「こ、後悔がないなんて、そんな...」
「じゃあなんで躊躇うんですか。ハクさんだけじゃなくて、カナメさんやみぞれ先輩にマロロさん、霊夢さんに弁慶さんに志乃ちゃん...早苗さんが関わってるだけでもたくさん死んじゃった人たちがいるんですよ。みんな、みんな見捨てるんですか」
強い語気になっているのは、心を抉るような酷いことを言っているのは久美子自身も自覚していた。
きっと、自分が早苗の立場で同じ言葉を投げかけられれば、もう立ち直れなくなってしまうだろうと。
しかしそれでも、久美子は早苗には味方に付いてほしかった。
破壊神との戦いで共に生き延びた仲、というのは勿論のこと、同じ咎を背負った者同士だからこそのシンパシーも感じているから。
早苗が、本来は殺すはずのないハクを殺したのと同様に、久美子もまた、本来は殺すはずのないジオルドやカナメを殺している。
同じような境遇にある者同士で敵対し、排除するようなことはできればしたくはない。
だから、酷い言葉をぶつけてでも、彼女の反抗する意思を削ごうとした。
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